JP2010144189A - 溶融金属めっき鋼帯製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスワイピング工程でのスプラッシュの発生を低減し、表面外観に優れる溶融金属めっき鋼帯を安定して製造できるようにする。
【解決手段】
溶融金属めっき浴から連続的に引き上げられる鋼帯(S)の表面に、ガスワイピングノズル(3)から気体を吹き付けて鋼帯表面のめっき付着量の制御を行う溶融金属めっき鋼帯製造装置であって、溶融金属槽(9)の浴面下の鋼帯(S)の両側に、鋼帯(S)と対向して配置した鋼帯巾以上の長さの溶融金属絞り部材(1)を有し、該溶融金属絞り部材(1)は、鋼帯対向面の少なくとも一部に、鋼帯端部近傍の溶融金属の流れを鋼帯中央から鋼帯端部外側に向かう流れにする整流構造を有する。前記鋼帯端部近傍の溶融金属の流れ方向を鋼帯中央から鋼帯端部外側に向かう流れにする整流構造は、鋼帯走行方向に向かって鋼帯幅方向中心線からの距離が大きくなるように形成された少なくとも一条の連続した溝または突起からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶融めっきプロセスにおいて、溶融金属スプラッシュ飛散を軽減できる溶融金属めっき鋼帯製造装置に関するものである。
連続溶融めっきプロセス等においては、図6に示すように、一般的に溶融金属浴槽9内の溶融金属めっき浴8に鋼帯Sを浸漬させ、シンクロール7で方向転換した後、該鋼帯Sを鉛直上方に引き上げる工程の後に、鋼帯表面に付着した溶融金属が板幅方向および板長手方向に均一に所定のめっき厚になるように、この鋼帯Sを挟んで対向して設けた鋼帯幅方向に延在するガスワイピングノズル3から加圧気体を鋼帯上に噴出させて、余剰な溶融金属を絞り取り、溶融金属の付着量(めっき付着量)を制御するガスワイピング装置が設けられている。
ガスワイピング部での鋼帯走行位置を安定化させるために、通常、シンクロール7上方の浴面下に浴中サポートロール5が配置され、また合金化処理等を行う場合は必要に応じてガスワイピングノズル3上方に浴上サポートロール4が設置される。
ガスワイピングノズル3は、多様な鋼帯幅に対応すると同時に鋼帯引き上げ時の幅方向のズレなどに対応するため、通常、鋼帯幅より長く、すなわち鋼帯Sの幅端部より外側まで延びている。このようなガスワイピング装置では、鋼帯Sに衝突した噴流の乱れによって鋼帯下方に落下する溶融金属が周囲に飛び散る、いわゆるスプラッシュが発生して、鋼帯の表面品質の低下を招く。
また、連続プロセスにおいて、生産量を増加させるには、鋼帯通板速度を増加させればよいが、連続溶融めっきプロセスにおいてガスワイピング方式でめっき付着量を制御する場合、溶融金属の粘性により、通板速度の増加に伴って鋼帯のめっき浴通過直後の初期付着量が増加するため、めっき付着量を一定範囲内に制御するには、ワイピングガス圧力をより高圧に設定せざるを得ず、それによってスプラッシュが大幅に増加し、良好な表面品質を維持できなくなる。
上記の問題を解決するために本発明者らが開発した技術として、ワイピングノズルに到達する前に鋼板に随伴する余剰な溶融金属をある程度削減してめっき浴通過直後の初期付着量を低減しておく技術が特許文献1に開示されている。
特許文献1では、めっき浴中サポートロール5とワイピングノズル3との間に、鋼帯の両面に非接触で対向する溶融金属絞り部材を設けて余剰めっきを取り除いた後に、ガスワイピングでめっき厚を調整する装置で、該溶融金属絞り部材の形状は、該溶融金属絞り部材の鋼帯と相対する面と鋼帯との間隔が、該溶融金属絞り部材の上部と下部とで同じか、または該溶融金属絞り部材の上部が下部より大きく、更に該溶融金属絞り部材の鋼帯と相対さない面と鋼帯との距離が、該溶融金属絞り部材の上部が下部より大きいことが望ましいとしている。
ところが、特許文献1に開示された技術では、鋼帯幅方向中央部では溶融金属の絞り効果が優れるが、鋼帯端部では鋼帯幅方向中央部程の溶融金属絞り効果が得られないため、鋼帯幅方向中央部と鋼帯端部とで、余剰な溶融金属量の差が大きくなることで、その後のガスワイピング工程において、スプラッシュを低減する効果が低下することがわかった。
特開2008−138259号公報
本発明は、上記問題点を考慮し、鋼帯幅が変わってもめっき浴から引き上げられる鋼板に随伴する余剰な溶融金属を鋼帯全幅にわたって削減できるようにすることで、ガスワイピング工程でのスプラッシュの発生を低減し、表面外観に優れる溶融金属めっき鋼帯を安定して製造できる溶融金属めっき鋼帯製造設備を提供することを課題とする。
シンクロールからガスワイピングノズルまでの間に、余剰な溶融金属を取り除くための溶融金属絞り部材を設置すると、ガスワイピングによって取り除かれた溶融金属が下方に流れ落ちて、鋼帯と溶融金属絞り部材との隙間に液溜まりを形成する。この液溜まりからガスワイピング部までの距離が短いと余剰な溶融金属量を削減できないことから、本発明者らは、溶融金属絞り部材はめっき浴面より下方に設置するのが最良であるとの結論に至った。
しかしながら、単に溶融金属絞り部材を設置しても、鋼帯両端部での溶融金属絞り効果は小さい。そこで、めっき浴から出た鋼帯に付随する溶融金属量を効果的に削減するべく、溶融金属絞り部材周辺の溶融金属の流れを模擬する水モデル装置を用いて、詳細な流動解析を行った。その結果、鋼帯幅方向端部では、その外側から鋼帯幅方向中央部に向かって溶融金属が流入するため、鋼帯幅方向端部で溶融金属の絞り効果が低下することがわかった。さらに、溶融金属絞り部材の鋼帯対向面に、鋼帯端部近傍におけるめっき浴の流れを鋼帯端部外側に向かうようにする整流構造を設けることで、鋼帯端部で、その外側から鋼帯中央に向かってめっき浴が流入するのを防止し、鋼帯端部における溶融金属絞り効果を鋼帯中央と同程度にできることがわかった。
本発明者らは、以上の知見に基づいて、以下の特徴を有する発明を完成させた。
(1)溶融金属めっき浴から連続的に引き上げられる鋼帯の表面に、ガスワイピングノズルから気体を吹き付けて鋼帯表面のめっき付着量の制御を行う溶融金属めっき鋼帯製造装置であって、溶融金属槽の浴面下の鋼帯の両側に、鋼帯と対向して配置した鋼帯巾以上の長さの溶融金属絞り部材を有し、該溶融金属絞り部材は、鋼帯対向面の少なくとも一部に、鋼帯端部近傍の溶融金属の流れを鋼帯中央から鋼帯端部外側に向かう流れにする整流構造を有することを特徴とする溶融金属めっき鋼帯製造装置。
(2)前記鋼帯端部近傍の溶融金属の流れ方向を鋼帯中央から鋼帯端部外側に向かう流れにする整流構造は、鋼帯走行方向に向かって鋼帯幅方向中心線からの距離が大きくなるように形成された少なくとも一条の連続した溝または突起からなることを特徴とする(1)に記載の溶融金属めっき鋼帯製造装置。
(3)前記溝または突起は、鋼帯面に直角方向から見たときに、通板最大幅から最小幅の範囲内にあるいずれの幅の鋼帯においても、該鋼帯端部が少なくとも一条の溝上または突起上を走行するように形成されていることを特徴とする(2)に記載の溶融金属めっき鋼帯製造装置。
本発明によれば、めっき浴面下に設けられた溶融金属絞り部材によって鋼帯幅が変わっても鋼帯に付随する余剰な溶融金属量を鋼帯全幅にわたって削減した後にガスワイピングノズルでめっき厚を調整できるようになるので、スプラッシュの発生量を大幅に低減できる。また、本発明によれば、通板速度を大幅に上昇させてもスプラッシュの発生量を大幅に低減できるので、表面欠陥の無い溶融金属めっき鋼帯を高い生産性を維持して製造することが可能となる。
本発明の溶融金属めっき鋼帯製造装置は、溶融金属槽の浴面下の鋼帯の両側に、鋼帯と対向して配置した鋼帯巾以上の長さの溶融金属絞り部材を有する。溶融金属絞り部材は、めっき浴から引き上げられる鋼帯に随伴する余剰な溶融金属を削減する作用を有する。
図1は、本発明の溶融金属めっき鋼帯製造装置の一実施形態を示す断面図である。図1において、1はめっき浴中に設置された溶融金属絞り部材で、浴中サポートロール5より上方に鋼帯Sを挟んでその両側に鋼帯表面から所定の距離離れた位置に設置されている。
図2(a)は、本発明の溶融金属めっき鋼帯製造装置に使用される溶融金属絞り部材の一実施形態を示す断面図である。本実施形態では、溶融金属絞り部材1は、鋼帯幅より広幅で、鋼帯面と直角の鉛直断面における断面形状は、三角形をなし、その1面が鋼帯に対向するように配置され、溶融金属絞り部材1の鋼帯対向面、上面は、各々鋼帯面、浴面に平行である。
本実施形態の溶融金属絞り部材1は、鋼帯対向面に溝が形成されている。図3は、本実施形態における溶融金属絞り部材の鋼帯対向面に形成される溝を鋼帯面に直角方向から見たときの一実施形態を示す。図3において、2は溝である。溝2は、溶融金属絞り部材1の鋼帯対向面の鋼帯幅方向中心線10の両側に、鋼帯対向面の下端から上端まで連続して形成され、鋼帯走行方に向かって鋼帯幅方向中心線10からの距離が大きくなるように左右対称に各々1条又は複数条形成される。図3中の点線矢印は鋼帯と溶融金属絞り部材の間の溶融金属の流線を示す。
めっき浴面下に、断面形状が三角形の溶融金属絞り部材1を設けたことで、図2(a)に示すように、鋼帯3の進行に随伴する流れ(随伴流)11が発生していても、流体は抵抗の小さい方向に流れやすいため、溶融金属絞り部材1の下端部で流れ13が分岐し、随伴流11の成長を妨げる。さらに、流れ13は鋼帯3から遠ざかる方向を向いているため、溶融金属絞り部材1の上方で鋼帯3に向かう流れ12と対向することになり、流れ12の速度を弱める効果を有する。その結果、めっき浴から持ち上げられる鋼帯3近傍の随伴流が大幅に低減される。
溶融金属絞り部材1の鋼帯対向面の溝の作用を説明する。
図4は、溶融金属絞り部材の鋼帯対向面に溝を有しないときの鋼帯と溶融金属絞り部材の間の溶融金属の流線を示す。溶融金属絞り部材の鋼帯対向面に溝が無いと、鋼帯端部では、図4に示すように、鋼帯端部外側から鋼帯中央に向かう流れが発生し、鋼帯端部における絞り効果が低下する。その結果、鋼帯の幅方向中央部と端部とで、余剰な溶融金属量の差が多くなり、その後のガスワイピング工程において、スプラッシュを低減する効果が低下する。
溶融金属絞り部材の鋼帯対向面に、図3のような溝を設けると、図3の点線矢印で示すように、鋼帯に随伴する流れは鋼帯中央から外側へ向かうようになる。この流れによって、鋼帯端部では、鋼帯端部外側から鋼帯中央に向かう流れが抑制され、鋼帯端部で絞り効果が低下することがなくなる。
その結果、鋼帯全幅にわたって十分な絞り効果が得られ、余剰な溶融金属量を鋼帯全幅にわたって削減した後にガスワイピングノズルでめっき厚を調整できるようになるので、スプラッシュの発生量を大幅に低減できる。また、通板速度を大幅に上昇させてもスプラッシュの発生量を大幅に低減できるようになり、表面欠陥の無い溶融金属めっき鋼帯を高い生産性を維持して製造することが可能となる。
溶融金属絞り部材の鋼帯対向面、ロール対向面に形成する溝は、溝幅が狭すぎると、溶融金属絞り部材に付着・堆積する溶融金属のドロスによって時間の経過とともに塞がれてしまうため、溝幅は10mm以上200mm以下、溝深さは10mm以上100mm以下が望ましい。また、溝幅は10mm以上100mm以下、溝深さは10mm以上50mm以下がより好ましい。溝のピッチは、80mm以上300mm以下、溝の角度(図3において、溝を示す線が鉛直線となす角度θ)は、20〜85度が好ましい。溝は直線でなくてもよく、溝同士が交差しない範囲で曲線であっても構わない。
図3では、溶融金属絞り部材の溝は、鋼帯対向面下端から上端まで形成されていたが、鋼帯対向面の一部に形成されていてもよい。
溶融金属めっき鋼帯製造装置には、種々の幅の鋼帯が通板される。前記溝は、鋼帯面に直角方向から見たときに、通板最大幅から最小幅の範囲内にあるいずれの幅の鋼帯においても、該鋼帯端部が鋼帯対向面にある少なくとも一条の溝上を走行するように形成すると、いずれの幅の鋼帯においても、鋼帯端部における絞り効果が得られ、鋼帯に付随する余剰な溶融金属量を鋼帯全幅にわたって低減することができる。
前記した装置では、溶融金属絞り部材の鋼帯対向面に連続した溝を形成したが、連続した溝に代えて、連続した「突起」を形成して同様の効果が得られる。突起の寸法は、高さは、5mm以上50mm以下が好ましいが、鋼帯あるいは浴中ロールに接触してはならない。高さ以外の寸法・形状は上記溝と同様でよい。
溶融金属絞り部材の寸法、形状は、適用する設備と鋼帯の通板速度等を考慮して、適宜のものに決定する必要がある。
一例を挙げる、図3のような形状のものでは、鋼帯走行方向寸法が30〜200mm(ただし、浴面より上に飛び出してはならない)、鋼帯面直角方向の寸法も30〜200mmのものを使用できる。
また、溶融金属絞り部材の鋼帯対向部と鋼帯との距離は100mm以下が好ましく、50mm以下がさらに好ましい。100mmより大きくなると、鋼帯の進行方向と逆方向の流れ23が鋼帯の進行に伴う随伴流22に影響を及ぼさなくなり、鋼帯に付随する余剰な溶融金属量を削減する効果が低下する。また、50mm以下になると、鋼帯に付随する流れ自体を抑制することができるため、鋼帯に付随する余剰な溶融金属量を削減する効果がさらに大きくなる。溶融金属絞り部材の鋼帯対向部と鋼帯との距離は、鋼帯対向部が鋼帯に接触しないなら小さくしても構わない。
鋼帯対向部の上端は、金属めっき浴面より100mm以内の位置になるように設置するのが好ましい。浴面からの距離が100mmより大きいと、鋼帯対向部の上方で鋼帯の進行にともなう随伴流22が発達し、鋼帯に付随する余剰な溶融金属量を削減する効果が低下する。鋼帯対向部の上端が金属めっき浴面上にあると、ワイピングされた余剰な溶融金属が鋼帯対向部の上端に付着し、鋼板を傷つける問題がある。
溶融金属絞り部材は、断面形状が、図2(a)のものに限定されない。例えば、断面形状が、図2(b)〜(d)のものを使用することができる。
図2(b)は、断面形状が所定厚みの平板を折り曲げて形成した逆L字形であり、鋼帯3に相対する面、反鋼帯側の面、浴面に相対する上面、反浴面側の下面は、各々鋼帯3及び浴面に平行である。
図2(c)は、断面形状が上端部形状を上方に行くに従って鋼帯3との間隔が広くなるように円弧状にしたものである。円弧の曲率半径Rは1mm以上、溶融金属絞り部材1の鉛直方向長さと水平方向長さのうちの短い方の長さ以下が好ましい。
図2(d)は、断面形状が上面の断面曲線及び下面の断面曲線はいずれも溶融金属めっき浴の鋼帯引き上げ部側に凸の円弧状であり、かつ上面の円弧の曲率半径が下面の円弧の曲率半径よりも小さくなるように形成されている。また、溶融金属絞り部材1の厚さは、反鋼帯側端部及び反浴面側端部に向かって減少している。溶融金属絞り部材1の断面形状は、上面の断面曲線及び下面の断面曲線がいずれも溶融金属めっき浴の鋼帯引き上げ部側に凸であれば、全長が円弧で形成されていなくてもよい。一部分が直線状(例えば端部側が直線)であってもよいし、また円弧以外の曲線であってもよい。
図2(a)〜(d)の溶融金属絞り部材1の端部は、少なくとも反浴面側は、厚さが端部に向かって減少する形状のものが、好ましく、反浴面側、反鋼帯側の両方が端部に向かって厚さが減少するものがより好ましい。
連続溶融亜鉛めっきラインに図1に示した溶融金属めっき鋼帯製造装置を設置し、溶融亜鉛めっき鋼帯の製造実験を行った。鋼帯Sの両側に配置された浴中サポートロール同士の鉛直方向オフセット量は100mm、浴面と浴面に近い側の浴中サポートロール上端との距離は180mmである。浴中サポートロール径はφ300mmである。
実施例1、実施例2、比較例2、比較例4は、図2(a)に示した断面形状が三角形の溶融金属絞り部材を使用した。該溶融金属絞り部材は、鋼帯進行方向長さおよび水平方向長さがいずれも50mmで、溶融金属絞り部材1の鋼帯幅方向長さはガスワイピングノズル相当の2000mmとし、溶融金属絞り部材の上端と浴面との距離は5mm、鋼帯との距離は3mmで鋼帯両側に鋼帯面に対向して固定配置した。比較例2、比較例4は、鋼帯対向面に溝を形成せず、実施例1、実施例2は、図5に示すにように、鋼帯対向面に、幅方向長さ340mm、170mmピッチで溝幅20mm×深さ10mmの溝を、溶融金属絞り部材の鋼帯幅方向中心線の両側に各4条ずつ付与した。なお、鋼帯対向面下端における最も内側の溝同士の間隔は300mmである。溝が溶融金属絞り部材の鋼帯幅方向中心線となす角度(図5中の角度θ)は81.6度である。
溶融亜鉛めっき鋼帯製造条件は、ガスワイピングノズルのスリットギャップ0.8mm、ガスワイピングノズル−鋼帯距離7mm、溶融亜鉛浴からのノズル高さ400mm、溶融亜鉛浴温度460℃とし、製造する鋼帯のサイズは、0.8mm厚×1.2m幅、めっき付着量は片面45g/mとした。
その他の製造条件および製品品質指標となるスプラッシュ発生量の調査結果を表1に示す。スプラッシュ発生量は、各製造条件で通過した鋼帯長さに対する検査工程でスプラッシュ欠陥ありと判定された鋼帯長さの比率であり、実用上問題とならない軽度のスプラッシュ欠陥を含んでいる。
なお、実験を行った連続溶融亜鉛めっきラインは、通板鋼帯の最小幅は800mm、最大幅は1600mmである。実施例1、2で使用した溶融金属絞り部材の鋼帯対向面に形成されている溝は、鋼帯面に直角方向から見たときに、前記範囲内にあるいずれの幅の鋼帯においても、該鋼帯端部が鋼帯対向面に形成されている少なくとも一条の溝上を走行するように形成されている。1.2m幅の鋼帯では、鋼帯端部は、鋼帯対向面に形成されている1条の溝上を通過する。
Figure 2010144189
通板速度が2.5m/secの条件では、溶融金属絞り部材がない比較例1(従来例)は、スプラッシュ発生率は1.40%であった。断面形状が三角形で鋼帯対向面に溝がない溶融金属絞り部材を使用した比較例2は、比較例1に対して、スプラッシュ発生率がおよそ70%低下した。断面形状が三角形で鋼帯対向面に本発明で規定する溝を設けた溶融金属絞り部材を使用した実施例1は、比較例2に対して、スプラッシュ発生率が34%低下した。
通板速度が4.0m/secの条件では、溶融金属絞り部材がない比較例3は、スプラッシュ発生率は25.32%であった。断面形状が三角形で鋼帯対向面に溝がない溶融金属絞り部材を使用した比較例4は、比較例3に対して、スプラッシュ発生率がおよそ91%低下した。断面形状が三角形で鋼帯対向面に本発明で規定する溝を設けた溶融金属絞り部材を使用した実施例2は、比較例4に対して、スプラッシュ発生率が44%低下し、溶融金属絞り部材を使用しないで2.5m/sで通板させた比較例1よりも低位のスプラッシュ発生率で操業可能であった。
上記のように、通板速度が同じ条件では、断面形状が三角形で鋼帯対向面に本発明で規定する溝を設けた溶融金属絞り部材を使用した場合(実施例1、2)は、溶融金属絞り部材を使用しない場合(比較例1、比較例3)、断面形状が三角形で鋼帯対向面に溝がない溶融金属絞り部材を使用した場合(比較例2、比較例4)に比べて、スプラッシュ発生率が低くなっている。
通板速度が高くなると、いずれの場合もスプラッシュ発生率が高くなるが、スプラッシュ発生率の増加割合=[通板速度が4.0m/secのときのスプラッシュ発生率]/[通板速度が2.5m/secのときのスプラッシュ発生率]で定義すると、断面形状が三角形で鋼帯対向面に本発明で規定する溝を設けた溶融金属絞り部材を使用した場合の方が、溶融金属絞り部材を使用しない場合、断面形状が三角形で鋼帯対向面に溝がない溶融金属絞り部材を使用した場合よりも、スプラッシュ発生率の増加割合が低い。このことから、本発明で規定する溝を設けた溶融金属絞り部材を使用すると、通板速度を速くしたときにスプラッシュの発生を抑制する効果があることがわかる。
本発明の装置は、スプラッシュの発生を低減し、表面外観に優れる溶融金属めっき鋼帯の製造装置として利用することができる。本発明の装置は、高速通板時にもスプラッシュの発生を抑制できるので、表面外観に優れる溶融金属めっき鋼帯を高い生産性を維持して製造する装置として利用することができる。
本発明の溶融金属めっき鋼帯製造装置の一実施形態を示す断面図である。 本発明の溶融金属めっき鋼帯製造装置に使用する溶融金属絞り部材の断面形状の例を説明する図である。 図2(a)の溶融金属絞り部材の鋼帯対向面に形成される溝を鋼帯面に直角方向から見たときの一実施形態を示す。 断面形状が三角形の溶融金属絞り部材が鋼帯対向面に溝を有しないときの鋼帯と溶融金属絞り部材の間の溶融金属の流線を示す。 実施例で使用した溶融金属絞り部材の鋼帯対向面に設けた溝を説明する図である。 一般的な溶融金属めっき鋼帯製造装置を示す断面図である。
符号の説明
S 鋼帯
1 溶融金属絞り部材
2 溶融金属絞り部材
3 ガスワイピングノズル
4 浴上サポートロール
5 浴中サポートロール
7 シンクロール
8 溶融金属めっき浴
9 溶融金属浴槽
10 溶融金属絞り部材の鋼帯対向面の鋼帯幅方向中心線
11 鋼帯進行に伴う随伴流
12 溶融金属絞り部材の上方で鋼帯に向かう流れ
13 溶融金属絞り部材の下端部で分岐した流れ

Claims (3)

  1. 溶融金属めっき浴から連続的に引き上げられる鋼帯の表面に、ガスワイピングノズルから気体を吹き付けて鋼帯表面のめっき付着量の制御を行う溶融金属めっき鋼帯製造装置であって、溶融金属槽の浴面下の鋼帯の両側に、鋼帯と対向して配置した鋼帯巾以上の長さの溶融金属絞り部材を有し、該溶融金属絞り部材は、鋼帯対向面の少なくとも一部に、鋼帯端部近傍の溶融金属の流れを鋼帯中央から鋼帯端部外側に向かう流れにする整流構造を有することを特徴とする溶融金属めっき鋼帯製造装置。
  2. 前記鋼帯端部近傍の溶融金属の流れ方向を鋼帯中央から鋼帯端部外側に向かう流れにする整流構造は、鋼帯走行方向に向かって鋼帯幅方向中心線からの距離が大きくなるように形成された少なくとも一条の連続した溝または突起からなることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属めっき鋼帯製造装置。
  3. 前記溝または突起は、鋼帯面に直角方向から見たときに、通板最大幅から最小幅の範囲内にあるいずれの幅の鋼帯においても、該鋼帯端部が少なくとも一条の溝上または突起上を走行するように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の溶融金属めっき鋼帯製造装置。
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