JP6229515B2 - フィルターおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フィルターに係り、特に流体中に含まれる異物の除去、あるいは、流体中に含まれる生成物の回収等に使用することができるフィルターとその製造方法に関する。
例えば、飲料製造においては、飲料中に含まれる粒子のなかで除去が必要なものがある場合、フィルターを用いた除去工程が設けられている。流体中に含まれる粒子を除去するフィルターとしては、従来から、金網やパンチングメタル(板材に所望の大きさの孔部を機械的に穿設したもの)を組み合わせた積層型のフィルターが使用されている。このようなフィルターは、金網が有する開口径(ワイヤー間距離)の大きさにより、捕獲できる粒子の大きさを見込み、流体の物性、除去対象となる粒子の大きさ等に応じて、所望の開口径を有する金網が使用されていた。
しかし、金網を用いた積層型のフィルターでは、通過させる粒子と捕獲する粒子の制御が不安定であった。また、3次元的に入り組んだ構造の金網中に捕獲された粒子の除去が難しく、メンテナンス性に問題があった。特に飲料製造等のように衛生上の厳しい環境管理が要求される工程では、メンテナンス時の洗浄で粒子が除去しきれずに残留しているフィルターは、再使用せずに交換を余儀なくされていた。
また、ろ過を実施するために要する圧力には、フィルターの開口表面積の他に、3次元的に入り組んだ構造の中を流体が通ることにより生じる圧力損失も考慮する必要があり、事前に実機への負荷影響がないかを試行して確かめる必要があった。また、見込んでいた粒子が確実に捕獲できるかどうかも、事前に実機に搭載して試行し確かめる必要があった。
上記のような問題を解消するために、孔部を形成した金属薄板を積層したフィルターが提案されている。例えば、金属薄板に対してエッチング加工を行って貫通孔を穿設して孔部を形成し、このような金属薄板を積層して、孔部の大きさと金属薄板の合計板厚で計算されるアスペクト比を向上させたフィルターが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
特開2000−109985号公報 特開2011−147872号公報
上記のようなフィルターでは、フィルター機能を発現する孔部のアスペクト比を向上させるためには、複数枚の金属薄板を積層する必要があるが、積層時の孔部同士の位置ズレが発生して、フィルター内部の孔部中に段差が生じて、開口寸法(フィルタ寸法)の精度低下、孔部内での圧力損失(層流の阻害)が発生し、良好なフィルター機能を得ることが難しいという問題があった。また、フィルター内部の孔部中の段差に、捕獲した粒子の残渣が生じ、メンテナンス性に問題があった。さらに、金属薄板に対して両面から行うエッチング加工により貫通孔を穿設して孔部を形成して作製した従来のフィルターでは、孔部の内壁面に鋭く突出した部位が存在し、この突出部位により孔部内での圧力損失(層流の阻害)が発生するという問題もあった。
本発明は上述のような実情に鑑みてなされたものであり、孔部のアスペクト比が大きく、かつ、孔部内での圧力損失が少なく、優れたフィルター機能を発現するフィルターとその製造方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために、本発明のフィルターは、複数の貫通孔を有する金属薄板が該貫通孔の位置を合わせて積層されてなり、前記貫通孔が連通して形成された孔部を複数有するフィルターであって、前記金属薄板の一方の面における前記貫通孔の開口寸法W1が他方の面における前記貫通孔の開口寸法W2よりも大きく、貫通孔内には開口寸法W2よりも狭い部位が存在せず、複数の前記金属薄板は前記貫通孔の開口寸法が同じ面同士が当接するように積層されており、かつ、当該積層の最外層に位置する前記金属薄板の少なくとも一方は前記貫通孔の開口寸法W2側が外側となっており、前記孔部を構成する前記各貫通孔の中心のズレの最大が15μm以下であるような構成とした。本発明の他の態様として、前記各貫通孔の中心のズレの最大は、隣接する前記貫通孔間の距離よりも小さいような構成とした。
発明の他の態様として、前記開口寸法W2の開口が露出している面における開口率が20〜60%の範囲であるような構成とした。また、本発明の他の態様として、前記開口寸法W2が50μmであるような構成とした。
本発明のフィルタの製造方法は、エッチングにより複数の貫通孔と位置合わせ用穴部を形成した金属薄板を複数作製するエッチング工程と、前記貫通孔が連通することにより孔部を形成するように、複数の前記金属薄板を積層して接合する接合工程を有し、前記エッチング工程における前記貫通孔の形成では、前記金属薄板の一方の面における開口寸法W1が他方の面における開口寸法W2よりも大きく、貫通孔内には開口寸法W2よりも狭い部位が存在しないようなテーパ形状の内壁面を有する貫通孔を形成し、前記エッチング工程における位置合わせ用穴部の形成では、位置合わせ用ピンよりも小径の中心開口部と、該中心開口部の周囲に隣接して複数位置する周辺開口部とを有する位置合わせ用穴部を形成し、前記接合工程では、複数の前記金属薄板を、前記貫通孔の開口寸法が同じ面同士が当接し、かつ、最外層となる前記金属薄板の少なくとも一方は前記貫通孔の開口寸法W2側が外側となるように重ね、前記位置合わせ用穴部に位置合わせ用ピンを挿入して位置合わせを行うような構成とした。
発明の他の態様として、前記位置合わせ用穴部の前記周辺開口部を、当該周辺開口部の長手方向が前記中心開口部から放射状に位置するように形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記接合工程において貫通孔の開口寸法W2側が同じ方向となるように積層される前記金属薄板の周縁部に予め切欠き部を形成し、前記接合工程では、積層した複数の金属薄板に1枚おきに前記切欠き部が位置することを確認するような構成とした。
本発明のフィルターは、孔部のアスペクト比が大きく、かつ、孔部内での圧力損失が少なく、優れたフィルター機能を発現することができる。また、本発明のフィルターの製造方法は、孔部のアスペクト比が大きく、かつ、孔部内での圧力損失が少なく、優れたフィルター機能を発現するフィルターを製造することが可能である。
図1は、本発明のフィルターの一実施形態を説明するための部分断面図である。 図2は、図1に示されるフィルターを構成する金属薄板の部分拡大断面図である。 図3は、本発明のフィルターの他の実施形態を説明するための部分断面図である。 図4は、本発明のフィルターの製造方法において使用する金属薄板を説明するための図である。 図5は、本発明のフィルターの製造方法において金属薄板に形成する貫通孔の一例を説明するための部分断面図である。 図6は、本発明のフィルターの製造方法において金属薄板に形成する位置合わせ用穴部の一例を示す平面図である。 図7は、本発明のフィルターの製造方法において複数の金属薄板を積層する際の位置合わせを説明する図である。 図8は、本発明のフィルターの製造方法において金属薄板に形成する切欠き部の一例を示す平面図である。 図9は、本発明のフィルターの製造方法において切欠き部を設けた金属薄板を使用して積層した状態を示す部分側面図である。 図10は、本発明のフィルターの製造方法において金属薄板に形成する位置合わせ用穴部の他の例を示す平面図である。 図11は、本発明のフィルターの製造方法において金属薄板に形成する位置合わせ用穴部の他の例を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
尚、図面は模式的または概念的なものであり、各部材の寸法、部材間の大きさの比等は、必ずしも現実のものと同一とは限らず、また、同じ部材等を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比が異なって表される場合もある。
[フィルター]
図1は、本発明のフィルターの一実施形態を説明するための部分断面図であり、図2は、図1に示されるフィルターを構成する金属薄板の部分拡大断面図である。図1および図2において、フィルター11は、複数の貫通孔15を有する金属薄板13が複数積層されたものである。金属薄板13が有する貫通孔15は、金属薄板13の一方の面13aにおける開口15aの開口寸法W1が、他方の面13bにおける開口15bの開口寸法W2よりも大きく、かつ、貫通孔15内には開口寸法W2よりも狭い部位が存在しないものである。このような金属薄板13が、当該貫通孔15の開口寸法が同じ面同士、すなわち、金属薄板13の面13a同士が当接し、金属薄板13の面13b同士が当接し、貫通孔15同士の位置を合わせるように複数積層されている。これにより、フィルター11は、複数の貫通孔15が金属薄板13の積層方向に連通して形成された孔部12を複数有している。
本発明のフィルターは、最外層に位置する金属薄板の少なくとも一方は、貫通孔の開口寸法W2側が外側となっている。図1に示される例では、フィルター11の一方の表面11aにおける孔部12の開口12aの開口寸法がW1であり、他方の表面11bにおける孔部12の開口12bの開口寸法がW2である。このようなフィルター11では、ろ過対象となる流体の流れ方向が図示の矢印aで示される方向となり、流体が流れ込む孔部12の入口の開口寸法W2によって捕獲する異物の最小粒径を決定されるとともに、流体から除去する異物が孔部12の内部で詰まることを有効に抑制することができる。
金属薄板13の材質は、例えば、オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系のステンレス鋼、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、コバルト合金、クロム合金、モリブデン合金、タングステン合金等であってよい。このような金属薄板13の厚みTは、例えば、50μm以下、好ましくは20〜40μmの範囲であることが好適である。金属薄板13の厚みTが50μmを超えると、例えば、50μm以下のような微細な開口寸法W2をもつ貫通孔15を有することが難しく、微小粒子の捕獲が困難となり好ましくない。また、金属薄板13の厚みTが薄すぎると、所望の強度を具備するフィルター11を作製するための金属薄板13の積層数が多くなり、製造コストの面で好ましくないので、上記のように金属薄板13の厚みTの下限値は20μm程度が好ましい。
金属薄板13が有する貫通孔15は、上記のように、金属薄板13の一方の面13aにおける開口寸法W1が、他方の面13bにおける開口寸法W2よりも大きく、かつ、貫通孔15内には開口寸法W2よりも狭い部位が存在しないものである。したがって、貫通孔15はテーパ形状の壁面を有している。貫通孔15の開口形状(面13a,13bに平行な面における断面形状)は、円形が好適であるが、楕円形、あるいは、正方形、正六角形、正八角形等の多角形、これらの多角形の角部に丸味を有する形状等であってもよい。貫通孔15の開口寸法W1および開口寸法W2は、開口形状が円形である場合には、その直径であり、開口形状が楕円形、多角形等のように開口寸法が一定ではない場合には、開口形状における最小の開口寸法である。そして、開口寸法W2は、ろ過対象である流体から除去する異物の大きさ等を考慮して設定するこができる。
本発明では、金属薄板13が具備する貫通孔15の開口寸法W1,W2と、金属薄板13の厚みTとの間に、0.65≦(W1−W2)/T≦1.5の関係が成立することが好ましい。貫通孔15の開口寸法W1と開口寸法W2との差が小さいことにより上記の関係が成立しない((W1−W2)/T<0.65となる)場合は、貫通孔の壁面がストレート形状に近いものとなり、エッチング加工の特性上、このような貫通孔の形成が難しいものとなり好ましくない。また、貫通孔15の開口寸法W1と開口寸法W2との差が大きいことにより上記の関係が成立しない(1.5<(W1−W2)/Tとなる)場合は、孔部12内での圧力損失(層流の阻害)が顕著となり好ましくない。さらに、金属薄板13の厚みTが大きいことにより上記の関係が成立しない((W1−W2)/T<0.65となる)場合は、例えば、50μm以下のような微細な開口寸法W2をもつ貫通孔15を有することが難しく、微小粒子の捕獲が困難となり好ましくない。また、金属薄板13の厚みTが小さいことにより上記の関係が成立しない(1.5<(W1−W2)/Tとなる)場合は、所望の強度を具備するフィルター11を作製するための金属薄板13の積層数が多くなり、製造コストの面で好ましくない。
また、金属薄板13における隣接する貫通孔15の中心間距離は、開口率[(金属薄板13の表面における貫通孔15の開口の合計面積/貫通孔15が形成されている領域の面積)×100]が、20〜60%、好ましくは20〜40%の範囲となるように、上記の開口寸法W2を考慮して設定することができ、例えば、隣接する貫通孔15の中心間距離は、50〜130μmの範囲で設定することができる。
フィルター11を構成する金属薄板13の積層数は、図1に示される例では、5枚であるが、これに限定されるものではない。上記のように、フィルター11の両表面における孔部12の開口の少なくとも一方の開口寸法がW2であればよく、金属薄板13の厚み、材質、フィルター11に要求される強度、フィルター11において貫通孔15が連通して構成される孔部12(流路)における流体の圧力損失等を考慮して適宜設定することができる。
図3は、本発明のフィルターの他の実施形態を説明するための部分断面図である。図3において、フィルター11′は、上述の金属薄板13を6枚積層したものであり、フィルター11′の表面11′aおよび表面11′bにおける孔部12′の開口寸法が、共にW2となっている。このようなフィルター11′では、孔部12′の両端の開口の寸法がW2であるため、流体から除去する異物が孔部12の内部で詰まることを有効に抑制することができるので、ろ過対象となる流体の流れ方向は、図示の矢印bで示されるように、いずれの方向であってもよい。
このような本発明のフィルター11,11′は、積層した金属薄板13が有する貫通孔15が連通してなる孔部12,12′(流路)を有し、この孔部12,12′がろ過機能を発現する。そして、孔部12,12′は、流体が流れ込む開口の寸法がW2であり、孔部内部には、開口寸法W2よりも狭い部位が存在せず、また、貫通孔15同士の位置を合わせた状態で貫通孔15が連通され、孔部12,12′内に鋭く突出する部位が存在しないので、孔部12,12′内での詰まりが抑制され、また、孔部12,12′内での圧力損失(層流の阻害)が抑制され、優れたフィルター機能を発現する。
尚、上述のように、フィルター11は、各金属薄板13の貫通孔15同士の位置を合わせた状態で金属薄板13が積層されているが、貫通孔15同士の位置を合わせた状態とは、積層された金属薄板13の貫通孔15の中心のズレの最大が15μm以下であることを意味する。ズレが上記の範囲内であれば、孔部12,12′内での流体の圧力損失や流体中の異物除去のろ過精度の低下が僅少であり、フィルター11,11′におけるフィルター機能に差し障りを生じることはない。また、複数の金属薄板13が積層されたフィルター11,11′において、フィルター11,11′を構成する複数の金属薄板13の最上層から最下層までの貫通孔15のズレの最大は、隣接する貫通孔15間の距離よりも小さいことが必要である。フィルター11の積層方向の強度を維持するためには、積層方向においてフィルター11の一方の面から垂直に他方の面に至る連続した断面が必要であり、貫通孔15のズレの最大が隣接する貫通孔15間の距離よりも小さいとの条件は、このような最低限の断面を確保する最低条件である。
本発明のフィルターの外観形状には制限はなく、平板形状であってよく、この場合、一方の面に流体を供給し、他方の面へ向かう流体に対してろ過機能を発現することができる。また、本発明のフィルターは、円筒形状であってよく、この場合、例えば、円筒内部に流体を供給し、外部へ向かう流体に対してろ過機能を発現することができる。
上述の実施形態は例示であり、本発明のフィルターはこれらの実施形態に限定されるものではない。
[フィルターの製造方法]
本発明のフィルターの製造方法を、上述の本発明のフィルター11を例として説明する。
本発明のフィルターの製造方法では、図4に示されるように、金属薄板13に貫通孔形成領域14A(2点鎖線で囲まれる領域)を設定し、この貫通孔形成領域14Aの外側の領域に位置合わせ用穴部形成領域14B(図示例では、鎖線で囲まれる4個の領域)を設定する。そして、エッチング工程において、金属薄板13の貫通孔形成領域14Aに所望のピッチで複数の貫通孔15をエッチングにより形成する。また、金属薄板13の位置合わせ用穴部形成領域14Bに位置合わせ用穴部をエッチングにより形成する。
本発明のフィルターの製造方法において使用する金属薄板13の材質としては、例えば、オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系のステンレス鋼、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、コバルト合金、クロム合金、モリブデン合金、タングステン合金等を挙げることができる。このような金属薄板13の厚みTは、後述する金属薄板13への貫通孔15の形成において、形成しようとする貫通孔15の開口寸法W1および開口寸法W2との間に、0.65≦(W1−W2)/T≦1.5の関係が成立するように設定することができ、例えば、50μm以下、好ましくは20〜40μmの範囲で設定することが好適である。
金属薄板13の厚みTが大きいことにより上記の関係が成立しない((W1−W2)/T<0.65となる)場合は、例えば、50μm以下のような微細な開口寸法W2をもつ貫通孔15を形成することが難しく、また、金属薄板13の厚みTが小さいことにより上記の関係が成立しない(1.5<(W1−W2)/Tとなる)場合は、所望の強度を具備するフィルター11を作製するための金属薄板13の積層数が多くなり、製造コストの面で好ましくない。
図5は、金属薄板13の貫通孔形成領域14Aに形成した貫通孔15を示す部分断面図であり、金属薄板13の一方の面13aにおける貫通孔15の開口15aの開口寸法W1が、金属薄板13の他方の面13bにおける貫通孔15の開口15bの開口寸法W2よりも大きくなるように、貫通孔15を形成する。このような貫通孔15は、例えば、水平状態に維持した金属薄板13の両面から、形成しようとする開口寸法W1と開口寸法W2に対応して大きさの異なる開口部を有するエッチングマスクを介してエッチング液を金属薄板13に噴射して同時エッチングを行うことにより形成することができる。このように形成する貫通孔15の開口寸法W1と開口寸法W2との差が小さいことにより上記の関係が成立しない((W1−W2)/T<0.65となる)場合、加工する貫通孔がストレート形状に近い物となり、エッチング加工特性上、形成しにくく好ましくない。また、形成した貫通孔15の開口寸法W1と開口寸法W2との差が大きいことにより上記の関係が成立しない(1.5<(W1−W2)/Tとなる)場合は、後述するように金属薄板13を積層して作製したフィルター11の孔部12内での圧力損失(層流の阻害)が顕著となり好ましくない。
エッチング液としては、比重が45〜60Be(ボーメ)、好ましくは52〜58Be(ボーメ)の範囲、液温が50〜80℃、好ましくは65〜78℃の範囲であるエッチング液を使用することができる。エッチング液の比重が45Be(ボーメ)未満であると、貫通孔15において金属薄板13の厚み方向内部に、開口寸法W2よりも狭い突出部が形成されやすく、また、比重が60Be(ボーメ)を超えるとエッチング適性が低下して好ましくない。さらに、エッチング液の温度が50℃未満であると、貫通孔15において金属薄板13の厚み方向内部に、開口寸法W2よりも狭い突出部が形成されやすく、また、温度が80℃を超えると、貫通孔15の内壁の腐食が進みやすく、内壁をテーパ形状とすることが難しくなり好ましくない。
また、図6は、図4に示される金属薄板13の位置合わせ用穴部形成領域14Bに形成する位置合わせ用穴部の一例を示す平面図である。図6において、位置合わせ用穴部16は、位置合わせに使用するピンの外径よりも小さい内径を有する中心開口部16aと、この中心開口部16aの周囲に隣接する複数の周辺開口部16bとで構成されている(図6(A))。図示例では、中心開口部16aは内径Dの円形開口であり、周辺開口部16bは円弧形状であり、中心開口部16aの周囲に6個形成されており、中心開口部16aと周辺開口部16bとの境界部位は易変形部位16cをなしている。このような位置合わせ用穴部16は、外径D′(D′>D)の位置合わせ用ピン17が挿入されると、易変形部位16cが周辺開口部16b方向へ押し広げられる(図6(B))。これにより、位置合わせ用穴部16と位置合わせ用ピン17との間に緩みを生じることが防止される。従来の位置合わせ用穴部は、例えば、エッチングにより置合わせ用ピンの外径よりも小径で形成した後、置合わせ用ピンの外径よりも若干大きくなるように内径を研磨により拡大して形成されており、位置合わせ用穴部と位置合わせ用ピンとの間に緩みが生じ易いものであった。
このような位置合わせ用穴部16は、金属薄板13を、貫通孔15の開口寸法が同じ面同士、すなわち、貫通孔15の開口寸法がW1である金属薄板13の面13a同士が当接し、貫通孔15の開口寸法がW2である金属薄板13の面13b同士が当接するように積層したときに、貫通孔15同士の位置合わせが可能なように形成される
次に、本発明のフィルターの製造方法では、接合工程において、上記のような金属薄板13を複数積層して接合して、フィルター11を作製する。金属薄板13の積層では、上述のように、貫通孔15の開口寸法が同じ面同士、すなわち、貫通孔15の開口寸法がW1である金属薄板13の面13a同士が当接し、貫通孔15の開口寸法がW2である金属薄板13の面13b同士が当接するように積層する。さらに、最外層となる金属基板13の少なくとも一方は、貫通孔15の開口寸法W2側が外側となるように積層する。そして、図7に示すように、所望の枚数(図示例では5枚)の金属薄板13を、各金属薄板13の貫通孔15同士の位置が略一致するように積層し、各金属薄板13の位置合わせ用穴部16に位置合わせ用ピン17を挿入する。これにより、各金属薄板13は、貫通孔15同士の位置が一致するように設計通りの位置合わせが行われ、かつ、位置合わせ用穴部16と位置合わせ用ピン17との間に緩みが生じていないので、位置合わせした状態を確実に維持することができる。この状態で、積層されている複数の金属薄板13を電気溶接等により仮接着し、その後、位置合わせ用ピン17を位置合わせ用穴部16から引き抜いて除去し、拡散接合、電気溶接、あるいは、ネジによる締結等により複数の金属薄板13を接合してフィルター11を作製する。このフィルター11は、貫通孔15が連通して形成された孔部12を複数有している
このような接合工程では、所望の厚みのフィルター11となるまで金属薄板13を1枚づつ積層して接合する工程を繰り返してもよく、また、所望の厚みのフィルター11を得るための必要枚数の金属薄板を積層し、一度の接合工程でフィルター11を作製してもよい。
このような本発明のフィルターの製造方法では、微細な貫通孔15を形成した複数の金属薄板13を、貫通孔15同士の位置が一致するよう積層してフィルター11を作製することができる。作製したフィルター11の両表面における孔部12の開口の少なくとも一方の開口寸法がW2であり、孔部12内部には、開口寸法W2よりも狭い部位が存在が存在しないので、孔部12内での詰まりが抑制され、また、孔部12,12′内での圧力損失(層流の阻害)が抑制され、優れたフィルター機能を発現するフィルター11を製造することができる。
上述の実施形態は例示であり、本発明のフィルターの製造方法はこれらの実施形態に限定されるものではない。
例えば、接合工程において、貫通孔15の開口寸法がW2の開口が位置する面が同じ方向となるように積層される金属薄板の周縁部に予め切欠き部を形成し、積層した複数の金属薄板に1枚おきに切欠き部が位置することを確認するようにしてもよい。図8は、このような金属薄板の例を示す平面図である。図8(A)に示される金属薄板13Aは、周縁部の所定の位置に切欠き部18を有し、貫通孔形成領域14A(2点鎖線で囲まれる領域)と、この貫通孔形成領域14Aの外側の領域に位置合わせ用穴部形成領域14B(図示例では、鎖線で囲まれる4個の領域)が設定されており、エッチング工程において、貫通孔形成領域14Aに所望のピッチで複数の貫通孔15がエッチングにより形成されている(図示例では、1個の貫通孔15を拡大して示している)。また、金属薄板13の位置合わせ用穴部形成領域14Bに位置合わせ用穴部(図示せず)がエッチングにより形成されている。この金属薄板13Aでは、貫通孔15の開口寸法がW1の開口15aが位置する面13aを図の上向きとして積層される。
また、図8(B)に示される金属薄板13Bは、貫通孔形成領域14A(2点鎖線で囲まれる領域)と、この貫通孔形成領域14Aの外側の領域に位置合わせ用穴部形成領域14B(図示例では、鎖線で囲まれる4個の領域)が設定されており、エッチング工程において、貫通孔形成領域14Aに所望のピッチで複数の貫通孔15がエッチングにより形成されている(図示例では、1個の貫通孔15を拡大して示している)。また、金属薄板13の位置合わせ用穴部形成領域14Bに位置合わせ用穴部(図示せず)がエッチングにより形成されている。この金属薄板13Bでは、貫通孔15の開口寸法がW2の開口15bが位置する面13bを図の上向きとして積層される。
このような金属薄板13Aを3枚、金属薄板13Bを2枚、交互となるように積層し、上述のように、金属薄板13A,13Bの位置合わせ用穴部に位置合わせ用ピンを挿入して位置合わせを行う。図9は、このように金属薄板を積層した状態を示す部分側面図である。図9に示されるように、積層された複数の金属薄板の側面において、切欠き部18は1枚おきに位置している。したがって、切欠き部18の位置を確認することにより、金属基板13が、貫通孔15の開口寸法が同じ面同士、すなわち、貫通孔15の開口寸法がW1である金属薄板13Aの面13aと金属薄板13Bの面13aと同士が当接し、貫通孔15の開口寸法がW2である金属薄板13Aの面13bと金属薄板13Bの面13b同士が当接しているか否かを確認することができる。
また、本発明では、位置合わせ用穴部16において、中心開口部16aの周囲に隣接する複数の周辺開口部16bの形状、数は、図6(A)に示される例に限定されず、位置合わせ用ピン17の挿入によって易変形部位16cが周辺開口部16b方向へ押し広げられ、かつ、位置合わせ用穴部16と位置合わせ用ピン17との間に緩みを生じることが防止されるものであればよい。したがって、例えば、図10(A)に示されるように、中心開口部16aの周囲に円弧形状の4個の周辺開口部16bが位置するもの、図10(B)に示されるように、中心開口部16aの周囲に12個の周辺開口部16bが位置するもの等であってもよい。また、図11(A)に示されるように、中心開口部16aの周囲に放射状に長方形状の8個の周辺開口部16bが位置するもの、図11(B)に示されるように、中心開口部16aの周囲に位置する8個の円形状の周辺開口部16bを介して、放射状に長方形状の8個の周辺開口部16b′が位置するもの等であってもよい。
また、上述の実施形態では、貫通孔形成領域14Aの外側の領域に位置合わせ用穴部形成領域14Bを設定しているが、位置合わせ用穴部形成領域14Bの設定位置には制限はなく、例えば、貫通孔形成領域14A内に位置合わせ用穴部形成領域14Bを設定してもよい。位置合わせ用穴部は、積層時の位置合わせが完了した後に塞いでしまえば、貫通孔形成領域14A内に存在してもフィルターは本質的な機能を奏するからである。
次に、具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例]
金属薄板としてステンレス鋼(SUS304、150mm×150mm、厚み25μm)を準備し、金属薄板の中央の50mm×50mmを貫通孔形成領域として画定した。
この金属薄板の両面に感光性ドライフィルム(旭化成(株)製) サンフォートAQ−2558)をラミネートした後、所望のマスクを介して露光し、現像することによりエッチングマスク1とエッチングマスク2を各面に形成した。このように形成したエッチングマスク1は、直径50μmの円形の開口部を90μmピッチで60°千鳥格子形状に2000個配置したものであった。また、形成したエッチングマスク2は、直径60μmの円形の開口部を、エッチングマスク1と同様のピッチ、配置形状で、同様の個数有するものであった。尚、エッチングマスク1およびエッチングマスク2の各開口部の中心は、金属薄板を介して一致するものとした。
また、上記のように形成したエッチングマスク1およびエッチングマスク2は、貫通孔形成領域の外側であって、金属薄板の四隅近傍に、金属薄板を介して対向するように図6(A)に示される位置合わせ用穴部を形成するための開口部を有するものであった。
次に、エッチングマスク1が上面側となるように金属薄板を水平に維持した状態で、下記のエッチング条件のスプレーエッチングにより、金属薄板を両面から同時にエッチングして貫通孔および位置合わせ用穴部を形成し、その後、エッチングマスク1およびエッチングマスク2を除去し、洗浄した。
(エッチング条件)
・エッチング液 : 塩化第二鉄溶液
・比重 : 50ボーメ(Be)
・温度 : 75℃
・スプレー圧 : 3kg/cm2
このようなスプレーエッチングにより、金属薄板の貫通孔形成領域には、貫通孔が90μmピッチで60°千鳥格子形状の配置で2000個形成され、また、貫通孔形成領域の外側の金属薄板の四隅近傍には図6(A)に示される位置合わせ用穴部が形成された。
形成された貫通孔を両面顕微鏡を用いて観察、測定した。その結果、金属薄板の表面における開口の形状は円形であり、エッチングマスク1が位置していた面の開口寸法W1が70μmであり、エッチングマスク2が位置していた面の開口寸法W2が60μmであり、貫通孔内部には開口寸法W2よりも狭い部位は存在せず、貫通孔の壁面はテーパ形状であった。このような貫通孔は、その開口寸法W1、W2と、金属薄板の厚みT(25μm)との間に、0.65≦(W1−W2)/T≦1.5の関係が成立するものであった。
また、形成された位置合わせ用穴部は、中心開口部が直径10mmの円形であり、その周囲に幅200μmの円弧形状の6個の周辺開口部が位置し、中心開口部と周辺開口部との間には幅100μmの易変形部位が存在するものであった。
上記と同様にして、貫通孔、位置合わせ用穴部が形成された金属薄板を9枚作製した。
次いで、9枚の金属薄板を、貫通孔の開口寸法が同じ面同士、すなわち、貫通孔の開口寸法がW1である金属薄板の面同士が当接し、貫通孔の開口寸法がW2である金属薄板の面同士が当接するように積層し、かつ、各金属薄板の貫通孔同士の位置を略一致させ、各金属薄板の位置合わせ用穴部に位置合わせ用ピン(直径10.1mm)を挿入して、各金属薄板の位置合わせを行った。この状態で、金属薄板の貫通孔形成領域の外側の部位4箇所を電気溶接により仮接着し、その後、位置合わせ用ピンを位置合わせ用穴部から引き抜いて除去し、下記の条件で拡散接合により複数の金属薄板を接合して積層体(厚み225μm)を作製した。
(拡散接合条件)
・雰囲気 : 真空
・接合温度 : 1000℃
・接合時間 : 9時間
上記のように作製した積層体の貫通孔形成領域(50mm×50mm)の中央から直径20mmの寸法で裁断してフィルターを作製した。
このように作製したフィルターが備える孔部について、その内径を上記と同様に測定した結果、各金属薄板の積層時のズレによる開口寸法の減少は15μm以下であり、各金属薄板の位置合わせの精度が高いことが確認された。そして、厚み225μmのフィルターが具備する孔部は、一方の面における開口寸法W2が60μmであり、他方の面における開口寸法W1が70μmであった。また、孔部の内部の最小開口寸法が開口寸法W2と同じ60μmであり、最大開口寸法が開口寸法W1と同じ70μmであり、アスペクト比(孔部の長さ/孔部の最小開口寸法)が約3.8である微細なものであることが確認された。
このようなフィルターを、開口寸法W2の孔部が位置している面が流入側となるようにろ過装置に装着し、薄力粉(粒径分布幅は5〜100μm)を純水に10g/L含有させた流体を用い、ろ過を行った結果、孔部内での圧力損失は0.30MPa程度であった。また、0.1時間のろ過操作の後、ろ過装置から取り外したフィルターを純水洗浄後にエタノールを用いて洗浄したところ、フィルターに捕獲されていた薄力粉を完全に排除することができた。
[比較例1]
金属薄板の両面からのエッチングの条件を下記のように変更した他は、実施例と同様にして、金属薄板に貫通孔と位置合わせ用穴部を形成した。
(エッチング条件)
・エッチング液 : 塩化第二鉄溶液
・比重 : 45ボーメ(Be)
・温度 : 70℃
・スプレー圧 : 3kg/cm2
このように形成された貫通孔を、実施例と同様にして、観察、測定した結果、金属薄板の表面における開口部の形状は円形であり、エッチングマスク1が位置していた面の開口寸法W1が70μmであり、エッチングマスク2が位置していた面の開口寸法W2が70μmであり、貫通孔内部には開口寸法W2よりも狭い開口寸法60μmの部位が存在するものであった。尚、厚み方向内部における開口寸法は、厳密な測定を行うために、断面研磨を行って測定した。
また、位置合わせ用穴部は、中心開口部が直径10mmの円形であり、その周囲に幅200μmの円弧形状の6個の周辺開口部が位置し、中心開口部と周辺開口部との間には幅100μmの易変形部位が存在するものであった。
このような金属薄板9枚を、実施例と同様に積層、位置合わせした後、拡散接合して、積層体を作製し、その後、裁断してフィルターを作製した。
このように作製したフィルターが備える孔部について、その内径を実施例と同様に測定した結果、各金属薄板の積層時のズレによる開口寸法の減少は15μm以下であり、各金属薄板の位置合わせの精度が高いことが確認された。そして、フィルターが具備する孔部は、各金属薄板の厚み方向内部において開口寸法が最小値約60μmとなり、アスペクト比(孔部の長さ/孔部の最小開口寸法)が約3.8である微細なものであったが、孔部は、壁面に鋭い突出部を有する形状であった。
このようなフィルターを用いて実施例と同様にろ過を行った結果、孔部内での圧力損失は0.33MPa以上であり、実施例よりも大きいものであった。また、0.1時間のろ過操作の後、ろ過装置から取り外したフィルターを純水洗浄後にエタノールを用いて洗浄したが、フィルターに捕獲されていた薄力粉を完全に排除することは困難であった。
[比較例2]
エッチングマスク形成時の露光マスクを変更して、金属薄板の両面からのエッチングにより貫通孔と同時に金属薄板に形成する位置合わせ用穴部を、直径10mmの円形とし、エッチング終了後に研磨により直径を10.3mmとした他は、実施例と同様にして、金属薄板に貫通孔と位置合わせ用穴部を形成した。
このような金属薄板9枚を、実施例と同様に積層、位置合わせした後、拡散接合して、積層体を作製し、その後、裁断してフィルターを作製した。
このように作製したフィルターが備える孔部について、その内径を実施例と同様に測定した結果、各金属薄板の積層時のズレによる開口寸法の減少は15〜25μmであり、各金属薄板の位置合わせの精度が低いことが確認された。
このようなフィルターを用いて実施例と同様にろ過を行った結果、孔部内での圧力損失は0.38MPa以上であり、実施例よりも大きいものであった。また、0.1時間のろ過操作の後、ろ過装置から取り外したフィルターを純水洗浄後にエタノールを用いて洗浄したが、フィルターに捕獲されていた薄力粉を完全に排除することは困難であった。
種々の流体のろ過に利用可能であり、また、流体のろ過工程を必要とする種々の製品の製造に利用することができる。
11,11′…フィルター
12,12′…孔部
13…金属薄板
15…貫通孔
16…位置合わせ用穴部
16a…中心開口部
16b…周辺開口部
18…切欠き部

Claims (7)

  1. 複数の貫通孔を有する金属薄板が該貫通孔の位置を合わせて積層されてなり、前記貫通孔が連通して形成された孔部を複数有するフィルターにおいて、
    前記金属薄板の一方の面における前記貫通孔の開口寸法W1が他方の面における前記貫通孔の開口寸法W2よりも大きく、貫通孔内には開口寸法W2よりも狭い部位が存在せず、複数の前記金属薄板は前記貫通孔の開口寸法が同じ面同士が当接するように積層されており、かつ、当該積層の最外層に位置する前記金属薄板の少なくとも一方は前記貫通孔の開口寸法W2側が外側となっており、前記孔部を構成する前記各貫通孔の中心のズレの最大が15μm以下であることを特徴とするフィルター。
  2. 前記各貫通孔の中心のズレの最大は、隣接する前記貫通孔間の距離よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のフィルター。
  3. 前記開口寸法W2の開口が露出している面における開口率が20〜60%の範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフィルター。
  4. 前記開口寸法W2が50μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフィルター。
  5. エッチングにより複数の貫通孔と位置合わせ用穴部を形成した金属薄板を複数作製するエッチング工程と、
    前記貫通孔が連通することにより孔部を形成するように、複数の前記金属薄板を積層して接合する接合工程を有し、
    前記エッチング工程における前記貫通孔の形成では、前記金属薄板の一方の面における開口寸法W1が他方の面における開口寸法W2よりも大きく、貫通孔内には開口寸法W2よりも狭い部位が存在しないようなテーパ形状の内壁面を有する貫通孔を形成し、
    前記エッチング工程における位置合わせ用穴部の形成では、位置合わせ用ピンよりも小径の中心開口部と、該中心開口部の周囲に隣接して複数位置する周辺開口部とを有する位置合わせ用穴部を形成し、
    前記接合工程では、複数の前記金属薄板を、前記貫通孔の開口寸法が同じ面同士が当接し、かつ、最外層となる前記金属薄板の少なくとも一方は前記貫通孔の開口寸法W2側が外側となるように重ね、前記位置合わせ用穴部に位置合わせ用ピンを挿入して位置合わせを行うことを特徴とするフィルターの製造方法。
  6. 前記位置合わせ用穴部の前記周辺開口部を、当該周辺開口部の長手方向が前記中心開口部から放射状に位置するように形成することを特徴とする請求項に記載のフィルターの製造方法。
  7. 前記接合工程において貫通孔の開口寸法W2側が同じ方向となるように積層される前記金属薄板の周縁部に予め切欠き部を形成し、前記接合工程では、積層した複数の金属薄板に1枚おきに前記切欠き部が位置することを確認することを特徴とする請求項5または請求項に記載のフィルターの製造方法。
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