JP6231033B2 - 画像形成材料及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成材料及び画像形成方法に関する。
グラフィックアート分野では、カラー原稿からリスフィルムを用いて作製された一組の色分解フィルムを使用して印刷版の焼付けが行われる。一般に、本印刷(実際の印刷作業)の前に色分解工程での誤りや色補正の必要性等をチェックするために、色分解フィルムからカラープルーフを作製している。カラープルーフには、中間調画像の高再現性を可能とする高解像力の実現や、高い工程安定性等の性能が望まれている。また、実際の印刷物に近似したカラープルーフを得るために、カラープルーフに使用される材料としては、実際の印刷物に使用される材料、例えば基材としては印刷本紙を、色材としては顔料を用いることが好ましい。また、カラープルーフの作製方法としては、現像液を用いない乾式の方法の要望が高い。
乾式のカラープルーフ作製法として、最近の印刷前工程(プリプレス分野)における電子化システムの普及に伴い、デジタル信号から直接カラープルーフを作製する記録システムが開発されている。このような電子化システムは、特に高画質のカラープルーフを作製するのが目的であり、一般的には、150線/インチ以上の網点画像を再現する。デジタル信号から高画質のカラープルーフを作製するためには、デジタル信号により変調可能で、かつ記録光を細く絞り込むことが可能なレーザー光を用いることがある。このため、レーザー光に対して高い記録感度を示し、かつ、高精細な網点を再現可能にする高解像力を示す記録材料の開発が求められる。
レーザー光を利用して熱溶融転写画像を作製する画像形成方法に用いられる記録材料が知られている。レーザー熱転写等の感熱転写記録方式でカラーフィルタを得る場合、画像形成層が加熱されるため、形成したカラーフィルタには耐熱性が求められる。また、カラーフィルタをTFT−LCD(Thin Film Transistor−Liquid Crystal Display)などへ配備するための後工程では、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)スパッタリング、配向膜塗布及び乾燥、スペーサー散布、TFT(Thin Film Transistor)基板貼り合せシール、液晶注入、パネル切断などの一連の工程が必要である。そのため、カラーフィルタにはスパッタ工程耐性、耐薬品性(耐溶剤性)及び耐傷性などが要求される。
画像形成層に特定のバインダーを含有させることにより、耐熱性、耐薬品性(耐溶剤性)及び耐傷性等が改善され、受像シートへ転写された画素の密着性が良好で、画素の剥がれや、画素の変色や変形が起き難い画像形成材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、近年のディスプレイの大画面化及び高精細化に伴い、カラーフィルタにも高い色再現性が求められており、着色剤として、従来から用いられている顔料だけでなく、染料を用いる事が検討されている(例えば、特許文献2参照)。
染料を用いたカラーフィルタでは、染料自体の色純度やその色相の鮮やかさにより輝度を高められる点や、粗大粒子がなくなるためコントラストを向上させる点で有用とされている。
染料の例としては、フタロシアニン染料、ジピロメテン染料、ピリミジンアゾ染料、ピラゾールアゾ染料、キサンテン染料、など、多種多様な色素母体を持つ化合物が知られている(例えば、特許文献3〜特許文献8参照)。
特開2002−264535号公報 特開平6−75375号公報 国際公開第2011/105603号 特開2007−039478号公報 特開平9−157536号公報 特開平6−51115号公報 特開平11−152415号公報 特開2008−292970号公報
上記の特許文献1に記載の画像形成材料は、着色剤として顔料を含むため形成される画像の耐溶剤性に優れる。しかしながら、顔料を用いた画像形成材料では、顔料の粗大粒子による光の散乱、分散安定性不良による粘度上昇に起因する画像形成層の塗布厚み変動による色ムラが発生しやすく、コントラストや輝度が低下する傾向がある。
他方、特許文献2に記載のカラーレジスト材料は、着色剤として染料を含むため、染料と相溶するバインダーであれば、比較的自由にバインダーの種類や量を設計できる利点がある。また、染料を用いたカラーレジスト材料は、粗大粒子による光の散乱が起きにくいため輝度やコントラストに優れる。しかしながら、これらの染料を感熱転写記録方式の画像形成層に用いると、形成される画像の端部が直線性に欠けるなど、解像度が低下する傾向がある。
また、画像形成材料を用いてカラーフィルタを形成した場合、カラーフィルタは、基材上に接着剤(例えば、OCA(Optical Clear Adhesive)フィルム)などを介して積層されることがあり、接着剤などに含まれる溶剤がカラーフィルタに影響を与えることがある。この場合、従来の染料を用いて感熱転写記録方式により形成された画像形成層は、形成された画像の端部が滲み解像度が低下することがある。そのため、形成される画像の耐溶剤性の向上が求められている。
本発明は、かかる現状を鑑みてなされたものであり、光特性(輝度及びコントラスト)、解像度、及び耐溶剤性に優れた着色画像が得られる画像形成材料、並びに画像形成方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための具体的な態様には、以下の態様が含まれる。
<1> 支持体と、光熱変換層と、下記一般式(1)で表される化合物、樹脂、並びに少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー及び少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有するオリゴマーの少なくとも一方を含有する画像形成層と、を有する画像形成材料。
一般式(1)中、Xは、ハロゲン原子を表し、Mは、非金属原子、金属原子、金属酸化物又は金属ハロゲン化物を表す。Rは、下記一般式(2)で表される基を表し、Rは水素原子又は1価の置換基を表す。複数のnは、それぞれ独立に0〜4の整数を表し、複数のmは、それぞれ独立に0〜4の整数を表し、複数のrは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。但し、複数のnの少なくとも1つは1以上の整数であり、複数のmの少なくとも1つは1以上の整数である。nとmとrとの総和は16である。

一般式(2)中、R及びRは、それぞれ独立に、1価の置換基を表し、R及びRの少なくとも1つは下記一般式(3)又は一般式(4)で表される基を表す。*は、一般式(1)におけるフタロシアニン環と結合する部位を表す。

一般式(3)及び(4)中、L及びLは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表し、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。*は、一般式(2)中の窒素原子と結合する部位を表す。
<2> 一般式(1)において、Xが塩素原子又はフッ素原子である<1>に記載の画像形成材料。
<3> 一般式(1)において、Mが銅原子又は亜鉛原子である<1>又は<2>に記載の画像形成材料。
<4> 一般式(2)において、R及びRの少なくとも1つは、一般式(3)で表される基である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の画像形成材料。
<5> 一般式(3)において、Lが炭素数2〜9のアルキレンオキシカルボニル基であり、Rが水素原子又はメチル基であり、R及びRが水素原子である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の画像形成材料。
<6> 一般式(1)において、nの合計が1〜8であり、mの合計が6以上である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の画像形成材料。
<7> 画像形成層が、更に、顔料を含有する<1>〜<6>のいずれか1つに記載の画像形成材料。
<8> 画像形成層が、更に、重量平均分子量10000以下のアクリル樹脂を含む<1>〜<7>のいずれか1つに記載の画像形成材料。
<9> 画像形成層が、更に、ロジン樹脂を含む<1>〜<8>のいずれか1つに記載の画像形成材料。
<10> カラーフィルタの作製に用いられる<1>〜<9>のいずれか1つに記載の画像形成材料。
<11> <1>〜<10>のいずれか1つに記載の画像形成材料を被転写体と重ね合わせて積層体を形成する工程、積層体の画像形成材料側から光を像様に照射する工程、及び光を像様に照射した画像形成材料を被転写体から剥離して、被転写体に画像形成層の光照射領域の少なくとも一部を転写させる工程、を含む画像形成方法。
<12> 被転写体が、光透過性を有する熱可塑性樹脂フイルムである<11>に記載の画像形成方法。
本発明によれば、光特性(輝度及びコントラスト)、解像度、及び耐溶剤性に優れた着色画像が得られる画像形成材料、並びに画像形成方法が提供される。
中間体5のMALDI−TOF−MASS(nega)の結果を示すチャートである。なお、MALDI−TOF−MASSは、Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization−Time of Flight−Mass Spectrometryの略称である。 例示化合物A−11のMALDI−TOF−MASS(nega)の結果を示すチャートである。 例示化合物A−11の酢酸エチル溶液及びクロロホルム溶液スペクトルである。 画素の解像度の評価用画像である。 コントラストの評価用画像である。
以下、本発明の画像形成材料について詳述する。
<画像形成材料>
本発明の画像形成材料は、支持体と、光熱変換層と、一般式(1)で表される化合物、樹脂、並びに少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー及び少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有するオリゴマー(以下、重合性化合物ともいう)の少なくとも一方を含有する画像形成層と、を有する。
本発明の画像形成材料は、光の照射により着色画像を形成することができる。
画像形成材料を上記構成とすることで、光特性(輝度及びコントラスト)、解像度、及び耐溶剤性に優れた着色画像が得られる理由については、必ずしも明確ではないが、少なくとも下記1)、2)及び3)に記載の理由によるものと推測される。
1)画像形成層は、一般式(1)で表される化合物を含む。一般式(1)で表される化合物は、いわゆる染料と呼ばれる色材に分類される化合物であり、染料は画像形成層に含まれる樹脂との相溶性に優れる。画像形成層において、一般式(1)で表される化合物と樹脂とが相溶しているため、従来の顔料を含む画像形成層のように、顔料と樹脂との界面での光散乱が生じにくく、結果的に、光特性及び解像度に優れた画像が形成されると考えられる。
2)画像形成層に含まれる一般式(1)で表される化合物は、分子中にハロゲン原子を含み、スルホンアミド基が置換したアリールオキシ基を介して重合性基(不飽和二重結合及びエポキシ基の少なくとも一方)が置換された構造を有する。そのため、例えば、光を像様に照射する工程において、光熱変換層に生じた熱により、一般式(1)で表される化合物が、隣接する一般式(1)で表される化合物又は隣接する重合性化合物と重合すると考えられる。その結果、耐溶剤性に優れた画像が形成されると考えられる。
3)画像形成層は、一般式(1)で表される化合物、樹脂、及び重合性化合物を含有する。
光の照射による画像の形成が画像形成層の転写による場合、画像の形成は、下記の2つの特性に基づくものであると考えられる。形成される着色画像の解像度の向上は、この2つの特性を制御することで達成できると考えられる。
i)画像形成層と被転写体との粘着力
光熱変換層に光が照射されることにより発生する熱によって、画像形成層中の樹脂及び重合性化合物が融解して粘度が低下する。粘度が低下した樹脂及び重合性化合物は、被転写体への粘着力が増加するため、画像形成層は被転写体に接着する。
ii)画像形成層における凝集力
光を照射後、画像形成材料を被転写体から剥離する際、画像形成層は被転写体と接着している画像の端部を中心に、引きちぎられる応力を受け、画像形成層の凝集破壊が起こる。画像形成層の凝集破壊により、被転写体に残った部分(即ち、光の照射領域における画像形成層の少なくとも一部)が画像を形成する。
従って、上記i)の粘着力を高めたうえで、上記ii)の凝集力を最適化することによって、転写画像の端部の直線性を高めて、解像度を向上させることが重要である。
本発明の画像形成材料における画像形成層は、樹脂及び重合性化合物を含有する。画像形成層に含有される樹脂又は重合性化合物は、光熱変換層に光が照射されることにより発生する熱によって融解し、画像形成層が被転写体に接着しやすくなるものと考えられる。また、画像形成層に含まれる重合性化合物は、光熱変換層に光が照射されることにより発生する熱によって硬化し、基材との密着性が増し、画像の端部での凝集破壊が起こりやすくなると思われる。結果として、被転写体に転写される画像の解像度が向上すると思われる。
特に、画像形成層が、さらに、重量平均分子量10000以下のアクリル樹脂及びロジン樹脂の少なくとも一方を含む場合、画像形成層の被転写体への粘着力に優れ、画像の解像度がより一段と向上すると考えられる。
更に、一般式(1)で表される化合物は分子中に硬化性基を有するため、光熱変換層に光が照射されることにより発生する熱による画像形成層の粘着性の向上が大きく、画像の解像度がより向上すると思われる。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定できる。具体的には、HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)を用い、カラムとして、TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製、6.0mmID×15cm)を2本用い、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)を用いることができる。また、測定条件としては、試料濃度を0.5質量%、流速を0.6ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、示差屈折(RI)検出器を用いて行なうことができる。検量線は、東ソー社製「polystyrene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作成することができる。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書における基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書中における「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれかを表し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表し、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル及びメタクリロイルの双方、又は、いずれかを表す。
本明細書において、化学式中のMeはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を、Phはフェニル基を、Acはアセチル基を示す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、「コントラスト」とは、カラーフィルタを構成するR(赤)、G(緑)、B(青)について、色毎に個別に評価されるコントラストを意味する。コントラストの測定方法は次の通りである。被測定物の両側に偏光板を配置し、2つの偏光板の偏光方向を互いに平行にした状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y1を測定する。次に偏光板を互いに直交させた状態で、一方の偏光板の側からバックライトを当てて、他方の偏光板を通過した光の輝度Y2を測定する。得られた測定値を用いて、コントラストはY1/Y2で算出される。ここで、偏光板としては、G1220DUN(日東電工(株)製)を用い、測定機は色彩輝度計BM−5((株)トプコン製)を用いることができる。
[画像形成層]
画像形成層は、一般式(1)で表される化合物、樹脂、並びに少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー及び少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有するオリゴマーの少なくとも一方を含有する。
そのため、後述の光熱変換層に光が照射されることで発生する熱により、被転写体に画像形成層が転写し、画像を形成することができる。
画像形成層は、形成される画像の解像度を向上させる観点から、重量平均分子量10000以下のアクリル樹脂、ロジン樹脂、及び顔料を含有してもよい。
(一般式(1)で表される化合物)
画像形成層は、一般式(1)で表される化合物(以下、フタロシアニン染料ともいう)の少なくとも一種を含有する。このフタロシアニン染料は、分子中に、ハロゲン原子を含み、スルホンアミド基が置換したアリールオキシ基を介して硬化性基(不飽和二重結合、エポキシ基を含む)が置換された構造を有していることで、溶剤に対する溶解性、シアン色としての色純度(色相)が高く、シアン領域以外の不要な波長領域での吸収が少なく(透過率が高く)、輝度に優れている。そのため、グリーンフィルタ用染料として良好な吸収波形を有しており、硬化膜としたときには、グリーンフィルタとして不要な波長領域での吸収が少なく透過率に優れ、さらに耐溶剤性に優れたものとなる。

一般式(1)において、Xは、ハロゲン原子を表し、Mは、非金属原子、金属原子、金属酸化物又は金属ハロゲン化物を表す。Rは、下記一般式(2)で表される基を表し、Rは水素原子又は1価の置換基を表す。複数のnは、それぞれ独立に0〜4の整数を表し、複数のmは、それぞれ独立に0〜4の整数を表し、複数のrは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。但し、複数のnの少なくとも1つは1以上の整数であり、複数のmの少なくとも1つは1以上の整数である。nとmとrとの総和は16である。
Xは、ハロゲン原子を表し、耐溶剤性の効果の観点から、塩素原子又はフッ素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
また、Xの置換位置は、吸収波長が長波化し、グリーンフィルタ用色素として好適に用いることができる点で、フタロシアニン骨格のα位であることが好ましい。
複数のmは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、2〜4の整数が好ましい。複数のmの少なくとも1つは1以上の整数であり、4つのmの合計は、2〜15が好ましく、6〜15がより好ましく、9〜15が特に好ましく、更には11〜14が好ましい。
本発明における「mの合計」は、含まれる各化合物のmの合計の平均値である。
Mは、非金属原子、金属原子、金属酸化物、又は金属ハロゲン化物を表し、金属原子、金属酸化物、又は金属ハロゲン化物が好ましく、金属原子がより好ましい。
金属原子としては、銅原子(Cu)、亜鉛原子(Zn)、鉛原子(Pb)、鉄原子(Fe)、ニッケル原子(Ni)、又はコバルト原子(Co)が好ましく、Cu、Znがより好ましい。MがCu、Znであることで、耐溶剤性が向上する。
金属酸化物としては、Ti(=O)又はV(=O)が好ましい。金属ハロゲン化物としては、AlCl、AlI、InCl、InI、GaCl、GaI、TiCl、VCI、SnCl、SiCl又はGeClが好ましい。
また、非金属原子とは、Mが2つの水素原子である場合をいい、具体的には、Mが非金属原子を表す場合、一般式(1)は以下のように表される。

は、前述の一般式(2)で表される基を表す。
の置換位置は、フタロシアニン染料の会合が促進され、吸収強度比が付きやすくなる点で、フタロシアニン骨格のβ位が好ましい。また、画像形成層中での析出が抑制され、保存安定性が向上する点で、フタロシアニン骨格のα位が好ましい。
複数のnは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましい。複数のnの少なくとも1つは1以上の整数であり、4つのnの合計は1〜8が好ましく、1〜4がさらに好ましく、更には2〜4が好ましい。
本発明における「nの合計」は、含まれる各化合物のnの合計の平均値である。
Rは、水素原子又は1価の置換基を表す。置換基の例としては、後述の置換基Tが例示される。Rは、樹脂との相溶性の点で、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェノキシ基、アリール基及びアリールオキシ基が好ましく、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、フェノキシ基がより好ましく、水素原子がより好ましい。
複数のrは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0又は1である。
本発明における「rの合計」は、含まれる各化合物のrの合計の平均値である。
一般式(1)において、mの合計が6以上であり、nの合計が1〜8であることが好ましい。これにより、耐溶剤性が向上する。
mとnとrとの総和は16である。一般式(1)において、全てのRが同じ置換基を表す場合、全てのnが同じ数にならないようにしてもよく、全てのmが同じ数にならないようにしてもよい。
上述の置換基Tとしては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜18のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、シリル基(好ましくは炭素数3〜38、より好ましくは炭素数3〜18のシリル基で、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ヘキシルジメチルシリル基)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、ドデシルオキシ基、シクロアルキルオキシ基で、例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ドデカノイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基で、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基)、
カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N−ブチルカルバモイルオキシ基、N−フェニルカルバモイルオキシ基、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ基)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ基、N−プロピルスルファモイルオキシ基)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ基、ヘキサデシルスルホニルオキシ基、シクロヘキシルスルホニルオキシ基)、アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ基)、アシル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアシル基で、例えば、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、テトラデカノイル基、シクロヘキサノイル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、Nーエチル−N−オクチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−メチルN−フェニルカルバモイル基、N,N−ジシクロへキシルカルバモイル基)、アミノ基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のアミノ基で、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、テトラデシルアミノ基、2−エチルへキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基)、アニリノ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは6〜24のアニリノ基で、例えば、アニリノ基、N−メチルアニリノ基)、ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜18のヘテロ環アミノ基で、例えば、4−ピリジルアミノ基)、カルボンアミド基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは2〜24のカルボンアミド基で、例えば、アセトアミド基、ベンズアミド基、テトラデカンアミド基、ピバロイルアミド基、シクロヘキサンアミド基)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のウレイド基で、例えば、ウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基、N−フェニルウレイド基)、イミド基(好ましくは炭素数36以下、より好ましくは炭素数24以下のイミド基で、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ基)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、ヘキサデカンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルアミノ基で、例えば、N、N−ジプロピルスルファモイルアミノ基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイルアミノ基)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアゾ基で、例えば、フェニルアゾ基、3−ピラゾリルアゾ基)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、オクチルチオ基、シクロヘキシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環チオ基で、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、2−ピリジルチオ基、1−フェニルテトラゾリルチオ基)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルフィニル基で、例えば、ドデカンスルフィニル基)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルフィニル基で、例えば、フェニルスルフィニル基)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ヘキサデシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル基、N,N−ジプロピルスルファモイル基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル基、N−エチル−N−フェニルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基)、スルホ基、ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホニル基、オクチルオキシホスホニル基、フェニルホスホニル基)、ホスフィノイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスフィノイルアミノ基で、例えば、ジエトキシホスフィノイルアミノ基、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ基)、等が挙げられる。
これらの置換基は、更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、二つの置換基は同一でも異なっていてもよく、また二つの置換基は、可能な場合には互いに連結して環を形成していてもよい。

一般式(2)において、R及びRは、それぞれ独立に、1価の置換基(水素原子は含まれない)を表し、R及びRの少なくとも1つは一般式(3)又は一般式(4)で表される基を表す。*は、一般式(1)におけるフタロシアニン環と結合する部位を表す。

一般式(3)及び一般式(4)において、L及びLは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表し、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。*は、一般式(2)中の窒素原子(N)と結合する部位を表す。
及びRが1価の置換基を表す場合、R及びRとしては、上記の置換基Tを例示することができ、好ましくは、無置換でも置換基を有してもよいアルキル基、又は無置換でも置換基を有してもよいアリール基を表す。
置換基を有するアルキル基及びアリール基の置換基としては、既述の置換基Tが挙げられ、中でも、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基又はハロゲン原子等が好ましく、アルコキシ基、アシルオキシ基が好ましく、2−エチルヘキサノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、2−メチルプロパノイルオキシ基、2−メチルブタノイルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基がさらに好ましい。
また、R及びRで表されるアルキル基、アリール基は、置換基を有していない態様も好ましい。
置換基を有していてもよいアルキル基等の例を以下に述べる。
無置換でも置換基を有してもよいアルキル基の好適な例を示す。
無置換でも置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素数1〜24のアルキル基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基がより好ましい。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサドデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基、フェノキシエチル基、ベンジル基、フェニルエチル基、N−ブチルアミノスルホニルプロピル基、N−ブチルアミノカルボニルメチル基、N,N−ジブチルアミノスルホニルプロピル基、エトキシエトキシエチル基、2−クロロエチル基等が挙げられ、さらに好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、フェノキシエチル基、ベンジル基、フェニルエチル基、N−ブチルアミノスルホニルプロピル基、N−ブチルアミノカルボニルメチル基、N,N−ジブチルアミノスルホニルプロピル基、エトキシエトキシエチル基が挙げられ、特に好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、フェノキシエチル基、ベンジル基、フェニルエチル基、N,N−ジブチルアミノスルホニルプロピル基、エトキシエトキシエチル基が挙げられる。
無置換でも置換基を有してよいアリール基の好適な例を示す。
無置換でも置換基を有してよいアリール基としては、炭素数6〜24のアリール基が好ましく、炭素数6〜12のアリール基がより好ましい。アリール基の例としては、フェニル基、2−クロロフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−ブトキシカルボニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノカルボニルフェニル基、4−N−ブチルアミノスルホニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノスルホニルフェニル基等が挙げられ、さらに好ましくは、フェニル基、4−ブトキシカルボニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノカルボニルフェニル基、4−N−ブチルアミノスルホニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノスルホニルフェニル基が挙げられ、特に好ましくは、フェニル基、4−ブトキシカルボニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノカルボニルフェニル基、4−N,N−ジブチルアミノスルホニルフェニル基が挙げられる。
一般式(3)中、Lは、単結合又は2価の連結基を表し、2価の連結基であることが好ましい。2価の連結基としては、−O−、−S−、−C(=O)−、−CH−、−C−、−CH(OH)−、−C(=S)−、−NR−、−SO−、及び−SO−から選ばれる1つ又は2つ以上の組み合わせ(多種を2つ以上組み合わせてもよいし、同種を2つ以上組み合わせてもよい)からなる2価の連結基であることが好ましく、−O−、−C(=O)−、−CH−、−C−、−CH(OH)−、及び−NR−から選ばれる1つ又は2つ以上の組み合わせ(多種を2つ以上組み合わせてもよいし、同種を2つ以上組み合わせてもよい)からなる2価の連結基であることがより好ましい。
更に、一般式(3)は、(メタ)アクリル酸エステル構造を有することが好ましい。例えば、一般式(3)のLが、二重結合を形成している炭素原子と結合するエステル基(−OC(=O)−)を有する(メタ)アクリル酸エステル構造であることがより好ましい。
は、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。Rで表されるアルキル基は、炭素数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基など)が好ましい。Rで表されるアリール基は、炭素数6〜10のアリール基(フェニル基、ナフチル基など)が好ましい。Rは、水素原子、メチル基又はエチル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
一般式(3)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。1価の置換基としては、上述の置換基Tが挙げられ、アルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基)がより好ましい。
、R、及びRは、水素原子又はメチル基がさらに好ましく、Rは水素原子又はメチル基が特に好ましく、R及びRは水素原子が特に好ましい。
特に、R及びRで表される一般式(3)で表される基は、2価の基を介して一般式(2)中の窒素原子に結合された(メタ)アクリル基であることがより好ましい。ここで、2価の基は、Lで表される2価の連結基と同義であり、−O−、−C(=O)−、−CH−、−C−、−CH(OH)−、及び−NR−から選ばれる1つ又は2つ以上の組み合わせ(多種を2つ以上組み合わせてもよいし、同種を2つ以上組み合わせてもよい;以下同様)からなる基であることがより好ましく、−O−、−C(=O)−、及び−CH−から選ばれる1つ又は2つ以上の組み合わせからなる基が更に好ましい。
及びRで表される一般式(3)としては、Lが炭素数2〜9(好ましくは炭素数2〜7)のアルキレンオキシカルボニル基であり、Rが水素原子又はメチル基であり、R及びRが水素原子であることが好ましい。
及びRで表される一般式(3)において、Lが炭素数2〜9(好ましくは炭素数2〜7)のアルキレンオキシカルボニル基であり、Rが水素原子又はメチル基であり、R及びRが水素原子であると、耐溶剤性が向上する。
一般式(4)中、Lは、単結合又は2価の連結基を表し、2価の連結基はLで表される2価の連結基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(4)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。1価の置換基としては、上述の置換基Tが挙げられ、アルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基)がより好ましい。R、R、及びRは、水素原子又はメチル基がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
一般式(2)において、R及びRがいずれも一般式(3)又は一般式(4)で表される基を表す場合、それらは同一であっても異なっていてもよく、好ましくは同一である。また、一般式(2)中のR及びRが、一般式(3)又は一般式(4)で表される基を表す場合、少なくとも1つは、一般式(3)で表される基であることが好ましい。
これにより、着色画像を作製した際、染料の膜中への固定性が良好になり、色変化が少なく、耐溶剤性等が良好なものとなる。
上記した一般式(1)で表される化合物(フタロシアニン染料)のうち、好ましい態様としては、下記一般式(5)で表される化合物を挙げることができる。

一般式(5)において、Xは、塩素原子又はフッ素原子を表し、Mは、Cu又はZnを表す。Rは、一般式(6)で表される基を表し、Rは水素原子を表す。複数のnは、それぞれ独立に0〜2の整数を表し、複数のmは、それぞれ独立に0〜4の整数を表し、複数のrは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。但し、複数のnの少なくとも1つは1以上の整数であり、複数のmの少なくとも1つは1以上の整数である。nとmとrの総和は16である。
一般式(6)において、R及びRは、それぞれ独立に、1価の置換基(水素原子は含まれない)、又は上記の一般式(3)もしくは一般式(4)で表される基を表し、R及びRの少なくとも1つは一般式(3)又は一般式(4)で表される基を表す。*は、一般式(5)におけるフタロシアニン環と結合する部位を表す。
一般式(3)及び(4)において、L及びLは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表し、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。*は、一般式(6)中のNと結合する部位を表す。
上記において、R及びRで表される1価の置換基、L及びLで表される2価の連結基、R、R、R、R、R、及びRで表される1価の置換基は、一般式(2)〜(4)における場合と同義であり、好ましい態様も同様である。
また、一般式(1)で表される化合物(フタロシアニン染料)のうち、好ましい他の態様としては、Xが塩素原子又はフッ素原子であり、Mが非金属原子、Cu、又はZnであり、Rが一般式(2)で表される基であり、Rが水素原子又はフェノキシ基であり、複数のn、複数のm、及び複数のrがそれぞれ独立に0〜4の整数であって(但し、複数のnの少なくとも1つは1以上の整数であり、複数のmの少なくとも1つは1以上の整数である)、かつ一般式(2)において、Rが炭素数1〜12のアルキル基であり、Rが一般式(3)もしくは一般式(4)で表される基であり、かつ一般式(3)及び(4)において、L及びLがそれぞれ独立にアルキレン基又は*−R−OC(=O)−〔R:炭素数1〜8(好ましくは炭素数1〜6)のアルキレン基、*:一般式(2)中のNと結合する部位〕であり、R、R、R、R、R、及びRがそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である態様がより好ましい。
一般式(1)で表される化合物の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜5,000であり、より好ましくは1,100〜3,500である。重量平均分子量は既述の方法により測定できる。
一般式(1)で表される化合物の画像形成層中における含有量としては、一般式(1)で表される化合物の重量平均分子量及び吸光係数によって異なるが、画像形成層の全固形分に対して、5.0質量部〜70.0質量部が好ましく、10.0質量部〜60.0質量部がさらに好ましく、20.0質量部〜50.0質量部が特に好ましい。一般式(1)で表される化合物の含有量を5.0質量部以上とすることで、画像形成層の凝集力を適切な範囲に調整し、画像の端部の直線性を上げて、画像の解像度を向上させることができると共に、良好な色濃度(例えば液晶表示するのに適した色濃度)が得られる。一般式(1)で表される化合物の含有量を70.0質量部以下とすることで、光照射時の画像形成層の粘着力が十分に発現し、画像形成層と基材の粘着力を上げ、画像の解像度を向上することができる。
フタロシアニン染料の製造方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法、例えば、「機能性色素としてのフタロシアニン、株式会社アイピーシー社発行」、「フタロシアニン−化学と機能−、株式会社アイピーシー社発行」等に記載の方法に従って合成することができる。
フタロシアニン染料は、置換されてもよいフタロニトリルを金属源存在下で縮合環化させることにより合成することができる。その際、複数のフタロニトリルを混合することにより、種々の置換基が導入されたフタロシアニンを合成することができる。
フタロシアニン染料は、例えば下記の反応式(1)及び反応式(2)のように、フタロシアニンを製造するための原料(フタロニトリル誘導体)を所望の割合で混合して合成される。
下記の反応式(1)において、aとbとcとの和は16である。但し、a、b、及びcは任意に0.1個のような小数となり得る。これは、a、b、及びcは、混合する原料フタロニトリル誘導体の仕込み比から規定される値であって、混合したフタロニトリル誘導体の反応は複雑に進行し、合成されたフタロシアニン誘導体が様々な置換基を有した混合物の形態となっているためである。反応式(1)におけるRは、一般式(1)中のRと同義であり、フタロニトリルA中に置換したRの置換数及び仕込み比を調整することにより、フタロシアニン染料中の置換基Rの置換数を所望の数に調整することができる。反応式(1)において、a=4x、b=16−4x−4z、c=4z(x+y+z=1)である。
反応式(1)において、置換基Rを導入したフタロニトリルAの仕込み比(x)が大きいと、得られるフタロシアニンの溶解性向上や、重合性置換基を有する置換基Rの特性による染料の膜中への固定化等が期待でき、フタロニトリルBの仕込み比(y)を大きくすると、得られるフタロシアニンの会合性を高めることができ、吸収波形の調整等が可能になる。
また同様に、反応式(2)において、a’とb’とc’の和は16であり、a’=4x’、b’=16−4x’−16z’、c’=16z’(x’+y’+z’=1)である。
〔反応式(1)〕

〔反応式(2)〕

以下、既述の一般式(1)で表される化合物の具体例(例示化合物A−1〜A−80)を示す。但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。
下記の各具体例において、pは一般式(1)中のnの合計の平均値を表し、qは一般式(1)中のmの合計の平均値を表す。また、「16−p−q」は、2つの平均値を減算した値であるので、複数種の化合物における平均値である。
下記の各具体例には、p個のうち少なくとも1つのRの置換位置がα位(他はβ位)であって、q個のうち少なくとも1つのXの置換位置がβ位(他はα位)であるもの、p個のRの置換位置がα位であってq個のXの置換位置がβ位であるもの、及びp個のRの置換位置がβ位であってq個のXの置換位置がα位であるもの、等が含まれる。ここで、「16−p−q」個のRは、α位及び/又はβ位の任意の置換位置に置換されている。
例えば、各具体例において、フタロシアニン環の4つのベンゼン環へのR及びXの置換態様として、2つのα位にXを有しかつβ位にRとXとを有する構造A1(下記フタロニトリルA1に由来の構造)と、2つのβ位にXを有しかつα位にRとXとを有する構造A2(下記フタロニトリルA2に由来の構造)と、を含むものは好ましく、構造A1と構造A2との比率(A1:A2[モル比])が、100:0〜20:80であることが性能上好ましく、より好ましくは100:0〜50:50であり、さらに好ましくは100:0〜70:30である。








上記の例示化合物A−1〜A−80におけるRの欄に記載の各基は、下記に示す基を表す。


これらの具体例の中でも、A−11、A−14、A−38、A−52、A−64、A−70、及びA−75が好ましく、A−11、A−38、A−52、及びA−70がより好ましい。
(その他の染料化合物)
画像形成層は、上記の一般式(1)で表される化合物以外の染料化合物(以下、その他の染料化合物ともいう)を含んでいてもよい。
その他の染料化合物を含むことにより、形成される画像を所望の色相に調整できる。
その他の染料化合物は、所望の色相の範囲内で適宜選択できる。その他の染料化合物としては、例えば、アゾ系(例えば、ソルベントイエロー162)、アントラキノン系(例えば、特開2001−10881号公報に記載のアントラキノン化合物)、フタロシアニン系(例えば、米国特許第2008/0076044号明細書に記載のフタロシアニン化合物)、キサンテン系(例えば、シー・アイ・アシッド・レッド289(C.I.Acid Red289))、トリアリールメタン系(例えば、シー・アイ・アシッド・ブルー7(C.I.Acid Blue7)、シー・アイ・アシッド・ブルー83(C.I.Acid Blue83)、シー・アイ・アシッド・ブルー90(C.I.Acid Blue90)、シー・アイ・ソルベント・ブルー38(C.I.Solvent Blue38)、シー・アイ・アシッド・バイオレット17(C.I.Acid Violet17)、シー・アイ・アシッド・バイオレット49(C.I.Acid Violet49)、シー・アイ・アシッド・グリーン3(C.I.Acid Green3)、メチン染料、などが挙げられる。
その他の染料化合物としては、黄色の染料化合物が好ましい。
黄色の染料化合物としては、例えば、C.I.ソルベント・イエロー4、C.I.ソルベント・イエロー88、C.I.ソルベント・イエロー14、C.I.ソルベント・イエロー15、C.I.ソルベント・イエロー24、C.I.ソルベント・イエロー93、C.I.ソルベント・イエロー94、C.I.ソルベント・イエロー98、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ソルベント・イエロー82などが挙げられる。
また、黄色の染料化合物としては、アゾ染料又はモノメチン染料が好ましく、より好ましい黄色の着色剤は、下記一般式(A)で表されるモノメチン染料である。

一般式(A)において、R11は、それぞれ独立に、アルキル基又はビニル基を表し、R12は、それぞれ独立に、置換基を有する芳香族環基を表す。
11としては、炭素数1〜12アルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。炭素数1〜12アルキル基は、不飽和結合を有してもよく、不飽和結合を有する置換基として例えばアリールスルホニルアミノ基が挙げられる。
12で表される芳香族環基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、置換基としては、アルキルスルホニルアミノ基、ビニルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、ビニルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基が好ましく、アルキルスルホニルアミノ基、ビニルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基がさらに好ましい。
また、以下に示すモノメチン染料は特に好ましい。

上記のモノメチン染料は、下記スキームに示すように、一般式(8)で表されるアニリン化合物と一般式(9)で表されるハロゲン化合物とをピコリンの共存下で反応させて一般式(10)で表される染料中間体を合成し、得られた染料中間体を用いて好適に製造される。

一般式(8)で表される化合物の合成は、欧州特許出願公開第0571959号明細書の記載を参照することができる。上記スキームに従い、一般式(8)で表される化合物とピコリンとを、例えばテトラヒドロフランと酢酸エチルの混合溶媒等の反応溶媒に溶解させた混合溶液に、一般式(9)で表される化合物を滴下し反応液を攪拌した後、貧溶媒を用いて晶析させることにより、一般式(10)で表される化合物が得られる。一般式(8)で表される化合物と一般式(10)で表される化合物とを反応させる際にピコリンを共存させることで、晶析させた一般式(10)で表される化合物の着色が抑制され、一般式(10)で表される化合物が純度よく得られる。ここで、ピコリンの量は、一般式(8)で表される化合物1質量部に対して0.4質量部〜2質量部が好ましい。反応温度は0℃〜50℃が好ましく、反応溶媒の量は、一般式(8)で表される化合物の量に対して質量基準で1倍〜20倍が好ましい。反応溶媒には、一般式(8)で表される化合物や一般式(9)で表される化合物と反応しないものであればよく、例えば、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリルなどが挙げられる。
そして、一般式(10)で表される染料中間体、オルトギ酸トリエチル、トルエン、及び酢酸の混合溶液を攪拌させた後、貧溶媒を用いて晶析させることで、染料化合物が得られる。
なお、スキーム中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、RはSO又はCORを表す。R及びRは、無置換又は置換基を有する、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。XはCl、Br、I、又はFを表す。
一般式(8)において、Rで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、色純度や耐熱性の点で、好ましくはtert−ブチル基である。
一般式(9)において、R及びRで表される炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、3−ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基などが例示される。炭素数1〜10のアルキル基が置換されている場合、置換基としては、メトキシエトキシ基等のアルコキシアルコキシ基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ビニル基等のアルケニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシアルキルオキシカルボニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、エステル基、アミド基、スルホンアミド基などが挙げられ、2−{(メタ)アクリロイルオキシ}エチルオキシカルボニル基が好ましく、特に2−(アクリロイルオキシ)エチルオキシカルボニル基が好ましい。
及びRで表される炭素数6〜20のアリール基は、無置換でも置換基を有してもよく、フェニル基、置換フェニル基が挙げられる。置換アリール基としては、2−メチルフェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、4−クロロフェニル基、3−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)フェニル基、スチリル基、4−アクリロイルフェニル基、4−メタクリロイルフェニル基等が挙げられ、スチリル基、4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル基が好ましく、より好ましくはスチリル基、4−アクリロイルオキシフェニル基である。
また、Xは、好ましくはClである。
その他の染料化合物を分散物として配合する場合、特開平9−197118号公報、特開2000−239544号公報の記載に従って調製することができる。
画像形成層におけるその他の染料化合物の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で用いることが可能であり、具体的には、画像形成層の全固形分に対して、0.5質量%〜70質量%の範囲が好ましい。
画像形成層が、一般式(1)で表される化合物と、その他の染料化合物と、を含む場合、合計量は、画像形成層の全固形分に対して、5質量%〜70質量%の範囲が好ましい。
(顔料)
画像形成層は、さらに顔料を含んでもよい。顔料を含むことで、画像形成層の凝集力が向上し、転写精度が向上するため、解像度が向上する。
また、上記の一般式(1)で表される化合物に加え、顔料を添加することで、画像の色相を所望の色相に調整することもできる。
顔料化合物としては、ペリレン、ペリノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、アントラキノン、アントアントロン、ベンズイミダゾロン、ジスアゾ縮合化合物、ジスアゾ、アゾ、インダントロン、フタロシアニン、トリアリールカルボニウム、ジオキサジン、アミノアントラキノン、ジケトピロロピロール、インジゴ、チオインジゴ、イソインドリン、イソインドリノン、ピラントロンもしくはイソビオラントロン等が挙げられる。さらに詳しくは、例えば、ピグメント・レッド190、ピグメント・レッド224、ピグメント・バイオレット29等のペリレン化合物顔料、ピグメント・オレンジ43、もしくはピグメント・レッド194等のペリノン化合物顔料、ピグメント・バイオレット19、ピグメント・バイオレット42、ピグメント・レッド122、ピグメント・レッド192、ピグメント・レッド202、ピグメント・レッド207、もしくはピグメント・レッド209のキナクリドン化合物顔料、ピグメント・レッド206、ピグメント・オレンジ48、もしくはピグメント・オレンジ49等のキナクリドンキノン化合物顔料、ピグメント・イエロー147等のアントラキノン化合物顔料、ピグメント・レッド168等のアントアントロン化合物顔料、ピグメント・ブラウン25、ピグメント・バイオレット32、ピグメント・オレンジ36、ピグメント・イエロー120、ピグメント・イエロー180、ピグメント・イエロー181、ピグメント・オレンジ62、もしくはピグメント・レッド185等のベンズイミダゾロン化合物顔料、ピグメント・イエロー93、ピグメント・イエロー94、ピグメント・イエロー95、ピグメント・イエロー128、ピグメント・イエロー166、ピグメント・オレンジ34、ピグメント・オレンジ13、ピグメント・オレンジ31、ピグメント・レッド144、ピグメント・レッド166、ピグメント・レッド220、ピグメント・レッド221、ピグメント・レッド242、ピグメント・レッド248、ピグメント・レッド262、もしくはピグメント・ブラウン23等のジスアゾ縮合化合物顔料、ピグメント・イエロー13、ピグメント・イエロー83、もしくはピグメント・イエロー188等のジスアゾ化合物顔料、ピグメント・レッド187、ピグメント・レッド170、ピグメント・イエロー74、ピグメント・イエロー150、ピグメント・レッド48、ピグメント・レッド53、ピグメント・オレンジ64、もしくはピグメント・レッド247等のアゾ化合物顔料、ピグメント・ブルー60等のインダントロン化合物顔料、ピグメント・グリーン7、ピグメント・グリーン36、ピグメント・グリーン37、ピグメント・グリーン58、ピグメント・ブルー16、ピグメント・ブルー75、もしくはピグメント・ブルー15等のフタロシアニン化合物顔料、ピグメント・ブルー56、もしくはピグメント・ブルー61等のトリアリールカルボニウム化合物顔料、ピグメント・バイオレット23、もしくはピグメント・バイオレット37等のジオキサジン化合物顔料、ピグメント・レッド177等のアミノアントラキノン化合物顔料、ピグメント・レッド254、ピグメント・レッド255、ピグメント・レッド264、ピグメント・レッド272、ピグメント・オレンジ71、もしくはピグメント・オレンジ73等のジケトピロロピロール化合物顔料、ピグメント・レッド88等のチオインジゴ化合物顔料、ピグメント・イエロー139、ピグメント・オレンジ66等のイソインドリン化合物顔料、ピグメント・イエロー109、もしくはピグメント・オレンジ61等のイソインドリノン化合物顔料、ピグメント・オレンジ40、もしくはピグメント・レッド216等のピラントロン化合物顔料、又はピグメント・バイオレット31等のイソビオラントロン化合物顔料が挙げられる。
中でも、黄色の顔料が好ましく、ピグメント・イエロー150やピグメント・イエロー139がより好ましい。
画像形成層における顔料の含有量は、画像形成層の全固形分に対して、5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましく、1質量%以上4質量%以下がさらに好ましい。
顔料の含有量が5質量%以下であると、解像度を向上できる。
画像形成層中の上記染料に対する顔料の含有量は、染料と顔料の合計量(着色剤の全質量に対して、15質量%以下が好ましく、1質量%以上12質量%以下がより好ましく、3質量%以上11質量%以下がさらに好ましい。
(樹脂)
本発明に係る画像形成層には、樹脂の少なくとも1種を含む。
樹脂を含むことで、画像形成層に染料を保持することができる。また、光照射時の画像形成層の粘着力に寄与することができる。
本発明における樹脂は、重量平均分子量が10000を超える高分子化合物であり、後述の重量平均分子量が10000以下のアクリル樹脂及びロジン樹脂とは区別される。
樹脂としては、アクリル系樹脂が好ましく、少なくとも(メタ)アクリル酸、及びベンジル(メタ)アクリレートを含む二種以上のモノマーの共重合体であることがさらに好ましい。
上記共重合体に対する各単量体に由来する繰り返し単位の比率は、(メタ)アクリル酸由来の繰り返し単位が10モル%以上40モル%以下の範囲が好ましく、20モル%以上30モル%以下の範囲が更に好ましい。同様に、ベンジル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位の比率は、20モル%以上80モル%以下の範囲が好ましく、30モル%以上80モル%以下の範囲が更に好ましい。
上記共重合体は、(メタ)アクリル酸及びベンジル(メタ)アクリレート以外の単量体(以下、「他のモノマー」ともいう。)由来の繰り返し単位を含んでいてもよい。
他のモノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;マレイン酸及びマレイン酸エステル、無水マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸などが挙げられる。これらのなかでもメチルメタクリレートが特に好ましい。
共重合体における他のモノマー由来の繰り返し単位の比率は、前述の(メタ)アクリル酸由来の繰り返し単位の比率、及びベンジル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位の比率の各々の好ましい範囲を満たせば、その残余の比率であってよく、好ましくは共重合体に対して、0モル%以上60モル%以下の範囲から適宜選択される。
上記共重合体の重量平均分子量は、20000以上60000以下が好ましく、30000以上50000以下が特に好ましい。20000以上あると、形成画像の強度を高めることができ、60000以下であると画像の端部の直線性を向上させ、高い解像度を達成することが容易となる。
重量平均分子量は、既述の方法により測定できる。
画像形成層における樹脂の含有量は、画像形成層の全固形分100質量部に対して、1質量部以上55量部以下が好ましく、更に2質量部以上50量部以下が好ましく、特に2質量部以上45質量部以下であることが、コントラスト及び解像度が優れる転写画像が得られるため好ましい。
画像形成層には、樹脂として、上記共重合体以外の樹脂(以下、「他の樹脂」ともいう。)を含有させてもよい。
他の樹脂としては、軟化点が40℃以上150℃以下の非晶質有機高分子重合体が好ましい。このような非晶質有機高分子重合体としては、例えば、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、スルホンアミド樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、石油樹脂等が含まれる。更に、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニル安息香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、アミノスチレン等のスチレン及びその誘導体、置換体の単独重合体や共重合体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、α−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリル酸、ブタジエン、イソプレン等のジエン類、アクリロニトリル、ビニルエーテル類、マレイン酸及びマレイン酸エステル類、無水マレイン酸、ケイ皮酸、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系単量体の単独あるいは他の単量体(本発明用バインダー形成用のモノマーであってもよい)等との共重合体;等が挙げられる。これらの他の樹脂は、単独で、又は2種以上混合して用いることができ、画像形成層の全固形分100質量部に対して、40質量部以下の範囲で用いられることが好ましい。
(少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー及び少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有するオリゴマー)
画像形成層は、少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー及び少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有するオリゴマー(重合性化合物)の少なくとも一方を含有する。
そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも2個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。
画像形成層が、重合性化合物を含むことで、光熱変換層に光が照射されることにより発生する熱によって重合性化合物の少なくとも一部が融解し、基材に密着しやすくなる。また、画像形成層、光熱変換層に光が照射されることにより発生する熱によって重合性化合物が硬化し、被転写体との密着性が増し、画像の端部での凝集破壊が起こりやすくなる。
このように、重合性化合物は、転写時の、画像形成層の粘着力と凝集力に寄与する。
重合性化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、多官能(メタ)アクリレートが好ましく、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びジぺンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートがより好ましい。
重合性化合物の重量平均分子量は、2500未満が好ましく、100以上1000以下がより好ましい。重量平均分子量は、既述の方法により測定できる。
重合性化合物は、画像形成層の全固形分100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下を含有すると、画像の解像度が向上するため好ましい。より好ましくは、画像形成層の全固形分100質量部に対して、15質量部以上25質量部以下を含有することが好ましい。
画像成形層は、上記の樹脂とは別に重量平均分子量が10000以下のアクリル樹脂及びロジン樹脂を含んでもよい。
(重量平均分子量が10000以下のアクリル樹脂)
本発明に係る画像形成層には、更に、重量平均分子量が10000以下のアクリル樹脂の少なくとも1種が含まれていてもよい。
重量平均分子量が10000以下のアクリル樹脂が含まれることで、可塑剤として機能し、転写時の画像形成層の粘着力が増加し、解像度が向上する。
重量平均分子量が10000以下のアクリル系樹脂としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、α−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリル酸、マレイン酸及びマレイン酸エステル類、無水マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸などの単独重合体や共重合体を用いることができ、少なくとも(メタ)アクリル酸及びベンジル(メタ)アクリレートを含有する共重合体を使用することが好ましい。
重量平均分子量が10000以下のアクリル樹脂の重量平均分子量は、2500以上9000以下がより好ましく、5000以上8000以下が特に好ましい。
重量平均分子量は、既述の方法で測定できる。
画像形成層における重量平均分子量が10000以下のアクリル樹脂の含有量は、画像形成層の全固形分100質量部に対して、0質量部以上50量部以下が好ましく、更に1質量部以上25量部以下が好ましく、特に1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
重量平均分子量が10000以下のアクリル樹脂は、従来公知の方法で合成することができる。
(ロジン樹脂)
画像形成層は、更に、ロジン樹脂の少なくとも1種を含んでもよい。
ロジン樹脂が含まれることで、転写時の画像形成層の粘着力が増加し、解像度が向上する。
ロジン樹脂としては、例えば、ロジン、水添ロジン、変性ロジン及びこれらの誘導体(エステル化物等)、ロジン変性マレイン酸樹脂等が挙げられる。
ロジン樹脂を構成するロジン酸としてはアビエチン酸型でもピマル酸型でも使用することができる。なかでも、アビエチン酸型ロジン酸を30質量%以上含有するロジン及び上記ロジンとエチレングリコール、グリセロール及びペンタエリスリトールから選択される少なくとも一種の多価アルコールとのエステル化物が好ましい。アビエチン酸型ロジン酸の具体例としては、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パルストル酸、ジヒドロ−アビエチン酸、デヒドロ−アビエチン酸等が挙げられる。
ロジン樹脂は、市販のものを用いてもよく、
本発明に用いられてもよいロジン樹脂を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
「KR612」、荒川化学工業(株)製、ビカット軟化点80℃〜90℃
「KE311」、荒川化学工業(株)製、ビカット軟化点90℃〜100℃
「KE604」、荒川化学工業(株)製、ビカット軟化点124℃〜134℃
「KR140」、荒川化学工業(株)製、ビカット軟化点130℃〜150℃
ロジン樹脂の軟化点は、80℃〜150℃が好ましく、85℃〜140℃がより好ましく、90℃〜135℃がさらに好ましい。
画像形成層におけるロジン樹脂の含有量は、画像形成層の全固形分100質量部に対して、0質量部以上50量部以下が好ましく、更に1質量部以上25量部以下が好ましく、特に1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
(その他の成分)
画像形成層は、更に、上記の成分の他に、界面活性剤、無機あるいは有機微粒子(金属粉、シリカゲル等)、オイル類(アマニ油、鉱油等)、増粘剤、帯電防止剤等を含有してもよい。黒色の画像を得る場合を除き、画像記録に用いる光源の波長を吸収する物質を含有することで、転写に必要なエネルギーを少なくできる。光源の波長を吸収する物質としては、顔料、染料のいずれでも構わないが、カラー画像を得る場合には、画像記録に半導体レーザー等の赤外線の光源を使用して、可視部に吸収の少ない、光源の波長の吸収の大きな染料を使用することが、色再現上好ましい。近赤外線染料の例としては、特開平3−103476号公報に記載の化合物を挙げることができる。
(溶媒)
画像形成層は、顔料とバインダー等とを溶解又は分散した塗布液を調製し、これを光熱変換層上(光熱変換層上に下記感熱剥離層が設けられている場合は、感熱剥離層上)に塗布し、乾燥することにより設けることができる。塗布液の調製に使用される溶媒としては、n−プロピルアルコール、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メタノール、水等が挙げられる。塗布、乾燥は、通常の塗布、乾燥方法を利用して行うことができる。
画像形成層の厚さは、0.2μm以上1.2μm以下であることが、ムラのない転写画像が容易に得られるのでの好ましい。
[支持体]
画像形成材料は、支持体を有する。
支持体の材料には特に限定はなく、各種の支持体材料を目的に応じて用いることができる。支持体は剛性を有し、寸法安定性に優れ、画像形成の際の熱に耐えるものが好ましく、後述の光の透過性が高い材料が好ましい。
支持体の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」ともいう。)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド(芳香族又は脂肪族)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等の合成樹脂材料を挙げることができる。
中でも、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートやポリエーテルスルホンが、機械的強度や熱に対する寸法安定性を考慮すると好ましい。
支持体の厚みは25μm以上130μm以下の範囲から選ばれることが好ましく、50μm以上120μm以下であることが特に好ましい。
−支持体の物性−
支持体における画像形成層を有する側の中心線平均表面粗さRa75(表面粗さ測定機(Surfcom,東京精機(株)製)等を用いて日本工業規格JIS B0601(2013年)に基づき測定)は0.1μm未満であることが好ましい。
支持体の長手方向のヤング率は200Kg/mm以上1200Kg/mm以下(≒2GPa〜12GPa)が好ましく、幅方向のヤング率は250Kg/mm以上1600Kg/mm以下(≒2.5GPa〜16GPa)であることが好ましい。
支持体の長手方向のF−5値は、好ましくは5Kg/mm以上50Kg/mm以下(≒49MPa〜490MPa)、支持体幅方向のF−5値は、好ましくは3Kg/mm以上30Kg/mm以下(≒29.4MPa〜294MPa)であり、支持体長手方向のF−5値が支持体幅方向のF−5値より高いのが一般的であるが、特に幅方向の強度を高くする必要がある場合はその限りではない。
なお、F−5値は、所定の方向に支持体が5%伸びたときの荷重を支持体の断面積で除した値を示す。
支持体の長手方向及び幅方向の100℃30分での熱収縮率は好ましくは3%以下、さらに好ましくは1.5%以下、80℃30分での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。
破断強度は両方向とも5Kg/mm以上100Kg/mm以下(≒49MPa〜980MPa)、弾性率は100Kg/mm以上2000Kg/mm以下(≒0.98GPa〜19.6GPa)が好ましい。
支持体の表面には、その上に設けられる光熱変換層との密着性を向上させるために、表面活性化処理及び/又は一層又は二層以上の下塗層の付設を行ってもよい。
表面活性化処理の例としては、グロー放電処理、コロナ放電処理等を挙げることができる。
下塗層の材料としては、支持体と光熱変換層の両表面に高い接着性を示し、かつ熱伝導性が小さく、また耐熱性に優れたものであることが好ましい。そのような下塗層の材料の例としては、スチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、ゼラチン等を挙げることができる。下塗層全体の厚さは通常0.01μm以上2μm以下である。
支持体裏面には、必要に応じて、反射防止層、帯電防止層、ブロッキング防止等の各種の機能を有するバック層の付設、あるいは表面処理を行うこともできる。
[バック層]
画像形成材料は、バック層を含んでもよい。バック層は、支持体の光熱変換層が形成される側とは反対側に形成することができる。バック層は、任意の添加剤を含むことで、所望の機能を付加することができる。
バック層に帯電防止機能を持たせる場合には、バック層に帯電防止剤を含有させることが有利である。
帯電防止剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル等の非イオン系界面活性剤、第4級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、アルキルホスフェート等のアニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、導電性樹脂等の化合物が挙げられる。
導電性微粒子を帯電防止剤として用いることもできる。このような導電性微粒子としては、例えば、ZnO、TiO、SnO、Al、In、MgO、BaO、CoO、CuO、CuO、CaO、SrO、BaO、PbO、PbO、MnO、MoO、SiO、ZrO、AgO、Y、Bi、Ti、Sb、Sb、KTi13、NaCaP18、MgB等の酸化物;CuS、ZnS等の硫化物;SiC、TiC、ZrC、VC、NbC、MoC、WC等の炭化物;Si、TiN、ZrN、VN、NbN、CrN等の窒化物;TiB、ZrB、NbB、TaB、CrB、MoB、WB、LaB等の硼化物;TiSi、ZrSi、NbSi、TaSi、CrSi、MoSi、WSi等の珪化物;BaCO、CaCO、SrCO、BaSO、CaSO等の金属塩;SiN−SiC、9Al−2B等の複合体が挙げられる。
これらの導電性微粒子は、1種単独で又は2種以上を併用してバック層中に含有させることができる。
上記に例示した導電性微粒子のうち、入手の容易性、粒子径の選択の容易性、帯電防止剤としての性能に優れる等の観点の少なくとも一つの理由から、SnO、ZnO、Al、TiO、In、MgO、BaO及びMoOが好ましく、SnO、ZnO、In及びTiOがさらに好ましく、SnOが特に好ましい。
バック層に用いる帯電防止剤は光を透過できるように実質的に透明であることが好ましい。
導電性金属酸化物を帯電防止剤として使用する場合には、その粒子径は光散乱をできるだけ小さくするために小さい程好ましいが、粒子とバインダーの屈折率の比をパラメータとして使用して決定されるべきものであり、ミー(Mie)の理論を用いて求めることができる。一般に体積平均粒子径が0.001μm以上0.5μm以下の範囲であり、0.003μm以上0.2μm以下の範囲が好ましい。
体積平均粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置等によって測定できる。
バック層には帯電防止剤の他に、界面活性剤、滑り剤及びマット剤等の各種添加剤やバインダーを添加することができる。
バック層の形成に使用されるバインダーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のアクリル酸系モノマーの単独重合体及び共重合体、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートのようなセルロース系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル系共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールのようなビニル系ポリマー及びビニル化合物の共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミドのような縮合系ポリマー、ブタジエン−スチレン共重合体のようなゴム系熱可塑性ポリマー、エポキシ化合物のような光重合性もしくは熱重合性化合物を重合、架橋させたポリマー、メラミン化合物等を挙げることができる。
[光熱変換層]
画像形成材料は、光熱変換層を含む。
光熱変換層は、光が照射されることにより、光が当たった部分が発熱する。光熱変換層において発熱した部分は、光熱変換層と接する画像形成層に伝わり、画像形成層に含まれる樹脂及び重合性化合物の少なくとも一方の、少なくとも一部を融解する。これにより、後述の被転写体への画像形成が可能となる。
光熱変換層は、光熱変換物質を含み、好ましくはバインダーを含み、及び必要に応じてマット剤を含む。
光熱変換層は、更に必要に応じて、その他の成分を含有してもよい。
光熱変換物質とは、照射される光エネルギーを熱エネルギーに変換する機能を有する物質である。一般的には、光を吸収することのできる色素が挙げられる。なお、色素は、染料及び顔料を包含する意味で用いる。
赤外線により画像形成を行う場合は、光熱変換物質としては、赤外線吸収色素を用いるのが好ましい。赤外線吸収色素の例としては、カーボンブラック等の黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニン等の可視から近赤外域に吸収を有する大環状化合物の顔料、光ディスク等の高密度レーザー記録のレーザー吸収材料として使用される有機染料(インドレニン染料等のシアニン染料、アントラキノン系染料、アズレン系色素、フタロシアニン系染料)、及びジチオールニッケル錯体等の有機金属化合物色素を挙げることができる。
中でも、シアニン系色素は、赤外線領域の光に対して、高い吸光係数を示すので、光熱変換物質として使用すると、光熱変換層を薄層化することができ、その結果、画像形成材料の記録感度をより向上させることができるので好ましい。
光熱変換物質としては、色素以外にも、黒化銀等の粒子状の金属材料等、無機材料を用いることもできる。
光熱変換層に含有されるバインダーとしては、支持体上に層を形成し得る強度を少なくとも有し、高い熱伝導率を有する樹脂が好ましい。更に、画像形成の際に、光熱変換物質から生じる熱によっても分解しない、耐熱性を有する樹脂であると、高エネルギーの光照射を行っても、光照射後の光熱変換層の表面の平滑性を維持できるので好ましい。
具体的には、熱分解温度(TGA法(熱質量分析法)で10℃/分の昇温速度で、空気気流中で5質量%減少する温度)が400℃以上の樹脂が好ましく、熱分解温度が500℃以上の樹脂がより好ましい。
また、バインダーは、200℃以上400℃以下のガラス転移温度を有するのが好ましく、250℃以上350℃以下のガラス転移温度を有するのがより好ましい。ガラス転移温度が200℃より低いと、形成される画像に変色が発生する場合があり、400℃より高いと、樹脂の溶解性が低下し、生産効率が低下する場合がある。尚、光熱変換層のバインダーの耐熱性(例えば、熱変形温度や熱分解温度)は、光熱変換層上に設けられる他の層に使用される材料と比較して、より高いことが好ましい。
光熱変換層におけるバインダーとして、具体的には、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル酸系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール等のビニル系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アラミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、尿素/メラミン樹脂等が挙げられる。中でも、ポリイミド樹脂が好ましい。
特に、下記一般式(I)〜(VII)で表されるポリイミド樹脂は、有機溶媒に可溶であり、これらのポリイミド樹脂を使用すると、画像形成材料の生産性が向上するので好ましい。また、光熱変換層用塗布液の粘度安定性、長期保存性、耐湿性が向上する点でも好ましい。
ここで、樹脂が有機溶媒に可溶であるか否かを判断する目安としては、25℃において、樹脂がN−メチルピロリドン100質量部に対して、10質量部以上溶解することを基準とし、10質量部以上溶解する場合は、光熱変換層用の樹脂として好ましく用いられる。より好ましくは、N−メチルピロリドン100質量部に対して、100質量部以上溶解する樹脂である。

一般式(I)及び(II)中、Arは、下記構造式(1)〜(3)で表される芳香族基を示し、nは、10以上100以下の整数を示す。

一般式(III)及び(IV)中、Arは、下記構造式(4)〜(7)で表される芳香族基を示し、nは、10以上100以下の整数を示す。


一般式(V)〜(VII)中、n及びmは各々独立して10以上100以下の整数を示す。式(VI)において、n:mの比は6:4〜9:1である。
光熱変換層に含有されるマット剤としては、無機微粒子や有機微粒子を挙げることができる。この無機微粒子としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、窒化ホウ素等の金属塩、カオリン、クレー、タルク、亜鉛華、鉛白、ジークライト、石英、ケイソウ土、バーライト、ベントナイト、雲母、合成雲母等が挙げられる。有機微粒子としては、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、スチレン−アクリル共重合体樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子等の樹脂粒子を挙げることができる。
マット剤の体積平均粒子径は、通常、0.3μm以上30μm以下であり、好ましくは0.5μm以上20μm以下である。光熱変換層におけるマット剤の量は、0.1mg/m以上100mg/m以下の範囲が好ましい。
体積平均粒子径は、既述の方法により測定できる。
光熱変換層には、更に必要に応じて、界面活性剤、増粘剤、帯電防止剤等が添加されてもよい。
〜光熱変換層の形成〜
光熱変換層は、光熱変換物質とバインダーとを溶解し、これに必要に応じてマット剤及びその他の成分を添加した塗布液を調製し、これを支持体上に塗布し、乾燥することにより設けることができる。バインダーを溶解するための有機溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ジグライム、キシレン、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、ジメチルアセテート、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホオキサイド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、エタノール、メタノール等が挙げられる。塗布、乾燥は、通常の塗布、乾燥方法を利用して行うことができる。乾燥は、通常、300℃以下の温度で行い、200℃以下の温度で行うのが好ましい。支持体として、ポリエチレンテレフタレートを使用する場合は、80℃以上150℃以下の温度で乾燥するのが好ましい。
光熱変換層における光熱変換物質とバインダーとの固形分質量比は、前者:後者の比で1:20以上2:1以下であるのが好ましく、特に、1:10以上2:1以下であるのがより好ましい。
光熱変換層における光熱変換物質とバインダーとの固形分質量比が1:20以上であると、光熱変換層の凝集力が向上し、形成画像が受像シートに転写される際に、光熱変換層が一緒に転写さにくくなり、画像の混色を抑制できる。また光熱変換物質とバインダーとの固形分質量比が2:1以下であると、光熱変換層の層厚を小さくすることができ、感度を良好に維持することができる。
光熱変換層を薄層化すると、画像形成材料を高感度化できるので好ましい。光熱変換層の厚さは、0.03μm以上1.0μm以下であるのが好ましく、0.05μm以上0.5μm以下であるのがより好ましい。
光熱変換層では、光の吸収波長が700nm以上1500nm以下の範囲、特に750nm以上1000nm以下の範囲であることが好ましい。更に、波長830nmの光に対して、0.7〜1.1の光学濃度を有していると、画像形成層の転写感度が向上するので好ましく、波長830nmの光に対して0.8〜1.0の光学濃度(OD)を有しているとより好ましい。波長830nmにおける光学濃度が0.7未満であると、照射された光を熱に変換する能力が低くなり、転写感度が低下することがある。波長830nmにおける光学濃度が1.1を超えると、記録時に光熱変換層の機能に影響を与え、変色が発生することがある。
[クッション層]
支持体と光熱変換層との間に、クッション機能を有するクッション層を設けることが、特にカラーフィルタを形成する場合に好ましい。クッション層を設けると、レーザーなどの光を用いた光熱転写時に画像形成層と、被転写体との密着性を向上させ、画質を向上させることができる。また、記録時、画像形成材料と受像シートの間に異物が混入しても、クッション層の変形作用により、受像層と画像形成層の空隙が小さくなり、結果として白ヌケ等の画像欠陥サイズを小さくすることもできる。
クッション層は、界面に応力が加えられた際に変形し易い構成が好ましく、低弾性率を有する材料、ゴム弾性を有する材料又は加熱により容易に軟化する熱可塑性樹脂から選ばれることが好ましい。クッション層の弾性率としては、室温で好ましくは0.5MPa〜1.0GPa、特に好ましくは1MPa〜0.5GPa、より好ましくは10MPa〜100MPaである。また、ゴミ等の異物をめり込ませるためには、JIS K2530で定められた針入度(25℃、100g、5秒)が10以上であることが好ましい。また、クッション層のガラス転移温度は80℃以下、好ましくは25℃以下、軟化点は50℃〜200℃が好ましい。これらの物性、例えば、Tgを調節するために可塑剤をバインダー中に添加することも好適に行うことができる。
クッション層のバインダーとして用いられる具体的な材料としては、ウレタンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、天然ゴム等のゴム類の他に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン樹脂、可塑剤入り塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
クッション層の厚みは、使用する樹脂その他の条件により異なるが、3μm〜100μmが好ましく、10μm〜52μmがより好ましい。
[感熱剥離層]
画像形成材料の光熱変換層の上には、光熱変換層で発生した熱の作用により気体を発生するか、付着水等を放出し、これにより光熱変換層と画像形成層との間の接合強度を弱める感熱材料を含む感熱剥離層を設けることができる。
そのような感熱材料としては、それ自身が熱により分解又は変質して気体を発生する化合物(ポリマー又は低分子化合物)、水分等の易気化性気体を相当量吸収又は吸着している化合物(ポリマー又は低分子化合物)等を用いることができる。これらは併用してもよい。
熱により分解もしくは変質して気体を発生するポリマーの例としては、ニトロセルロースのような自己酸化性ポリマー、塩素化ポリオレフィン、塩素化ゴム、ポリ塩化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンのようなハロゲン含有ポリマー、水分等の揮発性化合物が吸着されているポリイソブチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、水分等の揮発性化合物が吸着されているエチルセルロース等のセルロースエステル、水分等の揮発性化合物が吸着されているゼラチン等の天然高分子化合物等を挙げることができる。
熱により分解もしくは変質して気体を発生する低分子化合物の例としては、ジアゾ化合物やアジド化のような発熱分解して気体を発生する化合物を挙げることができる。尚、上記のような、熱による感熱材料の分解や変質等は280℃以下で発生することが好ましく、特に230℃以下で発生することが好ましい。
感熱剥離層の感熱材料として低分子化合物を用いる場合には、バインダーと組み合わせることが望ましい。バインダーとしては、上記のそれ自身が熱により分解もしくは変質して気体を発生するポリマーを用いることもできるが、そのような性質を持たない通常のバインダーを使用することもできる。感熱性の低分子化合物とバインダーとを併用する場合には、前者:後者の質量比で、0.02:1以上3:1以下であることが好ましく、0.05:1以上2:1以下であることが更に好ましい。
感熱剥離層は、光熱変換層を、そのほぼ全面にわたって被覆していることが望ましく、その厚さは一般に0.03μm以上1μm以下であり、0.05μm以上0.5μm以下の範囲にあることが好ましい。
支持体の上に、光熱変換層、感熱剥離層、画像形成層がこの順に積層された構成の画像形成材料の場合には、感熱剥離層は、光熱変換層から伝えられる熱により分解、変質し、気体を発生する。そして、この分解もしくは気体発生により、感熱剥離層が一部消失するか、又は感熱剥離層内で凝集破壊が発生し、光熱変換層と画像形成層との間の結合力が低下する。このため、感熱剥離層の挙動によっては、その一部が画像形成層に付着して、最終的に形成される画像の表面に現われ、画像の混色の原因となることがある。従って、そのような感熱剥離層の転写が発生しても、形成された画像に目視的な混色が現われないように、感熱剥離層はほとんど着色していないこと、即ち、可視光に対して高い透過性を示すことが望ましい。
具体的には、感熱剥離層の光吸収率が、可視光に対し、50%以下、好ましくは10%以下である。尚、画像形成材料には、独立した感熱剥離層を設ける代わりに、感熱材料を光熱変換層塗布液に添加して光熱変換層を形成し、光熱変換層と感熱剥離層とを兼ねるような構成とすることもできる。
画像形成材料の画像形成層が塗設されている側の最表層の静摩擦係数を0.35以下、好ましくは0.20以下にすることは好ましい。最表層の静摩擦係数を0.35以下とすることで画像形成材料を搬送する際のロール汚れをなくし、形成される画像を高画質化し得る。静摩擦係数の測定法は特願2000−85759号公報の段落0011に記載の方法に従う。
画像形成層表面のスムースター値が23℃、55%RH(相対湿度)で0.5mmHg〜50mmHg(≒0.0665kPa〜6.65kPa)が好ましく、かつ中心線平均粗さRa75が0.05〜0.4μmであることが好ましく、このことにより接触面に受像層と画像形成層とが接触し得ない多数のミクロな空隙を少なくでき、転写、更には画質の点で好ましい。Ra75は、表面粗さ測定機(Surfcom,東京精機(株)製)等を用いてJIS B0601(2013年)に基づき測定することができる。
画像形成層の表面硬さが、耐摩耗性試験機を用い、針先が0.3mmRのサファイヤ針での荷重域測定において10g以上であることが好ましい。
画像形成層は、米国連邦政府試験基準4046により画像形成材料に帯電させた後、画像形成材料を接地後1秒後の画像形成層の帯電電位が−100V〜100Vであることが好ましい。
画像形成層の表面抵抗は、23℃、55%RHで10Ω/sq以下であることが好ましい。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、既述の画像形成材料を被転写体と重ね合わせた積層体を形成する工程、積層体の画像形成材料側から光(好ましくはレーザー光)を像様に照射する工程、及び光(好ましくはレーザー光)を像様に照射した画像形成材料を被転写体から剥離して、被転写体に画像形成層の光照射領域の少なくとも一部を転写させる工程、を含む。
上記画像形成方法により、被転写体に、画像形成層の光(好ましくはレーザー光)照射領域の少なくとも一部が転写されて、被転写体に像様の画像が形成される。形成された画像は、既述の本発明の画像形成材料を用いているため、光特性(輝度、コントラスト)、解像度、及び耐溶剤性に優れる。
[積層体を形成する工程]
画像形成方法は、画像形成材料を被転写体と重ね合わせた積層体を形成する工程を含む。
被転写体は、転写画像の目的に応じて、適宜選択される。例えば、カラープルーフ用の画像を作製する場合には、紙のような基材上に、受像層が形成された受像シートが選択される。上記受像シートの受像層表面を被転写表面として、転写画像が形成される。上記受像シートの好適なものは、光透過性を有する熱可塑性樹脂フイルムであり、例えば特開2002-264535号公報の段落0104〜0125に記載されているフィルムが好ましい。
転写画像がカラーフィルタ層である場合には、被転写体がプラスチックフイルムの表面、特に光透過性を有する熱可塑性樹脂フイルムの表面であることが好ましい。
画像形成材料の画像形成層を被転写体に積層させた積層体は、各種の方法によって形成することができる。例えば、画像形成材料の画像形成層を、被転写体としての所望の部材(前述の受像シート、プラスチックフイルム等)とを重ねて、加圧加熱ローラに通すことによって容易に得ることができる。この場合の加熱温度は160℃以下、もしくは130℃以下が好ましい。
積層体を得る別の方法として、真空密着法も好適に用いられる。真空密着法は、真空引き用のサクション孔が設けられたドラムの上に、受像シート等の所望の部材を被転写体が外側となるように巻き付け、次いで部材よりややサイズの大きな画像形成材料を、スクイズローラーで空気を均一に押し出しながら受像シートに真空密着させる方法である。また別の方法としては、金属ドラムの上に受像シート等の部材を引っ張りつつ機械的に貼り付け、更にその上に画像形成材料を同様に機械的に引っ張りつつ貼り付け、密着させる方法もある。これらの方法の中で、ヒートローラー等の温度制御が不要で、迅速及び均一に積層しやすい点で、真空密着法が特に好ましい。
上記の真空引き用のサクション孔が設けられたドラムに代えて、真空引き用のサクション孔が設けられたフラットベッドを用いて、同様にして積層体を得てもよい。
[光を像様に照射する工程]
画像形成方法は、積層体の画像形成材料側から光(好ましくはレーザー光)を像様に照射する工程を含む。
光を像様に照射する工程でレーザー光を用いる場合、レーザー光は、マルチビーム光であることが好ましく、特にマルチビーム2次元配列であることが好ましい。マルチビーム2次元配列とは、レーザー光照射によって記録する際に、複数個のレーザービームを使用し、これらのレーザービームのスポット配列が、主走査方向に沿って複数列、副走査方向に沿って複数行からなる2次元平面配列をしていることをいう。マルチビーム2次元配列であるレーザー光を使用することにより、レーザー記録に要する時間を短縮することができる。
使用されるレーザー光は特に制限なく使用することができ、アルゴンイオンレーザー光、ヘリウムネオンレーザー光、ヘリウムカドミウムレーザー光等のガスレーザー光、YAGレーザー光等の固体レーザー光、半導体レーザー光、色素レーザー光、エキシマレーザー光等の直接的なレーザー光が利用されることが好ましい。更に、これらのレーザー光を二次高調波素子を通して、半分の波長に変換した光等も用いることができる。
多色画像形成方法においては、出力パワーや変調のし易さ等を考慮すると、半導体レーザー光を用いることが好ましい。多色画像形成方法では、レーザー光は、光熱変換層上でのビーム径が5μm以上50μm以下の範囲、より好ましくは6μm以上30μm以下の範囲となるような条件で照射することが好ましく、走査速度は1m/秒以上(特に3m/秒以上)とすることが好ましい。
[被転写体に画像形成層の光照射領域の少なくとも一部を転写させる工程]
画像形成方法は、光を像様に照射した画像形成材料を被転写体から剥離して、被転写体に画像形成層の光照射領域の少なくとも一部を転写させる工程を含む。
被転写体に画像形成層の光照射領域の少なくとも一部を転写させる工程では、積層体を露光した後、被転写体から画像形成材料が剥離される。被転写体には、画像形成材料の画像形成層における光照射部が転写された画像が形成されている。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
また、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定された値である。具体的には、HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)を用い、カラムとして、TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製、6.0mmID×15cm)を2本用い、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)を用いる。また、測定条件としては、試料濃度を0.5質量%、流速を0.6ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、示差屈折(RI)検出器を用いて行なう。検量線は、東ソー社製「polystyrene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作成した。
−例示化合物A−11の合成−
以下のスキームで合成を行なった。

(中間体1)の合成
フラスコにテトラクロロフタロニトリル26.6g(0.1mol)と、p−ヒドロキシベンゼンベンゼンスルホン酸ナトリウム19.6g(0.1mol)と、N,N−ジメチルホルムアミド250mlと、を投入し、室温で30分攪拌した後、トリエチルアミン11.1g(0.11mol)を加え、60℃で8時間反応させた。反応終了後、25℃まで冷却し、酢酸エチル200ml、イオン交換水200mlを加え、セライト濾過を行なった。得られた濾液にさらにイオン交換水50mlを加え、分液操作により有機層を除去した。
得られた水層を、イオン交換水500ml及び塩化ナトリウム180g中に添加した。析出した結晶を濾過し、15質量%塩化ナトリウム水溶液200ml、酢酸エチル100mlで順次かけ洗いし、50℃送風乾燥することで、中間体1を33.5g(収率:84%)得た。
(中間体2)の合成
100mlのアセトニトリル、20mlのN,N−ジメチルアセトアミドに中間体1を21.3g(50mmol)加えて氷浴下で撹拌し、オキシ塩化リン23.0g(150mmol)を滴下した。滴下終了後、60℃で4時間撹拌した。反応終了後、溶液を5℃まで冷却し、酢酸エチル150mlとイオン交換水150mlを加え、抽出した。得られた有機層に、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液150mlを加え、室温で1時間攪拌した。その後、分液操作により水層を除去した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。
このようにして、中間体2を16.9g(収率:80%)得た。
なお、プロトン核磁気共鳴(H−NMR)(CDCl)の詳細は、δ:8.07〜8.10(d、2H)、7.09〜7.00(m、2H)であった。
また、NMRピークのプロトン比から、中間体2は、下記の中間体2−1及び中間体2−2の混合物であることを確認した(中間体2−1:中間体2−2(モル比)=83:17)。

(中間体3)の合成
60mlのN,N−ジメチルアセトアミドに中間体2を21.1g(50mmol)加え、氷浴下で撹拌し、10℃以下を保つようにN−エチルエタノールアミン8.9g(100mmol)を滴下した。滴下終了後、氷浴下2時間攪拌し、反応液に酢酸エチル100ml、イオン交換水100ml、濃塩酸3mlを加え抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製し、中間体3を19.0g(収率:80%)得た。
なお、H−NMR(CDCl)の詳細は、δ:7.88〜7.84(m、2H)、7.01〜6.93(m、2H)、3.81〜3.78(t、2H)、3.33〜3.28(q、4H)、1.18〜1.15(t、3H)であった。
(中間体4)の合成
60mlのテトラヒドロフランに中間体3を16.9g(36mmol)とピリジン4.2g(53mmol)を加え、氷浴下で攪拌し、10℃以下を保つようにアセチルクロリド3.4g(43mmol)を滴下した。滴下終了後、氷浴下3時間攪拌し、反応液に酢酸エチル100ml、イオン交換水100ml、濃塩酸3mlを加え抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、イオン交換水、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製し、中間体4を17.2g(収率:94%)得た。
なお、H−NMR(CDCl)の詳細は、δ:7.86〜7.82(m、2H)、7.00〜6.92(m、2H)、4.22〜4.19(t、2H)、3.42〜3.39(t、2H)、3.31〜3.26(q、2H)、2.08(s、3H)、1.18〜1.14(t、3H)であった。
(中間体5)の合成
中間体4を8.5g(16.5mmol)と、テトラクロロフタロニトリルを1.1g(4.1mmol)と、ベンゾニトリル9.6mlと、を加え、135℃で1時間攪拌した。その後、ヨウ化亜鉛1.9g(6.0mmol)を添加し、135℃で48時間攪拌した。反応終了後、60℃以下まで冷却した反応液にメタノール100mlを加えて攪拌した。析出した結晶を濾過し、得られた結晶をメタノール200ml中に添加し、室温で1時間攪拌した。その後、濾過し、50℃で送風乾燥することで、中間体5を9.2g (収率:93%)得た。
中間体5の生成は、MALDI−TOF−MASS(装置:Voyager DE STR(AB Sciex社製)、サンプル:マトリックス=1:20)により確認した。
MALDI−TOF−MASS(nega)の結果を図1に示す。
MALDI−TOF−MASS(nega)の結果から、得られた中間体5は、フェノキシ置換基がフタロシアニン中に1〜4個導入されたフタロシアニンの混合物であることを確認した。
(例示化合物A−11)の合成
4g(2.1mmol)の中間体5に、テトラヒドロフラン40ml、メタノール40ml、炭酸カリウム1.7g(12.4mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。その後、反応液にイオン交換水300mlを加え、析出した結晶を濾過し、50℃で送風乾燥した。
得られた固体を、テトラヒドロフラン30mlに溶解させ、氷浴下攪拌し、トリエチルアミン3.2g(31.5mmol)、ニトロベンゼン1滴を加えた。その後、内温を5℃以下に保つように、氷浴下、アクリロイルクロリド2.9g(31.5mmol)を滴下し、その後3時間攪拌した。
反応終了後、反応液に酢酸エチル60ml、イオン交換水60mlを加え抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製し、得られた固体をメタノールで洗浄、濾過し、室温下乾燥させることで、例示化合物A−11を2.5g(収率:61%)得た。
例示化合物A−11の生成は、MALDI−TOF−MASS(装置:Voyager DE STR(AB Sciex)、サンプル:マトリックス=1:20)により確認した。
MALDI−TOF−MASS(nega)の結果を図2に示す。
MALDI−TOF−MASS(nega)の結果から、得られた例示化合物A−11は、フェノキシ置換基がフタロシアニン中に1〜4個導入されたフタロシアニンの混合物であることを確認した。
また、分光光度計UV−1800PC(株式会社島津製作所製)を用いて、例示化合物A−11の酢酸エチル溶液及びクロロホルム溶液スペクトルを測定した。測定スペクトルを図3に示す。
(実施例1)
1.光熱変換層の作製
(1)光熱変換層形成用塗布液の調製
下記の各成分をスターラーで攪拌しながら混合して光熱変換層形成用塗布液を調製した。
[塗布液組成]
・赤外線吸収色素(NK−2014、日本感光色素(株)製): 10部
・バインダー(リカコートSN−20F、新日本理化(株)製): 200部
・N−メチル−2−ピロリドン: 2000部
・界面活性剤(メガファック(登録商標)F−177、DIC(株)製): 1部
(2)支持体表面への光熱変換層の形成
厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フイルム表面上に、上記の塗布液を、回転塗布機(ホワイラー)を用いて塗布した後、塗布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥して、PETフイルム表面上に光熱変換層を形成した。
得られた光熱変換層は、波長700nm以上1000nm以下の範囲では830nm付近に吸収極大があり、その吸光度(光学密度:OD)をマクベス濃度計で測定したところ、OD=1.0であった。光熱変換層の膜厚は、走査型電子顕微鏡により、光熱変換層の断面を観察したところ、測定点10点を平均した平均値で0.3μmであった。
2.画像形成層の作製
(1)画像形成層形成用塗布液1の調製
次に、下記の各成分をスターラーで攪拌しながら混合して、画像形成層形成用塗布液1を調製した。
・例示化合物A−11(一般式(1)で表される化合物、着色剤): 30.0部
・樹脂(メタクリル酸/ベンジルメタクリレート=28/72モル比のランダム共重合体、重量平均分子量=38000): 44.9部
・エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬(株)製): 25.0部
・界面活性剤(メガファック(登録商標)F−780F、DIC(株)製):
0.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート: 540.0部
・メチルエチルケトン: 360.0部
(2)光熱変換層表面への画像形成層の形成
光熱変換層の表面に、画像形成層形成用塗布液1を塗布した後、塗布物を120℃のオーブン中で2分間乾燥して、光熱変換層の上に画像形成層を形成した。
得られた画像形成層の吸光度(光学密度:OD)をマクベス濃度計TD504(B)で測定したところ、OD=0.6であった。画像形成層の膜厚を同様にして測定したところ、平均で0.7μmであった。
以上の工程により、支持体の上に、光熱変換層、及び画像形成層がこの順に設けられた実施例1の画像形成材料を作製した。
3.転写画像の形成
直径1mmの真空吸着用のサクション孔(3cm×3cmのエリアに1個の面密度)が設けられた直径25cmの回転ドラムに、厚み100μmの2軸延伸PETフイルム、25cm×35cm)を巻き付け、吸着させた。次いで30cm×40cmの画像形成材料1を、画像形成層がPETフイルムの表面と接するように、且つPETフイルムの外周から均等にはみ出すように重ね、スクイズローラーでスクイーズさせつつ、サクション孔に空気が吸われるようにして画像形成材料1とPETフイルムとを密着、積層させた。サクション孔が塞がれた状態での減圧度は1気圧に対して−150mmHg(≒81.13kPa)であった。
ついで、上記のドラムを回転させ、ドラム上の積層体の表面に外側から波長830nmの半導体レーザー光を、光熱変換層の表面で7μmのスポットとなるように集光し、回転ドラムの回転方向(主走査方向)に対して直角方向に移動させながら(副走査)、積層体へのレーザー画像記録を行った。
レーザー記録は、図4(画素の解像度、耐溶剤性の評価用)及び、図5(輝度、コントラストの評価用)に示す画像をレーザー光により像様に画像形成材料側から照射することで行った。レーザー光の照射条件は以下のとおりである。
・レーザーパワー:110mW
・主走査速度:4m/秒
・副走査ピッチ(1回転当たりの副走査量):6.35μm
・温度、湿度:25℃、50%RH
上記のレーザー画像記録を行った積層体をドラムから取り外し、PETフイルムの表面から、画像形成材料を手で引きはがしたところ、画像形成層のレーザー光照射部のみがPETフイルムの表面に転写されているのが確認された。
作製された各画像形成材料について、下記の評価を行い、結果を後述の表1に示した。
−評価−
(光特性)
〈輝度〉
上記で得た「輝度、コントラストの評価用サンプル(図5)」の透過スペクトルを、測光システム(大塚電子(株)製MCPD−3700)を用いて測定した。得られた透過スペクトルより、CIE1931表色系における色度(C光源)を求めた。
なお、表1中の輝度の数値は、比較例1のY値を100にした場合の比である。
〈コントラスト〉
上記で得た「転写前画像形成層評価用サンプル」について、2枚の偏光板(日東電工(株)製)に挟み、トプコン製色彩輝度計BM−7を用いて、2枚の偏光板のパラ位とクロス位で輝度を測定し、パラ値をクロス値で除した値をコントラストとして算出した。
なお、表1中のコントラストの数値は、比較例1のコントラスト値を100にした場合の比である。
(直線性の評価)
図4に示す画像パターンについて、画素を光学顕微鏡(200倍)によって観察し、エッジラインの直線性(解像度)を目視し、下記基準で評価した。なお、A〜Cが、実用上問題のない範囲である。
評価基準:
A:エッジラインが真直ぐである。
B:エッジラインに、数か所、波状の凹凸が見られたが、それ以外はほとんど真直ぐである。
C:エッジラインに2μm程度の振幅の波状の凹凸が見られた。
D:エッジラインに5μm以上の振幅の波状の凹凸が見られた。
(耐溶剤性の評価)
図4に示す画像パターンについて、145℃で30分間の熱処理を実施したのち、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルとメチルメトキシプロピオネートとを混合した混合溶剤を塗布した後、混合溶剤を除去し、混合溶剤を塗布する前の吸収スペクトルの吸光度に対する、塗布後の吸収スペクトルの吸光度の割合をピーク残存率として求めた。そして、混合溶剤を塗布した後のピーク残存率を以下の評価基準にしたがって評価した。なお、A〜Bが、実用上問題のない範囲である。
<評価基準>
A:ピーク残存率が95%以上である。
B:ピーク残存率が90%以上95%未満である。
C:ピーク残存率が70%以上90%未満である。
D:ピーク残存率が70%未満である。
(実施例2〜4、10〜12)
実施例1における例示化合物A−11を、一般式(1)で表される化合物の例示化合物A-38、A-52、A-70、A−14、A−75、又はA−64に変更した以外は実施例1と同様にして画像形成材料を作製した。
(実施例5)
実施例1における例示化合物A−11 30.0部を、例示化合物A-11を27.0部、及び下記構造の染料化合物Y−1(黄色の染料化合物)を3.0部に変更した以外は実施例1と同様にして画像形成材料を作製した。

上記構造の染料化合物(Y−1)は、下記の合成スキームに準じて合成した。

−中間体A−1の合成−
化合物A(欧州特許出願公開第0571959号明細書に記載の方法にて合成)を用意し、合成スキームにしたがって、まず化合物A100部、γ−ピコリン55部、テトラヒドロフラン300部、及び酢酸エチル600部の混合溶液を5℃まで冷却し、これにp−スチレンスルホニルクロリド114部を反応温度20℃以下で滴下した。反応液を室温で3時間攪拌した後、析出物をろ過し、アセトニトリルで洗浄することにより、150部の中間体A−1を得た(収率:91%)。
得られた中間体A−1について、NMRにより構造確認を行なったところ、H−NMR(400MHz、CDCl)δ1.3(s,9H),5.4(d,1H),5.6(s,1H),6.0(d,1H),6.8(q,1H),7.2(d,2H),7.6(d,2H),7.8(t,4H),10.8(s,1H),12.9(s,1H)であった。
(比較例1)
[緑顔料分散組成物G-1の調製方法]
<色材組成物の調製>
市販のC.I.ピグメント・グリーン36(C.I.P.G.36) 100部、塩化ナトリウム400部、及び水溶性有機溶剤ジエチレングリコール140部を卓上型ニーダー((株)入江商会製)に仕込み、10時間混練した。次にこの混練物を、ディゾルバー((株)日本精機製作所製)で水と撹拌、混合した後、ろ過、水洗をくりかえして塩化ナトリウム及び溶剤を除き、色材の水ケーキを得た。その後、この水ケーキを80℃のオーブンで6時間乾燥させ、C.I.ピグメント・グリーン36の色材組成物を得た。
<粗分散>
上記色材組成物を用いて、下記の組成で調合後、混合物をアイガーミル(アイガー・ジャパン(株)製)と直径0.8mmのジルコニアビーズとを用いて分散した。
・色材組成物: 100部
・分散助剤(SOLSPERSE 5000、日本ルーブリゾール(株)製):
10部
・分散剤 (SOLSPERSE 24000、日本ルーブリゾール(株)製):
40部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート: 150部
<精密分散>
上記粗分散後の分散物を取り出し、分散物300部に対してプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75部を加え、混合した。その後、アイガーミル(アイガー・ジャパン(株)製)と直径0.1mmのジルコニアビーズを用いて分散した。
<濃度調整>
精密分散後の分散物を取り出し、顔料濃度が20質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて希釈し、緑顔料分散組成物G-1とした。緑顔料分散組成物G-1中のC.I.ピグメント・グリーン36の数平均粒径は、60nmであった。
[画像形成層形成用塗布液2の調製]
次に、下記の各成分をスターラーで攪拌しながら混合して、画像形成層形成用塗布液2を調製した。
・緑顔料分散組成物G-1: 225.0部
・樹脂(メタクリル酸/ベンジルメタクリレート=28/72モル比のランダム共重合体、重量平均分子量=38000): 29.9部
・エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬(株)製): 25.0部
・界面活性剤(メガファック(登録商標)F−780F、DIC(株)製):
0.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート: 423.0部
・メチルエチルケトン: 282.0部
(比較例2)
実施例1において、例示化合物A-11を化合物B−1(下記に示す構造)に変更した以外は実施例1と同様にして画像形成材料を作製した。
化合物B−1の構造:フタロシアニン誘導体[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO}x,{β−(4−COOCOCH)CO}3.8−x0.8Cl11.4](0≦x<3.8)
なお、Pcはフタロシアニン骨格を表す。
(実施例6)
実施例1における例示化合物A−11 30.0部を、例示化合物A-11を27.0部、及びC.I.ピグメント・イエロー138(C.I.P.Y.138)(黄色の顔料)を3.0部に変更した以外は実施例1と同様にして画像形成材料を作製した。なお、C.I.ピグメント・イエロー138は、下記の黄色顔料分散組成物Y−2を調製して用いた。
[黄色顔料分散組成物Y-2の調製方法]
<色材組成物の調製>
市販のC.I.ピグメント・イエロー138 100部、塩化ナトリウム400部、及び水溶性有機溶剤ジエチレングリコール140部を卓上型ニーダー((株)入江商会製)に仕込み、10時間混練した。次にこの混練物を、ディゾルバー((株)日本精機製作所製)で水と撹拌、混合した後、ろ過、水洗をくりかえして塩化ナトリウム及び溶剤を除き、色材の水ケーキを得た。その後、この水ケーキを80℃のオーブンで6時間乾燥させ、C.I.ピグメント・イエロー138の色材組成物を得た。
<粗分散>
上記色材組成物を用いて、下記の組成で調合後、混合物をアイガーミル(アイガー・ジャパン(株)製)と直径0.8mmのジルコニアビーズとを用いて分散した。
・色材組成物(顔料固形分100質量%): 100部
・分散助剤(SOLSPERSE 22000、日本ルーブリゾール(株)製):
10部
・分散剤(SOLSPERSE 24000、日本ルーブリゾール(株)製):
40部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート: 150部
<精密分散>
上記粗分散後の分散物を取り出し、分散物300部に対してプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75部を加え、混合した。その後、アイガーミル(アイガー・ジャパン(株)製)と直径0.1mmのジルコニアビーズを用いて分散した。
<濃度調整>
精密分散後の分散物を取り出し、顔料濃度が20質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて希釈し、緑顔料分散組成物G-1とした。緑顔料分散組成物G-1中のC.I.ピグメント・イエロー138の数平均粒径は、65nmであった。
(実施例7〜実施例9、実施例13〜実施例15、比較例3)
実施例1において、画像形成層形成用塗布液1の組成を、表1に示す組成及び量に変更した以外は実施例1と同様にして画像形成材料を作製した。

表1中の記載について説明する。
ロジン樹脂 : KE311(荒川化学工業(株)製)
アクリル樹脂A : アクリル酸/スチレン=37/63モル比のランダム共重合体、重量平均分子量=8000
アクリル樹脂B : メタクリル酸/ベンジルメタクリレート=28/72モル比のランダム共重合体、重量平均分子量=5000
表1の結果より、実施例の画像形成材料は、光特性が良く、耐溶剤性に優れ、かつ解像度にも優れていることが分かる。特に、重量平均分子量が10000以下のアクリル樹脂又はロジン樹脂を含む実施例7〜実施例9、実施例15は、画像の解像度がより優れていた。
また、一般式(1)で表される化合物に加え、顔料を含む実施例6は、画像の解像度がより優れていた。
本発明に係る画像形成材料は、デジタル画像信号からレーザー記録により、印刷分野におけるカラープルーフ(DDCP:ダイレクト・ディジタル・カラープルーフ)、あるいはマスク画像を作製するのに有用な多色画像形成材料、及びカラーフィルタ形成材料として利用可能である。

Claims (12)

  1. 支持体と、
    光熱変換層と、
    下記一般式(1)で表される化合物、樹脂、並びに少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー及び少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有するオリゴマーの少なくとも一方を含有する画像形成層と、
    を有する画像形成材料。


    一般式(1)中、Xは、ハロゲン原子を表し、Mは、非金属原子、金属原子、金属酸化物又は金属ハロゲン化物を表す。Rは、下記一般式(2)で表される基を表し、Rは水素原子又は1価の置換基を表す。複数のnは、それぞれ独立に0〜4の整数を表し、複数のmは、それぞれ独立に0〜4の整数を表し、複数のrは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。但し、複数のnの少なくとも1つは1以上の整数であり、複数のmの少なくとも1つは1以上の整数である。nとmとrとの総和は16である。


    一般式(2)中、R及びRは、それぞれ独立に、1価の置換基を表し、R及びRの少なくとも1つは下記一般式(3)又は一般式(4)で表される基を表す。*は、一般式(1)におけるフタロシアニン環と結合する部位を表す。


    一般式(3)及び(4)中、L及びLは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表し、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。*は、一般式(2)中の窒素原子と結合する部位を表す。
  2. 一般式(1)において、Xが塩素原子又はフッ素原子である請求項1に記載の画像形成材料。
  3. 一般式(1)において、Mが銅原子又は亜鉛原子である請求項1又は請求項2に記載の画像形成材料。
  4. 一般式(2)において、R及びRの少なくとも1つは、一般式(3)で表される基である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成材料。
  5. 一般式(3)において、Lが炭素数2〜9のアルキレンオキシカルボニル基であり、Rが水素原子又はメチル基であり、R及びRが水素原子である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成材料。
  6. 一般式(1)において、nの合計が1〜8であり、mの合計が6以上である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成材料。
  7. 画像形成層が、更に、顔料を含有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成材料。
  8. 画像形成層が、更に、重量平均分子量10000以下のアクリル樹脂を含む請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成材料。
  9. 画像形成層が、更に、ロジン樹脂を含む請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成材料。
  10. カラーフィルタの作製に用いられる請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の画像形成材料。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の画像形成材料を被転写体と重ね合わせて積層体を形成する工程、積層体の画像形成材料側から光を像様に照射する工程、及び光を像様に照射した画像形成材料を被転写体から剥離して、被転写体に画像形成層の光照射領域の少なくとも一部を転写させる工程、を含む画像形成方法。
  12. 被転写体が、光透過性を有する熱可塑性樹脂フイルムである請求項11に記載の画像形成方法。
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