JP2007204783A - 溶融めっき金属帯の製造装置 - Google Patents

溶融めっき金属帯の製造装置 Download PDF

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和久 壁矢
Hidekazu Suzuki
秀和 鈴木
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Abstract

【課題】鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流に起因する下降流を安価に抑制でき、ドロス付着による欠陥のない高品質な溶融亜鉛めっき鋼帯の製造に好適な溶融亜鉛めっき金属帯の製造装置を提供する。
【解決手段】溶融金属浴を保持するめっき槽と該溶融金属浴中に浸漬通板される金属帯の走行方向を上向きに変更するシンクロールを備えた溶融めっき金属帯の製造装置において、シンクロール通過後の上向きの金属帯パスラインと、該金属帯パスラインに対向しためっき槽内壁面との間の溶融金属浴中に、略鉛直方向の貫通穴を有する部材が設置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶融めっき金属帯の製造装置に関する。
鋼帯などの金属帯を連続してめっきする方法として、金属帯を亜鉛、アルミニウム等の溶融金属中に浸漬してその金属帯の表面にめっきを施す溶融めっき法が知られている。
溶融めっき方法では、冷間圧延された金属帯または熱間圧延された後表面のスケールが除去された金属帯を、無酸化性あるいは還元性の雰囲気に保たれた焼鈍炉において表面酸化膜を除去するとともに焼鈍処理をした後、溶融金属の温度とほぼ同程度まで冷却して、溶融金属浴中に設けられたシンクロールに巻き付けて略V字形の経路で溶融金属中を浸漬通板して、その表面に溶融金属を付着させる。そして、溶融金属浴から引き出された金属帯に、当該金属帯の表裏両面側から挟むように対向して配置されたガスワイピングノズルから噴出するワイピングガスを吹き付けて過剰の溶融金属を払拭して金属付着量の調整を行う。
この溶融めっき法は、電気めっき法と比較した場合、安価にめっき金属帯を製造できる、容易に厚めっきの金属帯を製造できるなど多くの特徴を有している。中でも溶融亜鉛めっき設備によって溶融めっきを施した後、めっき層を合金化処理して製造される合金化溶融亜鉛めっき鋼帯は、耐食性、溶接性および加工性に優れた特性を有するため、主に自動車用鋼帯として広く使用されているが、特に外装用鋼帯として使用される場合には、塗装後の高鮮映性も要求されるなど、品質に対する要求が益々厳しくなっている。さらに昨今の旺盛なニーズに対応するため、増産も強く求められている。
溶融亜鉛めっきのめっき槽内では、鋼帯(ストリップ)から溶出するFeとZnとが反応して、FeZnを主成分とするボトムドロスが生成され、めっき槽底部に堆積する。鋼帯の搬送およびシンクロールの回転に伴い溶融亜鉛浴が流動し、めっき槽底部に堆積したボトムドロスが浴中に巻き上げられて鋼帯に付着することがある。ボトムドロスが付着しためっき鋼帯をプレス加工すると、めっき鋼帯の表面に不均一部分が生じ、鮮映性が損なわれる。また、付着したドロスが金型に損傷を与えるおそれもある。ボトムドロスの巻き上げは、鋼帯の搬送速度が大きいほど激しくなるため、前述のように増産のための増速が求められる状況下では、特に大きな問題となっている。
そこで、ドロスの付着を防止する手段として、浴内にAlを添加し、下記式(1)の反応により、ボトムドロスをFeAlに変えることによって浮上させ、トップドロスとして回収する方法がある。
2FeZn+5Al→FeAl+14Zn … (1)
しかし、Alは合金化を抑制する働きがあるため、合金化溶融亜鉛めっき鋼帯を製造する際に、合金化不良を引き起こすという問題がある。そのため、Al添加によらないドロス付着防止方法が求められている。その一つの手法として、めっき槽底部に堆積したボトムドロスの巻き上げを防止するアプローチが考えられる。
一般にめっき槽内の溶融亜鉛は、鋼帯の搬送およびシンクロールロールの回転に伴い、概ね図5のように流動している。ボトムドロスの巻き上げに関係する下降流には、主に、鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流に起因する成分と、シンクロールの回転に伴いシンクロール端面で発生する回転流に起因する成分の2種類がある。
図5中、(I)は鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流とそれに起因する流れの成分(下降流)である。鋼帯は、シンクロール3通過後上向きに搬送される。この鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流は、鋼帯パスラインに沿って浴面に向かって流れ、浴面に達すると鋼帯から離れる方向に流れ、さらにめっき槽壁面に達するとめっき槽壁面に沿って下方のめっき槽底部に達する。このめっき槽底部に達する下降流の速度が大きいとめっき槽底部に堆積したボトムドロスを巻き上げる。
図5中、(II)はシンクロールの回転に伴いシンクロール端面で発生する回転流とそれに起因する流れの成分(下降流)である。この下降流の速度が大きいとめっき槽底部に達した際にめっき槽底部に堆積したボトムドロスを巻き上げる。
ボトムドロスの巻き上げに対しては、(I)の鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流の下降流の方が(II)のシンクロールの回転に伴いシンクロール端面で発生する回転流に起因する下降流よりも影響が大きい。したがって、ボトムドロス巻き上げを防止するには、(I)の鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流に起因する下降流を抑制することが不可欠である。
下降流によるボトムドロス巻き上げを防止する方法として、例えば特許文献1に、ポット(めっき槽)底部とシンクロール下端との間隔を広く取ることが提案されている。しかし、この手法によれば、(I)の鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流に起因する下降流によるボトムドロスの巻き上げ防止に効果があるが、ポットの大型化が必要となるため、設備費が高価となる。またポットを新設する場合には有効であるが、既存ポットへの適用は困難である。
また、特許文献2には、鋼帯立ち上がり部の出側前面のめっき槽壁に加熱手段を設け、壁面近傍の溶融亜鉛を局所的に加熱して上昇する熱対流を発生させることで(I)の鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流に起因する下降流の抑制を図る手法が提案されている。しかし、加熱手段の設置コストは高価であり、また不適切な加熱をすると浴温分布が乱れ、かえってドロスが発生しやすくなるおそれがあるため、実用化は容易でない。
また、特許文献3には、シンクロールの端面形状を工夫することによりシンクロールの端面で発生する回転流の方向を変えて下降流を抑制する方法が提案され、特許文献4には、シンクロール端面下方に整流板を設けることでシンクロールの端面で発生する回転流の下降流を抑制する方法が提案されている。しかし、これらは(II)のシンクロールの回転に伴いシンクロール端面で発生する回転流に起因する下降流を抑制する効果はあるが、(I)の鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流に起因する下降流を抑制する効果はない。
特開平4−323355号公報 特開2002−275609号公報 特開平7−180015号公報 特開2001−140050号公報
前記したように、従来技術には、(I)の鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流に起因する下降流を安価に抑制できる技術は存在しなかった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、(I)の鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流に起因する下降流を安価に抑制でき、ドロス付着による欠陥のない高品質な溶融亜鉛めっき鋼帯の製造に好適な溶融亜鉛めっき金属帯の製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、めっき槽内に浴内流動の抵抗となる部材を設置することで、(I)の鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流に起因する下降流を安価に抑制できると考えた。一方で、(I)の鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流に起因する流れは浴槽内を循環し、これによって、浴槽内の温度分布を均一化する作用を有しており、この作用は確実に維持する必要がある。したがって、(I)の鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流の流路を大きく変えてめっき槽内によどみ部を生じてしまうような部材は好ましくない。
そこで、本発明者らは浴槽内の温度分布を均一にする作用を損なうことなく、(I)の鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流に起因する下降流を効果的に抑制できる部材構造について種々検討し、本発明を完成するに至った。上記課題を解決する本発明の手段は次のとおりである。
(1)溶融金属浴を保持するめっき槽と該溶融金属浴中に浸漬通板される金属帯の走行方向を上向きに変更するシンクロールを備えた溶融めっき金属帯の製造装置において、シンクロール通過後の上向きの金属帯パスラインと、該金属帯パスラインに対向しためっき槽内壁面との間の溶融金属浴中に、略鉛直方向の貫通穴を有する部材が設置されていることを特徴とする溶融めっき金属帯の製造装置。
(2)前記略鉛直方向の貫通穴を有する部材表面の金属帯幅方向と直角の面への投影面積の総和Sx、金属帯板面と平行な面への投影面積の総和Sy、水平面への投影面積の総和Szは、Sx+Sy>Szの関係を満足することを特徴とする(1)に記載の溶融めっき金属帯の製造装置。
(3)前記貫通穴の法線ベクトルと鉛直線のなす角度が45度以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の溶融めっき金属帯の製造装置。
(4)前記略鉛直方向の貫通穴を有する部材は、浴中ロールを支持する構造体および/またはめっき槽に取り付けられていることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかの項に記載の溶融めっき金属帯の製造装置。
本発明によれば、めっき槽底部に堆積したボトムドロスの巻き上げを安価に防止することができ、従ってドロス付着による欠陥のない高品質な溶融亜鉛めっき鋼帯を安価に製造できるようになる。また、本発明によれば、鋼帯の搬送速度が大きくなってもめっき槽底部に堆積したボトムドロスの巻き上げを防止でき、ドロス付着による欠陥のない高品質な溶融亜鉛めっき鋼帯を高速製造することができる。また、本発明は、めっき槽を新設する場合だけでなく、既存のめっき槽に対しても容易に適用することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る溶融めっき金属帯製造装置の要部構成を示す概略断面図である。図1において、1はめっき槽、2は溶融亜鉛浴、3はシンクロール、4はサポートロール、5aは流動抵抗部材、7は鋼帯である。流動抵抗部材5aは浴内溶融金属の流動の抵抗となる部材である。
鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流およびそれに起因する流れの流路には、(I)の流路に示されるように、流れの方向が略水平になる水平流路と流れの方向が略鉛直になる鉛直流路がある。鉛直流路には、鋼帯7が上向きに搬送されるめっき槽1からの鋼帯立ち上がり部と、鋼帯立ち上がり部に対向しためっき槽1壁面に沿った下降流となる場所とがある。図1の装置では、流動抵抗部材5aは、鋼帯立ち上がり部に対向しためっき槽1壁面に沿った下降流となる場所に浴中に没するようにして設置されている。該流動抵抗部材5aはめっき槽1に固定するようにして設置することができる。流動抵抗部材5aは、溶融金属浴中での耐食性、耐熱性等を考慮し、公知の適宜材料を使用できる。
流動抵抗部材5aには略鉛直方向の貫通穴を設ける。鋼帯7の搬送に伴い発生する随伴流に起因する流れは、貫通穴を通って流れる。その際、貫通穴内の流動抵抗によって流速を低下させ、貫通穴出側の速度がボトムドロス巻き上げを防止できる速度以下の速度となるようにすることでドロスの巻き上げを防止できる。
流動抵抗部材5aの貫通穴は、略鉛直方向の貫通穴であれば、貫通穴の数、寸法、形状は特に限定されない。流動抵抗部材5aの貫通穴の構造例を図2(a)〜(c)に示す。
図2(a)は、断面が円形の管体を複数前後左右に配置され、管体内側および隣り合う管体同士の間隙に貫通穴が形成されている例である。図2(b)は断面が矩形の貫通穴が碁盤目上に配置されている例である。図2(c)は断面が六角形の貫通穴がハニカム状に形成されている例である。なお、図2(a)〜(c)において、二点鎖線1aはめっき槽の壁面を示す。また、図2(a)〜(c)中のW、Tは流動抵抗部材5aの幅、奥行を示す。
貫通穴の形状、寸法および数を調整したり、貫通穴内面にヒダを付けたりする等貫通穴の内面形状を調整したりするなど、部材の溶融亜鉛と接触する部分の表面積を調整することで流動抵抗を調整でき、それによって貫通穴出側の流れの速度を容易に制御できる。従って、(I)の鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流に起因する流れの下降流のめっき槽底部に達するときの速度がボトムドロスを巻き上げない速度となるように適宜の数、寸法、形状の貫通穴を配置することで、(I)の鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流に起因する流れの下降流によるボトムドロスの巻き上げを防止できる。
また、本装置では、鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流に起因する流れは流動抵抗部材5aの貫通穴を通って流れることで、その流路を大きく変えることがないため、めっき槽内の温度分布が不均一となるおそれがない。
流動抵抗部材5aを鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流に起因する流れの水平流路に設置すると貫通穴は略水平方向に設けることが必要にとなり、該部材上面に略水平面が形成されるため、そこにドロスが堆積してしまうおそれがある。本装置では、流動抵抗部材5aを、鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流に起因する流れの鉛直流路に設けることで、ドロスが堆積しやすい水平部分が少なくなり、流動抵抗部材5a上面にドロスが堆積する問題を防止できる。
流動抵抗部材5aの幅Wは通板される金属帯の最大幅を考慮して設定され、通常最大鋼帯幅〜最大鋼帯幅+400mm程度であればよい。流動抵抗部材5aの奥行T、貫通穴の大きさや数、長さは例えば数値流体解析を用いて、対象とする鋼帯搬送速度における下降流のめっき槽底部に到達時の流速が所定流速となるように計算して決めることができる。
ここで、所定流速は、製造品種やめっき槽深さ等により変わるので一概に決定できないが、一例を挙げるとボトムドロスの巻き上げを防止する観点からは、下降流のめっき槽底部に到達時の流速を0.3m/s以下とすることが好ましく、まためっき槽内の温度分布の不均一を防止するには、該流速は0.01m/s以上とすることが好ましい。
鋼帯の搬送速度が大きき場合、それに対応して流動抵抗部材5aの奥行T、貫通穴の大きさ、数、長さを適宜寸法のものを採用することで、鋼帯の搬送速度が大きくなってもドロスの巻き上げを防止することができる。
必要に応じて、寸法の異なる流動抵抗部材5aを複数準備し、鋼帯の搬送速度に応じて寸法の異なる流動抵抗部材5aを取り替えて使用してもよい。上記の流動抵抗部材5aは既存のめっき槽、新設のめっき槽の何れにも容易に設置できる。
流動抵抗部材5a表面(以下、部材表面)の金属帯幅方向と直角の面への投影面積の総和をSx、金属帯板面と平行な面への投影面積の総和をSy、水平面への投影面積の総和をSzとした場合、Sx、Syに対してSzが大きくなりすぎると、該部材表面にドロスが堆積しやすくなったり、効果的に速度を低下できなくなって、部材を大型化することが必要になったりするので、Sx、Sy、Szは、Sx+Sy>Szの関係を満足させることが好ましい。
ここで、部材表面の金属帯幅方向と直角の面への投影面積の総和Sxとは、各貫通穴表面および部材の貫通穴を除く全ての外面の金属帯幅方向と直角の面への投影面積の和である。部材表面の金属帯板面への投影面積の総和Syとは、各貫通穴表面および貫通穴を除く部材の全ての外面の金属帯板面への投影面積の和である。部材表面の水平面への投影面積の総和Szとは、各貫通穴表面および貫通穴を除く部材の全ての外面の水平面への投影面積の和である。
例えば、浴内流動の抵抗となる部材が、矩形断面の角管(内辺寸法:d、厚さt、高さh)を、図2(b)のように、紙面の左右方向(金属帯板面と平行方向)にm個、紙面の上下方向にn個を碁盤目状に配置して接合され、穴の方向が鉛直となるように配置されて形成された場合、W=(d+2t)m、T=(d+2t)nであり、Sx、Sy、Szは以下のようになる。
Sxは、各角管内面の金属帯幅方向と直角の面への投影面積の和+部材外面の金属帯幅方向と直角の面への投影面積の和であり、下記式で計算される。
Sx=2dhmn+2Th
=2dhmn+2(d+2t)nh
Syは、各角管内面の金属帯板面と平行な面への投影面積の和+部材外面の金属帯板面と平行な面への投影面積の和であり、下記式で計算される。
Sy=2dhmn+2Wh
=2dhmn+2(d+2t)mh
Szは部材上面面積(各角管の上面面積の和)+部材下面面積(各角管の下面面積の和)であり、各々下記式で計算される。
Sz=2{(d+2t)−d}nm
また、貫通穴の法線ベクトルと鉛直線のなす角度が大きくなりすぎると、該部材表面にドロスが堆積しやすくなったり、効果的に速度を低下できなくなって、部材を大型化することが必要になったりするので、貫通穴の法線ベクトルと鉛直線のなす角度は開口穴の全ての部分で45度以下となるようにすることが好ましい。
ここで、貫通穴の法線ベクトルとは、貫通穴を流路とする流線の接線方向のベクトルである。図3の装置では、管体の流路が鉛直方向、すなわち流線が鉛直方向(←管体の軸心が鉛直)となるように配置されているので、貫通穴の法線ベクトルが鉛直線となす角度は0度である。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る溶融めっき金属帯製造装置の要部構成を示す概略断面図である。
図3の装置では、流動抵抗部材5bは、(I)の鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流が上昇流となる鋼帯立ち上がり部のサポートロール4下方に浴中に没するようにして設置されている。本装置では、流動抵抗部材5bをシンクロール等の浴中ロールを支持する構造体に固定するなどして設置することができる。
流動抵抗部材5bの形状、寸法等は前記した図1の流動抵抗部材5aの場合と同様にして決定できる。
図4は、本発明の第3の実施形態に係る溶融めっき金属帯製造装置の要部構成を示す概略断面図である。
図4の装置では、シンクロール端面で発生する回転流に起因する下降流を抑制するために、図1の装置に対して整流板6が追加されている。整流板6は、略水平な平坦部と、該平坦部の鋼帯搬送方向上流側に向かって上方に傾斜した傾斜部を有し、該平坦部はシンクロール3の下方に位置するように配置される。シンクロールの回転に伴いシンクロール端面で発生する回転流は整流板6に衝突して流れの方向が図4の(II´)のように変向され、めっき槽底部に向かう下降流がなくなる。整流板6は、めっき槽1に固定するようにして設置してもよいし、シンクロール等の浴中ロールを支持する構造体に固定するなどして設置してもよい。整流板6は、溶融金属浴中での耐食性、耐熱性等を考慮し、公知の適宜材料を使用できる。
図4の装置では、ドロス巻き上げの原因になる2種類の下降流を抑制、すなわち(I)の鋼帯の搬送に伴い発生する随伴流に起因する下降流を抑制するだけでなく、(II)のシンクロールの回転に伴いシンクロール端面で発生する回転流に起因する下降流を抑制できるので、ドロス付着による欠陥のない高品質な溶融亜鉛めっき鋼帯の製造により好適である。
本発明は、ドロス付着による欠陥のない高品質な溶融亜鉛めっき鋼帯を製造する装置として利用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る溶融めっき金属帯製造装置の要部構成を示す概略断面図である。 本発明の溶融めっき金属帯製造装置に設置される流動抵抗部材の構造例を説明する断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る溶融めっき金属帯製造装置の要部構成を示す概略断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る溶融めっき金属帯製造装置の要部構成を示す概略断面図である。 めっき槽内の浴内流動を説明する図である。
符号の説明
1 めっき槽(ポット)
2 溶融亜鉛
3 シンクロール
4 サポートロール
5a、5b 流動抵抗部材
6 整流板
7 金属帯

Claims (4)

  1. 溶融金属浴を保持するめっき槽と該溶融金属浴中に浸漬通板される金属帯の走行方向を上向きに変更するシンクロールを備えた溶融めっき金属帯の製造装置において、シンクロール通過後の上向きの金属帯パスラインと、該金属帯パスラインに対向しためっき槽内壁面との間の溶融金属浴中に、略鉛直方向の貫通穴を有する部材が設置されていることを特徴とする溶融めっき金属帯の製造装置。
  2. 前記略鉛直方向の貫通穴を有する部材表面の金属帯幅方向と直角の面への投影面積の総和Sx、金属帯板面と平行な面への投影面積の総和Sy、水平面への投影面積の総和Szは、Sx+Sy>Szの関係を満足することを特徴とする請求項1に記載の溶融めっき金属帯の製造装置。
  3. 前記貫通穴の法線ベクトルと鉛直線のなす角度が45度以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶融めっき金属帯の製造装置。
  4. 前記略鉛直方向の貫通穴を有する部材は、浴中ロールを支持する構造体および/またはめっき槽に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかの項に記載の溶融めっき金属帯の製造装置。
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