JP6230786B2 - 鉄筋画像生成方法と装置、鉄筋腐食性状診断方法と装置、鉄筋画像生成用のプログラム及び当該プログラムを記録する記録媒体 - Google Patents

鉄筋画像生成方法と装置、鉄筋腐食性状診断方法と装置、鉄筋画像生成用のプログラム及び当該プログラムを記録する記録媒体 Download PDF

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Description

本発明はコンクリートに埋め込まれた鉄筋の画像を生成する技術に関し、特にコンクリートの熱画像において鉄筋を顕在化させるために鉄筋を熱した際に鉄筋に発生する加熱むらを熱画像から除去する技術に関する。また加熱むらを除去した画像を用いて鉄筋の腐食性状を診断する技術に関する。
橋梁やビルディング等のコンクリート構造物にはコンクリート内部に強度を補完する鉄筋や鉄骨が埋め込まれている。こうした構造を鉄筋コンクリート構造(RC構造)及び鉄筋鉄骨コンクリート構造(SRC構造)という。本願では、RC構造及びSRC構造の構造物を「コンクリート構造物」と総称する。
コンクリート構造物は経年劣化だけでなく早期劣化することがある。早期劣化の原因の一つはコンクリート内における鉄筋の腐食である。鉄筋の腐食はコンクリート構造物に様々な損傷を引き起こす。そこで鉄筋の腐食に起因するコンクリート構造物の損傷を未然に防ぐために、早期に鉄筋の腐食を診断する技術が研究されている。その一つとして、コンクリート構造物を赤外線カメラで撮影してコンクリート表面の温度分布を示す熱画像を解析し、鉄筋の腐食性状を診断する技術(腐食領域の判定や腐食率の推測など)がある。
鉄筋が蓄熱すると、周囲のコンクリートに熱を放出する。放出された熱はかぶりに拡散してコンクリート表面に伝播する。するとコンクリート表面のうち鉄筋の真上が周囲と比較して高温になるので、熱画像で鉄筋が顕在化することになる。しかし熱画像において、鉄筋の腐食領域の表示は非腐食領域の表示と比較して低温を示す。これは次の理由による。鉄筋が腐食すると腐食箇所を覆うように腐食生成物が発生する。腐食生成物は断熱性を有しており、鉄筋が周囲に放出する熱を遮断する。このため鉄筋が均一に蓄熱していても、非腐食領域と腐食領域とでは外部への放熱量に差がでる。この差が熱画像の温度差として現れるのである。こうした現象を利用することで鉄筋の腐食性状診断が可能になる。
コンクリート構造物に蓄熱させる手段としては、日射等の自然環境に任せるパッシブ法と、ヒータ等の強制的な加熱手段を用いてコンクリート表面を熱するアクティブ法がある。しかしコンクリートに埋め込まれた鉄筋に効率よく蓄熱させるには、鉄筋に直接熱を加える方法が有効である。こうした方法を利用した技術としては、例えば下記特許文献1〜3が開示されている。特許文献1は、かぶりの一部をはつることで鉄筋を露出し、露出した鉄筋に直接電流を流すことによって鉄筋に熱を発生させ、熱画像を撮影する技術を開示している。また特許文献2、3は、誘導コイルを使った所謂IH(Induction Heating:誘導加熱)を利用して鉄筋に渦電流を生じさせることによって鉄筋に熱を発生させ、熱画像を撮影する技術を開示している。
特許第3834749号公報 特許第4423642号公報 特開2006−337231号公報
鉄筋を熱して精度の高い鉄筋腐食性状診断を行うためには鉄筋を一様に熱する必要がある。しかしながら特許文献1〜3に代表される従来の技術では加熱後の鉄筋に温度のむらが発生することがある。この温度のむらを加熱むらと称する。その原因は次のように考えられる。
コンクリート構造物の鉄筋には、鉄筋同士の継手箇所や、鉄筋同士の交差箇所や、主筋、配力筋、せん断補強筋の結束箇所など、電気回路の観点からすると高抵抗となる箇所がある。こうした箇所は通電時に高温になりやすい。また特許文献2、3で示される誘導加熱は渦電流に加えて鉄筋の格子形成箇所にその格子を周回する電流を発生させる。この電流をループ電流という。このループ電流は鉄筋の一様な加熱を妨げる。
加熱むらを有する鉄筋の熱画像からは、発生している温度性状が加熱むらが原因なのか、それとも腐食生成物が原因なのか、を判断し難い。このため加熱むらを有する鉄筋の熱画像で鉄筋の腐食性状を診断したとしても、そうした診断自体の精度は低い。したがって鉄筋腐食性状診断の精度を向上させるために、加熱むらを除去することが望まれている。
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、コンクリートの熱画像で鉄筋を顕在化させるために鉄筋を熱した際に発生する鉄筋の加熱むらを熱画像から除去し、鉄筋腐食性状診断の精度を向上させることを目的とするものである。
上記目的を達成するために、第1の発明は、
コンクリートの熱画像を用いてコンクリートに埋め込まれた鉄筋の画像を生成する鉄筋画像生成方法において、
鉄筋に熱を加える鉄筋加熱工程と、
前記鉄筋加熱工程後にコンクリートの第一熱画像を撮影し、第一熱画像撮影後に前記コンクリートの第二熱画像を撮影する撮影工程と、
前記第一熱画像と前記第二熱画像の同一部分間の温度情報の差を検出し、検出した各差を新たな画像の対応する部分に反映することによって、鉄筋の加熱むらが除去された加熱むら除去画像を生成する加熱むら除去工程と、を含む
ことを特徴とする。
更なる発明は、第1発明において、
前記加熱むら除去工程は、
前記第一熱画像と前記第二熱画像の各画素の温度値を輝度値に変換する変換工程と、
前記第一熱画像と前記第二熱画像の同一画素間の輝度値の差を検出する差検出工程と、
検出した各差を新たな画像の対応する画素に反映することによって、鉄筋の加熱むらが除去された加熱むら除去画像を生成する画像生成工程と、を含む。
更なる発明は、第1発明において、
前記加熱むら除去画像をノイズ除去フィルタを用いてフィルタ処理することによって当該加熱むら除去画像からノイズが除去されたノイズ除去画像を生成するノイズ除去工程を含む。
更なる発明は、第1発明において、
前記加熱むら除去画像又は前記ノイズ除去画像の各画素の輝度値を温度値に再変換する再変換工程を含む。
更なる発明は、第1発明において、
前記鉄筋加熱工程では誘導加熱によって鉄筋に熱を加える。
更なる発明は、鉄筋腐食性状診断方法において、
第1発明の鉄筋画像生成方法を用いて加熱むら除去画像又はノイズ除去画像を生成し、
当該加熱むら除去画像又はノイズ除去画像から得られる情報に基づいて鉄筋の腐食率を推測する腐食率推測工程を含む
ことを特徴とする。
更なる発明は、第1発明の鉄筋腐食性状診断方法において、
前記腐食率推測工程の前に、コンクリート表面と鉄筋との間に空洞が有るか無いかを検知する空洞検知工程を行い、
前記空洞検知工程で空洞が検知されない場合は、前記腐食率推測工程において、前記加熱むら除去画像又はノイズ除去画像から得られる情報に基づいて、コンクリートの熱物性値を用いて鉄筋の腐食率を推測し、
前記空洞検知工程で空洞が検知された場合は、前記腐食率推測工程において、前記加熱むら除去画像又はノイズ除去画像から得られる情報に基づいて、コンクリートの熱物性値と空洞の熱物性値を統合した新たな熱物性値を用いて鉄筋の腐食率を推測する。
第2の発明は、
コンクリートの熱画像を用いてコンクリートに埋め込まれた鉄筋の画像を生成する鉄筋画像生成装置において、
鉄筋に熱を加える鉄筋加熱部と、
鉄筋加熱後にコンクリートの第一熱画像を撮影し、また、第一熱画像撮影後に前記コンクリートの第二熱画像を撮影する赤外線カメラと、
前記第一熱画像と前記第二熱画像の同一部分間の温度情報の差を検出し、検出した各差を新たな画像の対応する部分に反映することによって、鉄筋の加熱むらを除去した加熱むら除去画像を生成する加熱むら除去部と、を備えた
ことを特徴とする。
更なる発明は、第2発明において、
前記加熱むら除去部は、
前記第一熱画像と前記第二熱画像の各画素の温度値を輝度値に変換し、
前記第一熱画像と前記第二熱画像の同一画素間の輝度値の差を検出し、
検出した各差を新たな画像の対応する画素に反映することによって、鉄筋の加熱むらが除去された加熱むら除去画像を生成する。
更なる発明は、第2発明において、
前記加熱むら除去画像をノイズ除去フィルタを用いてフィルタ処理することによって当該加熱むら除去画像からノイズが除去されたノイズ除去画像を生成するノイズ除去部を備える。
更なる発明は、第2発明において、
前記加熱むら除去画像又は前記ノイズ除去画像の各画素の輝度値を温度値に再変換する再変換部を含む。
更なる発明は、第2発明において、
前記鉄筋加熱部は、誘導加熱によって鉄筋に熱を加える誘導コイルを備える。
更なる発明は、鉄筋腐食性状診断装置において、
第2発明の鉄筋画像生成装置を用いて加熱むら除去画像又はノイズ除去画像を生成し、
当該加熱むら除去画像又はノイズ除去画像から得られる情報に基づいて鉄筋の腐食率を推測する腐食率推測部を備えた
ことを特徴とする。
更なる発明は、第2発明の鉄筋腐食性状診断装置において、
前記腐食率推測部は、
コンクリート表面と鉄筋との間に空洞が無い場合に、前記加熱むら除去画像又はノイズ除去画像から得られる情報に基づいて、コンクリートの熱物性値を用いて鉄筋の腐食率を推測し、
コンクリート表面と鉄筋との間に空洞が有る場合に、前記加熱むら除去画像又はノイズ除去画像から得られる情報に基づいて、コンクリートの熱物性値と空洞の熱物性値を統合した新たな熱物性値を用いて鉄筋の腐食率を推測する。
第3発明は、
コンクリートに埋め込まれた鉄筋の画像をコンピュータに生成させるプログラムにおいて、
鉄筋加熱後に撮影されたコンクリートの第一熱画像と、第一熱画像撮影後に撮影された前記コンクリートの第二熱画像と、の同一部分間の温度情報の差を検出し、検出した各差を新たな画像の対応する部分に反映することによって、鉄筋の加熱むらが除去された加熱むら除去画像を生成する処理、をコンピュータに実行させる。
第4発明は、
コンクリートに埋め込まれた鉄筋の画像をコンピュータに生成させるプログラムを記録するコンピュータで読み取り可能な記録媒体において、
鉄筋加熱後に撮影されたコンクリートの第一熱画像と、第一熱画像撮影後に撮影された前記コンクリートの第二熱画像と、の同一部分間の温度情報の差を検出し、検出した各差を新たな画像の対応する部分に反映することによって、鉄筋の加熱むらが除去された加熱むら除去画像を生成する処理、をコンピュータに実行させるプログラムを記録する。
本発明によれば、鉄筋の加熱むらが除去された画像を生成できる。この画像では、鉄筋の腐食領域と非腐食領域が区別される。この画像を用いれば、高精度の鉄筋腐食性状診断を行うことができる。
またノイズを除去することで画像の精度が向上するため、更に高精度の鉄筋腐食性状診断を行うことができる。
またコンクリート表面と鉄筋との間に空洞が有る場合と無い場合で腐食率の推測方法を変えることで、より信頼性の高い鉄筋腐食性状診断を行うことができる。
実施例1に係る鉄筋画像生成装置の構成を示す。 実施例1に係る画像処理部の機能ブロックを示す。 実施例1に係る鉄筋画像生成の処理手順を示す。 実施例1に係る加熱むら除去のための画像処理の処理手順を示す。 試験体の第一熱画像を示す。 試験体のノイズ除去画像を示す。 実施例2に係る画像処理部の機能ブロックを示す。 実施例2に係る鉄筋腐食性状診断(鉄筋の腐食率推測)の処理手順を示す。 熱拡散経路内のコンクリートの断面積Sconの定義を示す。 図5、図6の画像から求めた腐食鉄筋の腐食率の分布を示す。 実施例3に係る鉄筋腐食性状診断(鉄筋の腐食率推測)の処理手順を示す。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
通常の熱画像に写る鉄筋の像には加熱むらが含まれている可能性があり、このため通常の熱画像からは鉄筋の腐食生成物に係る温度性状を判断しづらい。そこで本実施例では、時間差を置いて撮影した二つの熱画像に含まれる温度情報の差をとることによって、加熱むらを除去した新たな画像(加熱むら除去画像又はノイズ除去画像)を生成する処理を行う。以下でその装置構成及び処理手順を説明する。
[1−1.鉄筋画像生成装置の構成]
図1は実施例1に係る鉄筋画像生成装置の構成を示す。図1を用いて本実施例の装置構成を説明する。
鉄筋画像生成装置10は、コンクリート構造物1に埋め込まれた鉄筋3を熱する鉄筋加熱部20と、コンクリート構造物1の表面を撮影して熱画像データを生成する赤外線カメラ30と、赤外線カメラ30で生成された熱画像データを用いて鉄筋が顕在化した画像を生成する画像処理部40と、画像処理部40で生成された画像を表示する画像表示部50を有する。
鉄筋加熱部20は、インバータ202と誘導コイル204と冷却水循環器206を有する。
インバータ202は設定により鉄筋3の誘導加熱に適した高周波電流を発生させる。
誘導コイル204は同心に巻回された導体からなり、その両端はケーブルを介してインバータ202の端子に接続される。インバータ202で生じた高周波電流が誘導コイル204に流れるとその高周波電流に応じた誘導電流が鉄筋3に生じる。誘導コイル204の形態としては、導体が同一平面内で徐々に拡径(又は縮径)する渦巻状に巻回され、更にその渦巻が矩形を呈することが望ましい。本発明者らの実験によれば、矩形の誘導コイルは円形の誘導コイルよりも加熱むらを少なくすることが判明している。また誘導コイル204を、矩形を呈する面とコンクリート表面とが平行になるように且つ矩形の長手方向と鉄筋3の軸方向とが平行になるように配置することが望ましい。
誘導コイル204には導体に沿って配管が設けられる。配管の両端はそれぞれ外部の管路を介して冷却水循環器206の吐出口及び吸込口に接続される。冷却水は、誘導コイル204で吸熱し冷却水循環器206で放熱するように、冷却循環器206と誘導コイル204を循環する。冷却水によって誘導コイル204の高温化は抑制される。
なお本実施例の鉄筋加熱部20は誘導加熱を利用するが、誘導加熱を利用しない鉄筋加熱手段、例えば従来のようにかぶりをはつりとって鉄筋を露出させ、露出した鉄筋に直接電流を供給する手段を用いることも可能である。しかしこうした手段と比較して、鉄筋加熱部20はコンクリートをはつりとる作業が不要であり作業が容易といった利点がある。
赤外線カメラ30は、コンクリート構造物1の表面から放出される赤外線帯域のエネルギーを赤外線検出素子で検出し、検出したエネルギーを温度に変換し、変換後の温度の分布を画像化するための熱画像データを生成する。赤外線検出素子としては、例えばInSb、QWIP、μ−ボロメータなどの中赤外線を検出する素子が用いられる。赤外線カメラ30は生成した熱画像データを熱画像信号S1にして画像処理部40に直接出力するか、又は記憶媒体32に保存する。
本実施例では、第一の時機に撮影される第一熱画像と、第一の時機から所定時間経過した第二の時機に撮影される第二熱画像と、が必要である。そこで、第一熱画像を撮影する赤外線カメラ30と第二熱画像を撮影する赤外線カメラ30をそれぞれ用意してもよいし、第一熱画像及び第二熱画像を撮影する赤外線カメラ30を一つ用意してもよい。
コンクリート構造物1の撮影を広範囲にわたって行う場合は、鉄筋加熱部20と赤外線カメラ30を所定間隔を置いて略一直線上に配置したユニットにし、第一熱画像撮影時には、鉄筋加熱部20、赤外線カメラ30の順になるように、ユニットを前記一直線に沿って所定速度で移動させて撮影をすると効率的である。
画像処理部40は、赤外線カメラ30で生成された熱画像データを赤外線カメラ30から直接又は記録媒体32を介して取得し、その熱画像データを処理して新たな画像(加熱むら除去画像、ノイズ除去画像)を生成し、その画像データを画像表示部50に出力する。画像表示部50は、画像処理部40で生成された各種画像を画面や印刷物にて表示する。
図2は実施例1に係る画像処理部の機能ブロックを示す。
画像処理部40は、赤外線カメラ30で撮影された第一熱画像と第二熱画像の同一部分間(本実施例では同一画素間)の温度情報の差を検出し、検出した各差を新たな画像の対応する部分に反映することによって、鉄筋の加熱むらが除去された加熱むら除去画像を生成する加熱むら除去部402と、加熱むら除去画像をメディアンフィルタ(Median filter)やミーンフィルタ(Means filter)等のノイズ除去フィルタを用いてフィルタ処理することによって加熱むら除去画像からノイズが除去されたノイズ除去画像を生成するノイズ除去部404と、加熱むら除去画像やノイズ除去画像の表示形式(本実施例では輝度表示)を原画像(第一、第二熱画像)の表示形式(本実施例では温度表示)に再変換する再変換部406と、加熱むら除去部402やノイズ除去部404や画像再変換部406の処理をハードウェアに実行させるソフトウェア(プログラムを含む)を記憶する記憶部408と、を有する。各部402、404、406の処理については下記[1−2.鉄筋画像生成装置の処理]で詳述する。
なお一例として、画像処理部40はコンピュータで実現可能である。その場合は、加熱むら除去部402とノイズ除去部404と再変換部406の機能を中央処理装置(CPU)が担い、記憶部408の機能を補助記憶装置が担う。その場合、加熱むら除去部402やノイズ除去部404や画像再変換部406の処理を行うための各プログラムを外部の記録媒体から記憶部408にインストールするようにしてもよい。
[1−2.鉄筋画像生成の処理]
図3は実施例1に係る鉄筋画像生成の処理手順を示す。図3を用いて本実施例の処理手順を説明する。
先ず鉄筋加熱工程を行う(ステップS301)。誘導コイル204の渦巻を含む面とコンクリート構造物1の表面とが対向するように誘導コイル204を配置した後、インバータ202を作動させて誘導コイル204に所定時間通電する。同時に冷却水循環器206を作動させて誘導コイル204の配管に冷却水を供給する。このように鉄筋加熱部20を用いてコンクリート構造物1の鉄筋3を誘導加熱する。
鉄筋3が十分蓄熱したら第一熱画像の撮影工程を行う(ステップS302)。鉄筋3の蓄熱に必要な時間を予め定めておき、インバータ202を作動させてからその時間が経過したら、鉄筋加熱位置から誘導コイル204を移動させ、赤外線カメラ30でコンクリート構造物1の鉄筋加熱位置表面における温度情報を含む第一熱画像を撮影する。
第一熱画像を撮影してから所定時間経過したら第二熱画像の撮影工程を行う(ステップS303)。後述の加熱むらを除去する処理を効果的に行うためには第一熱画像の撮影時機と第二熱画像の撮影時機との間にある程度の時間を置く必要がある。その時間を所定時間として予め定めておく。そして第一熱画像を撮影してからその所定時間が経過したら、赤外線カメラ30でコンクリート構造物1の鉄筋加熱位置表面における温度情報を含む第二熱画像を撮影する。
第一、第二熱画像を撮影したら加熱むら除去工程を行う(ステップS304)。画像処理部40の加熱むら除去部402は、赤外線カメラ30から直接又は記録媒体32を介して第一、第二熱画像の熱画像データを取得し、加熱むら除去の画像処理を行う。その画像処理を図4を用いて説明する。
本実施例では画像処理をし易くするためにグレースケール画像を利用する。第一熱画像と第二熱画像の各画素の温度値をそれぞれ白黒の輝度値に変換することによって、第一熱画像と第二熱画像をグレースケール画像にし(ステップS401)、第一熱画像と第二熱画像の同一画素間で輝度値の差を検出する(ステップS402)。そして、検出した各差を新たな画像のそれぞれの対応する画素に反映する。こうして新たな画像、すなわち鉄筋の加熱むらが除去された加熱むら除去画像を生成する(ステップS403)。
ここで図3に戻って処理手順の説明を続ける。加熱むら除去工程で生成された加熱むら除去画像は原画像(第一熱画像及び第二熱画像)に生じたノイズを含む。すなわち同一領域内にある各画素の輝度値にはばらつきが生じている。加熱むらと同様に、ノイズも鉄筋の腐食生成物の判定をし難くする。そこでノイズを除去したい場合はノイズ除去工程を行うとよい(ステップS305)。画像処理部40のノイズ除去部404は、加熱むら除去画像の画像データを取得し、ノイズ除去の画像処理を行う。
ここではメディアンフィルタを用いたフィルタ処理によって加熱むら除去画像に含まれたノイズを除去する。具体的には、加熱むら除去画像の任意の画素に注目し、その注目画素及びその周辺の画素の輝度値を昇順(又は降順)に並べた場合に中間値となる値をその注目画素の輝度値として置換する。この処理を加熱むら除去画像の各画素毎に行う。こうして新たな画像、すなわちノイズが除去されたノイズ除去画像を生成する。
加熱むら除去工程やノイズ除去工程で生成された加熱むら除去画像及びノイズ除去画像はグレースケール画像である。ここではグレースケール画像の再変換工程を行う(ステップS306)。画像処理部40の再変換部406は、加熱むら除去画像の画像データ又はノイズ除去画像の画像データを取得し、原画像における相関性を利用して、グレースケール画像の各画素の輝度値を温度値に再変換する。こうして再変換後の熱画像、すなわち加熱むら除去画像(熱画像)又はノイズ除去画像(熱画像)を生成する。
各画像を生成したら表示工程を行う(ステップS307)。画像表示部50は生成された各画像の画像データを取得して各画像を表示する。
[1−3.試験体を用いた実験]
本発明者らは本実施例に関して試験体を用いた実験を行い、その有効性を実証した。以下でその説明をする。
試験体としては、かぶり30mmの位置に非腐食鉄筋と平均腐食率0.66%の鉄筋を互いに平行するように配筋した鉄筋コンクリートを用意した。そして図3の手順で試験体上面の熱画像を撮影し、新たな画像、ここではノイズ除去画像(熱画像)を生成した。図5は原画像(第一熱画像)を示し、図6はノイズ除去画像を示す。図5の画像では各鉄筋の画面左側に加熱むらが生じている。対して図6の画像では加熱むらが除去され、一様な加熱状態に変換されている。この結果から、本実施例の処理が有効であることが判る。
本実施例によれば、鉄筋の加熱むらが除去された画像を生成できる。この画像では、鉄筋の腐食領域と非腐食領域が区別される。この画像を用いれば、高精度の鉄筋腐食性状診断を行うことができる。
またノイズを除去することで画像の精度が向上するため、更に高精度の鉄筋腐食性状診断を行うことができる。
本実施例で生成された加熱むら除去画像やノイズ除去画像は、各種の鉄筋腐食性状診断に用いることが可能である。その一例を実施例2で説明する。
本実施例は実施例1で生成した画像を用いて鉄筋腐食性状診断を行うものである。具体的には、実施例1で生成した加熱むら除去画像又はノイズ除去画像(共に熱画像)を用いて鉄筋の腐食率を推測する。「鉄筋の腐食率」とは「鉄筋の質量減少率」あるいは「鉄筋径の減少率」ともいう。以下でその装置構成及び処理手順を説明する。
[2−1.鉄筋腐食性状診断装置の構成]
実施例2に係る鉄筋腐食性状診断装置の基本的な構成は図1で示した鉄筋画像生成装置と同じである。そこで本実施例に係る鉄筋腐食性状診断装置に関して、実施例1に係る鉄筋画像生成装置と同一の構成については説明を省略する。本実施例の鉄筋腐食性状診断装置と実施例1の鉄筋画像生成装置の相違は画像処理部の機能にある。
図7は実施例2に係る画像処理部の機能ブロックを示す。図7で示す構成のうち図2で示す構成と同一のものには同一の符号を付す。
画像処理部40′は、赤外線カメラ30で撮影された第一熱画像と第二熱画像の同一部分間(本実施例では同一画素間)の温度情報の差を検出し、検出した各差を新たな画像の対応する部分に反映することによって、鉄筋の加熱むらが除去された加熱むら除去画像を生成する加熱むら除去部402と、加熱むら除去画像をメディアンフィルタ(median filter)やミーンフィルタ(means filter)等のノイズ除去フィルタを用いてフィルタ処理することによって加熱むら除去画像からノイズが除去されたノイズ除去画像を生成するノイズ除去部404と、加熱むら除去画像やノイズ除去画像の表示形式(本実施例では輝度表示)を原画像(第一、第二熱画像)の表示形式(本実施例では温度表示)に再変換する再変換部406と、再変換後の加熱むら除去画像又はノイズ除去画像を用いて鉄筋の腐食率を推測する腐食率推測部410と、加熱むら除去部402やノイズ除去部404や画像再変換部406や腐食率推測部410の処理をハードウェアに実行させるソフトウェア(プログラムを含む)を記憶する記憶部408と、を有する。
なお一例として、画像処理部40′はコンピュータで実現可能である。その場合は、加熱むら除去部402とノイズ除去部404と再変換部406と腐食率推測部410の機能を中央処理装置(CPU)が担い、記憶部408の機能を補助記憶装置が担う。その場合、加熱むら除去部402やノイズ除去部404や画像再変換部406や腐食率推測部410の処理を行うための各プログラムを外部の記録媒体から記憶部408にインストールするようにしてもよい。
[2−2.鉄筋腐食性状診断の処理]
本実施例に係る鉄筋腐食性状診断は、実施例1の一連の処理(図3、図4)を利用する。そこで本実施例に係る鉄筋腐食性状診断の処理に関して、実施例1に係る鉄筋画像生成の処理と同一の処理については説明を省略する。
図8は実施例2に係る鉄筋腐食性状診断(鉄筋の腐食率の推測)の処理手順を示す。図8で示すステップS801〜S806の処理は図3で示すステップS301〜S306の処理と同一である。
ステップS801〜S806の処理によって加熱むら除去画像(熱画像)又はノイズ除去画像(熱画像)を生成したら、生成した熱画像を用いて鉄筋の腐食率推測工程を行う(ステップ807)。画像処理部40′の腐食率推測部410は、加熱むら除去画像(熱画像)又はノイズ除去画像(熱画像)の画像データを取得し、加熱むら除去画像又はノイズ除去画像から得られる情報に基づいて鉄筋の腐食率を推測する腐食率推測処理を行う。
具体的な推測方法は種々考えられ、コンクリート構造物の状態やその置かれた環境や調査時期等に応じて最適な推測方法を決定すれば良い。本発明者らは推測方法の一例として下記(1)式を用いて腐食率nを算出した。
n:腐食率、
ΔTst:健全時(腐食鉄筋を含まない)コンクリート表面温度上昇量、
ΔT:実測コンクリート表面温度上昇量、
st:鉄筋の比熱、
con:コンクリートの比熱、
cor:腐食生成物の比熱、
st:鉄筋の熱伝導率、
con:コンクリートの熱伝導率、
cor:腐食生成物の熱伝導率、
ρst:鉄筋の密度、
ρcon:コンクリートの密度、
ρcor:腐食生成物の密度、
st:鉄筋の断面積、
con:コンクリートの断面積、
c:かぶり厚、
α:拡散性状を表すパラメータ。
上記(1)式のSconの定義は図9で示される。すなわちSconは、鉄筋からコンクリート表面までのコンクリート断面において鉄筋3からコンクリート表面への最短経路(図9では一点鎖線)を中心にして左右45°までの領域(図9ではドット領域)の面積で定義される。
上記(1)式の変数のうち実測コンクリート表面温度ΔTが加熱むら除去画像(熱画像)又はノイズ除去画像(熱画像)から得られる情報に基づいて特定される。また上記(1)式の変数のうち健全時コンクリート表面温度上昇量ΔTstは、初期温度t、外気温t、かぶり厚c、鉄筋径d、電磁誘導出力eを変数とした下記(2)式で表される。
なお健全時コンクリート表面温度上昇量ΔTstについては、初期温度t、外気温t、かぶり厚c、鉄筋径d、電磁誘導出力eをパラメータとしたデータベースを予め構築しておき、そのデータベースを用いて求めるようにすると良い。
腐食率を推測したら表示工程を行う(ステップS808)。画像表示部50は推測された鉄筋の腐食率を表示する。
[2−3.試験体を用いた実験]
本発明者らは本実施例に関して試験体を用いた実験を行い、その有効性を実証した。以下でその説明をする。
実施例1の[1−3]で述べた実験によって生成した図5、図6の画像に基づき図8のステップ807の処理を行い、鉄筋各部の腐食率を推測した。図10は、試験体表面における鉄筋直上の温度分布に基づいて推測した腐食率の分布であって、コンクリートに埋め込まれた鉄筋の左端を0位置とし、その0位置から鉄筋に沿って離隔する各位置の腐食率を示している。
図10から判るように、原画像に基づいて推測された腐食率の分布は全体的にばらつきが大きく、特に左端の腐食率と他位置の腐食率との差が大きい。一方、ノイズ除去画像に基づいて推測された腐食率の分布は、ほぼ一様になっていることを確認できる。
またこれらの腐食率の分布から平均腐食率を算出した結果を下記表に示す。
原画像に基づいて推測された腐食率の分布の平均値は0.499%であるのに対して、ノイズ除去画像に基づいて推測された腐食率の分布の平均値は0.608%である。実施例1の[1−3]で述べたように腐食率の実測値は0.66%であり、本実施例によって得られる腐食率の平均値はこの実測値に近い。よって本実施例によって高精度な腐食性状診断が行えたといえる。
なお本実施例では加熱むら除去画像やノイズ除去画像を用いて腐食率を推測する実施形態を説明したが、加熱むら除去画像やノイズ除去画像を腐食率の推測だけでなく腐食領域の判定等の各種鉄筋腐食性状診断に用いることが可能である。
鉄筋が腐食すると鉄筋からコンクリートが剥離してその剥離箇所に空洞が発生することがある。コンクリートと比べて空洞は断熱性が高い。実施例2で腐食率を算出するために用いた上記(1)式は、鉄筋とコンクリート表面との間の熱拡散経路がコンクリートで満たされていると想定して構築されたものである。このため算出された腐食率のうち、熱拡散経路に空洞が有る領域の腐食率は、熱拡散経路に空洞が無い領域の腐食率と比較して精度が低い。結果として、鉄筋腐食性状診断の信頼性が低くなる。
本実施例は実施例2を改良したものであり、算出した腐食率の精度を更に向上させ、鉄筋腐食性状診断の信頼性を向上させるものである。具体的には、コンクリート内の空洞の有無に応じて腐食率の算出方法を変える。空洞が無い場合はコンクリートの熱物性値を用いて腐食率を算出するようにし、空洞が有る場合はコンクリートの熱物性値と空洞の熱物性値を統合した新たな熱物性値(等価熱容量及び等価熱伝導率)を用いて腐食率を算出するようにする。以下でその装置構成及び処理手順を説明する。
[3−1.鉄筋腐食性状診断装置の構成]
実施例3に係る鉄筋腐食性状診断装置の基本的な構成は実施例2と同様である。つまり実施例3の装置構成は図1及び図7で示される。但し、図7に示す画像処理部40′の腐食率推測部410は実施例2の算出機能に加えて、コンクリート内に空洞が有る場合にコンクリートの熱物性値と空洞の熱物性値を統合して新たな熱物性値(等価熱容量及び等価熱伝導率)を算出する機能を有する。なお熱物性値として、例えば比熱、密度、熱伝導率を用いることができる。
[3−2.鉄筋腐食性状診断の処理]
本実施例に係る鉄筋腐食性状診断は、実施例2の一連の処理(図4、図8)を利用するが、その処理前に、コンクリート内の空洞を検知し、空洞が有る場合には新たな熱物性値を算出する。
図11は実施例3に係る鉄筋腐食性状診断(鉄筋の腐食率の推測)の処理手順を示す。
先ず空洞検知工程を行う(ステップS1101)。ヒータ等の人工的な熱源又は日射熱を利用してコンクリート構造物1を熱した後、コンクリート構造物1の表面を赤外線カメラ30で撮影する。コンクリート表面のうち、コンクリート内部に空洞が有る領域の直上の表面は周囲の表面と比較して低温になるので、その表面の下に空洞が有ることが判る。
熱画像で空洞が有ることが確認されれば、新たな熱物性値(等価熱容量及び等価熱伝導率)の算出工程を行う(ステップS1102)。本発明者らは新たな熱物性値(等価熱容量及び等価熱伝導率)の算出方法の一例として下記(3)、(4)式を用いて統合した熱物性値(等価熱容量及び等価熱伝導率)であるバーρC及びバーKを算出した。
バーρC:コンクリートと空洞の等価熱容量、
バーK:コンクリートと空洞の等価熱伝導率、
ini:コンクリート加熱開始前のコンクリート表面の温度、
MAX:コンクリート加熱開始後のコンクリート表面の最高温度、
st:健全時コンクリート表面温度、
ΔT:実測コンクリート表面温度上昇量、
ρcav:空洞の密度、
cav:空洞の比熱、
cav:空洞の熱伝導率、
con:コンクリートの熱伝導率。
上記(3)、(4)式の変数のうち実測コンクリート表面温度ΔTが加熱むら除去画像(熱画像)又はノイズ除去画像(熱画像)から得られる情報に基づいて特定される。
そして新たな熱物性値バーρC及びバーKを用いて実測したコンクリート表面温度ΔTを補正することによって、空洞直上のコンクリート表面温度上昇量ΔバーTを算出する。コンクリート表面温度上昇量ΔバーTは下記(5)式で表される。
このΔバーTを上記(1)式のΔTに代入することで、空洞下の鉄筋の腐食率を高精度に算出できる。
ステップS1101の空洞検知工程においてコンクリート内に空洞が無いことが確認されるか、又はステップS1102の算出工程が終わったら、図8の鉄筋加熱工程(ステップS801)から順次、実施例2の各工程を行う。そして再変換工程(ステップS806)で得た加熱むら除去画像(熱画像)又はノイズ除去画像(熱画像)で確認される鉄筋の腐食領域のうち、ステップS1101で空洞が確認された領域の位置と一致するものについては上記(4)式を上記(1)式に代入して腐食率nの算出を行う。一方、再変換工程(ステップS806)で得た加熱むら除去画像(熱画像)又はノイズ除去画像(熱画像)で確認される鉄筋の腐食領域のうち、ステップS1101で空洞が確認された領域の位置と一致しないものについては上記(1)式をそのまま用いて腐食率nの算出を行う。
本実施例によれば、コンクリート表面と鉄筋との間に空洞が有る場合と無い場合で腐食率の推測方法を変えることで、より信頼性の高い鉄筋腐食性状診断を行うことができる。
1…コンクリート構造物
3…鉄筋
10…鉄筋画像生成装置(鉄筋腐食性状診断装置)
20…鉄筋加熱部
30…赤外線カメラ
40、40′…画像処理部
402…加熱むら除去部
404…ノイズ除去部
406…再変換部
408…記憶部
410…腐食率推測部
50…画像表示部

Claims (10)

  1. コンクリートの熱画像を用いてコンクリートに埋め込まれた鉄筋の画像を生成する鉄筋画像生成方法において、
    鉄筋に熱を加える鉄筋加熱工程と、
    前記鉄筋加熱工程後にコンクリートの第一熱画像を撮影し、第一熱画像撮影後に前記コンクリートの第二熱画像を撮影する撮影工程と、
    前記第一熱画像と前記第二熱画像の同一部分間の温度情報の差を検出し、検出した各差を新たな画像の対応する部分に反映することによって、鉄筋の加熱むらが除去された加熱むら除去画像を生成する加熱むら除去工程と、を含み、
    前記加熱むら除去工程は、
    前記第一熱画像と前記第二熱画像の各画素の温度値を輝度値に変換する変換工程と、
    前記第一熱画像と前記第二熱画像の同一画素間の輝度値の差を検出する差検出工程と、
    検出した各差を新たな画像の対応する画素に反映することによって、鉄筋の加熱むらが除去された加熱むら除去画像を生成する画像生成工程と、を含む
    鉄筋画像生成方法。
  2. 前記加熱むら除去画像をノイズ除去フィルタを用いてフィルタ処理することによって当該加熱むら除去画像からノイズが除去されたノイズ除去画像を生成するノイズ除去工程を含む
    請求項1に記載の鉄筋画像生成方法。
  3. 前記加熱むら除去画像又は前記ノイズ除去画像の各画素の輝度値を温度値に再変換する再変換工程を含む
    請求項2に記載の鉄筋画像生成方法。
  4. 前記鉄筋加熱工程では誘導加熱によって鉄筋に熱を加える
    請求項1〜3の何れか一項に記載の鉄筋画像生成方法。
  5. コンクリートの熱画像を用いてコンクリートに埋め込まれた鉄筋の画像を生成する鉄筋画像生成装置において、
    鉄筋に熱を加える鉄筋加熱部と、 鉄筋加熱後にコンクリートの第一熱画像を撮影し、また、第一熱画像撮影後に前記コンクリートの第二熱画像を撮影する赤外線カメラと、
    前記第一熱画像と前記第二熱画像の同一部分間の温度情報の差を検出し、検出した各差を新たな画像の対応する部分に反映することによって、鉄筋の加熱むらを除去した加熱むら除去画像を生成する加熱むら除去部と、を備えた
    前記加熱むら除去部は、
    前記第一熱画像と前記第二熱画像の各画素の温度値を輝度値に変換し、
    前記第一熱画像と前記第二熱画像の同一画素間の輝度値の差を検出し、
    検出した各差を新たな画像の対応する画素に反映することによって、鉄筋の加熱むらが除去された加熱むら除去画像を生成する
    鉄筋画像生成装置。
  6. 前記加熱むら除去画像をノイズ除去フィルタを用いてフィルタ処理することによって当該加熱むら除去画像からノイズが除去されたノイズ除去画像を生成するノイズ除去部を備えた
    請求項に記載の鉄筋画像生成装置。
  7. 前記加熱むら除去画像又は前記ノイズ除去画像の各画素の輝度値を温度値に再変換する再変換部を含む
    請求項に記載の鉄筋画像生成装置
  8. 前記鉄筋加熱部は、誘導加熱によって鉄筋に熱を加える誘導コイルを備えた
    請求項の何れか一項に記載の鉄筋画像生成装置。
  9. コンクリートに埋め込まれた鉄筋の画像をコンピュータに生成させるプログラムにおいて、
    鉄筋加熱後に撮影されたコンクリートの第一熱画像と、第一熱画像撮影後に撮影された前記コンクリートの第二熱画像と、の同一部分間の温度情報の差を検出し、検出した各差を新たな画像の対応する部分に反映することによって、鉄筋の加熱むらが除去された加熱むら除去画像を生成する処理、をコンピュータに実行させるプログラムであり、
    前記第一熱画像と前記第二熱画像の各画素の温度値を輝度値に変換し、
    前記第一熱画像と前記第二熱画像の同一画素間の輝度値の差を検出し、
    検出した各差を新たな画像の対応する画素に反映することによって、鉄筋の加熱むらが除去された加熱むら除去画像を生成する処理、をコンピュータに実行させるプログラム。
  10. コンクリートに埋め込まれた鉄筋の画像をコンピュータに生成させるプログラムを記録するコンピュータで読み取り可能な記録媒体において、
    鉄筋加熱後に撮影されたコンクリートの第一熱画像と、第一熱画像撮影後に撮影された前記コンクリートの第二熱画像と、の同一部分間の温度情報の差を検出し、検出した各差を新たな画像の対応する部分に反映することによって、鉄筋の加熱むらが除去された加熱むら除去画像を生成する処理、をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体であり、
    前記第一熱画像と前記第二熱画像の各画素の温度値を輝度値に変換し、
    前記第一熱画像と前記第二熱画像の同一画素間の輝度値の差を検出し、
    検出した各差を新たな画像の対応する画素に反映することによって、鉄筋の加熱むらが除去された加熱むら除去画像を生成する処理、をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
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