JP6225800B2 - 車両のエネルギ吸収構造 - Google Patents

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本発明は、車両のエネルギ吸収構造に関する。
開断面構造とされたCFRP製のクラッシュボックスが、バンパリインフォースメントの背面側に接合された構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−274663号公報
ところで、脆性材料である繊維強化樹脂より成るクラッシュボックスは、衝突の際に、バンパリインフォースメントへの接合部位が破壊されて該バンパリインフォースメントから分離されやすい。このため、クラッシュボックスのエネルギ吸収特性が狙いの特性とは異なってしまう懸念がある。
本発明は、繊維強化樹脂より成るエネルギ吸収体によって安定したエネルギ吸収特性を得ることができる車両のエネルギ吸収構造を得ることが目的である。
第1態様の車両のエネルギ吸収構造は、車幅方向に延びるバンパリインフォースメントと、繊維強化樹脂より成り、上下方向の全高に亘り前記バンパリインフォースメントと上下方向にオーバラップして、該バンパリインフォースメントに対する荷重の入力側とは反対側に配置されたエネルギ吸収体と、前記エネルギ吸収体に一体に設けられ、前記バンパリインフォースメントの上壁及び下壁に接合された接合部と、前記バンパリインフォースメントに設けられ、該バンパリインフォースメントに対する前記エネルギ吸収体の上下方向の位置ずれを制限する制限部と、を備えている。
第1態様の車両のエネルギ吸収構造では、バンパリインフォースメントに衝突荷重が入力されると、接合部においてバンパリインフォースメントに接合されたエネルギ吸収体に圧縮荷重が作用する。この圧縮荷重によってエネルギ吸収体が変形、破壊されることで、衝突エネルギの一部が吸収される。ここで、エネルギ吸収体に一体に設けられた接合部がバンパリインフォースメントの上壁及び下壁に接合されているため、バンパリインフォースメントの背面に接合される構成と比較して、エネルギ吸収体がバンパリインフォースメントから分離され難い。また、制限部がバンパリインフォースメントに対するエネルギ吸収体の上下方向の位置ずれ(外れ)を制限するため、エネルギ吸収体によるエネルギ吸収過程において、該エネルギ吸収体のバンパリインフォースメントに対する位置ずれが抑制される。
このように、第1態様の車両のエネルギ吸収構造では、繊維強化樹脂より成るエネルギ吸収体によって安定したエネルギ吸収特性を得ることができる。
第2態様の車両のエネルギ吸収構造は、第1態様の構成において、前記制限部と前記エネルギ吸収体との上下方向の間隔が、該バンパリインフォースメントとエネルギ吸収体との上下端同士の上下方向の位置差よりも小さい。
第2様態の車両のエネルギ吸収構造では、バンパリインフォースメントの上壁とエネルギ吸収体の上端との上下方向の位置差よりも、制限部とエネルギ吸収体との上下方向の間隔が小さい。また、バンパリインフォースメントの下壁とエネルギ吸収体の下端との上下方向の位置差よりも、制限部とエネルギ吸収体との上下方向の間隔が小さい。このため、制限部とエネルギ吸収体との上下方向の相対変位によって該制限部とエネルギ吸収体とが接触しても、エネルギ吸収体が上下方向の全高に亘りバンパリインフォースメントと上下方向にオーバラップする状態が維持される。これにより、エネルギ吸収体によるエネルギ吸収過程において、該エネルギ吸収体の上下方向の全体が変形、破壊される。
第3態様の車両のエネルギ吸収構造は、第1又は第2態様の構成において、前記エネルギ吸収体は、閉断面構造とされており、前記制限部は、前記バンパリインフォースメントから突出されて前記エネルギ吸収体の閉断面内に入り込まされている。
第3態様のエネルギ吸収構造では、制限部がエネルギ吸収体の閉断面内で該エネルギ吸収体の上下方向の位置ずれを制限する。このため、エネルギ吸収体に一体に設けられた接合部がバンパリインフォースメントの上壁及び下壁に接合される構成において、簡単な構造で、制限部を設けることができる。
第4態様の車両のエネルギ吸収構造は、第1〜第3態様の何れか1態様の構成において、前記バンパリインフォースメントに設けられ、該バンパリインフォースメントに対する前記エネルギ吸収体の車幅方向の位置ずれを制限する他の制限部をさらに備えている。
第4態様の車両のエネルギ吸収構造では、他の制限部によってバンパリインフォースメントに対するエネルギ吸収体の車幅方向の位置ずれが制限される。このため、繊維強化樹脂より成るエネルギ吸収体によって一層安定したエネルギ吸収特性を得ることができる。
以上説明したように本発明に係る車両のエネルギ吸収構造は、繊維強化樹脂より成るエネルギ吸収体によって安定したエネルギ吸収特性を得ることができるという優れた効果を有する。
本発明の実施形態に係る車体前部構造の主要構成要素を分解して示す分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る車体前部構造の要部を拡大して示す図であって、(A)は側断面図、(B)は平断面図である。 本発明の実施形態の第1変形例に係る車体前部構造を示す側断面図である。 本発明の実施形態の第2変形例に係る車体前部構造を示す図であって、(A)は側断面図、(B)はリミッタ部材のみを示す斜視図である。
本発明の実施形態に係る車両のエネルギ吸収構造が適用された車体前部構造10について、図1、図2に基づいて説明する。なお、図中に適宜記す矢印FRは車両前後方向の前方向を、矢印UPは車両上下方向の上方向を、矢印Wは車幅方向をそれぞれ示す。以下の説明で、特記なく前後、上下の方向を用いる場合は、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下を示すものとする。
[車体の基本骨格]
図1には、車体前部構造10の概略構成が分解斜視図にて示されている。この図に示されるように、車体前部構造10は、それぞれ前後方向に長手とされると共に、車幅方向に並列された左右一対のフロントサイドメンバ12を備えている。
フロントサイドメンバ12の前端には、エネルギ吸収部材としてのクラッシュボックス14が取り付けられている。また、左右のクラッシュボックス14の前端間は、車幅方向に延びるバンパリインフォースメント16にて架け渡されている。換言すれば、左右のフロントサイドメンバ12は、それぞれクラッシュボックス14を介してバンパリインフォースメント16に接合されている。
この状態で、バンパリインフォースメント16の車幅方向の両端部は、左右のクラッシュボックス14に対し車幅方向の外側に張り出している。この実施形態では、バンパリインフォースメント16は、長手方向に直交する断面視で閉断面を成す閉断面構造とされている。また、バンパリインフォースメント16は、例えば、アルミ等の金属材又はCFRP等の繊維強化樹脂にて構成されている。
[クラッシュボックス]
次に、クラッシュボックス14の詳細構成を説明する。クラッシュボックス14は、エネルギ吸収体14Aと、接合部としての前フランジ14Fと、後フランジ14Rとを主要部として構成されている。
このクラッシュボックス14は、繊維強化樹脂としての炭素繊維強化樹脂(以下、「CFRP」という)にて構成されている。この実施形態におけるCFRPは、例えば、繊維として炭素繊維(例えばポリアクリロニトリル(PAN)系の炭素繊維)と、マトリクス樹脂として熱可塑性樹脂とを組み合わせた複合材料とされている。熱可塑性樹脂を採用することで、サイクルタイムが短くリサイクル性が良好なCFRP製のクラッシュボックス14が得られる構成である。
エネルギ吸収体14Aは、図1、図2(A)、図2(B)に示されるように、前後方向を軸方向とする矩形筒状を成す閉断面構造とされている。具体的には、エネルギ吸収体14Aは、天壁14Tと、底壁14Bと、天壁14T及び底壁14Bの車幅方向の同じ側の端部を繋ぐ左右一対の側壁14Sとを有し、軸方向に直交する断面視で略矩形状を成している。
前フランジ14Fは、エネルギ吸収体14Aの前端から上下左右に張り出した前壁14FFと、前壁14FFの上端から前方に延出された上壁14FUと、前壁14FFの下端から前方に延出された下壁14FLとを有する。
前壁14FFは、エネルギ吸収体14Aの前端と共にバンパリインフォースメント16の後壁16Rに突き当てられている。この状態で、上壁14FU、下壁14FLは、バンパリインフォースメント16の上壁16U、下壁16Lに接合されている。以上により、接合部としての前フランジ14Fは、バンパリインフォースメント16における上下方向の両端部のそれぞれに接合されている。この接合には、例えば接着、溶着、リベット等の接合形態、すなわちボルト、ナットによる締結と比較して応力集中が生じ難い接合形態が採用されている。
なお、前壁14FFにおいてもバンパリインフォースメント16の後壁16Rに接着等によって接合されても良い。
後フランジ14Rは、エネルギ吸収体14Aの後端と共にフロントサイドメンバ12の前フランジ12Fに突き当てられており、該前フランジ12Fに対し、ボルト、ナット等の締結具Fb(図2(A)、図2(B)参照)にて接合されている。
[クラッシュボックスとバンパリインフォースメントとの配置関係]
以下、図2(A)に示されるように、上壁14FU、下壁14FLにおいてバンパリインフォースメント16の上壁16U、下壁16Lに接合された接合状態におけるバンパリインフォースメントに対するクラッシュボックス14の配置について説明する。
接合状態において、クラッシュボックス14の上下方向の両端部は、バンパリインフォースメント16の上下方向の両端部間に位置している。具体的には、天壁14Tは上壁16Uよりも下方に位置し、底壁14Bは下壁16Lよりも上方に位置する。換言すれば、天壁14T、底壁14Bは、バンパリインフォースメント16の後壁16Rと上下方向にオーバラップされている。
この実施形態では、バンパリインフォースメント16とクラッシュボックス14とで上下方向の中心位置が略一致されている。したがって、天壁14Tから上壁16Uまでのオフセット量ΔHt(上下方向の位置差)と、底壁14Bから下壁16Lまでのオフセット量ΔHb(上下方向の位置差)とが略一致されている。以下の説明では、オフセット量ΔHtとオフセット量ΔHbとを区別せずに、オフセット量ΔHという場合がある。
[リミッタ部材]
また、車体前部構造は、制限部、他の制限部としてのリミッタ部材18を備えている。リミッタ部材18は、図1に示されるように、バンパリインフォースメント16の後壁16Rに固定され、該バンパリインフォースメント16の後壁16R(一般部)に対し後方に突出している。図2(A)、図2(B)に示されるように、上記した接合状態で、リミッタ部材18は、閉断面構造のエネルギ吸収体14A内に入り込まされている。
このリミッタ部材18は、前フランジ14Fによるエネルギ吸収体14Aのバンパリインフォースメント16に対する接合が解除(分離)された場合に、該バンパリインフォースメント16に対するエネルギ吸収体14Aの位置ずれを制限する構成とされている。換言すれば、リミッタ部材18は、前方から圧縮破壊されていくエネルギ吸収体14Aの前後方向の各部を、バンパリインフォースメント16の適所に向けてガイドするガイド部材として捉えることも可能である。
具体的には、リミッタ部材18は、バンパリインフォースメント16に対するエネルギ吸収体14Aの上下方向の位置ずれを制限する上下リミッタ20と、車幅方向の位置ずれを制限する車幅リミッタ22とを有して構成されている。
図2(A)に示されるように、上下リミッタ20は、天壁14Tと間隔Gtを空けて対向する上壁20Uと、底壁14Bと間隔Gbを空けて対向する下壁20Lとを有する。上壁20Uは、天壁14Tが相対的に下方へ間隔Gt分だけ移動すると該天壁14Tに接触し、それ以上の下方への移動を制限する構成とされている。下壁20Lは、底壁14Bが相対的に上方へ間隔Gb分だけ移動すると該底壁14Bに接触し、それ以上の上方への移動を制限する構成とされている。
この実施形態では、間隔Gtがオフセット量ΔHtよりも小さく設定されている(Gt<ΔHt)。これにより、天壁14Tが間隔Gt分だけ下方に移動しても、底壁14Bとバンパリインフォースメント16(の後壁16R)との上下方向のオーバラップ状態が維持される構成である。また、間隔Gbがオフセット量ΔHbよりも小さく設定されている(Gb<ΔHb)。これにより、底壁14Bが間隔Gb分だけ上方に移動しても、天壁14Tとバンパリインフォースメント16(の後壁16R)との上下方向のオーバラップ状態が維持される構成である。
この実施形態では、間隔Gtと間隔Gbとが略一致されている。換言すれば、上下リミッタ20は、クラッシュボックス14及びバンパリインフォースメント16と上下方向の中心位置が略一致されている。以下の説明では、間隔Gtと間隔Gbとを区別せずに、間隔Gという場合がある。
図2(B)に示されるように、車幅リミッタ22は、左側の側壁14Sと間隔Glを空けて対向する左壁22Lと、右側の側壁14Sと間隔Grを空けて対向する右壁22Rとを有する。左壁22Lは、左側の側壁14Sが相対的に右方へ間隔Gl分だけ移動すると該左側の側壁14Sに接触し、それ以上の右方への移動を制限する構成とされている。右壁22Rは、右側の側壁14Sが相対的に左方へ間隔Gr分だけ移動すると該右側の側壁14Sに接触し、それ以上の左方への移動を制限する構成とされている。
この実施形態では、間隔Glと間隔Grとが略一致されている。換言すれば、上下リミッタ20は、クラッシュボックス14と車幅(左右)方向の中心位置が略一致されている。
以上説明した上下リミッタ20及び車幅リミッタ22は、上記したリミッタ部材18として、一体に構成されている。具体的には、リミッタ部材18は、上壁20Uと、下壁20Lと、該上壁20U及び下壁20Lの車幅方向の同じ側の端部を繋ぐ左壁22L、右壁22Rとを有し、背面視で矩形枠状の部分を有して構成されている。さらに、リミッタ部材18は、上記矩形枠状部分の内側に張り出した内フランジ18Fを有している。
リミッタ部材18は、該内フランジ18Fにおいて、バンパリインフォースメント16の後壁16Rに対して、ボルト、ナット等の締結具Fb(図2(A)、図2(B)参照)にて接合されている。なお、ボルト、ナット等の締結具Fbに代えて、リベットや接着等によってリミッタ部材18がバンパリインフォースメント16に接合される構成としても良い。
[作用]
次に、実施形態の作用を説明する。
車体前部構造10が適用された自動車に対し前面衝突が生じると、バンパリインフォースメント16からクラッシュボックス14に衝突荷重が入力される。すると、クラッシュボックス14が前方から圧縮変形(粉砕破壊)され、該変形に伴い衝突エネルギの一部が吸収される。
(衝突初期のエネルギ吸収)
ここで、クラッシュボックス14は、前フランジ14Fにおいて、接着、溶着、リベット等の接合形態によってバンパリインフォースメント16の上壁16U、下壁16Lのそれぞれに接合されている。このため、クラッシュボックス14のバンパリインフォースメント16に対する接合強度(接合剛性)が高い。以下、比較例と比較しつつ具体的に説明する。
例えば、バンパリインフォースメント16の後壁16Rに対しボルト、ナット等にて締結(接合)された比較例に係るクラッシュボックスでは、締結部位に応力集中が生じる。このため、脆性材料であるCFRP製のクラッシュボックスのエネルギ吸収体は、衝突から短時間で締結部位が破壊され、バンパリインフォースメント16から分離されやすい。
特に、バンパリインフォースメント16に対し車幅方向の一方側にオフセットして衝突体が衝突する微小ラップ衝突の場合や、斜め方向から衝突体が衝突する斜め衝突の場合に、クラッシュボックスには車幅(左右)方向への曲げ荷重が作用する。この場合、上記比較例に係るクラッシュボックスにおけるバンパリインフォースメント16の後壁16Rへの接合部には、剥離方向に荷重が作用し、上記した締結部位の破壊が一層生じやすい。
これらに対して、本実施形態に係る車体前部構造10では、上記の通り前フランジ14Fの上壁14FU、下壁14FLが接着、溶着、リベット等の接合形態にてバンパリインフォースメント16の上壁16U、下壁16Lのそれぞれに接合されている。このため、ボルト、ナット等による締結による接合部位と比較して応力集中が緩和され、上記比較例におけると比較して、接合部位の破壊(エネルギ吸収体14Aの分離)が生じ難い。
しかも、クラッシュボックス14におけるバンパリインフォースメント16の上壁16U、下壁16Lへの接合部位には、微小ラップ衝突や斜め衝突の場合の曲げ荷重が、せん断方向に作用する。すなわち、接合部位において剥離方向よりも耐力が高いをせん断方向で荷重を受けるため、上記比較例と比較して、接合部位破壊(エネルギ吸収体14Aの分離)が生じ難い。
これらによって、上記した通り、車体前部構造10では、クラッシュボックス14とバンパリインフォースメント16との接合強度が高い。このため、車体前部構造10は、上記比較例と比較して、衝突(特に微小ラップ衝突や斜め衝突)の初期において、バンパリインフォースメント16とエネルギ吸収体14Aとの分離時期が遅くなり、クラッシュボックス14によるエネルギ吸収が果たされる。
(その後のエネルギ吸収)
また、車体前部構造10においても、バンパリインフォースメント16に対するエネルギ吸収体14Aの分離が生じる。例えば、上壁14FU、下壁14FLの破壊や、前フランジ14Fとエネルギ吸収体14Aとの境界部の破断等によって、バンパリインフォースメント16に対しエネルギ吸収体14Aが分離する。
ここで、車体前部構造10では、バンパリインフォースメント16に対するエネルギ吸収体14Aの上下方向の位置ずれを制限する上下リミッタ20を備えている。このため、バンパリインフォースメント16に対するエネルギ吸収体14Aの分離後のエネルギ吸収過程において、上下リミッタ20によって、バンパリインフォースメント16に対するクラッシュボックス14の上下方向への位置ずれが制限される。
これにより、バンパリインフォースメント16を介して入力される荷重によるエネルギ吸収体14Aの圧縮破壊によって、安定したエネルギ吸収が果たされる。すなわち、車体前部構造10では、CFRP製のクラッシュボックス14(エネルギ吸収体14A)によって安定したエネルギ吸収特性を得ることができる。
特に、バンパリインフォースメント16の上壁16U、下壁16Lに対するクラッシュボックス14の天壁14T、底壁14Bのオフセット量ΔHに対して、天壁14T、底壁14Bと上壁20U、下壁20Lとの間隔Gが小さい(G<ΔH)。このため、クラッシュボックス14がバンパリインフォースメント16に対して上下リミッタ20による制限範囲内で上下に位置ずれしても、バンパリインフォースメント16とエネルギ吸収体14Aとの上下方向のオーバラップ状態が維持される。
以上により、エネルギ吸収体14Aは、バンパリインフォースメント16を介して入力される荷重によって、天壁14T、底壁14B、左右の側壁14Sが共に圧縮破壊され、適正なエネルギ吸収が果たされる。換言すれば、エネルギ吸収体14Aのほぼ全体を圧縮破壊しきる(潰しきる)ことができ、該エネルギ吸収体14A全体の破壊に要する所要のエネルギを吸収することができる。これにより、車体前部構造10では、CFRP製のクラッシュボックス14によって一層安定したエネルギ吸収特性を得ることができる。
さらに、車体前部構造10では、車幅リミッタ22を備えているため、バンパリインフォースメント16から分離後のエネルギ吸収体14Aの該バンパリインフォースメント16に対する車幅方向の位置ずれが制限される。このため、CFRP製のエネルギ吸収体14Aによって一層安定したエネルギ吸収特性を得ることができる。
また、車体前部構造10では、バンパリインフォースメント16の後壁16Rから後方に突出された上下リミッタ20がエネルギ吸収体14Aの閉断面内で、バンパリインフォースメント16に対するエネルギ吸収体14Aの位置ずれを制限する。このため、前フランジ14Fの上壁14FU、下壁14FLがバンパリインフォースメント16の上壁16U、下壁16Lに接合される構成において、簡単な構造で、上下リミッタ20を設けることができる。また、閉断面の外側に上下リミッタを配置する構成と比較して、該上下リミッタの寸法、形状、配置の制約によらずエネルギ吸収部の寸法形状を設定しやすい。
さらに、この実施形態では、上下リミッタ20と車幅リミッタ22とがリミッタ部材18に一体化されて構成されている。これにより、少ない部品点数で、上下リミッタ20及び車幅リミッタ22の機能を得ることができる。
[変形例]
上記した実施形態では、矩形枠状を成す上壁20U、下壁20L、左壁22L、右壁22Rに内フランジ18Fが形成された底浅の箱状を成すリミッタ部材18を備えた例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図3、図4に示されるような変形例に係る構成を採用しても良い。
図3に示す第1変形例に係るリミッタ部30は、バンパリインフォースメント16に一体に形成されている。具体的には、リミッタ部30は、上下リミッタ20を構成する上壁20U、下壁20L、左壁22L(図示省略)、右壁22Rが、バンパリインフォースメント16の後壁16R(一般面)から後方に延在されている。また、リミッタ部30には、上壁20U、下壁20L、左壁22L、右壁22Rの後端を繋ぐ後壁(蓋壁)30Rが一体に形成されている。
図4(A)に示す第2変形例に係るリミッタ部材40は、バンパリインフォースメント16の後壁16Rにボルト、ナット等の締結具Fbにて接合されている点で、上記実施形態に係るリミッタ部材18と共通する。図4(B)にも示されるように、リミッタ部材40は、上下リミッタ20を構成する上壁20U、下壁20L、及び該上壁20U、下壁20Lの前端間、後端間を繋ぐ前壁40F、後壁40Rを有する。前壁40Fにはボルト孔40Hbが形成され、後壁40Rには工具孔40Htが形成されている。そして、第2変形例においては、前壁40F、後壁40R(、及び上壁20U、下壁20L)の車幅方向両端(面)が車幅リミッタ22を構成している。
(その他の変形例)
なお、上記した実施形態及び変形例では、リミッタ部材18、40、及びリミッタ部30がそれぞれ上下リミッタ20、車幅リミッタ22を共に有する例を示したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、バンパリインフォースメント16に対するクラッシュボックス14の上下方向の位置ずれを制限する制限部を備えて構成されていれば足り、例えば車幅リミッタを備えない構成としても良い。
また、上記した実施形態及び変形例では、上下リミッタ20とエネルギ吸収体14Aとの間隔Gt、Gbがバンパリインフォースメント16とエネルギ吸収体14Aとのオフセット量ΔHt、ΔHbよりも小さい例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、間隔Gt、Gbの一方又は双方が上下同じ側のオフセット量ΔHt、ΔHbと同等である構成としても良い。また、上下リミッタ20とエネルギ吸収体14Aとの間に間隔Gが形成される構成には限定されず、例えば、上下リミッタ20とエネルギ吸収体14Aとが接触(嵌合)する構成(G=0)としても良く、上下リミッタ20とエネルギ吸収体14Aとの間に接着層等を介在させた構成としても良い。
さらに、上記した実施形態及び各変形例では、繊維強化樹脂としてCFRPを用いた例を示したが、本発明はこれに限定されない。繊維強化樹脂を構成する繊維として、各種の繊維を採用可能であり、例えば、ガラス繊維やケブラー繊維等を採用した構成としても良い。また、繊維強化樹脂を構成する樹脂として、各種の樹脂を採用可能であり、例えば、CFRPを構成する樹脂として熱硬化性樹脂を採用しても良い。
またさらに、上記した実施形態及び各変形例では、クラッシュボックス14のエネルギ吸収体14Aが閉断面構造である例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、エネルギ吸収体14Aが荷重入力方向から見て波板状を成す開断面構造とされても良い。
また、上記した実施形態及び各変形例では、本発明に係る車両のエネルギ吸収構造が車体前部構造10に適用された例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、リヤサイドメンバとリヤのバンパリインフォースメントとの間にクラッシュボックスが介在される車体後部構造に本発明を適用しても良い。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で各種変更して実施可能であることは言うまでもない。例えば、上記各変形例の構成(要素)を適宜組み合わせて補強構造を構成しても良い。
10 車体前部構造(車両のエネルギ吸収構造)
14A エネルギ吸収体
14F 前フランジ(接合部)
16 バンパリインフォースメント
20 上下リミッタ(制限部)
22 車幅リミッタ(他の制限部)

Claims (5)

  1. 車幅方向に延びるバンパリインフォースメントと、
    繊維強化樹脂より成る閉断面構造とされており、上下方向の全高に亘り前記バンパリインフォースメントと上下方向にオーバラップして、該バンパリインフォースメントに対する荷重の入力側とは反対側に配置されたエネルギ吸収体と、
    前記エネルギ吸収体に一体に設けられ、前記バンパリインフォースメントの上壁及び下壁に接合された接合部と、
    前記バンパリインフォースメントから突出されて前記エネルギ吸収体の閉断面内に入り込まされており、該バンパリインフォースメントに対する前記エネルギ吸収体の上下方向の位置ずれを制限する制限部と、
    を備えた車両のエネルギ吸収構造。
  2. 前記制限部と前記エネルギ吸収体との上下方向の間隔が、該バンパリインフォースメントとエネルギ吸収体との上下端同士の上下方向の位置差よりも小さい請求項1記載の車両のエネルギ吸収構造。
  3. 車幅方向に延びるバンパリインフォースメントと、
    繊維強化樹脂より成り、上下方向の全高に亘り前記バンパリインフォースメントと上下方向にオーバラップして、該バンパリインフォースメントに対する荷重の入力側とは反対側に配置されたエネルギ吸収体と、
    前記エネルギ吸収体に一体に設けられ、前記バンパリインフォースメントの上壁及び下壁に接合された接合部と、
    前記バンパリインフォースメントに設けられ、該バンパリインフォースメントに対する前記エネルギ吸収体の上下方向の位置ずれを制限する制限部と、
    を備え、
    前記制限部と前記エネルギ吸収体との上下方向の間隔が、該バンパリインフォースメントとエネルギ吸収体との上下端同士の上下方向の位置差よりも小さい車両のエネルギ吸収構造。
  4. 前記バンパリインフォースメントに設けられ、該バンパリインフォースメントに対する前記エネルギ吸収体の車幅方向の位置ずれを制限する他の制限部をさらに備えた請求項1〜請求項3の何れか1項記載の車両のエネルギ吸収構造。
  5. 車幅方向に延びるバンパリインフォースメントと、
    繊維強化樹脂より成り、上下方向の全高に亘り前記バンパリインフォースメントと上下方向にオーバラップして、該バンパリインフォースメントに対する荷重の入力側とは反対側に配置されたエネルギ吸収体と、
    前記エネルギ吸収体に一体に設けられ、前記バンパリインフォースメントの上壁及び下壁に接合された接合部と、
    前記バンパリインフォースメントに設けられ、該バンパリインフォースメントに対する前記エネルギ吸収体の上下方向の位置ずれを制限する制限部と、
    前記バンパリインフォースメントに設けられ、該バンパリインフォースメントに対する前記エネルギ吸収体の車幅方向の位置ずれを制限する他の制限部と、
    を備えた車両のエネルギ吸収構造。
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