JP6222483B2 - 固体撮像装置及び撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、固体撮像装置及び撮像装置に関する。
近年、出力コードの変動をもたらす比較器のオフセットの発生量と変動を抑制することで出力コードの変動を低減することができる固体撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図35を用いて特許文献1に示された従来の固体撮像装置を説明する。
図35に示す比較器900は、信号入力端子と、信号入力端子と信号線との間に接続されたキャパシタC911、C912と、キャパシタC911、C912に信号電圧と比較器900の動作点との電圧差を定期的に充電するためにオン、オフ制御される校正用のスイッチングトランジスタPT913、PT914と、を有し、充電を実施する際にオン状態に遷移するスイッチングトランジスタPT913、PT914のオン抵抗が、振幅が制限された制御パルスにより動的に制御される構成を有している。
特開2010−16656号公報
しかしながら、特許文献1に開示された固体撮像装置は、校正用のスイッチングトランジスタを確実にオン、オフさせるための振幅が必要となるため、校正用のスイッチングトランジスタの制御パルスの論理振幅を小さくすることには限界がある。従って、AD(Analog−to−Digital)変換に要する時間を十分に短縮することができず、高フレームレート化に対応できないという課題を有している。
そこで、本発明は、AD変換に要する時間を短縮し、高フレームレート化に対応可能な固体撮像装置及び撮像装置を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために、本発明の一態様に係る固体撮像装置は、行列状に配置された複数の単位画素を有し、入射光量に応じた画素信号を生成する画素部と、前記画素部の列に対応して設けられ、対応する列の単位画素から出力される画素信号をデジタル変換するAD変換部と、前記AD変換部におけるデジタル変換を制御するための制御信号を生成する制御部と、前記制御部から前記AD変換部へ前記制御信号を供給するための信号経路に設けられ、前記制御信号の振幅を小さくさせる、及び、前記制御信号を遅延させる、の少なくとも一方を行う調整回路とを備える。
これにより、本発明の一態様に係る固体撮像装置は、制御信号による各AD変換部における制御をほぼ同時に行うことができる。つまり、各AD変換部においてAD変換がほぼ同時に行われる。これにより、列毎に異なるタイミングでAD変換部が動作する場合と比較して、AD変換に要する時間を短縮でき、高フレーム化に対応できる。
また、本発明の一態様に係る固体撮像装置は、さらに、スロープ状に電圧値が変化するランプ信号を生成する参照信号生成部を備え、前記AD変換部は、前記画素信号と前記ランプ信号とを比較する比較器と、前記画素信号と前記ランプ信号との大小関係が入れ替わり前記比較器の出力が反転するまでの時間をカウントするカウンタ部とを備え、前記制御信号は、前記比較器のオートゼロを実行するためのリセット信号であってもよい。
これにより、各列の比較器で生じる電圧オフセットの発生を抑え、同等に設定できるので、電圧オフセットのばらつきを吸収するための処理が不要となる。
また、本発明の一態様に係る固体撮像装置において、前記AD変換部は、前記画素信号をサンプル・ホールドするサンプル・ホールド回路を有するΔΣAD変換器であり、前記制御信号は、前記サンプル・ホールド回路のための制御クロックであってもよい。
また、本発明の一態様に係る固体撮像装置において、前記AD変換部は、スイッチトキャパシタ回路を有するΔΣAD変換器であり、前記制御信号は、前記スイッチトキャパシタ回路のための制御クロックであってもよい。
これにより、高フレームレート化した場合であっても、各列のΔΣAD変換器をほぼ同時に制御できるので、列毎に制御クロックのタイミングがずれることがなくなり、誤動作を低減できる。
また、本発明の一態様に係る固体撮像装置において、前記調整回路は、前記制御部で生成された前記制御信号が入力され、当該制御信号の電圧に応じてハイレベル又はローレベルを出力するCMOS論理回路と、一端が前記CMOS論理回路の出力端に接続され、他端が前記AD変換部に電気的に接続された第一の抵抗とを備えてもよい。
これにより、回路面積と消費電力とを過剰に増やすことなく、デジタルノイズのAD変換部への影響を低減し、精度よくAD変換することができる。
また、本発明の一態様に係る固体撮像装置において、前記調整回路はさらに、電源と前記第一の抵抗の前記他端との間に接続された第二の抵抗を備えてもよい。
これにより、制御信号のローレベル電圧を高くすることができる。つまり、制御信号の振幅を小さくできる。
また、本発明の一態様に係る固体撮像装置において、前記調整回路はさらに、グランドと前記第一の抵抗の前記他端との間に接続された第三の抵抗を備えてもよい。
これにより、制御信号のハイレベル電圧を低くすることができる。つまり、制御信号の振幅を小さくできる。
また、本発明の一態様に係る固体撮像装置において、前記調整回路はさらに、第二の抵抗と、前記第二の抵抗と直列に接続された第一のスイッチと、第三の抵抗と、前記第三の抵抗と直列に接続された第二のスイッチとを備え、前記第二の抵抗及び前記第一のスイッチは、電源と前記第一の抵抗の前記他端との間に接続され、前記第三の抵抗及び前記第二のスイッチは、グランドと前記第一の抵抗の前記他端との間に接続され、前記第一のスイッチは前記CMOS論理回路がローレベルを出力する場合は導通、ハイレベルを出力する場合は非導通となるように制御され、前記第二のスイッチは前記CMOS論理回路がハイレベルを出力する場合は導通、ローレベルを出力する場合は非導通となるように制御されてもよい。
これにより、制御信号のハイレベル電圧を低くし、かつ、ローレベル電圧を高くすることができる。つまり、制御信号の振幅をより小さくできる。
また、本発明の一態様に係る固体撮像装置において、前記第三の抵抗を可変抵抗で構成してもよい。
これにより、AD変換部の動作を損なうことなく、制御信号のハイレベル電圧を可能な限り下げることができる。その結果、AD変換に要する時間をさらに短縮でき、さらなる高フレーム化に対応できる。例えば、AD変換部の動作を確認しながら制御信号のハイレベル電圧を下げることにより、AD変換部の動作を損なうことなく、制御信号のハイレベル電圧を下げられる。
また、本発明の一態様に係る固体撮像装置において、前記第二の抵抗を可変抵抗で構成してもよい。
これにより、AD変換部の動作を損なうことなく、制御信号のローレベル電圧を可能な限り上げることができる。その結果、AD変換に要する時間をさらに短縮でき、さらなる高フレーム化に対応できる。例えば、AD変換部の動作を確認しながら制御信号のローレベル電圧を上げることにより、AD変換部の動作を損なうことなく、制御信号のローレベル電圧を上げられる。
また、本発明の一態様に係る固体撮像装置において、前記第一の抵抗の抵抗値は、前記調整回路と当該調整回路から最も距離が遠い前記AD変換部とを接続する配線の配線抵抗値の2倍以上であってもよい。
これにより、調整回路から最も距離が近いAD変換部における制御信号の立上り及び立下りに要する時間と、調整回路から最も距離が遠いAD変換部における制御信号の立上り及び立下りに要する時間とを、確実に同等とすることができる。つまり、調整回路から制御信号が出力される全てのAD変換部を、確実に同等に制御できる。
また、本発明の一態様に係る固体撮像装置において、前記第一の抵抗を可変抵抗で構成してもよい。
これにより、制御信号の遅延時間を最適な時間に調整することができる。つまり、制御信号の遅延時間を、調整回路と各AD変換部とを接続する制御信号を供給するための配線経路の寄生素子による影響を無視できる程度、かつ、AD変換部でのAD変換時間に影響を及ぼさない程度に設定することができる。
また、本発明の一態様に係る固体撮像装置において、前記調整回路は、第1電源端子、及び、グランドに接続された第2電源端子を有し、前記制御部で生成された前記制御信号が入力され、当該制御信号の電圧に応じてハイレベル又はローレベルを出力するCMOS論理回路と、前記第1電源端子と電源との間に挿入され、互いに直列接続されたM段(Mは1以上の整数)のPMOSトランジスタとを備え、前記M段のPMOSトランジスタの各々はダイオード接続されてもよい。
これにより、制御信号を遅延させることができ、かつ、制御信号のハイレベル電圧を低くすることができる。さらに、M段のPMOSトランジスタにより、電源から回り込むデジタルノイズのAD変換部への影響を低減し、精度よくAD変換することができる。
また、本発明の一態様に係る固体撮像装置において、前記調整回路は、電源に接続された第1電源端子、及び、第2電源端子を有し、前記制御部で生成された前記制御信号が入力され、当該制御信号の電圧に応じてハイレベル又はローレベルを出力するCMOS論理回路と、前記第2電源端子とグランドとの間に挿入され、互いに直列接続されたN段(Nは1以上の整数)のNMOSトランジスタとを備え、前記N段のNMOSトランジスタの各々はダイオード接続されてもよい。
これにより、制御信号を遅延させることができ、かつ、制御信号のローレベル電圧を高くすることができる。さらに、N段のNMOSトランジスタにより、グランドから回り込むデジタルノイズのAD変換部への影響を低減し、精度よくAD変換することができる。
また、本発明の一態様に係る固体撮像装置において、前記調整回路は、第1電源端子、及び、第2電源端子を有し、前記制御部で生成された前記制御信号が入力され、当該制御信号の電圧に応じてハイレベル又はローレベルを出力するCMOS論理回路と、前記第1電源端子と電源との間に挿入され、互いに直列接続されたM段(Mは1以上の整数)のPMOSトランジスタと、前記第2電源端子とグランドとの間に挿入され、互いに直列接続されたN段(Nは1以上の整数)のNMOSトランジスタとを備え、前記M段のPMOSトランジスタ及び前記N段のNMOSトランジスタの各々はダイオード接続されてもよい。
これにより、制御信号のハイレベル電圧及びローレベル電圧のいずれも調整することができる。さらに、M段のPMOSトランジスタにより、電源から回り込むデジタルノイズのAD変換部への影響を低減し、かつ、N段のNMOSトランジスタにより、グランドから回り込むデジタルノイズのAD変換部への影響を低減するので、精度よくAD変換することができる。
また、本発明の一態様に係る撮像装置は、上記固体撮像装置を備える。
本発明によれば、AD変換に要する時間を短縮し、高フレームレート化に対応可能な固体撮像装置を実現することができる。
図1は、第1の実施形態に係る固体撮像装置の全体構成の一例を示すブロック図である。 図2Aは、単位画素の構成の一例を示す回路図である。 図2Bは、単位画素の構成の他の一例を示す回路図である。 図3は、比較器の構成の一例を示す回路図である。 図4は、比較器におけるリセットトランジスタと負荷トランジスタとの等価回路を示す回路図である。 図5は、等価回路への入力波形を示すグラフである。 図6は、入力波形に対する応答の電圧波形を示すグラフである。 図7は、第1の比較例において、タイミング制御部から各比較器までの配線に生じる寄生素子を模式的に示す回路図である。 図8は、論理振幅遅延調整回路の構成の一例を示す回路図である。 図9は、論理振幅遅延調整回路の入出力波形を示すグラフである。 図10は、第1の実施形態において、タイミング制御部から各比較器までの配線に生じる寄生素子を模式的に示す回路図である。 図11Aは、第1の比較例における比較器の出力波形を示すグラフである。 図11Bは、第1の実施形態における比較器の出力波形を示すグラフである。 図12は、第1の実施形態に係る固体撮像装置におけるデジタルノイズ耐性の向上を説明するための図である。 図13は、第2の比較例の一例におけるパルス生成部及び比較器の構成を示す回路図である。 図14は、第2の比較例の他の例におけるパルス生成部及び比較器の構成を示す回路図である。 図15Aは、論理振幅遅延調整回路の構成の他の一例を示す回路図である。 図15Bは、論理振幅遅延調整回路の構成のさらに他の一例を示す回路図である。 図16は、ΔΣAD変換器を用いた固体撮像装置の構成の一例を示すブロック図である。 図17は、サンプル・ホールド回路の構成の一例を示す回路図である。 図18は、スイッチトキャパシタ回路を有する積分器の構成の一例を示す回路図である。 図19は、第2の実施形態に係る固体撮像装置における論理振幅遅延調整回路の構成の一例を示す回路図である。 図20は、タイミング制御部から各比較器までの配線に生じる寄生素子を、図10よりも簡易化して模式的に示す回路図である。 図21は、信号源から入力された波形を示すグラフである。 図22Aは、抵抗値が50Ωの場合のVleft及びVrightの波形を示すグラフである。 図22Bは、抵抗値が500Ωの場合のVleft及びVrightの波形を示すグラフである。 図23は、Vleft及びVrightの抵抗値依存特性を示すグラフである。 図24は、VleftとVrightの立上り時間比の抵抗値依存特性を示すグラフである。 図25Aは、第2の実施形態の比較例における比較器の出力波形を示すグラフである。 図25Bは、第2の実施形態における比較器の出力波形を示すグラフである。 図26は、デジタルノイズ耐性の向上を説明するための図である。 図27は、第3の実施形態に係る固体撮像装置における論理振幅遅延調整回路の構成の一例を示す回路図である。 図28は、論理振幅遅延調整回路の入出力波形を示すグラフである。 図29Aは、第3の実施形態の比較例における比較器の出力波形を示すグラフである。 図29Bは、第3の実施形態における比較器の出力波形を示すグラフである。 図30は、デジタルノイズ耐性の向上を説明するための図である。 図31は、論理振幅遅延調整回路の構成の他の一例を示す回路図である。 図32は、論理振幅遅延調整回路の構成のさらに他の一例を示す回路図である。 図33Aは、ビデオカメラの一例を示す外観図である。 図33Bは、デジタルスチルカメラの一例を示す外観図である。 図34は、第4の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示すブロック図である。 図35は、従来の固体撮像装置における比較器の構成を示す回路図である。
以下、実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る固体撮像装置について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る固体撮像装置の全体構成を示すブロック図である。
図1に記載された固体撮像装置100は、単位画素102がアレイ状に配置された画素アレイ(撮像領域とも言う)103と、垂直走査回路104と、画素列毎に備えた垂直信号線105と、電流源回路106とを備える画素部140と、画素列毎に備えた列ADC(Analog to Digital Converter)108を有する列信号処理部109と、水平走査回路110と、参照信号生成部111と、タイミング制御部112と、出力回路113と、論理振幅遅延調整回路120とを有する。ここで、列ADC108は、比較器114と、カウンタ部115と、データ記憶部117とで構成されている。なお、データ記憶部117、水平走査回路110及び出力回路113は、データ処理部141を構成し、データ記憶部117が保持しているデジタル信号に対して、例えば、デジタルゲイン演算や各種補正処理等を行い、処理後のデジタル信号を固体撮像装置100の外部に出力する。
画素アレイ103は、アレイ状に配置された単位画素102を備え、垂直走査回路104から行ごとに出力される信号に従って、単位画素102での受光量に対応する信号である画素信号(Vsig)を、単位画素102の列ごとに設けられた垂直信号線105へ出力する。
ここで、単位画素102の詳細な構成について説明する。
図2Aは、本実施形態に係る固体撮像装置100の単位画素(単位セルとも言う)102の構成の一例を示す回路図である。
図2Aに示すように、単位画素102は、転送トランジスタ202、増幅トランジスタ203、リセットトランジスタ204、及び選択トランジスタ205といった画素トランジスタと、光電変換を行うフォトダイオード201と、フォトダイオード201で光電変換された信号電荷を信号電圧に変換するフローティングディフュージョン(FD)206が設けられている。なお、同図に示す電流源トランジスタ207は、電流源回路106を構成するトランジスタであって、増幅トランジスタ203と共にソースフォロア回路を構成する。
垂直走査回路104は、各画素トランジスタに対し、転送パルス信号(TRAN)、選択パルス信号(SEL)、リセットパルス信号(RST)等を供給する。つまり、垂直走査回路104は、各単位画素102で発生した電荷の蓄積時間の制御や、各単位画素102における画素信号を読み出すための信号を、画素アレイ103の行ごとに順次出力する。
列ADC108は、画素アレイ103から出力された画素信号(Vsig)をデジタル変換することで、画素信号(Vsig)に応じたデジタル値を生成して保持する。具体的には、列ADC108は、比較器114において、画素信号(Vsig)と参照信号生成部111から出力されるランプ信号(Vslope)とを比較し、この比較処理と並行してカウンタ部115においてカウント処理を行う。そして、ランプ信号(Vslope)が画素信号(Vsig)に達するまでの時間をカウントし、ランプ信号(Vslope)が画素信号(Vsig)に達した時点のカウント値をデータ記憶部117において保持する。
水平走査回路110は、タイミング制御部112の制御に従い、データ記憶部117に保持されたデジタル信号を列ごとに順次出力回路113を介して、固体撮像装置100の外部へ出力させる。
参照信号生成部111は、タイミング制御部112の制御に従い、列ADC108でのAD変換用のランプ信号(Vslope)を生成する。
タイミング制御部112は、本開示の制御部の一例であり、垂直走査回路104、水平走査回路110及び参照信号生成部111に対して、動作に必要なクロックや所定タイミングのパルス信号を供給する。また、タイミング制御部112は、列ADC108におけるデジタル変換を制御するための制御信号を生成し、論理振幅遅延調整回路120を介して列ADC108へ供給する。
論理振幅遅延調整回路120は、本開示の調整回路の一例であり、タイミング制御部112から列ADC108へ制御信号を供給するための信号経路に設けられ、制御信号を遅延させ、かつ、制御信号の振幅を小さくさせる。この制御信号は、具体的には、比較器114のオートゼロを実行するためのリセット信号である。
以上のように、本実施形態に係る固体撮像装置100は、行列状に配置された複数の単位画素102を有し、入射光量に応じた画素信号を生成する画素部140と、画素部140の列に対応して設けられ、対応する列の単位画素102から出力される画素信号をデジタル変換する列ADC108と、列ADC108の比較器114におけるオートゼロを実行するためのリセット信号を生成するタイミング制御部112と、タイミング制御部112から列ADC108へリセット信号を供給するための信号経路に設けられ、リセット信号を遅延させる論理振幅遅延調整回路120を備える。
次に、上記のように構成された本実施形態に係る固体撮像装置100の基本動作について説明する。
まず、リセットトランジスタ204にRST(Hレベル)が印加されると、フローティングディフュージョン206は電源電圧となり、増幅トランジスタ203と電流源トランジスタ207とを有するソースフォロア回路により画素リセット信号(Vrst)として垂直信号線105に転送される。次に、リセットトランジスタ204をオフし、TRAN(Hレベル)を転送トランジスタ202に印加すると、フォトダイオード201に蓄積された光信号電荷がフローティングディフュージョン206に転送され、フローティングディフュージョン206の電圧は電源電圧から光信号電荷量に応じて低下する。この電圧も、同様にソースフォロア回路により画素信号(Vsig)として垂直信号線105に転送される。垂直走査回路104は、SEL(Hレベル)を選択トランジスタ205に印加することにより、その行の単位画素102がアクティブとなり、画素リセット信号(Vrst)、および、画素信号(Vsig)が画素列毎の垂直信号線105に出力される。
次に、画素列毎に備えた列ADC108の動作について説明すると、垂直信号線105に出力された画素リセット信号(Vrst)が、比較器114の一方の入力端子に入力され、他方の入力端子には、参照信号生成部111で生成されたスロープ状に変化するランプ信号(Vslope)が入力される。
ランプ信号(Vslope)はある一定の傾きをもち線形に変化する信号であり、画素リセット信号(Vrst)は、比較器114にてランプ信号(Vslope)と比較される。比較期間中、カウンタ部115は、タイミング制御部112から供給されるクロックをカウントする。
画素リセット信号(Vrst)とランプ信号(Vslope)の大小関係が入れ替わった時、比較器114の出力が反転(例えばHレベルからLレベルに反転)し、カウンタ部115への入力クロックが停止することでカウンタ部115が停止し、画素リセット信号(Vrst)はデジタル値に変換される。
次に、フォトダイオード201の電荷が転送され、垂直信号線105から画素信号(Vsig)が出力されると、画素リセット信号(Vrst)と同様に、画素信号(Vsig)はランプ信号(Vslope)と比較されデジタル値に変換される。
ここでカウンタ部115は、画素リセット信号(Vrst)の比較時はダウンカウントの動作をし、画素信号(Vsig)の比較時はアップカウントの動作をする。これは、画素リセット信号(Vrst)と画素信号(Vsig)の差をとったことに等しく、両信号に共通に含まれるノイズ成分が除去されたデジタル値を得ることができる。この方法は、相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)と呼ばれている。相関二重サンプリング後のカウンタ部115のカウント値は目的のデジタル値となり、AD変換動作は完了する。
そして、画素列毎にAD変換されたデジタル値は、一旦データ記憶部117に保持され、水平走査回路110により順次水平方向に転送されて出力回路113から出力される。
このように、本実施形態に係る固体撮像装置100は、画素部140から取得した画素リセット信号(Vrst)と画素信号(Vsig)とをそれぞれ比較器114でランプ信号(Vslope)と比較判定し、相関二重サンプリングを実施することで高精度なAD変換を実現している。
なお、本実施形態に係る固体撮像装置100の単位画素(単位セル)は、図2Aの構成に変えて、図2Bの構成を用いることも出来る。図2Bは、画素部140に行列状に配置された単位画素502は、増幅トランジスタ521と、リセットトランジスタ522と、アドレストランジスタ523と、光電変換素子(光電変換膜)524と、これらを結線する配線とで構成され、入射光に応じた画素信号(Vsig)を生成する。増幅トランジスタ521のソースには、垂直方向に走る電源配線527が接続されている。リセットトランジスタ522のゲートには、水平方向に走るリセット信号線528が接続されている。アドレストランジスタ523のゲートには、水平方向に走るアドレス信号線529が接続され、ドレインには垂直方向に走る垂直信号線526が接続されている。
次に、本実施形態に係る固体撮像装置100の特徴となる、タイミング制御部112と比較器114との間に論理振幅遅延調整回路120を配置したことに関して、(i)比較器114に生じる課題、及び、(ii)論理振幅遅延調整回路120の詳細な構成及び効果について、詳細に説明する。
(i)比較器114に生じる課題
まず、理解を容易にするために、本実施形態に係る固体撮像装置における比較器114に生じる課題について説明する。
図3は、本実施形態に係る固体撮像装置の理解を容易とするための図であり、比較器114の構成の一例を示す回路図である。
同図は、比較器114において、画素リセット信号(Vrst)とランプ信号(Vslope)との比較をする前に、タイミング制御部112からのリセット信号を用いて、比較器114が最も感度の高い状態で動作するための基準電圧を設定する操作、いわゆるオートゼロがなされる説明を示したものである。
図3より、入力トランジスタ302及び303と、電流源306と、負荷トランジスタ300及び301と、容量307及び308と、リセットトランジスタ304及び305とにより構成された演算増幅器型の比較器114において、まず、論理振幅遅延調整回路120は、CMPRS端子にLレベルのリセット信号を供給し、リセットトランジスタ304及び305をオンさせる。このとき、入力トランジスタ302及び303のゲート端子とドレイン端子とが短絡され回路が平衡状態となり、基準電圧が発生する。
続いて、CMPRS端子にHレベルのリセット信号を供給するとリセットトランジスタ304及び305がオフし、入力トランジスタ302及び303のゲート端子はフローティングとなる。このときRAMP端子の電圧と入力トランジスタ302のゲート電圧との差は容量307に、ADIN端子の電圧と入力トランジスタ303のゲート電圧との差は容量308に保持される。その結果、RAMP端子に供給されるランプ信号(Vslope)とADIN端子に供給される画素リセット信号(Vrst)や画素信号(Vsig)との電圧の大小が比較できる状態となる。
以上が、比較器114におけるオートゼロの動作である。
しかしながら、オートゼロには、タイミング制御部112から、オートゼロを完了するためのリセット信号(図3の例では、CMPRS端子に入力されるLレベルからHレベルへ遷移する信号)を供給する際に、クロックフィードスルーやチャージインジェクションの影響により本来の基準電圧からのずれ、すなわち電圧オフセットが発生するという課題を備えている。
この課題の理解を容易とするため、図4を用いて説明する。
図4は、クロックフィードスルーについての説明図であり、リセットトランジスタ304及び負荷トランジスタ300と、リセットトランジスタ305及び負荷トランジスタ301とのそれぞれの等価回路を示す回路図である。
同図において、容量315は、リセットトランジスタ304、または、リセットトランジスタ305のゲート−ドレイン間容量とそれに並列につく寄生容量とを1つの容量で近似したものである。抵抗316は、リセットトランジスタ304のオン抵抗と負荷トランジスタ300の抵抗成分との和、または、リセットトランジスタ305のオン抵抗と負荷トランジスタ301の抵抗成分との和を1つの抵抗で近似したものである。
このCR回路に図5に示すような傾きVA/TRの立上りパルスを入力した場合の応答Vazは(式1)で与えられる。
Figure 0006222483
図6は、(式1)で得られた応答Vazの電圧波形を示すグラフであり、立上りパルスの傾きVA/TRに比例した電圧RC(VA/TR)があらわれる。実動作ではCMPRS端子の電圧の立上りの途中でリセットトランジスタ304及び305がオフする。これは図4における抵抗316の抵抗値が無限大になることに相当し、RC(VA/TR)の電圧オフセットが保持されることになる。つまり、リセットトランジスタ304及び305のドレイン端子には、本来の基準電圧からVazだけずれた電圧が保持される。
以上のようにオートゼロ時に発生した電圧オフセットは、本来のカウント値からのずれを発生させる。
さらに、実際の固体撮像装置100では、タイミング制御部112と画素部140の列ごとに設けられた比較器114との間に、配線の寄生抵抗及び浮遊容量等により生じる寄生素子が存在し、この寄生素子により列ごとに異なるリセット信号の遅延時間が発生する。
このリセット信号の遅延時間について、第1の実施形態の第1の比較例として、論理振幅遅延調整回路120を有さない固体撮像装置を例に挙げて説明する。
図7は、第1の比較例に係る固体撮像装置における、タイミング制御部112から各比較器114までの配線に生じる寄生素子を模式的に示す回路図である。なお、以降、k列目(1≦k≦N)に属する比較器114を比較器114−kと表記し、k列目に属する比較器114−kのADIN端子をADIN−kとして記載している場合がある。なお、比較器114−1〜114−kを特に区別せず、比較器114と記載している場合がある。
実際の固体撮像装置では、図7に示すように、タイミング制御部112と比較器114との間にはRC寄生素子139−1〜139−Nが分布定数的に存在する。これにより、リセット信号を生成するタイミング制御部112から距離が近い比較器114−1には急峻な(TRが小さな)パルスが供給されるが、距離が遠い比較器114−Nには鈍った(TRが大きな)パルスが供給される。このため、クロックフィードスルーによる電圧オフセット量が列ADC108毎に異なる。
従って、第1の比較例に係る固体撮像装置では、画素リセット信号(Vrst)の入力時において、列毎にダウンカウント値が異なることになり、そのカウント値のばらつきを十分に吸収できるようなダウンカウント数を設定しなければならなくなる。その結果、カウント値のばらつきがない場合に比べAD変換に要する時間が増大し、高フレームレート化の実現が難しいという課題がある。
このように、オートゼロ時におけるリセットトランジスタ304及び305のドレイン端子に保持される電圧オフセットは、タイミング制御部112から各比較器114−1〜114−Nまでの距離に応じて異なる。すなわち、画素リセット信号(Vrst)が入力された時の各列ADC108におけるダウンカウント値は、列ごとに異なる。その結果、ダウンカウント値のばらつきを吸収できるようなダウンカウント数を設定する必要があるので、AD変換に要する時間が増大し、その結果、高フレームレート化の実現が難しいという課題がある。
(ii)論理振幅遅延調整回路120の詳細な構成及び効果
このような課題を解決するために、本実施形態に係る固体撮像装置100における論理振幅遅延調整回路120は、比較器114のオートゼロを実行するためのリセット信号を供給するための、タイミング制御部112から比較器114への信号経路に設けられ、リセット信号を遅延させる、かつ、リセット信号の振幅を小さくさせる。
図8は、第1の実施形態における論理振幅遅延調整回路120の構成の一例を示す回路図である。
同図に示すように、論理振幅遅延調整回路120は、トランジスタ122、123、124、125を有するインバータ2段のCMOS論理回路部121と、抵抗128、129、130と、スイッチトランジスタ126、127とを有する。
図8の論理振幅遅延調整回路120において、タイミング制御部112からHレベル(電源電圧)が入力されると一段目のインバータはLレベル(グランドレベル)を出力し、二段目のインバータはHレベルを出力する。このとき、スイッチトランジスタ127はオンするので、論理振幅遅延調整回路120が出力するHレベルの電圧であるVHは電源電圧を抵抗128と抵抗130とで抵抗分圧した電圧となる。すなわち、電源電圧をVDD、抵抗128、抵抗129及び抵抗130の抵抗値をそれぞれR128、R129、R130とすると、Hレベルの電圧VHは、
Figure 0006222483
となる。このように、論理振幅遅延調整回路120は、グランドと抵抗128の他端との間に接続された抵抗130を備えることにより、リセット信号のHレベルの電圧を低くすることができる。
一方、Lレベル(グランドレベル)が入力されると一段目のインバータはHレベル(電源電圧)を出力し、二段目のインバータはLレベルを出力する。このとき、スイッチトランジスタ126はオンするので、論理振幅遅延調整回路120が出力するLレベルの電圧であるVLは電源電圧を抵抗129と抵抗128とで抵抗分圧した電圧となる。すなわち、Lレベルの電圧VLは、
Figure 0006222483
となる。このように、論理振幅遅延調整回路120は、電源と抵抗128の他端との間に接続された抵抗129を備えることにより、リセット信号のLレベルの電圧を高くすることができる。ただし、トランジスタ124及び125と、スイッチトランジスタ126及び127のオン抵抗はR128、R129、R130に比べ十分に低く無視できるものとしている。
例えば、電源電圧が3.3V(VDD=3.3V)の場合において、比較器114が図3に示すような演算増幅器型の場合は、VH=2.9V、VL=1.7V程度に設定することが適切である。このとき、R128=800Ω、R129=800Ω、R130=6400Ωとすることにより、(式2)及び(式3)からVH=2.93V、VL=1.65Vとなり、概ね目標の論理振幅を実現することができる。つまり、比較器114におけるオートゼロを実行するためのリセット信号のHレベル及びLレベル、すなわち比較器114のリセットトランジスタ304及び305に供給されるリセット信号のHレベル及びLレベルを、リセットトランジスタ304及び305を確実にオフ及びオンさせるための振幅とすることができる。
一方、リセット解除時(VH出力時)の論理振幅遅延調整回路120の出力抵抗は約710Ω(R128とR130の並列抵抗)となり、リセット信号の遅延時間も同時に与えることができる。
図9は、R128=800Ω、R129=800Ω、R130=6400Ωとした場合の論理振幅遅延調整回路120の入出力波形を示すグラフである。同図に示すように、論理振幅遅延調整回路120によりリセット信号の論理振幅が小さくなるとともに、遅延時間が発生していることがわかる。
上記効果の理解を容易とするため、図10、図11A及び図11Bを用いて、論理振幅遅延調整回路120を有さない上述の第1の比較例に係る固体撮像装置と比較して、本実施形態に係る固体撮像装置100の効果について説明する。図10は、本実施形態において、タイミング制御部112から論理振幅遅延調整回路120を介して各比較器114までの配線に生じる寄生素子を模式的に示す回路図であり、図11Aは、第1の比較例における比較器114の出力波形を示すグラフであり、図11Bは、本実施形態に係る固体撮像装置100における比較器114の出力波形を示すグラフである。
図10より、例えば2000列の比較器114−1〜114−2000を有する固体撮像装置100では、例えば、CDSの前半処理において、ADIN1からADIN2000には同じレベルの画素リセット信号(Vrst)が入力され、同じランプ信号(Vslope)で比較した場合、理想的にはCMPOUT1からCMPOUT2000までは同じタイミングで出力が反転するはずである。
しかしながら、上述した第1の比較例の固体撮像装置では、リセット信号配線上に分布定数的に形成されたRCローパスフィルタ(図10では10分割で近似し、それぞれの抵抗値は10Ω、容量値は4pF)により、左端の比較器114−1から右端の比較器114−2000にかけて徐々にリセット信号が鈍ってくる。そのため、各比較器114においてクロックフィードスルーやチャージインジェクションの影響の受け方に差異が発生し、その結果、比較器114−1〜114−2000の出力タイミングにばらつきが生じる。
図11A及び図11Bは、CMPOUT1(左端の比較器114−1の出力端子)の出力波形とCMPOUT2000(右端の比較器114−2000の出力端子)の出力波形とを示すグラフである。図11Aは、第1の比較例(論理振幅遅延調整回路120なし)における出力波形を示し、図11Bは、実施形態1の論理振幅遅延調整回路120を接続した場合における出力波形を示す。これらのグラフから、比較例では左端の比較器114−1の出力波形と右端の比較器114−2000の出力波形との間に20.9nsecのばらつきがあるのに対して、第1の実施形態の構成では1.6nsecと1/10以下に低減していることがわかる。
この比較器114の出力ばらつきの低減により、ダウンカウント数を小さく設定することが可能となり、AD変換に要する時間を短縮させることができる。すなわち、クロックフィードスルーによる電圧オフセット量を、全ての列ADC108においてほぼ同一とできる。したがって、電圧オフセット量が大きい比較例では必要であった、ダウンカウント値のばらつきを吸収するためのダウンカウント数が不要となる。したがって、本実施形態に係る固体撮像装置100が有する列ADC108では、ダウンカウント値を小さく設定することができ、AD変換に要する時間を短縮できる。その結果、高フレームレート化に対応した高性能な固体撮像装置を実現することができる。
また、本実施形態では、比較器114に対してリセット信号線を経由するデジタルノイズを抑制することもできる。
通常、比較器114は、デジタルノイズの影響を受けやすい回路ブロックであることから、電源分離される。具体的には、タイミング制御部112にはデジタル系の電源が、比較器114にはアナログ系の電源が供給される。電源分離がなされない場合においても、できるだけ共通インピーダンスを持たないように電源供給源から配線を分岐して供給される。これにより、タイミング制御部112が動作することにより発生するデジタルノイズが電源経由で比較器114に伝播することを抑制することができる。しかしながら、論理振幅遅延調整回路120を有さない第1の比較例の構成では、リセット信号線を介してデジタル電源、またはデジタルグランドと比較器114とが直結されるため、タイミング制御部112により発生するデジタルノイズが比較器114に影響を及ぼす。
これに対して、本実施形態に係る固体撮像装置100は、図12に示すように、デジタル電源またはデジタルグランドと比較器114との間に接続された抵抗128、129及び130でデジタルノイズを遮断する構成となっているため、デジタルノイズの影響を受けにくい高性能な固体撮像装置を実現することができる。図12は、本実施形態に係る固体撮像装置100におけるデジタルノイズ耐性の向上を説明するための図である。
ここで、本実施形態の第2の比較例として、図13及び図14のような回路構成を用いて、タイミング制御部112と比較器114との間に論理振幅遅延調整回路120の代わりにパルス生成部119a及び119bを設けることにより、タイミング制御部112で生成したリセット信号の論理振幅を下げる処理を行う場合を考える。図13は、第2の比較例の一例として、論理振幅遅延調整回路120の代わりにパルス生成部119aを有する固体撮像装置の構成の一部を示す回路図であり、図14は、第2の比較例の他の例として、論理振幅遅延調整回路120の代わりにパルス生成部119bを有する固体撮像装置の構成の一部を示す回路図である。
第2の比較例の一例における図13のパルス生成部119aは、ダイオード接続されたトランジスタ309及び310と、インバータ311と、電流源312とを有する。負荷トランジスタ300及びトランジスタ309と、リセットトランジスタ304及びトランジスタ310とは、同じ特性を有するトランジスタとし、電流源312は電流源306の半分の電流値となるように設定する。このとき、パルス生成部119aにより、リセットトランジスタ304及び305をオンさせるための必要最低限のLレベルを実現するリセット信号を、PVT(プロセス・電源電圧・温度)ばらつきを補償しながら生成する必要があるため、論理振幅VAを小さくすることには限界がある。
第2の比較例の他の例における図14のパルス生成部119bは、抵抗313及び314と、インバータ311とを有する。リセット信号としては、リセットトランジスタ304及び305を確実にオン、オフさせるための振幅が必要となるため、論理振幅VAを小さくすることには限界がある。従って、AD変換に要する時間を十分に短縮することが出来ない。
このように、論理振幅遅延調整回路120の代わりにパルス生成部119a又は119bを有する第2の比較例に係る固体撮像装置は、AD変換に要する時間を十分に短縮することができない。
これら第2の比較例と比較して、本実施形態に係る固体撮像装置100では、オートゼロ時に比較器114に供給するリセット信号をCMOS論理回路部121と抵抗128〜130とスイッチトランジスタ126及び127とを有する論理振幅遅延調整回路120において、タイミング制御部112で生成されたリセット信号の論理振幅と遅延時間とを調整することにより、高フレームレート化に対応し、かつ、デジタルノイズの影響を受けにくい高性能な固体撮像装置100を実現することができる。
さらに、本実施形態に係る固体撮像装置100では、比較器114の比較動作時、すなわち、リセットトランジスタ304及び305がオフした状態における比較114へのデジタルノイズのリークを抑制できる。具体的には、タイミング制御部112やパルス生成部119a及び119b等から発生する電源デジタルノイズが、CMOSインバータのPMOSトランジスタやリセットトランジスタ304及び305のゲート−ソース間容量Cgsやゲート−ドレイン間容量Cgdを介して、比較器114の入力端子や出力端子にリークするのを抑制出来る。
さらに、本実施形態に係る固体撮像装置100におけるCMOS論理回路部121は、トランジスタサイズや電流値では第2の比較例におけるパルス生成部119a及び119bと同等の実用的な駆動能力を得つつ、回路面積の縮小と消費電力の低減を実現することが出来る。
以上のように、本実施形態に係る固体撮像装置100は、行列状に配置された複数の単位画素102を有し、入射光量に応じた画素信号(Vsig)を生成する画素部140と、画素部140の列に対応して設けられ、対応する列の単位画素102から出力される画素信号(Vsig)をデジタル変換する列ADC108と、列ADC108におけるデジタル変換を制御するためのリセット信号を生成するタイミング制御部112と、タイミング制御部112から列ADC108へリセット信号を供給するための信号経路に設けられ、リセット信号の振幅を小さくさせる、かつ、リセット信号を遅延させる論理振幅遅延調整回路120を備える。
これにより、固体撮像装置100は、リセット信号による各列ADC108における制御をほぼ同時に行うことができる。つまり、各列ADC108においてAD変換をほぼ同時に行うことができる。これにより、列毎に異なるタイミングで列ADC108が動作する場合と比較して、AD変換に要する時間を短縮でき、高フレーム化に対応できる。
また、固体撮像装置100は、さらに、スロープ状に電圧値が変化するランプ信号(Vslope)を生成する参照信号生成部111を備え、列ADC108は、画素信号(Vsig)とランプ信号(Vslope)とを比較する比較器114と、画素信号(Vsig)とランプ信号(Vslope)との大小関係が入れ替わり比較器114の出力が反転するまでの時間をカウントするカウンタ部115とを備え、リセット信号は、比較器114のオートゼロを実行するための信号である。
これにより、各比較器114のオートゼロ時に発生する電圧オフセットを高効率で抑制することが可能となるため、比較器114の出力ばらつきを大幅に抑制することができる。その結果、ダウンカウント数の設定を小さくすることが可能となり、AD変換時間を大幅に短縮することができる。言い換えると、各列の比較器114で生じる電圧オフセットを同等に設定できるので、電圧オフセットを吸収するための処理が不要となる。具体的には、電圧オフセットのばらつきが同等となることによって、列毎にダウンカウント値が異なる場合にカウント値のばらつきを吸収するために必要であったダウンカウント数が不要となる。その結果、AD変換に要する時間を低減でき、高フレームレート化に対応できる。
さらに、本実施形態にかかる固体撮像装置100における論理振幅遅延調整回路120は、タイミング制御部112で生成されたリセット信号の電圧に応じてHレベル又はLレベルを出力するCMOS論理回路部121と、一端がCMOS論理回路部121の出力端に接続され、他端が列ADC108に電気的に接続された抵抗128とを備える。
これにより、固体撮像装置100の回路面積と消費電力とをあまり増やすことなく、デジタルノイズ耐性の向上を同時に実現することができる。つまり、デジタルノイズの列ADC108への影響を低減し、精度よくAD変換することができる。
また、論理振幅遅延調整回路120は、抵抗129と、抵抗129と直列に接続されたスイッチトランジスタ126と、抵抗130と、抵抗130と直列に接続されたスイッチトランジスタ127とを備え、抵抗129及びスイッチトランジスタ126は、電源と抵抗128の他端との間に接続され、抵抗130及びスイッチトランジスタ127は、グランドと抵抗128の他端との間に接続され、スイッチトランジスタ126はCMOS論理回路部121がLレベルを出力する場合は導通、Hレベルを出力する場合は非導通となるように制御され、スイッチトランジスタ127はCMOS論理回路部121がHレベルを出力する場合は導通、Lレベルを出力する場合は非導通となるように制御される。これにより、リセット信号のHレベルの電圧を低くし、かつ、Lレベルの電圧を高くすることができる。つまり、Hレベルの電圧及びLレベルの電圧の一方の電圧のみを制御する場合と比較して、リセット信号の振幅を小さくできる。つまり、AD変換に要する時間を短縮できる。
なお、本実施形態では、リセット信号のHレベル及びLレベルの両方を制御して論理振幅を制御するために、論理振幅遅延調整回路120を、図8のようなCMOS論理回路部121の出力部に3つの抵抗128〜130と2つのスイッチトランジスタ126及び27とが接続された構成としたが、論理振幅遅延調整回路の構成はこれに限らない。具体的には、リセット信号のHレベル及びLレベルの一方を制御して論理振幅を制御する構成であってもよい。Hレベル及びLレベルの一方のみを制御する場合は、スイッチトランジスタ126及び127は不要となり図15A及び図15Bに示すような構成としてもよい。これにより、図15Aに示す論理振幅遅延調整回路120Aはリセット信号のHレベルの電圧のみを制御し、図15Bに示す論理振幅遅延調整回路120Bはリセット信号のLレベルの電圧のみを制御する。
また、本実施形態では、CMOS論理回路部121をCMOSインバータ2段の構成としたが、本開示はこれに限らず、任意の論理回路であってもよい。
また、本実施形態では、抵抗128、抵抗129、抵抗130を固定の抵抗としたが、少なくとも一つ以上を可変抵抗で構成し、論理振幅と遅延時間を制御できる構成にしてもよい。
つまり、抵抗128を可変抵抗で構成してもよい。これにより、例えば抵抗128の抵抗値を大きくした場合に遅延時間を長く、抵抗値を小さくした場合に遅延時間を短くするといったように、遅延時間を調整することができる。また、抵抗129を可変抵抗で構成してもよい。これにより、リセット信号のHレベルの電圧を可能な限り下げることができ、その結果、AD変換に要する時間をさらに短縮でき、さらなる高フレーム化に対応できる。例えば、列ADC108の動作を確認しながらリセット信号のHレベルの電圧を下げることにより、列ADC108の動作を損なうことなく、リセット信号のHレベルの電圧を下げられる。また、抵抗130を可変抵抗で構成してもよい。これにより、列ADC108の動作を損なうことなく、リセット信号のLレベルの電圧を可能な限り上げることができ、その結果、AD変換に要する時間をさらに短縮でき、さらなる高フレーム化に対応できる。例えば、列ADC108の動作を確認しながらリセット信号のLレベルの電圧を上げることにより、列ADC108の動作を損なうことなく、リセット信号のLレベルの電圧を上げられる。なお、本実施形態における抵抗128、129及び130はそれぞれ、本開示に係る固体撮像装置の第一の抵抗、第二の抵抗及び第三の抵抗の一例である。
また、本実施形態では、論理振幅遅延調整回路120で論理振幅及び遅延時間が調整された信号を、シングルスロープ型AD変換方式を用いた固体撮像装置100における比較器114のリセット信号に用いる構成としたが、本開示はこれに限らず、例えば図16に示すようなΔΣAD変換器142を用いた固体撮像装置におけるサンプル・ホールド回路118A(例えば図17)の制御クロック信号φやスイッチトキャパシタを用いた積分器118B(例えば図18)の制御クロック信号φ1及びφ2に用いてもよい。
図17はサンプル・ホールド回路の一例を示す回路図であり、当該サンプル・ホールド回路118Aは、論理振幅遅延調整回路120から出力された制御クロック信号φに応じてオン及びオフするスイッチ143により入力電圧Vinをキャパシタ144に保持する。また、図18はスイッチトキャパシタ回路を有する積分器118Bの構成の一例を示す回路図であり、当該積分器118Bは、インバータ151と、インバータ151の入力に設けられたスイッチ145及び147とキャパシタ149とを有する第1のスイッチトキャパシタ回路と、インバータ151のフィードバックループに設けられたスイッチ146及び148とキャパシタ150とを有する第2のスイッチトキャパシタ回路とを有する。スイッチ145及び146は、論理振幅遅延調整回路120から出力された2相の制御クロック信号φ1及びφ2のうち制御クロック信号φ1に応じてオン及びオフし、スイッチ147及び148は、2相の制御クロック信号φ1及びφ2のうち制御クロック信号φ2に応じてオン及びオフする。
このように、論理振幅遅延調整回路120で論理振幅及び遅延時間が調整された信号をΔΣAD変換器142の制御クロックとして用いることにより、高フレームレート化した場合であっても、各列のΔΣAD変換器142をほぼ同時に制御できるので、列毎に制御クロックのタイミングがずれることがなくなり、誤動作を低減できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る固体撮像装置は、第1の実施形態に係る固体撮像装置100と比較してほぼ同じであるが、論理振幅遅延調整回路の構成が異なる。以下、図面を参照しながら、第2の実施形態に係る固体撮像装置の構成及び動作について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図19は、第2の実施形態に係る固体撮像装置における論理振幅遅延調整回路の構成の一例を示す回路図である。
同図に示す論理振幅遅延調整回路220は、トランジスタ122、123、124、125を有するインバータ2段のCMOS論理回路部121と、論理振幅遅延調整回路220と比較器114とを接続するリセット信号配線の寄生抵抗値の2倍以上を有する抵抗228とを有する。言い換えると、同図に示す論理振幅遅延調整回路220は、第1の実施形態における論理振幅遅延調整回路120と比較して、抵抗128〜130及びスイッチトランジスタ126、127に代わり、抵抗228を備える点が異なる。つまり、論理振幅遅延調整回路220は、タイミング制御部112で生成されたリセット信号の電圧に応じてHレベル又はLレベルを出力するCMOS論理回路部121と、一端がCMOS論理回路部121の出力端に接続され、他端が列ADC108に電気的に接続された抵抗228とを備え、抵抗228の抵抗値は、論理振幅遅延調整回路220と当該論理振幅遅延調整回路220から最も距離が遠い列ADC108とを接続する配線の配線抵抗値の2倍以上である。なお、抵抗228は、本開示の第一の抵抗の他の一例である。
以下、抵抗228の抵抗値R228が寄生抵抗の2倍以上であればよい理由について説明する。
図20は、図10のモデルをさらに簡易化したものであり、タイミング制御部112から各比較器114までの配線に生じる寄生素子を模式的に示す回路図である。信号源331と抵抗328とはタイミング制御部112と論理振幅遅延調整回路220とを等価回路で置き換えたものであり、抵抗333と容量334とは2000列分の比較器114のリセット信号配線を近似したものである。また、容量332は、論理振幅遅延調整回路220と左端の比較器114−1とを接続するリセット信号配線の寄生容量である。
図20において、信号源331から、図21に示すようなt=0で0Vから1Vに遷移するステップ信号が入力された場合における、左端比較器114−1のリセット端子の電圧Vleftと右端比較器114−2000のリセット端子の電圧Vrightの過渡応答を求めると、Vright及びVleftは(式4)及び(式5)のようになる。
Figure 0006222483
Figure 0006222483
であり、γ1、γ2は常に負の値となる。
ここで、抵抗328、抵抗333の抵抗値をそれぞれR328、R333とおき、容量332、容量334の容量値をそれぞれC332、C334とおいた。
例えば、C332=100fF、R333=100Ω、C334=40pFとした場合、R328=50Ωの場合のVleft及びVrightの波形は図22Aのようになり、R328=500Ωの場合のVleft及びVrightの波形は図22Bのようになる。これらの図から、R328=50Ωの場合はVrightの波形とVleftの波形との間に大きな差異があるが、R328=500Ωの場合はほぼ同じ波形となっていることが確認できる。
図23は、Vleft及びVrightの立上り時間のR328依存特性を示すグラフである。ただし、ここでの立上り時間とはリセット信号が0.9Vまで達する時間と定義している。R328が小さい場合は、Vleft及びVrightともに立上り時間は小さいが、VleftとVrightの比は大きい。これに対し、R328が大きい場合は、Vleft及びVrightともに立上り時間が長くなり、VleftとVrightの比も1に近づいていく。
図24は、VleftとVrightの立上り時間比のR328依存特性を示すグラフである。同図に示すように、R328が200Ωで立上り時間比0.8に達しほぼ飽和する。従って、R328はリセット信号配線の寄生抵抗R333(=100Ω)の2倍以上に設定すればよいことになる。なお、ここでは詳細な説明を省略するが、R333の値が変わっても、C332<<C334の条件を満たしていれば、R328>2×R333でVleftとVrightの立上り時間比が0.8に達しほぼ飽和するという一般性は失われない。
一方、図23からわかるように、R328を大きくしすぎるとリセット信号の立上り時間が不必要に大きくなるため、AD変換時間に影響を及ぼす可能性がある。従って、高フレームレート化が求められる場合は、R328をR333の2倍程度で設計することが望ましい。
これらの効果を示すために、図10のような2000列の比較器114を有する固体撮像装置について説明する。例えば、CDSの前半処理において、ADIN1からADIN2000には同じレベルの画素リセット信号(Vrst)が入力され、同じランプ信号で比較した場合、理想的にはCMPOUT1からCMPOUT2000までの全ての端子の電圧は、同じタイミングで出力が反転するはずである。しかしながら、リセット信号配線上に分布定数的に形成されたRCローパスフィルタ(図10では10分割で近似し、それぞれの抵抗値は10Ω、容量値は4pF)により左端の比較器114−1から右端の比較器114−2000にかけて徐々にリセット信号が鈍ってくる。そのため、各比較器114においてクロックフィードスルーやチャージインジェクションの影響の受け方に差異が発生し、その結果、比較器114の出力タイミングにばらつきが生じる。
この比較器114の出力タイミングのばらつきについて、第2の実施形態の比較例として、論理振幅遅延調整回路220を有さない固体撮像装置を例に挙げて説明する。
図25A及び図25BはR228=200Ωとした場合における、CMPOUT1(左端比較器出力端子)の電圧とCMPOUT2000(右端比較器出力端子)の電圧との波形を示すグラフである。具体的には、図25Aは、論理振幅遅延調整回路220を有さない固体撮像装置である比較例における比較器114の出力波形を示すグラフであり、図25Bは、論理振幅遅延調整回路220を有する本実施形態に係る固体撮像装置における比較器114の出力波形を示すグラフである。より具体的には、図25A及び図25Bは、比較例と本実施形態に係る固体撮像装置それぞれの、CMPOUT1(左端の比較器114−1の出力端子)の出力波形と、CMPOUT2000(右端の比較器114−2000の出力端子)の出力波形とを示すグラフである。
これらの図から、比較例では20.9nsecのばらつきがあるのに対して、実施形態2の構成では1.1nsecと1/10以下に低減していることがわかる。
この比較器114の出力ばらつきの低減により、ダウンカウント数を小さく設定することが可能となり、AD変換に要する時間を短縮させることができる。すなわち、第1の実施形態と同様に、クロックフィードスルーによる電圧オフセット量を、全ての列ADC108においてほぼ同一とできる。その結果、高フレームレート化に対応した高性能な固体撮像装置を実現することができる。
また、本実施形態は、第1の実施形態と同様に、比較器114に対してリセット信号線を経由するデジタルノイズを抑制する効果も有する。
第1の実施形態で述べたように、通常、比較器114は、デジタルノイズの影響を受けやすい回路ブロックであることから、電源分離される。具体的には、タイミング制御部112にはデジタル系の電源が、比較器114にはアナログ系の電源が供給される。電源分離がなされない場合においても、できるだけ共通インピーダンスを持たないように電源供給源から配線を分岐して供給される。これにより、タイミング制御部112が動作することにより発生するデジタルノイズが電源経由で比較器114に伝播することを抑制することができる。しかしながら、論理振幅遅延調整回路220を有さない比較例の構成では、リセット信号線を介してデジタル電源、またはデジタルグランドと比較器114とが直結されるため、タイミング制御部112により発生するデジタルノイズが比較器114に影響を及ぼす。
これに対して、本実施形態に係る固体撮像装置は、図26に示すように、デジタル電源またはデジタルグランドと比較器114との間に接続された抵抗228でデジタルノイズを遮断する構成となっているため、デジタルノイズの影響を受けにくい高性能な固体撮像装置を実現することができる。
以上、本実施形態による固体撮像装置によれば、オートゼロ時に比較器114に供給するリセット信号をCMOS論理回路部121と抵抗とを有する論理振幅遅延調整回路220によって遅延時間を調整することにより、高フレームレート化に対応し、かつ、デジタルノイズの影響を受けにくい高性能な固体撮像装置を実現することができる。つまり、論理振幅遅延調整回路220から最も距離が近い列ADC108におけるリセット信号の立上り及び立下りに要する時間と、論理振幅遅延調整回路220から最も距離が遠い列ADC108におけるリセット信号の立上り及び立下りに要する時間とを、確実に同等とすることができる。
なお、本実施形態では、CMOS論理回路部121をCMOSインバータ2段の構成としたが、本開示はこれに限らず、任意の論理回路であってもよい。
また、本実施形態では、抵抗228を固定の抵抗としたが、可変抵抗で構成し、遅延時間を制御できる構成にしてもよい。
また、本実施形態では、論理振幅遅延調整回路220で遅延時間が調整された信号をシングルスロープ型AD変換方式を用いた固体撮像装置における比較器114のリセット信号に用いる構成としたが、本開示はこれに限らず、例えば図16に示すようなΔΣAD変換器142を用いた固体撮像装置におけるサンプル・ホールド回路118A(例えば図17)の制御クロック信号やスイッチトキャパシタを用いた積分器118B(例えば図18)の制御クロック信号に用いてもよい。
また、本実施形態における論理振幅遅延調整回路220が、さらに、第1の実施形態における論理振幅遅延調整回路120が有するスイッチトランジスタ126及び127と抵抗129及び139とを有する構成であってもよい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る固体撮像装置は、第1の実施形態に係る固体撮像装置100と比較して、ほぼ同じであるが、論理振幅遅延調整回路の構成が異なる。以下、図面を参照しながら、第3の実施形態に係る固体撮像装置の構成及び動作について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図27は、第3の実施形態に係る固体撮像装置における論理振幅遅延調整回路の構成の一例を示す回路図である。
同図に示す論理振幅遅延調整回路320は、トランジスタ122、123を有するインバータのCMOS論理回路部321と、CMOS論理回路部321の電源端子に接続されたダイオード接続のPMOSトランジスタ335と、グランド端子に接続されたダイオード接続のNMOSトランジスタ336、337、338とを有する。言い換えると、同図に示す論理振幅遅延調整回路320は、第1の実施形態における論理振幅遅延調整回路120と比較して、CMOS論理回路部121に代わりCMOS論理回路部321を備え、抵抗128、129、130とトランジスタ126、127に代わり、CMOS論理回路部321の電源端子に接続されたPMOSトランジスタ335と、CMOS論理回路部321のグランド端子に接続されたNMOSトランジスタ336、337、338とを備える点が異なる。
つまり、論理振幅遅延調整回路320は、電源端子、及び、グランド端子を有し、タイミング制御部112で生成されたリセット信号が入力され、当該リセット信号の電圧に応じてHレベル又はLレベルを出力するCMOS論理回路部321と、CMOS論理回路321の電源端子と電源との間に挿入された1段のPMOSトランジスタ335と、CMOS論理回路321のグランド端子とグランドとの間に挿入され、互いに直列接続された3段のNMOSトランジスタ336〜338とを備え、1段のPMOSトランジスタ335及び3段のNMOSトランジスタ336〜338の各々はダイオード接続されている。なお、CMOS論理回路部321の電源端子は本開示の第1電源端子の一例であり、CMOS論理回路部321のグランド端子は本開示の第2電源端子の一例である。
次に、このように構成された論理振幅遅延調整回路320の動作について説明する。
図27の論理振幅遅延調整回路320において、Hレベル(電源電圧)が入力されるとトランジスタ123がオンし、Lレベルが出力されるが、NMOSトランジスタ336、337、338のしきい値電圧をVthnとすると、論理振幅遅延調整回路320から出力されるLレベルの電圧VL3は(式6)で与えられる。
Figure 0006222483
一方、タイミング制御部112からLレベル(0V)が入力されるとトランジスタ122がオンし、Hレベルが出力されるが、その電圧VH1は電源電圧をVDD、PMOSトランジスタ335のしきい値電圧をVthpとすると、論理振幅遅延調整回路320から出力されるHレベルの電圧VH1は(式7)で与えられる。
Figure 0006222483
例えば、電源電圧が3.3V(VDD=3.3V)、Vthn=Vthp=0.5Vにおいては、VL3=1.5V、VH1=2.8Vとなり、比較器114が図3に示すような演算増幅器型の場合は、リセット信号として適切な論理振幅レベルに設定することができる。
一方、リセット解除時(VL3からVH1に遷移時)は、ダイオード特性を有するPMOSトランジスタ335により電流が供給され緩やかに遷移する。
このように、論理振幅遅延調整回路320は、リセット時、すなわちタイミング制御部112から論理振幅遅延調整回路320へHレベルが入力されている時、比較器114へ出力する電圧を、比較器114のリセットトランジスタ304及び305が確実にオンする電圧にすることができる。また、リセット解除時、すなわちタイミング制御部112から論理振幅遅延調整回路320へLレベルが入力されている時、比較器114へ出力する電圧を、比較器114のリセットトランジスタ304及び305が確実にオフする電圧にすることができる。さらに、リセットが解除されるタイミング、すなわちタイミング制御部112から論理振幅遅延調整回路320へ入力される電圧がHレベルからLレベルに切り替わるタイミングでは、比較器114へ出力する電圧を緩やかに変化させる。言い換えると遅延時間を与えて変化させる。
図28は、図27における論理振幅遅延調整回路320の入出力波形を示すグラフである。同図に示すように、論理振幅遅延調整回路320によりリセット信号の論理振幅が小さくなるとともに、遅延時間がついていることがわかる。
これらの効果を示すために、図10のような2000列の比較器114を有する固体撮像装置について説明する。例えば、CDSの前半処理において、ADIN1からADIN2000には同じレベルの画素リセット信号(Vrst)が入力され、同じランプ信号(Vslope)で比較した場合、理想的にはCMPOUT1からCMPOUT2000までは同じタイミングで出力が反転するはずである。
しかしながら、上述した比較例の固体撮像装置、すなわち論理振幅遅延調整回路320を有さない固体撮像装置では、リセット信号配線上に分布定数的に形成されたRCローパスフィルタ(図10では10分割で近似し、それぞれの抵抗値は10Ω、容量値は4pF)により左端の比較器114−1から右端の比較器114−2000にかけて徐々にリセット信号が鈍ってくる。そのため、各比較器114においてクロックフィードスルーやチャージインジェクションの影響の受け方に差異が発生し、その結果、比較器114−1〜114−2000の出力タイミングにばらつきが生じる。
この比較器114の出力タイミングのばらつきについて、第3の実施形態の比較例として、論理振幅遅延調整回路320を有さない固体撮像装置を例に挙げて説明する。
図29A及び図29Bは、CMPOUT1(左端の比較器114−1の出力端子)とCMPOUT2000(右端の比較器114−2000の出力端子)の出力波形とを示すグラフである。図29Aは、比較例(論理振幅遅延調整回路320なし)における出力波形を示し、図29Bは、実施形態3の論理振幅遅延調整回路320を接続した場合における出力波形を示す。これらのグラフから、比較例では左端の比較器114−1の出力波形と右端の比較器114−2000の出力波形との間に20.9nsecのばらつきがあるのに対して、実施形態3の構成では1.0nsecと1/10以下に低減していることがわかる。
この比較器114の出力ばらつきの低減により、ダウンカウント数を小さく設定することが可能となり、AD変換に要する時間を短縮させることができる。その結果、高フレームレート化に対応した高性能な固体撮像装置を実現することができる。
また、本実施形態は、実施形態1と同様に、比較器114に対してリセット信号線を経由するデジタルノイズを抑制する効果も有する。
通常、比較器114は、デジタルノイズの影響を受けやすい回路ブロックであることから、電源分離される。具体的には、タイミング制御部112にはデジタル系の電源が、比較器114にはアナログ系の電源が供給される。電源分離がなされない場合においても、できるだけ共通インピーダンスを持たないように電源供給源から配線を分岐して供給される。これにより、タイミング制御部112が動作することにより発生するデジタルノイズが電源経由で比較器114に伝播することを抑制することができる。しかしながら、論理振幅遅延調整回路320を有さない比較例の構成では、リセット信号線を介してデジタル電源、またはデジタルグランドと比較器114とが直結されるため、タイミング制御部112により発生するデジタルノイズが比較器114に影響を及ぼす。
これに対して、本実施形態に係る固体撮像装置は、図30に示すように、デジタル電源、または、デジタルグランドと比較器114との間に接続されたダイオード接続のPMOSトランジスタ335とNMOSトランジスタ336、337、338とでデジタルノイズを遮断する構成となっているため、デジタルノイズの影響を受けにくい高性能な固体撮像装置を実現することができる。
以上、本実施形態による固体撮像装置によれば、オートゼロ時に比較器114に供給するリセット信号を、CMOS論理回路部321とダイオード接続のPMOSトランジスタ335とダイオード接続のNMOSトランジスタ336、337、338とを有する論理振幅遅延調整回路320により、論理振幅と遅延時間とを調整することにより、高フレームレート化に対応し、かつ、デジタルノイズの影響を受けにくい高性能な固体撮像装置を実現することができる。
言い換えると、本実施形態に係る固体撮像装置における論理振幅遅延調整回路320は、電源端子、及び、グランド端子を有し、タイミング制御部112で生成されたリセット信号が入力され、当該リセット信号の電圧に応じてHレベル又はLレベルを出力するCMOS論理回路部321と、電源端子と電源との間に挿入された1段のPMOSトランジスタ335と、グランド端子とグランドとの間に挿入され、互いに直列接続された3段のNMOSトランジスタ336〜338とを備え、1段のPMOSトランジスタ335及び3段のNMOSトランジスタ336〜338の各々はダイオード接続されている。
これにより、本実施形態に係る固体撮像装置は、第1の実施形態に係る固体撮像装置100と同様に、リセット信号のHレベル及びLレベルのいずれも調整することができる。また、PMOSトランジスタ335により電源から回り込むデジタルノイズの列ADC108への影響を低減し、NMOSトランジスタ336〜338によりグランドから回り込むデジタルノイズの列ADC108への影響を低減し、精度よくAD変換できる。
なお、本実施形態では、リセット信号のHレベル及びLレベルの両方を制御して論理振幅を制御するために、論理振幅遅延調整回路320を図27のようなCMOS論理回路部321の電源端子に1つのダイオード接続のPMOSトランジスタ335を接続し、グランド端子に3つのダイオード接続のNMOSトランジスタ336〜338を接続する構成としたが、Hレベル、または、Lレベルの片側のみを制御する場合は、電源端子、または、グランド端子のみにダイオード接続のトランジスタを接続する構成としてもよい。
また、電源とCMOS論理回路部321の電源端子との間に接続される、各々がダイオード接続されたPMOSトランジスタの数は1個に限らず、図31に示すようにM個(Mは1以上の整数)であってもよい。また、グランドとCMOS論理回路部321のグランド端子との間に接続される、各々がダイオード接続されたNMOSトランジスタの段数は3段に限らず、図32に示すようにN段(Nは1以上の整数)であってもよい。
また、本実施形態では、CMOS論理回路部321をCMOSインバータの構成としたが、本開示はこれに限らず、任意の論理回路であってもよい。
また、本実施形態では、論理振幅遅延調整回路320で論理振幅及び遅延時間が調整された信号を、シングルスロープ型AD変換方式を用いた固体撮像装置における比較器のリセット信号に用いる構成としたが、本開示はこれに限らず、例えば図16に示すようなΔΣAD変換器142を用いた固体撮像装置におけるサンプル・ホールド回路(例えば図17)の制御クロック信号やスイッチトキャパシタを用いた積分器118B(例えば図18)の制御クロック信号に用いてもよい。
(第4の実施形態)
上記した第1〜第3の実施形態に係る固体撮像装置は、図33Aに示すビデオカメラや図33Bに示すデジタルスチルカメラ、さらには携帯電話等のモバイル機器向けカメラモジュール等の撮像装置において、その撮像デバイス(画像入力装置)として用いて好適なものである。
図34は、本開示に係る撮像装置(カメラ)の構成の一例を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態に係る撮像装置400は、レンズ461を含む光学系、撮像デバイス462、カメラ信号処理回路463およびシステムコントローラ464等によって構成されている。レンズ461は、被写体からの像光を撮像デバイス462の撮像面に結像する。撮像デバイス462は、レンズ461によって撮像面に結像された像光を画素単位で電気信号に変換して得られる画像信号を出力する。この撮像デバイス462として、第1〜第3の実施形態に係る固体撮像装置が用いられる。
カメラ信号処理回路463は、撮像デバイス462から出力される画像信号に対して種々の信号処理を行う。システムコントローラ464は、撮像デバイス462やカメラ信号処理回路463に対する制御を行う。
このように、撮像装置400は、AD変換に要する時間を短縮し、高フレームレート化に対応可能な撮像デバイス462を備える。
以上、一つまたは複数の態様に係る実施形態に係る固体撮像装置及びそれを用いた撮像装置について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施形態に施したものや、異なる実施形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
例えば、上記実施形態では、論理振幅遅延調整回路は、制御信号を遅延させ、かつ、制御信号の振幅を小さくさせる、としたが、論理振幅遅延調整回路は、制御信号の振幅を小さくすることなく、制御信号を遅延させてもよい。また、制御信号を遅延させることなく、制御信号の振幅を小さくしてもよい。このような論理振幅遅延調整回路を備える固体撮像装置も、上記実施形態に係る固体撮像装置と同様の効果を奏する。すなわち、制御信号による各AD変換部における制御をほぼ同時に行うことができる。つまり、各AD変換部においてAD変換がほぼ同時に行われる。これにより、列毎に異なるタイミングでAD変換部が動作する場合と比較して、AD変換に要する時間を短縮でき、高フレーム化に対応できる。
また、上記実施形態に係る固体撮像装置に含まれる各処理部は典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
また、上記各実施形態に係る、固体撮像装置の機能又は構成のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。
また、上記で用いた数字は、全て本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。さらに、ハイ/ローにより表される論理レベル又はオン/オフにより表されるスイッチング状態は、本発明を具体的に説明するために例示するものであり、例示された論理レベル又はスイッチング状態の異なる組み合わせにより、同等な結果を得ることも可能である。また、トランジスタ等のn型及びp型等は、本発明を具体的に説明するために例示するものであり、これらを反転させることで、同等の結果を得ることも可能である。また、構成要素間の接続関係は、本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
また、上記説明では、MOSトランジスタを用いた例を示したが、他の種類のトランジスタを用いてもよい。
また、上記回路図に示す回路構成は、一例であり、本発明は上記回路構成に限定されない。つまり、上記回路構成と同様に、本発明の特徴的な機能を実現できる回路も本発明に含まれる。例えば、上記回路構成と同様の機能を実現できる範囲で、ある素子に対して、直列又は並列に、トランジスタ、抵抗素子、又は容量素子等の素子を接続したものも本発明に含まれる。言い換えると、上記実施形態における「接続される」とは、2つの端子(ノード)が直接接続される場合に限定されるものではなく、同様の機能が実現できる範囲において、当該2つの端子(ノード)が、素子を介して接続される場合も含む。
更に、本発明の主旨を逸脱しない限り、本実施形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
本発明にかかる固体撮像装置は、回路面積や消費電力をほとんど増やすことなく、AD変換時間の短縮が容易に実現できるため、高フレームレート化が求められる高性能なデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、車載カメラ、監視カメラ、医療用カメラ等に有用である。
100 固体撮像装置
102、502 単位画素
103 画素アレイ
104 垂直走査回路
105、526 垂直信号線
106 電流源回路
108 列ADC
109 列信号処理部
110 水平走査回路
111 参照信号生成部
112 タイミング制御部(制御部)
113 出力回路
114、114−1〜114−N、900 比較器
115 カウンタ部
117 データ記憶部
118A サンプル・ホールド回路
118B 積分器
119a、119b パルス生成部
120、120A、120B、220、320 論理振幅遅延調整回路(調整回路)
121、321 CMOS論理回路部
122、123、124、309、310 トランジスタ
126、127 スイッチトランジスタ
128、228 抵抗(第一の抵抗)
129 抵抗(第二の抵抗)
130 抵抗(第三の抵抗)
139、139−1〜139−N RC寄生素子
140 画素部
141 データ処理部
142 ΔΣAD変換器
143、145、146、147 スイッチ
144、149、150、C911 キャパシタ
151、311 インバータ
201 フォトダイオード
202 転送トランジスタ
203、521 増幅トランジスタ
204、304、305、522 リセットトランジスタ
205 選択トランジスタ
206 フローティングディフュージョン
207 電流源トランジスタ
300、301 負荷トランジスタ
302、303 入力トランジスタ
306、312 電流源
307、308、315、332、334 容量
313、316、328、333 抵抗
331 信号源
335 PMOSトランジスタ
336、337、338 NMOSトランジスタ
400 撮像装置
461 レンズ
462 撮像デバイス
463 カメラ信号処理回路
464 システムコントローラ
523 アドレストランジスタ
527 電源配線
528 リセット信号線
529 アドレス信号線
PT913、PT914 スイッチングトランジスタ

Claims (16)

  1. 行列状に配置された複数の単位画素を有し、入射光量に応じた画素信号を生成する画素部と、
    前記画素部の列に対応して設けられ、対応する列の単位画素から出力される画素信号をデジタル変換するAD変換部と、
    前記AD変換部におけるデジタル変換を制御するための制御信号を生成する制御部と、
    前記制御部から前記AD変換部へ前記制御信号を供給するための信号経路に設けられ、前記制御信号の振幅を小さくさせる調整回路とを備える
    固体撮像装置。
  2. 前記固体撮像装置は、さらに、
    スロープ状に電圧値が変化するランプ信号を生成する参照信号生成部を備え、
    前記AD変換部は、
    前記画素信号と前記ランプ信号とを比較する比較器と、
    前記画素信号と前記ランプ信号との大小関係が入れ替わり前記比較器の出力が反転するまでの時間をカウントするカウンタ部とを備え、
    前記制御信号は、前記比較器のオートゼロを実行するためのリセット信号である
    請求項1記載の固体撮像装置。
  3. 前記AD変換部は、前記画素信号をサンプル・ホールドするサンプル・ホールド回路を有するΔΣAD変換器であり、
    前記制御信号は、前記サンプル・ホールド回路のための制御クロックである
    請求項1記載の固体撮像装置。
  4. 前記AD変換部は、スイッチトキャパシタ回路を有するΔΣAD変換器であり、
    前記制御信号は、前記スイッチトキャパシタ回路のための制御クロックである
    請求項1記載の固体撮像装置。
  5. 前記調整回路は、
    前記制御部で生成された前記制御信号が入力され、当該制御信号の電圧に応じてハイレベル又はローレベルを出力するCMOS論理回路と、
    一端が前記CMOS論理回路の出力端に接続され、他端が前記AD変換部に電気的に接続された第一の抵抗とを備える
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  6. 前記調整回路はさらに、電源と前記第一の抵抗の前記他端との間に接続された第二の抵抗を備える
    請求項5記載の固体撮像装置。
  7. 前記調整回路はさらに、グランドと前記第一の抵抗の前記他端との間に接続された第三の抵抗を備える
    請求項5記載の固体撮像装置。
  8. 前記調整回路はさらに、
    第二の抵抗と、
    前記第二の抵抗と直列に接続された第一のスイッチと、
    第三の抵抗と、
    前記第三の抵抗と直列に接続された第二のスイッチとを備え、
    前記第二の抵抗及び前記第一のスイッチは、電源と前記第一の抵抗の前記他端との間に接続され、
    前記第三の抵抗及び前記第二のスイッチは、グランドと前記第一の抵抗の前記他端との間に接続され、
    前記第一のスイッチは前記CMOS論理回路がローレベルを出力する場合は導通、ハイレベルを出力する場合は非導通となるように制御され、前記第二のスイッチは前記CMOS論理回路がハイレベルを出力する場合は導通、ローレベルを出力する場合は非導通となるように制御される
    請求項5記載の固体撮像装置。
  9. 前記第三の抵抗を可変抵抗で構成する
    請求項7又は8記載の固体撮像装置。
  10. 前記第二の抵抗を可変抵抗で構成する
    請求項6又は8記載の固体撮像装置。
  11. 前記第一の抵抗の抵抗値は、前記調整回路と当該調整回路から最も距離が遠い前記AD変換部とを接続する配線の配線抵抗値の2倍以上である
    請求項5記載の固体撮像装置。
  12. 前記第一の抵抗を可変抵抗で構成する
    請求項5〜11のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  13. 前記調整回路は、
    第1電源端子、及び、グランドに接続された第2電源端子を有し、前記制御部で生成された前記制御信号が入力され、当該制御信号の電圧に応じてハイレベル又はローレベルを出力するCMOS論理回路と、
    前記第1電源端子と電源との間に挿入され、互いに直列接続されたM段(Mは1以上の整数)のPMOSトランジスタとを備え、
    前記M段のPMOSトランジスタの各々はダイオード接続されている
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  14. 前記調整回路は、
    電源に接続された第1電源端子、及び、第2電源端子を有し、前記制御部で生成された前記制御信号が入力され、当該制御信号の電圧に応じてハイレベル又はローレベルを出力するCMOS論理回路と、
    前記第2電源端子とグランドとの間に挿入され、互いに直列接続されたN段(Nは1以上の整数)のNMOSトランジスタとを備え、
    前記N段のNMOSトランジスタの各々はダイオード接続されている
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  15. 前記調整回路は、
    第1電源端子、及び、第2電源端子を有し、前記制御部で生成された前記制御信号が入力され、当該制御信号の電圧に応じてハイレベル又はローレベルを出力するCMOS論理回路と、
    前記第1電源端子と電源との間に挿入され、互いに直列接続されたM段(Mは1以上の整数)のPMOSトランジスタと、
    前記第2電源端子とグランドとの間に挿入され、互いに直列接続されたN段(Nは1以上の整数)のNMOSトランジスタとを備え、
    前記M段のPMOSトランジスタ及び前記N段のNMOSトランジスタの各々はダイオード接続されている
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の固体撮像装置を備える
    撮像装置。
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