JP6230780B2 - 非アルコール飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非アルコール飲料及びその製造方法に関する。
近年の健康志向の高まりにより、休肝日を設けるなどしてアルコールの摂取を自己管理する消費者が多くなっている。また、飲酒運転を防止する必要から、飲酒を控える場面が多くなっている。このような状況下、アルコール飲料の代替品として、アルコールを含有しない非アルコール飲料が脚光を浴びている。しかし、非アルコール飲料はアルコールを含んでいないので、アルコール発酵飲料やそれらを蒸留したものを飲用したときに感じる独特の香りや味(アルコール感)が十分とはいえない。市場からは、よりアルコール感が付与された非アルコール飲料の登場が熱望されている。
かかる要望を受け、非アルコール飲料にアルコール感を付与することを目的とした発明がなされ、特許文献1〜4に記載されている。
特許文献1には、炭素数4または5の脂肪族アルコールと収斂味付与物質とを含んでなるアルコール感が付与された非アルコール飲料であって、飲料中の炭素数4または5の脂肪族アルコール濃度が1〜100mg/lである飲料が記載されている。収斂味付与物質濃度が酸味付与物質であるときは、飲料中の酸味付与物質濃度を20〜800mg/l、収斂味付与物質濃度が苦味付与物質であるときは、飲料中の苦味付与物質濃度を0.05〜5mg/lとする旨が記載されている。
また、特許文献2には、カプサイシン類と炭素数3〜5の脂肪族1価アルコールとを含んでなるアルコール感が付与された非アルコール飲料であって、飲料中のカプサイシン類濃度が0.002〜0.056ppmであり、かつ、飲料中の炭素数3〜5の脂肪族1価アルコール濃度が12.5〜400ppmである飲料が記載されている。
特許文献3には、アセトアルデヒドを含んでなる、アルコール飲料の飲用感が付与された炭酸ガス含有非アルコール飲料であって、アセトアルデヒド濃度が1〜100ppmであり、かつ、炭酸ガス圧が0.1〜0.35MPaである飲料が記載されている。
そして、特許文献4には、酸味付与物質と苦味付与物質とを含んでなるアルコール感が付与された非アルコール飲料であって、飲料中の酸味付与物質濃度が100〜5000ppmであり、飲料中の苦味付与物質濃度が0.1〜3.5ppmである飲料が記載されている。
特開2012−60975号公報 特開2012−16308号公報 特開2012−16307号公報 特開2011−254731号公報
しかしながら、特許文献1〜4に記載されている発明は、非アルコール飲料の香味に強く影響する収斂味付与物質やカプサイシン類などの物質を含有させる必要がある。そのため、非アルコール飲料の香味にこれらの物質由来の香味が影響する恐れがある。
また、特許文献1〜4に記載されている発明のものに限らず、非アルコール飲料はアルコール発酵させないものが殆どであるので、味に厚みが不足しているという指摘や、同時に添加されることの多い果汁等の酸味や渋味に起因する後味を和らげ難いという指摘もある。すなわち、非アルコール飲料には潜在的に、味に厚みが不足し、後味のバランスが悪いという指摘がある。
本発明は前記状況に鑑みてなされたものであり、アルコール感を付与し、味に厚みがあり、後味改善効果のある非アルコール飲料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく膨大な数の化合物とその組み合わせ、含有率等について試行錯誤した結果、以下の構成とすることにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。前記課題を解決した本発明は、以下の構成を有する。
(1)2−メチルブタナール及び3−メチルブタナールのうちの少なくとも1つからなる炭素数5の脂肪族アルデヒドの含有率が0.05〜0.5ppmであり酢酸イソブチル及び酢酸エチルのうちの少なくとも1つからなる酢酸エステルと、含有率が0.05〜0.5ppmであることを特徴とする非アルコール飲料
(2)前記炭素数5の脂肪族アルデヒドの含有量と、前記酢酸エステルの含有量との合計が、0.15ppm以上であることを特徴とする(1)に記載の非アルコール飲料
(3)発泡性であることを特徴とする(1)又は2)に記載の非アルコール飲料。
4)非アルコール飲料を製造する非アルコール飲料の製造方法であって、その製造工程中のいずれかの段階で、2−メチルブタナール及び3−メチルブタナールのうちの少なくとも1つからなる炭素数5の脂肪族アルデヒドと、酢酸イソブチル及び酢酸エチルのうちの少なくとも1つからなる酢酸エステルと、を混合して、前記炭素数5の脂肪族アルデヒドの含有率を0.05〜0.5ppmとし、前記酢酸エステルの含有率を0.05〜0.5ppmとすることを特徴とする非アルコール飲料の製造方法
(5)前記炭素数5の脂肪族アルデヒドの含有量と、前記酢酸エステルの含有量との合計が、0.15ppm以上であることを特徴とする(4)に記載の非アルコール飲料の製造方法
(6)製造工程中のいずれかの段階でカーボネーションを行うことを特徴とする(又は5)に記載の非アルコール飲料の製造方法。
本発明によれば、アルコール感を付与し、味に厚みがあり、後味改善効果のある非アルコール飲料及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る非アルコール飲料の製造方法を説明するフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態(実施形態)を詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る非アルコール飲料は、炭素数5の脂肪族アルデヒドと、酢酸エステルと、を含有している。このように、炭素数5の脂肪族アルデヒドと酢酸エステルを含有させることによって、非アルコール飲料にアルコール感を付与することが可能となる。また、味に厚みが出て、後味改善効果を得ることが可能となる。
ここで、非アルコール飲料とは、炭酸飲料、果汁又は野菜汁入り飲料、健康飲料などの飲料で、アルコール濃度が1容量/容量%(v/v%)未満のものをいう。この非アルコール飲料には、アルコールが全く含まれていない、アルコール濃度が0.00v/v%である飲料(完全無アルコール飲料などとも呼ばれている。)も含まれる。なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
炭素数5の脂肪族アルデヒドとしては、例えば、2−メチルブタナール、3−メチルブタナール、2,2−ジメチル−1−プロパナール、ペンタナールなどを用いることができる。これらの中でも、2−メチルブタナール及び3−メチルブタナールのうちの少なくとも1つを用いるのが好ましい。
炭素数5の脂肪族アルデヒドの含有率は、0.05〜0.5ppmであるのが好ましい。炭素数5の脂肪族アルデヒドの含有率がこの範囲にあると、非アルコール飲料に、より確実にアルコール感を付与することが可能となる。また、味により厚みが出て、後味改善効果をより確実に得ることが可能となる。
なお、本明細書で香味という場合は、香りと味を対象としており、香りという場合は、香りのみを対象とし、味という場合は味のみを対象としている。また、アルコール感とは、アルコール発酵飲料やそれらを蒸留したものを飲用したときに感じる独特の香りや味をいう。そして、味に厚みが出るとは、飲用したときに、味わいに奥行きが感じられ、どっしりとした感じになることをいう。後味改善効果とは、酸味や渋味に起因する後味のバランスを改善する効果をいう。
炭素数5の脂肪族アルデヒドの含有率が前記特定範囲よりも少ないと、アルコール感が感じられ難くなったり、味に厚みがなくなったり、後味改善効果が得られなくなったりするおそれがある。一方で、炭素数5の脂肪族アルデヒドの含有率が前記特定範囲よりも多いと、炭素数5の脂肪族アルデヒド特有の香りが強くなり過ぎるおそれがある。炭素数5の脂肪族アルデヒドの含有率は、0.1〜0.5ppmとするのが好ましい。
酢酸エステルとしては、例えば、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸オクチル、酢酸ゲラニル、酢酸ビニル、酢酸フェニル、酢酸ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸tert−ブチル、酢酸フルフリル、酢酸プロピル、酢酸ヘプチル、酢酸ベンジル、酢酸メチル、酢酸リナリルなどを用いることができる。これらの中でも、酢酸イソブチル及び酢酸エチルのうちの少なくとも1つを用いるのが好ましい。
酢酸エステルの含有率は、0.05〜0.5ppmであるのが好ましい。酢酸エステルの含有率がこの範囲にあると、非アルコール飲料に、より確実にアルコール感を付与することが可能となる。また、味により厚みが出て、後味改善効果をより確実に得ることが可能となる。
なお、前記した炭素数5の脂肪族アルデヒドの含有率と酢酸エステルの含有率をそれぞれについて説明した数値範囲を同時に満たすようにすると、非アルコール飲料へのアルコール感の付与と、味の厚みと、後味改善効果と、を確実に得ることが可能となる。
酢酸エステルの含有率が前記特定範囲よりも少ないと、アルコール感が感じられ難くなったり、味に厚みがなくなったり、後味改善効果が得られなくなったりするおそれがある。一方で、酢酸エステルの含有率が前記特定範囲よりも多いと、酢酸エステル特有の香りが強くなり過ぎるおそれがある。酢酸エステルの含有率は、0.1〜0.5ppmとするのが好ましい。
前記した炭素数5の脂肪族アルデヒドの含有量と、酢酸エステルの含有量との合計は、0.15ppm以上であるのが好ましい。このようにすると、非アルコール飲料に、さらに確実にアルコール感を付与することができるようになる。また、味にさらに厚みが出て、後味改善効果をさらに確実に得ることが可能となる。
本実施形態に係る非アルコール飲料は、非発泡性とすることもできるが、発泡性とするのが好ましい。発泡性とすると、爽快感を高めることができたり、後記する果汁等を含む場合は、その香りを強く感じさせることができたりするようになる。ここで、本発明における非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.05MPa未満であることをいい、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.05MPa以上であることをいう。なお、発泡性とする場合、ガス圧の上限は0.40MPa程度とするのが好ましい。これよりもガス圧が高くなると炭酸の刺激が強くなり過ぎてしまうので好ましくない。
本実施形態に係る非アルコール飲料は、前記したもの以外にも本発明の所望の効果が阻害されない範囲で、任意に果汁、野菜汁、茶、茶抽出物、添加剤などを含有させることができる。
果汁は、例えば、レモン、ライム、グレープフルーツ、オレンジ、イヨカン、ウンシュウミカン、カボス、キシュウミカン、キノット、コウジ、サンボウカン、シトロン、ジャバラ、スダチ、ダイダイ、タチバナ、タンゴール、ナツミカン、ハッサク、ハナユズ、ヒュウガナツ、ヒラミレモン(シークヮーサー)、ブンタン、ポンカン(マンダリンオレンジ)、ユズ、セイヨウリンゴ(いわゆるリンゴ)、エゾノコリンゴ、カイドウズミ、ハナカイドウ、イヌリンゴ(ヒメリンゴ)、マルバカイドウ、ノカイドウ、ズミ(コリンゴ、コナシ)、オオウラジロノキ、ブドウ、ライチ、イチゴ、モモ、メロン、パイナップル、グァバ、バナナ、マンゴー、アセロラ、パパイヤ、パッションフルーツ、ウメ、ナシ、アンズ、スモモ、キウイフルーツ、カシス、ブルーベリー、ラズベリーなどから一種又は二種以上を選択して搾汁したものを用いることができる。
野菜汁は、例えば、トマト、ニンジン、セロリ、キュウリ、スイカ、ピーマン、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、クレソン、ケール、ほうれん草、大根、かぼちゃ、白菜、レタスなどから一種又は二種以上を選択して搾汁したものを用いることができる。
前記した果汁は、いわゆるストレート果汁、ストレート果汁を希釈した果汁、濃縮果汁及び濃縮還元果汁のいずれをも用いることができる(野菜汁もこれと同じ態様とすることができる)。なお、ストレート果汁とは、前記した果実の搾汁に対し、濃縮や希釈などを行っていない果汁をいう。また、濃縮果汁とは、ストレート果汁に対し、加熱濃縮法や冷凍濃縮法などによって果汁中の水分を取り除き、果汁の濃度を高めたものをいう。また、濃縮還元果汁とは、濃縮果汁に対し、計算上、ストレート果汁と同等の濃度となるように水等で希釈した果汁をいう。
茶は、例えば、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶及び後発酵茶のうちの少なくとも1つを用いることができる。不発酵茶としては、例えば、煎茶、茎茶、芽茶、粉茶、番茶、玉露、かぶせ茶、玄米茶、ほうじ茶、抹茶、中国緑茶、黄茶などが挙げられる。半発酵茶としては、例えば、ウーロン茶、白茶などが挙げられる。発酵茶としては、例えば、紅茶などが挙げられる。後発酵茶としては、例えば、プーアル茶などが挙げられる。また、茶は、チャノキ(Camellia sinensis)以外の植物を一部又は全部に用いたものであってもよく、そのようなものとして、例えば、桂花烏龍茶、杜仲茶、アマチャヅル茶、甜茶、マテ茶、麦茶などを挙げることができる。
茶抽出物は、前記した茶の原料、例えば茶葉などを、常温又は加熱した水及び/又は有機溶剤(例えばエタノール等)で抽出したものを用いることができる。
添加剤は、非アルコール飲料に通常配合される着色料、酸味料、糖類、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料などを用いることができる。このような着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、合成色素などを用いることができる。酸味料としては、例えば、乳酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸またはそれらの塩などを用いることができる。糖類としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、ショ糖、オリゴ糖、多糖類などを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、アセスルファムK、スクラロース、アスパルテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンEなどを用いることができる。これらの添加剤、及び前記した果汁、茶や茶抽出物などは一般に市販されているものを使用することができる。
本実施形態に係る非アルコール飲料は、容器に詰めて提供することができる。容器は、密閉できる容器であればよく、アルミニウム製又はスチール製のいわゆる缶容器や樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのような容器も適用することができる。
本実施形態に係る非アルコール飲料は、例えば、ノンアルコールチューハイ、ノンアルコールカクテル、ノンアルコール梅酒、ノンアルコールワインなどに適用することができる。
前記した本実施形態に係る非アルコール飲料は、以下のようにして製造することができる。
前記した本実施形態に係る非アルコール飲料の製造は、その製造工程中のいずれかの段階で、前記した炭素数5の脂肪族アルデヒドと酢酸エステルを混合させるが、これらを混合する順序に特に決まりはない。例えば、混合タンクなどに添加して混合することができる。当該混合タンクなどには、前記した炭素数5の脂肪族アルデヒドと酢酸エステルの添加前、添加と同時及び添加後のいずれかのタイミングで所定量の水と、必要に応じて果汁、野菜汁、茶、茶抽出物、添加剤などを添加することができる。
図1を参照して前記した非アルコール飲料の製造方法の一実施形態について説明する。本実施形態に係る製造方法は、前記した炭素数5の脂肪族アルデヒドと酢酸エステルを、好ましくは製造後の製品中に前記した特定範囲で含有されるようにそれぞれ混合する混合ステップS1と、混合ステップS1で混合した混合液をろ過するろ過ステップS2と、ろ過ステップS2でろ過したろ過液を殺菌する殺菌ステップS3と、殺菌ステップS3で殺菌した殺菌済みのろ過液をビンや缶、ペットボトルなどの容器に充填する充填ステップS4とを含む。
なお、混合ステップS1は、添加した各成分がよく混ざるよう、撹拌機などにより撹拌しながら混合するのが好ましい。また、ろ過ステップS2は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。殺菌ステップS3は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく種々の殺菌手段が適用可能である。充填ステップS4は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填するのが好ましい。
また、発泡性の非アルコール飲料とする場合は、例えば、殺菌ステップS3と充填ステップS4の間でカーボネーションを行っても良い。
以上のような工程を、前記した手順に沿って実施することで、前記した本実施形態に係る非アルコール飲料を製造することができる。
次に、本発明の所望の効果を奏する実施例により本発明について具体的に説明する。
非アルコール飲料として、アルコールを含まない(0.00v/v%)レモン果汁入り炭酸水を調製した。レモン果汁入り炭酸水は、炭酸水にレモン果汁をストレート換算で3質量/質量%(w/w%)となるように添加し、炭酸ガス圧0.18MPa(測定温度20℃)とし、さらに、下記表1のNo.1〜29に示すように、炭素数5の脂肪族アルデヒド及び/又は酢酸エステルを含有させた。なお、炭素数5の脂肪族アルデヒドとして、2−メチルブタナール及び3−メチルブタナールを用いた。酢酸エステルとして、酢酸イソブチル、酢酸エチルを用いた。また、No.1のサンプルはブランクであり、これらの成分を含有させなかった。
調製したNo.1〜29のサンプルについて、アルコール感、味の厚み、後味改善効果及び総合評価の4つの評価項目を評価した。これらの評価は、よく訓練された専門のパネル8名が行った。評価は前記評価基準に則って各パネルが独立点数付けした。表1にはNo.1〜29のサンプルの組成(ppm)とともに、前記した各評価項目に関する8名のパネルの平均値を記載した。なお、表1中の「−」は該当する成分を添加していないことを示す。
アルコール感は、サンプルを飲用したときにアルコール感を全く感じない(0点)から、アルコール感を強く感じる(4点)の5段階評価とした。
味の厚みは、サンプルを飲用したときに味の厚みが感じられない(0点)から、味の厚みを強く感じる(4点)の5段階評価とした。
後味改善効果は、サンプルを飲用した後に、口中に残るレモン果汁の酸味を和らげる効果が感じられない(0点)から、レモン果汁の酸味を和らげる効果が強く感じられる(4点)の5段階評価とした。
総合評価は、アルコール感、味の厚み及び後味改善効果を総合的に判断し、サンプルが非アルコール飲料として劣っている(0点)から、非常に優れている(4点)の5段階評価とした。
各評価項目は、平均値が0〜1点であるものを全く効果がないと評価し、1.1〜2.5点であるものを高い効果が望めないと評価し、2.6〜4点であるものを顕著な効果があると評価した。
サンプルの最終的な評価については、総合評価が2.6点以上のものを非アルコール飲料として優れていると評価した。すなわち、総合評価以外の評価項目の一部に2.6点以上を獲得するものがあっても、総合評価が2.6点に満たないものは所望の効果が得られなかったと評価した。
Figure 0006230780
まず、表1のNo.3、4、6のサンプルとNo.7〜9のサンプルから、炭素数5の脂肪族アルデヒドである2−メチルブタナールと3−メチルブタナールは、同程度の含有率であれば同じような評価結果となることが確認された。同様に、No.10〜12のサンプルとNo.13〜15のサンプルから、酢酸エステルである酢酸イソブチルと酢酸エチルは、同程度の含有率であれば同じような評価結果となることが確認された。
そして、表1に示すように、No.1〜15のサンプルは、炭素数5の脂肪族アルデヒド及び酢酸エステルのうちの少なくとも一方を含んでいないので、総合評価が合格とはならなかった(すなわち、アルコール感、味の厚み、後味改善効果のうちのいずれかの評価、又はこれらの総合的な評価が低い結果となった。)。
No.16のサンプルは、酢酸エステルとして用いた酢酸イソブチルの含有率が少なかったので、総合評価が合格とはならなかった(同上)。
これに対し、No.17〜29のサンプルは、炭素数5の脂肪族アルデヒド及び酢酸エステルを含有していたので、総合評価が合格となった。また、これらは、収斂味付与物質やカプサイシン類などの物質を含有していないので、非アルコール飲料の香味にこれらの物質由来の香味は影響しない。
以上、表1から明らかなように、本発明の要件を満たすことにより、アルコール感を付与し、味に厚みがあり、後味改善効果のある非アルコール飲料を提供できることが分かった。特に、非アルコール飲料に含有される炭素数5の脂肪族アルデヒドの含有率が0.05〜0.5ppmであり、酢酸エステルの含有率が0.05〜0.5ppmである場合に、顕著な効果がより確実に得られることが分かった。また、炭素数5の脂肪族アルデヒドの含有量と、酢酸エステルの含有量との合計が、0.15ppm以上であると、顕著な効果をさらに確実に得られることが分かった。
以上、発明を実施する形態及び実施例により本発明に係る非アルコール飲料について詳細に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
例えば、本発明に係る非アルコール飲料の好ましい態様として、炭素数5の脂肪族アルデヒドの含有率を0.05〜0.5ppmとし、酢酸エステルの含有率を0.05〜0.5ppmとすることを説明した。これらの含有率は、ユーザーが本発明に係る非アルコール飲料を飲用するときに適した数値範囲である。従って、本発明に係る非アルコール飲料は、炭素数5の脂肪族アルデヒドと酢酸エステルの濃度を高めた濃縮コンク液として流通させ、ユーザーが飲用するときにこれらの成分の含有率が前記数値範囲となるように水や炭酸水などで希釈させるようにしてもよい。このような変形例も本発明の趣旨に含まれる。
S1 混合ステップ
S2 ろ過ステップ
S3 殺菌ステップ
S4 充填ステップ

Claims (6)

  1. 2−メチルブタナール及び3−メチルブタナールのうちの少なくとも1つからなる炭素数5の脂肪族アルデヒドの含有率が0.05〜0.5ppmであり酢酸イソブチル及び酢酸エチルのうちの少なくとも1つからなる酢酸エステル含有率が0.05〜0.5ppmであることを特徴とする非アルコール飲料。
  2. 前記炭素数5の脂肪族アルデヒドの含有量と、前記酢酸エステルの含有量との合計が、0.15ppm以上であることを特徴とする請求項1に記載の非アルコール飲料。
  3. 発泡性であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非アルコール飲料。
  4. アルコール飲料を製造する非アルコール飲料の製造方法であって、
    その製造工程中のいずれかの段階で、2−メチルブタナール及び3−メチルブタナールのうちの少なくとも1つからなる炭素数5の脂肪族アルデヒドと、酢酸イソブチル及び酢酸エチルのうちの少なくとも1つからなる酢酸エステルと、を混合して、前記炭素数5の脂肪族アルデヒドの含有率を0.05〜0.5ppmとし、前記酢酸エステルの含有率を0.05〜0.5ppmとすることを特徴とする非アルコール飲料の製造方法。
  5. 前記炭素数5の脂肪族アルデヒドの含有量と、前記酢酸エステルの含有量との合計が、0.15ppm以上であることを特徴とする請求項に記載の非アルコール飲料の製造方法。
  6. 製造工程中のいずれかの段階でカーボネーションを行うことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の非アルコール飲料の製造方法。
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