JP2011195938A - 溶融金属めっき鋼帯のガスワイピング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スプラッシュの発生を安定して低減できる溶融金属めっき鋼帯のガスワイピング装置を提供する。
【解決手段】溶融金属めっき浴から連続的に引き上げられる鋼帯(11)の表面に、ガスワイピングノズル(12)から気体を吹き付け、鋼帯表面のめっき付着量制御を行う溶融金属めっき鋼帯のガスワイピング装置において、鋼帯(11)の両側に配置されたガスワイピングノズル(12)から噴射されたガス噴流の衝突位置またはその近傍に、鋼帯端部に近接して整流体(14)を設置する。
【選択図】図3

Description

本発明は、溶融めっきプロセスにおいて、スプラッシュの発生を低減し、表面外観に優れる溶融金属めっき鋼帯を安定して製造できる溶融金属めっき鋼帯のガスワイピング装置に関するものである。
連続溶融めっきプロセス等においては、図1に示すように、一般に溶融金属からなるめっき浴2に鋼帯1を浸漬させ、シンクロール3で方向転換した後、該鋼帯1を鉛直上方に引き上げる工程の後に、鋼帯表面に付着した溶融金属が板幅方向および板長手方向に均一に所定のめっき厚になるように、この鋼帯1を挟んで対向して設けた鋼帯幅方向に延在するガスワイピングノズル5から加圧気体を鋼帯面に噴出させて、余剰な溶融金属を絞り取り、溶融金属の付着量(めっき付着量)を制御するガスワイピング装置が設けられている。
ガスワイピング部での鋼帯走行位置を安定化させるために、通常、シンクロール3上方の浴面下にめっき浴中サポートロール4が配置され、また合金化処理等を行う場合は必要に応じてガスワイピングノズル5上方にサポートロール6が設置される。
ガスワイピングノズル5は、多様な鋼帯幅に対応すると同時に鋼帯引き上げ時の幅方向のズレなどに対応するため、通常、鋼帯幅より長く、すなわち鋼帯の幅端部より外側まで延びている。このようなガスワイピング装置では、鋼帯に衝突した噴流の乱れによって下方に落下する溶融金属が周囲に飛び散る、いわゆるスプラッシュが発生して、鋼帯の表面品質の低下を招く。
連続プロセスにおいて、生産量を増加させるには、鋼帯通板速度を増加させればよいが、連続溶融めっきプロセスにおいてガスワイピング方式でめっき付着量を制御する場合、溶融金属の粘性により、鋼帯通板速度の増加に伴って鋼帯のめっき浴通過直後の初期付着量が増加するため、めっき付着量を一定範囲内に制御するには、ワイピングガス圧力をより高圧に設定せざるを得ず、それによってスプラッシュが増加し、鋼帯の表面品質のさらなる低下を招く。
スプラッシュの発生を防止する以下の技術が開示されている。
特許文献1には、鋼帯両端部の外側にバッフルプレートを設け、さらにバッフルプレートの鋼帯側コーナー下部に、鋼帯端部付近の噴射ガスの流れを内向きに変える傾斜ガイドを設けることが開示されている。
特許文献2には、主として鋼帯に付着した溶融金属の付着量を制御するワイピングノズル(主ノズル)の周囲に補助的なノズル(副ノズル)を配置し、主ノズルと副ノズルの仕切り板の噴出口先端を鋭角にし、尚且つ主ノズルに対して副ノズルを5〜20°傾け、ポテンシャル・コアを長くすることで、付着量の絞り性を向上させ、スプラッシュが発生しやすくなるノズルと鋼帯の近接化を行わずに必要なワイピング力を保持し、スプラッシュを抑制する技術が開示されている。
特開2003−321756号公報 特開平10−204599号公報
ところが、特許文献1、2に開示された技術では、ライン速度、めっき付着量、鋼帯の反り量などの操業条件の変化によって、スプラッシュが発生しにくい最適条件が異なるため、一時的にスプラッシュの発生を低減することができても、安定してスプラッシュの発生を低減することができなかった。
本発明は、スプラッシュの発生を安定して低減できる溶融金属めっき鋼帯のガスワイピング装置を提供することを課題とする。
鋼帯端部でスプラッシュが発生しやすいのは、鋼帯がない部分では、鋼帯の両側に配置されたガスワイピングノズルから噴射されるガス噴流同士が衝突して噴流の方向が上下に振動する振動現象が発生することが主たる原因である。本発明は、鋼帯の両側に配置されたガスワイピングノズルからのガス噴流の衝突位置またはその近傍に、鋼帯端部に近接して整流体を配置してこの振動現象の発生そのものを防止することで、鋼帯端部におけるスプラッシュ(以下、エッジスプラッシュ)の発生を低減するものである。
上記課題を解決する本発明の手段は、次のとおりである。
[1]溶融金属めっき浴から連続的に引き上げられる鋼帯の表面に、ガスワイピングノズルから気体を吹き付け、鋼帯表面のめっき付着量制御を行う溶融金属めっき鋼帯のガスワイピング装置において、鋼帯の両側に配置されたガスワイピングノズルから噴射されたガス噴流の衝突位置またはその近傍に、鋼帯端部に近接して整流体を設置することを特徴とする溶融金属めっき鋼帯のガスワイピング装置である。
[2]前記[1]において、前記整流体は、鋼帯面と直角の鉛直面に投影したときの鋼帯長手方向投影長さがガスワイピングノズルのスリットギャップの1.3倍以下であることを特徴とする溶融金属めっき鋼帯のガスワイピング装置である。
[3]前記[1]または[2]において、前記整流体は、鋼帯面と平行な面に投影したときの鋼帯幅方向投影長さが0.1mm以上であることを特徴とする溶融金属めっき鋼帯のガスワイピング装置である。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかにおいて、前記整流体と鋼帯端部の間隔が20mm以下であることを特徴とする溶融金属めっき鋼帯のガスワイピング装置である。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかにおいて、前記整流体の高さ位置は、鋼帯の両側に配置されたガスワイピングノズルから噴射された気体の衝突位置を高さ0mmとしたときに、高さ+2mm〜−4mmの範囲内にあることを特徴とする溶融金属めっき鋼帯のガスワイピング装置である。
本発明によれば、スプラッシュ発生源となるガスワイピングから噴射されるガス噴流の衝突による振動現象を抑制できることから、スプラッシュの発生量を安定して低減し、表面欠陥の無いめっき鋼帯を安定製造することが可能となる。
一般的な連続溶融金属めっき鋼帯の製造装置を示す縦断面図である。 エッジスプラッシュの発生機構を説明する図である。 整流体の寸法形状、配置位置を説明する図で、(a)はガスワイピングノズル上方からガスワイピングノズル部を見たときの平面図、(b)は(a)のX−X矢視断面拡大図、(c)は(a)のY−Y断面拡大図である。 整流体の鋼帯長手方向投影長さ(L)、スリットギャップ(B)とスプラッシュ量の関係を調査した結果を示す。 整流体と鋼帯端部の間隔(D)とスプラッシュ量の関係を示す。 整流体の鋼帯幅方向の厚み(T)とスプラッシュ量の関係を示す。 整流体の高さ位置(H)とスプラッシュ量の関係を示す。 整流体の作用を説明する図である。 実施例に使用した整流体の形状を示す図で、(a)は鋼帯面と平行な面への投影図、(b)は鋼帯面と直角の鉛直面への投影図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
溶融金属めっき浴から連続的に引き上げられる鋼帯の表面に、ガスワイピングノズルからガスを吹き付けてめっき付着量の制御を行う際に発生する溶融金属のスプラッシュの多くは、鋼帯端部から発生するエッジスプラッシュである。エッジスプラッシュが発生しやすいのは、以下の理由によると考えられる。
鋼帯の両側に対向して配置されたガスワイピングノズルから吐出されたガス噴流は、鋼帯センター部では、鋼帯に衝突した後は単独噴流のまま壁面噴流となるのに対し、鋼帯端部では、両側のガスワイピングノズルからのガス噴流が衝突する。鋼帯端部の外側では、この衝突によって、図2(a)〜(d)に示すように、両方のガスワイピングノズルから噴射されたガス噴流が互いに衝突((a)、(c))と、互いに上下の反対方向への離反((b)、(d))を繰り返し、上下に振動する。この振動現象によって、鋼帯端部ではガスの速度変動(乱れ)が大きくなり、スプラッシュが発生しやすくなる。
本発明者は、鋼帯端部外側の両方のガスワイピングノズルからのガス噴流の衝突位置またはその近傍に整流体を配置して、両方のガスワイピングノズルから噴射されたガス噴流が鋼帯端部外側で上下に振動するのを防止することを着想した。
そこで、溶融亜鉛めっきプロセスを再現できる溶融亜鉛めっきワイピングシミュレーターを用いて、鋼帯端部外側の両方のガスワイピングノズルからのガス噴流の衝突部に整流体を配置し、その作用を調査した。整流体は、鋼帯面と直角の鉛直断面の断面形状が円形で、鋼帯面に平行な断面の断面形状が楕円をなす球体を長軸に垂直な断面で2等分にしたものとし、これをバッフルプレートの鋼帯側端部に取り付けた。
図3は、整流体の寸法形状、配置位置を説明する図で、(a)はガスワイピングノズル上方からガスワイピングノズル部を見たときの平面図、(b)は(a)のX−X矢視断面拡大図、(c)は(a)のY−Y断面拡大図である。(c)では、鋼帯11の一方の側のガスワイピングノズルは記載されていない。図3において、11は鋼帯、12はガスワイピングノズル、13はバッフルプレート、14は整流体、15はスリットギャップである。12a、12bはノズル部材、一点鎖線16は噴流の衝突位置である。
整流体の高さは、整流体を鋼帯面と直角の鉛直面に投影したときの鋼帯長手方向投影長さで、図3(c)中の“L”である。
整流体の厚みは、整流体を鋼帯面と平行な面に投影したときの整流体の鋼帯幅方向投影長さで、図3(b)中の“T”である。
整流体の高さ位置は、鋼帯両側のガスワイピングノズルから噴射されたガス噴流の衝突位置を基準位置(高さ0mm)としたときに、整流体の鋼帯幅方向投影長さがTとなる部分(整流体の鋼帯端部最近接部)の基準位置からの高さで、図3(b)中の“H”である。なお、ガス噴流の衝突位置は、鋼帯両側のガスワイピングノズルの噴流中心の幾何学的な衝突位置である。H=0mmは、整流体の鋼帯端部最近接部がガス噴流の衝突位置にあり、H>0mmは整流体の鋼帯端部最近接部がガス噴流の衝突位置より上にあり、H<0mmは、整流体の鋼帯端部最近接部がガス噴流の衝突位置より下にあることを意味する。整流体の鋼帯端部最近接部が鋼帯長手方向にある長さを有しているときは、その中間位置を整流体の高さ位置とする。
スリットギャップは、図3(b)中の“B”、整流体と鋼帯端部の間隔は、図3(b)中の“D”である。
ガスワイピングノズルは鋼帯幅方向長さが300mmのものを使用し、ガス圧を0.8kgf/cm、ノズル−鋼帯距離を10mmに固定し、溶融亜鉛めっき浴温は460℃とし、板厚0.4mm×板幅150mmの鋼帯を2.5m/sで通板し、整流体の寸法、配置条件及びスリットギャップを種々変更し、ガスワイピングノズル下方に飛散するスプラッシュを捕集し、捕集したスプラッシュ量を調査した。以下に調査結果と本発明の限定理由を説明する。
標準条件は次の条件である。
スリットギャップ(B):1.0mm、整流体の投影長さ(L):0.2mm、整流体の厚み(T):2mm、整流体高さ位置(H):0mm、整流体の鋼帯端部の間隔(D):8mm
以下の各図で、横軸以外の条件は上記標準条件に固定している。スプラッシュ量は、鋼帯とバッフルプレートの間隔が20mm、スリットギャップが1.0mmで整流体がないときのスプラッシュ量を基準とし、それに対する比で評価した。
図4は、整流体の鋼帯長手方向投影長さ(L)、スリットギャップ(B)とスプラッシュ量の関係を調査した結果を示す。整流体の鋼帯長手方向投影長さ(L)のスリットギャップ(B)に対する比(投影距離比)L/Bとスプラッシュ量の間によい相関関係がある。L/Bが約0.3でスプラッシュ量は最小値をとる。L/Bが約0.3未満ではスプラッシュ量は若干増加するが、L/Bが0.1以上では十分に低いレベルにある。L/Bが約0.3より大きいと、L/Bが大きくなるほどスプラッシュ発生量多くなる。スプラッシュ量の発生を防止する点から、鋼帯面と直角の鉛直面に投影したときの鋼帯長手方向投影長さ(L)がガスワイピングノズルのスリットギャップ(B)の1.3倍以下であることが好ましい。
スプラッシュを低減するには、整流体の高さを、鋼帯の両側に配置されたガスワイピングノズルからのガス噴流の衝突位置におけるガス噴流の幅(鋼帯進行方向の噴流幅)に応じた高さにすることが重要と考えられる。ガス噴流の衝突位置におけるガス噴流の幅は、ガスワイピングノズルのスリットギャップ(B)の外に、ノズル−整流体距離も影響するが、ノズル−整流体距離が10mm±5程度の範囲であり、この程度の範囲では、ノズル−整流体距離のガス噴流の幅に対する影響が小さいため、スプラッシュ発生量は、図4に示すように、L/Bで整理できたと考えられる。
なお、ガスワイピングノズルのスリットギャップは、通常0.5〜2.0mm、多くは0.8〜1.2mmであるから、整流体の鋼帯長手方向投影長さ(L)は、通常0.15〜3.3mm、多くは0.24〜2.0mmである。このことから、長さの小さい部材でよいことがわかる。
図5は、整流体と鋼帯端部の間隔(D)とスプラッシュ量の関係を示す。整流体と鋼帯端部の間隔が1〜20mmの範囲でスプラッシュ量の低減効果が顕著に認められ、1〜12mmの範囲でより顕著な効果が認められる。整流体と鋼帯端部の間隔(D)が小さすぎると、整流体が鋼帯に接触するおそれがあり、この点から整流体と鋼帯端部の間隔(D)は3mm以上がより好ましい。したがって、整流体と鋼帯端部の間隔(D)は1〜20mmが好ましく、1〜12mmがより好ましく、3〜12mmがさらに好ましい。
図6は、整流体の鋼帯幅方向の厚み(T)とスプラッシュ量の関係を示す。図6は、横軸の厚みTが6mm以下の領域は、厚みTが10mm以上の領域よりも横軸が拡大して示されている。厚みが0.1mm以上でスプラッシュ量の低減効果が顕著に認められる。0.1mm未満の厚みは、強度的な問題もある。このことから、整流体の鋼帯幅方向の厚みは、0.1mm以上とすることが好ましい。1mm以上になると、スプラッシュ量の低減効果がより安定して得られるのでより好ましい。鋼帯幅方向厚み(T)が大きすぎるとスプラッシュ発生量が増加するので、鋼帯幅方向厚み(T)は、33mm以下が好ましく、15mm以下がより好ましい。
バッフルプレートだけでスプラッシュを低減するとバッフルプレートを鋼帯端部から5mm程度の距離まで近接する必要があることが分かっている。しかし、バッフルプレートを鋼帯端部に近接しすぎると、ガス噴流の衝突によって鋼帯端部で発生した溶融金属のスプラッシュが、バッフルプレートのガスワイピング位置より下方の鋼帯側端部に付着し、スプラッシュの発生を抑制する効果が損なわれる。この問題を防止するには、バッフルプレートと鋼帯端部の距離を10mm以上にする必要がある。
整流体をバッフルプレートの鋼帯側端部に取り付けることで、ガス噴流の衝突によるスプラッシュの発生を低減できるが、バッフルプレートと鋼帯端部の間隔(整流体の鋼帯幅方向の厚み(T)と整流体と鋼帯端部の間隔(D)の和T+D)が10mm未満になると、ガス噴流の衝突によって発生した溶融金属のスプラッシュが、バッフルプレートのガスワイピング位置より下方の鋼帯側端部に付着し、スプラッシュの発生を抑制する効果が損なわれるおそれがある。したがって、整流体の鋼帯幅方向の厚み(T)と整流体と鋼帯端部の間隔(D)の和T+Dは10mm以上にすることが好ましい。T+Dが大きすぎるとスプラッシュの発生を低減する効果が低下するので、T+Dは40mm以下が好ましい。
図7は、整流体の高さ位置(H)とスプラッシュ量の関係を示す。整流体の高さ位置(H)が−1mm程度でスプラッシュ量は最小値をとる。整流体の高さ位置(H)が+2mm〜−4mmの範囲にあるとスプラッシュ量の低減効果が顕著に認められ、+1mm〜−3mmの範囲にあるとより顕著な効果が認められる。このことから、整流体の高さ位置(H)は、+2mm〜−4mmの範囲にあることが好ましく、+1mm〜−3mmの範囲にあることがより好ましい。
整流体を鋼帯面と直角の鉛直面に投影したときのガス噴流方向投影長さ(図3(c)中の“W”)が長すぎると、ガスワイピングノズルに整流体が近接しすぎて、当該部分のガスが出にくくなる可能性があるため、ノズル−ノズル距離の1/2以下が好ましい。整流体を鋼帯面と直角の鉛直面に投影したときのガス噴流方向投影長さが0.1mm未満では強度的な問題があるので、0.1mm以上とすることが好ましい。したがって、整流体を鋼帯面と直角の鉛直面に投影したときのガス噴流方向投影長さは、0.1mm以上、ノズル−ノズル距離の1/2以下が好ましい。通常、ノズル−ノズル間距離は10〜30mmであるので、整流体を鋼帯面と直角の鉛直面に投影したときのガス噴流方向投影長さは、長い場合でも通常15mm以下である。
以上説明したように、整流体を鋼帯端部近傍に適切な条件で配置することでスプラッシュの発生を低減できる。この理由は、次のように考えられる。
図8に示すように、鋼帯端部外側のガス噴流の衝突位置またはその近傍に整流体を配置することで、鋼帯の両側のガスワイピングノズルからのガス噴流が整流体に衝突して上下に分流し、安定した流れとなり、衝突噴流特有の振動現象の発生が抑制される。衝突噴流による振動現象が抑制されることで、スプラッシュの発生が抑制される。
なお、整流体の形状は特に規定しないが、流れに対して、過度に抵抗となるものは流れを乱し、スプラッシュの発生を増大させるおそれがあるので避ける方が良い。
整流体を鋼帯端部に近接して配置できれば、配置手法が限定されないが、公知のバッフルプレートの鋼帯端部に対向する端部に取り付けるのが簡易である。整流体を水平面に投影したときの鋼帯面と直角方向の厚みは、バッフルプレートの厚みより厚くても薄くてもよい。
板厚1.0mm、板幅1000mmの鋼帯を、通板速度2.5m/sで片面めっき付着量を45〜50g/mに制御した溶融亜鉛めっき鋼帯の製造例を説明する。
ガスワイピングノズルはスリットギャップ(B)を1.0mm、ノズル−鋼帯距離を10mmとし、鋼帯の両端部外側のガスワイピングノズルのガス噴流の衝突位置にバッフルプレート(幅100mm×高さ50mm×厚み5mm)を固定配置し、該バッフルプレートの鋼帯端部対向側端部に整流体を取り付けた場合、取り付けない場合のスプラッシュ欠陥の発生量を調査した。
整流体は、鋼帯面に直角の鉛直断面の断面形状が円形で、水平面の断面形状が楕円である球体を長軸に垂直な面で2等分にしたものを作成し、これを図9に示すようにバッフルプレートの鋼帯端部対向側端部に貼り付けた。整流体は鋼帯幅方向厚み(T)が10mm、鋼帯長手方向投影長(L)が0.2mmである(投影距離比L/Bは0.2である。)。整流体を取り付けた場合、整流体の高さ位置(H)が0mm、鋼帯端部との間隔(D)が3mmとなるようにした。整流体を取り付けない場合、バッフルプレートと鋼帯端部との間隔は13mmにした。
その結果、バッフルプレートのみの従来例は、スプラッシュ欠陥の発生量が1.13%であったのに対して、バッフルプレートに整流体を取り付けた本発明例は、スプラッシュ欠陥の発生量は0.09%に減少した。尚、スプラッシュの発生量は、各製造条件で通過した鋼帯長さに対する検査工程でスプラッシュ欠陥ありと判定された鋼帯長さの比率であり、実用上問題とならない軽度のスプラッシュ欠陥を含んでいる。
本発明の装置は、スプラッシュの発生を低減し、表面外観に優れる溶融金属めっき鋼帯の製造設備として利用することができる。
1、11 鋼帯
2 めっき浴
3 シンクロール
4 めっき浴中サポートロール
5、12 ガスワイピングノズル
6 サポートロール
12a、12b ノズル部材
13 バッフルプレート
14 整流体
15 スリットギャップ
16 噴流の衝突位置

Claims (5)

  1. 溶融金属めっき浴から連続的に引き上げられる鋼帯の表面に、ガスワイピングノズルから気体を吹き付け、鋼帯表面のめっき付着量制御を行う溶融金属めっき鋼帯のガスワイピング装置において、鋼帯の両側に配置されたガスワイピングノズルから噴射されたガス噴流の衝突位置またはその近傍に、鋼帯端部に近接して整流体を設置することを特徴とする溶融金属めっき鋼帯のガスワイピング装置。
  2. 前記整流体は、鋼帯面と直角の鉛直面に投影したときの鋼帯長手方向投影長さがガスワイピングノズルのスリットギャップの1.3倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属めっき鋼帯のガスワイピング装置。
  3. 前記整流体は、鋼帯面と平行な面に投影したときの鋼帯幅方向投影長さが0.1mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の溶融金属めっき鋼帯のガスワイピング装置。
  4. 前記整流体と鋼帯端部の間隔が20mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の溶融金属めっき鋼帯のガスワイピング装置。
  5. 前記整流体の高さ位置は、鋼帯の両側に配置されたガスワイピングノズルから噴射された気体の衝突位置を高さ0mmとしたときに、高さ+2mm〜−4mmの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の溶融金属めっき鋼帯のガスワイピング装置。
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