JP6228420B2 - 検出装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 - Google Patents

検出装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、基板に設けられた複数のマークを検出する検出装置、それを有するリソグラフィ装置、および物品の製造方法に関する。
半導体デバイスなどの製造に用いられるリソグラフィ装置として、例えば、基板を移動させることによりスリット光を基板上で走査させながら、マスクのパターンを基板上に転写する露光装置がある。このような露光装置には、基板に形成された複数のショット領域の各々にマスクのパターンを高精度に転写することが求められる。そのため、各ショット領域に対して設けられた複数のアライメントマークの各々における位置を検出し、各ショット領域の位置や形状を示す情報を取得することが必要である。
特許文献1には、1つのアライメントマークを検出するOFF−AXIS方式の検出部を複数配列させた露光装置が提案されている。特許文献1に記載された露光装置では、複数の検出部によって複数のアライメントマークの位置を同時に検出することができる。
特開2010−268005号公報
特許文献1に記載された露光装置では、アライメントマークの間隔が検出部の幅より狭くなると、検出部同士を近づけることができないといった問題があった。即ち、複数の検出部が干渉するため、複数の検出部によって検出することができるアライメントマークの間隔が制限されていた。
そこで、本発明は、基板に設けられた複数のマークを検出する上で有利な技術を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての検出装置は、基板に設けられた第1マークおよび前記第1マークとは異なる第2マークを検出する検出装置であって、反射面を有する光学部材と、第1の光を前記基板上にパターンを形成するための投影光学系を介することなく前記光学部材を通して前記基板に照射し、前記基板で反射され前記光学部材を通った前記第1の光を受光する第1スコープと、第2の光を前記投影光学系を介することなく前記反射面で反射させて前記基板に照射し、前記基板で反射され前記反射面で反射された前記第2の光を受光する第2スコープと、前記第1スコープを用いて前記第1マークを検出すると共に前記第2スコープを用いて前記第2マークを検出するために、前記光学部材と前記第1スコープとの前記基板に沿った方向の位置関係を変更する変更手段と、を有することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、基板に設けられた複数のマークを検出する上で有利な技術を提供することができる。
第1実施形態の露光装置を示す図である。 従来の検出系をY方向から見たときの図である。 従来の検出部の構成例を示す図である。 複数の検出部の配置を説明するための図である。 X方向に隣り合う2つのマークを検出する際における2つの従来の検出部の配置を示す図である。 X方向に隣り合う2つのマークを同時に検出用に構成された従来の検出部を示す図である。 第1実施形態の検出部の構成を示す図である。 第1実施形態の検出系をY方向から見たときの図である。 第1実施形態の検出系における複数の検出部の配置例を示す図である。 第1実施形態の検出系における複数の検出部の配置例を示す図である。 第1実施形態の検出系をY方向から見たときの図である。 第2実施形態の検出部の構成を示す図である。 第2実施形態の検出部の構成を示す図である。 第3実施形態の検出部をY方向から見たときの図である。 第3実施形態の検出部をZ方向から見たときの図である。 第3実施形態の検出部をY方向から見たときの図である。 第3実施形態の検出部をZ方向から見たときの図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材ないし要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。また、以下の実施形態では、リソグラフィ装置として露光装置を用いた例について説明するが、リソグラフィ装置としては、例えば、インプリント装置や描画装置なども含みうる。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態の露光装置1について、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態の露光装置1を示す図である。第1実施形態の露光装置1は、スリット光により基板21を走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置である。そして、露光装置1は、照明光学系40と、マスクステージ10と、投影光学系30と、基板ステージ20と、制御部50とを含みうる。また、露光装置1は、基板21に形成された複数のショット領域の各々に対して設けられた複数のアライメントマーク(以下、マーク)を検出するオフアクシス(OFF−AXIS)方式の検出系100を含みうる。ここで、制御部50は、例えばCPUやメモリなどを有し、露光処理を制御する(露光装置1の各部を制御する)。
照明光学系40は、それに含まれるマスキングブレードなどの遮光部材により、光源(不図示)から射出された光を、例えば、X方向に長い帯状または円弧状の形状を有するスリット光に整形し、そのスリット光でマスク11の一部を照明する。マスク11および基板21は、マスクステージ10および基板ステージ20によってそれぞれ保持されており、投影光学系30を介して光学的にほぼ共役な位置(投影光学系30の物体面および像面)にそれぞれ配置される。投影光学系30は、所定の投影倍率(例えば1/2倍や1/4倍)を有し、マスク11に形成されたパターンをスリット光により基板上に投影する。マスク11のパターンが投影された基板上の領域(スリット光が照射する領域)を、以下では照射領域と称する。そして、マスクステージ10および基板ステージ20は、投影光学系30の光軸方向(Z方向)に直交する方向(第1実施形態ではY方向)に移動可能に構成されており、互いに同期しながら投影光学系30の投影倍率に応じた速度比で相対的に走査される。これにより、照射領域を基板上でY方向に走査させて、マスク11に形成されたパターンを基板上のショット領域に転写することができる。そして、このような走査露光を、基板ステージ20を移動させながら基板上における複数のショット領域の各々について順次繰り返すことにより、1枚の基板21における露光処理を完了させることができる。
また、露光装置1は、TTL(Through The Lens)方式のアライメントスコープ(不図示)や、基板21の表面のZ方向における位置を検出する面位置検出部(不図示)などを含むように構成されてもよい。TTL方式のアライメントスコープは、マスクに形成されたアライメントマークと基板に形成されたアライメントマークとを投影光学系を介して重ねて観察することにより、マスクのパターンと各ショット領域との相対位置を計測することができる。
ここで、オフアクシス方式の検出系100について、従来の検出系110と比較しながら説明する。まず、従来の検出系110について説明する。図2は、従来の検出系110をY方向から見たときの図である。従来の検出系110は、例えば、基板上のマークをそれぞれ検出する複数の検出部300(検出装置)と、複数の検出部300を個別に駆動する駆動部200とを含みうる。複数の検出部300はX方向に沿って配置されており、駆動部200は複数の検出部300をX方向に沿って個別に駆動することができる。そして、従来の検出系110は、複数のマークのX方向(第2方向)における配置に応じて複数の検出部300を配置することで、基板21をY方向(第1方向)に移動させながら、各ショット領域に対して設けられた各マークの位置を検出することができる。以下に、従来の検出部300の構成例、および従来における複数の検出部300の配置について説明する。
図3は、従来の検出部300の構成例を示す図である。検出部300は、基板上のマーク22に光を照射し、反射された光によってマーク22を検出することができる。従来の検出部300は、例えば、発光部301と、光学系302と、ビームスプリッタ303と、開口絞り304と、対物レンズ305と、リレーレンズ306と、撮像素子307とを有するスコープ310を1つ含みうる。発光部301は、例えばLEDなどの光源や光源から射出された光を導光する光ファイバなどを含み、光を射出する。発光部301から射出された光は、光学系302を介してビームスプリッタ303に入射し、ビームスプリッタ303で反射される。ビームスプリッタ303で反射された光は、対物レンズ305を介して、基板上のマーク22にケーラー照明を行う。ケーラー照明された基板上のマーク22の像は、対物レンズ305とビームスプリッタ303とリレーレンズ306とを介して撮像素子307(例えばCCDセンサ)に結像される。このように撮像素子307に結像されたマーク22の像を制御部50において画像処理することによって、当該マーク22の位置を検出することができる。
図4は、複数の検出部300の配置を説明するための図である。基板21には、複数のマーク22が、基板上に形成された各ショット領域23に対して設けられている。図4に示す例では、各ショット領域23に対して6個のマーク22が設けられている。このように複数のマーク22を設けることにより、各ショット領域23の位置や変形(倍率成分やシフト成分、樽型成分、糸巻型成分などを含む)を高精度に計測することができ、マスク11のパターンを各ショット領域23に高精度に転写することができる。また、複数の検出部300は、複数のマーク22のX方向における配列に応じて、X方向に沿って配置されている。このように複数の検出部300を配置することにより、X方向に沿って配列した複数のマーク22を複数のスコープで同時に検出することができる。そして、図4に示すようにX方向に沿って配列した複数のマーク22の列がY方向に6列ある場合、基板ステージ20によって基板21をY方向に6段階にステップ移動させることにより、基板21に設けられた複数のマーク22のすべてを検出することができる。
ここで、X方向に隣り合う2つのショット領域23の間に配置された2つのマーク22に着目する。例えば、ショット領域23aとショット領域23bとの間に配置されたマーク22aとマーク22bとに着目する。図4において、マーク22aおよびマーク22bは、X方向に間隔24aで配置されている。このように配置された2つのマーク22のX方向における間隔は、ショット領域23の大きさに応じて、例えば1mm〜40mmの範囲で基板21ごとに変わりうる。このとき、X方向に隣り合う2つのショット領域23の間に配置された2つのマーク22のX方向における間隔が検出部300のX方向における幅より狭くなると、スコープ同士を近づけることができないといった問題が生じうる。即ち、当該2つのマーク22を2つの検出部300を用いて同時に計測することができなくなってしまいうる。検出部300同士の間隔は、例えば、各検出部300のスコープ310に含まれる対物レンズ305の直径によって拘束されうる。
図5は、X方向に隣り合う2つのマーク22を検出する際における2つの従来の検出部300aおよび300bの配置を示す図である。図5に示す各検出部300のスコープ310では、発光部と光学系との図示を省略する。例えば、各検出部300のスコープ310においてNAが0.1、焦点距離が20mmである場合、開口絞り303のサイズは4mmになる。そして、この場合、対物レンズ305の直径は、例えば対物レンズ305を抑える部品に起因して2mmのマージンが必要であるとすると、開口絞り303のサイズに2mmのマージンを加算した6mmとなる。即ち、X方向に隣り合う2つのマーク22を2つの検出部300によって検出する場合、2つのマーク22の間隔が対物レンズ305の直径である6mmより狭いと2つの検出部300を近づけることができない。したがって、2つのマーク22を2つの検出部300を用いて同時に計測することができなくなってしまいうる。ここで、検出部300のX方向における幅は、鏡筒などにより対物レンズ305の直径よりも広くなるため、実際には、2つのマーク22の間隔が対物レンズ305の直径より広い間隔であっても、2つのスコープを近づけることが困難になることがある。
上述の問題を解決するため、1つの対物レンズ311と1つのリレーレンズ312と2つのスコープ320aおよび320bとを用いて2つのマーク22aおよび22bを同時に検出できるように構成された検出部400がある。図6は、X方向に隣り合う2つのマーク22aおよび22bを同時に検出するように構成された従来の検出部400を示す図である。検出部400では、1つの対物レンズ311と1つのリレーレンズ312とに対して、ミラー313とエレクターレンズ314および315とビームスプリッタ316と撮像素子317とを含むスコープ320が2つ備えられている。図6に示す各スコープ(320aおよび320b)では、図3に示すように発光部と光学系とを有し、発光部から射出された光が光学系を介してビームスプリッタ316に入射しうるが、図6では発光部と光学系との図示を省略する。そして、検出部400では、各スコープ(320aおよび320b)を対物レンズ311およびリレーレンズ312に対して相対的に且つ個別にX方向に移動させる。これにより、図5に示す方法よりも狭い間隔で配置された2つのマーク22aおよび22bを検出することができる。しかしながら、このように構成された検出部400では、広い間隔(例えば40mm)でX方向に配列された2つのマーク22も同時に検出できるように構成する場合、対物レンズ311の直径を大きくする必要が生じうる。即ち、図6に示す検出部400は、対物レンズ311の直径が大きくなるにつれて、X方向における寸法が大きくなるだけではなく、Y方向における寸法も大きくなってしまいうる。
そこで、第1実施形態の検出系100では、それに含まれる検出部500は、マーク22に光を照射し、反射された光によって当該マーク22の位置を検出するスコープ510を2つ有するように構成されている。そして、第1実施形態の検出部500は、X方向に隣り合う2つのショット領域23の間に配置された2つのマーク22の間隔がスコープのX方向における幅よりも狭い場合であっても、当該2つのマークを同時に検出することができるように構成されている。また、第1実施形態の検出部500は、X方向における寸法(後述する光学部材550のX方向における寸法)を大きくすることにより、広い間隔(例えば40mm)でX方向に配列された2つのマーク22も同時に検出できるように構成することができる。即ち、検出部500では、広い間隔でX方向に配列された2つのマーク22を同時に検出できるように構成する際に、Y方向における寸法が大きくなることを低減することができる。次に、第1実施形態の検出部500の構成について説明する。
図7は、第1実施形態の検出部500の構成を示す図である。第1実施形態の検出部500は、例えば、2つのスコープ510(第1スコープ510aおよび第2スコープ510b)と光学部材550とを含む。第1スコープ510aおよび第2スコープ510bはそれぞれ、図3に示すスコープ310と同様に、例えば、発光部と、光学系と、ビームスプリッタ503と、開口絞りと、対物レンズ505と、リレーレンズ506と、撮像素子507とを含みうる。また、光学部材550は、第1スコープ510aから射出された光を基板21に入射するように透過する透過部550dと、第2スコープ510bから射出された光を基板21に向けて反射する面550aを有する。ここで、図7では、第1スコープ510aおよび第2スコープ510bのそれぞれにおける発光部、光学系および開口絞りの図示を省略する。
第1スコープ510aは、図3に示すスコープ310と同様に、発光部から射出された光を、光学系とビームスプリッタ503と対物レンズ505とを介して射出し、基板上の第1マーク22aをケーラー照明する。このとき、第1スコープ510aから射出された光は、光学部材550(面550bおよび面550c)を透過して基板21に入射し、第1マーク22aをケーラー照明する。また、第2スコープ510bは、第1スコープ510aと同様に、発光部から射出された光を光学系とビームスプリッタ503と対物レンズ505とを介して射出し、基板上の第2マーク22bをケーラー照明する。このとき、第2スコープ510bから射出された光は、光学部材の面550aを反射して基板21に入射し、第2マーク22bをケーラー照明する。ここで、第1実施形態の第1スコープ510aと第2スコープ510bとは、例えば、波長や偏光特性が互いに同じになるように、互いに同じ構成のスコープが採用されうる。また、第1スコープ510aは、その光軸が基板21の表面と垂直になるように配置され、第2スコープ510bは、その光軸と第1スコープ510aの光軸との間の角度が90度未満になるように配置されるとよい。
光学部材550(透過部550d)は、例えばガラスなど光を透過することが可能な材料で作製されており、基板21の表面と平行になるようにそれぞれ構成された上側(Z方向側)の面550bと下側(−Z方向側)の面550c(平行平板)を含みうる。このように上側の面550bと下側の面550cとを構成することにより、基板21の表面に垂直になるように第1スコープ510aから射出された光の主光線を、光学部材550を透過した後においても基板21の表面に対して垂直にすることができる。また、光学部材550は、第2スコープ510bから射出された光を基板21に向けて反射する面550aを含む。光学部材550の面550aは、例えば、当該面550aにより反射された光の主光線が基板21の表面に垂直になるように構成される。ここで、光学部材550の面550bおよび550cには、光の透過率を向上させるため、光の反射を防止する反射防止膜を設けるとよく、光学部材550の面550aには、光の反射率を向上させるため、光を反射する反射膜を設けるとよい。
このように構成された検出部500では、第1スコープ510aは、光学部材を透過した光の焦点の高さが変わらないように光学部材550に対して相対的に移動可能に構成されている。例えば、検出部500は、第1スコープ510aをX方向に駆動する駆動機構を含み、当該駆動機構は、制御部50により制御されうる。これにより、検出部500は、第1スコープ510aから射出された光の照射位置と第2スコープ510bから射出された光の照射位置との間の距離を、X方向に隣り合う2つのマーク22aおよび22bの相対位置に応じて変更することができる。ここで、照射位置とは、各スコープ510から射出された光が照射される基板上の位置のことをいう。
図8は、第1実施形態の検出系100をY方向から見たときの図である。第1実施形態の検出系100には、上述(図7)のように構成された複数の検出部500がX方向に沿って配置されている。また、検出系100には、X方向(−X方向)の端に配置された1つのマークを検出するため、図3のように構成された検出部300が複数の検出部500のX方向側(−X方向側)に配置されている。ここで、例えば、図9に示すように、X方向に隣り合う2つのショット領域23aおよび23bの間に配置された第1マーク22aおよび第2マーク22bとのX方向における間隔が間隔24aである場合を想定する。この場合、制御部50は、検出部500aの第2スコープ510bから射出された光が第2マーク22bを照射するように駆動部200を制御して、検出部500aをX方向に移動させる。そして、制御部50は、検出部500aの第1スコープ510aから射出された光が第1マーク22aを照明するように駆動機構を制御して、第1スコープ510aを光学部材550(第2スコープ510a)に対して相対的にX方向に移動させる。これにより、図7に示すように、第1スコープ510aから射出された光の照射位置と第2スコープ510bから射出された光の照射位置との間の距離(X方向)を、第1マーク22aと第2マーク22bとのX方向における間隔24aにすることができる。また、制御部50は、検出部500a以外の検出部500を、検出部500aと同様に第1スコープ510aと第2スコープ510bとを配置し、検出部300を、X方向(−X方向)の端に配置された1つのマーク22が検出されるように配置する。これにより、検出系100は、基板上でX方向に沿って配列した複数のマーク22を同時に検出することができる。
一方で、例えば、図10に示すように、第1マーク22aおよび第2マーク22bとのX方向における間隔が、図9に示す間隔24aよりも狭い間隔24bである場合を想定する。この場合、制御部50は、検出部500aの第2スコープ510aから射出された光が第2マーク22bを照明するように駆動部200を制御して、検出部500aをX方向に移動させる。そして、制御部50は、検出部500aの第1スコープ510aから射出された光が第1マーク22aを照明するように駆動機構を制御して、第1スコープ510aを光学部材550(第2スコープ510b)に対して相対的にX方向に移動させる。つまり、光学部材550(透過部550d)に入射する第1スコープ510aからの光の入射位置と光学部材550の面550aで反射される第2スコープ510bからの光の反射位置との相対位置を変える。このとき、第1スコープ510aを、図7に示す位置よりも第2スコープ510bに近づいた位置に配置する。これにより、図11に示すように、第1スコープ510から射出された光の照射位置と第2スコープから射出された光の照射位置との間隔(X方向)を、間隔24aよりも狭い間隔24bにすることができる。このように、第1実施形態の検出部500は、第1スコープ510aをX方向に移動させることにより、2つのスコープ510における照射位置の間隔を、X方向に隣り合う2つのマーク22aおよび55bの間隔に対応させることができる。
ここで、第1実施形態の検出部500では、第1スコープ510aから射出された光に光学部材550を透過させる際に当該光が光学部材550の面550cからはみ出さないように第1スコープ510aをX方向に移動させるとよい。即ち、第1スコープ510aから射出された光の照射位置と第2スコープ510bから射出された光の照射位置とは、第1スコープ510aから射出された光が光学部材550の面550cのX方向における端部からはみ出さない程度に近づけることができる。一方で、第1スコープ510aから射出された光の照射位置と第2スコープ510bから射出された光の照射位置とを拡げる場合には、光学部材550(面550bおよび550c)を−X方向に伸ばすことにより対応することができる。また、第1実施形態の検出部500は、第1スコープ510aが光学部材550に対して移動するように構成されているが、それに限られるものではなく、光学部材550が第1スコープ510aに対して移動するように構成されてもよい。この場合では、第2スコープ510bは、光学部材550と共に移動しうる。また、光学部材550の面550aがY方向に向き、第2スコープ510bがY方向に伸びる光軸を有し、X方向に移動可能な場合には、第2スコープのみを移動するように構成されてもよい。また、第1スコープ510aや第2スコープ510bの光路の途中に光路折り曲げミラーを設け、光路折り曲げミラーを移動可能に構成してもよい。
上述したように、第1実施形態の検出部500は、マーク22に光を照射し、反射された光によって当該マーク22の位置を検出する第1スコープ510aと第2スコープ510bとを含む。そして、第1実施形態の検出部500は、第1スコープ510aから射出された光を基板21に入射するように透過する透過部と、第2スコープ510bから射出された光を基板21に向けて反射する面550aとを有する光学部材550を含む。また、検出部500は、基板上に設けられた2つのマーク22のX方向における間隔に応じて、第1スコープ510aを光学部材550に対して相対的にX方向に移動させることができる。このように検出部500を構成することにより、検出部500は、例えば、X方向に隣り合う2つのマーク22の間隔が互いに異なる基板間においても、第1スコープ510aを移動させることにより当該2つのマーク22を同時に検出することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態の検出部600について説明する。第2実施形態の検出部600は、第1実施形態の検出部500と比較して、第1スコープ510aから射出された光の照射位置と第2スコープ510bから射出された光の照射位置とを更に近づけることができるように構成されている。
図12は、第2実施形態の検出部600の構成を示す図である。第2実施形態の検出部600では、光学部材550の面550aにプリズム560が接合されている。プリズム560は、例えばガラスなど、光学部材550の材料と同じ材料で作製されるとよい。光学部材550の面550aに接合されたプリズム560は、例えば、光学部材550の面550cと連続し且つ基板21の表面と平行な面560aと、第2スコープ510aの光軸に直交する面560bとを含みうる。これにより、図13に示すように、第1スコープ510aから射出された光を光学部材550の面550aを介して基板21に照射させることができる。そのため、第2実施形態の検出部600は、第1実施形態の検出部500と比較して、第1スコープ510aから射出された光の照射位置と第2スコープ510bから射出された光の照射位置とを更に近づけることができる。第1スコープ510aから射出された光の照射位置と第2スコープ510bから射出された光の照射位置とを一致させることも可能となる。これにより、X方向に隣り合うマーク22aとマーク22bとの間隔が図12に示す間隔24cより狭い間隔24dであっても、検出部600は、マーク22aとマーク22bとを同時に検出することができる。
このように構成された検出部600では、光学部材550の面550aに、波長帯域で反射と透過を切り分けるダイクロイック膜や、偏光特性で反射と透過を切り分ける偏光ビームスプリッタ膜を設けるとよい。光学部材550の面550aにダイクロイック膜を設ける場合では、第1スコープ510aから射出される光と第2スコープ510bから射出される光とが互いに異なる波長帯域を有するように各スコープ510aおよび510bを構成するとよい。第1スコープ510aと第2スコープ510bとから射出される光の波長帯域を互いに異ならせる方法としては、例えば、互いに異なる波長帯域の光を射出する光源を用いる方法や、互いに異なる波長帯域の光を透過させる波長フィルターを用いる方法などがある。また、光学部材550の面550aに偏光ビームスプリッタ膜を設ける場合では、第1スコープ510aから射出される光と第2スコープ510bから射出される光とが互いに異なる偏光特性を有するように各スコープ510aおよび510bを構成するとよい。例えば、第1スコープ510aから射出される光の偏光特性をS偏光およびP偏光のうち一方とし、第2スコープ510bから射出される光の偏光特性をS偏光およびP偏光のうち他方とするとよい。第1スコープ510aと第2スコープ510bとから射出される光の偏光特性を互いに異ならせる方法としては、例えば、各スコープ510から射出される光が所望の偏光特性になるように各スコープ510に偏光板を配置する方法がある。
上述したように、第2実施形態の検出部600は、光学部材550の面550aにプリズム560を接合させ、第1スコープ510aと第2スコープ510bとから射出される光の特性(波長帯域または偏光特性)を互いに異ならせる。これにより、第2実施形態の検出部600は、第1実施形態の検出部500と比較して、第1スコープ510aから射出された光の照射位置と第2スコープ510bから射出された光の照射位置とを更に近づけることができる。
<第3実施形態>
第3実施形態の検出部700について説明する。第3実施形態の検出部700は、4つのスコープ520a〜520dと、各スコープ520a〜520dから射出された光をそれぞれ反射する4つの面580a〜580dを有する光学部材580とを含みうる。そして、検出部700は、光学部材580を基板21の表面と垂直になる方向に移動させることにより、各スコープ520a〜520dから射出された光の照射位置の間隔を変更することができる。
図14は、第3実施形態の検出部700をY方向から見たときの図であり、4つのスコープ520のうち2つのスコープ520(第1スコープ520aおよび第2スコープ520b)が示されている。また、図15は、第3実施形態の検出部700をZ方向から見たときの図であり、4つのスコープ520(第1スコープ520a、第2スコープ520b、第3スコープ520cおよび第4スコープ520d)が示されている。各スコープ520は、図3に示すスコープ310と同様に、例えば、発光部と、光学系と、ビームスプリッタ523と、開口絞りと、対物レンズ525と、リレーレンズ526と、撮像素子527とをそれぞれ含みうる。図14および図15では、各スコープにおける発光部と光学系と開口絞りとの図示をそれぞれ省略する。
光学部材580は、各スコープ520a〜520dから射出された光を基板21に向けて反射する4つの面580a〜580dを有する四角錐の形状に構成されうる。図14では、光学部材580において、第1スコープ520aから射出された光を反射する面580a(第1面)と、第2スコープ520bから射出された光を反射する面580b(第2面)とが示されている。また、図14では、第3スコープ520cから射出された光を反射する面580cが示されている。このように構成された検出部700は、各スコープ520a〜520dにより、図15に示すように、基板上で隣り合うマーク22e〜22hを同時に検出することができる。
このように構成された第3実施形態の検出部700では、光学部材580は、基板21の表面と直交する方向(Z方向)に移動可能に構成されている。例えば、検出部700は、光学部材580をZ方向に駆動する駆動機構を含み、当該駆動機構は、制御部50により制御されうる。これにより、検出部700は、各スコープ520a〜520dから射出された光の照射位置の間隔を、隣り合う4つのマークの相対位置に応じて変更することができる。例えば、図16に示すように光学部材580をZ方向に移動させた場合を想定する。この場合、第1スコープ520aから射出された光の照射位置と第2スコープ520bから射出された光の照射位置との間隔を、図14に示す間隔24eから図16に示す間隔24gに狭めることができる。また、光学部材580をZ方向に移動させた際における検出部700をZ方向から見たときの図17に示すように、光学部材580をZ方向に移動させることにより、各スコープ520a〜520dから射出された光の照射位置の間隔を狭めることができる。したがって、検出部700は、光学部材580をZ方向に移動させることにより、図15に示す4つマーク22e〜22hより狭い間隔で配置された4つのマーク22i〜22lを同時に検出することができる。
上述したように、第3実施形態の検出部700は、4つのスコープ520a〜520dと、各スコープ520a〜520dから射出された光を基板21に向けて反射する4つの面580a〜580dを有する光学部材580とを含みうる。このような構成により、検出部700は、光学部材580をZ方向に移動させることで、各スコープ520a〜520dから射出された光の照射位置の間隔を変更させることができる。そのため、隣り合う4つのマークの間隔が互いに異なる基板間においても、光学部材580をZ方向に移動させることにより当該4つのマークを同時に検出することができる。ここで、第3実施形態では、検出部700に4つのスコープ520a〜520dが含まれる場合について説明したが、それに限られるものではない。例えば、検出部700に2つまたは3つのスコープ520が含まれる場合、もしくは5つ以上のスコープ520が含まれる場合についても本発明を適用することができる。
<物品の製造方法の実施形態>
本発明の実施形態にかかる物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、上記のリソグラフィ装置(露光装置やインプリント装置、描画装置など)を用いて基板に原版のパターンを転写する工程と、かかる工程でパターンが転写された基板を加工する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。

Claims (19)

  1. 基板に設けられた第1マークおよび前記第1マークとは異なる第2マークを検出する検出装置であって、
    反射面を有する光学部材と、
    第1の光を前記基板上にパターンを形成するための投影光学系を介することなく前記光学部材を通して前記基板に照射し、前記基板で反射され前記光学部材を通った前記第1の光を受光する第1スコープと、
    第2の光を前記投影光学系を介することなく前記反射面で反射させて前記基板に照射し、前記基板で反射され前記反射面で反射された前記第2の光を受光する第2スコープと、
    前記第1スコープを用いて前記第1マークを検出すると共に前記第2スコープを用いて前記第2マークを検出するために、前記光学部材と前記第1スコープとの前記基板に沿った方向の位置関係を変更する変更手段と、を有することを特徴とする検出装置。
  2. 前記第1スコープおよび前記第2スコープはそれぞれ、対物レンズを有する光学系と該光学系が形成するマークの像を検出する撮像素子とを有することを特徴とする請求項に記載の検出装置。
  3. 前記光学部材は、前記反射面を端部に有し、前記基板の表面に沿って前記基板側の面が対面するよう設けられた透明な部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の検出装置。
  4. 前記反射面は、前記基板側に傾いていることを特徴とする請求項1乃至のうちいずれか1項に記載の検出装置。
  5. 前記変更手段が前記光学部材と前記第1スコープとの位置関係を変更することにより、前記方向において前記第1の光が前記光学部材に入射する位置と前記反射面との位置関係が変更されることを特徴とする請求項乃至のうちいずれか1項に記載の検出装置。
  6. 前記光学部材は、前記基板に入射するときの前記第1の光の主光線と前記第2の光の主光線とが前記基板の表面に対してそれぞれ垂直になるように構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至のうちいずれか1項に記載の検出装置。
  7. 前記反射面は、前記第1の光を透過し、且つ前記第2の光を反射するように構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至のうちいずれか1項に記載の検出装置。
  8. 前記第1の光および前記第2の光は、互いに異なる偏光特性を有し、
    前記反射面には、入射した光の偏光特性に応じて当該光を反射または透過させる偏光ビームスプリッタ膜が設けられている、ことを特徴とする請求項に記載の検出装置。
  9. 前記第1の光は、第1の波長帯域における光であり、前記第2の光は、前記第1の波長帯域とは異なる第2の波長帯域における光であり、
    前記反射面には、入射した光の波長帯域に応じて当該光を反射または透過させるダイクロイック膜が設けられている、ことを特徴とする請求項に記載の検出装置。
  10. 前記反射面には、前記第2の光を反射する反射膜が設けられている、ことを特徴とする請求項1乃至のうちいずれか1項に記載の検出装置。
  11. 前記変更手段は、前記第1スコープを前記光学部材に対して前記方向に移動させることにより、前記光学部材と前記第1スコープとの位置関係を変更することを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の検出装置。
  12. 前記変更手段は、前記基板に入射するときの前記第1の光の焦点の高さが変わらないように前記第1スコープを移動させることを特徴とする請求項11に記載の検出装置。
  13. 前記変更手段は、前記光学部材を前記方向に移動させる手段であることを特徴とする請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載の検出装置。
  14. 前記第1スコープは、その光軸が前記基板の表面に垂直になるように配置され、
    前記第2スコープは、前記第1スコープの光軸と前記第2スコープの光軸との間の角度が90度未満になるように配置されている、ことを特徴とする請求項1乃至13のうちいずれか1項に記載の検出装置。
  15. 前記光学部材における前記反射面に、前記第1の光および前記第2の光を透過可能なプリズムが接合されている、ことを特徴とする請求項1乃至14のうちいずれか1項に記載の検出装置。
  16. 前記変更手段は、前記方向のうち、前記第1マークと前記第2マークとが並んでいる方向において前記位置関係を変更する、ことを特徴とする請求項1乃至15のうちいずれか1項に記載の検出装置。
  17. 基板にパターンを形成するリソグラフィ装置であって、
    求項1乃至16のうちいずれか1項に記載の検出装置を含み、該検出装置による前記第1マークと前記第2マークとの検出結果に応じて前記基板の位置合わせを行うことを特徴とするリソグラフィ装置。
  18. 前記基板上にパターンを形成するための投影光学系を更に含むことを特徴とする請求項17に記載のリソグラフィ装置。
  19. 請求項17又は18に記載のリソグラフィ装置を用いて基板にパターンを形成する形成工程と、
    前記形成工程で前記パターンを形成された前記基板を加工する加工工程と、を有し、
    前記加工工程で加工した前記基板の少なくとも一部から物品を製造することを特徴とする物品の製造方法。
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