JP6221522B2 - 振動アクチュエータ、レンズ鏡筒及びカメラ - Google Patents
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Description
請求項1の発明は、電圧の印加により変位する素子と、駆動信号が入力された前記素子の振動により所定の振動モードの振動で駆動面に振動波を生じる弾性体と、前記弾性体の駆動面に接触し、前記振動波によって駆動される移動子と、を有する振動アクチュエータ本体を有し、入力信号の周波数によって前記移動子の回転又は停止を切り替える制御部を有し、前記制御部は、前記移動子が回転しない所定の周波数領域まで入力信号の周波数を掃引し、前記振動アクチュエータ本体を停止保持する周波数範囲をfstop、前記振動アクチュエータ本体の駆動に使用する振動モードの共振周波数をfn、前記fnに対し高周波数側の隣の振動モードの共振周波数をfn+1とした場合に、前記fstopは、下記の数式(1)で設定された周波数範囲にて停止保持して前記振動アクチュエータ本体への通電を行った状態のまま、前記移動子の停止を行うこと、を特徴とする振動アクチュエータである。
請求項4の発明は、請求項3に記載のレンズ鏡筒を備え、静止画撮影モード、動画撮影モードを選択する選択部を有し、前記選択部が前記動画撮影モードを選択した場合に、使用者による動画撮影中に、前記振動アクチュエータ本体の前記移動子の停止を行う制御装置を有すること、を特徴とするカメラである。
図1は、本発明の実施の形態を適用した光学装置としてのカメラ1の構成図である。
カメラ1は、カメラボディ10と、レンズ鏡筒20とを備えている。レンズ鏡筒20は、カメラボディ10に着脱可能な交換レンズである。なお、本実施形態では、レンズ鏡筒20が交換可能な例を示したが、これに限らず、例えば、カメラボディとレンズ鏡筒が一体型のカメラであってもよい。
撮像素子11は、レンズ鏡筒20によってその撮像面に結像された画像を電気信号に変換して出力する、たとえば、CCDやCMOS等の光電変換素子である。
制御装置12は、レンズ鏡筒20におけるフォーカス群の移動量演算や、当該カメラ1全体の制御を行う。
AFセンサ13は、焦点検出を行うためのたとえばCCDラインセンサ等である。
マイクロフォン25は、録画モードで電源がオンされると並行して音声データの取得を行い、動画データと関連付けられて取り込みを行う。
選択部26は、静止画撮影モード、動画撮影モードを選択する機能を有するスイッチであり、使用者のON/OFFによって、選択可能である。
これらカメラ1における撮影に係る一連の動作は、カメラボディ10が備える制御装置12によって制御される。また、制御装置12は、撮影時においては、AFセンサ13の検知情報に基づいてレンズ鏡筒20の超音波モータ30を駆動させ、焦点調節を行う。
図2は、超音波モータ30におけるモータ本体100の縦断面図である。図3は、超音波モータ30のブロック構成図である。
超音波モータ30は、進行波型のモータ本体100と、駆動回路200と、により構成されている。
モータ本体100は、振動子110、移動子120、出力軸130、加圧部140、出力ギア150等を備え、振動子110側を固定とし、移動子120を回転駆動する形態となっている。
弾性体111は、共振先鋭度が大きな金属材料によって形成され、その形状は、略円環形状である。この弾性体111は、櫛歯部111a、ベース部111b、フランジ部111cを有する。
フランジ部111cは、弾性体111の内径方向に突出した鍔状の部分であり、ベース部111bの厚さ方向の中央に配置されている。このフランジ部111cにより、振動子110は、固定部材101に固定されている。
ゴム部材103は、ゴムにより形成された略円環形状の部材である。このゴム部材103は、ゴムによる粘弾性で移動子120と出力軸130とを一体に回転可能とする機能と、移動子120からの振動を出力軸130へ伝えないように振動を吸収する機能とを有しており、ブチルゴム、シリコンゴム、プロピレンゴム等が用いられている。
電気機械変換素子142は、印加電圧に応じて変位するたとえば圧電デバイスであって、その変位方向を出力軸130の軸方向としてコイルスプリング141とベアリング受け104との間に配置されている。
この電気機械変換素子142は、回転開始時及び回転停止時において、後述する駆動回路200におけるモータ制御部201によって印加電圧が制御されて伸縮する。なお、電気機械変換素子142は、圧電デバイスに限らず静電力デバイスや磁力デバイス等を用いても良い。
なお、加圧部140の構成は、これに限定されるものではなく、たとえば、圧電素子のみでコイルスプリングを備えない構成であっても良い。
また、ベアリング受け104は、ベアリング105の内径側に配置され、ベアリング105は、固定部材101の内径側に配置された構造となっている。
そして、モータ本体100は、この移動子120の回転を、ゴム部材103及び出力軸130を介して出力ギア150から出力する。
また、加圧部140による移動子120の振動子110への加圧力は、モータ制御部201によって制御される。
図3に示すように、駆動回路200は、モータ制御部201と、発振部202と、移相部203と、増幅部204と、を備えている。
すなわち、モータ制御部201は、検出部23からの位置検出信号と、制御装置12から指令された目標位置情報と、に基づいて、モータ本体100に出力する駆動信号の周波数を制御する。
さらに、モータ制御部201は、モータ本体100の回転開始時及び回転停止時、さらには通常駆動時において、加圧部140の圧電素子への印加電圧を変化させて移動子120の振動子110への加圧力を変化させ、これによって回転開始及び回転停止を円滑に行わせる制御(以下、回転開始制御、回転停止制御と呼ぶ)を行う。
移相部203は、発振部202で発生した駆動信号を位相の異なる2つの駆動信号(A相及びB相)に分ける。2つの駆動信号の位相差は本実施形態において90度である。
増幅部204によって増幅された駆動信号は、モータ本体100の圧電体112に印加される。
カメラボディ10における制御装置12からモータ制御部201に合焦レンズ21の移動目標位置が入力されると、モータ制御部201は、入力された目標位置と検出部23から入力された合焦レンズ21の位置情報とに基づいて、モータ本体100の駆動量を演算する。
モータ制御部201は、発振部202から交流の駆動信号を発生させ、この駆動信号から移相部203が位相差のある駆動信号(A相及びB相)を生成し、増幅部204によりそれぞれ所望の電圧に増幅する。
これにより、モータ本体100は、圧電体112が励振されて弾性体111にA相とB相とで位置的な位相が1/4波長ずれた4次の曲げ振動が発生し、2つの曲げ振動は合成されて4波の進行波となる。進行波の波頭には楕円運動が生じ、この楕円運動によって、弾性体111の駆動面111dに加圧接触された移動子120を進行波の進行方向とは逆方向に摩擦駆動する。すなわち、移動子120が回転し、出力ギア150から回転力を出力する。
(1)モータ本体100ではモータへの通電をオン/オフすることにより起動/停止を行った場合、通電オン/オフのタイミングに伴いモータ側から異音が発生する問題があったが、本実施形態にかかる超音波モータ30によれば、モータ本体100の電源ON/OFFによって、騒音が生じてしまうことなく、モータの駆動音を低減できる。
(2)モータへの通電を行ったまま、モータに入力する二つの交番信号の位相差を連続的に制御する場合、通電したままモータを安定的に停止させる必要があるが、本実施形態にかかるモータ30によれば、モータの共振特性における駆動に使用する振動モードの共振周波数fn、高周波数側に隣接する振動モードの共振周波数fn+1から計算されるある範囲内でモータを停止させることで、停止領域の範囲をf1やf2の設定によらず、停止することが可能となる。つまり、モータの個体バラつきや駆動特性の影響等の外乱を受けずに安定して停止させることが可能となる。
(3)カメラ1は、本実施形態にかかるモータ30を有するので、選択部が動画撮影モードを選択し、使用者により動画撮影を実行中に、超音波モータが有する前記移動子の停止を行うことにより、騒音が生じてしまうことなく、動画撮影モード中の撮影に適している。
以上、説明した実施形態に限定されることなく、例えば、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態では、レンズ鏡筒3が交換レンズである例を示すが、これに限らず、例えば、カメラボディと一体型のレンズ鏡筒であってもよい。
(2)また、本実施形態では、超音波モータ30の配置順序は、上述の順序に限定されず逆の順序であってもよい。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
Claims (4)
- 電圧の印加により変位する素子と、
駆動信号が入力された前記素子の振動により所定の振動モードの振動で駆動面に振動波を生じる弾性体と、
前記弾性体の駆動面に接触し、前記振動波によって駆動される移動子と、
を有する振動アクチュエータ本体を有し、
入力信号の周波数によって前記移動子の回転又は停止を切り替える制御部を有し、
前記制御部は、前記移動子が回転しない所定の周波数領域まで入力信号の周波数を掃引し、
前記振動アクチュエータ本体を停止保持する周波数範囲をfstop、前記振動アクチュエータ本体の駆動に使用する振動モードの共振周波数をfn、前記fnに対し高周波数側の隣の振動モードの共振周波数をfn+1とした場合に、前記fstopは、下記の数式(1)で設定された周波数範囲にて停止保持して前記振動アクチュエータ本体への通電を行った状態のまま、前記移動子の停止を行うこと、
を特徴とする振動アクチュエータ。
- 請求項1に記載の振動アクチュエータであって、
前記制御部は、前記周波数範囲fstopを記憶する記憶部を有すること、
を特徴とする振動アクチュエータ。 - 請求項1又は請求項2に記載の振動アクチュエータを備えるレンズ鏡筒。
- 請求項3に記載のレンズ鏡筒を備え、
静止画撮影モード、動画撮影モードを選択する選択部を有し、
前記選択部が前記動画撮影モードを選択した場合に、使用者による動画撮影中に、前記振動アクチュエータ本体の前記移動子の停止を行う制御装置を有すること、
を特徴とするカメラ。
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