JP2014206487A - 鉄筋コンクリート診断方法及び鉄筋コンクリート診断装置 - Google Patents

鉄筋コンクリート診断方法及び鉄筋コンクリート診断装置 Download PDF

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英吉 大下
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嵩弓 今井
早季 根本
Saki Nemoto
早季 根本
行雄 明石
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行雄 明石
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Shogo Hayashi
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昭宏 竹屋
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養祐 福岡
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Abstract

【課題】コンクリート表面と鉄筋表面の間に介在する空洞を考慮して鉄筋コンクリートを診断する。【解決手段】パッシブ法またはアクティブ法によってコンクリートに熱を加え、コンクリート加熱後にコンクリート表面の熱画像を撮影する。撮影した熱画像を用いてコンクリート表面と鉄筋表面の間に介在する空洞を検知すると共に、空洞とその直上のコンクリートからなるかぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量を求め、求めた温度上昇量を用いてかぶりコンクリート領域の等価熱物性値を演算する。そして求めた等価熱物性値を用いて各種推測処理を行う。【選択図】図4

Description

本発明は熱画像を用いて鉄筋コンクリートを診断する技術に関し、特にコンクリート表面と鉄筋との間に介在する空洞を考慮して鉄筋コンクリートを診断する技術に関する。
橋梁やビルディング等のコンクリート構造物にはコンクリート内部に強度を補完する鉄筋や鉄骨が埋め込まれている。こうした構造を鉄筋コンクリート構造(RC構造)及び鉄筋鉄骨コンクリート構造(SRC構造)という。本願では、RC構造及びSRC構造の構造物を「コンクリート構造物」と総称する。
コンクリート構造物は経年劣化だけでなく早期劣化することがある。早期劣化の原因の一つはコンクリート内における鉄筋の腐食である。鉄筋の腐食はコンクリート構造物に様々な損傷を引き起こす。そこで鉄筋の腐食に起因するコンクリート構造物の損傷を未然に防ぐために、早期に鉄筋の腐食を診断する技術が研究されている。その一つとして、コンクリート構造物を赤外線カメラで撮影してコンクリート表面の温度分布を示す熱画像を解析し、鉄筋の腐食性状を診断する技術(腐食領域の判定や腐食率の推測など)がある。
鉄筋が蓄熱すると、周囲のコンクリートに熱を放出する。放出された熱はかぶりの領域に拡散してコンクリート表面に伝播する。するとコンクリート表面のうち鉄筋の直上が周囲と比較して高温になるので、熱画像で鉄筋が顕在化することになる。しかし熱画像において、鉄筋の腐食領域の表示は非腐食領域の表示と比較して低温を示す。これは次の理由による。鉄筋が腐食すると腐食箇所を覆うように腐食生成物が発生する。腐食生成物は断熱性を有しており、鉄筋が周囲に放出する熱を遮断する。このため鉄筋が均一に蓄熱していても、非腐蝕領域と腐食領域とでは外部への放熱量に差がでる。この差が熱画像の温度差として現れる。こうした現象を利用することで鉄筋の腐食性状診断が可能になる。
コンクリート構造物に蓄熱させる手段としては、日射等の自然環境に任せるパッシブ法と、ヒータ等の強制的な加熱手段を用いてコンクリート表面を熱するアクティブ法がある。コンクリートに埋め込まれた鉄筋に効率よく蓄熱させるには、鉄筋に直接熱を加える方法が有効である。こうした方法を利用した技術としては、例えば下記特許文献1〜3が開示されている。特許文献1は、かぶりコンクリートの一部をはつることで鉄筋を露出し、露出した鉄筋に直接電流を流すことによって鉄筋に熱を発生させ、熱画像を撮影する技術を開示している。また特許文献2、3は、誘導コイルを使った所謂IH(Induction Heating:誘導加熱)を利用して鉄筋に渦電流を生じさせることによって鉄筋に熱を発生させ、熱画像を撮影する技術を開示している。
特許第3834749号公報 特許第4423642号公報 特開2006−337231号公報
鉄筋の腐食は、鉄筋からコンクリートを剥離させてコンクリートと鉄筋の間に空洞を生じさせる。こうした空洞がコンクリート表面と鉄筋の間の熱拡散経路に存在すると、鉄筋からコンクリート表面への熱拡散が空洞によって遮られる。したがって空洞の有無は熱画像における鉄筋の温度性状に影響を及ぼす。
鉄筋の腐食性状診断の一つとして、コンクリート表面の温度の絶対値及び温度分布の相対的な比較によって鉄筋の腐食率を推測する技術がある。しかしながらこの技術はコンクリート表面と鉄筋表面の間にコンクリートが満たされていることを前提として考え出されたものであって、コンクリート表面と鉄筋表面の間に空洞が介在することは考慮されていない。
また空洞の性状についても検討されていない。
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、コンクリート表面と鉄筋表面の間に介在する空洞を考慮して鉄筋コンクリートを診断することを目的とするものである。
第1の発明は、
鉄筋コンクリートの不具合を診断する鉄筋コンクリート診断方法において、
パッシブ法またはアクティブ法によってコンクリートに熱を加えるコンクリート加熱工程と、
前記コンクリート加熱工程後にコンクリート表面の第一の熱画像を撮影する第一の熱画像撮影工程と、
前記第一の熱画像を用いてコンクリート表面と鉄筋表面の間に介在する空洞を検知すると共に、空洞とその直上のコンクリートからなるかぶりコンクリート領域の表面の第一の温度上昇量を求める第一の温度上昇量取得工程と、
前記第一の温度上昇量を用いて前記かぶりコンクリート領域の等価熱物性値を演算する熱物性値演算工程と、
鉄筋に熱を加える鉄筋加熱工程と、
前記鉄筋加熱工程後にコンクリート表面の第二の熱画像を撮影する第二の熱画像撮影工程と、
前記第二の熱画像を用いて前記かぶりコンクリート領域の表面の第二の温度上昇量を求める第二の温度上昇量取得工程と、
前記等価熱物性値を用いて前記第二の温度上昇量を補正して補正後温度上昇量を求める温度上昇量補正工程と、
前記補正後温度上昇量を用いて空洞直下の鉄筋の腐食率を推測する腐食率推測工程と、を行う
ことを特徴とする。
第1の発明の一形態として、
前記腐食率推測工程では、コンクリート表面との間に空洞が介在しない鉄筋の腐食率を推測する推測式を用意し、前記補正後温度上昇量を前記推測式に当てはめることによって空洞直下の鉄筋の腐食率を推測する。
第1の発明の一形態として、
前記第二の温度上昇量取得工程では、さらに、前記かぶりコンクリート領域の表面外であって且つ鉄筋直上のコンクリート表面の第三の温度上昇量を求め、
前記腐食率推測工程では、コンクリート表面との間に空洞が介在しない鉄筋の腐食率を推測する推測式を用意し、前記補正後温度上昇量を前記推測式に当てはめることによって空洞直下の鉄筋の腐食率を推測し、さらに、前記第三の温度上昇量を前記推測式に当てはめることによって空洞直下外の鉄筋の腐食率を推測する。
第1の発明の一形態として、
前記推測式は、健全時コンクリート表面温度上昇量(ΔTst)と、実測コンクリート表面温度上昇量(ΔT)と、鉄筋の比熱(Cst)と、コンクリートの比熱(Ccon)と、腐食生成物の比熱(Ccor)と、鉄筋の熱伝導率(kst)と、コンクリートの熱伝導率(kcon)と、腐食生成物の熱伝導率(kcor)と、鉄筋の密度(ρst)と、コンクリートの密度(ρcon)と、腐食生成物の密度(ρcor)と、鉄筋の断面積(Sst)と、コンクリートの断面積(Scon)と、かぶり厚さ(c)と、拡散性状を表すパラメータ(α)と、を変数として鉄筋の腐食率(n)を求める式であり、
当該推測式の実測コンクリート表面温度上昇量(ΔT)に前記補正後温度上昇量(ΔTバー)を当てはめることによって空洞直下の鉄筋の腐食率(n)を推測する。
第1の発明の一形態として、
前記熱物性値演算工程では、
前記第一の温度上昇量(ΔT)の他に、前記コンクリート加熱工程によるコンクリート加熱前のコンクリート表面の温度(Tini)およびコンクリート加熱開始後のコンクリート表面の最高温度(TMAX)と、健全時コンクリート表面温度(Tst)と、コンクリートの密度(ρcon)と、空洞の密度(ρcav)と、コンクリートの比熱(Ccon)と、空洞の比熱(Ccav)と、を用いて、コンクリートの熱容量と空洞の熱容量を統合した等価熱容量(ρCバー)を求め、
また、前記第一の温度上昇量(ΔT)の他に、前記コンクリート加熱工程によるコンクリート加熱前のコンクリート表面の温度(Tini)およびコンクリート加熱開始後のコンクリート表面の最高温度(TMAX)と、健全時コンクリート表面温度(Tst)と、コンクリートの熱伝導率(kcon)と、空洞の熱伝導率(kcav)と、を用いて、コンクリートの熱伝導率と空洞の熱伝導率を統合した等価熱伝導率(Kバー)を求める。
第1の発明の一形態として、
前記温度上昇量補正工程では、等価熱容量(ρCバー)と、コンクリートの密度(ρcon)と、コンクリートの比熱(Ccon)と、等価熱伝導率(Kバー)と、コンクリートの熱伝導率(kcon)と、を用いて、前記第二の温度上昇量(ΔT)を補正して前記補正後温度上昇量(ΔTバー)を求める。
第2発明は、
鉄筋コンクリートの不具合を診断する鉄筋コンクリート診断方法において、
パッシブ法またはアクティブ法によってコンクリートに熱を加えるコンクリート加熱工程と、
前記コンクリート加熱工程後にコンクリート表面の熱画像を撮影する熱画像撮影工程と、
前記熱画像を用いてコンクリート表面と鉄筋表面の間に介在する空洞を検知すると共に、空洞とその直上のコンクリートからなるかぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量を求める表面温度上昇量取得工程と、
前記温度上昇量を用いて前記かぶりコンクリート領域の等価熱物性値を演算する熱物性値演算工程と、
前記等価熱物性値を用いて前記かぶりコンクリート領域における空洞の体積率を演算する体積率演算工程と、
前記体積率を用いて空洞厚を推測する空洞厚推測工程と、を行う
ことを特徴とする。
第2の発明の一形態として、
前記熱物性値演算工程では、前記温度上昇量(ΔT)と、前記温度上昇量(ΔTst)と、コンクリートの熱伝導率(kcon)と、を用いて、コンクリートの等価熱伝導率(Kバー)を演算し、
前記体積率演算工程では、等価熱伝導率(Kバー)と、コンクリートの熱伝導率(kcon)と、空洞の熱伝導率(kcav)と、を用いて、前記体積率(φ)を演算する。
第3の発明は、
鉄筋コンクリートの不具合を診断する鉄筋コンクリート診断装置において、
鉄筋に熱を加える鉄筋加熱部と、
パッシブ法またはアクティブ法によるコンクリート加熱後のコンクリート表面の第一の熱画像および前記鉄筋加熱部による鉄筋加熱後のコンクリート表面の第二の熱画像を撮影する赤外線カメラと、
前記第一の熱画像を用いてコンクリート表面と鉄筋表面の間に介在する空洞とその空洞直上のコンクリートからなるかぶりコンクリート領域の表面の第一の温度上昇量を求める第一の温度上昇量取得部と、
前記第一の温度上昇量を用いて前記かぶりコンクリート領域の等価熱物性値を演算する熱物性値演算部と、
前記第二の熱画像を用いて前記かぶりコンクリート領域の表面の第二の温度上昇量を求める第二の温度上昇量取得部と、
前記等価熱物性値を用いて前記第二の温度上昇量を補正して補正後温度上昇量を求める温度上昇量補正部と、
前記補正後温度上昇量を用いて空洞直下の鉄筋の腐食率を推測する腐食率推測部と、
推測された前記鉄筋の腐食率を表示する表示部と、を備えた
ことを特徴とする。
第4の発明は、
鉄筋コンクリートの不具合を診断する鉄筋コンクリート診断装置において、
パッシブ法またはアクティブ法によるコンクリート加熱後のコンクリート表面の熱画像を撮影する赤外線カメラと、
前記熱画像を用いてコンクリート表面と鉄筋表面の間に介在する空洞とその空洞直上のコンクリートからなるかぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量を求める温度上昇量取得部と、
前記度上昇量を用いて前記かぶりコンクリート領域の等価熱物性値を演算する熱物性値演算部と、
前記等価熱物性値を用いて前記かぶりコンクリート領域における空洞の体積率を演算する体積率演算部と、
前記体積率を用いて空洞厚を推測する空洞厚推測部と、
推測された前記空洞厚を表示する表示部と、を備えた
ことを特徴とする。
第1、第3の発明によれば、空洞とその直上のコンクリートからなるかぶりコンクリート領域の等価熱物性値を用いて、空洞を伴う鉄筋の腐食率を推測する。このように空洞の存在を考慮して鉄筋の腐食率を推測するので、空洞の存在を考慮せずに鉄筋の腐食率を推測するよりも推測精度が向上する。精度の高い鉄筋の腐食率を知ることで、コンクリート構造物の改修判断を適切に行うことができる。
第2、第4の発明によれば、空洞とその直上のコンクリートからなるかぶりコンクリート領域の等価熱物性値を用いて、空洞の厚さを推測する。空洞の厚さを知ることで、コンクリート構造物の改修判断を適切に行うことができる。
実施例1に係る鉄筋コンクリート診断装置の構成を示す。 実施例1に係る処理部の機能ブロックを示す。 熱拡散経路内のコンクリートの断面積Sconの定義を示す。 実施例1に係る鉄筋腐食率推測処理の手順を示す。 試験体を用いた実験結果であって、空洞を考慮した場合と考慮しない場合の鉄筋の腐食率の推測結果を示す。 実施例2に係る鉄筋コンクリート診断装置の構成を示す。 実施例2に係る処理部の機能ブロックを示す。 実施例2に係る空洞厚推測処理の手順を示す。 試験体を用いた実験結果であって、空洞厚(3mm)の推測結果を示す。 試験体を用いた実験結果であって、空洞厚(6mm)の推測結果を示す。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
本実施例は鉄筋の腐食率を推測することによって鉄筋コンクリートを診断するものである。本実施例では、空洞を伴う鉄筋の腐食率を、空洞とその直上のコンクリートからなるかぶりコンクリート領域の等価熱物性値を用いて推測する。「鉄筋の腐食率」とは「鉄筋の質量減少率」あるいは「鉄筋径の減少率」ともいう。
一般に、鉄筋表面からコンクリート表面までの距離を「かぶり厚」というが、本願ではかぶり厚の間に位置する空洞とコンクリートからなる一連の領域、すなわち鉄筋表面に沿って発生した空洞とその直上のコンクリートからなる一連の領域を「かぶりコンクリート領域」と称する。
[1.鉄筋コンクリート診断装置の構成]
図1は本実施例に係る鉄筋コンクリート診断装置の構成を示す。本実施例の鉄筋コンクリート診断装置は、鉄筋の腐食率を推測する鉄筋腐食率推測装置である。図1を用いて本実施例の装置構成を説明する。
鉄筋腐食率推測装置10は、コンクリート構造物1に埋め込まれた鉄筋3を直接熱する鉄筋加熱部20と、コンクリート構造物1の表面を撮影して熱画像データを生成する赤外線カメラ30と、赤外線カメラ30で生成された熱画像データを用いてコンクリート構造物1の表面の熱画像を生成したり、またその熱画像を用いて鉄筋の腐食率を推測する処理等を行う処理部40と、処理部40で生成された熱画像を表示する表示部50と、コンクリート構造物1に含まれる空洞5を検知する際にコンクリート構造物1を熱するヒータ60と、を有する。
鉄筋加熱部20は、インバータ202と誘導コイル204と冷却水循環器206を有する。
インバータ202は設定により鉄筋3の誘導加熱に適した高周波電流を発生させる。
誘導コイル204は同心に巻回された導体からなり、その両端はケーブルを介してインバータ202の端子に接続される。インバータ202で生じた高周波電流が誘導コイル204に流れるとその高周波電流に応じた誘導電流が鉄筋3に生じる。誘導コイル204の形態としては、導体が同一平面内で徐々に拡径(又は縮径)する渦巻状に巻回され、更にその渦巻が矩形を呈することが望ましい。本発明者らの実験によれば、矩形の誘導コイルは円形の誘導コイルよりも加熱むらを少なくすることが判明している。また誘導コイル204を、矩形を呈する面とコンクリート表面とが平行になるように且つ矩形の長手方向と鉄筋3の軸方向とが平行になるように配置することが望ましい。鉄筋3の加熱の際に、誘導コイル204はコンクリート構造物1の表面側すなわち被調査面と対向するように設置される。但し鉄筋3を発熱させることが可能であるならば、誘導コイル204をコンクリート構造物1の裏面側(被調査面の背面側)に設置しても良い。
誘導コイル204には導体に沿って配管が設けられる。配管の両端はそれぞれ外部の管路を介して冷却水循環器206の吐出口及び吸込口に接続される。冷却水は、誘導コイル204で吸熱し冷却水循環器206で放熱するように、冷却循環器206と誘導コイル204を循環する。冷却水によって誘導コイル204の高温化は抑制される。
なお本実施例の鉄筋加熱部20は誘導加熱を利用するが、誘導加熱を利用しない鉄筋加熱手段、例えば従来のように一部のかぶりコンクリートをはつりとって鉄筋を露出させ、露出した鉄筋に直接電流を供給する手段を用いることも可能である。しかしこうした手段と比較して、鉄筋加熱部20はかぶりコンクリートをはつりとる作業が不要であり作業が容易といった利点がある。
赤外線カメラ30は、コンクリート構造物1の表面から放出される赤外線帯域のエネルギーを赤外線検出素子で検出し、検出したエネルギーを温度に変換し、変換後の温度の分布を画像化するための熱画像データを生成する。赤外線検出素子としては、例えばInSb、QWIP、μ−ボロメータなどの中赤外線を検出する素子が用いられる。赤外線カメラ30は生成した熱画像データを熱画像信号S1にして処理部40に直接出力するか、又は記憶媒体32に保存する。
本実施例では、空洞を検知するため及びかぶりコンクリート領域の等価熱物性値を演算するために撮影される第一の熱画像と、鉄筋腐食率推測のために撮影される第二の熱画像と、を用いる。そこで、第一の熱画像を撮影する赤外線カメラ30と第二の熱画像を撮影する赤外線カメラ30をそれぞれ用意してもよいし、第一の熱画像及び第二の熱画像を撮影する赤外線カメラ30を一つ用意してもよい。
コンクリート構造物1の撮影を広範囲にわたって行う場合は、鉄筋加熱部20と赤外線カメラ30を所定間隔を置いて略一直線上に配置したユニットにし、第二の熱画像撮影時には、鉄筋加熱部20、赤外線カメラ30の順になるように、ユニットを前記一直線に沿って所定速度で移動させて撮影をすると効率的である。
処理部40は、赤外線カメラ30で生成された熱画像データを赤外線カメラ30から直接又は記録媒体32を介して取得し、その熱画像データに基づいて熱画像を生成し、その画像データを表示部50に出力する。また各種演算、推測を行い、そうした結果を表示50に出力する。
図2は本実施例に係る処理部の機能ブロックを示す。
処理部40は、赤外線カメラ30で生成された熱画像データを赤外線カメラ30から直接又は記録媒体32を介して取得し、その熱画像データに基づいて熱画像を生成する画像生成部402と、第一の熱画像に基づきコンクリート加熱前後におけるコンクリート表面の温度上昇量を求めまた第二の熱画像に基づき鉄筋加熱前後におけるコンクリート表面の温度上昇量を求める温度上昇量取得部404と、かぶりコンクリート領域の等価熱物性値、ここでは空洞5の熱容量とコンクリートの熱容量を統合した等価熱容量及び空洞5の熱伝導率とコンクリートの熱伝導率を統合した等価熱伝導率を演算する熱物性値演算部406と、等価熱物性値を用いてかぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量を補正する温度上昇量補正部408と、推測式を用いて鉄筋の腐食率を推測する腐食率推測部410と、各式及び各式で用いる変数を記憶する記憶部412と、を有する。熱物性値演算部406と温度上昇量補正部408と腐食率推測部410で使用される演算式や推測式については下記[2.式の説明]で詳述する。なお一例として、処理部40はコンピュータで実現可能である。
表示部50は、処理部40で生成された熱画像や推測された鉄筋腐食率を画面や印刷物にて表示する。
ヒータ60は、コンクリート構造物1の加熱の際にコンクリート構造物1の被調査面と対向するように設置される。但しヒータ60がコンクリート表裏面にわたって伝播する程度の熱エネルギーを輻射できるならば、ヒータ60をコンクリート構造物1の裏面側(被調査面の背面側)に設置しても良い。
なおヒータ60を用いてコンクリート構造物1を熱する方法は所謂アクティブ法であるが、本実施例では日射でコンクリート構造物1を熱する所謂パッシブ法を利用することも可能である。パッシブ法でコンクリート構造物1を熱する場合、ヒータ60は不要である。
[2.式の説明]
ここでは図2で示される処理部40の熱物性値演算部406、温度上昇量補正部408及び腐食率推測部410で使用される演算式や推測式について説明する。
鉄筋の腐食率nは下記(1)式で表される推測式で求められる。本実施例では腐食率推測部410が下記(1)式を用いて腐食率nを推測する。
Figure 2014206487
n:腐食率、
ΔTst:健全時(腐食鉄筋を含まない)コンクリート表面温度上昇量、
ΔT:(鉄筋加熱前後における)実測コンクリート表面温度上昇量、
st:鉄筋の比熱、
con:コンクリートの比熱、
cor:腐食生成物の比熱、
st:鉄筋の熱伝導率、
con:コンクリートの熱伝導率、
cor:腐食生成物の熱伝導率、
ρst:鉄筋の密度、
ρcon:コンクリートの密度、
ρcor:腐食生成物の密度、
st:鉄筋の断面積、
con:コンクリートの断面積、
c:かぶり厚、
α:拡散性状を表すパラメータ。
上記(1)式のSconの定義は図3で示される。すなわちSconは、鉄筋3からコンクリート表面までのコンクリート断面において鉄筋3の表面からコンクリート表面への最短経路(図3では一点鎖線)を中心にして左右45°までの領域(図3ではドット領域)の面積で定義される。
本実施例において、上記(1)式の変数のうち実測コンクリート表面温度上昇量ΔTが鉄筋加熱後の第二の熱画像から得られる温度情報に基づいて特定される。例えば、鉄筋の腐食率を推測したい各部分毎に、鉄筋加熱前のコンクリート表面温度と鉄筋加熱後のコンクリート表面温度すなわち第二の熱画像から得られる温度情報との差を求めることによって、実測コンクリート表面温度上昇量ΔTを特定できる。
上記(1)式の変数のうち健全時コンクリート表面温度上昇量ΔTstは、初期温度t、外気温t、かぶり厚c、鉄筋径d、電磁誘導出力eを変数とした下記(2)式で表される。
Figure 2014206487
なお健全時コンクリート表面温度上昇量ΔTstについては、初期温度t、外気温t、かぶり厚c、鉄筋径d、電磁誘導出力eをパラメータとしたデータベースを予め構築しておき、鉄筋加熱時にこれらのパラメータを特定してデータベースを用いて求めるようにすると良い。
ところで上記(1)式はコンクリート表面と鉄筋表面の間にコンクリートが満たされていることを前提として考え出されたものである。このためコンクリート表面と鉄筋表面の間に空洞が介在しない場合には高精度に鉄筋の腐食率nを推測できるが、その反面、コンクリート表面と鉄筋表面の間に空洞が介在する場合は、上記(1)式の推測精度は低下する。
こうした推測精度の低下を抑制するために、本実施例では空洞直下の鉄筋の腐食率を推測する場合に上記(1)式の変数を補正するようにしている。具体的には、上記(1)式の実測コンクリート表面温度上昇量ΔTをかぶりコンクリート領域の等価熱物性値によって補正し、補正後のコンクリート表面温度上昇量ΔTバーを上記(1)式の実測コンクリート表面温度上昇量ΔTにあてはめて鉄筋の腐食率nを推測する。
本実施例で使用する等価熱物性値は、空洞の熱容量とコンクリートの熱容量を統合した等価熱容量ρCバーと、空洞の熱伝導率とコンクリートの熱伝導率を統合した等価熱伝導率Kバーである。かぶりコンクリート領域の等価熱容量ρCバーは下記(3)式で表される演算式で求められる。またかぶりコンクリート領域の等価熱伝導率Kバーは下記(4)式で表される演算式で求められる。本実施例では熱物性値演算部406が下記(3)、(4)式を用いて等価熱容量ρCバー及び等価熱伝導率Kバーを演算する。
Figure 2014206487
ρCバー:かぶりコンクリート領域の等価熱容量、
Kバー:かぶりコンクリート領域の等価熱伝導率、
ini:コンクリート加熱前のコンクリート表面の温度、
MAX:コンクリート加熱開始後のコンクリート表面の最高温度、
st:健全時コンクリート表面温度、
ΔT:(コンクリート加熱前後における)実測コンクリート表面温度上昇量、
ρcav:空洞の密度、
ρcon:コンクリートの密度、
cav:空洞の比熱、
con:コンクリートの比熱、
cav:空洞の熱伝導率、
con:コンクリートの熱伝導率。
本実施例において、上記(3)、(4)式の変数のうち実測コンクリート表面温度上昇量ΔTがコンクリート加熱後の第一の熱画像から得られる温度情報に基づいて特定される。例えば、コンクリート加熱前のコンクリート表面温度とコンクリート加熱後のコンクリート表面温度すなわち第一の熱画像から得られる温度情報との差を求めることによって、実測コンクリート表面温度上昇量ΔTを特定できる。
そして求めた等価熱容量ρCバー及び等価熱伝導率Kバーを用いて第二の熱画像から得られる温度情報に基づいて特定される実測コンクリート表面温度上昇量ΔTを補正して補正後のコンクリート表面温度上昇量ΔTバーを算出する。補正後のコンクリート表面温度上昇量ΔTバーは下記(5)式で表される。本実施例では温度上昇量補正部408が下記(5)式を用いて補正後のコンクリート表面温度上昇量ΔTバーを演算する。
Figure 2014206487
このΔTバーを上記(1)式のΔTに当てはめることで、空洞直下の鉄筋の腐食率nを高精度に算出できる。
[3.鉄筋腐食率推測処理]
図4は本実施例に係る鉄筋腐食率推測処理の手順を示す。図4を用いて本実施例の処理手順を説明する。
先ずコンクリート加熱工程を行う(ステップS401)。アクティブ法の場合は、ヒータ60の放熱面とコンクリート構造物1の被調査面とが対向するようにヒータ60を配置した後、ヒータ60を作動させてコンクリート構造物1を熱する。コンクリート構造物1が蓄熱したらヒータ60による加熱を終了する。アクティブ法の代わりに、日射によってコンクリート構造物1を熱するパッシブ法を実施することも可能である。
コンクリート加熱後、第一の熱画像撮影工程を行う(ステップS402)。コンクリート構造物1は内部に蓄熱しているため、外気温がコンクリート構造物1の温度より低くなると、コンクリート内部からコンクリート表面へ熱の伝播が発生する。このときコンクリート内部に空洞5が存在すると、その空洞5によって熱の伝播が妨げられる。このため空洞直上のコンクリート表面は周囲と比較して低温になる。本実施例ではこうした現象を利用する。コンクリート内部からコンクリート表面へ熱の伝播が発生しているときに赤外線カメラ30でコンクリート構造物1の被調査面の熱画像を撮影する。
第一の熱画像撮影後、第一の温度上昇量取得工程を行う(ステップS403)。赤外線カメラ30で取得された熱画像データに基づいて処理部40の画像生成部402で第一の熱画像を生成し、表示部50で表示する。第一の熱画像の中に周囲と比較して低温表示部分が存在すれば、その低温表示部分が空洞5を含むかぶりコンクリート領域であり、その低温表示部分直下に空洞5を伴う腐食鉄筋が存在すると考えられる。このように第一の熱画像の中から低温表示部分を判別することで空洞5の存在及び位置を検知できる。
そしてステップS401のコンクリート加熱工程の前後でかぶりコンクリート領域の表面の温度がどれだけ上昇したか、すなわちかぶりコンクリート領域の表面の第一の温度上昇量ΔTを求める。例えばコンクリート加熱工程前にコンクリート表面の熱画像を撮影して初期温度Tini1を取得しておき、その初期温度Tini1とステップS402で撮影した第一の熱画像の温度Tst1とを比較することで第一の温度上昇量ΔTを求めることができる。または、コンクリート加熱工程前のコンクリート表面の温度が外気温と同等である場合は、コンクリート加熱工程前の外気温Tini1とステップS402で撮影した第一の熱画像の温度Tst1とを比較することで第一の温度上昇量ΔTを求めることができる。こうした演算を処理部40の温度上昇量取得部404で行う。
第一の温度上昇量ΔTを求めた後、熱物性値演算工程を行う(ステップS404)。取得した第一の温度上昇量ΔTを上記(3)、(4)式に当てはめて、等価熱容量ρCバーと等価熱伝導率Kバーをそれぞれ演算する。こうした演算を処理部40の熱物性値演算部406で行う。
等価熱物性値の演算後、鉄筋加熱工程を行う(ステップS405)。誘導コイル204の渦巻を含む面とコンクリート構造物1の被調査面とが対向するように誘導コイル204を配置した後、インバータ202を作動させて誘導コイル204に所定時間通電する。同時に冷却水循環器206を作動させて誘導コイル204の配管に冷却水を供給する。このように鉄筋加熱部20を用いてコンクリート構造物1の鉄筋3を誘導加熱する。
鉄筋3が十分蓄熱したら第二の熱画像撮影工程を行う(ステップS406)。鉄筋3の蓄熱に必要な時間を予め定めておき、インバータ202を作動させてからその時間が経過したら、鉄筋加熱位置から誘導コイル204を移動させ、赤外線カメラ30でコンクリート構造物1の熱画像を撮影する。
第二の熱画像撮影後、第二の温度上昇量取得工程を行う(ステップS407)。赤外線カメラ30で取得された熱画像データに基づいて処理部40の画像生成部402で第二の熱画像を生成し、表示部50で表示する。第二の熱画像では鉄筋3直上のコンクリート表面が高温で表示される。しかしそうした高温表示部分の中に周囲と比較して低温表示部分が存在すれば、その低温表示部分直下に腐食鉄筋が存在すると考えられる。このように第二の熱画像の中の高温表示部分の中から低温表示部分を判別することで腐食鉄筋の存在及び位置を検知することができる。なかでもステップS403で検知した空洞5と位置が一致する腐食鉄筋は空洞を伴う腐食鉄筋と考えられる。
そしてステップS405の鉄筋加熱工程によってかぶりコンクリート領域の表面の温度がどれだけ上昇したか、すなわちかぶりコンクリート領域の表面の第二の温度上昇量ΔTを求める。例えば鉄筋加熱工程前にコンクリート表面の熱画像を撮影して初期温度Tini2を取得しておき、その初期温度Tini2とステップS406で撮影した第二の熱画像の温度Tst2とを比較することで第二の温度上昇量ΔTを求めることができる。または、鉄筋加熱工程前のコンクリート表面の温度が外気温と同等である場合は、鉄筋加熱工程前の外気温Tini2とステップS406で撮影した第二の熱画像の温度Tst2とを比較することで第二の温度上昇量ΔTを求めることができる。こうした演算を処理部40の温度上昇量取得部404で行う。
空洞5の位置と一致する鉄筋、すなわち空洞直下の鉄筋3の腐食率nは、次の温度上昇量補正工程及び腐食率推測工程によって推測する(ステップS408、S409)。ステップS404で求めた等価熱容量ρCバーと等価熱伝導率Kバー及び第二の熱画像から取得した第二の温度上昇量ΔTを上記(5)式に当てはめて、補正後温度上昇量ΔTバーを求める(ステップS408)。そして補正後温度上昇量ΔTバーを上記(1)式のΔTに当てはめて、鉄筋3の腐食率nを推測する(ステップS409)。こうした演算を処理部40の温度上昇量補正部408及び腐食率推測部410で行う。
一方、空洞5の位置と一致しない鉄筋、すなわち空洞直下外の鉄筋3の腐食率nは、次の腐食率推測工程によって推測する(ステップS410)。第二の熱画像から取得した第二の温度上昇量ΔTを上記(1)式に当てはめて、鉄筋3の腐食率nを推測する。こうした演算を処理部40の腐食率推測部410で行う。
以上の処理を行うことによって、空洞直下の鉄筋3の腐食率n及び空洞直下外の鉄筋3の腐食率nを高精度に求めることができる。
なおステップS403の第一の温度上昇量取得工程及びステップS404の熱物性値演算工程は、ステップS402の第一の熱画像撮影工程の後であってステップS408の温度上昇量補正工程及びステップS409の腐食率推測工程の前であればどのタイミングで行っても良い。
[4.試験体を用いた実験]
本発明者らは本実施例に関して試験体を用いた実験を行い、その有効性を実証した。以下でその説明をする。
試験体としては、一端(0mm)から他端(1000mm)にわたって鉄筋が埋め込まれ、そのうち0mm〜約200mmの位置に埋め込まれた鉄筋が腐食及び空洞を伴うコンクリート片を用意した。鉄筋の腐食率は約10%である。
この試験体の上面を赤外線カメラで撮影し、取得された熱画像を用いて複数箇所の鉄筋の腐食率を推測した。個々の箇所の鉄筋腐食率を推測する際には、空洞を考慮する処理すなわち上記(3)〜(5)式を用いて第二の温度上昇量ΔTを補正したうえで上記(1)式を用いて鉄筋の腐食率を推測する処理と、空洞を考慮しない処理すなわち第二の温度上昇量ΔTを補正せずに上記(1)式を用いて鉄筋の腐食率を推測する処理、をそれぞれを行い、互いの推測結果を比較した。
図5はそれぞれの推測処理の結果を示す。図5の横軸は試験体の一端(0mm)を起点とする鉄筋位置を示し、縦軸は鉄筋の腐食率を示す。図5によれば、0mm〜約200mmの位置において、空洞を考慮して推測した鉄筋腐食率の方が空洞を考慮せず推測した鉄筋腐食率よりも誤差が小さいと言える。この結果から、本実施例の鉄筋腐食率推測処理が有効であることが判る。
本実施例は空洞の厚さを推測することによって鉄筋コンクリートを診断するものである。本実施例では、空洞の厚さを、空洞とその直上のコンクリートからなるかぶりコンクリート領域の等価熱物性値を用いて推測する。
[1.鉄筋コンクリート診断装置の構成]
図6は本実施例に係る鉄筋コンクリート診断装置の構成を示す。本実施例の鉄筋コンクリート診断装置は、空洞厚を推測する空洞厚推測装置である。なお本実施例で説明する空洞厚推測装置70は実施例1で説明した鉄筋腐食率推測装置10と一部構成が一致する。そこで実施例1で説明した鉄筋腐食率推測装置10と同一の構成については同一の符号を付し、その構成の説明を省略する。
空洞厚推測装置70は、コンクリート構造物1の表面を撮影して熱画像データを生成する赤外線カメラ30と、赤外線カメラ30で生成された熱画像データを用いてコンクリート構造物1の表面の熱画像を生成したり、またその熱画像を用いて空洞の厚さを推測する処理等を行う処理部80と、処理部80で生成された熱画像を表示する表示部50と、コンクリート構造物1に含まれる空洞5を検知する際にコンクリート構造物1を熱するヒータ60と、を有する。
処理部80は、赤外線カメラ30で生成された熱画像データを赤外線カメラ30から直接又は記録媒体32を介して取得し、その熱画像データに基づいて熱画像を生成し、その画像データを表示部50に出力する。また各種演算、推測を行い、そうした結果を表示50に出力する。
図7は本実施例に係る処理部の機能ブロックを示す。
処理部80は、赤外線カメラ30で生成された熱画像データを赤外線カメラ30から直接又は記録媒体32を介して取得し、その熱画像データに基づいて熱画像を生成する画像生成部802と、熱画像に基づきコンクリート加熱前後におけるコンクリート表面の温度上昇量を求める温度上昇量取得部804と、かぶりコンクリート領域の等価熱物性値、ここではコンクリートの等価熱伝導率を演算する熱物性値演算部806と、空洞5の厚さを推測する空洞厚推測部808と、各式及び各式で用いる変数を記憶する記憶部810と、を有する。熱物性値演算部806と空洞厚推測部808で使用される演算式や推測式については下記[2.式の説明]で詳述する。なお一例として、処理部80はコンピュータで実現可能である。
[2.式の説明]
ここでは図7で示される処理部80の熱物性値演算部806及び空洞厚推測部808で使用される式について説明する。
かぶりコンクリート領域の熱伝導率Kバーは下記(6)、(7)式で表すことができる。下記(6)式は空洞直上のコンクリート表面と空洞直上外のコンクリート表面との温度上昇量の比によって表される等価熱伝導率Kバーを表す式である。一方、下記(7)式は分散系熱伝導率Kバーの推定式である。
Figure 2014206487
Kバー:かぶりコンクリート領域の熱伝導率、
ΔTst:健全時(腐食鉄筋を含まない)コンクリート表面温度上昇量、
ΔT:(コンクリート加熱前後における)実測コンクリート表面温度上昇量、
con:コンクリートの熱伝導率、
cav:空洞の熱伝導率、
φ:かぶりコンクリート領域における空洞5の体積率。
上記(6)、(7)式を用いて等価熱伝導率Kバーを消去し、体積率φについて解くと下記(8)式が得られる。
Figure 2014206487
かぶりコンクリート領域における空洞5の体積率φというのは、かぶり厚cにおける空洞厚の割合と一致する。つまり空洞厚はc・φによって求められ、下記(9)式にようになる。
Figure 2014206487
本実施例では熱画像を用いて実測コンクリート表面温度上昇量ΔTを求め、そのΔTを上記(6)式に当てはめて等価熱伝導率Kバーを求め、そのKバーを上記(7)式に当てはめてかぶりコンクリート領域における空洞5の体積率φを求め、そのφと既知のかぶり厚cを用いて空洞厚c・φを求めるようにしている。
[3.空洞厚推測処理]
図8は本実施例に係る空洞厚推測処理の手順を示す。図8を用いて本実施例の処理手順を説明する。なお下記処理のうちステップS801〜ステップS803の処理内容は、図4を用いて説明した実施例1のステップS401〜ステップS403の処理内容と実質的に同一である。
先ずコンクリート加熱工程を行う(ステップS801)。アクティブ法の場合は、ヒータ60の放熱面とコンクリート構造物1の被調査面とが対向するようにヒータ60を配置した後、ヒータ60を作動させてコンクリート構造物1を熱する。コンクリート構造物1が蓄熱したらヒータ60による加熱を終了する。アクティブ法の代わりに、日射によってコンクリート構造物1を熱するパッシブ法を実施することも可能である。
コンクリート加熱後、熱画像撮影工程を行う(ステップS802)。コンクリート構造物1は内部に蓄熱しているため、外気温がコンクリート構造物1の温度より低くなると、コンクリート内部からコンクリート表面へ熱の伝播が発生する。このときコンクリート内部に空洞5が存在すると、その空洞5によって熱の伝播が妨げられる。このため空洞直上のコンクリート表面は周囲と比較して低温になる。本実施例ではこうした現象を利用する。コンクリート内部からコンクリート表面へ熱の伝播が発生しているときに赤外線カメラ30でコンクリート構造物1の被調査面の熱画像を撮影する。
熱画像撮影後、温度上昇量取得工程を行う(ステップS803)。赤外線カメラ30で取得された熱画像データに基づいて処理部80の画像生成部802で熱画像を生成し、表示部50で表示する。熱画像の中に周囲と比較して低温表示部分が存在すれば、その低温表示部分が空洞5を含むかぶりコンクリート領域であり、その低温表示部分直下に空洞5を伴う腐食鉄筋が存在すると考えられる。このように熱画像の中から低温表示部分を判別することで空洞5の存在及び位置を検知できる。
そしてステップS801のコンクリート加熱工程の前後でかぶりコンクリート領域の表面の温度がどれだけ上昇したか、すなわちかぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量ΔTを求める。例えばコンクリート加熱工程前にコンクリート表面の熱画像を撮影して初期温度Tiniを取得しておき、その初期温度TiniとステップS802で撮影した熱画像の温度Tstとを比較することで温度上昇量ΔTを求めることができる。または、コンクリート加熱工程前のコンクリート表面の温度が外気温と同等である場合は、コンクリート加熱工程前の外気温TiniとステップS802で撮影した熱画像の温度Tstとを比較することで温度上昇量ΔTを求めることができる。こうした演算を処理部80の温度上昇量取得部804で行う。
温度上昇量ΔTを求めた後、熱物性値演算工程と体積率演算工程を行う(ステップS804、S805)。取得した温度上昇量ΔTを上記(6)式に当てはめて、等価熱伝導率Kバーを演算する(ステップS804)。さらに演算した等価熱伝導率Kバーを上記(7)式に当てはめて、かぶりコンクリート領域における空洞5の体積率φを演算する(ステップS805)。こうした演算を処理部80の熱物性値演算部806で行う。
空洞5の体積率φを求めた後、既知のかぶり厚cと体積率φを用いて空洞厚c・φを求める空洞厚推測工程を行う(ステップS806)。こうした演算を処理部80の空洞厚推測部808で行う。
[4.試験体を用いた実験]
本発明者らは本実施例に関して試験体を用いた実験を行い、その有効性を実証した。以下でその説明をする。
試験体としては、縦600mm、横200mm、高さ150mmのコンクリート片であって、かぶり厚30mmとなる位置に縦方向と平行する直径16mmの鉄筋が埋め込まれたコンクリート片を三つ用意した。第一の試験体はかぶり厚の位置に空洞が無い状態を見立てたものである。第二の試験体はかぶり厚の位置に厚さ3mmの空洞がある状態を見立てたものであり、試験体の端部から縦方向300mmまでのかぶり厚の位置に鉄筋表面に沿って厚さ3mmの発泡ポリエチレンが埋め込まれてものである。第三の試験体はかぶり厚の位置に厚さ6mmの空洞がある状態を見立てたものであり、試験体の端部から縦方向300mmまでのかぶり厚の位置に鉄筋表面に沿って厚さ6mmの発泡ポリエチレンが埋め込まれてものである。
各試験体の上面を赤外線カメラで撮影し、取得された熱画像を用いて鉄筋に沿った複数箇所の空洞厚を推測した。
図9、図10はそれぞれの推測処理の結果を示す。図9、図10の横軸は試験体の一端(0mm)を起点として縦方向に沿った位置を示し、縦軸は推測された空洞厚を示す。図9は、厚さ3mmの空洞が存在する状態を見立てた第二の試験体を用いた実験の推測結果を示す。図10は、厚さ6mmの空洞が存在する状態を見立てた第三の試験体を用いた実験の推測結果を示す。図9によれば、0mm〜約300mmの位置の空洞厚がおおよそ3mmを中心として分散していることが判る。また図10によれば、0mm〜約300mmの位置の平均空洞厚がおおよそ6mmを中心として分散していることが判る。これらの結果から、本実施例の空洞厚推測処理が有効であることが判る。
実施例1の鉄筋腐食率推測処理と実施例2の空洞厚推測処理を同時に行い、鉄筋の腐食率nと空洞厚c・φを求めることも可能である。実施例1のステップS401〜ステップS403の処理内容と実施例2のステップS801〜ステップS803の処理内容は実質同一であるから、これらの処理を共通のものとし、それ以降の処理をそれぞれ別々に行えば良い。
1…コンクリート構造物
3…鉄筋
5…空洞
10…鉄筋腐食率推測装置
20…鉄筋加熱部
30…赤外線カメラ
40…処理部
402…画像生成部
404…温度上昇量取得部
406…熱物性値演算部
408…温度上昇量補正部
410…腐食率推測部
412…記憶部
50…表示部
60…ヒータ
70…空洞厚推測装置
80…処理部
802…画像生成部
804…温度上昇量取得部
806…熱物性値演算部
808…空洞厚推測部
810…記憶部

Claims (10)

  1. 鉄筋コンクリートの不具合を診断する鉄筋コンクリート診断方法において、
    パッシブ法またはアクティブ法によってコンクリートに熱を加えるコンクリート加熱工程と、
    前記コンクリート加熱工程後にコンクリート表面の第一の熱画像を撮影する第一の熱画像撮影工程と、
    前記第一の熱画像を用いてコンクリート表面と鉄筋表面の間に介在する空洞を検知すると共に、空洞とその直上のコンクリートからなるかぶりコンクリート領域の表面の第一の温度上昇量を求める第一の温度上昇量取得工程と、
    前記第一の温度上昇量を用いて前記かぶりコンクリート領域の等価熱物性値を演算する熱物性値演算工程と、
    鉄筋に熱を加える鉄筋加熱工程と、
    前記鉄筋加熱工程後にコンクリート表面の第二の熱画像を撮影する第二の熱画像撮影工程と、
    前記第二の熱画像を用いて前記かぶりコンクリート領域の表面の第二の温度上昇量を求める第二の温度上昇量取得工程と、
    前記等価熱物性値を用いて前記第二の温度上昇量を補正して補正後温度上昇量を求める温度上昇量補正工程と、
    前記補正後温度上昇量を用いて空洞直下の鉄筋の腐食率を推測する腐食率推測工程と、を行う
    ことを特徴とする鉄筋コンクリート診断方法。
  2. 前記腐食率推測工程では、コンクリート表面との間に空洞が介在しない鉄筋の腐食率を推測する推測式を用意し、前記補正後温度上昇量を前記推測式に当てはめることによって空洞直下の鉄筋の腐食率を推測する
    請求項1に記載の鉄筋コンクリート診断方法。
  3. 前記第二の温度上昇量取得工程では、さらに、前記かぶりコンクリート領域の表面外であって且つ鉄筋直上のコンクリート表面の第三の温度上昇量を求め、
    前記腐食率推測工程では、コンクリート表面との間に空洞が介在しない鉄筋の腐食率を推測する推測式を用意し、前記補正後温度上昇量を前記推測式に当てはめることによって空洞直下の鉄筋の腐食率を推測し、さらに、前記第三の温度上昇量を前記推測式に当てはめることによって空洞直下外の鉄筋の腐食率を推測する
    請求項1に記載の鉄筋コンクリート診断方法。
  4. 前記推測式は、健全時コンクリート表面温度上昇量(ΔTst)と、実測コンクリート表面温度上昇量(ΔT)と、鉄筋の比熱(Cst)と、コンクリートの比熱(Ccon)と、腐食生成物の比熱(Ccor)と、鉄筋の熱伝導率(kst)と、コンクリートの熱伝導率(kcon)と、腐食生成物の熱伝導率(kcor)と、鉄筋の密度(ρst)と、コンクリートの密度(ρcon)と、腐食生成物の密度(ρcor)と、鉄筋の断面積(Sst)と、コンクリートの断面積(Scon)と、かぶり厚さ(c)と、拡散性状を表すパラメータ(α)と、を変数として鉄筋の腐食率(n)を求める式であり、
    当該推測式の実測コンクリート表面温度上昇量(ΔT)に前記補正後温度上昇量(ΔTバー)を当てはめることによって空洞直下の鉄筋の腐食率(n)を推測する
    請求項2または3に記載の鉄筋コンクリート診断方法。
  5. 前記熱物性値演算工程では、
    前記第一の温度上昇量(ΔT)の他に、前記コンクリート加熱工程によるコンクリート加熱前のコンクリート表面の温度(Tini)およびコンクリート加熱開始後のコンクリート表面の最高温度(TMAX)と、健全時コンクリート表面温度(Tst)と、コンクリートの密度(ρcon)と、空洞の密度(ρcav)と、コンクリートの比熱(Ccon)と、空洞の比熱(Ccav)と、を用いて、コンクリートの熱容量と空洞の熱容量を統合した等価熱容量(ρCバー)を求め、
    また、前記第一の温度上昇量(ΔT)の他に、前記コンクリート加熱工程によるコンクリート加熱前のコンクリート表面の温度(Tini)およびコンクリート加熱開始後のコンクリート表面の最高温度(TMAX)と、健全時コンクリート表面温度(Tst)と、コンクリートの熱伝導率(kcon)と、空洞の熱伝導率(kcav)と、を用いて、コンクリートの熱伝導率と空洞の熱伝導率を統合した等価熱伝導率(Kバー)を求める
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の鉄筋コンクリート診断方法。
  6. 前記温度上昇量補正工程では、等価熱容量(ρCバー)と、コンクリートの密度(ρcon)と、コンクリートの比熱(Ccon)と、等価熱伝導率(Kバー)と、コンクリートの熱伝導率(kcon)と、を用いて、前記第二の温度上昇量(ΔT)を補正して前記補正後温度上昇量(ΔTバー)を求める
    請求項5に記載の鉄筋コンクリート診断方法。
  7. 鉄筋コンクリートの不具合を診断する鉄筋コンクリート診断方法において、
    パッシブ法またはアクティブ法によってコンクリートに熱を加えるコンクリート加熱工程と、
    前記コンクリート加熱工程後にコンクリート表面の熱画像を撮影する熱画像撮影工程と、
    前記熱画像を用いてコンクリート表面と鉄筋表面の間に介在する空洞を検知すると共に、空洞とその直上のコンクリートからなるかぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量を求める表面温度上昇量取得工程と、
    前記温度上昇量を用いて前記かぶりコンクリート領域の等価熱物性値を演算する熱物性値演算工程と、
    前記等価熱物性値を用いて前記かぶりコンクリート領域における空洞の体積率を演算する体積率演算工程と、
    前記体積率を用いて空洞厚を推測する空洞厚推測工程と、を行う
    ことを特徴とする鉄筋コンクリート診断方法。
  8. 前記熱物性値演算工程では、前記温度上昇量(ΔT)と、前記温度上昇量(ΔTst)と、コンクリートの熱伝導率(kcon)と、を用いて、コンクリートの等価熱伝導率(Kバー)を演算し、
    前記体積率演算工程では、等価熱伝導率(Kバー)と、コンクリートの熱伝導率(kcon)と、空洞の熱伝導率(kcav)と、を用いて、前記体積率(φ)を演算する
    請求項7に記載の鉄筋コンクリート診断方法。
  9. 鉄筋コンクリートの不具合を診断する鉄筋コンクリート診断装置において、
    鉄筋に熱を加える鉄筋加熱部と、
    パッシブ法またはアクティブ法によるコンクリート加熱後のコンクリート表面の第一の熱画像および前記鉄筋加熱部による鉄筋加熱後のコンクリート表面の第二の熱画像を撮影する赤外線カメラと、
    前記第一の熱画像を用いてコンクリート表面と鉄筋表面の間に介在する空洞とその空洞直上のコンクリートからなるかぶりコンクリート領域の表面の第一の温度上昇量を求める第一の温度上昇量取得部と、
    前記第一の温度上昇量を用いて前記かぶりコンクリート領域の等価熱物性値を演算する熱物性値演算部と、
    前記第二の熱画像を用いて前記かぶりコンクリート領域の表面の第二の温度上昇量を求める第二の温度上昇量取得部と、
    前記等価熱物性値を用いて前記第二の温度上昇量を補正して補正後温度上昇量を求める温度上昇量補正部と、
    前記補正後温度上昇量を用いて空洞直下の鉄筋の腐食率を推測する腐食率推測部と、
    推測された前記鉄筋の腐食率を表示する表示部と、を備えた
    ことを特徴とする鉄筋コンクリート診断装置。
  10. 鉄筋コンクリートの不具合を診断する鉄筋コンクリート診断装置において、
    パッシブ法またはアクティブ法によるコンクリート加熱後のコンクリート表面の熱画像を撮影する赤外線カメラと、
    前記熱画像を用いてコンクリート表面と鉄筋表面の間に介在する空洞とその空洞直上のコンクリートからなるかぶりコンクリート領域の表面の温度上昇量を求める温度上昇量取得部と、
    前記度上昇量を用いて前記かぶりコンクリート領域の等価熱物性値を演算する熱物性値演算部と、
    前記等価熱物性値を用いて前記かぶりコンクリート領域における空洞の体積率を演算する体積率演算部と、
    前記体積率を用いて空洞厚を推測する空洞厚推測部と、
    推測された前記空洞厚を表示する表示部と、を備えた
    ことを特徴とする鉄筋コンクリート診断装置。
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