JP6221765B2 - 車載調光装置 - Google Patents
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Description
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遮光の目的を果たしつつもユーザの視界を極力確保することのできる車載調光装置を提供することにある。
技術的思想1:可撓性を有する膜体で構成され、入射する光を制御する光制御部材と、光制御領域を区画形成しているフレームと、前記フレームに取り付けられた透明部材と、前記光制御部材のうちの一部および別の一部のそれぞれを1の前記光制御領域の法線方向に並べて配置することによって前記一部および前記別の一部の双方を前記光制御領域に配置することで、前記一部および前記別の一部のそれぞれを第1光制御部および第2光制御部として且つ、前記光制御部材を変位させることで前記光制御部材のうち前記第1光制御部となる部分および前記第2光制御部となる部分の少なくとも一方を変更する変更部材とを備え、前記光制御部材は、前記透明部材の一方の面に沿って延びているとともに、前記透明部材の端部において折り返されて前記透明部材の他方の面に沿って延びており、前記第1光制御部は前記透明部材の一方の面に沿って延びる部分であり、前記第2光制御部は前記透明部材の他方の面に沿って延びる部分であり、前記変更部材は、前記膜体の両端部のそれぞれに接続されてそれら端部の膜体を巻き取る巻取部を備え、前記両端部のうちのいずれか一方が巻き取られることで他方が解かれて前記膜体のうち前記第1光制御部となる部分と前記第2光制御部となる部分との組み合わせを変更し、当該変更により車両の外部から前記光制御領域に入射した光が該光制御領域を透過する量を調整する車載調光装置。
また、第1光制御部と第2光制御部とを膜体の互いに相違する部分として、この膜体の両端部に巻取部を備える構成とする。このため、第1光制御部を構成する膜体と第2光制御部を構成する膜体とを各別として且つ、各膜体のそれぞれの両端部に巻取部を備える場合と比較して、部品点数を低減することができる。
所定の光を選択的に透過させるものが、光制御領域の法線方向において複数並べて配置される場合、それらの位置関係をずらすことで、並べて配置された1つの部材を透過した光に対する別の部材の吸収率や反射率を可変とすることができる。上記装置では、この点に鑑み、光制御部材を選択した。
光制御部材として上記偏光フィルムを採用する場合、光制御領域に位置する部分を変更することで、その部分の偏光軸の方向を可変とすることができる。そして、これにより、第1光制御部を透過した光に対する第2光制御部による吸収率を可変とすることができる。したがって、上記装置では、偏光フィルムを利用して調光機能を持たせることができる。
以下、車載調光装置の第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。図示されるサンバイザー20は、フロントガラス10を介して車両の外部からシート12に着席しているユーザへと照射する光の量を調整する調光装置である。サンバイザー20は、ユーザに照射される光の量を制御する光制御領域をフレーム22によって区画形成している。光制御領域は、複数(ここでは、模式的に4個を記載)の光制御領域a1,a2,a3,a4に分割されている。
図示されるように、サンバイザー20は、フレーム22によって区画形成される光制御領域a2を覆う偏光フィルム40を備えている。偏光フィルム40のうち、光制御領域a2に位置する部分は、第1光制御部40Fおよび第2光制御部40Bを構成する。ここで、第1光制御部40Fおよび第2光制御部40Bは、光制御領域a2の法線方向Nに対向配置されている。特に、第1光制御部40Fは、図1に示したフロントガラス10側に位置し、第2光制御部40Bは、図1に示したシート12側に位置する。
図3(a)に示されるように、第1光制御部40Fおよび第2光制御部40Bには、いずれも、選択的に透過させる直線偏光の向き(偏光軸)が第1方向pa1となる矩形状の領域A1と、偏光軸が第2方向pa2となる矩形状の領域A2とが交互に形成されている。ここで、第1方向pa1と第2方向pa2とは、互いに直交する関係となっている。そして、複数の領域A1同士の寸法や、複数の領域A2同士の寸法、さらには領域A1と領域A2とのそれぞれの寸法は、互いに等しくなっている。これは、偏光フィルム40を、領域A1と領域A2とが交互に形成されたフィルムとすることで実現することができる。
(1)第1光制御部40Fの領域A1および領域A2と、第2光制御部40Bの領域A1および領域A2との相対的な位置関係を変更可能とした。これにより、第1光制御部40Fを透過した光のうち、第2光制御部40Bを透過する率を変更することができ、ひいては、フロントガラス10から入射した光のうちサンバイザー20の光制御領域a1〜a4を透過する率を変更することができる。
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図示されるように、本実施形態では、光を制御するための光制御部材として、偏光フィルムに代えて、ルーバ内蔵フィルム60を用いる。そして、ルーバ内蔵フィルム60の一方の端部を第1巻取部28に接続し、他方の端部を第2巻取部30に接続する。これにより、フレーム22によって区画された領域のうち透明板26よりもフロントガラス10側に第1光制御部60Fが形成され、シート12側に第2光制御部60Bが形成される。
以下、上記「課題を解決するための手段」に記載された技術的思想と、実施形態との代表的な対応関係を記載する。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
4つの光制御領域a1〜a4に限らない。隣接する複数の光制御領域の数が多いほど、必要な部分のみ遮光しつつも、ユーザの視界を遮ることを極力抑制することができる。
なお、たとえばサンバイザー20が、単一の光制御領域のみを備えるものであったとしても、上記第1の実施形態や第2の実施形態に例示した調光機能を付与することは有効である。
偏光フィルム40やルーバ内蔵フィルム60の両端部のそれぞれを巻き取る巻取部を備えるものに限らない。たとえば、第1光制御部40F,60Fとなる光制御部材と、第2光制御部40B,60Bとなる光制御部材とを互いに切り離された部材とし、切り離された一対の部材のうちの少なくとも一方の両端部に、巻取部を備えるようにしてもよい。すなわち、たとえば第1光制御部40F,60Fについては光制御部材の所定の領域が光制御領域a1〜a4のそれぞれに割り当てられて固定され、第2光制御部40B,60Bについては、光制御部材の互いに相違する領域が第2光制御部40B,60Bを構成しうるようにしてもよい。ここで、第2光制御部40B,60Bは、たとえば、光制御領域a1〜a4のそれぞれに、各別の光制御部材を設け、光制御部材のうち、対応する領域に位置する部分を、巻取部を用いて変更すればよい。
偏光軸が互いに直交する領域A1と領域A2とが交互に出現するものに限らない。たとえば、領域A1と領域A2との間に、偏光軸が第1方向pa1および第2方向pa2の双方と同一角度だけずれた第3の領域を有するものであってもよい。この場合であっても、全透過状態から遮断状態まで、透過量を調整することができる。
光制御領域a1〜a4のそれぞれの法線方向Nに、フィルム面同士が互いに対向するようにして2つ並べて配置するものに限らず、3つ以上並べて配置するものであってもよい。この場合であっても、そのうちの1つによって第1光制御部を構成して且つ、別の1つによって第2光制御部を構成し、光制御部材を変位させることで光制御部材のうち第1光制御部および第2光制御部の少なくとも一方となる部分を変更することで、調光機能を持たせることができる。さらに、この場合、並べて配置された3つ以上のフィルム面のうち第1光制御部および第2光制御部のいずれでもない第3光制御部について、光制御部材を変位させることで第3光制御部になる部分をも変更してもよい。
これらを有することは必須ではない。たとえば、光制御部材として、直線偏光の向きや入射角に対して吸収率や反射率に顕著な相違を有しないものの、光の吸収率や反射率が互いに顕著に相違する複数の領域を有するものを用い、光制御領域に位置する部分を変更するなら、調光機能を持たせることができる。そして、この際、光制御領域a1〜a4の各別に、光制御領域に位置する部分を変更可能とするなら、遮光したい部分を遮光しつつも、ユーザの視界を極力広くすることができる。
ルーバ62の形状や配置手法としては、上記第2の実施形態(図5)に例示したものに限らない。たとえば、図6に例示されるものであってもよい。図6は、図5(a)に対応する断面図である。このルーバ62aは、シート12側に行くほど太くなるテーパ上の部材である。特に、フィルム面に平行な面によるルーバ断面を、フロントガラス10側からシート12側へとシフトさせた際の断面の重心の変位方向がフィルム面の法線方向に平行となっている。この場合、光の入射角が法線方向から大きくずれことで、透過率が大きく低下する特性を有した光制御部材となる。そして、第1光制御部60Fのルーバ62aに対する第2光制御部60Bのルーバ62aの位置をずらすことで、第1光制御部60Fを透過した光を第2光制御部60Bのルーバ62aによって遮断することができる。
車両のフロントガラスを介して車室内に照射される光の量を調節するサンバイザーに限らない。たとえば、車両のウィンドウガラスを介して透過する光を調節するために調光装置を用いてもよい。これは、たとえば、ウィンドウガラスの面に複数の偏光フィルムの面を対向配置して且つ、それら偏光フィルムの面同士の位置関係を変更可能とすることで実現することができる。
Claims (4)
- 可撓性を有する膜体で構成され、入射する光を制御する光制御部材と、
光制御領域を区画形成しているフレームと、
前記フレームに取り付けられた透明部材と、
前記光制御部材のうちの一部および別の一部のそれぞれを1の前記光制御領域の法線方向に並べて配置することによって前記一部および前記別の一部の双方を前記光制御領域に配置することで、前記一部および前記別の一部のそれぞれを第1光制御部および第2光制御部として且つ、前記光制御部材を変位させることで前記光制御部材のうち前記第1光制御部となる部分および前記第2光制御部となる部分の少なくとも一方を変更する変更部材とを備え、
前記光制御部材は、前記透明部材の一方の面に沿って延びているとともに、前記透明部材の端部において折り返されて前記透明部材の他方の面に沿って延びており、
前記第1光制御部は前記透明部材の一方の面に沿って延びる部分であり、
前記第2光制御部は前記透明部材の他方の面に沿って延びる部分であり、
前記変更部材は、前記膜体の両端部のそれぞれに接続されてそれら端部の膜体を巻き取る巻取部を備え、前記両端部のうちのいずれか一方が巻き取られることで他方が解かれて前記膜体のうち前記第1光制御部となる部分と前記第2光制御部となる部分との組み合わせを変更し、当該変更により車両の外部から前記光制御領域に入射した光が該光制御領域を透過する量を調整する車載調光装置。 - 前記光制御領域は、互いに隣接して配置される複数の領域からなり、
前記光制御部材は、前記複数の領域のそれぞれに配置されるものであり、
前記変更部材は、前記光制御部材のうち前記第1光制御部となる部分および前記第2光制御部となる部分の少なくとも一方を、前記複数の領域の各領域毎に独立に変更することが可能である請求項1記載の車載調光装置。 - 前記光制御部材は、所定の光を選択的に透過させるものである請求項1または2記載の車載調光装置。
- 前記光制御部材は、偏光軸が互いに相違する領域を有した偏光フィルムである請求項1,2,または3のいずれか1項に記載の車載調光装置。
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