JP6232899B2 - 電力補償装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力貯蔵装置を用いて交流電力系統との間で電力を吸収または放出することにより、系統周波数の変動を抑制する系統安定化技術に関するものである。
近年、太陽光や風力などの自然エネルギー(再生可能エネルギー)を利用した太陽光発電機、風力発電機、潮力発電機等の分散型電源を商用の交流電力系統に連系させる事例が増加している。しかし、この種の自然エネルギーを利用した分散型電源は、天候などの自然条件に応じて時々刻々と出力が変動し、特に僻地や離島のような小規模独立電力系統では系統周波数に変動が生じやすいため、系統運用の観点から問題となる場合が多い。また、都市部等の大規模電力系統においても、分散型電源が大量導入された場合に大きな周波数変動が生じる可能性が懸念される。
自然エネルギーに起因した周波数変動の対応策としては、いわゆるガバナ・フリー運転が知られている。ガバナ・フリー運転は、ガバナ(調速機)の動作を制限せずに、系統周波数が低下した場合は発電機の出力を増加させ、系統周波数が上昇した場合は発電機の出力を減少させるように制御することにより、系統周波数を安定化させる運転方法である。
このガバナ・フリー運転は、本来的に短い変動周期の負荷調整を分担するので、その調整容量は系統容量に対してごく一部であるが、発電機を増設して調整容量を増加させることも考えられる。しかし、発電機の出力を低下させる場合には、いわゆる下げ代が不足して出力を所定値以上、低下させることができないこともあり、また、発電機を低効率点で運転することとなって全体的な効率が低下する懸念がある。
そこで、フライホイール発電電動機や蓄電池などの電力貯蔵装置を用い、その入出力電力を制御して系統周波数の変動を抑制する技術が従来から提供されている。
例えば、図14は特許文献1に記載された周波数変動抑制装置の構成図である。図14において、100は交流電源、101は電力系統、200は負荷、301はPT、302はCT、400はフライホイール発電電動機(巻線型誘導機)、401は固定子、402はフライホールを備えた回転子、411はレゾルバ、412は変圧器、500は電力変換器からなる電力制御装置、600は目標値制御装置、601は周波数検出器、602,603は第1,第2の不完全微分回路、604は不感帯回路である。
この従来技術では、負荷200の電力Pの変動に伴って系統周波数が変動する場合を想定しており、目標値制御装置600内の周波数検出器601が系統周波数を検出し、その検出信号fの変化に比例しつつ減衰する信号fから、第1,第2の不完全微分回路602,603が緩慢な変化分を除去した信号fを抽出する。不感帯回路604は、信号fと設定値fまたはfとの偏差を電力目標値Prefとして電力制御装置500に出力し、電力制御装置500は、電力目標値Prefに基づいて発電電動機400の二次電流の大きさ及び位相を制御し、発電電動機400の電力Pを正(発電機動作)または負(電動機動作)に制御する。これにより、発電電動機400が電力系統101との間で電力を放出または吸収し、発電設備が追従できない負荷200による短周期の周波数変動を抑制している。
上記の原理は、負荷200の代わりに接続された太陽光発電機などの分散型電源の出力が変動する場合にも適用可能である。例えば、分散型電源の発電出力が増加した場合には、発電電動機400による電力放出量を減少または電力吸収量を増加させ、分散型電源の発電出力が減少した場合には、発電電動機400による電力放出量を増加または電力吸収量を減少させることにより、分散型電源と発電電動機400との連系点における電力変動、周波数変動、潮流変動等を補償することができる。
また、系統周波数の変動を抑制する他の従来技術として、特許文献2に記載されたアクティブフィルタが知られている。
図15は、このアクティブフィルタの主要部を示すもので、303はCT、701はバンドパスフィルタ、702は周波数変化検出回路、703は移相器であり、その他の部分には図14と同一の符号を付してある。
この従来技術では、周波数変化検出回路702が検出した系統周波数のずれ量に応じて移相器703の移相量を制御することにより、バンドパスフィルタ701の特性に応じてその検出信号に含まれる位相ずれを補償した補償電流指令値を生成する。この補償電流指令値を、図示されていないPWMインバータ等の電力変換器に与えてその出力を電力系統101に連系させることにより、系統周波数の変動を抑制している。
特許第2660126号公報(段落[0027]〜[0036]、図1等) 特開2006−230028号公報(段落[0012]〜[0016]、図1等)
特許文献1における発電電動機400などの電力貯蔵装置や特許文献2におけるPWMインバータ等は、電力系統との間で電力を授受する際に損失が発生するため、過剰な補償を行うと電力損失が大きくなるという問題がある。
また、分散型電源による系統周波数の変動を抑制するために、周波数変動が非常に厳しいケースを想定して各種の制御定数を調整・設定し、これを固定的に用いる場合には、周波数変動量が許容範囲であるにも関わらず補償効果が過剰になることもある。
そこで、本発明の解決課題は、系統周波数の変動抑制補償を行うための制御定数を周波数偏差に基づいて適宜変更することにより、過剰な変動抑制補償を防止し、電力貯蔵装置の電力損失を低減するようにした電力補償装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、交流電力系統に連系されて電力を吸収または放出する電力補償装置であって、
電力貯蔵装置と、
前記交流電力系統と前記電力貯蔵装置との間に接続された電力変換器と、
前記交流電力系統の周波数を検出する周波数検出部と、
前記交流電力系統の周波数の変動を抑制する補償電力を前記電力貯蔵装置が前記交流電力系統に対して放出または吸収するように前記電力変換器を制御する制御演算部と、
を備えた電力補償装置において、
前記制御演算部は、
前記交流電力系統の周波数目標値と前記周波数検出部による周波数検出値との周波数偏差と、前記周波数偏差に基づいて算出した可変制御定数と、を用いて補償電力指令値を演算し、前記補償電力指令値に従って前記電力変換器を制御すると共に、
前記可変制御定数を算出する手段は、
前記周波数偏差を絶対値に変換する手段と、前記周波数目標値と前記絶対値との差が小さくなるにつれて大きくなる値を前記可変制御定数としての可変比例ゲインとして出力する手段と、
を備えたものである。
請求項2に係る発明は、交流電力系統に連系されて電力を吸収または放出する電力補償装置であって、
電力貯蔵装置と、
前記交流電力系統と前記電力貯蔵装置との間に接続された電力変換器と、
前記交流電力系統の周波数を検出する周波数検出部と、
前記交流電力系統の周波数の変動を抑制する補償電力を前記電力貯蔵装置が前記交流電力系統に対して放出または吸収するように前記電力変換器を制御する制御演算部と、
を備えた電力補償装置において、
前記制御演算部は、
前記交流電力系統の周波数目標値と前記周波数検出部による周波数検出値との周波数偏差と、前記周波数偏差に基づいて算出した可変制御定数と、を用いて補償電力指令値を演算し、前記補償電力指令値に従って前記電力変換器を制御すると共に、
前記可変制御定数を算出する手段は、
前記周波数偏差の変化率を算出する手段と、前記変化率に応じた値を前記可変制御定数としての可変比例ゲインとして出力する手段と、を備えたものである。
請求項3に係る発明は、交流電力系統に連系されて電力を吸収または放出する電力補償装置であって、
電力貯蔵装置と、
前記交流電力系統と前記電力貯蔵装置との間に接続された電力変換器と、
前記交流電力系統の周波数を検出する周波数検出部と、
前記交流電力系統の周波数の変動を抑制する補償電力を前記電力貯蔵装置が前記交流電力系統に対して放出または吸収するように前記電力変換器を制御する制御演算部と、
を備えた電力補償装置において、
前記制御演算部は、
前記交流電力系統の周波数目標値と前記周波数検出部による周波数検出値との周波数偏差と、前記周波数偏差に基づいて算出した可変制御定数と、を用いて補償電力指令値を演算し、前記補償電力指令値に従って前記電力変換器を制御すると共に、
前記可変制御定数を算出する手段は、
前記周波数偏差を絶対値に変換する手段と、前記周波数目標値と前記絶対値との差の逆数を前記可変制御定数としての可変比例ゲインとして出力する手段と、を備えたものである。
請求項4に係る発明は、交流電力系統に連系されて電力を吸収または放出する電力補償装置であって、
電力貯蔵装置と、
前記交流電力系統と前記電力貯蔵装置との間に接続された電力変換器と、
前記交流電力系統の周波数を検出する周波数検出部と、
前記交流電力系統の周波数の変動を抑制する補償電力を前記電力貯蔵装置が前記交流電力系統に対して放出または吸収するように前記電力変換器を制御する制御演算部と、
を備えた電力補償装置において、
前記制御演算部は、
前記交流電力系統の周波数目標値と前記周波数検出部による周波数検出値との周波数偏差と、前記周波数偏差に基づいて算出した可変制御定数と、を用いて補償電力指令値を演算し、前記補償電力指令値に従って前記電力変換器を制御すると共に、
前記可変制御定数を算出する手段は、
前記周波数偏差の変化率を算出する手段と、前記変化率を絶対値に変換する手段と、前記絶対値に所定のゲインを乗算して前記可変制御定数としての可変比例ゲインとして出力する手段と、を備えたものである。
また、請求項5に係る発明は、請求項1における可変比例ゲインと請求項2における可変比例ゲインとを加算して得た可変比例ゲインを、前記補償電力指令値の演算に用いるものであり、請求項6に係る発明は、請求項3における可変比例ゲインと請求項4における可変比例ゲインとを加算して得た可変比例ゲインを、前記補償電力指令値の演算に用いるものである。
本発明によれば、系統周波数の変動抑制補償を行うための制御定数を周波数偏差の絶対値や変化率に基づいて変化させることにより、電力系統に対して適切な補償電力を放出または吸収し、過剰な変動抑制補償を防止して電力貯蔵装置の電力損失を低減することができる。
本発明の実施形態が適用される小規模独立電力系統の構成図である。 図1における電力補償装置の主要部の構成図である。 従来の制御演算部の構成図である。 図1,図2における制御演算部等の構成図である。 図4における可変比例ゲイン算出部の第1実施例を示す構成図である。 図4における可変比例ゲイン算出部の第2実施例を示す構成図である。 図4における可変比例ゲイン算出部の第3実施例を示す構成図である。 太陽光発電機の出力が大きく変動した場合の系統周波数及び各部の出力波形図である。 図8の出力変動時において、従来の制御演算部による補償効果を説明するための系統周波数及び各部の出力波形図である。 太陽光発電機の出力が小さく変動した場合の系統周波数及び各部の出力波形図である。 図10の出力変動時において、従来の制御演算部による補償効果を説明するための系統周波数及び各部の出力波形図である。 図8の出力変動時において、本発明の実施形態による補償効果を従来と比較して説明するための系統周波数及び各部の出力波形図である。 図10の出力変動時において、本発明の実施形態による補償効果を従来と比較して説明するための系統周波数及び各部の出力波形図である。 特許文献1に記載された従来技術の構成図である。 特許文献2に記載された従来技術の構成図である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。図1は、この実施形態に係る電力補償装置を小規模独立電力系統に適用した場合の構成図である。
図1において、100Aはディーゼル発電機であり、この発電機100Aには、変圧器102を介して電力系統101Aが接続されている。また、電力系統101Aには、変圧器21を介して需要家負荷22が接続されていると共に、変圧器31を介して電力変換器32及び太陽光発電機(PV)33がそれぞれ接続されている。
更に、電力系統101Aには、本実施形態に係る電力補償装置10が接続されている。この電力補償装置10は、電力系統101Aに変圧器11を介して接続された周波数検出部12と、周波数検出部12による系統周波数の検出値及び後述する可変比例ゲインKが入力される制御演算部13と、電力系統101Aに変圧器14を介して接続された電力変換器15と、電力変換器15の直流側に接続された電力貯蔵装置としての蓄電池16と、制御演算部13における変動抑制補償のための可変比例ゲインKを生成して出力する可変比例ゲイン算出部18と、から構成されている。
図示されていないが、制御演算部13には電力系統101Aの電力、及び蓄電池16の貯蔵電力等の情報も入力されているものとし、また、電力変換器15はインバータ等の電力変換部本体とその駆動信号発生回路等を備えているものとする。
なお、電力貯蔵装置としては、リチウムイオン電池やニッケル水素電池、鉛蓄電池等の蓄電池16のほか、電気二重層キャパシタやフライホイールを用いても良い。
図2は、電力補償装置10の主要部を示しており、周波数検出部12による周波数検出値と周波数目標値との偏差Δfを減算手段17により求め、この周波数偏差Δfが制御演算部13に入力されている。制御演算部13は、上記周波数偏差Δfと、可変比例ゲイン算出部18により算出された可変比例ゲインKとを用いて、電力変換器15に与える有効電力指令値Pを演算する。この有効電力は、蓄電池16が電力系統101Aとの間で吸収または放出する電力であって、請求項における補償電力に相当し、有効電力指令値Pは補償電力指令値に相当する。
ここで、図1及び図2における制御演算部13に代えて、図3に示すような制御演算部13’(以下、従来の制御演算部とする)を用いた場合の変動抑制補償について考察する。
図3に示す制御演算部13’は、周波数検出値と周波数目標値との偏差Δfに基づいて有効電力指令値Pを演算するように構成されており、周波数偏差Δfをハイパスフィルタ13aに通して周波数変動分を抽出し、この変動分を抑制するような補償量をゲイン乗算手段13dの比例ゲインK及び位相進み遅れ補償要素13bにより算出して有効電力指令値Pを求めている。
なお、図示されていないが、周波数偏差Δfが所定範囲内にあるときは制御演算を行わないように不感帯を設ける方法もある。
図3に示す制御演算部13’の伝達関数G1(s)は、数式1によって与えられる。
Figure 0006232899
また、この時の蓄電池16の有効電力指令値Pは、数式2によって与えられる。
Figure 0006232899
但し、数式1,数式2において、PB(S),FD(S)は、それぞれP,Δfのラプラス変換、sはラプラス演算子、Kは比例ゲイン、T,T,Tは各制御の時定数である。
数式2において、従来、比例ゲインK等の制御定数は、補償対象である系統構成や系統周波数の変動周期に合わせて調整している。
ところで、太陽光発電機は日射量によって出力が大きく変動し、図1のような小規模独立電力系統では、太陽光発電機33の出力変動により系統周波数fが大きく変動することが想定される。例えば、ディーゼル発電機100Aによる系統周波数(商用周波数)が60[Hz]であるとき、図8に示すように、太陽光発電機33の出力変動(図8ではステップ状に変化させている)が需要家負荷22の最大20[%]である場合は、1台のディーゼル発電機100Aでは対応できずに系統周波数fが上昇し、周波数目標範囲(一般的に、商用周波数±0.1〜0.3[Hz]であるが、ここでは周波数目標値(上限値)を60.2[Hz]と設定)を大きく逸脱することがある。
いま、図1における制御演算部13を図3の制御演算部13’に置き換えると共に可変比例ゲイン算出部18がない場合を想定し、従来の制御演算部13’により変動抑制補償を行うとする。この場合には、電力変換器15の動作により蓄電池16が電力系統101Aに電力を放出することにより、図9に示すごとく系統周波数fは大幅な変動が抑制されて周波数目標値近傍に維持される。なお、図9の例では、周波数目標値を60.2[Hz]として制御演算部13’の制御定数を設定してある。
次に、図9で用いた制御定数をそのまま変更せずに、太陽光発電機33の出力が図10のように需要家負荷22の10[%]だけステップ状に変動した場合を考える。
この場合には、周波数変動が大幅に抑制される結果、図11に示すように、太陽光発電機33の出力変動が小さいにも関わらず、系統周波数fは大きく調整されてしまい、周波数変動が過剰に補償されることになる。このことは、蓄電池16の電力を電力系統101Aに余分に放出して電力損失が増大することを意味している。
そこで、この実施形態では、上記の過剰補償を極力抑えることにより、蓄電池16の充放電による電力損失を低減するようにした。すなわち、この実施形態では、前述した数式2における比例ゲインKをある条件において可変とするものであり、具体的には、図1,図2に示した可変比例ゲイン算出部18が、周波数偏差Δfの絶対値や変化率に基づいて可変比例ゲインKを算出し、この可変比例ゲインKを制御演算部13に与えて有効電力指令値Pを演算するものである。
図4は、この実施形態における制御演算部13等の構成を示している。
図示するように、制御演算部13は、周波数偏差Δfが入力されるハイパスフィルタ13aと、その出力である周波数変動分が入力される位相進み遅れ補償要素13bと、この補償要素13bの出力と可変比例ゲインKとを乗算して蓄電池16の有効電力指令値Pを出力する乗算手段13cと、から構成されている。
なお、制御演算部13の構成は特に限定されるものではなく、このことは、次に説明する可変比例ゲイン算出部18についても同様である。
以下、可変比例ゲイン算出部18の構成例を図5〜図7に基づいて説明する。
図5は、第1実施例に係る可変比例ゲイン算出部18Aの構成を示しており、周波数偏差Δfの絶対値を用いて可変比例ゲインKを求める例である。
すなわち、可変比例ゲイン算出部18Aは、周波数偏差Δfの絶対値を求める絶対値変換部18aと、その絶対値を所定値に制限するリミッタ18bと、周波数目標値とリミッタ18bの出力との偏差を求める減算手段18cと、減算手段18cの出力を逆数に変換して可変比例ゲインKを求める逆数変換部18dと、を備えている。
この可変比例ゲイン算出部18Aでは、周波数目標値をfSETとした場合、可変比例ゲインKは数式3によって算出される。
Figure 0006232899
但し、0<|Δf|<(fSET−A)であり、Aは可変比例ゲインKの上限値に相当する周波数調整値である。
数式3から分かるように、周波数目標値fSETと周波数偏差Δfの絶対値との差(つまり周波数検出値の絶対値)が小さくなるにつれて、可変比例ゲインKは次第に大きくなる。これにより、図4における有効電力指令値Pも増加していくので、蓄電池16から電力系統101Aに放出される電力が増加していく。
また、図6は、第2実施例に係る可変比例ゲイン算出部18Bの構成を示しており、周波数偏差Δfの変化率を用いて可変比例ゲインKを算出する例である。
すなわち、可変比例ゲイン算出部18Bは、周波数偏差Δfの変化率(傾き)を算出する変化率算出部18eと、その変化率を絶対値に変換する絶対値変換部18fと、その絶対値に比例ゲインKを乗算するゲイン乗算手段18gと、その出力を所定値に制限して可変比例ゲインKを求めるリミッタ18hと、を備えている。
上記構成により、可変比例ゲインKは数式4によって表される。
Figure 0006232899
但し、KV(S)はKのラプラス変換、Kは比例ゲイン、Tは変化率算出部18eにおける微分時間である。
この可変比例ゲイン算出部18Bによれば、周波数偏差Δfが増加しつつあるときに操作量(可変比例ゲインK)を大きくする。但し、周波数偏差Δfの変化量が小さくても急峻な変動が生じた場合(変化率が大きい場合)には操作量が大きくなり過ぎるため、これを防ぐためにリミッタ18hを設けている。
図7は、第3実施例に係る可変比例ゲイン算出部18Cの構成を示している。この例は、図5及び図6の可変比例ゲイン算出部18A,18Bを組み合わせたものであり、両算出部18A,18Bの出力を加算手段18iにより加算して可変比例ゲインKを算出している。なお、図7において、図5及び図6と同一の機能を有するものには同一の参照符号を付して説明を省略する。
第3実施例による可変比例ゲインKは数式5により、蓄電池16の有効電力指令値Pは数式6により与えられる。
Figure 0006232899
Figure 0006232899
この第3実施例によれば、周波数偏差Δfの絶対値及び変化率の両方を反映させた可変比例ゲインKを用いてきめ細かい変動抑制補償を行うことができる。
次に、図12及び図13は、本発明の実施形態による補償効果を従来と比較して説明するための系統周波数及び各部の出力波形図であり、図12は、図8のように太陽光発電機33の出力変動が需要家負荷22の最大20[%]である場合、図13は、図10のように太陽光発電機33の出力変動が需要家負荷22の10[%]である場合を示している。
図12のように太陽光発電機33の出力変動が大きい場合、本実施形態では従来と比べて遜色ない周波数変動抑制効果が得られており、蓄電池16の充放電による電力損失も従来より少なくなっていることが判る。
また、図13のように太陽光発電機33の出力変動が小さい場合、本実施形態では出力変動が大きい場合と異なる可変比例ゲインKを用いることにより、従来に比べて周波数変動が過剰に補償されることもなく、蓄電池16の充放電による電力損失も少なくなっている。
以上のように、第1〜第3実施例によれば、分散型電源による系統周波数の変動が小さい場合でも、周波数偏差Δfの絶対値やその変化率に基づいて変動抑制補償の比例ゲインを変化させることにより、蓄電池16等の電力貯蔵装置の充放電による過剰補償を抑制し、充放電に伴う電力損失を低減することができる。
本発明に係る電力補償装置は、太陽光発電機、風力発電機、潮力発電機等の分散型電源が連系されて系統周波数や系統電力の変動が予想される交流電力系統であれば、僻地や離島における小規模独立電力系統や都会の大規模電力系統など、その規模に関わらず利用可能である。
10:電力補償装置
11,14:変圧器
12:周波数検出部
13:制御演算部
13a:ハイパスフィルタ
13b:位相進み遅れ補償要素
13c:乗算手段
15:電力変換器
16:蓄電池
17:減算手段
18,18A,18B,18C:可変比例ゲイン算出部
18a:絶対値変換部
18b:リミッタ
18c:減算手段
18d:逆数変換部
18e:変化率算出部
18f:絶対値変換部
18g:ゲイン乗算手段
18h:リミッタ
18i:加算手段
21,31:変圧器
22:需要家負荷
32:電力変換器
33:太陽光発電機
100A:ディーゼル発電機
101A:電力系統
102:変圧器

Claims (6)

  1. 交流電力系統に連系されて電力を吸収または放出する電力補償装置であって、
    電力貯蔵装置と、
    前記交流電力系統と前記電力貯蔵装置との間に接続された電力変換器と、
    前記交流電力系統の周波数を検出する周波数検出部と、
    前記交流電力系統の周波数の変動を抑制する補償電力を前記電力貯蔵装置が前記交流電力系統に対して放出または吸収するように前記電力変換器を制御する制御演算部と、
    を備えた電力補償装置において、
    前記制御演算部は、
    前記交流電力系統の周波数目標値と前記周波数検出部による周波数検出値との周波数偏差と、前記周波数偏差に基づいて算出した可変制御定数と、を用いて補償電力指令値を演算し、前記補償電力指令値に従って前記電力変換器を制御すると共に、
    前記可変制御定数を算出する手段は、
    前記周波数偏差を絶対値に変換する手段と、前記周波数目標値と前記絶対値との差が小さくなるにつれて大きくなる値を前記可変制御定数としての可変比例ゲインとして出力する手段と、
    を備えたことを特徴とする電力補償装置。
  2. 交流電力系統に連系されて電力を吸収または放出する電力補償装置であって、
    電力貯蔵装置と、
    前記交流電力系統と前記電力貯蔵装置との間に接続された電力変換器と、
    前記交流電力系統の周波数を検出する周波数検出部と、
    前記交流電力系統の周波数の変動を抑制する補償電力を前記電力貯蔵装置が前記交流電力系統に対して放出または吸収するように前記電力変換器を制御する制御演算部と、
    を備えた電力補償装置において、
    前記制御演算部は、
    前記交流電力系統の周波数目標値と前記周波数検出部による周波数検出値との周波数偏差と、前記周波数偏差に基づいて算出した可変制御定数と、を用いて補償電力指令値を演算し、前記補償電力指令値に従って前記電力変換器を制御すると共に、
    前記可変制御定数を算出する手段は、
    前記周波数偏差の変化率を算出する手段と、前記変化率に応じた値を前記可変制御定数としての可変比例ゲインとして出力する手段と、
    を備えたことを特徴とする電力補償装置。
  3. 交流電力系統に連系されて電力を吸収または放出する電力補償装置であって、
    電力貯蔵装置と、
    前記交流電力系統と前記電力貯蔵装置との間に接続された電力変換器と、
    前記交流電力系統の周波数を検出する周波数検出部と、
    前記交流電力系統の周波数の変動を抑制する補償電力を前記電力貯蔵装置が前記交流電力系統に対して放出または吸収するように前記電力変換器を制御する制御演算部と、
    を備えた電力補償装置において、
    前記制御演算部は、
    前記交流電力系統の周波数目標値と前記周波数検出部による周波数検出値との周波数偏差と、前記周波数偏差に基づいて算出した可変制御定数と、を用いて補償電力指令値を演算し、前記補償電力指令値に従って前記電力変換器を制御すると共に、
    前記可変制御定数を算出する手段は、
    前記周波数偏差を絶対値に変換する手段と、前記周波数目標値と前記絶対値との差の逆数を前記可変制御定数としての可変比例ゲインとして出力する手段と、
    を備えたことを特徴とする電力補償装置。
  4. 交流電力系統に連系されて電力を吸収または放出する電力補償装置であって、
    電力貯蔵装置と、
    前記交流電力系統と前記電力貯蔵装置との間に接続された電力変換器と、
    前記交流電力系統の周波数を検出する周波数検出部と、
    前記交流電力系統の周波数の変動を抑制する補償電力を前記電力貯蔵装置が前記交流電力系統に対して放出または吸収するように前記電力変換器を制御する制御演算部と、
    を備えた電力補償装置において、
    前記制御演算部は、
    前記交流電力系統の周波数目標値と前記周波数検出部による周波数検出値との周波数偏差と、前記周波数偏差に基づいて算出した可変制御定数と、を用いて補償電力指令値を演算し、前記補償電力指令値に従って前記電力変換器を制御すると共に、
    前記可変制御定数を算出する手段は、
    前記周波数偏差の変化率を算出する手段と、前記変化率を絶対値に変換する手段と、前記絶対値に所定のゲインを乗算して前記可変制御定数としての可変比例ゲインとして出力する手段と、
    を備えたことを特徴とする電力補償装置。
  5. 請求項1における可変比例ゲインと請求項2における可変比例ゲインとを加算して得た可変比例ゲインを、前記補償電力指令値の演算に用いることを特徴とする電力補償装置。
  6. 請求項3における可変比例ゲインと請求項4における可変比例ゲインとを加算して得た可変比例ゲインを、前記補償電力指令値の演算に用いることを特徴とする電力補償装置。
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