JP6539139B2 - 赤外線画像データの画像処理方法及び赤外線画像処理装置 - Google Patents
赤外線画像データの画像処理方法及び赤外線画像処理装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6539139B2 JP6539139B2 JP2015144162A JP2015144162A JP6539139B2 JP 6539139 B2 JP6539139 B2 JP 6539139B2 JP 2015144162 A JP2015144162 A JP 2015144162A JP 2015144162 A JP2015144162 A JP 2015144162A JP 6539139 B2 JP6539139 B2 JP 6539139B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- image data
- infrared
- thermal image
- infrared thermal
- measurement object
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 238000012545 processing Methods 0.000 title claims description 55
- 238000003672 processing method Methods 0.000 title claims description 35
- 238000005259 measurement Methods 0.000 claims description 199
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 claims description 195
- 238000004458 analytical method Methods 0.000 claims description 120
- 230000000737 periodic effect Effects 0.000 claims description 27
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 22
- 238000013075 data extraction Methods 0.000 claims description 8
- 239000000284 extract Substances 0.000 claims description 8
- 230000007547 defect Effects 0.000 description 31
- 239000004918 carbon fiber reinforced polymer Substances 0.000 description 30
- 229910052736 halogen Inorganic materials 0.000 description 24
- 150000002367 halogens Chemical class 0.000 description 24
- 238000010191 image analysis Methods 0.000 description 23
- 239000010410 layer Substances 0.000 description 13
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 11
- 239000002344 surface layer Substances 0.000 description 9
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 8
- 230000012447 hatching Effects 0.000 description 8
- 238000003384 imaging method Methods 0.000 description 6
- 229920000049 Carbon (fiber) Polymers 0.000 description 5
- 239000004917 carbon fiber Substances 0.000 description 5
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 5
- VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N methane Chemical compound C VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 5
- 230000005855 radiation Effects 0.000 description 5
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 4
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 4
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 3
- 239000000835 fiber Substances 0.000 description 3
- 238000007405 data analysis Methods 0.000 description 2
- 230000003111 delayed effect Effects 0.000 description 2
- 239000011152 fibreglass Substances 0.000 description 2
- 238000003331 infrared imaging Methods 0.000 description 2
- 238000007689 inspection Methods 0.000 description 2
- 239000000463 material Substances 0.000 description 2
- 230000000630 rising effect Effects 0.000 description 2
- 239000003990 capacitor Substances 0.000 description 1
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 1
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 1
- 238000007599 discharging Methods 0.000 description 1
- 230000005674 electromagnetic induction Effects 0.000 description 1
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 1
- WPYVAWXEWQSOGY-UHFFFAOYSA-N indium antimonide Chemical group [Sb]#[In] WPYVAWXEWQSOGY-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 1
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 1
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 1
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 1
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 1
- 230000035515 penetration Effects 0.000 description 1
- 230000010363 phase shift Effects 0.000 description 1
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 1
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 1
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)
Description
アクティブサーモ法において、測定対象物の温度は赤外線カメラによって測定される。また、測定対象物の周期的な温度変化量の演算は、赤外線カメラによって測定された測定対象物から放出される赤外線に基づいて作成された熱画像のデジタル信号処理(例えばロックイン法)により行われてきた。
このため、欠陥や繊維配向などの位置の特定に関し、ロックインの解析周波数を変えた場合でも、深さ方向のすべてのデータを対象に解析したのでは、解析結果の精度が十分でなくなってしまう。
また、埋没した熱源の深さ位置を特定するためには、さまざまなロックイン周波数で検査信号を印加しながら温度分布を測定しなければならないため、長時間を要してしまうという問題もあった。
なお、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
(1−1)赤外線画像処理装置の構成
以下、図1、図2(a)から図2(d)及び図3(a)から図3(d)を参照しながら、本発明の第1実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る赤外線画像処理装置10の全体のシステム構成を示す図である。赤外線画像処理装置10は、赤外線カメラ11と、加熱源としてのフラッシュランプ12(12a及び12b)と、周期信号を発生する信号発生器13と、赤外線カメラ11で得られた熱画像データに基づく演算を行う計算機(以下、コンピュータと記載する)14とを備えている。
赤外線カメラ11は、任意の撮影フレームレートで測定対象物1の温度を測定し、取得した画素毎の温度データを含む赤外線熱画像データを得る。赤外線カメラ11で連続撮影された赤外線熱画像の画像データは、周期信号としてコンピュータ14に入力される。
また、コンピュータ14には、信号発生器13より周期信号が入力されてもよい。
フラッシュランプ12には、信号発生器13より周期信号が入力される。これにより、フラッシュランプ12は周期的に発光し、測定対象物1を所定の加熱周期で加熱する。フラッシュランプ12は、ごく短時間の加熱と、加熱後一定時間の非加熱とを1サイクルとして繰り返すことにより測定対象物1を加熱する。
図1に示す第1実施形態における赤外線画像処理装置10は、2灯のフラッシュランプ12a及び12bを備えた例を示している。
また、信号発生器13は、コンピュータ14に対して周期信号を入力してもよい。
また、コンピュータ14は、赤外線カメラ11から取り込んだ赤外線熱画像データのうちの一部を抽出して、上述した解析画像を作成することもできる。コンピュータ14は、赤外線カメラ11から取得した赤外線熱画像データのうち、測定対象物の温度変化の周期内の一部の区間で撮影された赤外線熱画像データを抽出し、所定の区間で撮影された赤外線熱画像データに基づいて画像処理を行い、解析画像を作成する。
また、コンピュータ14は、温度変化の周期を、赤外線カメラ11により取得した赤外線熱画像データの温度情報に基づいて判断することができる。そして、赤外線熱画像データを抽出する「一部の区間」を、赤外線熱画像データの温度情報に基づいて判断した温度変化の周期に基づいて決定することができる。例えば、コンピュータ14は、赤外線カメラ11により取得した赤外線熱画像データの温度情報に基づいて加熱周期を判断し、この加熱周期に基づいて、加熱終了後の数秒間を「一部の区間」とし、この区間内に撮影した赤外線熱画像データを解析に用いることができる。
コンピュータ14における処理は、より詳細に後述する。
以下、図2(a)から図2(d)、及び図3(a)から図3(d)を用いて、本発明の第1実施形態に係る赤外線画像の画像処理方法を説明する。
図2(a)から図2(d)は、赤外線画像の画像処理方法により、測定対象物1内部の欠陥等を検出する方法の概念を説明する概略図である。図3(a)から図3(d)は、ロックイン解析を行う際の所定区間の赤外線画像を抽出する概念を示すグラフである。
図2(b)に示すように、欠陥等がない測定対象物1が極短時間で加熱されると測定対象物1の温度は急激に上昇し、その後測定対象物1への加熱が停止されると測定対象物1が冷却され、時間とともに温度が低下する。
すなわち、欠陥1aが測定対象物1の表面から浅い位置に存在する場合には、温度低下における「異なる挙動」は加熱終了直後に現れ、欠陥1aが測定対象物1の表面から深い位置に存在する場合には、温度低下における「異なる挙動」は加熱終了後しばらくして現れる。
すなわち、第1実施形態に係る赤外線画像の画像処理方法において、測定対象物1から得たい欠陥や配向等の情報の位置深さが既知の場合には、測定対象物1の周期的な温度変化の区間の赤外線熱画像データのうち、周期内の任意の区間の赤外線熱画像データを抽出して画像解析を行う。測定対象物1から得たい情報の「位置深さ」とは、測定対象物1の表面からの深さをいう。
具体的には、測定対象物1の厚み方向の測定対象位置が、赤外線カメラ11による測定対象物1の測定表面から遠い程、赤外線熱画像データを抽出する一部の区間の開始位置を加熱終了時から遅い位置に設定する。
また、測定対象物1の厚み方向の測定対象位置が、赤外線カメラ11による測定対象物の測定表面から深い位置である場合には、赤外線熱画像データを抽出する一部の区間の開始位置を加熱終了から遠い位置に設定する。すなわち、測定対象物1の深い位置の情報を得たい場合には、赤外線熱画像データを抽出する一部の区間の開始位置を加熱終了時から遅い位置に設定し、測定対象物1への加熱終了後一定時間が経過後から一定区間の赤外線熱画像データを抽出して画像解析を行えばよい。
これにより、データの解析精度が高まるとともに、データの測定時間及び解析時間を短縮することができる。
このような画像処理方法について、図3(b)、図3(c)及び図3(d)を用いて詳細に説明する。
このとき、第1実施形態に係る赤外線画像データの画像処理方法では、解析区間を区間b1、b2、b3、b4及びb5の少なくとも一つとすることができ、解析区間を複数の区間とすることが好ましい。すなわち、複数回繰り返される測定対象物1の温度変化の周期のうち、複数の周期それぞれの同一の区間から、前記一部の区間で撮影された赤外線熱画像データを抽出し、画像解析に用いることが好ましい。
ここで、測定対象物1の温度変化の一サイクル(周期T)の周期内で設定された第1の区間の加熱開始時又は加熱終了時を基準とする始点及び終点と、他のサイクルの周期内で設定された第2の区間との始点及び終点とがそれぞれ一致する場合、第1の区間と第2の区間とを「同一の区間」というものとする。図3(b)において、1サイクル目の区間b1、b2、b3、b4及びb5は、各サイクルにおける加熱終了後0秒を始点としt1秒を終点とする区間(0<t1)であり、互いに同一の区間である。
区間b1、b2、b3、b4及びb5で取得された赤外線熱画像データを用いた解析画像には、加熱終了直後の温度変化の情報のみが反映されており、加熱終了直後以外の温度変化の情報は反映されない。このため、測定対象物1の表層の解析精度が向上する。
区間c1、c2、c3、c4及びc5で取得された赤外線熱画像データを用いた解析画像には、加熱終了後一定時間経過後の区間の温度変化の情報のみが反映されており、加熱終了後一定時間経過後の以外の区間の温度変化の情報は反映されない。このため、測定対象物1の中間層の解析精度が向上する。
区間d1、d2、d3、d4及びd5で取得された赤外線熱画像データを用いた解析画像には、加熱終了後、中間層の情報を解析する場合よりもさらに長時間経過後の区間の温度変化の情報のみが反映されている。このため、測定対象物1の深部の解析精度が向上する。
例えば、フラッシュランプ12によりごく短時間の加熱と放熱のサイクルを10秒周期で行う場合、加熱周期(10秒)に基づいて、測定対象物1の表層の情報を解析する場合の解析区間を例えば「加熱終了後0秒から0.5秒の間」と設定することができる。また、測定対象物1の中間層の情報を解析する場合の解析区間を例えば「加熱終了後0.5秒から4.0秒の間」と設定し、測定対象物1の深部の情報を解析する場合の解析区間を例えば「加熱終了後4.0秒から9.0秒の間」と設定することができる。なお、例示した解析区間は一例であり、加熱周期や取得したい情報の位置深さによって任意に設定される。
このため、撮影された全ての赤外線熱画像(加熱周期1周期で撮影された全ての赤外線熱画像)の赤外線熱画像データを画像解析に用いていた従来のロックイン処理による画像解析と比較して、所望の位置深さの情報をより精度よく解析することができる。
画像解析に用いる赤外線熱画像データの取得方法は上述した方法に限られない。例えば、赤外線カメラ11によって所定区間のみ撮影を行ってもよい。
この場合、画像解析に用いる赤外線熱画像データは、赤外線カメラ11によって測定対象物1の温度変化の周期内の一部の区間でのみ赤外線熱画像データを取得し、取得した赤外線熱画像データを、周期内の一部の区間で撮影された赤外線熱画像データとすることで得てもよい。赤外線カメラ11は、測定対象物1の加熱工程及び放熱工程の全工程において常に測定対象物1の撮影を行わず、所望の情報を得るために必要な赤外線熱画像データを取得する場合にのみ撮影を行う。そして、コンピュータ14は、赤外線カメラ11により取得された赤外線熱画像データを、所望の区間に取得された赤外線熱画像データを抽出して画像解析を行う。
測定対象物1の製造ラインの最終部分に加熱炉と赤外線カメラとを設置し、製造された測定対象物1を加熱炉にて加熱後、加熱炉の外部に設置した赤外線カメラにより温度を測定するようにする。赤外線カメラは、所望の深さの情報が得られる位置に設置する。例えば、加熱終了後(加熱炉からの部材排出後)3秒後に得られる温度変化量に基づいて、測定対象物の所望の位置深さの情報が得られることが分かっている場合には、加熱終了3秒後に測定対象物の温度の測定(撮影)が可能な位置に赤外線カメラを設置する。これにより、赤外線カメラが測定対象物の加熱及び放熱の全区間において撮影を行わなくても、所望の深さの情報を得ることができる。このため、ロックイン処理による画像解析を行うことにより欠陥や配向を把握することができる。
以上説明した本発明の第1実施形態に係る赤外線画像の画像処理方法及び赤外線画像処理装置によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)周期的に温度変化する測定対象物の赤外線熱画像データの画像処理において、画像処理の対象区間を温度変化の周期内の一部の区間とすることで、測定対象物の特定の位置深さの情報を精度良く得ることができ、また、対象データ量及び解析時間を短縮することができる。
(2)ロックイン処理により画像処理を行うことで、簡単な演算で精度の高い解析結果を得ることができる。ロックイン処理の際のロックイン周波数を変更することにより、ロックイン処理の最適化を図ることもできる。
(3)測定対象物から得たい情報の位置深さが未知の場合であっても、測定対象物への加熱終了後の様々な区間の赤外線熱画像データをそれぞれ抽出して複数の区間の画像解析を行うことで、様々な深さに対応する解析画像を得ることができる。また、様々な深さに対応する解析画像を比較することで、欠陥等が存在する場合にその位置深さを特定することができる。
(4)加熱源による加熱周期が未知の場合であっても、測定対象物の温度変化の周期に基づいて画像処理の対象となる赤外線熱画像データを決定することができる。
以下、図4及び図5(a)から図5(d)を参照しながら、本発明の第2実施形態について詳細に説明する。以下の図において、第1実施形態と共通する部分には共通の符号を付し、詳細な説明を省略する。
(2−1)赤外線画像処理装置の構成
図4は、本発明の第2実施形態に係る赤外線画像処理装置30の構成を示す図である。赤外線画像処理装置30は、赤外線カメラ11と、加熱源としてのハロゲンランプ32(32a及び32b)と、周期的な信号を発生する信号発生器33と、赤外線カメラ11で得られた熱画像データに基づく演算を行うコンピュータ14とを備えている。
ハロゲンランプ32には、信号発生器33より矩形状の周期信号が入力される。これにより、ハロゲンランプ32は周期的に発光し、測定対象物1を所定の加熱周期で加熱する。ハロゲンランプ32は、短時間の加熱と短時間の非加熱とを1サイクルとして繰り返すことにより測定対象物1を加熱する。
図4に示す第1実施形態における赤外線画像処理装置30は、2灯のハロゲンランプ32a及び32bを備えた例を示している。
これにより、ハロゲンランプ32によって所定の加熱周期で測定対象物1が加熱される。
第2実施形態では、測定対象物1が矩形状の周期信号が入力されたハロゲンランプ32で周期的に加熱される点で第1実施形態と異なる。このため、第2実施形態における測定対象物1の温度変化の周期が、第1実施形態と異なる。
以下、図5(a)から図5(d)を用いて、本発明の第2実施形態に係る赤外線画像の画像処理方法を説明する。
図5(a)から図5(d)は、ロックイン解析を行う際の所定区間の赤外線画像を抽出する概念を示すグラフである。
区間b6、b7、b8及びb9で取得された赤外線熱画像データを用いた解析画像には、加熱終了前後の温度変化の情報のみが反映されており、加熱終了前後以外の温度変化の情報は反映されない。このため、測定対象物1の表層の解析精度が向上する。
区間c6、c7、c8及びc9で取得された赤外線熱画像データを用いた解析画像には、加熱終了後一定時間経過後の区間の温度変化の情報のみが反映されており、加熱終了後一定時間経過後の以外の区間の温度変化の情報は反映されない。このため、測定対象物1の中間層の解析精度が向上する。
区間d6、d7、d8及びd9で取得された赤外線熱画像データを用いた解析画像には、加熱終了後、中間層の情報を解析する場合よりもさらに長時間経過後の区間の温度変化の情報のみが反映されている。このため、測定対象物1の深部の解析精度が高向上する。
また、加熱源による加熱周期が未知の場合でも、赤外線熱画像データを抽出する区間を、赤外線熱画像データの温度情報に基づいて判断された温度変化の周期に基づいて決定することができる。
また、赤外線カメラ11によって測定対象物1の温度変化の周期内の一部の区間でのみ赤外線熱画像データを取得し、取得した赤外線熱画像データを画像解析に用いる赤外線熱画像データとしてもよい。
以上説明した本発明の第2実施形態に係る赤外線画像の画像処理方法及び赤外線画像処理装置によれば、第1実施形態に記載の(1)〜(4)の効果を得ることができる。
また、測定対象物1の加熱源として、第1実施形態ではフラッシュランプ12を、第2実施形態ではハロゲンランプ32を挙げて説明したが、加熱源はこれらに限られない。
例えば、加熱源としては、測定対象物1を周期的に発熱させる超音波送信手段、電圧印加手段又は電磁誘導手段であってもよい。さらに、測定対象物1の周期的な加熱が、日照、気温及び風等の測定対象物1周囲の自然環境によってなされてもよい。
以下の実施例では、裏面に人工的に傷を設けた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)板に対して、画像解析試験を行った。
第1の実施例では、フラッシュランプにより人工
傷を有するCFRP板を加熱して画像解析試験を行った。
(CFRP板)
測定対象物であるCFRP板は、縦190mm、横60mm、厚み2mmであり、裏面に深さ0.8mmの人工傷が形成されている。図6は、測定対象物であるCFRP板の裏面の外観を示す写真である。
第1の実施例において、画像解析試験は、赤外線カメラ、2灯のフラッシュランプ、信号発生器及びパーソナルコンピュータを備える図1に示す試験装置を用いて行った。赤外線カメラは、撮像素子がインジウムアンチモンである、320×256画素の冷却タイプのカメラを使用した。
(試験条件)
赤外線カメラの撮影フレームレートを47Hz、フラッシュランプの加熱周波数を0.1Hz、赤外線熱画像の取得画像数を2576画像とした。フラッシュランプによる加熱周期(加熱周波数0.1Hzの逆数)が10秒であるため、フラッシュランプによる加熱は、ごく短時間の加熱の後約10秒間非加熱とするサイクルを連続的に交互に繰り返した。
また、測定時間を約55秒とし、フラッシュランプによる加熱を5回行った。なお、初回のフラッシュランプによる加熱前及び5回目の加熱後の非加熱期間後に、合計5秒の待機時間を設けた。
図7(a)から図7(c)は、第1の実施例における解析結果の画像である。
図7(a)は、全区間を対象としたロックイン解析結果を振幅表示した解析画像である。当該解析画像において、解析区間は全区間(解析画像数:2576画像)である。解析画像には、CFRP板表面の炭素繊維の配向とともに、CFRP板裏面に人工的に導入した傷が表示されている。
第2の実施例では、ハロゲンランプによりCFRP板を加熱して画像解析試験を行った。
(CFRP板)
試験対象のCFRP板は、第1の実施例で用いたCFRP板である。すなわち、試験対象のCFRP板は、縦190mm、横60mm、厚み2mmであり、裏面に深さ0.8mmの人工傷が形成されている。
第2の実施例において、画像解析試験は、赤外線カメラ、2灯のハロゲンランプ、関数発生器及びパーソナルコンピュータを備える図4に示す試験装置を用いて行った。赤外線カメラは、撮像素子がマイクロボロメータである、640×480画素の非冷却タイプのカメラを使用した。
赤外線カメラの撮影フレームレートを12.5Hz、ハロゲンランプの加熱周波数を0.05Hz、赤外線熱画像の取得画像数を5000画像とした。
ハロゲンランプの制御信号は矩形波によって行い、そのデューティー比は50%とした。すなわち、ハロゲンランプのON,OFFが連続的に行なわれ、加熱周期(加熱周波数0.05Hzの逆数)が20秒であるため、ハロゲンランプによる加熱は、加熱を10秒間行った後10秒間非加熱とするサイクルを連続的に交互に繰り返した。
また、測定時間を440秒とした。ハロゲンランプによる加熱と冷却を1サイクルとすると、440秒間の測定で20サイクルの加熱及び冷却が行われるが、測定開始時と測定終了時の不完全なサイクルを除いた19サイクルを有効なサイクルとした。20サイクルの加熱及び冷却で得られた5000画像のうち、有効な19サイクル分の4750画像を解析対象の画像とした。
図8(a)は、有効な19サイクル分の区間を対象としたロックイン解析結果を振幅表示した解析画像である。当該解析画像において、解析区間は有効な19サイクル分の区間(4750画像)である。解析画像には、CFRP板表面の炭素繊維の配向とともに、CFRP板裏面に人工的に導入した傷が表示されている。
10,30 赤外線画像処理装置
11 赤外線カメラ
12 フラッシュランプ
13,33 信号発生器
14 計算機(コンピュータ)
32 ハロゲンランプ
Claims (11)
- 周期的に温度変化する測定対象物を赤外線カメラにより連続撮影して赤外線熱画像データを取得する赤外線熱画像データ取得工程と、
前記赤外線熱画像データ取得工程において取得した前記赤外線熱画像データのうち、前記測定対象物の温度変化の周期内の該周期よりも狭い一部の区間で撮影された赤外線熱画像データを抽出する赤外線熱画像データ抽出工程と、
前記赤外線熱画像データ抽出工程で抽出された前記一部の区間で撮影された赤外線熱画像データに基づいて画像処理を行い、解析画像を作成する解析画像作成工程と、
を備え、
前記赤外線熱画像データ取得工程は、複数回繰り返される前記測定対象物の温度変化の複数の周期について前記赤外線熱画像データを取得し、
前記赤外線熱画像データ抽出工程は、前記赤外線熱画像データ取得工程で取得した前記複数の周期に亘る前記赤外線熱画像データの各周期内で同一の区間から抽出された複数の赤外線熱画像データのみを、前記一部の区間で撮影された赤外線熱画像データとし、
前記解析画像作成工程は、前記画像処理として、時間に伴って変化する温度変化量又は位相に基づいて前記解析画像を作成するロックイン処理を行う
赤外線画像データの画像処理方法。 - 前記赤外線熱画像データは、前記測定対象物から放射される赤外線の受光量に基づく温度データを含む
請求項1に記載の赤外線画像データの画像処理方法。 - 赤外線熱画像データ取得工程において、温度上昇及び温度低下の温度変化の周期を繰り返す前記測定対象物の放熱区間から、前記一部の区間で撮影された赤外線熱画像データを抽出する
請求項1又は2のいずれか1項に記載の赤外線画像データの画像処理方法。 - 前記測定対象物の厚み方向の測定対象位置が、前記赤外線カメラによる前記測定対象物の測定表面から遠い程、前記赤外線熱画像データを抽出する前記一部の区間の開始位置を加熱終了時から遅い位置に設定する
請求項3に記載の赤外線画像データの画像処理方法。 - 前記測定対象物の厚み方向の測定対象位置が、前記赤外線カメラによる前記測定対象物の測定表面から浅い位置である場合には、前記一部の区間を加熱終了直前又は直後の区間とする
請求項4に記載の赤外線画像データの画像処理方法。 - 前記赤外線熱画像データを抽出する前記一部の区間を、前記赤外線カメラにより取得した前記赤外線熱画像データの温度情報に基づいて判断された温度変化の周期に基づいて決定する
請求項1から5のいずれか1項に記載の赤外線画像データの画像処理方法。 - 前記赤外線熱画像データ取得工程において、前記測定対象物の温度変化の全周期で赤外線熱画像データを取得し、
前記赤外線熱画像データ抽出工程において、前記測定対象物の温度変化の全周期で取得した赤外線熱画像データから、前記周期内の一部の区間で撮影された赤外線熱画像データを抽出する
請求項1から6のいずれか1項に記載の赤外線画像データの画像処理方法。 - 前記赤外線熱画像データ取得工程において、前記測定対象物の温度変化の周期内の一部の区間で赤外線熱画像データを取得し、
前記赤外線熱画像データ抽出工程において、前記測定対象物の温度変化の周期内の一部の区間で取得した赤外線熱画像データを、前記周期内の一部の区間で撮影された赤外線熱画像データとする
請求項1から6のいずれか1項に記載の赤外線画像データの画像処理方法。 - 測定対象物を周期的に加熱する加熱源と、
周期的に温度変化する前記測定対象物を連続撮影して赤外線熱画像データを取得する赤外線カメラと、
取得した前記赤外線熱画像データのうち、前記測定対象物の温度変化の周期内の該周期よりも狭い一部の区間で撮影された赤外線熱画像データを抽出し、前記一部の区間で撮影された赤外線熱画像データに基づいて画像処理を行い、解析画像を作成する計算機と、
を備え、
赤外線カメラは、複数回繰り返される前記測定対象物の温度変化の複数の周期について前記赤外線熱画像データを取得し、
前記計算機は、前記赤外線カメラで取得した前記複数の周期に亘る前記赤外線熱画像データの各周期内で同一の区間から複数の赤外線熱画像データのみを抽出して、前記一部の区間で撮影された赤外線熱画像データとし、前記画像処理として、時間に伴って変化する温度変化量又は位相に基づいて前記解析画像を作成するロックイン処理を行う
赤外線画像処理装置。 - 周期信号を発生し、該周期信号を前記加熱源に入力する信号発生器を備え、
前記計算機は、前記加熱源に入力される前記周期信号に基づいて決定された前記一部の区間で撮影された赤外線熱画像データに基づいて画像処理を行う
請求項9に記載の赤外線画像処理装置。 - 前記計算機は、前記温度変化の周期を、前記赤外線カメラにより取得した前記赤外線熱画像データの温度情報に基づいて判断し、前記赤外線熱画像データを抽出する前記一部の区間を、前記赤外線熱画像データの温度情報に基づいて判断した前記温度変化の周期に基づいて決定する
請求項9に記載の赤外線画像処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015144162A JP6539139B2 (ja) | 2015-07-21 | 2015-07-21 | 赤外線画像データの画像処理方法及び赤外線画像処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015144162A JP6539139B2 (ja) | 2015-07-21 | 2015-07-21 | 赤外線画像データの画像処理方法及び赤外線画像処理装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017026422A JP2017026422A (ja) | 2017-02-02 |
JP6539139B2 true JP6539139B2 (ja) | 2019-07-03 |
Family
ID=57945944
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015144162A Active JP6539139B2 (ja) | 2015-07-21 | 2015-07-21 | 赤外線画像データの画像処理方法及び赤外線画像処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6539139B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7098301B2 (ja) * | 2017-10-20 | 2022-07-11 | 神鋼検査サービス株式会社 | 亀裂検出方法 |
WO2021246271A1 (ja) * | 2020-06-01 | 2021-12-09 | ヤマハロボティクスホールディングス株式会社 | 音響式不良検出装置及び不良検出方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7419298B2 (en) * | 2005-05-24 | 2008-09-02 | United Technologies Corporation | Thermal imaging method and apparatus |
JP2015500476A (ja) * | 2011-12-10 | 2015-01-05 | ディーシージー システムズ、 インコーポライテッドDcg Systems Inc. | 熱流サーモグラフィによる試料の検査方法 |
EP2743688B1 (en) * | 2012-12-17 | 2017-05-03 | Thermosensorik Gmbh | Method and system for the examination of a sample by means of thermography |
-
2015
- 2015-07-21 JP JP2015144162A patent/JP6539139B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017026422A (ja) | 2017-02-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6301951B2 (ja) | サーモグラフィを用いた試料の検査方法およびシステム | |
US5631465A (en) | Method of interpreting thermographic data for non-destructive evaluation | |
US8692887B2 (en) | Thermal imaging method and apparatus for evaluating coatings | |
JP5596015B2 (ja) | サーモグラフィーで同定された複合材料の欠陥の特性評価 | |
EP2952884B1 (en) | Method for examination of a sample by means of the lock-in thermography | |
EP2428795A1 (en) | Apparatus and method for automatic inspection of through-holes of a component | |
US20070288177A1 (en) | Advanced processing of active thermography signals | |
JP2006329982A (ja) | 検査装置およびその方法 | |
US10620133B1 (en) | Contrast-based imaging and analysis computer-implemented methods to analyze thermography data for nondestructive evaluation | |
JP2007139653A (ja) | 非接触式欠陥検査装置及び非接触式欠陥検査方法 | |
US10728426B1 (en) | Contrast based imaging and analysis computer-implemented method to analyze pulse thermography data for nondestructive evaluation | |
CN104145184A (zh) | 用于通过热流热成像法检查样品的方法 | |
JP6539139B2 (ja) | 赤外線画像データの画像処理方法及び赤外線画像処理装置 | |
JP2012088226A (ja) | 非破壊検査方法及び非破壊検査装置 | |
JP2014032160A (ja) | 探傷方法及び探傷装置 | |
CN110849884A (zh) | 一种复合绝缘子内部粘接缺陷的检测方法和系统 | |
JP2017078624A (ja) | 試料の接合性検査方法及び検査装置 | |
JP6568691B2 (ja) | 探傷対象物の内部欠陥を検出する探傷システム、及び探傷方法 | |
JP4097079B2 (ja) | 欠陥検査方法およびその装置 | |
US10775330B2 (en) | Thermo-chromatic witness features for lightning strike indication in both metallic and composite structures | |
Revel et al. | Defect detection in ceramic materials by quantitative infrared thermography | |
JP4097081B2 (ja) | 欠陥検査方法およびその装置 | |
Dinardo et al. | Automatic defect detection from thermographic non destructive testing | |
JP2022081104A (ja) | 検査装置 | |
Clough | Uncertainty in Thermographic Non-destructive Testing |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170727 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180525 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180703 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20180830 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181029 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190219 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190419 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190521 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190607 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6539139 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |