JP6222136B2 - 溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置に関するものである。
溶融亜鉛めっき鋼板は、建材、自動車、家電等の分野で広く使用されている。そして、これらの用途では、塗装の有無に係わらず外観に優れることが溶融亜鉛めっき鋼板に対して要求される。ここで、無塗装の場合はもちろんのこと、塗装後の外観は、疵や異物付着等の表面欠陥の影響を強く受けるため、溶融亜鉛めっき鋼板には表面欠陥が存在しないことが重要である。
溶融亜鉛めっき鋼板は、一般的には図5に示すような製造装置を用いて製造される。すなわち、溶融亜鉛浴12の中にシンクロール16とサポートロール18が設置されており、鋼板Pはスナウト14を通って溶融亜鉛浴12の中に進入し、シンクロール16によって通板方向を上向きに変更された後、サポートロール18に導かれて溶融亜鉛浴12から出て行く。
このような溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置では、めっき浴中で鋼板から鉄が溶出し、めっき成分との間で金属間化合物が形成され、これはドロスと呼ばれている。このドロスは鉄成分を含有するので、一般的には、ドロスの密度はめっき浴の密度に比べて大きくなり、めっき浴中を沈降することになる。しかしながら、鋼板から溶出した鉄との金属間化合物で有るために、このドロスの粒径は小さく、密度差による沈降速度は極めて遅いため、沈降中に鋼板に付着しやすい。このドロスが鋼板に付着することで、表面欠陥が発生することが知られている。特にシンクロール16の上に配置されたサポートロール18が鋼板と接触する際に、ドロスを巻きこんで欠陥が発生する場合が多い。これは、鋼板と溶融亜鉛浴の浴面の間に形成される三角地帯12Bが閉鎖的な空間となり、三角地帯外にドロスが排出されにくいからである。
このドロスに起因する表面欠陥(以下、「ドロス欠陥」とも称する。)を抑制するため、特許文献1では、三角地帯のシンクロールの近傍に整流板を設置する技術が記載されている。また、特許文献2では、三角地帯の浴面の近傍に整流板を設置する技術が記載されている。
特開2000−119829号公報 特開2013−224457号公報
しかし、特許文献1では、整流板をシンクロール近傍で、かつ、めっき浴の深い位置に配置しており、設備配置上の制約から実機適用には問題がある。また、溶融亜鉛浴中に侵入する鋼板とシンクロールとの間に形成される楔形状の領域の近傍に配置される整流板上にドロスが堆積し、この堆積物の落下することでドロス欠陥が発生する可能性がある。
また、本発明者らの検討によると、特許文献2の整流板では、溶融亜鉛浴中に侵入する鋼板とシンクロールとの間に形成される楔形状の領域から溶融亜鉛浴面に向かって上昇する溶融亜鉛流の流れを、三角地帯の外に鋼板の板幅方向に押し流す力が弱く、ドロスの三角地帯外への排出が不十分であり、表面欠陥を抑制する観点から改善の余地があることが判明した。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、表面欠陥の少ない溶融亜鉛めっき鋼板を製造することが可能な、設備配置上の制約が少ない製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らの検討によれば、三角地帯の溶融亜鉛浴面の近傍に整流板を配置し、しかも当該整流板の形状を工夫することによって、浴中に侵入する鋼板とシンクロールとの間に形成される楔形状の領域から、浴面に向かって上昇する溶融亜鉛流の流れに、鋼板の板幅方向の流れ成分を加えることができ、これにより、ドロスを三角地帯外への効果的に排出できることを見出した。
本発明は、上記の知見によって完成されたものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
(1)溶融亜鉛を収容し、溶融亜鉛浴を形成するための容器と、
端部が前記溶融亜鉛浴に浸漬するように位置し、前記溶融亜鉛浴中に連続的に供給される鋼板が通過する空間を区画するスナウトと、
前記溶融亜鉛浴内に位置し、前記溶融亜鉛浴に進入した鋼板が巻きつけられ、該鋼板の進行方向を上方向にして前記鋼板を溶融亜鉛浴面に向かわせるシンクロールと、
前記シンクロールの上方かつ前記溶融亜鉛浴内に位置し、前記シンクロールから上方に向かう鋼板に接し、該鋼板を前記溶融亜鉛浴の外へと導くサポートロールと、
前記シンクロールの上方かつ前記溶融亜鉛浴内に、片面が前記スナウトと前記シンクロールとの間の鋼板に対向し、他面が前記シンクロールを通過後の鋼板に対向するように位置する整流板と、を有し、
前記整流板は、前記片面と、該片面と対向する鋼板との最短距離が、前記片面の中央部から水平方向に両端部に向かうにつれて漸増する形状を有することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。
(2)前記整流板は、前記片面においてそれぞれの鉛直方向位置で前記片面と対向する鋼板との最短距離が最も短くなる点を結ぶ線に垂直な断面における前記片面の形状が、前記スナウト側に凸な屈曲形状又は湾曲形状である上記(1)に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。
(3)前記片面の形状が屈曲形状の場合、前記線に垂直な断面における前記片面の屈曲角θ1が5度以上45度以下であり、
前記片面の形状が湾曲形状の場合、前記線に垂直な断面における前記片面の曲率半径Rが707mm以上5737mm以下である、上記(2)に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。
(4)前記線が前記溶融亜鉛浴面となす、前記スナウトとは反対側の角θ2が45度以上100度以下である上記(2)又は(3)に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。
(5)前記片面の上端が前記シンクロールの径方向中心に対して前記スナウト側に位置し、前記片面の上端と前記シンクロールの径方向中心との水平方向距離D1が200mm以上600mm以下である上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。
(6)前記整流板の上端と前記溶融亜鉛浴面との距離D2が0mm以上100mm以下である上記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。
(7)前記整流板の下端と前記シンクロールとの最短距離D3が50mm以上300mm以下である上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。
本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置は、設備配置上の制約が少ないにも関わらず、表面欠陥の少ない溶融亜鉛めっき鋼板を製造することが可能である。
本発明の一実施形態による溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置100を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。 図1に示す整流板20を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は(B)のI方向から見た図、(D)は(B)のII方向から見た図である。 溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置100における整流板20の位置を説明する模式図である。 本発明に適用可能な他の整流板30を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は(B)のI方向から見た図、(D)は(B)のII方向から見た図である。 従来の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。 従来の他の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。
図1〜3を参照して、本発明の一実施形態による溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置100(以下、単に「製造装置」とも称する。)を説明する。図1を参照して、製造装置100は、容器10と、スナウト14と、シンクロール16と、サポートロール18と、整流板20とを有する。
容器10は、溶融亜鉛を収容し、溶融亜鉛浴12を形成するためのものである。スナウト14は、鋼板Pを焼鈍するための連続焼鈍炉の最後尾であり、端部14Aが溶融亜鉛浴12に浸漬するように位置し、溶融亜鉛浴12中に連続的に供給される鋼板Pが通過する空間を区画する。シンクロール16は、溶融亜鉛浴12内に位置し、溶融亜鉛浴に進入した鋼板P1が巻きつけられ、この鋼板P1の進行方向を上方向にして、鋼板P1を溶融亜鉛浴面に向かわせる。サポートロール18は、シンクロール16の上方かつ溶融亜鉛浴12内に位置し、シンクロールから上方に向かう鋼板P2に接し、この鋼板P2を溶融亜鉛浴12の外へと導く。なお、本実施形態ではサポートロールは2つであるが、数は特に限定されず、1つでもよい。
本実施形態では、特定の形状を有する整流板20を、シンクロール16の上方かつ溶融亜鉛浴12内に、片面22がスナウトとシンクロールとの間の鋼板P1に対向し、他面24がシンクロールを通過後の鋼板P2に対向するように配置することが重要である。以下、従来例と比較しつつ、その技術的意義を説明する。
図5は、整流板を設置していない従来の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置を示す。鋼板P1の移動に伴い、スナウトの端部14Aからシンクロール16に向かい、鋼板P1近傍に溶融亜鉛の流れが生じる。その流れは、溶融亜鉛浴中に進入する鋼板P1とシンクロール16との間に形成される楔形状の領域12Cに到達する。そして、当該楔形状の領域12Cから浴面12Aに向かって上昇する溶融亜鉛の流れが生じ、この流れは、サポートロール18に直接向かっている。そのためサポートロール18が、シンクロールを通過後の鋼板P2と接触する際に、ドロスを巻き込み、これに起因して表面欠陥が発生する可能性が高い。
次に、図6は、平らな整流板30を設置した従来の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置を示す。この整流板30は、シンクロール16の上方かつ溶融亜鉛浴12内に、片面がスナウトとシンクロールとの間の鋼板P1に対向し、他面がシンクロールを通過後の鋼板P2に対向するように位置している。そのため、楔形状の領域12Cから浴面12Aに向かって上昇する溶融亜鉛の流れは、三角地帯12Bの浴面近傍に設置された平板型の整流板30によって、スナウト14に向かって押し戻される。ただし、三角地帯3の外に鋼板の板幅方向に沿って押し流す力は弱く、ドロスは三角地帯12Bの中で循環する。そのため、ドロス欠陥を抑制する効果は不十分である。
これに対し本実施形態では、図1及び図2を参照して、スナウト14側にV字に屈曲した整流板20が設置される。図2を参照して、整流板20の形状及び設置場所の詳細を説明する。
図2(A)及び図2(B)に示すように、整流板20は、シンクロール16の上方かつ溶融亜鉛浴12内に、片面22がスナウトとシンクロールとの間の鋼板P1に対向し、他面24がシンクロールを通過後の鋼板P2に対向するように、すなわち三角地帯12B内に位置している。
片面22及び他面24ともに、スナウト14側にV字に屈曲した形状を有している。片面22についてより厳密に説明すると、片面22においてそれぞれの鉛直方向位置で片面と対向する鋼板P1との最短距離が最も短くなる点を結ぶ線が、図2(A),(B),(D)中のLである。そして、この線Lに垂直な断面における片面22の形状(すなわち、図2(C)における片面22の形状)が、スナウト側に凸な屈曲形状となっている。なお、図2においては、線Lの両端(片面の上端及び下端)を符号22A,22Dで示し、片面の上端の水平方向両端を符号22B,22Cで示し、片面の下端の水平方向両端を符号22E,22Fで示した。
本実施形態では、図1(A)に破線矢印で示したように、楔形状の領域12Cから浴面12Aに向かって上昇する溶融亜鉛の流れが、三角地帯12Bの浴面の近傍に設置されたV字形状の整流板20によって、三角地帯12Bの外に鋼板の板幅方向に沿って押し流される。そのため、ドロスは三角地帯12Bの外に速やかに排出される。その結果、ドロス欠陥を効果的に抑制することができる。
次に図2及び図3を参照して、整流板20の好適な形状及び設置場所を説明する。図2(C)を参照して、線Lに垂直な断面における片面22の屈曲角θ1は5度以上45度以下であることが好ましい。ここで、「片面の屈曲角」とは、整流板が平板であった場合の片面(図2(C)中の破線)を基準(0度)としたときの、片面の屈曲角を意味する。なお、図2(C)中の破線は、鋼板の板幅方向と一致する。本実施形態では、線Lに沿って片面22の断面形状は変化しないので、片面の上端の22Bと22Aとを結ぶ線と鋼板の板幅方向とのなす角が、屈曲角θ1となり、これは、片面の下端の22Eと22Dとを結ぶ線と鋼板の板幅方向とのなす角と等しい。屈曲角θ1が5度未満の場合、整流板20がドロスを三角地帯12Bの外に鋼板の板幅方向に沿って押し流す力が弱く、本発明の効果を十分に得ることができない可能性がある。また、屈曲角θ1が45度を超えると、整流板20がドロスを三角地帯12の外に速やかに排出する流れよりも、ドロスがサポートロール18に直接向かう流れの方が大きくなり、本発明の効果を十分に得ることができない可能性がある。
整流板20は、線Lを中心に対称の形状を有しており、他方の屈曲角(片面の上端の22Cと22Aとを結ぶ線と鋼板の板幅方向とのなす角)も、屈曲角θ1と同じであることが好ましい。これにより、三角地帯12Bの溶融亜鉛の流れを、左右対称に鋼板の板幅方向に向けることができる。
なお、溶融亜鉛の流れは片面22の形状に依存するため、他面の形状は特に限定されない。しかし、本実施形態のように、他面24の線Lに垂直な断面における形状も、スナウト側に凸な屈曲形状となっていることが、製造容易性の観点から好ましい。
次に、図3を参照して、線Lが溶融亜鉛浴面12Aとなす、スナウト14とは反対側の角θ2が45度以上100度以下であることが好ましい。θ2が45度未満と小さ過ぎたり、100度超えと大き過ぎると、溶融亜鉛浴中に進入する鋼板P1とシンクロール16との間に形成される楔形状の領域12Cから浴面12Aに向かって上昇する溶融亜鉛の流れが、整流板20にあまり当たらず、サポートロール18に直接向かってしまう可能性があるためである。
次に、図3を参照して、片面の上端22Aがシンクロールの径方向中心16Aに対してスナウト14側に位置し、この片面の上端22Aとシンクロールの径方向中心16Aとの水平方向距離D1が200mm以上600mm以下であることが好ましい。距離D1が200mm未満と小さ過ぎたり、600mm超えと大き過ぎると、楔形状の領域12Cから浴面12Aに向かって上昇する溶融亜鉛の流れが、整流板20にあまり当たらず、サポートロール18に直接向かってしまう可能性があるためである。
次に、図3を参照して、整流板の上端20Aと溶融亜鉛浴面12Aとの距離D2が0mm以上100mm以下であることが好ましい。これは距離D2が小さいほど、楔形状の領域12Cから浴面12Aに向かって上昇する溶融亜鉛の流れを、整流板20が三角地帯12Bの外に鋼板の板幅方向に沿って押し流すことができるためである。距離D2が100mmを超えると、整流板20の上方を通ってドロスがサポートロール18に向かいやすい。
次に、図3を参照して、整流板の下端20Bとシンクロール16との最短距離D3が50mm以上300mm以下であることが好ましい。距離D3が50mm未満と小さすぎると、整流板20がシンクロール16に接触する恐れがあり、また、距離D3が300mm超えと大きすぎると、楔形状の領域12Cから浴面12Aに向かって上昇する溶融亜鉛の流れが、整流板20にあまり当たらず、サポートロール18に直接向かってしまう可能性があるためである。
なお、一般的な溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置において、シンクロールの幅は2000〜2300mm、直径は600〜1000mm、幅方向中心の浴面からの深さ位置は900〜1000mmであり、本発明でもこれらの寸法とすることができる。また、スナウトの端部(最もシンクロール寄りの位置)とシンクロールの幅方向中心16Aとの水平方向距離は、600〜1000mmとすることができる。
本発明に用いる整流板の形状は、既述の整流板20のようなV字の屈曲形状に限定されない。すなわち、本発明に用いる整流板は、片面と、この片面と対向する鋼板との最短距離が、片面の中央部から水平方向に両端部に向かうにつれて漸増する形状を有するものであればよい。このような形状であれば、図1(A)に破線矢印で示したのと同様に、三角地帯12B内に鋼板の板幅方向の溶融亜鉛流を生じさせ、ドロスを三角地帯12Bの外に速やかに排出できる。その結果、ドロス欠陥を効果的に抑制することができる。
また、本発明に用いる整流板は、上記のような形状の部分が鉛直方向の少なくとも一部分にあればよい。楔形状の領域12Cから浴面12Aに向かって上昇する溶融亜鉛の流れが整流板のどの部位に当たるかは、操業条件等により概ね把握できるため、当該部位を上記の形状としておけばよい。ただし、本実施形態のように、鉛直方向の全ての位置において上記の形状とすれば、操業条件等の変化に柔軟に対応できるため好ましい。
本発明に適用可能な他の整流板30を、図4に示す。整流板30も、シンクロール16の上方かつ溶融亜鉛浴12内に、片面32がスナウトとシンクロールとの間の鋼板P1に対向し、他面34がシンクロールを通過後の鋼板P2に対向するように、すなわち三角地帯12B内に位置している。
片面32及び他面34ともに、スナウト14側にU字に湾曲した形状を有している。片面32についてより厳密に説明すると、片面32においてそれぞれの鉛直方向位置で片面と対向する鋼板P1との最短距離が最も短くなる点を結ぶ線が、図4(A),(B),(D)中のLである。そして、この線Lに垂直な断面における片面32の形状(すなわち、図4(C)における片面32の形状)が、スナウト側に凸な湾曲形状となっている。なお、図4においては、線Lの両端(片面の上端及び下端)を符号32A,32Dで示し、片面の上端の水平方向両端を符号32B,32Cで示し、片面の下端の水平方向両端を符号32E,32Fで示した。本実施形態では、線Lに沿って片面32の断面形状は変化しない。
この整流板30によっても、図1(A)に破線矢印で示したのと同様に、三角地帯12B内に鋼板の板幅方向の溶融亜鉛流を生じさせ、ドロスを三角地帯12Bの外に速やかに排出できる。その結果、ドロス欠陥を効果的に抑制することができる。
なお、整流板30では、図(C)を参照して、線Lに垂直な断面における片面32の曲率半径Rは707mm以上5737mm以下であることが好ましい。曲率半径Rが5737mmを超えると、整流板30がドロスを三角地帯12Bの外に鋼板の板幅方向に沿って押し流す力が弱く、本発明の効果を十分に得ることができない可能性がある。また、曲率半径Rが707mm未満の場合、整流板30がドロスを三角地帯12の外に速やかに排出する流れよりも、ドロスがサポートロール18に直接向かう流れの方が大きくなり、本発明の効果を十分に得ることができない可能性がある。
好適なθ2、D1、D2及びD3については既述と同様である。
整流板の材質は、溶融亜鉛に対する耐食性および耐熱性を有するものであれば特に限定されない。例えば、耐久性の点から、SUS316Lが好ましい。Cr鍍金等による保護を行った鋼板を使用することもできる。
本発明の製造装置で製造される溶融亜鉛めっき鋼板は、溶融亜鉛めっき処理後合金化処理を施さないめっき鋼板(GI)と、合金化処理を施すめっき鋼板(GA)のいずれも含む。
図2の整流板を用いた図1の製造装置、図4の整流板を用いた製造装置、図5の製造装置、又は図6の製造装置を用いて、板厚1.0mm、板幅1800mm、引張強さ450MPa以下の鋼板を通板速度2.5m/sで溶融亜鉛浴に進入させて、溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。
シンクロールの幅は2200mm、直径は800mm、幅方向中心の浴面からの深さ位置は1000mmとした。また、スナウトの端部(最もシンクロール寄りの位置)とシンクロールの幅方向中心との水平方向距離は800mmとした。
No.1では、整流板を設置しない図5に記載の製造装置を用いた。No.2では、平板型の整流板を設置した図6に記載の製造装置を用いた。No.3〜26では、図2のような屈曲形状の整流板を用いた図1に記載の製造装置を用いた。その際、屈曲角θ1、角度θ2、距離D1、D2及びD3は、表1に記載のとおりとした。No.27〜50では、図4のような湾曲形状の整流板を用いた製造装置を用いた。その際、曲率半径R、角度θ2、距離D1、D2及びD3は、表1に記載のとおりとした。
各試験例において製造した溶融亜鉛めっき鋼板について、以下の基準で表面欠陥を評価した。結果を表1に示す。
◎:鋼板表面長手300mm以内に、100μm以上のドロス付着なし。100μm未満のドロス付着なし。
○:鋼板表面長手300mm以内に、100μm以上のドロス付着なし。100μm未満のドロス付着1〜5個。
△:鋼板表面長手300mm以内に、100μm以上のドロス付着なし。100μm未満のドロス付着6〜10個。
×:鋼板表面長手30mm以内に、100μm以上のドロス付着1個以上。
Figure 0006222136
本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置は、設備配置上の制約が少ないにも関わらず、表面欠陥の少ない溶融亜鉛めっき鋼板を製造することが可能である。
100 溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置
10 容器
12 溶融亜鉛浴
12A 溶融亜鉛浴面
12B 三角地帯
12C 楔形状の領域
14 スナウト
14A スナウトの端部
16 シンクロール
16A シンクロールの径方向中心
18 サポートロール
20 整流板
20A 整流板の上端
20B 整流板の下端
22 整流板の片面
22A,22B,22C 片面の上端
22D,22E,22F 片面の下端
24 整流板の他面
30 整流板
30A 整流板の上端
30B 整流板の下端
32 整流板の片面
32A,32B,32C 片面の上端
32D,32E,32F 片面の下端
34 整流板の他面
P 溶融亜鉛浴中に連続的に供給される鋼板
P1 スナウトとシンクロールとの間の鋼板
P2 シンクロールを通過後の鋼板
L 片面においてそれぞれの鉛直方向位置で片面と対向する鋼板との最短距離が最も短くなる点を結ぶ線
θ1 片面の屈曲角
R 片面の曲率半径
θ2 線Lが溶融亜鉛浴面となす、スナウトとは反対側の角
D1 片面の上端とシンクロールの径方向中心との水平方向距離
D2 整流板の上端と溶融亜鉛浴面との距離
D3 整流板の下端とシンクロールとの最短距離

Claims (6)

  1. 溶融亜鉛を収容し、溶融亜鉛浴を形成するための容器と、
    端部が前記溶融亜鉛浴に浸漬するように位置し、前記溶融亜鉛浴中に連続的に供給される鋼板が通過する空間を区画するスナウトと、
    前記溶融亜鉛浴内に位置し、前記溶融亜鉛浴に進入した鋼板が巻きつけられ、該鋼板の進行方向を上方向にして前記鋼板を溶融亜鉛浴面に向かわせるシンクロールと、
    前記シンクロールの上方かつ前記溶融亜鉛浴内に位置し、前記シンクロールから上方に向かう鋼板に接し、該鋼板を前記溶融亜鉛浴の外へと導くサポートロールと、
    前記シンクロールの上方かつ前記溶融亜鉛浴内に、片面が前記スナウトと前記シンクロールとの間の鋼板に対向し、他面が前記シンクロールを通過後の鋼板に対向するように位置する整流板と、を有し、
    前記整流板は、前記鋼板が前記スナウトから前記シンクロールへと向かう進行方向に沿って互いに対向する第一辺及び第二辺と、これらに対して直交する方向に互いに対向する第三辺及び第四辺とを有する矩形の平板を、前記スナウト側に凸に屈曲又は湾曲させてなり、
    前記片面上において前記第三辺と前記第四辺との中間点を結ぶ線を整流板中心線としたとき、該整流板中心線に垂直な方向における、前記片面と、該片面と対向する鋼板との距離が、前記整流板中心線上において最短となり、前記整流板中心線から前記第一辺及び第二辺に向かうにつれて漸増する形状を有することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。
  2. 前記整流板が屈曲形状の場合、前記整流板中心線に垂直な断面における前記片面の屈曲角θ1が5度以上45度以下であり、
    前記整流板が湾曲形状の場合、前記整流板中心線に垂直な断面における前記片面の曲率半径Rが707mm以上5737mm以下である、請求項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。
  3. 前記整流板中心線が前記溶融亜鉛浴面となす、前記スナウトとは反対側の角θ2が45度以上100度以下である請求項1又は2に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。
  4. 前記片面の上端が前記シンクロールの径方向中心に対して前記スナウト側に位置し、前記片面の上端と前記シンクロールの径方向中心との水平方向距離D1が200mm以上600mm以下である請求項1〜のいずれか一項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。
  5. 前記整流板の上端と前記溶融亜鉛浴面との距離D2が0mm以上100mm以下である請求項1〜のいずれか一項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。
  6. 前記整流板の下端と前記シンクロールとの最短距離D3が50mm以上300mm以下である請求項1〜のいずれか一項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置。
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