JP6229826B2 - 車載用照明装置および車載用灯具 - Google Patents
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Description
そして、基板と発光ダイオードとを接着する接着層と、配線パターンを覆う接着層とを同材料から形成した照明装置が提案されている。
この様な照明装置において、発光素子(ベアチップ)の順方向電圧特性(Vf特性)を測定し、ランク分けして用いることは非効率である。
そのため、発光素子と電気的に接続された膜状の抵抗器(例えば、印刷抵抗)をトリミングして、発光素子に流れる電流値、または、発光素子の光束値を制御する技術が提案されている。
ここで、トリミング後の膜状の抵抗器を樹脂で覆う場合がある。
ところが、従来においては、封止部に含まれる樹脂と、膜状の抵抗器を覆う樹脂とが異なるものとなっていた。
そのため、封止部の形成と、膜状の抵抗器の形成とでは、樹脂を硬化または安定化させるために必要となる時間が異なるものとなっていた。
その結果、製造工程の煩雑化や製造コストの増大を招くおそれがある。
また、熱履歴が多くなり、基板の表面に設けられた発光素子などに対する熱の影響が大きくなるおそれがある。
この車載用照明装置によれば、製造工程の簡略化、および、発光素子などに対する熱の影響の抑制を図ることができる。
また、この車載用照明装置によれば、温度変化に対する耐性を高めることができる。
図1は、本実施の形態に係る照明装置1を例示するための模式斜視図である。
また、図1においては、図を見やすくするために封止部27、包囲壁部材32および被覆部28を省いて描いている。
図2は、発光部20の模式斜視図である。
図3は、発光部20の模式分解図である。
図4は、発光部20の模式平面図である。
本体部10には、収納部11、フランジ部12、およびフィン13が設けられている。 収納部11は、円筒状を呈し、フランジ部12の一方の面から突出している。収納部11の内側には、発光部20が収納されている。また、収納部11の内側には、給電部30の給電端子31が突出している。
また、複数の凸部11aとフランジ部12との間には、ゴムやシリコーン樹脂などの材料からなるシール部材を設けることもできる。
フィン13は、フランジ部12の面から突出して複数設けられている。複数のフィン13は、板状を呈し、放熱フィンとして機能する。
そのため、熱を外部に放出することを考慮して、本体部10を熱伝導率の高い材料から形成することができる。例えば、本体部10は、アルミニウム、アルミニウム合金、高熱伝導性樹脂などから形成することができる。高熱伝導性樹脂は、例えば、PETやナイロン等の樹脂に、熱伝導率の高い炭素や酸化アルミニウム等の繊維や粒子を混合させたものである。
この場合、フィン13などの熱を外部に放出する部分を熱伝導率の高い材料から形成し、その他の部分を樹脂などから形成することもできる。
基板21は、本体部10の収納部11の内側に設けられている。
基板21は、板状を呈し、表面に配線パターン24が設けられている。
基板21は、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどセラミックスや、金属板の表面を絶縁材料で被覆したものなどから形成することができる。
なお、金属板の表面を絶縁材料で被覆する場合には、絶縁材料は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。
そのため、発光素子22の数が多いなどのために発熱量が多い場合には、これらの材料を用いて基板21を形成することが好ましい。
また、基板21は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
図4に示すように、発光素子22は、配線パターン24に設けられる側とは反対側の面(上面)に電極29を有したものとすることができる。なお、電極29は、配線パターン24に設けられる側の面(下面)と、配線パターン24に設けられる側とは反対側の面(上面)とに設けられていてもよいし、どちらかの面のみに設けられていてもよい。
発光素子22の光の出射面である上面は、照明装置1の正面側に向けられており、主に、照明装置1の正面側に向けて光を出射する。
発光素子22の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。
制御素子23は、逆方向電圧が発光素子22に印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22に印加されないようにするために設けられている。
制御素子23は、例えば、ダイオードとすることができる。図4などに例示をした制御素子23は、表面実装型のダイオードであるがこれに限定されるわけではない。制御素子23は、例えば、リード線を有するダイオードなどとすることもできる。
配線パターン24は、基板21の両方の面に設けることもできるが、製造コストを低減させるためには、基板21の一方の面に設けるようにすることが好ましい。
配線パターン24には、入力端子24aが設けられている。
入力端子24aは、複数設けられている。入力端子24aには、給電部30の給電端子31が電気的に接続されている。そのため、発光素子22は、配線パターン24を介して、給電部30と電気的に接続されている。
配線25は、例えば、金を主成分とする線とすることができる。ただし、配線25の材料は、金を主成分とするものに限定されるわけではなく、例えば、銅を主成分とするものや、アルミニウムを主成分とするものなどであってもよい。
抵抗器26は、発光素子22に流れる電流を制御する。
発光素子22の順方向電圧特性にはばらつきがあるので、発光素子22の明るさ(光束、輝度、光度、照度)には、ばらつきが生じ得る。そのため、発光素子22の明るさが所定の範囲内に収まるように、抵抗器26により、発光素子22に流れる電流の値が所望の範囲内となるようにしている。
抵抗器26は、例えば、酸化ルテニウムを用いて形成された膜状の抵抗器とすることができる。
例えば、図4に示すように、膜状の抵抗器26の一部を除去して、厚み方向に貫通した除去部26aを形成することで、膜状の抵抗器26の抵抗値を変化させることができる。この場合、膜状の抵抗器26の一部を除去すれば、抵抗値は増加することになる。
抵抗器26の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
包囲壁部材32は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)やPC(polycarbonate)などの樹脂や、セラミックスなどから形成することができる。
また、包囲壁部材32の材料を樹脂とする場合には、酸化チタンなどの粒子を混合して、発光素子22から出射した光に対する反射率を向上させるようにすることができる。
なお、酸化チタンの粒子に限定されるわけではなく、発光素子22から出射した光に対する反射率が高い材料からなる粒子を混合させるようにすればよい。
また、包囲壁部材32は、例えば、白色の樹脂から形成することもできる。
また、発光素子22から照明装置1の正面側に向けて出射された光の一部であって封止部27の天面(封止部27と外気との界面)で全反射した光は、包囲壁部材32の中央部32a側の側壁面32bで反射して、再び照明装置1の正面側に向けて照射される。
封止部27は、透光性を有する樹脂から形成されている。封止部27は、例えば、シリコーン樹脂などから形成することができる。
封止部27は、例えば、複数の発光素子22、複数の配線25、複数の実装パッド24b、および複数の配線パッド24cを覆うように樹脂を供給することで形成することができる。樹脂の供給は、例えば、ディスペンサなどの液体定量吐出装置を用いて行うことができる。
この様な粘度とすれば、ディスペンサなどを用いて塗布を行う際に、任意の形状に塗布することが容易となる。
例えば、発光素子22が青色発光ダイオード、蛍光体がYAG系蛍光体である場合には、発光素子22から出射した青色の光によりYAG系蛍光体が励起され、YAG系蛍光体から黄色の蛍光が放射される。そして、青色の光と黄色の光が混ざり合うことで、白色の光が照明装置1から出射される。
なお、蛍光体の種類や発光素子22の種類は例示をしたものに限定されるわけではなく、照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
後述するように、被覆部28は、封止部27に含まれる樹脂と同じ樹脂を含む。
被覆部28は、例えば、複数の抵抗器26を覆うように樹脂を供給することで形成することができる。樹脂の供給は、例えば、ディスペンサなどの液体定量吐出装置を用いて行うことができる。
この様な粘度とすれば、ディスペンサなどを用いて塗布を行う際に、任意の形状に塗布することが容易となる。
なお、被覆部28に関する詳細は後述する。
複数の給電端子31は、収納部11およびフランジ部12の内側を延びている。複数の給電端子31の一方の端部は、収納部11の底面から突出し、配線パターン24の入力端子24aと電気的に接続されている。複数の給電端子31の他方の端部は、本体部10の基板21が設けられる側とは反対の側から露出している。
また、給電部30は、図示しない基板や、コンデンサや抵抗などの回路部品を備えたものとすることもできる。なお、図示しない基板や回路部品は、例えば、収納部11またはフランジ部12の内部に設けることができる。
本体部40aは、樹脂などの絶縁材料から形成されている。本体部40aの内部には図示しないめす型端子が延びている。図示しないめす型端子の一方の端部は、本体部40aの一方の端面に露出している。本体部40aの一方の端面に露出している図示しないめす型端子の端部には、給電端子31が嵌め合わされる。
図示しないめす型端子の他方に端部には、配線40bが電気的に接続されている。
配線40bには、図示しない電源などが電気的に接続される。
そのため、ソケット40を給電端子31に嵌め合わせることで、図示しない電源などと、発光素子22とが電気的に接続される。
ソケット40は、例えば、接着剤などを用いて本体部10側の要素に接合することができる。
被覆部28を形成する際に用いる樹脂は、封止部27を形成する際に用いる樹脂と同じ樹脂とすることが好ましい。
そのため、熱履歴が多くなり、基板21の表面に設けられた発光素子22、制御素子23、配線25、抵抗器26などに対する熱の影響が大きくなるおそれがある。
そのため、製造工程の煩雑化や製造コストの増大を招くおそれがある。
そのため、熱履歴を少なくすることができるので、基板21の表面に設けられた発光素子22、制御素子23、配線25、抵抗器26などに対する熱の影響を抑制することができる。
すなわち、封止部27と、被覆部28とは、基板21の表面に供給された樹脂を同じ熱硬化工程において硬化させることで形成することができる。
そのため、製造工程の簡略化や製造コストの低減を図ることができる。
この場合、基板21をセラミックスを用いて形成すると、基板21の線膨張係数は、7ppm/K程度となる。
被覆部28をエポキシ樹脂を用いて形成すると、被覆部28の線膨張係数(硬化後のエポキシ樹脂の線膨張係数)は、60ppm/K程度となる。
被覆部28をシリコーン樹脂を用いて形成すると、被覆部28の線膨張係数(硬化後のシリコーン樹脂の線膨張係数)は、200ppm/K程度となる。
温度が高い場合には、相対的に、被覆部28は基板21がある側とは反対の側に向かって膨張し、被覆部28は上面が出っ張る方向に変形する。
そのため、被覆部28の面積(平面視における面積)が大きくなるほど熱変形の影響は大きくなる。
この場合、膜状の抵抗器26の面積を大きくすると、膜状の抵抗器26を覆う被覆部28の面積が大きくなることになる。
そのため、被覆部28に対する熱変形の影響は大きくなる。
その結果、抵抗器26において生じた熱などによる温度変化により、被覆部28が基板21から剥離したり、被覆部28に割れが生じたりするおそれがある。
そのため、エポキシ樹脂を用いて被覆部28を形成すれば、熱変形の影響を抑制することができる。
表1は、被覆部28の面積と、被覆部28の材料とが、熱変形に対する耐性に与える影響を例示するための表である。
なお、表1は、熱衝撃試験を行い、被覆部28の基板21からの剥離、または、被覆部28の割れの発生の有無を調べた結果である。
表1中の被覆部28の面積は、平面視における面積である。
熱衝撃試験においては、−40℃の環境に発光部20を30分間放置し、その後、+85℃の環境に発光部20を30分間放置するとともに発光素子22を点灯した。そして、この手順を500回繰り返した。
表1から分かるように、シリコーン樹脂を用いて被覆部28を形成すれば、膜状の抵抗器26の面積が4mm2以上となった場合であっても、被覆部28が基板21から剥離したり、被覆部28に割れが生じたりすることを抑制することができる。
シリコーン樹脂の線膨張係数は、エポキシ樹脂の線膨張係数よりも大きい。そのため、膨張量または収縮量は、エポキシ樹脂よりもシリコーン樹脂の方が大きい。
しかしながら、シリコーン樹脂は、エポキシ樹脂よりも変形しやすい。
そのため、シリコーン樹脂を用いて形成された被覆部28は、膜状の抵抗器26の面積が4mm2以上となり膨張量または収縮量が大きくなっても、変形することで剥離や割れを抑制することができる。
図6は、図5におけるA−A線断面図である。
図5および図6に示すように、発光部20aには、基板21、発光素子22、制御素子23、配線パターン24、配線25、抵抗器26、および被覆部28aが設けられている。
また、前述した被覆部28は、封止部27とは離れて別に設けられている。
これに対して、本実施の形態に係る被覆部28aは、封止部27とともに基板21の表面の全域を覆うように設けられている。
すなわち、封止部27と被覆部28aは、一体に設けられている。そして、封止部27と被覆部28aとにより、基板21の表面の全域が覆われている。
この場合、封止部27と被覆部28aとを同時に形成することで、封止部27と被覆部28aとの間を継ぎ目無く一体に形成することができる。
封止部27と被覆部28aを一体に形成すれば、熱履歴を少なくすることができる。そのため、基板21の表面に設けられた発光素子22、制御素子23、配線25、抵抗器26などに対する熱の影響を抑制することができる。
また、製造工程の簡略化や製造コストの低減を図ることができる。
そのため、被覆部28aと封止部27とを一体として設けるようにしても、それぞれの熱変形が相互に影響しあうことを抑制することができる。 例えば、被覆部28aとなる領域の熱変形が、封止部27となる領域にある発光素子22や配線25などに与える影響(例えば、発光素子22の剥離や配線25の断線など)を抑制することができる。
そのため、照明装置1の信頼性をさらに向上させることができる。
まず、ガラスペーストを作成する。
ガラスペーストは、例えば、ガラス粉末、フィラー、および有機溶剤を含むものとすることができる。
ガラス粉末は、例えば、珪素、バリウム、カルシウム、およびビスマスなどを含むものとすることができる。
フィラーは、例えば、酸化アルミニウムを含むものとすることができる。
有機溶剤は、例えば、トルエン、キシレンなどとすることができる。
次に、ガラスペーストを焼成して図示しない被覆部を形成する。
そのため、照明装置1の信頼性をさらに向上させることができる。
Claims (6)
- 基板と;
前記基板の表面に設けられた配線パターンと;
前記配線パターンの上に設けられた発光素子と;
前記発光素子を覆うように設けられ、シリコーン樹脂を含む封止部と;
前記基板の前記発光素子が設けられる側において前記配線パターンの上に設けられ、膜状を呈し、厚み方向に貫通した除去部を有し、面積が4mm2以上である抵抗器と;
前記封止部と離隔し、前記抵抗器を覆い、シリコーン樹脂を含む被覆部と;
を具備した車載用照明装置。 - 前記発光素子を包囲する包囲壁部材を更に具備し、
前記封止部は、前記包囲壁部材の中央部に設けられている請求項1記載の車載用照明装置。 - 前記抵抗器は、複数設けられ、
前記被覆部は、前記複数の抵抗器を覆っている請求項1または2に記載の車載用照明装置。 - 前記基板は、セラミックスを含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の車載用照明装置。
- 前記配線パターンと電気的に接続された給電端子と;
前記給電端子と嵌め合わされるソケットと;
をさらに具備した請求項1〜4のいずれか1つに記載の車載用照明装置。 - 請求項1〜5のいずれか1つに記載の照明装置を備えた車載用灯具。
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