JP6229090B1 - H型カルボキシル化セルロースナノファイバー - Google Patents

H型カルボキシル化セルロースナノファイバー Download PDF

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Abstract

【課題】低ずり領域で高粘度である酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーと、極めて短い繊維長を有する酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーを提供すること。【解決手段】セルロース分子鎖を構成する少なくとも一部の構成単位にカルボキシル基を有するカルボキシル化セルロースナノファイバーであって、含有率が0.95〜1.05質量%の水分散体における粘度が、30℃、0.003〜0.01s−1のずり速度において400Pa・s以上であるカルボキシル化セルロースナノファイバー、又は平均繊維長が50〜500nmであり、300nm以下の繊維長を有する繊維の割合が50%以上であるカルボキシル化セルロースナノファイバー。【選択図】なし

Description

本発明は、カルボキシル化セルロースナノファイバーに関する。
セルロース原料を2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシラジカル(以下、「TEMPO」ともいう)と安価な酸化剤である次亜塩素酸ナトリウムとの共存下で処理すると、セルロースのミクロフィブリルの表面にカルボキシル基を効率よく導入することができる。カルボキシル基を導入したセルロースを水中にてミキサー等で処理すると、高粘度で透明なセルロースナノファイバーの水分散液が得られる。
上記の通り、セルロースナノファイバーの表面には、カルボキシル基が導入されているため、当該カルボキシル基を起点として自由に改質することができる。また、セルロースナノファイバーは分散液の形態なので、水溶性ポリマーとブレンドすることや、有機・無機系顔料と複合化して改質することもできる。さらに、セルロースナノファイバーをシート化又は繊維化することもできる。このような特性により、セルロースナノファイバーを高機能包装材料、透明有機基板部材、高機能繊維、分離膜、再生医療材料等に応用した新規高機能性商品の開発が検討されている。
上記新規高機能性商品の一例として、特許文献1には、カルボキシル化されたセルロース繊維と水とを含有するスプレー用組成物が提案されている。特許文献1に記載のスプレー用組成物に含有されるカルボキシル化されたセルロース繊維は、脱塩工程を経ていないため、製造手順からナトリウム塩型であると推認される。
また、カルボキシル基を導入したセルロースを解繊する際に要するエネルギー低減を目的として、解繊処理の前に、アルカリ加水分解処理を行うことが提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、解繊に要するエネルギーをより低減することを目的として、解繊処理の前に行うアルカリ加水分解処理に加えて、低粘度化処理を行うことが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2010−37200号公報 国際公開第2013/137140号 特開2012−214717号公報
特許文献1には、塩類の存在下で機能が低下する添加剤があることが記載されている。そのため、カルボキシル化されたセルロース繊維をスプレー用組成物に使用する場合、カルボキシル化されたセルロース繊維は、脱塩処理して酸型に変換したものが好ましい。
しかしながら、カルボキシル化されたセルロース繊維を、塩酸等の鉱酸で酸処理して得られる酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーは、ずり速度が低い領域(以下、「低ずり領域」ともいう)において、粘度が低くなる傾向にあった。そのため、スプレー用組成物に用いる際、液だれを防止するために増粘剤を添加する場合があった。
従って、低ずり領域で高粘度の酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーの開発が望まれている。
また、特許文献2、3に提案された方法で、カルボキシル基を導入したセルロースを、解繊に先だってアルカリ加水分解する場合、得られるカルボキシル化セルロースナノファイバーはアルカリ金属塩型である。これを酸処理により脱塩処理したところ、酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーを単離することができなかった。
本発明者等は酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーを単離できない理由を検討したところ、アルカリ加水分解した後、解繊によりカルボキシル化セルロースナノファイバーを製造すると、極めて短い繊維長を有するナノファイバーの割合が多くなることがわかった。そのため、酸処理による脱塩処理の後、ろ過を施しても、濾物として単離することができず、濾液中にNaCl等とともに含まれてしまうことがわかった。
新規高機能性商品の中には、極めて短い繊維長を有する酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーが望まれる分野もあるので、これを単離して提供することが好ましい。
本発明の第一の課題は、低ずり領域で高粘度である酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーを提供することである。
また、本発明の第二の課題は、極めて短い繊維長を有する酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーを提供することである。
本発明者らは、上記第一の課題について鋭意検討した結果、陽イオン交換樹脂により脱塩処理して得られる酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーが、上記第一の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、上記第二の課題について鋭意検討した結果、カルボキシル基を導入した酸化セルロースをアルカリ加水分解処理した後、解繊して得られるカルボキシル化セルロースナノファイバー塩を陽イオン交換樹脂により脱塩処理することで、上記第二の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明者らは、下記の〔1〕〜〔7〕を提供する。
〔1〕セルロース分子鎖を構成する少なくとも一部の構成単位にカルボキシル基を有するカルボキシル化セルロースナノファイバーであって、含有率が0.95〜1.05質量%の水分散体における粘度が、30℃、0.003〜0.01s−1のずり速度において400Pa・s以上であるカルボキシル化セルロースナノファイバー(以下、「ナノファイバーA」ともいう)。
〔2〕セルロース分子鎖を構成する少なくとも一部の構成単位にカルボキシル基を有するカルボキシル化セルロースナノファイバーであって、平均繊維長が50〜500nmであり、300nm以下の繊維長を有する繊維の割合が50%以上であるカルボキシル化セルロースナノファイバー(以下、「ナノファイバーB」ともいう)。
〔3〕平均繊維径が2〜50nmである上記〔2〕に記載のカルボキシル化セルロースナノファイバー。
〔4〕平均繊維径が2〜30nmである上記〔2〕に記載のカルボキシル化セルロースナノファイバー。
〔5〕600nm以上の繊維長を有する繊維の割合が20%未満である上記〔2〕〜〔4〕のいずれかに記載のカルボキシル化セルロースナノファイバー。
〔6〕前記セルロース分子鎖の少なくとも一部が、グルコピラノース単位のC6位の1級水酸基を有する炭素原子が選択的に酸化されたカルボキシル基を有する構成単位で構成される上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のカルボキシル化セルロースナノファイバー。
〔7〕前記カルボキシル基量が、前記カルボキシル化セルロースナノファイバーの絶乾質量に対して、0.8〜2.0mmol/gである上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のカルボキシル化セルロースナノファイバー。
本発明によれば、低ずり領域で高粘度である酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーを提供することができる。
また、本発明によれば、極めて短い繊維長を有する酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーを提供することができる。
実施例1及び2のカルボキシル化セルロースナノファイバーの繊維長分布を示すグラフである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。なお、本明細書中、「H型カルボキシル化セルロースナノファイバー」とは、ナトリウム塩等の金属塩を脱塩処理して、酸型に変換したカルボキシル化セルロースナノファイバーをいう。
[1.ナノファイバーA]
本発明のナノファイバーAは、H型カルボキシル化セルロースナノファイバーである。また、本発明のナノファイバーAは、セルロース分子鎖を構成する少なくとも一部の構成単位にカルボキシル基を有し、その含有率が0.95〜1.05質量%の水分散体における粘度が、30℃、0.003〜0.01s−1のずり速度において400Pa・s以上である。
そのため、本発明のナノファイバーAを、例えば、スプレー用組成物に用いる場合、他の増粘剤を使用しない、或いは他の増粘剤を使用しても少ない量で液だれを防止することができる。
本発明のナノファイバーAは、その含有率が0.95〜1.05質量%の水分散体における粘度が、30℃、0.003〜0.01s−1のずり速度において、400Pa・s以上であり、500Pa・s以上であることが好ましい。
なお、粘度は、例えば、ナノファイバーAに水を添加して、0.95〜1.05質量%の水分散体を調製し、当該水分散体を、粘弾性レオメーター(例えば、「MCR301」、アントンパール社製)を用いて、所定のずり速度で測定することができる。
本発明のナノファイバーAは、平均繊維長が、200〜2000nmであることが好ましく、250〜1500nmであることがより好ましく、300〜1000nmであることがさらに好ましい。
また、本発明のナノファイバーAは、平均繊維径が、1.5〜1000nmであることが好ましく、2.0〜750nmであることがより好ましく、2.5〜500nmであることがさらに好ましい。
[2.ナノファイバーB]
本発明のナノファイバーBは、H型カルボキシル化セルロースナノファイバーである。また、本発明のナノファイバーBは、セルロース分子鎖を構成する少なくとも一部の構成単位にカルボキシル基を有し、その平均繊維長が50〜500nmであり、300nm以下の繊維長を有する繊維の割合が50%以上である。
酸化セルロースをアルカリ加水分解処理した後、陽イオン交換樹脂を用いて脱塩処理することで、上記の2つの繊維長の要件を充足するナノファイバーBを単離して得ることができる。
本発明のナノファイバーBは、平均繊維長が50〜500nmであり、100〜400nmであることが好ましい。また、300nm以下の繊維長を有する繊維の割合は50%以上であり、60%以上であることが好ましい。さらに、600nm以上の繊維長を有する繊維の割合は20%未満であることが好ましく、15%未満であることがより好ましく、10%未満であることがさらに好ましい。このような条件を満たすナノファイバーBは、繊維長分布が短い領域に収束しており、樹脂やゴムとの複合材料として、或いは塗料材料への添加剤としての利用を特に期待し得る。
本発明のナノファイバーBは、平均繊維径が2.0〜50nm、2.0〜40nm、2.0〜30nmであることが好ましく、2.5〜30nm、3.0〜30nm、3.0〜20nmであることがより好ましく、3.0〜15nmがさらに好ましい。
カルボキシル化セルロースナノファイバーの平均繊維長は、以下のようにして算出することができる。カルボキシル化セルロースナノファイバーをマイカ切片上に固定し、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて200本の繊維長を測定し、長さ(加重)平均繊維長を算出することができる。なお、繊維長の測定は、画像解析ソフトWinROOF(三谷商事社製)を用いて、任意の長さの範囲で行う。また、300nm以下又は600nm以上の繊維長を有する繊維の割合は、測定した全繊維のうち300nm以下又は600nm以上のカルボキシル化セルロースナノファイバーの割合として算出することができる。
また、カルボキシル化セルロースナノファイバーの平均繊維径は、以下のようにして算出することができる。カルボキシル化セルロースナノファイバーの濃度が0.001質量%となるように希釈したカルボキシル化セルロースナノファイバー水分散液を調製する。この希釈分散液をマイカ製試料台に薄く延ばし、50℃で加熱乾燥させて観察用試料を作製する。原子間力顕微鏡(AFM)にて観察した形状像の断面高さを計測し、加重平均繊維径を算出することができる。
本発明のナノファイバーA及びナノファイバーBは、セルロース分子鎖の少なくとも一部が、グルコピラノース単位のC6位の1級水酸基を有する炭素原子が選択的に酸化されたカルボキシル基を有する構成単位で構成されることが好ましい。なお、セルロース分子鎖は、グルコピラノース単位のC6位の1級水酸基を有する炭素原子が選択的に酸化されたカルボキシル基を有する構成単位のみで構成されてもよい。
ここで、グルコピラノース単位とは、下記式(0)で表される構成単位をいう。
Figure 0006229090
本発明のナノファイバーA及びナノファイバーBは、カルボキシル基量が、カルボキシル化セルロースナノファイバーの絶乾質量に対して、0.8〜2.0mmol/gであることが好ましく、1.2〜2.0mmol/gであることがより好ましく、1.4〜1.8mmol/gであることがさらに好ましい。カルボキシル基量が0.8mmol/g以上であると、セルロース分子鎖の表面にカルボキシル基が十分導入され、静電的な反発作用を持たせることができ、解繊により容易にナノファイバーを作製することができる。一方、0.8mmol/g未満であると、十分な解繊を行うことができない場合がある。
カルボキシル基量は以下のようにして測定することができる。カルボキシル化セルロースの0.5質量%スラリー(水分散液)60mlを調製する。調製したスラリーに0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5に調整した後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定する。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いてカルボキシル基量を算出することができる:
カルボキシル基量〔mmol/gカルボキシル化セルロース〕=a〔ml〕×0.05/カルボキシル化セルロース質量〔g〕
なお、カルボキシル化セルロースナノファイバーのカルボキシル基量と、カルボキシル化セルロースのカルボキシル基量は、通常、同値である。
[3.製造方法]
カルボキシル化セルロースナノファイバーは、例えば、以下のようにして製造することができる。セルロース原料を酸化して酸化セルロースを調製し(以下、「酸化処理」ともいう)、調製した酸化セルロースを解繊し(以下、「解繊処理」ともいう)、解繊した酸化セルロースを陽イオン交換樹脂により脱塩処理する(以下、「脱塩処理」ともいう)ことで、ナノファイバーAを製造することができる。また、酸化処理の後、解繊処理の前に酸化セルロースをアルカリ加水分解(以下、「アルカリ加水分解処理」ともいう)した酸化セルロースを用いることで、ナノファイバーBを製造することができる。
なお、調製した酸化セルロース又は加水分解した酸化セルロースを陽イオン交換樹脂により脱塩処理した後、解繊処理することでも酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーを製造することができる。以下の説明では、解繊の後に陽イオン交換樹脂により脱塩を行って酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーを製造する場合について説明する。
[3−1.酸化処理]
酸化処理は、セルロース原料を酸化して酸化セルロースを調製する処理である。酸化方法は、特に限定されないが、N−オキシル化合物と、臭化物、ヨウ化物又はこれらの混合物と、の存在下で酸化剤を用いる方法が好ましい。当該方法によりセルロース原料を酸化すると、セルロース分子鎖を構成するグルコピラノース単位のC6位の1級水酸基を有する炭素原子が選択的に酸化されたカルボキシル基を有する構成単位を得ることができる。
当該方法により得られる酸化セルロースの部分構造を下記一般式(1)に示す。
Figure 0006229090
(一般式(1)中、Mはカチオン塩を示す。)
一般式(1)中、Mとして表されるカチオン塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、ホスホニウム塩、イミダゾリニウム塩、アンモニウム塩、スルホニウム塩が挙げられる。
天然のセルロースは、直鎖上のセルロース分子鎖が水素結合により多数収束したミクロフィブリル構造を有している。N−オキシル化合物を用いてセルロースを酸化すると、上記の通り、セルロース分子鎖を構成するグルコピラノース単位のC6位の1級水酸基を有する炭素原子が選択的にアルデヒド基を経てカルボキシル基に酸化される。そのため、ミクロフィブリル構造の表面に高密度でカルボキシル基が導入される。導入されたカルボキシル基は反発作用を有し、解繊により一本一本が分離したセルロースナノファイバーを得ることができる。
セルロース原料は、木材由来のクラフトパルプ又はサルファイトパルプ、それらを高圧ホモジナイザーやミル等で粉砕した粉末セルロース、或いはそれらを酸加水分解等の化学処理により精製した微結晶セルロース粉末等を含む。この他に、ケナフ、麻、イネ、バガス、竹等の植物由来のセルロース原料も使用できる。量産化やコストの観点からは、粉末セルロース、微結晶セルロース粉末、或いはクラフトパルプ又はサルファイトパルプのような化学パルプを用いることが好ましい。化学パルプを用いる場合は、公知の漂白処理を施してリグニンを除去することが好ましい。漂白済みパルプとしては、例えば、白色度(ISO 2470)が80%以上の漂白済みクラフトパルプ又は漂白済みサルファイトパルプを用いることができる。
粉末セルロースは、木材パルプの非結晶部分を酸加水分解により除去した後、粉砕及び篩い分けすることで得られる微結晶性又は結晶性セルロースからなる棒軸状粒子である。粉末セルロースにおいて、セルロースの重合度は100〜500程度であり、X線回折法による粉末セルロースの結晶化度は70〜90%であり、レーザー回折式粒度分布装置による体積平均粒子径は通常100μm以下であり、好ましくは50μm以下である。そのような粉末セルロースは、精選パルプを酸加水分解した後に得られる未分解残渣を精製及び乾燥し、粉砕及び篩い分けすることにより調製してもよいし、KCフロック(登録商標)(日本製紙社製)、セオラス(登録商標)(旭化成ケミカルズ社製)、アビセル(登録商標)(FMC社製)等の市販品を用いてもよい。
漂白処理方法としては、塩素処理(C)、二酸化塩素漂白(D)、アルカリ抽出(E)、次亜塩素酸塩漂白(H)、過酸化水素漂白(P)、アルカリ性過酸化水素処理段(Ep)、アルカリ性過酸化水素・酸素処理段(Eop)、オゾン処理(Z)、キレート処理(Q)等を組合せて行うことができる。例えば、C/D−E−H−D、Z−E−D−P、Z/D−Ep−D、Z/D−Ep−D−P、D−Ep−D、D−Ep−D−P、D−Ep−P−D、Z−Eop−D−D、Z/D−Eop−D、Z/D−Eop−D−E−D等のシーケンスで行なうことができる。なお、シーケンス中の「/」は、「/」の前後の処理を洗浄なしで連続して行なうことを意味する。
また、上記したセルロース原料を高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式等の分散装置や、湿式の高圧又は超高圧ホモジナイザー等で微細化したものをセルロース原料として使用することもできる。
N−オキシル化合物は、ニトロキシラジカルを発生し得る化合物である。N−オキシル化合物としては、目的の酸化反応を行う化合物であれば、いずれの化合物も使用できる。N−オキシル化合物としては、例えば、下記一般式(2)〜(5)、(7)で表される化合物や下記式(6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006229090
(一般式(2)中、R〜Rは、同一又は異なっていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、Rは、水素原子又はヒドロキシル基を示す。)
Figure 0006229090
(一般式(3)〜(5)中、Rは、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状の炭化水素基を示す。)
Figure 0006229090
(一般式(7)中、R〜Rは、同一若しくは異なっていてもよい、水素原子又は炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。)
一般式(2)中、R〜Rで表される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。中でも、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(3)〜(5)中、Rで表される炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基が挙げられる。中でも、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(7)中、R〜Rで表される炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられる。中でも、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(2)で表される化合物としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシラジカル(以下、「TEMPO」ともいう)、又は4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシラジカル(以下、「4−ヒドロキシTEMPO」ともいう)が挙げられる。
N−オキシル化合物は、TEMPO又は4−ヒドロキシTEMPOの誘導体であってもよい。4−ヒドロキシTEMPOの誘導体としては、例えば、一般式(3)で表される化合物、即ち、4−ヒドロキシTEMPOの水酸基を、炭素原子数4以下の直鎖状又は分岐状の炭化水素基を有するアルコールでエーテル化して得られる誘導体や、一般式(4)又は(5)で表される化合物、即ち、カルボン酸又はスルホン酸でエステル化して得られる誘導体が挙げられる。
4−ヒドロキシTEMPOをエーテル化する際には、炭素原子数が4以下のアルコールを用いれば、アルコール中の飽和、不飽和結合の有無に関わらず、得られる誘導体が水溶性となり、酸化触媒として良好に機能する。
N−オキシル化合物は、式(6)で表される化合物、即ち、4−アミノTEMPOのアミノ基がアセチル化された化合物であると、適度な疎水性が付与され、安価であり、均一な酸化セルロースを得ることができるので好ましい。また、N−オキシル化合物は、一般式(7)で表される化合物、即ち、アザアダマンタン型ニトロキシラジカルであると、短時間で、均一な酸化セルロースを得ることができるので好ましい。
N−オキシル化合物の使用量は、得られる酸化セルロースをナノファイバー化できる程度に十分にセルロース原料を酸化できる触媒量であれば特に限定されない。例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、好ましくは0.01〜10mmol、より好ましくは0.01〜1mmol、さらに好ましくは0.01〜0.5mmolである。
セルロース原料の酸化の際に用いられる臭化物とは臭素を含む化合物であり、その例には、水中で解離してイオン化可能な臭化アルカリ金属が含まれる。また、ヨウ化物とはヨウ素を含む化合物であり、その例には、ヨウ化アルカリ金属が含まれる。
臭化物又はヨウ化物の使用量は、目的の酸化反応を促進できる範囲で調整し得る。臭化物及びヨウ化物の合計量は、例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、好ましくは0.1〜100mmol、より好ましくは0.1〜10mmol、さらに好ましくは0.5〜5mmolである。
酸化剤としては、例えば、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸又はそれらの塩、ハロゲン酸化物、過酸化物等の公知の酸化剤を使用することができる。中でも、安価で環境負荷の少ない次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
酸化剤の使用量は、酸化反応を行う量であればよく、例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、好ましくは0.5〜500mmol、より好ましくは0.5〜50mmol、さらに好ましくは2.5〜25mmolである。
セルロース原料の酸化反応は、比較的温和な条件であっても反応が効率よく進行するので、反応温度は、15〜30℃程度の室温であってもよい。反応の進行に伴ってセルロース中にカルボキシル基が生成するため、反応液のpH値が低下する。酸化反応を効率よく進行させるために、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性溶液を適時反応系中に添加して、反応液のpH値を9〜12に、好ましくは10〜11程度に維持することが好ましい。反応媒体は、取扱い性の容易さや、副反応が生じ難いこと等から、水が好ましい。
酸化反応における反応時間は、酸化の進行の程度に従って適宜設定することができ、通常、0.5〜6時間程度であり、好ましくは0.5〜4時間程度である。
また、酸化反応は、2段階に分けて実施してもよい。例えば、1段目の反応終了後に濾別して得られた酸化セルロースのカチオン塩を、再度、同一又は異なる反応条件で酸化させることにより、1段目の反応で副生する塩による反応阻害を受けることなく、セルロース原料に効率よくカルボキシル基を導入することができる。
上記の工程で得られる酸化セルロースにおいて、セルロース原料に導入したカルボキシル基は、通常、ナトリウム塩等のアルキル金属塩である。下記の脱塩処理や解繊処理の前に、酸化セルロースのアルカリ金属塩を、ホスホニウム塩、イミダゾリニウム塩、アンモニウム塩、スルホニウム塩等の他のカチオン塩に置換してもよい。置換は、公知の方法で行うことができる。
酸化方法の他の例として、オゾンを含む気体とセルロース原料を接触させることにより酸化する方法を挙げることができる。この酸化反応により、グルコピラノース環の少なくとも2位及び6位の水酸基を有する炭素原子が酸化されると共に、セルロース鎖の分解が起こる。
オゾンを含む気体中のオゾン濃度は、50〜250g/mであることが好ましく、50〜220g/mであることがより好ましい。セルロース原料に対するオゾン添加量は、セルロース原料の固形分を100質量部とした際に、0.1〜30質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましい。オゾン処理温度は、0〜50℃であることが好ましく、20〜50℃であることがより好ましい。オゾン処理時間は、特に限定されないが、通常、1〜360分程度であり、30〜360分程度が好ましい。オゾン処理の条件がこれらの範囲内であると、セルロースが過度に酸化及び分解されることを防ぐことができ、酸化セルロースの収率が良好となる。
オゾン処理を施した後に、酸化剤を用いて、追酸化処理を行ってもよい。追酸化処理に用いる酸化剤は、特に限定されないが、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム等の塩素系化合物や、酸素、過酸化水素、過硫酸、過酢酸等が挙げられる。例えば、これらの酸化剤を水又はアルコール等の極性有機溶媒中に溶解して酸化剤溶液を作製し、溶液中にセルロース原料を浸漬させることにより追酸化処理を行うことができる。
酸化処理で得られた酸化セルロースは、副反応を避ける観点から、下記のアルカリ加水分解処理に供する前に、洗浄することが好ましい。洗浄方法は特に限定されず、公知の方法で行うことができる。
[3−2.解繊処理]
解繊処理は、酸化セルロース又はアルカリ加水分解処理した酸化セルロースを解繊する処理である。酸化セルロース又はアルカリ加水分解処理した酸化セルロースは、酸化処理によりカルボキシル基が導入されているので、解繊処理により簡単にナノファイバー化することができる。
解繊処理としては、例えば、酸化セルロース又はアルカリ加水分解処理した酸化セルロースを十分に水洗した後、高速せん断ミキサーや高圧ホモジナイザー等の公知の装置を用いて行うことができる。解繊装置の種類としては、例えば、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式が挙げられる。これらの装置は単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
高速せん断ミキサーを用いる場合、せん断速度は1000sec−1以上が好ましい。せん断速度が1000sec−1以上であると、凝集構造が少なく、均一にナノファイバー化することができる。
高圧ホモジナイザーを用いる場合、印加する圧力は、50MPa以上が好ましく、100MPa以上がより好ましく、140MPa以上がさらに好ましい。当該圧力の湿式の高圧又は超高圧ホモジナイザーで処理すると、ナノファイバー化が効率よく進行し、カルボキシル化セルロースナノファイバーを効率よく得ることができる。
酸化セルロース又はアルカリ加水分解処理した酸化セルロースは、水等の水分散液として解繊処理に供する。水分散液中の酸化セルロース又はアルカリ加水分解処理した酸化セルロースの濃度が高いと、解繊処理の途中で粘度が過度に増大して均一に解繊できない場合や、装置が停止するという場合がある。従って、酸化セルロース又はアルカリ加水分解処理した酸化セルロースの濃度は、酸化セルロース又はアルカリ加水分解処理した酸化セルロースの処理条件に応じて適宣設定する必要がある。一例として、酸化セルロース又はアルカリ加水分解処理した酸化セルロースの濃度は、0.3〜50%(w/v)が好ましく、0.5〜10%(w/v)がより好ましく、1.0〜5%(w/v)がさらに好ましい。
[3−3.アルカリ加水分解処理]
アルカリ加水分解処理は、上記の酸化処理により得られた酸化セルロースをアルカリ性溶液中で加水分解して加水分解された酸化セルロースを調製する処理であり、当該処理を得て得られる酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーはナノファイバーBである。加水分解処理の反応媒体は、副反応を抑制する観点から水が好ましい。
アルカリ性溶液中で加水分解することにより、ナノファイバーBは、短繊維化されて本願で規定する数値範囲を充足するものとなる。この理由は次のように推察される。N−オキシル化合物を用いて酸化した酸化セルロースの非晶質領域にはカルボキシル基が散在しており、当該カルボキシル基に隣接しているC5位の水素原子は、カルボキシル基により電子が吸引されているので電荷が欠乏している状態にある。そのため、pH8〜14のアルカリ性条件下では当該水素原子が水酸化物イオンで容易に引き抜かれ、β脱離反応によりグルコシド結合の開裂が生じる。その結果、酸化セルロースが短繊維化されるので、繊維長が短いカルボキシル化セルロースナノファイバーの割合も多くなる。
アルカリ性溶液中で加水分解する場合、反応における反応液のpH値は、8〜14が好ましく、9〜13がより好ましく、10〜12がさらに好ましい。pH値が8未満であると、十分な加水分解が起こらず、酸化セルロースの短繊維化が不十分な場合がある。一方、pH値が14超であると、加水分解は進行するが、加水分解後の酸化セルロースが着色し、得られるセルロースナノファイバーも着色するので、透明性が低下し、適用技術が制限されるという問題が生じる場合がある。pH値の調整に用いるアルカリは水溶性であればよく、製造コストの観点から、水酸化ナトリウムが好ましい。
アルカリ性溶液中で酸化セルロースを加水分解すると、β脱離の際に二重結合が生成することに起因して、酸化セルロースが黄色に着色する場合がある。そのため、得られるセルロースナノファイバーも着色して透明性が低下し、適用技術が制限される場合がある。そのため、加水分解工程は、二重結合の生成を抑制するために、助剤として酸化剤又は還元剤を用いて行うことが好ましい。pH値が8〜14のアルカリ性溶液中で加水分解処理する際に、酸化剤や還元剤を用いると、二重結合を酸化又は還元しつつ、酸化セルロースを短繊維化することができる。酸化剤又は還元剤としては、アルカリ性領域で活性を有するものを使用できる。
助剤の添加量は、反応効率の観点から、絶乾した酸化セルロースに対して0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましく、0.5〜2質量%がさらに好ましい。
酸化剤としては、例えば、酸素、オゾン、過酸化水素、次亜塩素酸塩が挙げられる。中でも、酸化剤は、ラジカルを発生し難い、酸素、過酸化水素、次亜塩素酸塩が好ましく、過酸化水素がより好ましい。
なお、酸化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ハイドロサルファイト、亜硫酸塩が挙げられる。
なお、還元剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
加水分解の反応温度は、反応効率の観点から、40〜120℃が好ましく、50〜100℃がより好ましく、60〜90℃がさらに好ましい。温度が低いと、十分な加水分解が起こらず、酸化セルロースやカルボキシル化セルロースナノファイバーの短繊維化が不十分な場合がある。一方、温度が高いと加水分解は進行するが、加水分解後の酸化セルロースが着色する場合がある。
加水分解の反応時間は、0.5〜24時間が好ましく、1〜10時間がより好ましく、2〜6時間がさらに好ましい。
反応効率の観点から、アルカリ性溶液中の酸化セルロースの濃度は、1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましく、5〜10質量%がさらに好ましい。
[3−4.脱塩処理]
脱塩処理は、解繊処理した酸化セルロース又はアルカリ加水分解処理した酸化セルロース(カルボキシル化セルロースナノファイバー塩)を陽イオン交換樹脂により脱塩する処理である。当該処理により解繊処理した酸化セルロース又はアルカリ加水分解処理した酸化セルロースのカチオン塩がプロトンに置換されて酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーを得ることができる。陽イオン交換樹脂を用いるので、不要な塩化ナトリウム等の副生成物が生成せず、陽イオン交換樹脂を用いて脱塩処理した後は、陽イオン交換樹脂を金属メッシュ等により濾過して除去するだけで、濾液としてプロトン置換された酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーの水分散体が得られる。
金属メッシュ等により濾物として除去する対象は陽イオン交換樹脂であり、カルボキシル化セルロースナノファイバーは、金属メッシュ等の径では除去され難く、ほぼ全量が濾液中に含まれる。そのため、収率の低下が極めて少なくなる。
濾液には繊維長の短い、カルボキシル化セルロースナノファイバーが多量に含まれている。また、濾液を洗浄や脱水せずともよいので、酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーが凝集され難い。従って、アルカリ加水分解処理を得ていない場合、カルボキシル化セルロースナノファイバーの分散液は、低ずり領域で高粘度になると推察される。また、アルカリ加水分解処理を得た場合、極めて短い繊維長を有する酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーを単離することができる。
カルボキシル化セルロースナノファイバー塩は、解繊工程で得られた水分散液を脱塩工程にそのまま供することができる。なお、必要に応じて水を添加して濃度を低くすることもできる。
陽イオン交換樹脂としては、対イオンがHである限り、強酸性イオン交換樹脂及び弱酸性イオン交換樹脂のいずれも用いることができる。中でも、強酸性イオン交換樹脂を用いることが好ましい。強酸性イオン交換樹脂及び弱酸性イオン交換樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂或いはアクリル系樹脂にスルホン酸基或いはカルボキシル基を導入したものが挙げられる。
陽イオン交換樹脂の形状は、特に限定されず、細粒(粒状)、膜状、繊維等、種々の形状のものを用いることができる。中でも、カルボキシル化セルロースナノファイバー塩を効率よく脱塩処理し、脱塩処理後の分離が容易であるとの観点から、粒状が好ましい。このような陽イオン交換樹脂としては市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、アンバージェット1020、同1024、同1060、同1220(以上、オルガノ社製)、アンバーライトIR−200C、同IR−120B(以上、東京有機化学社製)、レバチットSP 112、同S100(以上、バイエル社製)、GEL CK08P(三菱化学社製)、Dowex 50W−X8(ダウ・ケミカル社製)等が挙げられる。
脱塩処理は、例えば、粒状の陽イオン交換樹脂と、カルボキシル化セルロースナノファイバー塩の水分散液と、を混合し、必要に応じ攪拌・振とうしながら、カルボキシル化セルロースナノファイバー塩と陽イオン交換樹脂とを一定時間接触させた後、陽イオン交換樹脂と水分散液とを分離することによって行うことができる。
水分散液の濃度や陽イオン交換樹脂との比率は、特に限定されず、当業者であれば、プロトン置換を効率的に行うとの観点から適宜設定し得る。一例として、水分散液の濃度は、0.05〜10質量%が好ましい。水分散液の濃度が0.05質量%未満であると、プロトン置換に要する時間がかかりすぎる場合がある。水分散液の濃度が10質量%超であると、十分なプロトン置換の効果が得られない場合がある。
接触時間も特に限定されず、当業者であれば、プロトン置換を効率的に行うとの観点から適宜設定し得る。例えば、0.2〜4時間接触させて行うことができる。
この際、適切な量の陽イオン交換樹脂を用いてカルボキシル化セルロースナノファイバー塩又は酸化セルロースを十分な時間接触させた後、陽イオン交換樹脂を金属メッシュ等により濾物として除去することで、脱塩処理を行うことができる。
[3−5.短繊維化処理]
本発明のナノファイバーBを製造する際、酸化処理又はアルカリ加水分解処理の後、解繊処理の前に短繊維化処理を行ってもよい。斯かる処理を行うことで、より短い繊維長を有するナノファイバーBを製造することができる。
短繊維化処理とは、酸化セルロース又はアルカリ加水分解処理した酸化セルロースのセルロース鎖を適度に切断して、短繊維化する処理をいう。例えば、紫外線照射処理、酸化分解処理、酸加水分解処理等が挙げられる。中でも、酸加水分解処理が好ましい。
なお、上記の処理は、1種単独の処理でもよく、2種以上の処理を組み合わせてもよい。
酸加水分解処理は、酸性溶液中で酸化セルロース又はアルカリ加水分解処理した酸化セルロースを加水分解する処理である。
酸性水溶液中で加水分解処理することにより、カルボキシル化セルロースナノファイバーを短繊維化することができる。この理由は次のように推察される。N−オキシル化合物を用いて酸化したセルロース原料の表面にはカルボキシル基が局在しており、水和層が形成されている。そのため、酸化セルロース同士は近接して存在し、ネットワークを形成している。当該酸化セルロースに、酸を添加して加水分解を行なうと、ネットワーク中の電荷のバランスが崩れて、セルロース分子の強固なネットワークが崩れる。その結果、当該酸化セルロースの比表面積が増大し、酸化セルロースの短繊維化が促進される。従って、酸化セルロースが短繊維化されるので、繊維長が短いカルボキシル化セルロースナノファイバーの割合も多くなる。
酸性溶液中で加水分解する場合、酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、又はリン酸のような鉱酸を使用することが好ましい。また、反応を効率よく行なうために、酸化セルロースを水等の分散媒に分散させた分散液を用いることが好ましい。
酸性溶液中で加水分解する条件としては、酸がセルロースの非晶部に作用するような条件であればよい。例えば、酸の添加量は、酸化セルロースの絶乾質量に対して0.01〜0.5質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%がさらに好ましい。酸の添加量が0.01質量%以上であると、セルロースの加水分解が進行し、解繊工程での処理効率が向上するので好ましい。また、添加量が0.5質量%以下であるとセルロースの過度の加水分解を防ぐことができ、セルロースナノファイバーの収率の低下を防止することができる。
酸性溶液中で加水分解する場合、反応における反応液のpH値は、2.0〜4.0が好ましく、2.0以上3.0未満がより好ましい。反応効率の観点から、反応温度は、70〜120℃で、反応時間は1〜10時間とすることが好ましい。
酸性溶液中で加水分解した場合、解繊工程の処理を効率よく行なうために、通常、水酸化ナトリウム等のアルカリを添加して中和する。
紫外線照射処理は、酸化セルロース又はアルカリ加水分解処理した酸化セルロースに紫外線を照射する処理である。紫外線を照射することにより、カルボキシル化セルロースナノファイバーを短繊維化することができる。この理由は次のように推察される。紫外線は、直接セルロースやヘミセルロースに作用して低分子化を引き起こし、酸化セルロース中のセルロース鎖を短繊維化することができる。そのため、繊維長が短いカルボキシル化セルロースナノファイバーの割合も多くなる。
酸化セルロース又はアルカリ加水分解処理した酸化セルロースに紫外線を照射する場合、用いる紫外線の波長は、好ましくは100〜400nm、より好ましくは100〜300nmである。このうち、波長135〜260nmの紫外線は、直接セルロースやヘミセルロースに作用して低分子化を引き起こし、酸化セルロース中のセルロース鎖を短繊維化することができるので好ましい。
紫外線を照射する光源としては、100〜400nmの波長領域の光を光源とするものを使用することができる。例えば、キセノンショートアークランプ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプが挙げられる。
なお、これらの光源は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意に組合せて用いてもよい。波長特性の異なる複数の光源を組み合わせて使用すると、異なる波長の紫外線が同時に照射されることによりセルロース鎖やヘミセルロース鎖における切断箇所が増加し、短繊維化が促進されるので好ましい。
紫外線照射を行う際の酸化セルロースを収容する容器としては、例えば、300〜400nmの紫外線を用いる場合、硬質ガラス製の容器を用いることができる。300nmより短波長の紫外線を用いる場合、紫外線をより透過させる石英ガラス製の容器を用いることが好ましい。なお、容器の光透過反応に関与しない部分の材質については、用いる紫外線の波長に対して劣化の少ない材質の中から適切な選定すればよい。
紫外線を照射する際の酸化セルロースの濃度は、好ましくは0.1〜12質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、さらに好ましくは1〜3質量%である。酸化セルロースの濃度が0.1質量%以上であると、エネルギー効率が高まり好ましい。酸化セルロースの濃度が12質量%以下であると、紫外線照射装置内での酸化セルロースの流動性が良好で、反応効率が高まるので好ましい。
紫外線を照射する際の温度は、好ましくは20〜95℃、より好ましくは20〜80℃、さらに好ましくは20〜50℃である。温度が20℃以上であると、光酸化反応の効率が高まるため好ましい。温度が95℃以下であると、酸化セルロースの品質の悪化等の悪影響のおそれがなく、また反応装置内の圧力が大気圧を超えるおそれもなくなり、耐圧性を考慮した装置設計を行なう必要性がなくなるため好ましい。
紫外線を照射する際のpH値は特に限定されないが、プロセスの簡素化を考えると中性領域、例えば、pH値は6.0〜8.0程度が好ましい。
紫外線照射時に酸化セルロースが受ける照射の程度は、照射反応装置内での酸化セルロースの滞留時間を調節することや、照射光源のエネルギー量を調節すること等により、任意に設定できる。また、照射装置内の酸化セルロースの濃度を水希釈によって調整したり、空気や窒素等の不活性気体を酸化セルロース中に吹き込むことによって酸化セルロースの濃度を調整したりすることにより、照射反応装置内で酸化セルロースが受ける紫外線の照射量を任意に制御することができる。これらの滞留時間や濃度等の条件は、目標とする紫外線照射後の酸化セルロースの品質(繊維長やセルロース重合度等)に応じて、適宜設定することができる。
紫外線照射処理は、酸素、オゾン、過酸化物(過酸化水素、過酢酸、過炭酸Na、過ホウ酸Na等)等の助剤の存在下で行なうと、光酸化反応の効率が高まるため、好ましい。
135〜242nmの波長領域の紫外線を照射する場合、光源周辺の気相部に存在する空気からオゾンが生成する。この光源周辺部に連続的に空気を供給する一方で、生成するオゾンを連続的に抜き出し、この抜き出したオゾンを酸化セルロースへと注入することにより、系外からオゾンを供給すること無しに、光酸化反応の助剤としてオゾンを利用することもできる。また、光源周辺の気相部に酸素を供給することにより、より大量のオゾンを系内に発生させることができ、発生したオゾンを光酸化反応の助剤として使用することもできる。このように、紫外線照射反応装置で副次的に発生するオゾンを利用することもできる。
紫外線照射処理は、複数回繰り返してもよい。繰り返しの回数は特に制限されないが、目標とする酸化セルロースの品質等の関係に応じて適宜設定できる。例えば、好ましくは100〜400nm、より好ましくは135〜260nmの紫外線を、好ましくは1〜10回、より好ましくは2〜5回、1回あたりの照射時間として、好ましくは0.5〜10時間、より好ましくは0.5〜3時間、紫外線を照射して行うことができる。
酸化セルロースを酸化分解処理する場合、通常、過酸化水素とオゾンを併用する。
過酸化水素とオゾンを併用することにより、酸化セルロースを効率よく短繊維化できる理由は、以下のように推察される。N−オキシル化合物を用いた酸化により製造された酸化セルロースの表面にはカルボキシル基が局在しており、水和層が形成されている。そのため、酸化セルロースのセルロース鎖同士の間には、カルボキシル基同士の電荷反発力の作用で、通常のセルロースでは見られない微視的隙間が存在すると考えられる。そして、酸化セルロースをオゾン及び過酸化水素で処理すると、オゾン及び過酸化水素から、酸化力に優れるヒドロキシラジカルが発生し、酸化セルロース中のセルロース鎖を効率良く酸化分解し、最終的に酸化セルロースを短繊維化する。そのため、繊維長が短いカルボキシル化セルロースナノファイバーの割合も多くなる。
オゾンは、空気又は酸素を原料としてオゾン発生装置を用いて公知の方法で発生させることができる。オゾンの添加量(質量換算)は、酸化セルロースの絶乾質量に対して、0.1〜3倍が好ましく、0.3〜2.5倍がより好ましく、0.5〜1.5倍がさらに好ましい。オゾンの添加量が酸化セルロースの絶乾質量の0.1倍以上であると、セルロースの非晶部を十分に分解することができる。オゾンの添加量が酸化セルロースの絶乾質量の3倍以下であると、セルロースの過度の分解を抑制でき、酸化セルロースの収率の低下を防ぐことができる。
過酸化水素の添加量(質量換算)は、酸化セルロースの絶乾質量の0.001〜1.5倍が好ましく、0.1〜1.0倍がより好ましい。過酸化水素の添加量が酸化セルロースの絶乾質量の0.001倍以上であると、オゾンと過酸化水素との相乗作用が発揮される。また、酸化セルロースの分解に際し、過酸化水素の添加量は、酸化セルロースの1.5倍以下であれば十分であり、1.5倍超添加することはコスト増加につながり好ましくない。
オゾン及び過酸化水素による酸化分解処理の条件として、pH値は、好ましくは2〜12、より好ましくは4〜10、さらに好ましくは6〜8であり、温度は、好ましくは10〜90℃、より好ましくは20〜70℃、さらに好ましくは30〜50℃であり、反応時間は、好ましくは1〜20時間、より好ましくは2〜10時間、さらに好ましくは3〜6時間であることが、反応効率の観点から好ましい。
オゾン及び過酸化水素による処理を行なうための装置は、特に限定されず、公知の装置を用いることができる。例えば、反応室、攪拌機、薬品注入装置、加熱器、及びpH電極を備えた通常の反応器を使用することができる。
オゾン及び過酸化水素による処理後、水溶液中に残留するオゾンや過酸化水素は、解繊工程においても有効に作用し、カルボキシル化セルロースナノファイバーの分散液の低粘度化を一層促進し得る。
[4.用途]
本発明のナノファイバーAは、スプレー用組成物、ゴム補強材、樹脂補強材料、化粧品、医療品、食品、飲料、塗料等に利用することができる。中でも、低ずり領域で高粘度であるという特性を活かすスプレー用組成物に用いることが好ましい。
(スプレー用組成物)
スプレー用組成物は、上記のナノファイバーAと、水と、を含有するものである。また、スプレーの用途に応じて、スプレー用組成物は、機能性添加剤を含有してもよい。
ナノファイバーAが低ずり領域において高粘度であるため、スプレー用組成物は、別途増粘剤を配合しない或いは少量の配合で液だれを防止することができる。
機能性添加剤としては、例えば、界面活性剤、オイル類、保湿剤、有機微粒子、無機微粒子、防腐剤、消臭剤、香料、有機溶媒等があげられる。これらは、スプレー用組成物の用途に応じて選択されうる。
なお、機能性添加剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
非イオン性の界面活性剤としては、例えば、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合体等があげられる。
オイル類としては、例えば、ホホバ油、マカデミアナッツ油、アボガド油、月見草油、ミンク油、ナタネ油、ひまし油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、カカオ油、ヤシ油、コメヌカ油、オリーブ油、アーモンド油、ごま油、サフラワー油、大豆油、椿油、パーシック油、綿実油、モクロウ、パーム油、パーム核油、卵黄油、ラノリン、スクワレン等の天然動植物油脂類;合成トリグリセライド、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、イソパラフィン等の炭化水素類;カルナバウロウ、パラフィンワックス、鯨ロウ、ミツロウ、キャンデリラワックス、ラノリン等のワックス類;高級アルコール類(セタノール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール等);ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、オキシステアリン酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、軟質ラノリン脂肪酸等の高級脂肪酸類;コレステリル−オクチルドデシル−ベヘニル等のコレステロールおよびその誘導体;イソプロピルミリスチン酸、イソプロピルパルミチン酸、イソプロピルステアリン酸、2エチルヘキサン酸グリセロール、ブチルステアリン酸等のエステル類;ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリトリトールエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、リノール酸エチル等の極性オイル;アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、片末端反応性シリコーン、異種官能基変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルスチリル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、親水性特殊変性シリコーン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸含有シリコーン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン類等があげられる。
なお、シリコーン類の詳細は、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、メチルハイドロジェンポリシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、ステアロキシメチルポリシロキサン、セトキシメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサンエマルション、高重合メチルポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン等である。
保湿剤としては、トリオクタン酸グリセリル、マルチトール、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリコール等の多価アルコール;ピロリドンカルボン酸ソーダ、乳酸ソーダ、クエン酸ソーダなど有機酸およびその塩;ヒアルロン酸ソーダなどヒアルロン酸およびその塩;酵母および酵母抽出液の加水分解物;酵母培養液、乳酸菌培養液など醗酵代謝産物;コラーゲン、エラスチン、ケラチン、セリシン等の水溶性蛋白;コラーゲン加水分解物、カゼイン加水分解物、シルク加水分解物、ポリアスパラギン酸ナトリウム等のぺプチド類およびその塩;トレハロース、キシロビオース、マルトース、蔗糖、ブドウ糖、植物性粘質多糖等の糖類・多糖類およびその誘導体;水溶性キチン、キトサン、ペクチン、コンドロイチン硫酸およびその塩等のグリコサミノグリカンおよびその塩;グリシン、セリン、スレオニン、アラニン、アスパラギン酸、チロシン、バリン、ロイシン、アルギニン、グルタミン、プロリン酸等のアミノ酸;アミノカルボニル反応物等の糖アミノ酸化合物;アロエ、マロニエ等の植物抽出液、トリメチルグリシン、尿素、尿酸、アンモニア、レシチン、ラノリン、スクワラン、スクワレン、グルコサミン、クレアチニン、DNA、RNA等の核酸関連物質等があげられる。
有機微粒子としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合系ラテックス、アクリル系エマルジョン等の乳化重合によって得られるラテックス・エマルジョンやポリウレタン水分散体があげられる。
また、無機微粒子としては、例えば、ゼオライト、モンモリロナイト、アスベスト、スメクタイト、マイカ、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、酸化チタン等の無機微粒子があげられる。
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン等があげられる。
消臭剤・香料としては、D−リモネン、デシルアルデヒド、メントン、プレゴン、オイゲノール、シンナムアルデヒド、ベンズアルデヒド、メントール、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、植物の各器官より抽出した消臭有効成分(例えば、水や親水性有機溶剤により、カタバミ、ドクダミ、ツガ、イチョウ、クロマツ、カラマツ、アカマツ、キリ、ヒイラギモクセイ、ライラック、キンモクセイ、フキ、ツワブキ、レンギョウの各器官から抽出し得られた消臭有効成分)等があげられる。
有機溶媒としては、水に可溶するアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール、グリセリン等)、エーテル類(エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)やN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド等があげられる。
本発明のナノファイバーBは、スプレー用組成物;NR、SBR、EPDM、NBR等のゴム補強材;ポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、PVC樹脂、ポリアミド系樹脂、PC系樹脂等の樹脂補強材料;上皮に適用されるクリーム、ローション、ゲル、スティック、ポンプスプレー、エアゾール、ロールオンの形態の発汗抑制剤、デオドラント、芳香放出ゲル、口紅、リップグロス、液体化粧製品等の化粧品;薬品の放出を制御する、持続させる、又は遅延させる添加剤、錠剤用の崩壊剤、傷ケア製品等における液体保持剤、レオロジー修飾剤等の医療品;レオロジー修飾剤、懸濁液でのクリーミングや沈殿を抑制する安定剤、難消化性食物繊維等の食品;飲料;塗料;土壌や排水中に含まれる環境に好ましくない金属の金属吸着剤等に利用することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を好適に説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。なお、物性値等の測定方法は、別途記載がない限り、上記に記載した測定方法である。
[粘度(Pa・s)]:カルボキシル化セルロースナノファイバーに水を添加して、1.95〜1.05質量%の水分散体を調製し、当該水分散体を、粘弾性レオメーターを用いて、所定のずり速度で測定した。
[カルボキシル基量]:カルボキシル基量は以下のようにして測定した。カルボキシル化セルロースの0.5質量%スラリー(水分散液)60mlを調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定した。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いてカルボキシル基量を算出した:
カルボキシル基量〔mmol/gカルボキシル化セルロース〕=a〔ml〕×0.05/カルボキシル化セルロース質量〔g〕
[平均繊維長(nm)]:カルボキシル化セルロースナノファイバーをマイカ切片上に固定し、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて200本の繊維の繊維長を測定し、長さ(加重)平均繊維長を算出した。なお、繊維長の測定は、画像解析ソフトWinROOF(三谷商事社製)を用いて行った。
[平均繊維径(nm)]:カルボキシル化セルロースナノファイバーの濃度が0.001質量%となるように希釈したカルボキシル化セルロースナノファイバー水分散液を調製した。この希釈分散液をマイカ製試料台に薄く延ばし、50℃で加熱乾燥させて観察用試料を作製した。原子間力顕微鏡(AFM)にて観察した形状像の断面高さを計測し、加重平均繊維径を算出した。
[300nm以下又は600nm以上の繊維長を有する繊維の割合(%)]:長さ(加重)平均繊維長を測定したカルボキシル化セルロースナノファイバーのうち繊維長が300nm以下又は600nm以上の繊維の割合を算出した。
(実施例1)
漂白済み針葉樹未叩解パルプ(日本製紙社製)5g(絶乾)を、TEMPO(Sigma Aldrich社製)78mg(0.5mmol)と臭化ナトリウム754mg(7.4mmol)を溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に2M次亜塩素酸ナトリウム水溶液14ml添加した後、0.5N塩酸水溶液でpHを10.3に調整し、酸化反応を開始した。反応中は系内のpHは低下するので、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に維持した。2時間反応させた後、ガラスフィルターで濾過し、十分に水洗することでカルボキシル基量1.6mmol/gの酸化セルロースを得た。
次いで、得られた酸化セルロースのスラリーを水で1%(w/v)に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、140MPa)で3回処理し、透明なゲル状のカルボキシル化セルロースナノファイバー塩の分散液(1%(w/v))を得た。
得られたカルボキシル化セルロースナノファイバー塩の分散液に陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、「アンバージェット1024」)を添加し、20℃で0.3時間撹拌して接触させた。その後、金属メッシュ(目開き100メッシュ)で陽イオン交換樹脂と水分散液を分離して、酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバー(ナノファイバーA)を得た。
得られた酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーの1.00質量%の水分散液の粘度は、ずり速度(0.00417s−1、30℃)の条件では925Pa・sであり、(0.00671s−1、30℃)の条件では920Pa・sであった。結果を表1に記す。
また、得られた酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーの平均繊維長は549nmであり、平均繊維径は2.83nmであり、300nm以下の繊維長を有する繊維の割合は29.3%であり、600nm以上の繊維長を有する繊維の割合は23.2%であった。結果を表2に記し、繊維長分布の割合を図1に示す。
(比較例1)
脱塩工程を次の通り変更したこと以外は実施例1と同様にして、カルボキシル化セルロースナノファイバーを得た。
カルボキシル化セルロースナノファイバー塩の分散液に10%の塩酸水溶液をpH2.4になるまで添加し、20℃で0.4時間撹拌して接触させた。その後、洗浄と脱水処理を3度繰り返した後、濾過した。濾物に水を添加して1.0%(w/v)に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、140MPa)で2回処理し、透明なゲル状のH型カルボキシル化セルロースナノファイバーの分散液(1%(w/v))を得た。
得られたカルボキシル化セルロースナノファイバーの1.00質量%の水分散液の粘度は、ずり速度(0.00417s−1、30℃)の条件では336Pa・sであり、(0.00671s−1、30℃)の条件では350Pa・sであった。結果を表1に記す。
Figure 0006229090
表1からわかるように、陽イオン交換樹脂により脱塩処理をして調製したH型カルボキシル化セルロースナノファイバーは、0.00417又は0.00671s−1の低ずり領域で925又は920Pa・sと高粘度であった。一方、塩酸により脱塩処理をして調製したH型カルボキシル化セルロースナノファイバーは、0.00417又は0.00671s−1の低ずり領域で336又は350Pa・sと低粘度であった。このことから、脱塩処理の際のプロセスにより、得られるH型カルボキシル化セルロースナノファイバーの物性、とりわけ低ずり領域での粘度が異なることがわかった。従って、H型カルボキシル化セルロースナノファイバーは、用途に応じて脱塩処理のプロセスを変更することで、幅広い利用が期待できる。
(実施例2)
漂白済み針葉樹未叩解パルプ(日本製紙社製)5g(絶乾)を、TEMPO(Sigma Aldrich社)78mg(0.5mmol)と臭化ナトリウム754mg(7.4mmol)とを溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に2M次亜塩素酸ナトリウム水溶液16ml添加した後、0.5N塩酸水溶液でpHを10.3に調整し、酸化反応を開始した。反応中は系内のpHは低下するが、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。2時間反応させた後、ガラスフィルターで濾過し、十分に水洗することでカルボキシル基量1.60mmol/gの酸化セルロースを得た。
次いで、酸化セルロースの5%(w/v)スラリーに過酸化水素を酸化セルロースに対して1%(w/v)添加し、1M水酸化ナトリウムでpHを12に調整した。このスラリーを80℃で、2時間加水分解処理した。その後、ガラスフィルターで濾過し、十分に水洗した。
加水分解した2%(w/v)酸化セルロースのスラリーを超高圧ホモジナイザー(20℃、140MPa)で5回処理し、透明なゲル状のカルボキシル化セルロースナノファイバー塩の分散液(1%(w/v))を得た。
得られたカルボキシル化セルロースナノファイバー塩の分散液に陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、「アンバージェット1024」)を添加し、20℃で0.3時間撹拌して接触させた。その後、金属メッシュ(目開き100メッシュ)で陽イオン交換樹脂と水分散液を分離して、酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバー(ナノファイバーB)を92%の高収率で得た。
得られた酸型のカルボキシル化セルロースナノファイバーの平均繊維長は311nmであり、平均繊維径は5.73nmであり、300nm以下の繊維長を有する繊維の割合は79.9%であり、600nm以上の繊維長を有する繊維の割合は1.1%であった。結果を表2に記し、繊維長分布の割合を図1に示す。
Figure 0006229090
表2からわかるように、加水分解処理して得られるカルボキシル化セルロースナノファイバーは平均繊維長が短く、300nm以下の割合が多く、さらには600nm以上の割合が極めて少ないものであった(実施例1、2参照)。そのため、繊維長が短い領域に収束しており、短い繊維のセルロースナノファイバーが望まれる分野への応用が期待される。

Claims (7)

  1. セルロース分子鎖を構成する少なくとも一部の構成単位にカルボキシル基を有するカルボキシル化セルロースナノファイバーであって、
    含有率が0.95〜1.05質量%の水分散体における粘度が、30℃、0.003〜0.01s−1のずり速度において400〜925Pa・sであるH型カルボキシル化セルロースナノファイバー。
  2. セルロース分子鎖を構成する少なくとも一部の構成単位にカルボキシル基を有するカルボキシル化セルロースナノファイバーであって、
    平均繊維長が50〜500nmであり、300nm以下の繊維長を有する繊維の割合が50%以上であるH型カルボキシル化セルロースナノファイバー。
  3. 平均繊維径が2〜50nmである請求項2に記載のH型カルボキシル化セルロースナノファイバー。
  4. 平均繊維径が2〜30nmである請求項2に記載のH型カルボキシル化セルロースナノファイバー。
  5. 600nm以上の繊維長を有する繊維の割合が20%未満である請求項2〜4のいずれか1項に記載のH型カルボキシル化セルロースナノファイバー。
  6. 前記セルロース分子鎖の少なくとも一部が、グルコピラノース単位のC6位の1級水酸基を有する炭素原子が選択的に酸化されたカルボキシル基を有する構成単位で構成される請求項1〜5のいずれか1項に記載のH型カルボキシル化セルロースナノファイバー。
  7. 前記カルボキシル基量が、前記カルボキシル化セルロースナノファイバーの絶乾質量に対して、0.8〜2.0mmol/gである請求項1〜6のいずれか1項に記載のH型カルボキシル化セルロースナノファイバー。
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