JP6379625B2 - 分割磁石の製造方法 - Google Patents

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本発明は、複数の磁石片を接合した分割磁石の製造方法に関する。
ハイブリッド自動車のモーター等に使用される永久磁石にはNd−Fe−B系の焼結磁石が多く用いられ、優れた磁気特性を有することから今後も需要が増大すると考えられている。
従来のNd−Fe−B系焼結磁石の製造方法は、非特許文献1に記載されているように、Nd、Fe、B等の原料を真空中もしくはアルゴンガス雰囲気中で溶解し、ジョークラッシャー及びジェットミル等を用いて溶解した原料を粗粉砕、微粉砕する。そして粉砕した原料を磁界中で所定の形状に成形して焼結及び熱処理し、スライサーや研削盤を用いて切断加工や研削加工を行い、表面処理、検査を行った後に着磁させている。
ネオマグ株式会社、"ネオジム磁石の製造方法シリーズ(6)"[online]、2009年11月、インターネット<URL:http://www.neomag.jp/mailmagazines/200911/letter200911.php>
永久磁石には渦電流が発生することがあり、これが損失となることから渦電流による効率悪化を防ぎ、さらに磁石の小型化、低グレード化を図るために、焼結磁石を分割した磁石片から構成することがある。
また、従来の磁石の加工には切削加工がよく用いられる。しかし、切削加工によって使用されない部分ができてしまうため、切削加工による材料歩留まりは低い。これは焼結磁石を分割した磁石片から構成した場合には、磁石片同士が接触する面も加工する必要が生じることから、より顕著になる。さらに焼結磁石には材料としてレアアースが使用されることが多いため、材料歩留まりの向上への関心は高い。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、磁石を分割して構成する場合において磁石の材料歩留まりを向上させた焼結磁石の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る製造方法によって製造した焼結磁石は、ローターコアの磁極として使用される。当該製造方法は、Ndを主成分とする希土類元素Rを含むR−Fe−B系焼結磁石を構成する磁石粉末をプレス成形することによって磁石粉末が圧縮して形成された圧粉体を形成する。次に、焼結温度に加熱された状況下において圧粉体を焼結し、焼結磁石を構成する複数の磁石片に成形する。そして、焼結温度を超えない温度に加熱された状況下において、複数の磁石片を一組にして成形する成形型に配置し複数の磁石片を接触させた状態で加圧成形することによって複数の磁石片の寸法を矯正する。
本発明に係る分割磁石の製造方法によれば、複数の磁石片を一組にして焼結磁石の焼結温度をこえない温度で加圧成形している。そのため、寸法矯正のための加工は切削を使用せずに焼結磁石を構成する複数の磁石片の寸法を矯正することができ、複数の磁石片からなる焼結磁石の材料歩留まりを向上させることができる。また、寸法矯正工程では複数の磁石片を接触させた状態において加圧成形を行っているため、磁石片同士の接着面となる部位についても加圧成形によって寸法を矯正することができ、接着面をつくるための切削加工を廃止して材料歩留まりを向上させることができる。また、上記焼結磁石は、ローターコアの磁極の一つに使用することができる。
図1(A)、図1(B)は、本発明の実施形態1に係る焼結磁石が用いられるローターコア(回転子)について示す正面図、斜視図である。 本発明の実施形態1に係る焼結磁石の製造方法を示すフローチャートである。 図3(A)は、磁石片を成形型に載置する前の状態を示す斜視図、図3(B)は磁石片を成形型に載置した状態を示す斜視図である。 図4(A)〜図4(D)は、複数の磁石片を寸法矯正工程において接着し、接着工程まで搬送する様子を示す説明図である。 同製造方法に使用する寸法矯正装置を示す断面図である。 同寸法矯正装置を示す側面図である。 同寸法矯正装置の格納容器の内部を示す平面図である。 実施形態1の変形例1に係る焼結磁石の製造方法に使用する寸法矯正装置を示す側面図である。 同寸法矯正装置の格納容器の内部を示す平面図である。 同寸法矯正装置において焼結磁石の投入を及び取り出しを行うテーブルに設けられた位置決め固定治具について示す平面図である。 同位置決め固定治具に挟持された焼結磁石を成形型上に載置する様子を示す説明図である。 本発明の実験例1に係る焼結磁石の試験片の加熱による温度変化に伴う降伏応力と変形率の実験結果を示すグラフである。 図13(A)〜図13(D)は、実施形態1の変形例2であって、寸法矯正工程後の焼結磁石を接着工程の位置まで搬送する別の形態について説明する説明図である。 図14(A)〜図14(D)は、実施形態1の変形例3であって、寸法矯正工程後の焼結磁石を接着工程の位置まで搬送する別の形態について説明する説明図である。 図15(A)は、本発明の実施形態2に係る焼結磁石を構成する磁石片の寸法を矯正する前の説明図、図15(B)は磁石片を寸法矯正した後を示す説明図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(実施形態1)
図1(A)、図1(B)は、本発明の実施形態1に係る焼結磁石が用いられるローターコア(回転子)について示す正面図、斜視図、図2は本発明の実施形態1に係る焼結磁石の製造方法を示すフローチャートである。図3(A)は、磁石片を成形型に載置する前の状態を示す斜視図、図3(B)は磁石片を成形型に載置した状態を示す斜視図、図4(A)〜図4(D)は、複数の磁石片を寸法矯正工程において接着し、接着工程まで搬送する様子を示す説明図である。図5は同製造方法に使用する寸法矯正装置を示す断面図、図6は同寸法矯正装置を示す側面図、図7は同寸法矯正装置の格納容器の内部を示す平面図である。
本実施形態に係る焼結磁石Mは、複数の磁石片M1〜M4を一組にして接着して構成される。もちろん、磁石片の個数は4つに限定されない。焼結磁石Mは、図1(A)、図1(B)に示すように電動機などに用いられる回転子100のスロットに挿入されたりして使用される。
(焼結磁石の製造方法)
本実施形態において焼結磁石Mは、図2に示すように、原料となる合金の作製(ステップS1)、粗粉砕(ステップS2)、微粉砕(ステップS3)、磁場中成形(ステップS4)、焼結(ステップS5)、寸法矯正(ステップS6)、時効熱処理(ステップS7)、接着(ステップS8)、表面処理(ステップS9)、検査(ステップS10)、及び着磁(ステップS11)の工程を経ることによって製造される。以下、製造方法について説明する。
(原料合金の作製)
原料合金の作製は、真空又は不活性ガス雰囲気中においてストリップキャスティング法又はその他の溶解法によって行われる(ステップS1)。本実施形態に係る焼結磁石はNd2Fe14Bを主相とし、この中のNdに対して粒界拡散処理等を用いてDyやTb、Pr等を添加している。Ndを主成分として上記希土類金属を添加することによって焼結磁石の保持力を向上させることができる。
(粗粉砕、微粉砕)
作製された原料合金はジョークラッシャー又はブラウンミル等を用いて粒径数百μm程度になるまで粗粉砕される(ステップS2)。粗粉砕された合金はジェットミル等によって粒径3〜5μm程度にまで微粉砕される(ステップS3)。微粉砕工程においては、特に粒径を3〜4μmにすると保磁力を高くすることができるため好ましい。
(磁場中成形)
次に微粉砕された磁性材料を磁場中で成形し、圧粉体を得る(ステップS4)。圧粉体は平行磁界成形法や直交磁界成形法などの種々の方法を用いて行なうことができる。なお、本実施形態において原料合金の作製から磁場中成形までの工程を包括して圧粉体成形と称する。
(焼結)
磁場中で成形された圧粉体は真空又はアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気(以下、低酸素雰囲気と称する)中で焼結され、R−Fe−B系焼結磁石が得られる(ステップS5)。焼結温度は圧粉体の材料組成や粉砕方法、粒径によって前後するが、900℃〜1100℃程度で行われる。
(寸法矯正)
寸法矯正工程では、概して低酸素雰囲気下において図4(A)、図4(B)、図5に示す寸法矯正部200を構成する上金型213と下金型214によってワークWにプレス成形を行い、焼結磁石の寸法矯正を行う(ステップS6)。詳細については後述する。
(時効熱処理)
寸法矯正後には低酸素雰囲気下で時効熱処理を行い、焼結磁石の保磁力を調整する(ステップS7)。焼結磁石の寸法矯正は時効熱処理よりも高い温度にて実施される場合があるため、時効熱処理の前に焼結磁石の寸法矯正を実施する。熱処理を行う温度は磁石の組織を変えるおそれがあり、磁石特性に影響を与える可能性があるためである。
(接着)
時効熱処理工程後、磁石片M1〜M4は接着剤によって接着される(ステップS8)。
(表面処理、検査、着磁)
接着工程後には、焼結磁石の錆びや腐食を防止するためにNiめっきなどによって表面処理を行う(ステップS9)。表面処理が終わったら、磁気特性や外観、及び寸法などの検査を行い(ステップS10)、最後にパルス磁界や静的磁界を印加して着磁することによって焼結磁石が製造される(ステップS11)。
(焼結磁石の製造装置)
次に本実施形態に係る焼結磁石の製造方法の中でも寸法矯正工程を具現化した装置について詳述する。寸法矯正工程以外の工程については従来公知の方法と同様であるため、説明を省略する。
実施形態1に係る焼結磁石の製造装置200は、相対的に近接離間可能な上スライド201およびボルスタ202と、上スライド201及びボルスタ202に取付け及び取外しが可能なダイセット210とを有する。ダイセット210は、上ダイ211と、上ダイ211に対向して配置される下ダイ212と、上ダイ211と下ダイ212の位置合わせを行なう調節機構240と、を有する。また、ダイセット210は、ワークW(寸法矯正加工の対象となる焼結磁石)の寸法を矯正する矯正金型が設けられ下ダイ211に載置される格納容器220を有する。
格納容器220は、焼結磁石を加熱するヒーター221と、格納容器220の室内を低酸素雰囲気に形成するための配管ダクト223と、冷却部224と、吸着パッド225と、接着部226と、を有する。
図5において、上スライド201は、油圧によってボルスタ202に対して近接離間移動する。上スライド201は、ダイセット210の上ダイ211を着脱自在に固定する連結ピン217を有し、ボルスタ202は、ダイセット210の下ダイ212を着脱自在に固定する連結ピン217を有する。ボルスタ202には、寸法を矯正した後の焼結磁石を矯正金型から取り出すノックアウトバー203が昇降自在に設けられている。
成形型は上型213(第1型に相当)、下型214(第2型に相当)、外周型215(第3型に相当)から構成される。上型213及び下型214は、上スライド201とボルスタ202によって接近離間できるように構成されている。外周型215は、上型213と下型214とが接近離間する方向と交差する方向からワークである磁石片M1〜M4を包囲する。外周型215とワークMとの距離によって、上型213と下型214による加圧成形の際にワークMは外周型215と接触して加圧され、外周型215によってワークMの外周を加圧することもできる。ノックアウトバー203及び下型214は、ワークMを取り出すノックアウト機構を構成する。図5における符合204は、ノックアウトバー203を昇降駆動する油圧シリンダを示している。
ダイセット210は、上ダイ211を連結ピン217によって上スライド201に固定し、下ダイ212を連結ピン217によってボルスタ202に固定することによって、寸法矯正部200に固定される。上ダイ211は、上スライド201の動作に連動する。
調節機構240は、下ダイ212に設けられたガイディングロッド241と、上ダイ211に設けられたガイディングロッド241をスライド移動自在に保持するガイディングシリンダ242と、を有する。ガイディングロッド241がガイディングシリンダ内を摺動することによって、上ダイ211と下ダイ212との位置合わせが行なわれる。本実施形態において、上ダイ211が下ダイ212から最も離間した場合でもガイディングロッド241はガイディングシリンダ242から外れることはなく、これによって位置精度が確保される。
また、上ダイ211及び下ダイ212は連結ピン217によって上スライド201及びボルスタ202に固定される。そのため、連結ピン217の取外しのみによってダイセット210の寸法矯正部200への取付け及び取外しを容易に行うことができる。
格納容器220は、加工対象となる焼結磁石を低酸素雰囲気において加工するために下ダイ212に載置されている。配管ダクト223は、室内を低酸素雰囲気に形成するために真空ポンプ(不図示)に接続されている。配管経路の途中にはバルブ(不図示)が設けられ、格納容器内を真空にした後にバルブによって経路を切り替えることによって窒素ガス等の不活性ガスを格納容器内に充填することができる。室内の酸素濃度はNd−Fe−Bの焼結磁石において10ppm以下、NdにDyやTb、Pr等の金属を粒界拡散処理した場合は1ppm以下とすることが望ましい。Ndに比べてDyやTb、Prの方が酸化されやすいためである。なお、焼結磁石Mの磁石片M1〜M4を投入する投入口を開放して格納容器220の内部を大気圧に戻すこともできる。
格納容器220の内部には、真空状態を保持した状態で上ダイ211及び下ダイ212に取付けられた成形型が図5における上下方向から格納容器内部に挿通している。下ダイ212からは下型214が固定治具216によって固定されて設置され、上ダイ211には上型213が下型214と同様に固定治具216によって固定されて設置されている。また、図5において下型214の上には、加工対象となる焼結磁石Mを包囲する外周型215が下型214先端の鍔形状と係合することによって下型214に取り付けられる。
また、格納容器220には焼結工程から搬送された焼結磁石を下型上に載置し、寸法矯正後に次の焼結磁石との取替えを行う磁石投入取り外し機構が設けられている。
本実施形態において下型214への磁石投入取り外し機構は、グローブ222によって構成される。グローブ222は、格納容器220の側面に配置された、天然ゴム等の材料から構成された伸縮性のある部位である。作業者はグローブ222に手を入れて、格納容器220に焼結磁石Mを構成する磁石片M1〜M4を投入したり、完成した焼結磁石Mを格納容器220から取り出すことができる。
ヒーター221は、上型213、下型214、及び外周型215の付近に設けられ、上型213が上下にスライド移動できるように中空状に形成されている。ヒーター221の構成は特に限定されないが、電熱ヒーターや高周波誘導ヒーター等を挙げることができる。
また、冷却部224は、寸法矯正の終わった磁石片M1〜M4に冷却ガスなどの媒体を吹き付けて磁石片M1〜M4を冷却する。冷却部224は、冷却ガスを流通させるパイプなどで構成することができるが、これに限定されない。
吸着パッド225は、例えば格納容器220の内部に配置されて、寸法矯正工程後の磁石片M1〜M4を接着を行う場所まで搬送する。接着部226は、ノズルタイプの構成で、吸着パッド225によって搬送された磁石片M1〜M4を接触面において接着して焼結磁石Mとする。
(寸法矯正工程から接着工程までの詳述)
次に寸法矯正工程から接着工程までの工程について詳述する。本実施形態において焼結磁石Mは、複数の磁石片M1〜M4によって構成される。焼結工程において焼結された磁石片M1〜M4は、格納容器220の内部であって、外周型215を設置した状態で下型214に載置される。その後、格納容器220に真空引き、又は不活性ガスを充填して低酸素雰囲気とする。そして、上型213、下型214、外周型215、及びワークMを620℃〜1000℃に加熱する。
そして、下型214に向って上型213を接近させ、約620℃〜約1000℃に加温された状態でプレス成形を行う。詳細については後述する。約620℃〜約1000℃の温度範囲は、焼結磁石の磁石片M1からM4の磁石特性を変えない程度の範囲(焼結温度超えない範囲)であり、このような温度でプレス成形を行うことによって切削加工を行わずに磁石片M1〜M4の寸法矯正を行うことができる。なお、620℃〜1000℃の範囲であっても焼結磁石自身の熱変形や酸化の促進を防止することを考慮して800℃以下で実施すると、より好ましい。また、プレスの際に負荷する圧力は、焼結磁石の加熱によって磁石の降伏応力が低下することを考慮しつつ、降伏応力に達しない圧力で加圧する。
寸法矯正の際に磁石片M1〜M4は、接触した状態でプレス成形されており、それによって、接着工程において隣接する磁石片との接着面となる箇所をもプレス成形によって加工することができ、この点についても切削加工を不要にして材料歩留まりを向上させることができる。
プレス加工が終了後、ワークMは上型213を下死点に保持した状態でヒーター221によって寸法矯正より低い温度に調整し、所定時間時効熱処理を行う。上記工程によって焼結磁石の組織の相対密度が向上し、残留磁束密度や機械強度等が向上する。
その後、冷却部224によって型213、214、215及びワークMを冷却する。そして、ノックアウト機構によってワークMを取り出し、吸着パッド225によって磁石片M1〜M4の順列を保ちつつ接着位置まで搬送し、接着を行う。
その後、グローブ222によって下型214に未加工のワークMを新たに載置する。ワークMの移動が完了したらプレス装置本体200を再び起動させる。
以降は、上型213、下型214、外周型215及びワークMの加熱、プレス加工、時効熱処理、冷却、加工後のワークMの取り出し、接着、未加工のワークMの取り付けを繰り返し、全てのワークMの加工が終了したら格納容器220を開放し、グローブ222を用いて加工済みのワークMを取り出す。
次に本実施形態に係る作用効果について説明する。電動機などに使用される焼結磁石は仕上げ加工などが切削加工によって行われることが多いものの、材料がレアアースから構成されているため、材料歩留まりの向上が求められる。また、磁石に発生する渦電流による効率の悪化を防ぐために焼結磁石を分割した磁石片から構成することがある。この場合、磁石片同士は接着されることが多く、焼結磁石をひとつの磁石から構成する場合に比べて磁石片同士の接着面をも切削する必要が生じ、さらに歩留まりの向上が求められる。
これに対し本実施形態に係る焼結磁石の製造方法によれば、複数の磁石片M1〜M4を一組して焼結温度を越えない温度において上型213、下型214によって加圧成形を行っている。そのため、磁石片M1〜M4は切削加工を行わずに寸法を矯正できることから、材料歩留まりを向上させることができる。また、寸法矯正工程では磁石片M1〜M4を相互に接着する接着面についても加圧成形によって矯正できるため、接着面においても切削加工を廃止して材料歩留まりを向上させることができる。
また、本実施形態に係る焼結磁石は、電動機に含まれるローター(回転子)に使用することができる。
また、寸法矯正工程では、磁石片M1〜M4を相互に接触させた状態で加圧成形を行うことから、磁石片同士の接着面となる部位についても加圧成形によって形状が寸法を矯正することができ、接着面をつくるための切削加工を廃止して材料歩留まりを向上させることができる。
また、接着工程では寸法矯正工程において並べれた磁石片M1〜M4の配列と同じ配列で接着を行うように構成している。そのため、加圧成形の際に成形された状態で接着を行って焼結磁石とすることができ、さらなる切削加工や加圧成形を行う必要がない分、タクトタイムやコスト削減に寄与することができる。
また、寸法矯正工程ではワークMを挟んで接近離間する上型213と下型214の他に上型213と下型214とが接近離間する方向と交差する方向に外周型215を配置して加圧成形の際に焼結磁石Mの外形を矯正するように構成すれば、上型213と下型214による加圧成形に加えて焼結磁石Mの外形の形状の形状をさらに精密に仕上げることができる。
また、寸法矯正工程は、低酸素雰囲気によって行われるように構成しているため、寸法矯正によって磁石特性が低下することを抑制することができる。
(実施形態1の変形例1)
図8は、実施形態1の変形例1に係る焼結磁石の製造方法に使用する寸法矯正装置を示す側面図、図9は同寸法矯正装置の格納容器内部を示す平面図、図10は同寸法矯正装置において焼結磁石の投入及び取り外しを行うテーブルに設けられた位置決め固定治具について示す平面図、図11は同位置決め固定治具に挟持された焼結磁石を成形型上に載置する様子を示す説明図である。
実施形態1ではグローブ222を用いて焼結磁石を構成する磁石片M1〜M4の投入及び焼結磁石Mの取り外しを行うと説明したが、以下のようにロータリーテーブル227を採用することもできる。
ロータリーテーブル227にはワークMを挟持して下型214の設置位置に位置決めして載置する位置決め固定治具227A〜227G(7箇所)が設けられている。位置決め固定治具227A〜227Gは、ワークMを保持した状態から下型214にワークMを載置するためにワークMの保持及び保持の解除を行う押さえピン228と、押さえピン228の移動空間を構成する駆動シリンダ229と、を設けている。
本変形例1に係る焼結磁石の寸法矯正は以下のように行う。まず、ワークMをロータリーテーブル227の位置決め固定治具227A〜227Gにセットして押さえピン228に保持させておく。次に格納容器を密閉し、真空引き又は不活性ガスの充填を行い、押さえピン228によるワークM(M1〜M4)の保持を解除して下型214にワークMを載置する。
その後、実施形態1と同様に上型213、下型214、外周型215及びワークM1〜M4を加熱して所定の温度まで加温し、温度が保持された状態においてプレス加工を行う。プレス加工後、型213、214、215及びワークM1〜M4には、時効熱処理が行われる。その後、磁石片M1〜M4はノックアウトバー203及び下型214によって取り出される。そして、ワークM1〜M4はロータリーテーブル227の位置決め固定治具227A〜227Gの押さえピン228によって再び固定され、ロータリーテーブル227が回転して次のワークM1〜M4が下型214の真上にセットされる。
加工されたワークM1〜M4は、ロータリーテーブル227付近の冷却部224がセットされた位置決め固定治具227Gにて冷却ガスが噴射されることによって冷却される。その後、磁石片M1〜M4は、接着工程の位置まで吸着パッド225によって搬送され、接着部226によって接着される。以降は、上記ワークM1〜M4の加熱、プレス加工、時効熱処理、取り出し、冷却、接着及び次のワークM1〜M4のセットを繰り返し、全てのワークM1〜M4の加工が終了したら格納容器220を開放し、加工されたワークMを取り出す。
以上説明したように実施形態1の変形例1に係る焼結磁石の製造方法によれば、ロータリーテーブル227を使用して自動でワークM1〜M4を型内に投入及び取り外しができるように構成して、作業性を向上させることができる。
(実施形態1の変形例2、3)
図13(A)〜図13(D)は、実施形態1の変形例2、図14(A)〜図14(D)は実施形態1の変形例3であって、寸法矯正工程後の焼結磁石を接着工程の位置まで搬送する別の形態について説明する説明図である。
(変形例2)
実施形態1では、吸着パッド225が、加圧成形後の磁石片M1〜M4を吸着して接着工程の位置へと搬送する実施形態について説明したが、これに限定されない。磁石片M1〜M4は、図13に示すように、直進的に磁石片M1〜M4を接着工程の位置へと移動させる押し機231(プッシャーとも呼ばれる)と、押し機231によって押された磁石片M1〜M4を接着工程の位置まで搬送するコンベヤ232とによって構成してもよい。
(変形例3)
また、寸法矯正されて冷却された磁石片M1〜M4を一旦在庫として保管する場合、図14に示すように、テープ233によって仮止めして保管するようにしてもよい。
(実施形態2)
図15(A)は、本発明の実施形態2に係る焼結磁石を構成する磁石片の寸法を矯正する前の説明図、図15(B)は磁石片を寸法矯正した後を示す説明図である。
実施形態1では、図4に示すように、寸法矯正のされていない磁石片M1〜M4が地面に対して水平に(又はプレス成形する方向と交差する方向に)並べられる実施形態について説明したが、これに限定されない。図15(A)、図15(B)に示すように、磁石片M1〜M4は、接近離間する上型213、下型214の接近離間する方向(図15(A)、図15(B)の上下方向、垂直方向)に配置するように構成してもよい。この場合、外周型215は、磁石片M1〜M4を並べた形状に即した凹部を有する。焼結磁石Mは、実施形態1のように磁石片M1〜M4を水平に並べた場合だけでなく実施形態2に示すように磁石片M1〜M4を鉛直に並べてプレス成形した場合によっても製造することができる。
(実験例1)
次に焼結磁石の製造方法において、寸法矯正工程時に行うプレス加工の成形温度に関する実験を行ったので説明する。
本実験では焼結磁石の試験片(厚さ3.8mm、断面が長さ6mm×6mm)に図5と同じ上スライド、ボルスタ、及び外周金型を用いて磁石試験片を固定し、加圧しながら温度を室温から上昇させ、試験片の変形量を測定した。実験例1に係る焼結磁石の金属はFe70%、Nd22%、B0.4%、Dy2.5%、Pr2.5%から構成される。表1は実験1に係る焼結磁石片を加温、加圧させていった場合の成形温度と変形率(%)の表、図11は表1をグラフ化したものである。
表1及び図11より、実験例1に係るR−Fe−B系焼結磁石は620度より塑性変形が起こることがわかった。以上より、620℃以上であればプレス加工で焼結磁石の寸法矯正が行えることになるが、上記R−Fe−B系焼結磁石の焼結温度は1000℃となっている。620℃以上であっても成形温度が焼結温度を超えると焼結磁石の組織や磁気特性が変化してしまうため、上記実施形態に係る寸法矯正工程は620℃から焼結温度を超えない1000℃の範囲において行うことが好ましいことがわかった。また、この場合にプレス加工を行って、磁石が塑性変形する降伏応力は表1より36MPa〜262MPaになることがわかった。
本発明は、上述した実施形態にのみ限定されず、特許請求の範囲において種々の変更が可能である。
型213、214は、上下方向(鉛直方向)に接近離間する実施形態について説明したが、これに限定されない。型213、214は水平方向に接近離間するように構成してもよい。
100 回転子、
200 寸法矯正部、
201 上スライド、
202 ボルスタ、
203 ノックアウトバー、
204 油圧シリンダ、
210 ダイセット、
211 上ダイ、
212 下ダイ、
213 上型(第1型)、
214 下型(第2型)、
215 外周型(第3型)、
216 固定治具、
217 連結ピン、
220 格納容器、
221 ヒーター、
223 配管ダクト
224 冷却部、
225 吸着パッド、
226 接着部、
231 押し機、
232 コンベヤ、
233 (仮止め)テープ、
240 調節機構、
241 ガイディングロッド、
242 ガイディングシリンダ、
M ワーク(焼結磁石)、
M1〜M4 磁石片。

Claims (5)

  1. ローターコアの磁極として使用される焼結磁石の製造方法であって、
    Ndを主成分とする希土類元素Rを含むR−Fe−B系焼結磁石を構成する磁石粉末をプレス成形することによって前記磁石粉末が圧縮して形成された圧粉体を成形する工程と、
    焼結温度に加熱された状況下において前記圧粉体を焼結して焼結磁石を構成する複数の磁石片を成形する焼結工程と、
    前記焼結温度を超えない温度に加熱された状況下において複数の前記磁石片を一組にして成形する成形型に配置し、複数の前記磁石片を接触させた状態で加圧成形することによって複数の前記磁石片の寸法を矯正する寸法矯正工程と、を有する焼結磁石の製造方法。
  2. 前記複数の磁石片を接着する接着工程をさらに有し、
    前記複数の磁石片は、前記寸法矯正工程において並べられた配列と同じ状態で接着される請求1に記載の焼結磁石の製造方法。
  3. 前記成形型は、相対的に接近離間が可能な第1型と第2型とを有し、
    前記複数の磁石片は、前記第1型と前記第2型との間に配置され、かつ、地面に対して水平又は垂直に並べて配置される請求項1または2に記載の焼結磁石の製造方法。
  4. 前記第1型と前記第2型の接近離間する方向と交差する方向に配置される第3型を更に有し、
    前記寸法矯正工程の際に前記第3型によって前記複数の磁石片の寸法が矯正される請求項に記載の焼結磁石の製造方法。
  5. 前記寸法矯正工程は、低酸素雰囲気において行われる請求項1から4のいずれか1項に記載の焼結磁石の製造方法。
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