JP5446448B2 - レンズ鏡筒及び撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動アクチュエータを備えるレンズ鏡筒及び撮像装置に関するものである。
振動アクチュエータは、圧電体の伸縮を利用して弾性体の駆動面に進行性振動波(以下、進行波と略する)を発生させ、この進行波によって駆動面に楕円運動を生じさせ、楕円運動の波頭に加圧接触した移動子を駆動するものである(例えば、特許文献1参照)。この様な振動アクチュエータは、低回転でも高トルクを有するといった特徴があり、駆動装置に搭載した場合に、駆動装置のギアを省略することができる。このため、ギア騒音をなくすことで静寂化を達成することができ、また、位置決め精度も向上する。電子カメラの交換式レンズ鏡筒において、この振動アクチュエータを搭載しているものがある。また、電子カメラでは、静止画の撮影以外にも、動画の撮影も行うことが出来るものがある(特許文献2参照)。動画の撮影を行う場合、通常、音声の取り込みも行われる。
特開平1−17354号公報 特開平8−80073号公報
しかし、動画撮影時に、オートフォーカス(以下、AFと略す)でレンズが駆動されると、動画とともに振動アクチュエータの作動音が取り込まれる。この作動音は、振動アクチュエータ駆動時にステータの振動がレンズ鏡筒に伝達し、レンズ鏡筒が振動することにより発生するものである。
本発明の課題は、動画撮影時における振動アクチュエータの作動音が低減されたレンズ鏡筒及び撮像装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、被写体光を導くレンズと、電気機械変換素子の励振により駆動力を発生し、その駆動力により前記レンズを光軸に沿って移動させる振動アクチュエータと前記振動アクチュエータの振動を検出する振動センサと、動画を撮影する動画撮影モード及び静止画を撮影する静止画撮影モードのいずれの撮影モードであるかを示す撮影モード情報が入力される入力手段と、設定された速度になるように前記振動アクチュエータの駆動速度を制御し、前記入力手段に入力された前記撮影モード情報に応じて、前記振動アクチュエータの駆動速度を変更する制御手段と、を備え、前記動画撮影モードにおいて、前記制御手段は前記振動センサの検出値に基づいて前記振動アクチュエータの駆動速度を変更することを特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のレンズ鏡筒であって、前記動画撮影モードにおいて、前記振動センサで検出される振動検出値が閾値を超えたとき、前記制御手段は前記振動アクチュエータの駆動速度を変更すること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のレンズ鏡筒であって、前記動画撮影モードにおいて、設定されている前記振動アクチュエータの駆動速度が前記振動センサの検出値に基づいて設定された速度の閾値を超えているとき、前記制御手段は前記振動アクチュエータの駆動速度を変更すること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のレンズ鏡筒であって、前記動画撮影モードにおいて、前記振動アクチュエータに入力される電力が前記振動センサの検出値に基づいて設定された電力の閾値を超えたときに、前記制御手段は前記振動アクチュエータの駆動速度を変更すること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、前記制御手段は、前記動画撮影モードの場合に、前記振動アクチュエータの駆動速度を、前記静止画撮影モード時の駆動速度より小さくなるように変更すること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項6に記載の発明は、被写体光を導くレンズと、電気機械変換素子の励振により駆動力を発生し、その駆動力により前記レンズを光軸に沿って移動させる振動アクチュエータと前記振動アクチュエータの振動を検出する振動センサと、動画を撮影する動画撮影モード及び静止画を撮影する静止画撮影モードのいずれの撮影モードで撮影するかを設定可能な設定部と、設定された速度になるように前記振動アクチュエータの駆動速度を制御し、前記設定部で設定された撮影モードに応じて、前記振動アクチュエータの駆動速度を変更する制御手段と、を備え、前記動画撮影モードにおいて、前記制御手段は前記振動センサの検出値に基づいて前記振動アクチュエータの駆動速度を変更することを特徴とする撮像装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の撮像装置において、前記動画撮影モード時に録音を行う録音部と、前記録音部によって録音される音声において、前記振動アクチュエータの作動音の領域の周波数を有する音をカットするフィルターと、を有することを特徴とする撮像装置である
本発明によれば、動画撮影における振動アクチュエータの作動音が低減されたレンズ鏡筒及びカメラを提供することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる電子カメラ1の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態の電子カメラ1を説明する図である。カメラ1は、静止画及び動画撮影可能なカメラであって、撮像光学系であるレンズ鏡筒20と、撮像素子50と、AFE(Analog front end)回路60と、画像処理部70と、音声検出部80と、操作部材90と、CPU100と、バッファメモリ110と、記録インターフェイス120と、メモリ130と、モニタ140と、から構成され、外部機器のPC150との接続が可能となっている。
レンズ鏡筒20は、複数の光学レンズ群Lにより構成され、被写体像を撮像素子50の受光面に結像させる。図1では、複数の光学レンズ群Lを簡略化して、単レンズとして図示している。この光学レンズ群Lのうちの、後述するAF用の第3レンズ群L3(図2に図示)は、振動波モータ10により駆動される。
撮像素子50は、受光面に受光素子が二次元的に配列されたCMOSイメージセンサなどによって構成される。撮像素子50は、レンズ鏡筒20を通過した光束による被写体像を光電変換してアナログ画像信号を生成する。
アナログ画像信号は、AFE回路60に入力される。AFE回路60は、アナログ画像信号に対するゲイン調整(ISO感度に応じた信号増幅〉行う。具体的には、CPU100からの感度設定指示に応じて、撮像感度を所定範囲内で変更する。AFE回路60は、さらに、内蔵するA/D変換回路によってアナログ処理後の画像信号をデジタルデータに変換する。そのデジタルデータは、画像処理部70に入力される。
画像処理部70は、デジタル画像データに対して、各種の画像処理を行う。
バッファメモリ110は、画像処理部70による画像処理の前工程や後工程での画像データを一時的に記録する。
音声検出部80は、マイクと信号増幅部から構成され、主に動画撮影時に被写体方向からの音声を検出して取り込み、そのデータをCPU100へ伝達する。
操作部材90は、モードダイヤル、十字キー、決定ボタンやレリーズボタンを示し、各操作に応じた操作信号をCPU100へ送出する。静止画撮影や動画撮影の設定は、該操作部材90により設定される。
CPU100は、不図示のROMに格納されたプログラムを実行することによって電子カメラ1が行う動作を統括的に制御する。例えば、AF(オートフォーカス)動作制御、AE(自動露出)動作制御、オートホワイトバランス制御などを行う。
記録インターフェイス120は、不図示のコネクタを有し、該コネクタにメモリカード121等の記録媒体が接続され、接続された記録媒体に対して、データの書き込みや、記録媒体からのデータの読み込みを行う。
メモリ130は、画像処理した一連の画像データを記録する。本実施形態の電子カメラ1においては、動画に対応した画像を取り込む。
モニタ140は、液晶パネルによって構成され、CPU100からの指示に応じて操作メニュー、静止画像及び動画などを表示する。
図2は、本発明の第1実施形態のレンズ鏡筒20を説明する図である。
レンズ鏡筒20は、レンズ鏡筒20の外周部を覆う外側固定筒31と、外側固定筒31よりも内周側における被写体側に位置する内側第1固定筒32と、外側固定筒31よりも内周側における像側に位置する内側第2固定筒33と、を備え、さらに外側固定筒31と内側第1固定筒32との間に振動波モータ10を備える。
内側第1固定筒32には、被写体側から第1レンズ群L1、第2レンズ群L2が固定されている。また、内側第2固定筒33には、第4レンズ群L4が固定されている。第2レンズ群L2と第4レンズ群L4との間には、AF環34に保持されたAFレンズである第3レンズ群L3が配置されている。
外側固定筒31と内側第1固定筒32との間には、振動波モータ10と、その振動波モータ10の回転速度を減速するギアユニットモジュール35が配置されている。ギアユニットモジュール35は、内側第1固定筒32に固定されている。
振動波モータ10の出力用のギア部材24は、ギアユニットモジュール35を介して、内側第1固定筒32のさらに内側に配置されたカム環36に回転運動を伝達する。
カム環36には、周方向に対して斜めにキー溝37が切られている。一方、AF環34の外周側には固定ピン38が設けられ、固定ピン38は、キー溝37に挿入され、カム環36が回転駆動することにより、AF環34は光軸直進方向に駆動され、所望の位置に停止できるようになっている。
ギアユニットモジュール35には、振動センサ39が取り付けられている。振動センサ39は、ギアユニットモジュール35、すなわち固定筒31,32,33に発生する振動を検出する。
振動センサ39は、外側固定筒31の内周側から内側に張り出した保持部31aに設けられた基板40に接続されている。振動センサ39によって検出された振動波は、この基板40に設けられた後述の駆動装置40Aに入力される。また駆動装置40Aは、振動波モータ10にも接続されており、振動波モータ10に設けられた回転検出部(図4に図示)から振動波モータ10の回転数を受信するとともに、振動波モータ10の制御も行う。
図3は、振動波モータ10を説明する図である。振動波モータ10は、振動子11、移動子15、出力軸18、加圧部材19等を備え、振動子11側を固定とし、移動子15を回転駆動する形態となっている。
振動子11は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する圧電素子や電歪素子等を例とした電気−機械変換素子(以下、圧電体13と称する)と、圧電体13を接合した弾性体12とから構成されている。振動子11には一例として4波の進行波が発生される。
弾性体12は、共振先鋭度が大きな金属材料から成り、形状は、円環形状である。弾性体12における圧電体13が接合される反対面には溝が切られた櫛歯部12aとなっており、突起部分(溝がない箇所)の先端面が駆動面となり移動子15に加圧接触される。溝を切る理由は、進行波の中立面をできる限り圧電体13側に近づけ、これにより駆動面の進行波の振幅を増幅させるためである。溝の切っていない部分である部分を本実施形態ではベース部12bと呼ぶ。
ベース部12bの櫛歯部12aとは反対面に圧電体13が接合されている。弾性体12の駆動面には潤滑性の表面処理がなされている。圧電体13は、円周方向に沿って2つの相(A相、B相)に分かれており、各相においては、1/2波長毎に分極が交互となった要素が並べられていて、A相とB相との問には1/4波長分間隔が空くようにしてある。
移動子15は、アルミニウム等の軽金属からなり、摺動面の表面には耐摩耗性向上のための表面処理が成されている。
出力軸18は、ゴム部材23を介して移動子15に結合されていて、移動子15と一体に回転するようになっている。ゴム部材23は、ゴムによる粘着性で移動子15と出力軸18を結合する機能と、移動子15からの振動を出力軸18へ伝えないための振動吸収との機能が求められており、ブチルゴム等が好適である。
加圧部材19は、出力軸18に固定されたギア部材24とベアリング受け部材21との間に設けられている。ギア部材24は出力軸18のDカットに嵌まるように挿入され、Eクリップ等のストッパ22で固定され、回転方向及び軸方向に軸と一体になるようにされている。
ベアリング受け部材21はベアリング17内径側に挿入され、ベアリング17は固定部材16の内径側に挿入された構造となっている。この様な構造とることで、移動子15が振動体駆動面に加圧接触するようにされる。加圧部材19とベアリング受け部材21との間に加圧力調整ワッシャーを設けて、適正加圧力が得られるようにしてもよい。
図4は、振動波モータ10の駆動装置40Aを説明するブロック図である。駆動装置40Aは、上述のように基板40に設けられている。駆動装置40Aは、制御部41、発振部42、移相部43、増幅部44を備える。また、駆動装置40Aの制御部41には、振動波モータ10に取り付けられた回転検出部46、ギアユニットモジュール35に取り付けられた振動センサ39、及び、カメラ1から該カメラ1が現在動画撮影モードであるか静止画撮影モードであるかの情報を取得する動画モード/静止画モード情報取得部47を備える。
制御部41は、レンズ鏡筒20内又はカメラ1本体のCPU100からの駆動指令を基に振動波モータ10の駆動を制御する。
発振部42は、制御部41の指令により所望の周波数の駆動信号を発生する。駆動信号は、電位ゼロを基準とした時、+方向一方向で非対称形状となっている。
移相部43は、該発振部42で発生した駆動信号を90度位相の異なる2つの駆動信号に分ける。
増幅部44は、移相部43によって分けられた2つの駆動信号をそれぞれ所望の電圧に昇圧する。
増幅部44からの駆動信号は、振動波モータ10に伝達され、この駆動信号の印加により振動体に進行波が発生し、移動子15が駆動される。
振動波モータ10に取り付けられている回転検出部46は、光学式エンコーダや磁気エンコーダ等により構成され、移動子15の駆動によって駆動された被駆動物の位置や速度を検出し、検出値を電気信号として制御部41に伝達する。
振動センサ39は、圧電体の機械−電気変換特性を利用するもので、機械的な振動を検出して、電気信号として制御部41に伝達する。
制御部41は、回転検出部46からの検出信号を受信すると、その値を基に、位置情報と速度情報を得て、目標位置に位置決めされるように発振部42の周波数を調整する。さらに、制御部41は、振動センサ39からの検出信号を受け、振動センサ39に検知される振動が所定の閾値より大きくならないように発振部42の周波数を制御する。
次に、駆動装置40Aにおける振動波モータ10の駆動及び制御について説明する。
まず、制御部41にレンズ鏡筒20内又はカメラ1本体のCPU100からの目標位置が伝達される。発振部42から駆動信号が発生し、その信号は位相部により90度位相の異なる2つの駆動信号に分割され、増幅部44により所望の電圧に増幅される。
駆動信号は、振動波モータ10の圧電体13に印加され、圧電体13は励振され、その励振によって弾性体12には4次の曲げ振動が発生する。圧電体13はA相とB相とに分けられており、駆動信号はそれぞれA相とB相に印加される。A相から発生する4次曲げ振動とB相から発生する4次曲げ振動とは位置的な位相が1/4波長ずれるようになっており、また、A相駆動信号とB相駆動信号とは90度位相がずれているため、2つの曲げ振動は合成され、4波の進行波となる。進行波の波頭には楕円運動が生じている。したがって、駆動面に加圧接触された移動子15は、この楕円運動によって摩擦的に駆動される。
移動子15の駆動により駆動された駆動体の回転は、回転検出部46によって検出され、その回転は電気パルスとして制御部41に伝達される。制御部41は、この信号を基に、現在の位置と現在の速度を得ることが可能となり、これらの位置情報、速度情報及び目標位置情報を基に、発振部42の駆動周波数を制御する。
一方、振動センサ39は、レンズ鏡筒20内のギアユニットモジュール35又は固定筒31,32等に発生する振動を検出する。図5は、振動波モータ10の駆動周波数に対する、回転速度の関係を示すグラフAと、振動センサ39の検出値の関係を示すグラフBである。
グラフAに示すように、駆動周波数を下げていくと回転速度が上昇する。そして、回転速度の上昇に伴い、レンズ鏡筒20の振動を表す振動センサ39の検出値も大きくなる。
その理由は以下の通りである。振動波モータ10の振動子11に発生する超音波の振動振幅値は、回転速度が上昇すると増加する。振動振幅値が大きくなると、振動子11からレンズ鏡筒20の固定筒31,32,32やギアユニットモジュール35に漏れ伝わる振動エネルギーが増加し、レンズ鏡筒20の固定筒31,32,33やギアユニットモジュール35が振動する。そのため、振動センサ39によって検出される振動が大きくなるからである。
レンズ鏡筒20の固定筒31,32,33やギアユニットモジュール35が振動し、その振動振幅がある値より大きくなると、振動波モータ10の作動音が可聴範囲に入り、動画とともに録音され、再生時に聞こえてしまう。そこで、本実施形態では、可聴範囲に到達しない、可聴範囲よりの下限よりわずかに小さい振幅値を閾値Vaと設定する。そして、振動センサ39の検出値が閾値Vaを越えたら、発振部42から発振させる駆動信号の周波数を上げるようにする。そうすれば振動波モータ10の回転速度が下がり、振動波モータ10で発生される振動の振幅が小さくなり、振動波モータ10の作動音も低減される。ゆえに、動画撮影を行っても可聴範囲の音は録音されず、再生時に振動波モータ10の作動音が聞こえることがない。
以下、第1実施形態の動作について説明する。図6は第1実施形態の駆動装置40Aの動作を説明するフローチャートである。
S101において駆動装置40Aは、レンズ鏡筒20内又はカメラ1本体のCPU100からの信号に基づき、振動波モータ10の駆動を開始する。
S102において駆動装置40Aは、AFレンズである第3レンズ群L3の目標位置と現位置とを検出し、振動波モータ10の目標速度を設定する。
S103において駆動装置40Aは、動画モード/静止画モード情報取得部47が取得した情報に基づき、カメラ1が動画撮影モードの場合S104へ進み、動画撮影モードでない場合S111へ進む。
S104において駆動装置40Aは、振動波モータ10の駆動を開始する。
S105において駆動装置40Aは、振動センサ39で振動を検出する。
S106において駆動装置40Aは、振動センサ39で検出された振動が閾値Va以下の場合にはS108へ、Vaより大きい場合にはSl07へ進む。
S107において駆動装置40Aは、発振部42で発生する駆動信号の駆動周波数を上げて、振動波モータ10の回転速度を下げる。
S108において駆動装置40Aは、第3レンズ群L3の目標位置を確認する。
S109において駆動装置40Aは、第3レンズ群L3の位置が目標位置でない場合にはS105へ戻り、目標位置の場合には、S110へ進む。
S110において駆動装置40Aは、駆動を停止する。
一方、S103において駆動装置40Aは、カメラ1が動画モードでない場合、Sl11へ進む。
S111において駆動装置40Aは、振動波モータ10の駆動を開始する。
S112において駆動装置40Aは、第3レンズ群L3の位置を確認する。
Sl13において駆動装置40Aは、第3レンズ群L3が目標位置でない場合には、再度目標位置を確認する。目標位置の場合には、Sll0へ進む(目標位置の確認はあるクロックパルス毎、例えば3msec毎に行われる)。
Sll0において駆動装置40Aは、駆動を停止する。
以上、本実施形態によると、以下の効果を有する。
可聴範囲より小さい振幅値を閾値Vaと設定し、振動センサ39の検出値が閾値Vaを越えたら、発振部42から発振させる駆動信号の周波数を上げるようにしている。駆動信号の周波数が上がると振動波モータ10の回転速度が下がり、振動波モータ10で発生される振動の振幅が小さくなり、振動波モータ10の作動音発生も低減される。ゆえに、動画撮影を行っても、再生時に振動波モータ10の作動音が聞こえることがない。
(変形形態)
第1実施形態の図2では、振動センサ39をギアユニットモジュール35に設置したが、振動センサ39はレンズ鏡筒20の他の部分に設置してもよい。但しこの場合、振動によって作動音が可聴となる振動が発生しやすい場所に設置するのが好ましい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は第1実施形態とレンズ鏡筒、振動波モータ及び駆動装置の構成は同様であるためその説明は省略する。第2実施形態と第1実施形態とは、駆動装置40A内における動作のフローが異なる。
第1実施形態では、振動センサ39の振動を検知して、振動波モータ10の回転速度を制限した。第2実施形態は第1実施形態と異なり、可聴範囲の作動音を発生しない範囲内における、振動波モータ10の回転速度の上限値として予め閾値VLを定め、その振動波モータ10の回転速度がそれ以上にならないようにするものである。
以下、第2実施形態の動作について説明する。図7は第2実施形態の駆動装置40Aの動作を説明するフローチャートである。
S201において駆動装置40Aは、レンズ鏡筒20内又はカメラ1本体のCPU100からの信号に基づき、振動波モータ10の駆動を開始する。
S202において駆動装置40Aは、AFレンズである第3レンズ群L3の目標位置と現位置とを検出し、目標速度を設定する。
S203において駆動装置40Aは、動画モード/静止画モード情報取得部47が取得した情報に基づき、カメラ1が動画撮影モードの場合S204へ進む。カメラ1が動画撮影モードでない場合S206へ進む。
S204において駆動装置40Aは、目標速度Vが閾値VL以上の場合S205へ進む。目標速度Vが閾値VL以下の場合、S206へ進む。
S205において駆動装置40Aは、目標速度を閾値VLへ変更する。
S206において駆動装置40Aは、振動波モータ10の駆動を開始する。
S207において駆動装置40Aは、第3レンズ群L3の目標位置を確認する。
S208において駆動装置40Aは、第3レンズ群L3が目標位置でない場合には、再度目標位置を確認する。目標位置の場合には、S209へ進む(目標位置の確認はあるクロックパルス毎、例えば3msec毎に行う)。
S209において駆動装置40Aは、駆動を停止する。
第2実施形態において、予め閾値VLとして設定される振動波モータ10の回転速度は、振動波モータ10を回転させ、撮影者が可聴と感じたときの回転速度をもとに設定することができる。この場合、第1実施形態と比べ、振動センサ39をレンズ鏡筒20に設置する必要がないという効果がある。
ただし、第2実施形態においては、レンズ鏡筒20に設けた振動センサ39により検出された振動波モータ10の検出値を基に、回転速度の閾値VLを設定してもよい。この場合、第1実施形態と同ようにレンズ鏡筒20に振動センサ39を設置する必要がある。しかし、第1実施形態と異なり、振動センサ39は工場出荷時の設定のみに用いられる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態は上述の実施形態とレンズ鏡筒、振動波モータ及び駆動装置の構成は同様であるため、その説明は省略する。また、動画撮影時における駆動装置40Aの動作についても第1実施形態又は第2実施形態と同様である。第3実施形態が第1実施形態又は第2実施形態と異なる点は、図1における音声検出部80においてフィルターが設けられている点である。フィルターは、可聴範囲における振動波モータの作動音を低減する機能を有するフィルターである。
第3実施形態によると以下の効果がある。
作動音の周波数を予め検出しておく。そして動画撮影時において、振動波モータ10の駆動開始と同時に、振動波モータ10の回転速度を制限するとともに音声検出部80において作動音近辺の周波数にフィルタリングを行う。振動波モータ10の駆動が停止した場合、フィルタリングを停止する。このようにすることで、振動波モータ10の作動音が動画撮影時に画像とともに取り込まれる可能性をさらに低減することができる。
振動波モータ10において作動音を発生する周波数の検出は、マイクで検出したデータを用いてもよく、また、第1実施形態と同様に、レンズ鏡筒20に設けられた振動センサ39から検出される振動データを用いてもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態は第1実施形態とレンズ鏡筒、振動波モータ及び駆動装置の構成は同様であるため、その説明は省略する。第4実施形態は第1実施形態と、駆動装置40A内における動作のフローが異なる。図8は、本発明の第4実施形態の動作を説明するフローチャートである。
動作のフローにおいて第4実施形態が第1実施形態と異なる点は以下の点である。それは、第1実施形態のステップS105では、振動センサ39で振動を検出する。しかし、そのステップ105に相当する第4実施形態のステップ405は、振動波モータ10に加えられる消費電力を検出している点である。動画撮影時はカメラシステム全体の消費電力が増加するため、このような構成により、振動波モータ10の消費電力を抑えるようにする。
そして、振動波モータ10に加えられる消費電力が、可聴を発生する回転速度を発生させる消費電力Vb以下となった場合に、振動波モータ10の駆動周波数を下げるように設定されている。
第4実施形態において予め設定する消費電力の閾値は、撮影者が可聴と感じる回転速度を発生させる値とすることができる。この場合、第1実施形態と比べ、振動センサ39をレンズ鏡筒20に設置する必要がないという効果がある。
ただし、第4実施形態においても、レンズ鏡筒20に設けた振動センサ39の検出値を基に消費電力の閾値を設定してもよい。この場合、第1実施形態と同様にレンズ鏡筒20に振動センサ39を設置する必要があるが、第1実施形態と異なり、振動センサ39は工場出荷時の設定のみに用いられる。
本実施形態によると、振動波モータ10に加えられる電力が一定値以上になることがない。動画撮影時は電力消費量が大きいが、本実施形態によると、振動波モータ10に加えられる電力が一定値以上にならないため、カメラ1に加わる電力値も制限することができる。また、検出する対象は消費電力以外に、消費電流でもよい。
本発明の第1実施形態の電子カメラを説明する図である。 本発明の第1実施形態のレンズ鏡筒を説明する図である。 本発明の第1実施形態の振動波モータを説明する図である。 振動波モータの駆動装置を説明するブロック図である。 振動波モータの駆動周波数に対する、回転速度の関係を示すグラフと、振動センサの検出値の関係を示すグラフBである。 第1実施形態の駆動装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第4実施形態の動作を説明するフローチャートである。
1:カメラ、10:振動波モータ、13:圧電体、20:レンズ鏡筒、39:振動センサ、41:制御部、47:動画モード/静止画モード情報取得部、80:音声検出部、90:操作部材、L3:第3レンズ群

Claims (7)

  1. 被写体光を導くレンズと、
    電気機械変換素子の励振により駆動力を発生し、その駆動力により前記レンズを光軸に沿って移動させる振動アクチュエータと、
    前記振動アクチュエータの振動を検出する振動センサと、
    動画を撮影する動画撮影モード及び静止画を撮影する静止画撮影モードのいずれの撮影モードであるかを示す撮影モード情報が入力される入力手段と、
    設定された速度になるように前記振動アクチュエータの駆動速度を制御し、前記入力手段に入力された前記撮影モード情報に応じて、前記振動アクチュエータの駆動速度を変更する制御手段と、を備え
    前記動画撮影モードにおいて、前記制御手段は前記振動センサの検出値に基づいて前記振動アクチュエータの駆動速度を変更することを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 請求項1に記載のレンズ鏡筒であって、
    前記動画撮影モードにおいて、前記振動センサで検出される振動検出値が閾値を超えたとき、前記制御手段は前記振動アクチュエータの駆動速度を変更すること、
    を特徴とするレンズ鏡筒。
  3. 請求項1に記載のレンズ鏡筒であって、
    前記動画撮影モードにおいて、設定されている前記振動アクチュエータの駆動速度が前記振動センサの検出値に基づいて設定された速度の閾値を超えているとき、前記制御手段は前記振動アクチュエータの駆動速度を変更すること、
    を特徴とするレンズ鏡筒。
  4. 請求項1に記載のレンズ鏡筒であって、
    前記動画撮影モードにおいて、前記振動アクチュエータに入力される電力が前記振動センサの検出値に基づいて設定された電力の閾値を超えたときに、前記制御手段は前記振動アクチュエータの駆動速度を変更すること、
    を特徴とするレンズ鏡筒。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、
    前記制御手段は、前記動画撮影モードの場合に、前記振動アクチュエータの駆動速度を、前記静止画撮影モード時の駆動速度より小さくなるように変更すること、
    を特徴とするレンズ鏡筒。
  6. 被写体光を導くレンズと、
    電気機械変換素子の励振により駆動力を発生し、その駆動力により前記レンズを光軸に沿って移動させる振動アクチュエータと、
    前記振動アクチュエータの振動を検出する振動センサと、
    動画を撮影する動画撮影モード及び静止画を撮影する静止画撮影モードのいずれの撮影モードで撮影するかを設定可能な設定部と、
    設定された速度になるように前記振動アクチュエータの駆動速度を制御し、前記設定部で設定された撮影モードに応じて、前記振動アクチュエータの駆動速度を変更する制御手段と、を備え
    前記動画撮影モードにおいて、前記制御手段は前記振動センサの検出値に基づいて前記振動アクチュエータの駆動速度を変更することを特徴とする撮像装置。
  7. 請求項6に記載の撮像装置において、
    前記動画撮影モード時に録音を行う録音部と、
    前記録音部によって録音される音声において、前記振動アクチュエータの作動音の領域の周波数を有する音をカットするフィルターと、
    を有することを特徴とする撮像装置。
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