JP6232516B1 - バルブ駆動装置およびダイヤフラムバルブ - Google Patents
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Abstract
Description
また、開位置および閉位置でカム筒の回転位置を維持するために、ステムに形成したボール収容孔にボールとばねを設けボールが部分的に突出するようにボール収容孔の入口を加締める。そして、全開時にボールをカム溝の全閉域側の端部に当接させ、あるいは、全閉時にボールをカム溝の全開域側の端部に当接させることにより、ボールに作用するばねの付勢力によりステムの回転を規制し、ダイヤフラムバルブを全開位置あるいは全閉位置に安定的に保持する。
また、上記のダイヤフラムバルブでは、ステムにボール収容孔を形成し、この収容穴にばねとボールを収容し、さらに収容穴の入口を加締める必要があり、工数が相対的に多く、製造コストが高いという問題もある。
所定の軸線を中心に回転自在に保持され、カム溝と当該カム溝の両端部に連続して形成された係止溝とを含む溝部を外周面に有するステムと、
前記溝部に係合可能なボールと、
前記操作部材に連結され、前記所定の軸線周りの回転が規制され、前記所定の軸線方向に進退可能に案内され、前記所定の軸線に直交する方向に形成されかつ前記ボールを収容可能な収容孔を有する可動部材と、
前記ボールを前記収容孔から突出させつつ前記ステムの溝部に係合させて当該ボールが当該溝部と収容孔によって保持されるように当該ボールを当該ステムに向けて付勢するばね部材と、を有することを特徴とする。
前記係止溝は、前記ボールが適合するように半球状部分又は球殻状部分を有するように形成され、かつ、前記ステムの半径方向において前記カム溝よりも深い位置に形成されている、構成を採用できる。
また、本発明によれば、カム溝と一体的に係止溝を形成し、この係止溝に係合するボールに作用するばね部材の付勢力でバルブの全開位置又は全閉位置でステムの回転を規制するので、構造を簡素化できる。
さらに、本発明によれば、ボールを介在させてステムのカム溝から可動部材へカム作用を及ぼすため、カム機構に非常に円滑な動きが得られる。
図1に本発明の一実施形態に係るダイヤフラムバルブ1を示す。ダイヤフラムバルブ1は、流路2aを画定するバルブボディ2、可撓性を有する金属、樹脂あるいはこれらの組み合わせから形成されたダイヤフラム5、ケーシング7、キャップ8、ダイヤフラム押え9、調整ネジ10、ハンドル20およびバルブ駆動装置30を有する。
バルブボディ2は、上部に開口部3と、開口部3の近傍に形成されたバルブシート4を有する。
ダイヤフラム5は、開口部3を塞ぐようにバルブボディ2とケーシング7との間で固定されている。
ケーシング7は、バルブボディ2に固定され、ケーシング7の上端部の外周にはキャップ8が螺合固定されており、内部にダイヤフラム押え9およびこれと連結されたバルブ駆動装置30を収容している。ケーシング7とキャップ8との間は、OリングORでシールされている。ケーシング7の上端の開口部には、円筒状の調整ネジ10が螺合しており、この調整ネジによりバルブ駆動装置30の上下方向A1,A2の位置を調整可能となっている。すなわち、調整ネジ10によりダイヤフラム押え9の可動範囲が調整される。
バルブ駆動装置30のステム40は、調整ネジ10を貫通しており、ステム40の調整ネジ10の上側位置にはC形止め輪11が装着され、C形止め輪11はシートリング12を介して調整ネジ10の上端面により保持されている。これにより、ステム40は、ケーシングにより中心軸線Ctを中心に回転自在に保持されている。
ステム40のC形止め輪11より上方側には、OリングORが装着され、このOリングによりキャップ8とステム40との間はシールされている。
ステム40の上端部には、ハンドルが装着され、このハンドル40を、中心軸線Ctを中心に旋回させることで、ステム40を回転させることができる。
駆動装置30は、ステム40、可動部材50、ボール60、コイルばね70、ばね押えピン80、ガイドピン90を有する。
ステム40の外周面40aには、鋼球等からなるボール60が係合可能な溝部41が形成されている。溝部41は、ステム40の外周面40aの回転対称な2カ所に形成されている。
図3Bに示すように、カム溝42の断面は、半径R1の半円状となっている。なお、カム溝42の断面は、図3Bよりも浅い円弧状にすることもできる。
図3Cに示すように、上側係止溝43は、半径R1の半球状部分が、ステム40の外周面40aから深さdの位置に形成されている。上側係止溝43の半球状部分は、図3Cよりも浅い球殻状にすることも可能である。下側係止溝44については図示しないが、上側係止溝43と同様の構造である。
カム溝42、上側係止溝43および下側係止溝44の加工には、工具として、例えば、ボールエンドミルを使用できる。ボールエンドミルの先端のR部の半径を半径R1に合わせて加工すれば、エンドミルの側面切削の場合と比べて、加工精度および加工時間の両方を大幅に改善できる。
収容孔52は、ボール60の直径よりも若干大きな直径に形成され、収容孔52はボール60を移動自在、転動自在に保持する。
収容孔コイルばね70は、収容孔52内に収容されたボール60の背後から収容孔52内に収容される。
ばね押えピン80は、ピン穴53に挿入され、収容孔52内にボール60およびコイルばね70が収容された状態で圧縮されたコイルばね70を押えて、収容孔52の外に飛び出すのを防ぐ。
可動部材50の筒状部51の底面より下方位置には、可動部材50を直径方向に貫通するガイドピン孔54が形成されている。このガイドピン孔54にガイドピン90が挿入され、ガイドピン90の両端部は、可動部材50の外周面から突出する。ガイドピン90が上記したケーシング7に中心軸線Ctの方向A1,A2に沿って形成された図示しないガイド溝に嵌ることにより、可動部材50の中心軸線Ct周りの回転が規制されるとともに、中心軸線Ct方向A1,A2に進退可能にガイドされる。
図2Bに示すように、ダイヤフラム1の全開状態では、各ボール60は、対応する上側係止溝43に位置付けられている。すなわち、各ボール60は、収容孔52からステム40側に一部が突出した状態で、コイルばね70の復元力によりステム40の半径方向に付勢されている。この付勢力を超える力(上側係止溝43とカム溝42との間の段差を乗り越える力)がステム40の溝部41からボール40に作用しない限り、図2Bに示す回転位置にステム40は保持される。
カム溝42はボール60が適合するように形成され、加えて、ボール60は転動および摺動が自在であるため、カム溝42から可動部材50へ非常に円滑に力が作用する。
ダイヤフラム1の全閉状態では、各ボール60は、対応する下側係止溝44に位置付けられ、各ボール60は、収容孔52からステム40側に一部が突出した状態で、コイルばね70の復元力によりステム40の半径方向に付勢されている。この付勢力を超える力(下側係止溝44とカム溝42との間の段差を乗り越える力)がステム40の溝部41からボール40に作用しない限り、図2Cに示す回転位置にステム40は保持される。
また、本実施形態によれば、カム溝42と一体的に上側係止溝43および下側係止溝44を形成し、上側係止溝43および下側係止溝44に係合するボール60に作用するコイルばね70の付勢力でダイヤフラムバルブ1の全開位置又は全閉位置でステム40の回転を規制するので、構造を簡素化できる。
さらに、本実施形態よれば、ボール40を介在させてステム40のカム溝42から可動部材50へカム作用を及ぼすため、カム機構に非常に円滑な動きが得られる。
2 バルブボディ
2a 流路
3 開口部
4 バルブシート
5 ダイヤフラム
7 ケーシング
8 キャップ
9 ダイヤフラム押え(操作部材)
10 調整ねじ
11 C形止め輪
12 シートリング
20 ハンドル
30 バルブ駆動装置
40 ステム
41 溝部
42 カム溝
43 上側係止溝
44 下側係止溝
50 可動部材
51 円筒部
52 収容孔
53 ピン穴
54 ガイドピン孔
60 ボール
70 コイルばね
80 ばね押えピン
90 ガイドピン
OR Oリング
Ct 中心軸線
Claims (3)
- ダイヤフラムバルブのダイヤフラムを操作する操作部材を開閉方向に駆動させるバルブ駆動装置であって、
所定の軸線を中心に回転自在に保持され、カム溝と当該カム溝の両端部に連続して形成された係止溝とを含む溝部を外周面に有するステムと、
前記溝部に係合可能なボールと、
前記操作部材に連結され、前記所定の軸線周りの回転が規制され、前記所定の軸線方向に進退可能に案内され、前記所定の軸線に直交する方向に形成されかつ前記ボールを収容可能な収容孔を有する可動部材と、
前記ボールを前記収容孔から突出させつつ前記ステムの溝部に係合させて当該ボールが当該溝部と収容孔によって保持されるように当該ボールを当該ステムに向けて付勢する弾性部材と、を有することを特徴とするバルブ駆動装置。 - 前記カム溝は、前記ボールが適合するように断面が円弧状又は半円状に形成され、
前記係止溝は、前記ボールが適合するように半球状部分又は球殻状部分を有するように形成され、かつ、前記ステムの半径方向において前記カム溝よりも深い位置に形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のバルブの駆動装置。 - 請求項1又は2に記載のバルブ駆動装置を備えたことを特徴とするダイヤフラムバルブ。
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