JP6379625B2 - 分割磁石の製造方法 - Google Patents
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Description
図1(A)、図1(B)は、本発明の実施形態1に係る焼結磁石が用いられるローターコア(回転子)について示す正面図、斜視図、図2は本発明の実施形態1に係る焼結磁石の製造方法を示すフローチャートである。図3(A)は、磁石片を成形型に載置する前の状態を示す斜視図、図3(B)は磁石片を成形型に載置した状態を示す斜視図、図4(A)〜図4(D)は、複数の磁石片を寸法矯正工程において接着し、接着工程まで搬送する様子を示す説明図である。図5は同製造方法に使用する寸法矯正装置を示す断面図、図6は同寸法矯正装置を示す側面図、図7は同寸法矯正装置の格納容器の内部を示す平面図である。
本実施形態において焼結磁石Mは、図2に示すように、原料となる合金の作製(ステップS1)、粗粉砕(ステップS2)、微粉砕(ステップS3)、磁場中成形(ステップS4)、焼結(ステップS5)、寸法矯正(ステップS6)、時効熱処理(ステップS7)、接着(ステップS8)、表面処理(ステップS9)、検査(ステップS10)、及び着磁(ステップS11)の工程を経ることによって製造される。以下、製造方法について説明する。
原料合金の作製は、真空又は不活性ガス雰囲気中においてストリップキャスティング法又はその他の溶解法によって行われる(ステップS1)。本実施形態に係る焼結磁石はNd2Fe14Bを主相とし、この中のNdに対して粒界拡散処理等を用いてDyやTb、Pr等を添加している。Ndを主成分として上記希土類金属を添加することによって焼結磁石の保持力を向上させることができる。
作製された原料合金はジョークラッシャー又はブラウンミル等を用いて粒径数百μm程度になるまで粗粉砕される(ステップS2)。粗粉砕された合金はジェットミル等によって粒径3〜5μm程度にまで微粉砕される(ステップS3)。微粉砕工程においては、特に粒径を3〜4μmにすると保磁力を高くすることができるため好ましい。
次に微粉砕された磁性材料を磁場中で成形し、圧粉体を得る(ステップS4)。圧粉体は平行磁界成形法や直交磁界成形法などの種々の方法を用いて行なうことができる。なお、本実施形態において原料合金の作製から磁場中成形までの工程を包括して圧粉体成形と称する。
磁場中で成形された圧粉体は真空又はアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気(以下、低酸素雰囲気と称する)中で焼結され、R−Fe−B系焼結磁石が得られる(ステップS5)。焼結温度は圧粉体の材料組成や粉砕方法、粒径によって前後するが、900℃〜1100℃程度で行われる。
寸法矯正工程では、概して低酸素雰囲気下において図4(A)、図4(B)、図5に示す寸法矯正部200を構成する上金型213と下金型214によってワークWにプレス成形を行い、焼結磁石の寸法矯正を行う(ステップS6)。詳細については後述する。
寸法矯正後には低酸素雰囲気下で時効熱処理を行い、焼結磁石の保磁力を調整する(ステップS7)。焼結磁石の寸法矯正は時効熱処理よりも高い温度にて実施される場合があるため、時効熱処理の前に焼結磁石の寸法矯正を実施する。熱処理を行う温度は磁石の組織を変えるおそれがあり、磁石特性に影響を与える可能性があるためである。
時効熱処理工程後、磁石片M1〜M4は接着剤によって接着される(ステップS8)。
接着工程後には、焼結磁石の錆びや腐食を防止するためにNiめっきなどによって表面処理を行う(ステップS9)。表面処理が終わったら、磁気特性や外観、及び寸法などの検査を行い(ステップS10)、最後にパルス磁界や静的磁界を印加して着磁することによって焼結磁石が製造される(ステップS11)。
次に本実施形態に係る焼結磁石の製造方法の中でも寸法矯正工程を具現化した装置について詳述する。寸法矯正工程以外の工程については従来公知の方法と同様であるため、説明を省略する。
次に寸法矯正工程から接着工程までの工程について詳述する。本実施形態において焼結磁石Mは、複数の磁石片M1〜M4によって構成される。焼結工程において焼結された磁石片M1〜M4は、格納容器220の内部であって、外周型215を設置した状態で下型214に載置される。その後、格納容器220に真空引き、又は不活性ガスを充填して低酸素雰囲気とする。そして、上型213、下型214、外周型215、及びワークMを620℃〜1000℃に加熱する。
図8は、実施形態1の変形例1に係る焼結磁石の製造方法に使用する寸法矯正装置を示す側面図、図9は同寸法矯正装置の格納容器内部を示す平面図、図10は同寸法矯正装置において焼結磁石の投入及び取り外しを行うテーブルに設けられた位置決め固定治具について示す平面図、図11は同位置決め固定治具に挟持された焼結磁石を成形型上に載置する様子を示す説明図である。
図13(A)〜図13(D)は、実施形態1の変形例2、図14(A)〜図14(D)は実施形態1の変形例3であって、寸法矯正工程後の焼結磁石を接着工程の位置まで搬送する別の形態について説明する説明図である。
実施形態1では、吸着パッド225が、加圧成形後の磁石片M1〜M4を吸着して接着工程の位置へと搬送する実施形態について説明したが、これに限定されない。磁石片M1〜M4は、図13に示すように、直進的に磁石片M1〜M4を接着工程の位置へと移動させる押し機231(プッシャーとも呼ばれる)と、押し機231によって押された磁石片M1〜M4を接着工程の位置まで搬送するコンベヤ232とによって構成してもよい。
また、寸法矯正されて冷却された磁石片M1〜M4を一旦在庫として保管する場合、図14に示すように、テープ233によって仮止めして保管するようにしてもよい。
図15(A)は、本発明の実施形態2に係る焼結磁石を構成する磁石片の寸法を矯正する前の説明図、図15(B)は磁石片を寸法矯正した後を示す説明図である。
次に焼結磁石の製造方法において、寸法矯正工程時に行うプレス加工の成形温度に関する実験を行ったので説明する。
200 寸法矯正部、
201 上スライド、
202 ボルスタ、
203 ノックアウトバー、
204 油圧シリンダ、
210 ダイセット、
211 上ダイ、
212 下ダイ、
213 上型(第1型)、
214 下型(第2型)、
215 外周型(第3型)、
216 固定治具、
217 連結ピン、
220 格納容器、
221 ヒーター、
223 配管ダクト
224 冷却部、
225 吸着パッド、
226 接着部、
231 押し機、
232 コンベヤ、
233 (仮止め)テープ、
240 調節機構、
241 ガイディングロッド、
242 ガイディングシリンダ、
M ワーク(焼結磁石)、
M1〜M4 磁石片。
Claims (5)
- ローターコアの磁極として使用される焼結磁石の製造方法であって、
Ndを主成分とする希土類元素Rを含むR−Fe−B系焼結磁石を構成する磁石粉末をプレス成形することによって前記磁石粉末が圧縮して形成された圧粉体を成形する工程と、
焼結温度に加熱された状況下において前記圧粉体を焼結して焼結磁石を構成する複数の磁石片を成形する焼結工程と、
前記焼結温度を超えない温度に加熱された状況下において複数の前記磁石片を一組にして成形する成形型に配置し、複数の前記磁石片を接触させた状態で加圧成形することによって複数の前記磁石片の寸法を矯正する寸法矯正工程と、を有する焼結磁石の製造方法。 - 前記複数の磁石片を接着する接着工程をさらに有し、
前記複数の磁石片は、前記寸法矯正工程において並べられた配列と同じ状態で接着される請求項1に記載の焼結磁石の製造方法。 - 前記成形型は、相対的に接近離間が可能な第1型と第2型とを有し、
前記複数の磁石片は、前記第1型と前記第2型との間に配置され、かつ、地面に対して水平又は垂直に並べて配置される請求項1または2に記載の焼結磁石の製造方法。 - 前記第1型と前記第2型の接近離間する方向と交差する方向に配置される第3型を更に有し、
前記寸法矯正工程の際に前記第3型によって前記複数の磁石片の寸法が矯正される請求項3に記載の焼結磁石の製造方法。 - 前記寸法矯正工程は、低酸素雰囲気において行われる請求項1から4のいずれか1項に記載の焼結磁石の製造方法。
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