JP6231967B2 - 粒状綿複合シート - Google Patents
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Description
また、これらのカードウエッブや吹き込み充填材は、使用時や洗濯時に繰り返し圧縮や伸長を受けると、側地内で偏りを起こしたり、繊維が密に絡まってフェルト化を引き起こし、風合いが悪いものになってしまうという問題があった。
(1)繊維シートと粒状綿層を備えた粒状綿複合シートであって、多数の粒状綿の少なくとも一部分が繊維シートに接着されて、粒状綿層が形成されていることを特徴とする粒状綿複合シート。
(2)繊維シートが不織布である(1)に記載の粒状綿複合シート。
(3)繊維シートが目付け10〜40g/m2の長繊維不織布である(1)または(2)に記載の粒状綿複合シート。
(4)繊維シートと粒状綿は、目付け15〜50g/m2、融点110〜180℃の接着シートで接着されている(1)〜(3)のいずれかに記載の粒状綿複合シート。
本発明の粒状綿複合シートは、ダウンジャケット等の各種防寒服、寝具類、インテリア、玩具、保温材等に使用できる。
本発明の粒状綿複合シートは、シートの曲げ硬さを測定する45°カンチレバー法(JIS L 1096.8.21.1A法)で70mm以下である柔らかなシートとすることが好ましい。また洗濯でのフェルト化のし難さとして、5回洗濯後でも、外観品位に問題なく、偏りも起こらないことが好ましい。さらに、本発明の粒状綿複合シートは、後述する方法で測定される嵩保持率が85%以上であることが好ましい。
JIS L1096.8.3.2 A法に準じて測定する。
JIS L1096 8.21.1A法(45℃カンチレバー法)に準じて測定を行う。測定により得られた数値を柔らかさの評価として以下の基準で判定した。
○:70mm以下(かなり柔らかい)
△:70mm超100mm以下(柔らかい)
×:100mm超(硬い)
サンプルの作製:側地として、経糸に繊維度22テックス、20フィラメントのナイロンマルチフィラメント、緯糸に繊維度22テックス、20フィラメントのナイロンマルチフィラメントを用い、織組織:平織り、仕上げ密度:経方向176本/インチ、緯方向170本/インチ、目付け35g/m2で製織されたナイロンタフタを用いた。充填材がシート状の場合は、シート上下にナイロンタフタをサンドイッチ状に重ねて、充填材が噴出しないように四方をミシン掛けして20cm×20cmの座布団を作製した。また、充填材がシート状でなく粒状綿自体である場合には、吹き込み法で充填した。具体的には、予め吹き込み口を残して側地を袋状に縫製し、そのなかに吹き込みノズルで粒状綿を150g/m2になるように吹き込んで充填した後に、吹き込み口をミシン掛けにて閉じて作製した。
その後 JIS L0217 103法に準じて、5回洗濯を行った後、側地を取除き、洗濯後に繊維が絡み合って収縮し、硬くなる現象の度合いを以下の基準で評価した。側地の中で粗密斑ができることを偏りと判定し、偏っていた場合、偏った集合体の繊維同士をほぐせなければ、フェルト化が発生していると判定する。
○:繊維が偏っておらず、フェルト化を起こしていない(良好)
△:繊維が偏っているが、フェルト化は起こしていない(やや不良)
×:繊維が偏っており、かつフェルト化を起こしている(不良)
粒状綿複合シートを10cm×10cmの大きさにカットし、初荷重として0.2gf/cm2を加え、1分後の厚みを測定し、L1(単位:mm)とする。L1測定後、荷重を外し、1分間放置した後、5.6gf/cm2の荷重を加え、1分間荷重後、除重し、0.2gf/cm2を加え、1分後に厚みを測定し、L2(単位:mm)とする。
以下の計算式で嵩保持率:K(%)を求める。
K(%)=(L2÷L1)×100
○:嵩保持率 K: 85%以上(良好)
×:嵩保持率 K: 85%未満(不良)
○:粒状の触感が確認できる(側地の中を通して、点触感を感じることが出来る)
×:粒状の触感が確認できない
粒状綿として市販されているポリエチレンテレフタレート(PET)系粒状綿(東洋紡STC株式会社製「グランゲラン(登録商標)」、使用短維繊維度:7.4dT、平均粒径:8mm)を、繊維シートとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)系スパンボンド不織布(東洋紡株式会社製、「エクーレ(登録商標)3151A」、目付け15g/m2)を、熱溶融型接着シートとして、「DYNAC(登録商標)LNS0030」(呉羽テック株式会社製、ポリアミド系接着(ホットメルト)シート、融点115℃)を用い、図1に示したように、繊維シート2に接着シート3を重ね、70cm×70cmの大きさにカットした積層シート4を作製した。積層シート4の接着シート3面側を覆うように、粒状綿1をシート4の上から落とし、その上に、金網(2.8kg/m2、編み目の大きさ12.5×12.5mm)を載せ、粒状綿と積層シート4が接触できるように押さえて、熱風循環式の乾燥機(ドライマックス)にて、140℃、処理時間20秒間、接着処理を行った。粒状綿が接着した複合シートを乾燥機から取り出した後、余分な粒状綿を払い落とし、目付け153g/m2の粒状綿複合シートを得た。複合シートの粒状綿層は粒状綿2〜3個分の厚みになっており、1個のみの部分も混在する凹凸のある積層状態であった。得られた複合シートを評価した結果を表1に記載した。また他の実施例、比較例の評価結果も同様に、表1に記載した。
実施例1で使用した接着シートに代えて、「DYNAC(登録商標)G0020」(呉羽テック株式会社製、ポリエステル系接着シート、融点120℃)を用いた以外は実施例1と同様にして、目付け144g/m2の粒状綿複合シートを得た。複合シートの粒状綿層は実施例1と同様に、凹凸のある積層状態であった。
実施例1で使用した繊維シートに代えて、ポリエステル長繊維不織布(東洋紡株式会社製、「エクーレ(登録商標)3301A」、目付け30g/m2)を用いた以外は実施例1と同様にして、目付け163g/m2の粒状綿複合シートを得た。複合シートの粒状綿層は実施例1と同様に、凹凸のある積層状態であった。
実施例1で使用した接着シートに代えて、DIC株式会社製のアクリルエマルジョン「ボンコート(登録商標)H−5」を繊維シート表面にスプレー塗布した後、繊維シートの上に粒状綿を載せて、ベルトコンベア式乾燥機で150℃×3分間の加熱乾燥を行い、粒状綿と繊維シートとを接着させた。できあがった粒状綿複合シートの目付けは154g/m2、接着樹脂の付着量は粒状綿複合シート全体の10質量%であった。なお、複合シートの粒状綿層は実施例1と同様に、凹凸のある積層状態であった。
粒状綿に加工する前のポリエステル原綿に、融点110℃のポリエチレン繊維を30質量%混ぜて、粒状綿を作製した。この粒状綿を枠に入れて熱処理を行い、153g/m2の粒状綿を固めた集合体を得た。このシートは粒状綿のみからなるものであり、粒状綿層の表面は実施例1に比べて凹凸が少なめで、粒状綿層は粒状綿が2〜3個積層された状態とはなったが、シート全体として硬く、曲げにくい上、表面の感触も硬いものになった。
芯がポリエチレンテレフタレート、鞘がポリエチレンの接着性繊維(東洋紡株式会社製、商品名3.3X51−PMK)を用い、ローラーカードに掛けてクロスレイヤー方式で重ね、カードウエッブとした後、実施例1で用いた繊維シートと接着シートの積層シートの上に載せ、実施例1と同様にして熱処理を行い、目付け152g/m2のシートを得た。得られたシートは厚みがあるものにはなったが、曲げ硬く、表面の感触も平坦で、凹凸感のない硬い風合いとなった。
実施例1の複合シートの材料である粒状綿をそのまま吹き込み用充填材として用いた。
2 繊維シート
3 接着シート
4 積層接着シート
5 粒状綿複合シート
Claims (4)
- 繊維シートと粒状綿層を備えた粒状綿複合シートであって、多数の粒状綿のうち少なくとも一部の粒状綿は繊維シートに接着されて、粒状綿層が形成されており、繊維シートの厚みが0.08〜0.32mmであることを特徴とする粒状綿複合シート。
- 繊維シートが不織布である請求項1に記載の粒状綿複合シート。
- 繊維シートが目付け10〜40g/m2の長繊維不織布である請求項1または2に記載の粒状綿複合シート。
- 繊維シートと粒状綿は、目付け15〜50g/m2、融点110〜180℃の接着シートで接着されている請求項1〜3のいずれかに記載の粒状綿複合シート。
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