<<第1の実施形態の構成>>
以下、図1乃至図9を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態における画像形成装置の全体構成を示す図である。図2は光沢発生装置2の全体構成を示す図である。
本実施形態の画像形成システムは、図1に示される画像形成装置1と図2に示される光沢発生装置2とを備えている。また、画像形成装置1は光沢発生装置2と情報を互いに送受信できる。
<画像形成装置のハードウェア構成>
画像形成装置1は、複写、印刷等により記録媒体の一例である用紙Pに画像を形成するものである。本実施形態においては図1に示されるように画像形成装置1の最上部にスキャナ部11が設けられている。スキャナ部11は、コンタクトガラス111に載せられた原稿を光学的に読み取ることによりRGB画像情報を生成する。具体的には、スキャナ部11は用紙Pに光を当ててその反射光をCCD(Charge Coupled Devices)、またはCIS(Contact Image Sensor)等の読取センサ112で受光することによってRGB画像情報を読み取る。なお、RGB画像情報とは、用紙Pに形成される画像を表す情報であり、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の明度を含むものである。
また、画像形成装置1には駆動ローラ141、従動ローラ142、二次転写ローラ145が設けられ、これらの駆動ローラ141、従動ローラ142、二次転写ローラ145に中間転写ベルト143が架け渡されている。そして、中間転写ベルト143と接するように4つの感光体ドラム122C、122M、122Y、122Kが設けられている。感光体ドラム122C、122M、122Y、122Kにはそれぞれ、シアン(C)色、マゼンタ(M)色、イエロー(Y)色、ブラック(K)色のトナーによって画像が形成される。各感光体ドラムに形成された画像が中間転写ベルト143の移動(図1の矢印(イ)に示される方向への移動)に伴い表面の同じ部分に転写されることによって、中間転写ベルト143の表面にカラーのトナー画像が形成される。
二次転写ローラ145と対向する位置に二次転写対向ローラ146が設けられている。中間転写ベルト143の表面に形成されているトナー像を用紙Pに転写(以降、二次転写という)するために、二次転写ローラ145は二次転写対向ローラ146との間に中間転写ベルト143を挟み込み、二次転写バイアスをかける。なお、二次転写バイアスとしては、中間転写ベルト143の表面に帯電されている静電荷とは逆の電荷を付与する。
感光体ドラム122Cの近傍には帯電部123Cが設けられている。帯電部123Cは感光体ドラム122Cの表面を一様に帯電する。また感光体ドラム122Cの近傍には露光部124Cが設けられている。露光部124Cは、帯電された感光体ドラム122Cの表面に、後述する制御部によって決定されたC色のトナー付着量に基づいて静電潜像を形成する。さらに、感光体ドラム122Cの近傍には現像部125Cが設けられており、現像部125Cは、静電潜像が形成された感光体ドラム122Cにトナーを付着して感光体ドラム122Cの表面にトナー像を形成する。
また、感光体ドラム122Cに対向して一次転写ローラ144Cが設けられている。一次転写ローラ144Cは、感光体ドラム122Cの表面のトナー像を中間転写ベルト143に転写するために一次転写バイアスをかける。なお、一次転写バイアスとしては、感光体ドラム122の表面に帯電されている静電荷とは逆の電荷を付与する。
以降の説明では、感光体ドラム122C、帯電部123C、露光部124C、現像部125Cを有するものを作像部12Cという。また、画像形成装置1は作像部12M、12Y、12Kを有しており、それぞれM色、Y色、K色のトナーを用いて作像する点を除いては作像部12Cと同様の構成を有している。
給紙部13は、二次転写ローラ145および二次転写対向ローラ146の間に用紙Pを供給する。給紙部13は、給紙トレイ131、給紙ローラ132、給紙搬送経路133、およびレジストローラ134を備えている。給紙トレイ131は用紙Pを収容している。給紙ローラ132は、給紙トレイ131に収容されている用紙Pを給紙搬送経路133の方へ搬送するために設けられている。このように設けられている給紙ローラ132は収容されている用紙Pのうち最上段にある用紙Pを一枚ずつ取り出し、給紙搬送経路133に載せる。
給紙搬送経路133は、給紙ベルトによって実現され、給紙ローラ132によって取り出された用紙Pを二次転写ローラ145と二次転写対向ローラ146の間に向けて、図1の矢印(ア)の方向へ搬送する。給紙搬送経路133において、用紙Pが二次転写ローラ145に到達する手前にはレジストローラ134が設けられる。中間転写ベルト143におけるトナー像が形成されている部分が二次転写ローラ145の位置に到達するタイミングで、レジストローラ134は用紙Pを送り出す。
定着部15は、中間転写ベルト143から用紙Pに転写されたトナーを定着させる。定着とは、熱と圧力が同時にトナーに加わることによってトナーの樹脂成分が用紙Pに溶着することである。定着部15においては定着ローラ151と定着対向ローラ152とが互いに対向して設けられている。定着ローラ151は定着対向ローラ152との間でトナーが転写された用紙Pを挟みこんで用紙Pを加圧する。さらに、定着ローラ151の内部には発熱部153が設けられている。発熱部153は熱を発するものであり、定着ローラ151を介して用紙Pを加熱する。また、定着部15の近傍には画像形成装置1の外側に用紙Pを排出する排紙口10が設けられている。
また、画像形成装置1の外側には表示・操作部18が設けられている。表示・操作部18は、パネル表示部181および操作部182を有している。パネル表示部181は設定値や選択画面等が表示され、ユーザからの入力を受け付けるタッチパネル等である。操作部182は、画像形成に係る各種情報をユーザが入力するためのテンキー、開始指示をユーザが入力するスタートキー等である。
また、画像形成装置1には上記の各部を制御するための制御部が設けられている。図3は、本実施形態における画像形成装置1の制御部のハードウェア構成を示す図である。制御部は、図3に示されるようにCPU(Central Processing Unit)1011、メインメモリ(MEM−P)1012、ノースブリッジ(NB)1013、サウスブリッジ(SB)1014を有している。
また、制御部は、AGP(Accelerated Graphics Port)バス1015、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)1016、ローカルメモリ(MEM−C)1017を有している。
また、制御部は、HD(Hard Disk)1018、HDD(Hard Disk Drive)1019、PCIバス1020、ネットワークI/F1021を有している。
CPU1011は、メインメモリ1012に記憶されたプログラムに従って、データを加工・演算したり、上述した各部の動作を制御したりするものである。メインメモリ1012は制御部の記憶領域であり、ROM(Read Only Memory)1012a、RAM(Random Access Memory)1012bを有している。ROM1012aは、制御部の各機能を実現させるプログラムやデータを記憶する。ROM1012aに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、FD、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
RAM1012bは、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いる。NB1013は、CPU1011と、MEM−P1012、SB1014、及びAGPバス1015とを接続するためのブリッジである。SB1014は、NB1013と周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。AGPバス1015は、グラフィック処理を高速化するためのグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースである。ASIC1016は、MEM−C1017を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)を有する。ASIC1016は、PCIバス1020を介してネットワークI/F1021に接続されている。ネットワークI/Fとしては、USB(Universal Serial Bus)インタフェース、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インタフェース等がある。
MEM−C1017は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD1018は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HDD1019は、CPU1011の制御にしたがってHD1018に対するデータの読み出し又は書き込みを制御する。ネットワークI/F1021は、通信ネットワークを介して情報処理装置等の外部機器と情報を送受信する。
<画像形成装置1の機能構成>
次に、本実施形態における画像形成装置1の制御部の機能構成について図4を用いて説明する。図4は、本実施形態における画像形成装置1の機能構成を示す図である。
制御部は画像形成装置1の動作を制御するものであり、図4に示されるように送受信部191、入力受付部192、画像読取制御部193、画像形成情報生成部194、画像形成制御部196、記憶・読出処理部199、記憶部1900を有している。これら各部は、図3に示されているROM1012aに記憶されているプログラムに従ったCPU1011からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、制御部は、図3に示されているROM1012aまたはHD1018によって構築される記憶部1900を有している。
送受信部191は、図3に示されているネットワークI/F1021によって実現され、通信ネットワークを介して情報処理装置等からRGB画像情報を受信する。RGB画像情報とは、用紙Pに形成される画像を表す情報であり、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の明度を用いて示されたものである。入力受付部192は、図1に示されている表示・操作部18でユーザによって入力された情報を受け付ける。画像読取制御部193は、図1に示されているスキャナ部11が原稿に記載されている画像を光学的に読み取りRGB画像情報を生成するよう制御する。
画像形成情報生成部194は、送受信部191が受信したRGB画像情報、またはスキャナ部11が読み取ったRGB画像情報に基づいて画像形成情報を生成する。具体的には、画像形成情報生成部194はRGB画像情報に対して色空間変換処理を行い、用紙Pに付着するC色、M色、Y色、K色の各トナー付着量Vc、Vm、Vy、Vkを画素ごとに算出する。なお、画像形成情報生成部194は色空間変換処理のほかに下色除去処理、シェーディング補正、位置ズレ補正、色空間の変換、ガンマ補正等を行ってもよい。また、画像形成情報とは、用紙に画像を形成するために画素ごとに付着するC色、M色、Y色、K色の各トナー付着量Vc、Vm、Vy、Vkを表す情報である。
画像形成制御部196は、作像部12C、12M、12Y、12Kを制御する作像制御部1962と、給紙部13を制御する給紙制御部1963とを有する。また、画像形成制御部196は、一次転写ローラ144、二次転写ローラ145、中間転写ベルト143等を制御する転写制御部1964と、定着部15を制御する定着制御部1965とを有する。
<光沢発生装置のハードウェア構成>
次に、図2、図5および図6を用いて光沢発生装置2のハードウェア構成について説明する。図2は光沢発生装置2のハードウェア構成を示す図である。図5は光沢発生装置の分離ローラ203及び曲率制御ローラ208の詳細について説明するための図である。図6は、光沢発生装置2の制御部のハードウェア構成を示す図である。
光沢発生装置2は、用紙Pに付着したトナーの表面を平滑にすることによって画像に光沢を発生させる。ここでの用紙Pは、画像形成装置1がトナーを付着して画像を形成したものである。
画像形成装置1の排紙口10の近傍に光沢発生装置2の挿入口22が設けられ、光沢発生装置2の筐体における挿入口22の反対側に用紙Pを排出する排紙口23が設けられている。さらに、光沢発生装置2の挿入口22の近傍から排紙口23の近傍にかけて、一部が水平となるようにグロッサベルト201が設けられている。グロッサベルト201の表面のうち少なくとも用紙Pと接する側の面は平滑であり、その表面粗さは例えば算術平均荒さRaが0.3μm以下とするのが好ましく、0.1μm以下であればより好ましい。用紙Pに形成された画像を形成するトナーがグロッサベルト201の平滑な面(以降、平滑面という)に接することにより、トナーの表面(以降、トナー表面という)は平滑になる。また、グロッサベルト201は水平に設けられている部分が挿入口22の近傍から排紙口23の近傍の方向(図2の矢印(ウ)で示される方向)へ50〜700mm/sの速度で移動する。グロッサベルト201は基材と上記平滑面側に形成される表面層との2層構造のベルトであり、基材には例えば厚さ10〜300μmの耐熱性の高い樹脂シートを使用している。この基材の一例としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミドなどを使用することが可能である。表面層としては例えば厚さ1〜100μmのシリコーン系樹脂を用いている。その他の表面層の材料としてはフッ素系樹脂等も使用することが可能である。
さらに、グロッサベルト201の水平な部分に接するように光沢付与加圧ロールとしての加圧ローラ205および光沢付与加熱ロールとしての加圧・加熱ローラ206、冷却部207が設けられている。加圧ローラ205および加圧・加熱ローラ206はグロッサベルト201を挟んで互いに対向して設けられ、光沢付与ニップ部を形成する。光沢付与ニップ部の幅は10〜40mm程度に設定される。加圧・加熱ローラ206はアルミニウム製の直径50〜70mmの円筒状金属ロールで内部に発熱器としてのハロゲンヒータ2061を有している。加圧ローラ205は例えば円筒状の金属ロールの外周に厚さ5〜30mmのシリコーンゴム層を形成し、表面が厚さ30〜200μmのフッ素樹脂のチューブで構成されている。
加圧・加熱ローラ206の近傍にはグロッサベルト表面の温度を検知する温度検知手段としてのサーミスタ26が設置されており、図7に示された加熱制御部222によってハロゲンヒータ2061をオン・オフ制御している。このような構成によりグロッサベルト201の加圧・加熱ローラ206上での表面温度はトナーの融点より高い温度、例えば100℃〜180℃に制御されている。加圧・加熱ローラ206は用紙Pを加熱すると同時に加圧ローラ205との間で、用紙Pのトナー表面とグロッサベルト201の平滑面とが接するようにして用紙Pを加圧する。これによって、用紙Pに付着しているトナーは溶融する。なお、ここでは加圧・加熱ローラ206の直径を50〜70mmとしたが、50mm〜120mmの構成としてもよく、その材質についても、加熱効率の観点から熱伝導率の良い金属が好ましいが、特に限定されるものではない。
また、グロッサベルト201の加圧・加熱ローラ206との接点よりも下流側には、加圧ローラ205および加圧・加熱ローラ206の間を通過した後の用紙Pを冷却するための冷却部207が設けられる。冷却部207は本実施形態においては液冷却方式によって実現され、加圧・加熱ローラ206によって加熱された用紙Pをトナーの融点以下の温度例えば40℃以下に冷却する。冷却部207が用紙Pを冷却すると用紙Pに付着しているトナーが硬化する。
グロッサベルト201を架け渡すように、挿入口22の近傍に駆動ローラ202が、排紙口23の近傍に分離ローラ203が設けられている。また、駆動ローラ202および分離ローラ203とともにグロッサベルト201を架け渡すように従動ローラ2041及び従動ローラ2042が設けられている。グロッサベルト201は駆動ローラ202、従動ローラ2041、従動ローラ2042および分離ローラ203に掛け渡されて周回するいわゆるエンドレスベルトを構成している。以降、このように構成されているグロッサベルト201で形成されるベルト周回経路を閉曲面という。
駆動ローラ202は水平に設けられている部分のグロッサベルト201が挿入口22から排紙口23の方へ移動するように、不図示の駆動源によって回転する。さらに、排紙口23の外側には排出された用紙Pを収容する排紙トレイ25が設けられている。
また、光沢発生装置2は、曲率制御ローラ208、排紙用搬送部209を有している。排紙用搬送部209は排紙用搬送ベルト2091、第1の排紙用搬送ローラ2092、第2の排紙用搬送ローラ2093、吸引ファン2094を有している。
曲率制御ローラ208はグロッサベルト201の進行方向に垂直な方向を軸として、分離ローラ203の近傍に設けられている。曲率制御ローラ208は、グロッサベルト201が形成する閉曲面の内側にグロッサベルト201を押し付ける。
このためグロッサベルト201によって搬送されている用紙Pが分離ローラ203に沿って移動するときにグロッサベルト201の曲率(図5(1)参照)が、曲率制御ローラ208が設けられないときの曲率(図5(2)参照)より大きくなる。なお、曲率制御ローラ208は図5(1)に示されるように分離ローラ203に接するように設けられてもよいが、図5(3)に示されるように分離ローラ203と離れて設けられてもよい。また、曲率制御ローラ208はグロッサベルト201との接点において、その表面がグロッサベルト201と同じ方向に移動するように、図2の矢印(エ)の方向へ回転する。
また、分離ローラ203の位置でグロッサベルト201から分離された用紙Pを排紙口23へ搬送するように排紙用搬送部209が設けられている。排紙用搬送部209の排紙用搬送ベルト2091は第1の排紙用搬送ローラ2092及び第2の排紙用搬送ローラ2093に掛け渡され、用紙Pが載せられる部分が分離ローラ203の近傍から排出口23の近傍に向かって(図2の矢印(オ)の方向)移動する。
また、第1の排紙用搬送ローラ2092、第2の排紙用搬送ローラ2093のいずれか一の搬送ローラは排紙用搬送ベルト2091が図2の矢印(オ)の方向に移動するよう回転する。他の搬送ローラは、排紙用搬送ベルト2091の移動に伴って回転する。
また、排紙用搬送ベルト2091における用紙Pが載置される表面と反対側の面側から風量1〜2m3/分で空気を吸引する吸引ファン2094が設けられている。吸引ファン2094が空気を吸引することによって、用紙Pは排紙用搬送ベルト2091に吸い寄せられ排紙用搬送ベルト2091から外れるのを防ぐことができる。なお、排紙用搬送部209は第2の記録媒体搬送部の一例である。
また、光沢発生装置2は制御部を有している。制御部は、図6に示されるように光沢発生装置2全体の動作を制御するCPU211、制御部の各機能を実現させるプログラムやデータを記憶したROM212、CPU211のワークエリアとして使用されるRAM213を有している。また、制御部は、各種データを記憶するHD(Hard Disk)214、CPU211の制御にしたがってHD214に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)215を有している。また、制御部は、通信ネットワークを利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F(Interface)216、および上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン217を備えている。また、ROM212には、光沢発生装置2を制御するための光沢発生処理制御プログラムが記憶されている。
冷却部207は内部に冷却液を通すことでグロッサベルト201を冷却する冷却部材41、ラジエータ42、タンク43、ポンプ44を有し、各部材はチューブによって接続されて冷却液が循環する。
冷却部材41は、例えばアルミニウム等の熱伝導性の良い金属で形成され、内部には冷却液が循環するための孔が冷却部材41の内部を往復するように形成されている。
冷却部材41は、グロッサベルト201に接触してグロッサベルト201を冷却することで、グロッサベルト201に密着搬送される用紙P上のトナー像を冷却している。
ラジエータ42は、冷却液を冷却するためのファンを有し、ファンの風量を変更することで冷却量を調整可能である。用紙P上のトナーを効率的に冷却するためには、例えばファンの風量を0〜11m3/分に設定可能であれば望ましい。
ポンプ44は、冷却部を流れる冷却液の流量を調整可能であり、例えば0〜15リットル/分に調整可能であれば望ましい。
以上のような構成の冷却部207によれば、グロッサベルト201に密着した状態で用紙Pに付着しているトナーが冷却され、硬化することで、トナーにグロッサベルト201の表面状態がトナーに転写され、光沢度の高い画像を得ることができる。
このようにして得られた画像の光沢度は20°、光沢度の値で65〜80の値であった。
以上の冷却部材41、ラジエータ42、タンク43、ポンプ44を、複数、本形態では3つを組み合わせてグロッサベルト201に接触させることで、より効率よく冷却することができる。
図2ではこれら冷却手段が3つ直列に設けた場合の構成を図示しているが、冷却を十分に行うという目的に沿う範囲であれば、必ずしも3つである必要はない。
なお、冷却部207を構成する冷却装置は、上記以外に、風をグロッサベルト201に送る冷却ファン、冷媒、ヒートポンプ等を使用してもよい。
なお、グロッサベルト201は記録媒体搬送部の一例であり、曲率制御ローラ208は曲率制御部の一例であり、吸引ファン2094は吸引部の一例である。
<光沢発生装置2の機能構成>
次に、本実施形態における光沢発生装置2の制御部の機能構成について図7を用いて説明する。図7は、本実施形態における光沢発生装置2の制御部の機能構成を示す図である。
制御部は光沢発生装置2の動作を制御するものであり、図7に示されるように搬送制御部221、加熱制御部222、加圧制御部223、冷却制御部224を有している。これら各部は、図6に示されているROM212に記憶されているプログラムに従ったCPU211からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
搬送制御部221は、駆動ローラ202を制御して回転させてグロッサベルト201を移動させる。加熱制御部222は、加圧・加熱ローラ206のハロゲンヒータ2061が発熱するよう制御する。加圧制御部223は、用紙Pを加圧するように加圧ローラ205および加圧・加熱ローラ206を制御する。冷却制御部224は、用紙Pを冷却するように冷却部207を制御する。
<<第1の実施形態の処理・動作>>
続いて、図8及び図9を用いて、本実施形態に係る画像形成システムの処理を説明する。図8は、画像形成装置1が画像を形成する処理の概要を示す処理フロー図である。図9は、光沢発生装置2が画像に光沢を発生させる処理の概要を示す処理フロー図である。
図8に示されるように、まず、送受信部191がRGB画像情報を外部の情報処理装置等から受信する(ステップS21)。送受信部191がRGB画像情報を受信すると、画像形成情報生成部194がRGB画像情報に基づいて画像形成情報を生成する(ステップS22)。
具体的には、画像形成情報生成部194はRGB画像情報に対して色空間変換処理を行うことによって、トナー付着量Vc、Vm、Vy、Vkを算出する。なお、画像形成情報生成部194は、RGB画像情報に対して色空間変換処理のほか、下色除去処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の公知の画像処理を実行してもよい。さらに、画像形成情報生成部194は用紙上の全ての画素についてトナー付着量Vc、Vm、Vy、Vkを算出し、用紙における位置とその位置に対応するトナー付着量を表す情報である画像形成情報を生成する。
ステップS22で画像形成情報が生成されると、給紙制御部1963の制御によって給紙部13が給紙処理を行う(ステップS23)。具体的には、給紙部13の給紙ローラ132が給紙トレイ131に収容されている用紙Pを1枚ずつ取り出し、給紙搬送経路133に載せる。給紙搬送経路133は、図1に示す矢印(ア)の向きに移動することによって、載せられた用紙Pをレジストローラ134の方へ搬送する。搬送された用紙Pがレジストローラ134に到達すると、中間転写ベルト143の表面に形成されたトナー像が二次転写ローラ145に到達するまでレジストローラ134が用紙Pを挟み込んで待機させる。そして、中間転写ベルト143の表面に形成されたトナー像が二次転写ローラ145に到達するタイミングで、レジストローラ134は二次転写ローラ145と二次転写対向ローラ146の間に用紙Pを送り込む。
一方、作像制御部1962の制御によって作像部12C、12M、12Y、12Kは感光体ドラム122に各トナーを付着させる作像処理を行う(ステップS24)。具体的には、帯電部123Cが感光体ドラム122Cの表面を一様に帯電させる。そして、露光部124Cが、画像形成情報生成部194によって生成された画像形成情報のトナー付着量Vcに基づいて感光体ドラム122Cの表面にレーザ光を照射する。これによって、感光体ドラム122Cの表面にはトナー付着量VcのC色のトナーを用紙に付着させるための静電潜像が形成される。
感光体ドラム122Cの表面に静電潜像が形成されると、現像部125CはC色のトナーを用いて静電潜像を現像する。このようにすると、感光体ドラム122Cの表面にC色のトナー像が作像される。同様にして、感光体ドラム122M、122Y、122Kの表面にはそれぞれM色、Y色、K色のトナーによるトナー像が作像される。これらの作像のための処理は感光体ドラム122Cの表面にC色のトナー像が作像されるための処理と同様であるため説明を省略する。
各感光体ドラム122の表面に各トナーによってトナー像が作像されると、転写制御部1964の制御によって転写処理が行われる(ステップS25)。具体的には、まず、一次転写ローラ144が中間転写ベルト143に一次転写バイアスをかける。すると、中間転写ベルト143に各感光体ドラム122の表面のトナー像が転写(以降、一次転写という)される。
トナー像が転写された中間転写ベルト143は、駆動ローラ141および従動ローラ142の回転によって矢印(イ)の方向へ移動する。また、中間転写ベルト143におけるトナー像が転写された部分が二次転写ローラ145に到達するタイミングでレジストローラ134が用紙Pを送り出す。用紙Pがレジストローラ134によって送り出され、二次転写ローラ145に到達すると、二次転写ローラ145は二次転写対向ローラ146との間で用紙Pと中間転写ベルト143を挟み込み、用紙Pに二次転写バイアスをかける。これにより中間転写ベルト143の表面に形成されているトナー像が用紙Pに転写(以降、二次転写という)される。
このように、用紙Pにトナー像が転写されると、定着制御部1965の制御によって定着部15が定着処理を行う(ステップS26)。具体的には、まず、搬送された用紙Pが定着ローラ151と定着対向ローラ152とが接する位置に到達すると、定着ローラ151は定着対向ローラ152との間に用紙Pを挟み込む。このとき、定着ローラ151は発熱部153によって加熱されているので、用紙Pは加圧されるのと同時に所定の温度で加熱される。そして、用紙P上に転写されたトナー像を形成するトナーは溶融し、溶融されたトナーが付着した用紙Pを定着ローラ151が加圧するとトナーが用紙Pに定着する。
定着部15によって用紙Pにトナーが定着すると、用紙Pは排紙口10から画像形成装置1の外へ排出される(ステップS27)。ステップS27で、画像形成装置1の排紙口10から排出された用紙Pは光沢発生装置2に挿入される。
用紙Pが挿入されると、光沢発生装置2は用紙Pに形成された画像に光沢を発生させる処理を行う。この処理の詳細について図9を用いて説明する。光沢発生装置2は、前述のように画像形成装置1の排紙口10から排出された用紙Pを挿入口22から受け付ける(ステップS41)。これによって、トナーが付着している用紙Pの記録面がグロッサベルト201の平滑面に接するように載せられる。
ステップS41で用紙Pが受け付けられると、搬送制御部221の制御によってグロッサベルト201が用紙Pを搬送する。用紙Pの先端が加圧ローラ205および加圧・加熱ローラ206の位置に到達すると、加圧制御部223によって制御されている加圧ローラ205および加圧・加熱ローラ206が用紙Pを挟みこんで加圧する(ステップS42)。このとき、加熱制御部222の制御で発熱器であるハロゲンヒータ2061が発熱し、サーミスタ26が接触している部分におけるグロッサベルト201の表面温度を150℃に制御維持する(ステップS42)。用紙Pは光沢付与ニップ部を通過することで100℃〜120℃に加熱され、表面のトナーが軟化、溶融する。これによって、トナーの表面は平滑になる。
ステップS42で加圧ローラ205および加圧・加熱ローラ206によって用紙Pが加熱および加圧されると、冷却制御部224によって制御された冷却部207が用紙Pを40℃以下に冷却する(ステップS43)。これによって用紙Pの表面に定着しているトナーはグロッサベルト201の平滑面の表面状態を転写された状態で硬化し、表面が平滑になった状態で安定して保持される。最後に、用紙Pは分離ローラ203の位置でグロッサベルト201から分離される(ステップS44)。
このようにして得られた画像の光沢度は20°光沢度の値で65〜80の値であった。
このとき、グロッサベルト201の曲率(図5(1)参照)は、曲率制御ローラ208が設けられないときの曲率(図5(2)参照)より大きいため、曲率制御ローラ208が設けられない場合に比べて用紙Pはグロッサベルト201から分離しやすくなる。
また、吸引ファン2094は空気を吸引することによってグロッサベルト201から分離する方向に用紙Pに力を加えるため、用紙Pはグロッサベルト201からさらに分離しやすくなる。
ステップS44で用紙Pがグロッサベルト201から分離されると排紙用搬送ベルト2091に載置される。そして用紙Pが載置された排紙用搬送ベルト2091は排出口23の方向に移動し、用紙Pを搬送する。用紙Pが排紙口23に到達すると光沢発生装置2の外へ排出される。そして、排出された用紙Pは排紙トレイ25に収容される。
<<第2の実施形態>>
次に本発明の第2の実施形態について図10を用いて説明する。図10は第2の実施形態における光沢発生装置2を示す図である。第2の実施形態においては、第1の実施形態における曲率制御ローラ208が第2の排紙用搬送ローラ2092を兼用している。言い換えれば、曲率制御ローラ208は排紙用搬送ベルト2091を掛け渡して回転するとともに、グロッサベルト201が形成する閉曲面の内側にグロッサベルト201を押し付ける。
なお、第2の実施形態における上記以外の構成、及び処理・動作は第1の実施形態と同じであるためその説明を省略する。
第2の実施形態の構成とした場合、第1の実施形態の構成に比べて、第2の排紙用搬送ローラ2092に係るスペースを減少することができ光沢発生装置2の小型化に寄与することが可能となる。
<<第3の実施形態>>
次に本発明の第3の実施形態について図11及び図12を用いて説明する。図11は第3の実施形態における光沢発生装置2を示す図である。図12は第3の実施形態における排紙用搬送部209を排紙用搬送ベルト2091の面側から見た図である。
第3の実施形態においては、第2の実施形態における第1の排紙用搬送ローラ2092に曲率制御コロ2081が設けられている。図11に示されるように曲率制御コロ2081の軸は第1の排紙用搬送ローラ2092の軸と同一であり、曲率制御コロ2081の直径は第1の排紙用搬送ローラ2092の直径より長い。また、図12に示されるように曲率制御コロ2081は第1の排紙用搬送ローラ2092の周縁を覆うように設けられている。
排紙用搬送部209における排紙用搬送ベルト2091はグロッサベルト201に比べて表面粗さの大きいエチレンプロプレンゴムにより実現されている。上記に記載したとおりグロッサベルト201、加圧・加熱ローラ206、冷却部207等により用紙Pに形成された画像に光沢が発生するため、用紙Pは滑りやすくなっている。そのため、表面粗さの大きい材質からなる排紙用搬送ベルト2091を用いることで排紙口23までの搬送中に用紙Pが排紙用搬送ベルト2091から外れてしまうのを防ぐためである。
このように表面粗さの大きい材質からなる排紙用搬送ベルト2091をグロッサベルト201に押し当てた場合、グロッサベルト201が傷ついたり破損したりしてしまうことがある。このとき、曲率制御コロ2081の直径は第1の排紙用搬送ローラ2092の直径より大きいため曲率制御コロ2081がグロッサベルト201を押した場合に、排紙用搬送ベルト2091はグロッサベルト201に接しない状態を維持することができる。よって、グロッサベルト201が傷ついたり破損したりするのを防ぐことが可能となる。
なお、第3の実施形態における上記以外の構成、及び処理・動作は第2の実施形態と同じであるためその説明を省略する。
<<第4の実施形態>>(紙種に応じて食い込み量を制御)
次に本発明の第4の実施形態について図13〜図18を用いて説明する。図13及び図14は第4の実施形態における光沢発生装置2を示す図である。図15〜図18は第4の実施形態における光沢発生装置の曲率制御ローラ208、分離ローラ203、接離機構300、接離制御部1966の構成及び動作を示す図である。
第4の実施形態においては、光沢発生装置2は、曲率制御ローラ208の位置を変更する接離機構300と、接離機構300の動作を制御する接離制御部1966と、用紙Pの厚みを検知する図示しない厚み検知手段と、を有する。図16に示すように、本実施形態における曲率制御ローラ208は、接離制御部1966の信号に基づいて駆動する接離機構300によって、グロッサベルト201に対する位置を任意に変更することが可能である。具体的には、厚み検知手段を用いて、接離機構300のグロッサベルト201に対する位置を用紙Pの厚みに応じて変更する。本実施形態では、接離制御部1966は、図6に示されたROM212に記憶されているプログラムに従ったCPU211からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。この場合、接離制御部1966は図15に示すように光沢発生装置2の制御部の一部として動作する。あるいは接離制御部1966は、図4に示す画像形成装置の制御部からの信号に基づいて動作する機能または手段としても構わない。この場合には、接離制御部1966は図22に示すように画像形成装置の画像形成制御部の一部として動作する。
本実施形態における接離機構300は、接離制御部1966からの信号に基づいてグロッサベルト201の進行方向に垂直な方向を軸として、曲率制御ローラ208の位置を任意に変えるソレノイドアクチュエーターで実現される。
なお、接離機構300は、前述の目的に沿う動きを可能とする部材であれば上記に限定されるものではなく、例えば複数のモーターや比例ソレノイドアクチュエーター等の駆動部材を単体で用いても、あるいは組み合わせて用いてもよい。
図16に示すように曲率制御ローラ208がグロッサベルト201と当接してから、曲率制御ローラ208がグロッサベルト201を押し込んだ量を食込み量とすれば、食込み量と剥離のしやすさとの間には密接な関係がある。通常、普通紙(例えば100g/cm2紙)など厚みが薄く曲率分離では剥離しにくい記録媒体の場合には食込み量を3mm〜4mmに設定することで容易に剥離をすることができる。それに対して厚紙(例えば300g/cm2紙)は紙自体の強度が強く、曲率分離が容易にできる。そのため、前記食込み量を3mm〜4mmに設定したままでは紙に不要な圧力が加わり、分離ローラ203に届いていない部位までグロッサベルト201から剥離してしまうことがある。それにより狙いの光沢度が出ない等の画像不良や、ジャム等の搬送不良の原因となってしまうことがありうる。
このような不具合を解消するため、本実施の形態では図17、図18に示すように用紙Pの種類に応じてグロッサベルト201への食込み量を変えるような構成となっている。すなわち、用紙Pが薄い場合は食込み量を多く設定し、用紙Pが厚い場合は食込み量を少なくあるいは接触しないように、接離制御部1966によって食込み量を制御している。このとき、用紙Pの種類の情報については、光沢発生装置2の中に設けられた図示しない厚み検知手段を用いて取得することができる。
光沢発生装置2の挿入口22の近傍には、厚み検知手段としてはたらく厚み検知センサが配置され、挿入された用紙Pの厚さ検知を行うようにしている。厚み検知センサとしては、変位センサを用いることができる。用紙Pの厚みによって、用紙Pのおもて面の高さが変位するので、変位センサの出力値が変化する。よって、変位センサの出力値に基づいて、用紙Pの厚みを検知することができる。変位センサとしては、光学式などの非接触の変位センサを用いてもよいし、接触式の変位センサを用いてもよい。
第4の実施形態における光沢発生装置2の動作について説明する。光沢付与ニップ部を通過した用紙Pは、冷却部207を通過する間に冷却され、用紙Pとグロッサベルト201の表面が密着した状態で、曲率制御ローラ208のところまで搬送される。用紙Pが曲率制御ローラ208のところへ搬送されるまでは、図14に示すように曲率制御ローラ208とグロッサベルト201とは離間している。用紙Pの搬送速度は既知であるから、用紙Pが曲率制御ローラ208のところへ搬送される時間を予測して、あらかじめ設定された時間後に、図13のように曲率制御ローラ208はグロッサベルト201に接触するように接離制御部1966によって制御される。
同時に、接離制御部1966は、厚み検知センサからの用紙Pの厚みの情報に基づいて食込み量を設定し、接離機構300によって曲率制御ローラ208をグロッサベルト201に向かって押し付ける。このときの食込み量は例えば普通紙の場合で3mm〜4mmに設定できる。
曲率制御ローラ208をグロッサベルト201に接離する接離機構300と、接離機構300の動作を制御する接離制御部1966と、を有する。これによって用紙Pをグロッサベルト201から容易に剥離することができるとともに、安定して搬送を行えるから狙いの光沢度を得られる。
接離制御部1966は、用紙Pの厚みに応じて曲率制御ローラ208がグロッサベルト201を押し込む食込み量を制御する。これによって、用紙Pの厚みによらず、いかなる厚みの用紙Pであってもグロッサベルトからの剥離を安定して容易に行うことができるとともに、安定して搬送を行えるから狙いの光沢度を得られる。
なお、第4の実施形態における上記以外の構成、及び処理・動作は第1の実施形態と同
じであるためその説明を省略する。
<<第5の実施形態>>
次に本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態では、用紙Pの種類に応じて、接離制御部1966が曲率制御ローラ208をグロッサベルト201へ接離させるタイミングを制御する構成となっている。
用紙Pの厚みによって食込み量を変える構成において、特に用紙Pが厚い場合においては、用紙Pが搬送途中で特に用紙Pの後端のみグロッサベルト201に接触している状態のときは、用紙Pとグロッサベルト201の密着力が弱くなっている。そのため、用紙Pの後端部分が分離ローラ203に至る前にグロッサベルト201から剥離してしまうことがある。このように、用紙Pがグロッサベルト201から剥離するのが早いと、狙いの光沢度が出ない等の画像不良や、ジャム等の搬送不良の原因となってしまうことがあり得る。
このような不具合を解消するため、本実施形態では、例えば用紙Pが厚い場合に、用紙Pの後端付近で曲率制御ローラ208が用紙Pを介してグロッサベルト201に当接した状態を維持するよう制御する。この制御を以下当接維持制御という。
接離制御部1966が、曲率制御ローラ208がグロッサベルト201へ接離するタイミングを、用紙Pの厚みに応じて制御するので、剥離しやすい種類の用紙Pであっても安定して搬送することができる。
これにより、用紙Pの種類によらず、用紙Pを安定して搬送しながらも、分離ローラ203の位置で確実にグロッサベルト201から剥離することが可能となる。
また、グロッサベルト201の表面は非常に平滑性が高いため、曲率制御ローラ208とグロッサベルト201とが直接接触することにより、グロッサベルト201の表面が荒れてしまうことがある。
このような問題を解決するため、接離制御部1966は、あらかじめ設定された時間後に曲率制御ローラ208をグロッサベルト201から離間させるように設定することができる。用紙Pの搬送速度は既知であるから、この場合、用紙Pが曲率制御ローラ208の位置を通過後に、曲率制御ローラ208をグロッサベルト201から離間するように制御することができる。この制御を以下、離間タイミング制御という。
離間タイミング制御を行うことで、グロッサベルト201からの用紙Pの剥離を容易にしながらも、曲率制御ローラ208とグロッサベルト201が直接(用紙Pを介さない状態で)接触する時間をなくすか、当接するとしても極力短くすることができる。
これにより、グロッサベルト201の表面を荒らす事がないため、グロッサベルト201の寿命を長くすることができる。
なお、第5の実施形態における上記以外の構成、及び処理・動作は第4の実施形態と同
じであるためその説明を省略する。
<<第6の実施形態>>(検知手段でタイミングを制御)
次に本発明の第6の実施形態について図19を用いて説明する。図19は第6の実施形態における光沢発生装置2を示す図である。
本実施形態における光沢発生装置2は、図19に示すようにガイド部材30の下方に用紙Pの通過を検知する用紙検知手段86が設置されている。
用紙Pが図19において図中右側より光沢発生装置に搬送されてくると、用紙検知手段86は、用紙Pの通過を検知する。用紙Pの搬送速度は既知であるから、通過を検知することで、用紙Pの搬送経路上での位置を精度よく予測することができる。
用紙検知手段86を用いて、接離制御部1966は、曲率制御ローラ208がグロッサベルト201に接離する位置と、用紙Pの位置との相対位置を検知する。さらに、接離制御部1966は、検知した相対位置に応じて、曲率制御ローラ208がグロッサベルト201に接離するタイミングを制御する。
前記タイミングを制御するモードの一例として、用紙Pが分離ローラ203に到達するより前に接触させるモード1と、用紙Pが分離ローラの位置を到達中に接触させるモード2とが挙げられる。
モード1のように用紙Pが分離ローラ203に到達するより前に曲率制御ローラ208をグロッサベルト201へ当接させることで、曲率制御ローラ208とグロッサベルト201の直接接触する時間をなくすか、極力短くすることができる。モード1のように制御することにより、用紙Pの剥離処理を安定して行いながらも、グロッサベルト201の表面が荒らされるのを防いで、グロッサベルト201の寿命を長くすることができる。
また、モード2のように用紙Pが分離ローラ203の位置へ到達中に接触させることで、曲率制御ローラ208とグロッサベルト201が直接接触することを防ぐことができる。モード2のように制御することにより、グロッサベルト201の表面が荒らされるのを防いで、グロッサベルト201の寿命を長くすることができる。
このように、接離制御部1966が、曲率制御ローラ208とグロッサベルト201とが接離するタイミングを、曲率制御ローラ208の接離位置と、用紙Pの位置との相対位置に応じて制御するので、グロッサベルト201の表面が荒らされるのを防いで、グロッサベルト201の寿命を長くすることができる。
なお、第6の実施形態における上記以外の構成、及び動作・処理は第5の実施形態と同
じであるためその説明を省略する。
<<第7の実施形態>>
次に本発明の第7の実施形態について図20を用いて説明する。図20は第7の実施形態における光沢発生装置2を示す図である。本実施形態では、第4の実施形態における曲率制御ローラ208が、第1の実施形態における第1の排紙用搬送ローラ2092を兼用している。言い換えれば、曲率制御ローラ208には、用紙Pをグロッサベルト201から剥離して搬送する搬送手段としての排紙用搬送ベルト2091が巻きかけられて回転している。
本実施形態では、曲率制御ローラ208が薄い用紙Pから厚い用紙Pに至るまで、様々な種類の用紙Pをグロッサベルト201から安定して剥離するとともに、排紙用搬送ベルト2091を駆動し、用紙Pをグロッサベルト201から排出・搬送することができる。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、上記実施形態において、図21に示すように画像形成装置1と光沢発生装置2は近接して設けられてもよい。あるいは、画像形成装置1の排紙口10と光沢発生装置2の挿入口22の間に用紙Pを搬送する搬送ベルト等を設けて画像形成装置1と光沢発生装置2を互いに離れた位置に置いてもよい。また、上記実施形態では画像形成装置1と光沢発生装置2を別の装置として記載しているが、これらの装置が備える機能を単体の装置が含むようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ステップS21で送受信部191が画像情報を受信するとしているが、画像読取制御部193によって制御されている読取センサ112がコンタクトガラス111に載せられた原稿用紙等からRGB画像情報を読み取るとしてもよい。
また、上記実施形態では、画像形成装置1がC色、M色、Y色、K色のトナーを用いて画像を形成するとしているが、C色、M色、Y色、K色のトナーの他にクリアートナー、白色トナー等の特殊トナーを用いてもよい。
また、上記実施形態においては、画像形成装置1はRGB画像情報に基づいて画像を形成する処理が記載されているが、モノクロの画像を表す画像情報に基づいて画像を形成してもよい。
また、上記実施形態においては、曲率制御ローラ208を動作させてグロッサベルト201に当接させる構成が記載されているが、用紙Pの曲率を変えて剥離を容易にする目的において、分離ローラ203を駆動して用紙Pの曲率を変える構成としてもよい。
その場合には、グロッサベルト201にはたらく張力を一定となるよう従動ローラ2041、2042を動かせるような構成、例えばバネにより弾性的に従動ローラ2041、2042を支持した構成であることが望ましい。
たとえば、本発明の第1〜第7の実施形態において記載された各処理は、特にその構成に矛盾するものがない限り、各構成を組み合わせて実施してもよい。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。