JP6231373B2 - 内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズ - Google Patents

内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズ Download PDF

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本発明は、ワイヤーグリッド偏光子を利用し、内面からの反射を防止した機能を有する、耐久性、光学性能に優れた内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズをフレームに枠入れした高品質の偏光レンズ眼鏡に関する。さらに、本発明は、赤外線反射機能を有する偏光レンズ眼鏡に関する。
近年、ワイヤーグリッド方式と呼ばれる反射型の偏光子が市場されている。ワイヤーグリッド偏光子は、金属細線を平行に一定の間隔で並べたもので、配列間隔によって反射する波長域が異なり、金属細線に平行に振動する光は反射し、金属細線と垂直に振動する光を透過する特性を有する。原理は古くからある偏光子であり、多くは赤外線域以上の長い波長の電磁波に使用され、ガラス基材上に金属膜を形成しエッチング処理で金属細線をガラス基盤上に残す方法で生産されている。可視光線域になると金属細線の太さと配列間隔がナノメートルサイズとなり、可視光線域で機能するためには、可視光線の最小波長380nmの1/4である配列周期が必要となり、金属細線の配列周期は100nm以下となるため生産が困難であったが、近年のフォトリソグラフィーやナノインプリント技術の進歩によって、フレキシブルポリマー上での生産が可能となっている(特許文献1、2)。ワイヤーグリッド方式の特徴は380nm以上の可視光線、赤外域の光線、電波域の光線までも反射する点であり、可視光線も含めた入射電磁波の少なくとも半分を反射する点である。ワイヤーグリッド偏光子をクロスニコルにすると全ての入射電磁波は1%以下の透過率となる。
この反射型に対して、従来の偏光板は吸収型偏光子と呼ばれ、偏光子を2枚の透明樹脂シートでサンドイッチした積層構造体で、液晶ディスプレー(LCD)の表示素子として大量に消費されている。吸収型の偏光子は、主にポリビニルアルコール樹脂(以下、PVA樹脂)に、二色性のヨウ素や機能性染料を吸着させ、一方向に延伸して分子の配向を一定に揃えることによって形成される。延伸されたPVAフィルムは薄くてもろく、吸水性もあり、そのままでは使用できないため両側もしくは片面を透明保護シートで補強して使用される。一般には、キャスト成形した光学歪みのない透明保護シートが使用され、主にはトリアセテート(TAC)樹脂などが多く使用される。偏光子を2枚のTAC樹脂シートでサンドイッチしたものは、一般にTAC偏光板と呼ばれる。また、眼鏡用偏光レンズには偏光子は同じで、ポリカーボネート樹脂製押し出し成形シートを延伸処理した透明保護シートで補強したポリカーボネート偏光板がある(特許文献3)。この透明保護シートは、その面内に光学歪みが存在すると、偏光板の偏光度機能が低下し、偏光ムラや色ムラが発生する。そのために一定方向に延伸されて、一定方向に均一な光学歪みのあるシートであることが必要とされる。また、近年はPVA樹脂を使用せず、ラビング処理を行った基材に二色性色素を塗布する方法で形成されるコーティング方式の吸収型偏光子があり、コーティングを一定方向に塗布して偏光機能を得ることができる。この方式はPVA樹脂を使用した偏光板と比較すると、偏光膜の膜割れがなく、耐水性にも優れる。更にはPVA樹脂からなる偏光子では必要な延伸工程がコーティング方式の吸収型偏光子には必要ないため、コーティング方式の吸収型偏光子を球面に加工した場合に熱加工による収縮がなく、球面精度に優れる利点がある。このような吸収型偏光板子は、可視光線には有効であるが、赤外域以上の光線に対しては効果がなく、赤外反射機能は期待できない。
眼鏡レンズにする場合は、フィルム状で生産されるワイヤーグリッド偏光子を球面加工や成形加工などを行い、耐久性や光学性能を付与して、眼鏡レンズとする必要がある。さらに、反射型ワイヤーグリッド偏光子を、眼鏡レンズにした場合、接眼側から入射した光もワイヤーグリッド面で反射され、内面反射が発生する。この内面反射は、接眼側に装着者の眼や眼周辺、および背景などの映り込みが発生し、視認性に大きな問題が発生する。
偏光レンズは、路面や水面などからの反射光を遮蔽する能力に優れるため、運転や釣り、スポーツなどの野外活動に適する防眩眼鏡として、サングラスばかりでなく、矯正眼鏡としても有用である。
特開平10−153706号公報 特開2005−316495号公報 特開平9−5683号公報
可視光線域反射型ワイヤーグリッド偏光子は、透明フレキシブル基板に光学異方性のないキャスト成形された透明樹脂シートが主に使用され、その表面にナノインプリント法などによって、凹凸状の配列構造を形成し凸面に導電性金属を蒸着法や特殊な印刷方法などによって形成して、厚み50μm〜200μm程度のフィルム状のワイヤーグリッド偏光子として生産される。このフィルムは片面側にナノ構造の金属細線が周期的に配列し、もう一方の片面側は透明フレキシブル基板面となる。このワイヤーグリッド偏光フィルムをレンズに加工する場合、通常の眼鏡用矯正眼鏡フレームやサングラス用眼鏡フレームは、顔面へのフィット性や掛け心地を重視して、顔面形状に沿うよう設計されているため、球面、非球面などのレンズ加工が必要となる。特にサングラスレンズは耐久性、耐衝撃性を考慮して、レンズ中心厚みは1.50mm以上、トーリック、球面または非球面形状に加工して、顔面形状に沿ったフレームに入れる必要があるため、薄いフィルムを曲げ加工してレンズ形状にする方法が必要となる。
さらに、眼鏡として使用する場合は、フィルム表面に金属細線の配列があるため、摩耗による剥離や劣化、酸化など耐久性の問題が発生する。通常の眼鏡レンズはレンズ表面に傷防止ハードコート処理や汚れを防ぐ撥水加工などを付加して販売されるが、ワイヤーグリッド偏光フィルムは表面に金属細線構造があるため、この表面への保護膜形成とさらに、各種表面処理加工が必要になる。
さらに、重要な問題点として、ワイヤーグリッド偏光子は両面ともに反射するため、レンズとして使用する場合、対物側だけでなく、接眼側からの入射光も反射し、装着者の眼や眼周辺、および背景が、接眼側の内面に映り込みする現象が発生する。この現象は、接眼側のレンズ表面からの反射は、通常の反射防止膜で防ぐことができるが、対物側の内面からの反射は防ぐことができないため、視認性を妨げる大きな問題点となる。また、通常のサングラスでも対物側に無機物、金属酸化物などを真空蒸着加工したミラー加工レンズで同様に発生し、視認性の妨げとなっており、ミラー加工レンズが普及しない大きな要因となっている。また、市販のレンズは赤外線域では80%以上の透過率があり、赤外域は眼に見えない波長域であるため考慮されていない。赤外域は熱線と呼ばれ発熱作用があり、紫外線のようにエネルギーは高くないが、高温度現場などで大量に浴びると白内障の原因ともなる。このため、赤外域の光線は遮断する必要があり、赤外域は考慮されるべき波長域である。
本発明は、ワイヤーグリッド偏光フィルムによる赤外域の減衰と遮断、また、ワイヤーグリッド偏光フィルムの内面反射よるレンズの欠点を防止して、サングラスや度付きレンズ、一眼レンズやシールド、ゴーグルなどにも適用可能な、優れた耐久性、光学性能を維持する加工方法を行い、内面反射防止機能、眼鏡用レンズに必要な各種表面処理と光学性能を付与するレンズ製造方法を見出した。本発明はまた、上記特徴に加えて、さらに赤外線反射機能を付与するレンズ製造方法を見出した。
上記課題を解決するために、次のような手段を発明するに至った。
反射型ワイヤーグリッド偏光部分と吸収型直線偏光機能部分とを含む内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズにおいて、対物側に、反射型ワイヤーグリッド偏光部分、接眼側に吸収型直線偏光機能部分を配列し、反射型ワイヤーグリッド偏光子の反射軸方向と吸収型直線偏光板の吸収軸方向を同じ方向にして配置することにある。これは接眼側からの入射光は、吸収型直線偏光子を通過し、ワイヤーグリッド偏光子面で再度反射される。この反射された光は吸収型直線偏光子の吸収軸方向の偏光と一致するため、吸収型偏光子が反射光を吸収することによって、内面反射防止機能を付与したワイヤーグリッド偏光レンズにすることにある。
さらには、吸収型直線偏光機能部分が、PVAを使用した吸収型直線偏光子やコーティング方式の吸収型直線偏光子を含み、これらの吸収型直線偏光子の少なくとも一面に、少なくとも1枚の透明保護シートが積層されている吸収型直線偏光板であることにある。
さらには、これらの吸収型直線偏光板が吸収型直線偏光子と少なくとも1枚の透明保護シートとを含み、透明保護シートは該偏光子よりも接眼側に、該偏光子は反射型ワイヤーグリッド偏光子より接眼側に積層することにある。
さらには、透明保護シートが、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィンコーポリマー樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂または、セルロース系樹脂のいずれかのシートであることにある。
さらには、吸収型直線偏光板が、吸収型直線偏光子と少なくとも1枚の透明保護シートと、少なくとも1枚の接合用シートとを含み、接合用シートは透明保護シートより接眼側に、透明保護シートは偏光子より接眼側に、該偏光子は反射型ワイヤーグリッド偏光子より接眼側に積層することにある。
さらには、透明保護シートと接合用シートが、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィンコーポリマー樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂または、セルロース系樹脂のいずれかのシートであることにある。
さらには、最外層として配置される吸収型直線偏光機能部分か、透明保護シートか、接合用シートかのいずれかの面に、熱可塑性樹脂がインサート射出成形されていることにある。
さらには、インサート射出成形する熱可塑性樹脂がポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィンコーポリマー樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂のいずれかであることにある。
さらには、インサート射出成形で形成されるレンズ部分を含む度付きレンズであって、インサート射出成形で形成されるレンズ部分が、度付きレンズとして直接形成されるか、レンズ中心厚み5mm以上のレンズとして形成し、接眼側を切削研磨することで、所定の度付きレンズを形成することにある。
さらには、吸収型直線偏光機能部分か、透明保護シートか、接合用シートかのいずれかの面に、それと略、同じ曲率を持つレンズ面を貼合形成した貼合レンズにすることにある。
さらには、反射型ワイヤーグリッド偏光子、透明フレキシブル基板およびレンズを含むワイヤーグリッド偏光レンズであって、反射型ワイヤーグリッド偏光子が透明フレキシブル基板に形成され、透明フレキシブル基板に形成されたワイヤーグリッド細線面に、それと同じ曲率を持つレンズのンズ面を貼合形成した貼合レンズであることにある。
さらには、上記の貼合形成したレンズが、度付きレンズとして直接貼合したものであるか、レンズ中心厚み5mm以上のレンズとして貼合形成し、接眼側を切削研磨することで、所定の度付きレンズとして形成されることにある。
さらには、吸収型直線偏光機能部分か、透明保護シートか、接合用シートかのいずれかの面を接眼側にして、モールド内部に配置し、キャスト成形することにある。
さらには、透明フレキシブル基板に形成されたワイヤーグリッド偏光子をモールド内部に配置し、キャスト成形することにある。
さらには、上記のキャスト成形で形成されるレンズ部分が、度付きレンズとして形成されるか、レンズ中心厚み5mm以上のレンズとして形成し、接眼側を切削研磨することで、所定の度付きレンズを形成することにある。
さらに、本発明によると、反射型ワイヤーグリッド偏光部分が、2枚の反射型ワイヤーグリッド偏光子から構成され、対物側は可視光線波長380nm以上の反射型ワイヤーグリッド偏光子であり、接眼側は可視光線波長780nm以上の反射型ワイヤーグリッド偏光子であり、対物側の反射軸と接眼側の反射軸が直交し、対物側の反射型ワイヤーグリッド偏光部分の反射軸方向と、吸収型直線偏光機能部分の吸収軸方向を略一致させているワイヤーグリッド偏光レンズが提供される。
また、さらに、本発明によると、赤外反射機能を有するワイヤーグリッド偏光レンズが提供される。
本発明による反射型ワイヤーグリッド偏光レンズは、ワイヤーグリッド細線面を吸収型直線偏光機能部分と組み合わせることによって、ワイヤーグリッド細線面を内部構造とし、反射型ワイヤーグリッド偏光レンズの長所である赤外線域の光線の反射を行い、欠点である内面からの反射を、吸収型直線偏光板によって吸収して、赤外線域の反射機能と内面反射を防ぐ機能を付与することができ、優れた視認性を得ることができる。
また、球面、非球面などの球面加工を行い、接眼側に光学性能を付与したレンズを形成することによって、サングラスレンズ、度付きレンズ、一眼レンズ、シールドなど各種レンズへの応用が可能となる。さらに、ワイヤーグリッド細線が内部構造であるためレンズ表面への摩耗やキズによるワイヤーグリッド細線の剥離がなく、耐候性、耐水性に良好な優れた特性を有するため、過酷な使用環境下や水中での使用に於いても問題がなく使用できる。対物側の外観上は均一なミラー面であり、接眼側からは、赤外線域の減衰と遮断、内面反射のない視認性の良いファショナブルな、赤外線反射機能、内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光グラスおよび、ワイヤーグリッド偏光度付きレンズ眼鏡が提供できる。
さらに、ワイヤーグリッド偏光レンズは、可視光線域と780nm以上の赤外波長域も反射させる機能を持つため、380nm以上で機能するワイヤーグリッド偏光フィルムと780nm以上で機能するワイヤーグリッド偏光フィルムをクロスニコルで貼合したものを使用すれば、可視光線域は30%以上の透過があり、少なくとも95%以上の赤外域(780nm〜2000nm)の光線も反射させる事ができ、赤外線に対する眼の保護機能も得ることができる。
図1は、実施例1で作製した透明ナイロン製の内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光グラスの断面図を示す。 図2は、実施例2で作製したポリカーボネート製の内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光グラスの断面図を示す。 図3は、実施例3で作製した内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光グラスの断面図を示す。 図4は、比較例1で作製したワイヤーグリッド偏光グラスの断面図を示す。
本発明は、反射型ワイヤーグリッド偏光子を使用して、接眼側から入射した光の反射である内面反射を防止した、光学特性、耐久性、および耐衝撃性に優れた、内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズとして提供する。別の実施態様において、本発明は、反射型ワイヤーグリッド偏光部分が、2枚の反射型ワイヤーグリッド偏光子から構成されたワイヤーグリッド偏光レンズを提供する。別の実施態様において、本発明は、赤外反射機能を有するワイヤーグリッド偏光レンズを提供する。
本発明で採用されるワイヤーグリッド偏光子は、透明フレキシブル基板上に形成され、基板厚みが10μ〜500μ以内であり、金属細線はアルミニウム、ニッケル、亜鉛、スズ、クロム、コバルト、金、銀、銅、ITO(インジウムスズ酸化物)などに代表される金属か金属化合物であり、製法については蒸着法やナノ金属の塗布方法など、特に限定されない。
透明フレキシブル基板は目的に応じて適宜、適切なものが選択される。その具体例としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィンコーポリマー樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリロニトリル・スチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、液晶性樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この透明フレキシブル基板に形成されたワイヤーグリッド偏光子は、片面が金属細線の配列構造を持つ機能面であり、片面はフレキシブル基板の透明樹脂面となる。特に機能面はナノ構造のため、そのまま外部に露出すると汚れや切り傷などで機能面に支障が生じるため、この面は保護される必要がある。
本発明において、このワイヤーグリッド細線の機能面を吸収型直線偏光板と貼合してレンズ内部に内蔵し、内面反射防止機能が付与される。
反射型のワイヤーグリッド偏光子をレンズにする場合、このワイヤーグリッド偏光子は両面共に反射するため、対物側のレンズ内面からも反射が発生する。この現象は、接眼側レンズ内側に装着者の眼や、眼周辺、背景の映り込みが発生することになり、視界の大きな妨げとなる。この映り込みは、レンズ接眼側のレンズ表面で反射するものは、接眼側レンズ表面に反射防止膜を加工し防止することができるが、レンズの対物側に配置されたワイヤーグリッド偏光子からの内面への反射は、反射防止膜では防ぐことができない。
この現象は、通常のサングラスで、多く使用されているミラー加工レンズでも発生する。ミラー加工レンズは、対物側のレンズ表面に金属物や金属、無機酸化物などを真空蒸着加工したレンズで、蒸着面が反射機能を持つため、接眼側から入射した光も、対物側表面に加工されたミラー面で反射されるため、この内面からの反射が視界の妨げとなる問題点がある。
本発明のワイヤーグリッド偏光子からも反射があるが、この反射型ワイヤーグリッド偏光子からの反射は偏光となるため、この現象を防止する内面反射防止機能に関するものである。
この問題には、対物側に反射型ワイヤーグリッド偏光部分、接眼側に吸収型直線偏光機能部分を配列することによって、内面反射防止機能を付与する。
反射型ワイヤーグリッド偏光部分は、典型的には、フレキシブル透明基板と反射型ワイヤーグリッド偏光子で構成され、必要に応じて、ガラス基板上への形成や、ワイヤーグリッド細線が炭化物で形成されたものを含むこともできる。
吸収型直線偏光機能部分は、吸収型偏光子と少なくとも1枚の透明保護シートとを含む吸収型直線偏光板であり、反射型ワイヤーグリッド偏光子と吸収型直線偏光板を積層する場合に、ワイヤーグリッド偏光子の反射軸方向と吸収型直線偏光板の吸収軸を同じ方向にして積層し、吸収型直線偏光板を接眼側に配置する。
また、反射型ワイヤーグリッド偏光子に吸収型偏光子を直接貼合して、吸収型偏光板の透明保護シートの厚み分を省くこともできる。また、吸収型直線偏光子と積層する接眼側の透明保護シートは、熱可塑性樹脂押し出し成形シートでも性能は維持される。
吸収型直線偏光板は、吸収型偏光子と少なくとも1枚の透明保護シートであり、透明保護シートは吸収型偏光子よりも接眼側に、吸収型偏光子は反射型ワイヤーグリッド偏光子よりも接眼側に配置して積層する。
この吸収型直線偏光板の透明保護シートは、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィンコーポリマー樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂のいずれかのシートが適用できる。
また、透明保護シートに形成するレンズ材料が異種材料の場合は、透明保護シートに形成するレンズ材料と同じ接合用シートを貼合することができる。この場合は、吸収型直線偏光板が、偏光子と少なくとも1枚の透明保護シートと少なくとも1枚の接合用シートとを含み、接合用シートは透明保護シートよりも接眼側に、透明保護シートは吸収型偏光子よりも接眼側に、吸収型偏光子は、ワイヤーグリッド偏光子よりも接眼側に配置して積層する。
透明保護シートと接合用シートは、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィンコーポリマー樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂のいずれかのシートが適用できる。
吸収型直線偏光板による内面反射防止機能は、反射型と吸収型の偏光子を組み合わせることによって得られる。接眼側からの入射光は吸収型偏光板を通過して偏光となるが、反射型ワイヤーグリッド偏光子の面から再度部分反射される。この反射した偏光は、吸収型直線偏光板の吸収軸と同じとなるため、吸収型直線偏光板を接眼側に配置することで、ワイヤーグリッド偏光子からの反射光を吸収して防止する機能を発揮する。
内面反射防止機能は、吸収型直線偏光板の偏光度に依存するため偏光度の高いものが望ましいが、偏光度90%以下でも内面反射防止機能は確認することができるため、偏光度には限定されない。この時の反射軸と吸収軸の貼合精度は±3°以内であることが好ましく、より好ましくは±1°以内、さらにより好ましくは±0.5°以内、最も好ましくは±0.1°以内である。
貼合には、市販のTAC偏光板の他に、ポリカーボネート樹脂やポリアミド樹脂製の押し出しシートを延伸処理したシートでPVA製偏光子をサンドイッチした、ポリカーボネート製直線偏光板、ポリアミド製直線偏光板などを使用することができる。これらに使用されるPVA偏光子は、耐熱性の高い染料系偏光子が望ましい。この他にコーティング型の吸収型偏光子は、PVA偏光子の膜割れや延伸工程がないため、熱収縮がなく球面精度に優れる特徴がある。コーティング方式の吸収型偏光子は、光学性能に優れた赤外反射機能と内面反射防止機能を備えるワイヤーグリッド偏光レンズと併用できる。
特にポリカーボネート製直線偏光板は各色の偏光板が市販されており、ワイヤーグリッド偏光子と貼合することで、グレー、ブラウン色など各色が可能となり、組み合わせにより透過率や色による視認性を調整することができる。
また、透明保護シートや接合シートを、透過率調整のために着色することによって可視光線透過率を調整することができる。さらには、シート材料に各種の機能性材料として、赤外線吸収剤、調光用色素、特定波長の吸収剤などを添加することによって、レンズとしての各種の付加機能を得ることができる。
この付加機能は、インサート成形時の射出成形材料中に機能性材料を添加することによっても得ることができるが、シートによる着色や機能性材料の添加は、サングラスレンズだけでなく、度付きレンズを形成する場合に、シート厚みが均一であるため、着色剤や機能性材料が均一に分散し、レンズ厚みによる着色剤、機能性材料の濃淡がなくなり、均一添加できる大きな利点がある。
また、吸収型直線偏光板との組み合わせは、偏光機能が二重になるため偏光度が向上し、かつ偏光子同士の組み合わせであるため、可視光線透過率の減少が軽減する利点がある。
通常は、透過率40%の2枚のシートを組み合わせると、透過率は約16%程度に減衰するが、同じ透過軸方向の偏光子同士の組み合わせでは、透過率30%以上になり、可視光線の減衰が軽減する。
また、赤外線反射機能については、ENサングラス規格(EN1836)での赤外線吸収レンズの適合基準でみると、可視光線透過率以下の赤外域(780nm〜2000nm)の透過率が要求され、可視光線透過率以下の赤外透過率が基準となる。ワイヤーグリッド偏光子は、赤外域の反射率が約50%以上あるが、可視光線透過率が30%の場合は適合できない。この解決には形成する透明保護シートや接合用シート、およびレンズ材料に赤外吸収材を適量に配合し、赤外域の光線を吸収すれば、この規格値を比較的容易に適合することができる。
通常のサングラスや眼鏡レンズと比較すれば、ワイヤーグリッド偏光子は少なくとも赤外光線を50%以上反射するため、赤外光線域による眼の有害性を軽減することもできる。
別の実施態様において、反射型ワイヤーグリッド偏光部分は、好ましくは反射域の異なる2枚の反射型ワイヤーグリッド偏光子から構成される。例えば、380nm以上の反射型ワイヤーグリッド偏光子の反射軸と、780nm以上の反射型ワイヤーグリッド偏光子の反射軸が、90°±1°、より好ましくは90°±0.1°の角度で交差する(直交する)ことにより、偏光子のクロスニコル配置を得ることができる。
赤外線反射機能について、380nm以上を反射するワイヤーグリッド偏光子と780nm以上を反射するワイヤーグリッド偏光子をクロスニコルで貼合すれば、可視光線域は、少なくとも30%以上の透過率となり、780nm以上の赤外線域では透過率を1%以下に減衰できる。
対物側に380nm以上の反射型ワイヤーグリッド偏光子を配置し、接眼側に780nm以上の反射型ワイヤーグリッド偏光子を配置する。
対物側に反射軸を水平にした、380nm以上の反射型ワイヤーグリッド偏光子を配置し、接眼側に780nm以上の反射型ワイヤーグリッド偏光子を配置し反射軸を直交させる。このような構成を有する、反射型ワイヤーグリッド偏光部分は、少なくとも30%以上の透過率を示し、かつ、780nm以上の赤外線域における透過率を1%以下に減衰できる。
本発明においては、対物側の反射型ワイヤーグリッド偏光部分の反射軸方向と、吸収型直線偏光機能部分の吸収軸方向を略一致させる。上述のように、偏光子反射型ワイヤーグリッド偏光部分が、2枚の反射型ワイヤーグリッド偏光子から構成される場合、対物側のワイヤーグリッド偏光部分の反射軸方向と、吸収型直線偏光機能部分の吸収軸方向を一致させる。
また、内面反射防止には、吸収型直線偏光板に他に吸収型円偏光板でも内面反射を防止することができる。吸収型円偏光板の場合は、反射型ワイヤーグリッド偏光子に吸収型円偏光板を貼合して、吸収型円偏光板を接眼側に配置する。吸収型円偏光板は、位相差シートと吸収型直線偏光板で構成され、吸収型直線偏光板は、偏光子と少なくとの1枚の透明樹脂シートとを含み、透明樹脂シートは偏光子よりも接眼側に、偏光子は位相差シートよりも接眼側に、位相差シートは反射型ワイヤーグリッド偏光子よりも接眼側に積層する。
吸収型直線偏光板の透明樹脂シートは、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィンコーポリマー樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂のいずれかのシートが適用できる。
透明樹脂シートが形成するレンズ材料と異種材料の場合は、透明樹脂シートに形成するレンズ材料と同じ透明シートを貼合することができる。この場合は、円偏光板の吸収型直線偏光板が、偏光子と少なくとも1枚の透明樹脂シートと少なくとも1枚の透明シートとを含み、透明シートは透明樹脂シートよりも接眼側に、透明樹脂シートは吸収型偏光子よりも接眼側に、吸収型偏光子は位相差シートよりも接眼側に、位相差シートはワイヤーグリッド偏光子よりも接眼側に配置して積層する。
透明樹脂シートと透明シートは、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィンコーポリマー樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂のいずれかのシートが適用できる。
円偏光板による内面反射防止機能は、レンズ裏面から入射した光は吸収型円偏光板を通過すると円偏光に変換され、左回りか右回りのいずれかの円偏光となる。この円偏光はワイヤーグリッド偏光子面で反射されるが、円偏光は反射すると、入射した円偏光とは逆回りとなるため、通過した円偏光板によって吸収され、内面反射防止機能を発揮する。
この場合の可視光線透過率は、吸収型直線偏光板と比較すると減衰率が大きくなり、ワイヤーグリッド偏光40%、円偏光板40%とすると、可視光線透過率は16%程度になる。
吸収型円偏光板は、受け手側から見て、右回り、左回りの2種類の回転方向があるが、これは位相差シートの位相差軸方向と、直線偏光板の吸収軸方向との貼合角度によって区別される。また、安全な視認性確保のため、左右の2つのレンズの回転方向は同じであることが望ましい。円偏光板の吸収型直線偏光板は、トリアセテート製樹脂などをキャスト成形したシートでPVA製偏光子をサンドイッチしたTAC偏光板と各種材料の位相差シートを貼合した市販の円偏光板が使用できる。この場合もPVA偏光子は、耐熱性の高い染料系偏光子が望ましい。
各シートの貼合には、光学用途の透明性、耐水性、耐熱性、耐候性などに優れた接着剤、粘着剤が好ましく、その代表的な例としては、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系の接着剤、粘着剤があり、この他にもイソシアネート系樹脂、エポキシ系樹脂などがある。特に粘着剤は透明性の高いアクリル系樹脂が望ましく、金属面を酸化しない酸フリータイプの粘着剤として、ITO用などの金属薄膜専用のアクリル系粘着剤がある。また、耐熱性の高いシリコン系などのPSA粘着剤などが好ましい。
本発明によって形成された、内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光シートは、曲げレンズのみとして使用する場合は、厚み0.1mm程度の光学異方性のない、溶剤キャスト製法による光学用フィルムに、片面ハードコートされたフィルムを対物側の片面のみか、両面に貼合することができる。代表的な例としては、トリアセテート樹脂フィルムに、片面ハードコート処理されたものが市販されている。このフィルムを両面に貼合すれば両面ハードコート付き内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光シートとなる。
接眼側の吸収型直線偏光板にも上記片面ハードコート処理フィルムを貼合しても良いが、熱可塑性樹脂の押し出しシートに片面ハードコート処理したものを接眼側に貼合しても機能性は維持される。
また、シート形状で、各種ハードコート剤を使用して両面、もしくは片面に、ディッピングコートやフローコート、スプレー方法などを用いてハードコート処理することもできる。また、用途によっては、接眼側に防曇処理を行い、曇り止め加工とすることもできる。
また、これらの各表面処理あり、なしの内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光シートは、吸収型直線偏光機能部分か、透明保護シートか、接合用シートかのいずれかを接眼側として、トーリック、球面、または非球面に曲げ加工したレンズにすることができる。曲げRは、最大球面曲率半径が210mmRであり、最小球面曲率半径が、50mmRの範囲内であることが望ましい。210mmR以上では殆どフラット形状になり、サイドからの外光が入りやすくなる。50mmR以下では曲げ加工時の応力に耐えられなくなり、金属細線の亀裂および透明フレキシブル基板などにヘイズが発生する原因となる。
シート状態から曲げる方法は各種あるが、熱プレス方法、真空・圧空成形方法などの公知の曲げ加工方法が適用できる。ワイヤーグリッド偏光子は、機能面がナノ構造のため、急激な曲げ加工では金属細線にクラック発生や周期配列が不均一になり、基板シート面にも白濁が生じ、偏光機能の低下が発生する。本発明における曲げ加工は、加熱温度は使用する材料の熱変形温度程度として、圧力は最小限度に維持して少しずつ曲げ加工を行うことが望ましい。
上記の曲げ方法によって得られた、各表面処理ありの内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光曲げレンズは、曲げ加工後所定の軸方向にレンズカットされフレームに装着される。また、曲げ加工後に真空蒸着方法などで反射防止加工や撥水処理加工などの加工を行い、レンズとしての機能向上を図ることができる。
また、内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光曲げレンズは、吸収型直線偏光機能部分か、透明保護シートか、接合用シートかのいずれかの接眼側面に、熱可塑性樹脂をインサート射出成形して成形偏光レンズとすることができる。
インサート射出成形する熱可塑性樹脂には、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィンコーポリマー樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂などの熱可塑性透明樹脂が適用できる。
偏光曲げレンズは、射出成形機にセットしたレンズ金型の対物側のレンズ面(レンズ成形後に対物側になる面)にインサートして、真空吸引や粘着剤、吸着効果などによって金型に固定する。金型を閉じてレンズ金型内に射出成形を行い、接眼側に射出成形材料が充填されて、中心厚み1.50mm以上の偏光成形レンズが形成される。このレンズは、例えば、EN規格サングラス(EN1836)に規定される、球面屈折力±0.09m−1、球面収差0.09m−1以内、平行度0.12cm/m以内の光学性能を持つサングラス用レンズとして、対物側や接眼側の球面曲率を光学設計し、補正された成形偏光レンズとなる。
また、インサート射出成形時に度付きレンズとして直接形成するか、中心厚み5mm以上のレンズとして形成して、接眼側を切削研磨することで所定の度付きレンズに形成して、矯正用の度付き成形偏光レンズにすることができる。
吸収型直線偏光機能部分か、透明保護シートか、接合用シートかのいずれかの材質によって、インサート成形する熱可塑性樹脂を同じ材料とすることで、接眼側のシート面と射出成形樹脂は成形時に熱溶着され一体化する。この方法は、吸収型直線偏光板の透明保護シートの材料には関係なく、接合用シートの材料を適切に選定して貼合すれば、各種材料のインサート射出成形のレンズ材料の選定ができる。
この成形偏光レンズを両面ハードコート処理するか、もしくは片面のみをスプレーコートやフローコート、スピンコートなどの方法によりハードコート処理することができる。
また、用途によっては、成形後の接眼側のみ防曇処理加工を行い、対物側はハードコート面、接眼側は曇り止め加工をすることもできる。各種表面処理後の成形偏光レンズは、所定の軸方向にレンズカットされ、フレームに装着される。また、ハードコート面の上から真空蒸着加工などによる方法で、表面反射を防止する表面反射防止加工や撥水処理加工などの各種加工を行い、レンズとしての機能向上を図ることができる。
また、透明フレキシブル基板に形成されたワイヤーグリッド細線面側を射出成形やキャスト成形によって光学補正された成形レンズと直接に貼合して、貼合形成されるワイヤーグリッド偏光レンズにすることができる。
また、内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光曲げレンズの接眼側を、射出成形やキャスト成形によって光学補正された成形レンズと貼合して、貼合形成される成形偏光レンズにすることもができる。
射出成形する成形レンズ材料には、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィンコーポリマー樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリスチレン・メチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル・スチレン樹脂、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)樹脂、セルロース系樹脂などの熱可塑性透明樹脂が適用できる。
キャスト成形法の樹脂としては、チオポリウレタン系樹脂、CR−39樹脂などが好ましい。
貼合形成レンズの製法は、専用の接着プレス加工機の対物側治具面に対物面が吸着される。
予め成形された成形レンズの対物側は、ワイヤーグリッド細線面、および内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光曲げレンズの接眼側の曲率半径と略同じ曲率半径であり、スピンコートなどによって成形レンズの対物側、もしくは曲げレンズの接眼側に、均一に接着剤、粘着剤が塗布され、曲げ接眼面と成形レンズ対物面をプレス機などによって圧着して接着、貼合され、偏光成形レンズを形成する。この方法はインサート射出成形方法と比較して、機能面や内面反射防止機能側に熱履歴がかからないため、材料の変色や偏光度が低下しない利点がある。
使用される接着剤は、イソシアネート化合物、ポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアクリル樹脂、ワックスなどがある。粘着剤としては、アクリル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、エポキシ樹脂系などがあるが、特にワイヤーグリッド細線と直接貼合する粘着剤は、透明性の高いアクリル系樹脂が望ましく、金属面を酸化しない酸フリータイプの粘着剤、ITO用などの金属薄膜専用のアクリル系粘着剤や耐熱性の高いシリコン系などのPSA粘着剤などが最も好ましい。
また、貼合形成したレンズが、度付きレンズとして直接貼合したものであるか、レンズ中心厚み5mm以上のレンズとして貼合形成し、接眼側を切削研磨することで、所定の度付きレンズに形成した矯正用成形偏光レンズにすることができる。
このレンズを両面ハードコート処理するか、もしくは片面のみをスプレーコートや、フローコート、スピンコートなどの方法によりハードコート処理することができる。
また、用途によっては、成形面の接眼側のみ防曇処理加工を行い、対物側はハードコート面、接眼側は曇り止め加工をすることもできる。各種表面処理後の成形レンズは、所定の軸方向にレンズカットされ、フレームに装着される。また、ハードコート面の上から真空蒸着加工などによる方法で、レンズの表面反射を防止する表面反射防止加工や撥水処理加工などの各種加工を行い、レンズとしての機能向上を図ることができる。
また、透明フレキシブル基板に形成されたワイヤーグリッド偏光子か、内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光曲げレンズをモールド内部に配置し、キャスト成形して成形偏光レンズにすることもできる。
キャスト成形されたレンズと一体化する成形偏光レンズは、キャスト成形時に、透明フレキシブル基板に形成されたワイヤーグリッド偏光子のワイヤーグリッド細線面が、キャスト成形されて内部構造となる場合は対物側、接眼側の区別はないが、内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光曲げレンズの場合は、吸収型直線偏光部分が接眼側に決定されて曲げ加工される。
キャスト成形の場合は、モールド内部の対物側、中間、接眼側のいずれかに配置し、ガラスモールド型の空間にキャスト成形用モノマーを注入して硬化させる。キャスト成形品の構成は、配置される位置によって違う構成となるが、偏光機能は維持される。
キャスト成形レンズ材との接合には、配置される位置によって、予め偏光曲げレンズの片面、および両面に接合用コーティングとしてポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアクリル樹脂などを均一にコーティングすることが推奨される。これらの接合用コーティング層は、グラビアコーティング法やオフセットコーティング法などの一般的な塗布方法により均一に塗布することができる。
キャスト成形法の樹脂としては、チオポリウレタン系樹脂、CR−39樹脂などが好ましい。
また、キャスト成形したレンズが、度付きレンズとして直接形成したものであるか、レンズ中心厚み5mm以上のレンズとして形成し、接眼側を切削研磨することで、所定の度付きレンズに形成した矯正用成形偏光レンズにすることができる。
このレンズを両面ハードコート処理するか、もしくは片面のみをスプレーコートや、フローコート、スピンコートなどの方法によりハードコート処理することができる。
また、用途によっては、成形面の接眼側のみ防曇処理加工を行い、対物側はハードコート面、接眼側は曇り止め加工をすることもできる。各種表面処理後の成形偏光レンズは、所定の軸方向にレンズカットされ、フレームに装着される。また、ハードコート面の上から真空蒸着加工などによる方法で、レンズの表面反射を防止する表面反射防止加工や撥水処理加工などの各種加工を行い、レンズとしての機能向上を図ることができる。
実施例1
ワイヤーグリッド偏光フィルムとして、ASAHI KASEI WGF(旭化成イーマテリアルズ製透明フレキシブル基板TAC樹脂、厚み0.08mm、可視光線透過率42%、偏光度99.9%)と、吸収型直線偏光板としてTAC製直線偏光板(住友化学製ST直線偏光板、厚み約0.25mm、可視光線透過率42%、偏光度99.9%)を入手した。ワイヤーグリッド偏光子のワイヤーグリッド細線面を貼合面として、ワイヤーグリッド偏光子の反射軸方向と吸収型直線偏光板の吸収軸方向を±1°以内に一致させて、PSA粘着剤(東レ・ダウコーニング製)で貼合し、さらに、片側のTAC製直線偏光板面に接合用シートとして、透明ナイロン樹脂シート(エボニック社製、厚み約0.4mm)を同じ粘着剤で貼合し、内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光シートを調製した。
さらに、このシートを直径83mmの円形状に打ち抜き、70℃の熱風乾燥炉に入れ、6時間予備乾燥を行った後、ワイヤーグリッド偏光フィルムの基板面(TAC樹脂面)を下にして、予め110℃に予熱された8C(曲率半径約65mmR)曲げ型に入れ、真空吸引して曲げ治具に吸着固定した。曲げ治具を120℃で加熱しながら、8分間後に吸引を止めて曲げ加工を行った。得られたワイヤーグリッド偏光曲げレンズは、厚み約0.7mm、球面曲率が曲げ型の球面曲率と略同じ球面を持った、8C用の内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光曲げレンズであった。
次に射出成形機の金型取り付け面に、インサート成形用の8C(曲率半径約65mmR)の曲率を持つ、インサート専用レンズ金型を取り付けた。金型を開き、金型面に、内面反射防止機能付きポリカーボネート製ワイヤーグリッド偏光曲げレンズのワイヤーグリッド偏光フィルムのTAC基材面を先頭にして挿入し、金型に設けた細孔を通じて減圧吸引して金型に固定した。
金型を閉じ、接合用シート側に射出成形用透明ナイロン樹脂(アルケマ社製、G350クリア)を樹脂温度260℃で射出成形して、直径82mm、中心厚みが1.80mmの透明ナイロン製ワイヤーグリッド偏光成形レンズを形成した。
得られた透明ナイロン製ワイヤーグリッド偏光成形レンズは、ワイヤーグリッド偏光フィルムの基板面が対物側、接眼側の透明ナイロンシート側に透明ナイロン射出成形品が熱溶着された、8C(曲率半径約65mmR)の球面曲率を持つレンズであり、接眼面の球面曲率が光学的に補正された、8Cの透明ナイロン製内面反射防止機能付ワイヤーグリッド偏光成形レンズであった(図1)。
さらに、この成形レンズの両面を熱硬化型のシリコン系ハードコート液でコーティング処理した。
得られたワイヤーグリッド偏光成形レンズの反射軸を確認してレンズ形状にカットし、レンズに適合するフレームに入れ、8Cの透明ナイロン製ワイヤーグリッド偏光成形レンズの偏光グラスを製作した。得られた偏光グラスは、偏光度99.9%以上、外観の目視検査結果に異常はなく、内面からの反射もなく、視界も良好であった。
実施例2
実施例1のワイヤーグリッド偏光フィルムの金属細線面とポリカーボネート製偏光板(住友ベークライト製、厚み0.65mm、グレー色、透過率40%、偏光度92%)を粘着剤(リンテック社製MO−3013)で貼合した。その際、ワイヤーグリッド偏光フィルムの反射軸とポリカーボネート製吸収型偏光板の吸収軸を±1.5°以内に一致させて貼合して、内面反射防止機能を付与した。得られたシートは、厚み約0.75mmのポリカーボネート製内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光シートであった。
さらに、この内面反射防止機能付きポリカーボネート製ワイヤーグリッド偏光シートを、直径83mmの円形状に打ち抜き、70℃の熱風乾燥炉に入れ、5時間予備乾燥を行った。乾燥後、ワイヤーグリッド偏光フィルム面を下にして、予め130℃に予熱された8C(曲率半径約65mmR)曲げ型に入れ、真空吸引して曲げ治具に吸着固定した。曲げ治具を145℃で加熱しながら、12分間後に吸引を止めて曲げ加工を行った。得られたポリカーボネート製ワイヤーグリッド偏光曲げレンズは、厚み約0.75mm、球面曲率が曲げ型の球面曲率と略同じ球面を持った、8Cの内面反射防止機能付きポリカーボネート製ワイヤーグリッド偏光曲げレンズであった。実施例1と同様にして金型に設けた細孔を通じて減圧吸引して金型に固定した。
金型を閉じ、接合用透明樹脂シート部分の吸収型ポリカーボネート製偏光板側に射出成形用ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック製ユーピロンH−4000)を樹脂温度290℃で射出成形して、直径82mm、中心厚みが1.80mmの内面反射防止機能付きポリカーボネート製ワイヤーグリッド偏光成形レンズを調製した(図2)。
さらに、この成形レンズの両面をアクリル系UVハードコート液で処理した。
得られた成形レンズは、直径82mm、中心厚みが1.80mm、球面曲率約65mmRであり、対物側の表面はワイヤーグリッド偏光フィルムのTAC基材にハードコート処理された面であり、接眼側のポリカーボネート製偏光板側に、光学補正された射出成形レンズ部分が熱融着によって形成され、その上にハードコート処理された、8C内面反射防止機能付きポリカーボネート製ワイヤーグリッド偏光成形レンズであった。
さらに、この成形レンズの反射軸方向を確認して、レンズ形状にカットし、レンズに適合するフレームに入れ、8Cの曲率を持ったワイヤーグリッド偏光グラスを製作した。
得られた8C内面反射防止機能付きポリカーボネート製ワイヤーグリッド偏光成形レンズの偏光グラスは、可視光線透過率30%、偏光度99.95%以上、目視検査結果に変化はなく、内面からの反射もなく、視界も良好であった。
さらに、このカットされた成形レンズを、ビーカー中で30分間煮沸した後に、4℃の冷水に入れ冷却した。取り出したレンズは、ワイヤーグリッド偏光面の金属細線面の剥離もなく、偏光度も99.9%以上を維持し、内面反射防止機能も十分に維持しており、外観も良好であった。
実施例3
実施例1のワイヤーグリッド偏光フィルムの金属細線面とポリカーボネート製直線偏光板(三菱エンジニアリングプラスチック製厚み0.60mm、可視光線透過率30%、偏光度99.8%)を粘着剤(7029#25 (株)寺岡製作所製)で貼合した。その際、ワイヤーグリッド偏光フィルムの反射軸とポリカーボネート製吸収型偏光板の吸収軸を、±0.5°以内に一致させて貼合して、内面反射防止機能を付与した。得られたポリカーボネート製内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光シートを直径75mmの円形状に打ち抜き、70℃の熱風乾燥炉に入れ、5時間予備乾燥を行った後、ワイヤーグリッド偏光フィルム面を下にして、予め130℃に予熱された4C(曲率半径約130mmR)曲げ型に入れ、真空吸引して曲げ治具に吸着固定した。曲げ治具を140℃で加熱しながら、8分間後に吸引を止めて曲げ加工を行った。得られたワイヤーグリッド偏光曲げレンズは、厚み約0.4mm、球面曲率が曲げ型の球面曲率と略同じ球面を持った、4Cのポリカーボネート製ワイヤーグリッド偏光曲げレンズであった。
さらに、射出成形機の金型取り付け面にインサート成形用の4C(曲率半径約130mmR)の曲率を持つ、インサート専用セミフィニッシュレンズ金型を取り付けた。金型を開き、金型面にポリカーボネート製ワイヤーグリッド偏光曲げレンズのワイヤーグリッド偏光フィルムのTAC基材面を先頭にして挿入し、金型に設けた細孔を通じて減圧吸引して金型に固定した。
金型を閉じ、ポリカーボネート樹脂シート側に射出成形用ポリカーボネート樹脂(帝人化成製パンライトL−1250)を樹脂温度300℃で射出成形して、直径75mm、レンズ中心厚みが約10.0mmのワイヤーグリッド偏光成形セミフィニッシュレンズを調製した(図3)。
この偏光セミフィニッシュレンズの裏面をガーバー製ジェネレーター機で、球面屈折力−5.0、円柱屈折力−2.0、乱視(円柱)軸175°に研磨加工し、度付きレンズとした(度付き研磨加工を図3の破線として示す)。
さらに、この成形レンズの両面をアクリル系UVハードコート液で処理した。
得られたポリカーボネート製ワイヤーグリッド偏光成形度付きレンズの反射軸方向を確認してレンズ形状にカットし、レンズに適合するフレームに入れ、対物側が4Cの曲率を持ったワイヤーグリッド偏光度付きグラスを製作した。
得られた4Cポリカーボネート製ワイヤーグリッド偏光成形度付きレンズの偏光グラスは、偏光度99.9%以上、内面からの反射もなく、視界も良好であった。
比較例1
ワイヤーグリッド偏光フィルムとして、ASAHI KASEI WGF(旭化成イーマテリアルズ製ベース基板TAC樹脂、厚み0.08mm、可視光線透過率42%、偏光度99.9%)と、接合用透明樹脂シートとしてポリカーボネート樹脂製押し出しシート(住友ベークライト製、ポリカエース)厚み0.6mm、グレー色、透過率75%を入手し、粘着剤(7029#25 (株)寺岡製作所製)を使用して、ワイヤーグリッド偏光フィルムの金属細線面(機能面)に、ロールプレス機(サンクメタル社製)で貼合し、厚み約0.7mmのワイヤーグリッド偏光シートを作製した。このシートは、ワイヤーグリッド偏光フィルムの金属細線面がポリカーボネート製グレー色透明樹脂シート面に貼合された内部構造となる。
さらに、このワイヤーグリッド偏光シートを直径83mmの円形状に打ち抜き、実施例2と同様にして、ポリカーボネート製接合用グレーシート側に、光学補正された射出成形レンズ部分を熱融着によって形成し、全体の可視光線透過率を30%に調整した(図4)。その後、ハードコート処理して、8Cポリカーボネート製ワイヤーグリッド偏光成形レンズを調製した。
さらに、この成形レンズの反射軸方向を確認して、レンズ形状にカットし、レンズに適合するフレームに入れて、8Cの曲率を持った可視光線透過率30%、偏光度99.9%以上の内面反射防止機能の無いワイヤーグリッド偏光グラスを製作した。
[パネラーによるモニター試験]
実施例2で調製した、8Cの内面反射防止機能付きポリカーボネート製ワイヤーグリッド偏光成形レンズの偏光グラスも、比較例1で調製した偏光グラスと同様に可視光線透過率30%、偏光度99.9%以上であり、これらの可視光線透過率を同じにした、内面反射防止機能の有り、無しの2種類のワイヤーグリッド偏光レンズを用いて、パネラーによるモニター試験を実施した。
モニタリングでは、2種類のレンズを同じフレーム入れて完成品グラスとし、フィッシング、ドライブ、ウォーキングなどで両方の偏光グラスを4週間使用した場合の使用感を5名のパネラーに聞き取り調査し、モニター結果とした。
その結果を表1に示す。なお、偏光度、視界および視認性について5名のパネラーの平均を示し、さらに視認性については各パネラーの調査結果も示した。評価は、「◎:非常に良い」「○:良好」
「△:問題あり」「×:使用不可」で判定した。
Figure 0006231373
モニターの結果でも、内面反射機能付きグラスは、内面からの反射がなく、装着者の眼や眼周辺が映らないため、優れた評価を得た。
本発明によれば、ワイヤーグリッド細線面を内部構造とし、反射型ワイヤーグリッド偏光レンズの欠点である内面からの反射を吸収型直線偏光板によって吸収して、内面反射を防ぐ機能を付与された、視認性に優れた反射型ワイヤーグリッド偏光レンズを提供できる。
1 透明フレキシブル基板(TAC)
2 ワイヤーグリッド偏光子細線面
3 粘着剤
4 グレー着色ポリカーボネートシート(接合用シート)
5 透明ポリカーボネート射出成形部分
6 TAC直線偏光板
7 透明ナイロン樹脂シート(接合用シート)
8 透明ナイロン射出成形部分
9 PVA偏光子
10 ポリカーボネート製直線偏光板

Claims (16)

  1. 反射型ワイヤーグリッド偏光部分と吸収型直線偏光機能部分とを含む内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズであって、
    対物側に反射型ワイヤーグリッド偏光部分、接眼側に吸収型直線偏光機能部分を配列し、反射型ワイヤーグリッド偏光部分の反射軸方向と吸収型直線偏光機能部分の吸収軸方向を略一致させていることを特徴とする該ワイヤーグリッド偏光レンズ。
  2. 反射型ワイヤーグリッド偏光部分が透明基板と反射型ワイヤーグリッド偏光子で構成されている請求項1記載の内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズ。
  3. 吸収型直線偏光機能部分が、吸収型直線偏光子を含み、吸収型直線偏光子の少なくとも一面に透明保護シートが積層されている吸収型直線偏光板である請求項1記載の内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズ。
  4. 吸収型直線偏光板が、吸収型直線偏光子と、少なくとも1枚の透明保護シートとを含み、透明保護シートは該偏光子よりも接眼側に、該偏光子は反射型ワイヤーグリッド偏光子よりも接眼側に積層することを特徴とする請求項3記載の内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズ。
  5. 透明保護シートが、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィンコーポリマー樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂または、セルロース系樹脂のいずれかのシートであることを特徴とする請求項4記載の内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズ。
  6. 吸収型直線偏光板が、吸収型直線偏光子と、少なくとも1枚の透明保護シートと、少なくとも1枚の接合用シートとを含み、接合用シートは透明保護シートよりも接眼側に、透明保護シートは偏光子よりも接眼側に、該偏光子は反射型ワイヤーグリッド偏光子よりも接眼側に積層することを特徴とする請求項3記載の内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズ。
  7. 透明保護シートと接合用シートが、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィンコーポリマー樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂または、セルロース系樹脂のいずれかのシートであることを特徴とする請求項6記載の内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズ。
  8. 最外層として配置される吸収型直線偏光板か、透明保護シートか、接合用シートかのいずれかの面に、熱可塑性樹脂をインサート射出成形してなる請求項1、4または6のいずれかに記載の内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズ。
  9. インサート射出成形する熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィンコーポリマー樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂またはセルロース系樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項8記載の内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズ。
  10. インサート射出成形してなるワイヤーグリッド偏光レンズが、所定の度付きレンズに形成したものであることを特徴とする矯正用の請求項9記載の内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズ。
  11. 吸収型直線偏光機能部分、透明保護シート、または接合用シートのいずれかの面に、それと略同じ曲率を持つレンズのレンズ面を貼合形成してなる請求項1、4または6記載の内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズ。
  12. レンズ面を貼合形成してなるワイヤーグリッド偏光レンズが、所定の度付きレンズに形成したものであることを特徴とする矯正用の請求項11記載の内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズ。
  13. 反射型ワイヤーグリッド偏光子が対物側になるようにモールド内部に配置し、キャスト成形してなる請求項1、3または6記載の内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズ。
  14. キャスト成形してなるワイヤーグリッド偏光レンズが、所定の度付きレンズに形成したものであることを特徴とする矯正用の請求項13記載の内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズ。
  15. 反射型ワイヤーグリッド偏光部分が、2枚の反射型ワイヤーグリッド偏光子から構成され、対物側は可視光線波長380nm以上の反射型ワイヤーグリッド偏光子であり、接眼側は可視光線波長780nm以上の反射型ワイヤーグリッド偏光子であり、対物側の反射軸と接眼側の反射軸が直交し、
    対物側の反射型ワイヤーグリッド偏光部分の反射軸方向と、吸収型直線偏光機能部分の吸収軸方向を略一致させていることを特徴とする、請求項1記載の内面反射防止機能付きワイヤーグリッド偏光レンズ。
  16. さらに赤外反射機能を有する、請求項1に記載のワイヤーグリッド偏光レンズ。
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