JP2014236578A - 振動波モータの駆動装置、レンズ鏡筒、カメラ及び駆動方法 - Google Patents

振動波モータの駆動装置、レンズ鏡筒、カメラ及び駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】起動時の良好な振動波モータの駆動装置、レンズ鏡筒、カメラ及び駆動方法を提供する。
【解決手段】本発明の振動波モータ10の駆動装置40Aは、駆動信号の入力により振動する電気機械変換素子13を有し、該電気機械変換素子13の前記振動により駆動面が振動する振動体11と、前記駆動面に加圧接触され、前記駆動面の前記振動により相対移動する移動体15と、を備え、該移動体15の前記相対移動により被駆動体L3を駆動する振動波モータ10の駆動装置40Aであって、前記駆動装置40Aは、前記移動体15の回転速度が所定の速度以下になったときに、前記移動体15の回転方向を交互に変更させる交互回転制御を前記振動波モータ10に対して行なうこと、を特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、振動波モータの駆動装置、レンズ鏡筒、カメラ及び駆動方法に関するものである。
従来、振動波モータを備えたレンズ鏡筒やカメラボディ等の光学機器が製品化されている。振動波モータは、弾性体と電気機械変換素子とを有する固定子を備えている。その電気機械変換素子は、駆動信号により励振し、弾性体の表面に進行波を発生させる。この進行波により弾性体の表面には楕円運動が生じる。そして、弾性体の表面に加圧接触された移動子が楕円運動の波頭により駆動され、回転運動に変換される(特許文献1参照)。
特開2006−333679号公報
しかし、振動波モータは、例えば、駆動中において相対移動する接触部の摩擦係数は動摩擦係数であるが、一旦停止して再度起動する際、摩擦係数は静止摩擦係数となって、必要な駆動トルクが増加する。このため、一旦停止して再起動時する場合、起動性能が劣化する。起動性の向上が求められる振動波モータとしては、このような起動性の劣化が課題となっている。
本発明の課題は、起動時の良好な振動波モータの駆動装置、レンズ鏡筒、カメラ及び駆動方法を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。
請求項1に記載の発明は、駆動信号の入力により振動する電気機械変換素子を有し、該電気機械変換素子の前記振動により駆動面が振動する振動体と、前記駆動面に加圧接触され、前記駆動面の前記振動により相対移動する移動体と、を備え、該移動体の前記相対移動により被駆動体を駆動する振動波モータの駆動装置であって、前記駆動装置は、前記移動体の回転速度が所定の速度以下になったときに、前記移動体の回転方向を交互に変更させる交互回転制御を前記振動波モータに対して行なうこと、を特徴とする振動波モータの駆動装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の振動波モータの駆動装置において、前記移動体の前記交互回転制御による移動の範囲は、前記被駆動体を移動させない範囲であること、を特徴とする振動モータの駆動装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の振動波モータの駆動装置において、前記所定の速度は、0.1rpm以下であること、を特徴とする振動モータの駆動装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の振動波モータの駆動装置において、前記駆動装置は、駆動信号を発振する発振部と、前記発振部により発振された駆動信号を互いに位相が異なる2つの駆動信号に分割する移相部と、を備え、前記交互回転制御において前記駆動装置は、前記移相部による位相差を変化させることにより前記移動体の回転方向を交互に変更させること、を特徴とする振動モータの駆動装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の前記駆動装置と、該駆動装置によって駆動される前記振動波モータとを備え、前記被駆動体は、撮影光学系であること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項6に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の前記駆動装置と、該駆動装置によって駆動される前記振動波モータとを備え、前記被駆動体は、撮影光学系であること、を特徴とするカメラである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のカメラにおいて、前記移動体の前記交互回転制御により、前記撮影光学系が移動する範囲は、その移動時における前記撮影光学系の被写界深度の範囲であること、を特徴とする振動モータの駆動装置である。
請求項8に記載の発明は、駆動信号の入力により振動する電気機械変換素子を有し、該電気機械変換素子の前記振動により駆動面が振動する振動体と、前記駆動面に加圧接触され、前記駆動面の前記振動により相対移動する移動体と、を備え、該移動体の前記相対移動により被駆動体を駆動する振動波モータの駆動方法であって、前記移動体の回転速度が所定の速度以下になったときに、前記移動体の回転方向を交互に変更させる交互回転制御を前記振動波モータに対して行なうこと、を特徴とする振動波モータの駆動方法である。
本発明によれば、起動時の良好な振動波モータの駆動装置、レンズ鏡筒、カメラ及び駆動方法を提供することができる。
本発明の一実施形態の電子カメラを説明する図である。 本発明の一実施形態のレンズ鏡筒を説明する図である。 本発明の一実施形態の振動波モータの振動子を説明する図である。 振動波モータの駆動装置を説明するブロック図である。 振動波モータにおける駆動信号の位相差および周波数と回転速度との関係を示すグラフである。 駆動制御部による交互回転制御時における振動波モータの駆動信号と駆動状態を説明する図である。
以下、本発明にかかる電子カメラ1の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態の電子カメラ1を説明する図である。
電子カメラ1は、静止画及び動画撮影が可能なカメラであって、撮像光学系であるレンズ鏡筒20と、撮像素子30と、AFE(Analog front end)回路60と、画像処理部70と、音声検出部80と、操作部材90と、CPU100と、バッファメモリ110と、記録インターフェース120と、メモリ130と、モニタ140とから構成され、外部機器のPC150との接続が可能となっている。
レンズ鏡筒20は、複数の光学レンズ群Lにより構成され、被写体像を撮像素子30の受光面に結像させる。図1では、複数の光学レンズ群Lを簡略化して、単レンズとして図示している。この光学レンズ群Lのうちの、後述するAF用の第3レンズ群L3(図2に図示)は、振動波モータ10により駆動される。
撮像素子30は、受光面に受光素子が二次元的に配列されたCMOSイメージセンサなどによって構成される。撮像素子30は、レンズ鏡筒20を通過した光束による被写体像を光電変換してアナログ画像信号を生成する。
アナログ画像信号は、AFE回路60に入力される。AFE回路60は、アナログ画像信号に対するゲイン調整(ISO感度に応じた信号増幅)を行う。具体的には、CPU100からの感度設定指示に応じて、撮像感度を所定範囲内で変更する。AFE回路60は、さらに、内蔵するA/D変換回路によってアナログ処理後の画像信号をデジタルデータに変換する。そのデジタルデータは、画像処理部70に入力される。
画像処理部70は、デジタル画像データに対して、各種の画像処理を行う。
バッファメモリ110は、画像処理部70による画像処理の前工程や後工程での画像データを一時的に記録する。
音声検出部80は、マイクと信号増幅部とから構成され、主に動画撮影時に被写体方向からの音声を検出して取り込み、そのデータをCPU100へ伝達する。
操作部材90は、モードダイヤル、十字キー、決定ボタンやレリーズボタンを示し、各操作に応じた操作信号をCPU100へ送出する。静止画撮影や動画撮影の設定は、該操作部材90により設定される。
CPU100は、不図示のROMに格納されたプログラムを実行することによって電子カメラ1が行う動作を統括的に制御する。例えば、AF(オートフォーカス)動作制御、AE(自動露出)動作制御、オートホワイトバランス制御などを行う。
記録インターフェース120は、不図示のコネクタを有し、該コネクタにメモリカード121等の記録媒体が接続され、接続された記録媒体に対して、データの書き込みや、記録媒体からのデータの読み込みを行う。
メモリ130は、画像処理した一連の画像データを記録する。本実施形態の電子カメラ1においては、動画に対応した画像を取り込む。
モニタ140は、液晶パネルによって構成され、CPU100からの指示に応じて、操作メニュー、静止画像及び動画などを表示する。
次に、レンズ鏡筒20について説明する。
図2は、本発明の一実施形態のレンズ鏡筒20を説明する図である。図3は、本発明の一実施形態の振動波モータ10の振動子11を説明する図である。
レンズ鏡筒20は、レンズ鏡筒20の外周部を覆う外側固定筒31と、外側固定筒31よりも内周側に位置する内側固定筒32と、を備え、さらに外側固定筒31と内側固定筒32との間に振動波モータ10を備える。
内側固定筒32には、被写体側から第1レンズ群L1、第2レンズ群L2、AF環34に保持されたAFレンズである第3レンズ群L3、第4レンズ群L4が配置されている。第1レンズ群L1、第2レンズ群L2及び第4レンズ群L4は、内側固定筒32に固定されている。第3レンズ群L3は、AF環34が移動することにより内側固定筒32に対して移動可能に構成される。
図2に示すように、振動波モータ10は、振動子11、移動子15、加圧部材18等を備え、振動子11側を固定とし、移動子15を回転駆動する形態となっている。
振動子11について説明する。図3に示すように、振動子11は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する圧電素子や電歪素子等を例とした電気−機械変換素子(以下、圧電体13と称する)と、圧電体13を接合した弾性体12とから構成されている。振動子11には進行波が発生するようにされているが、本実施形態では一例として8波の進行波が発生される。
弾性体12は、共振先鋭度が大きな金属材料から成り、形状は、円環形状である。弾性体12における圧電体13が接合される反対面は、溝が切られた櫛歯部12aとなっており、突起部分(溝がない箇所)の先端面が駆動面となり移動子15に加圧接触される。振動波モータ10は、圧電体13の励振により駆動面に発生する駆動力を用いて移動子15を駆動することによって第3レンズ群L3を駆動する。溝を切る理由は、進行波の中立面をできる限り圧電体13側に近づけ、これにより駆動面の進行波の振幅を増幅させるためである。溝の切っていない部分を本実施形態ではベース部12bと呼ぶ。
ベース部12bの櫛歯部12aとは反対面に圧電体13が接合されている。弾性体12の駆動面には潤滑性の表面処理がなされている。圧電体13は、円周方向に沿って2つの相(A相、B相)に分かれており、各相においては、1/2波長毎に分極が交互となった要素が並べられていて、A相とB相との間には1/4波長分間隔が空くようにしてある。
圧電体13は、一般的には通称PZTと呼ばれるチタン酸ジルコン酸鉛といった材料から構成されているが、近年では環境問題から鉛フリーの材料であるニオブ酸カリウムナトリウム、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸ナトリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム等から構成されることもある。
図2に示すように、圧電体13の下には、不織布16、加圧板17、加圧部材18が配置されている。不織布16は、フェルトを例としたものであり、圧電体13の下に配置されていて、振動子11の振動を加圧板17や加圧部材18に伝えないようにしてある。
加圧板17は、加圧部材18の加圧を受けるようにされている。加圧部材18は、皿バネにより構成され、加圧板17の下に配置されていて、加圧力を発生させるものである。本実施形態では、加圧部材18を皿バネとしたが、皿バネでなくともコイルバネやウェーブバネでも良い。加圧部材18は、押さえ環19が固定部材14に固定されることで、保持される。
移動子15は、アルミニウム等の軽金属からなり、摺動面の表面15aには耐摩耗性向上のための摺動材料等の表面処理がなされている(図3参照)。
移動子15の上には、移動子15の縦方向の振動を吸収するために、ゴム等により形成された振動吸収部材23が配置され、その上には、出力伝達部材24が配置されている。
出力伝達部材24は、固定部材14に設けられたベアリング25により、加圧方向と径方向とを規制し、これにより、移動子15の加圧方向と径方向とが規制されるようにされている。
出力伝達部材24は、突起部24aがあり、そこからカム環36に接続されたフォーク35が嵌合している。カム環36は、出力伝達部材24の回転とともに回転される。
カム環36には、周方向に対して斜めにキー溝37が切られている。また、AF環34の外周側には、固定ピン38が設けられている。固定ピン38は、キー溝37に嵌合していて、カム環36が回転駆動することにより、AF環34は光軸直進方向に駆動され、所望の位置に停止できるようになっている。
固定部材14には、押さえ環19がネジにより取り付けられている。押さえ環19を固定部材14に取り付けることで、出力伝達部材24から移動子15、振動子11、加圧部材18までを一つのモータユニットとして構成できる。
次に、振動波モータ10を駆動する駆動装置40Aについて説明する。
図4は、振動波モータ10の駆動装置40Aを説明するブロック図である。駆動装置40Aは、基板40(図2参照)に設けられている。
駆動装置40Aは、図4に示すように、振動波モータ10に接続されており、振動波モータ10に設けられた回転検出部45から振動波モータ10の回転速度情報を受信するとともに、振動波モータ10の制御も行う。
駆動装置40Aは、駆動制御部41と、発振部42と、移相部43と、増幅部44とを備える。
駆動制御部41は、レンズ鏡筒20内又はカメラ1本体のCPU100からの駆動指令を基に振動波モータ10の駆動を制御する。駆動制御部41には、振動波モータ10に取り付けられた回転検出部45から、制御情報として振動波モータ10の回転情報が入力されるようになっている。
発振部42は、駆動制御部41の指令により所望の周波数の駆動信号を発生する。駆動信号は、電位ゼロを基準として、+方向及び−方向で非対称形状となっている。
移相部43は、発振部42で発生した駆動信号を位相の異なる2つの駆動信号に分ける。
増幅部44は、移相部43によって分けられた2つの駆動信号をそれぞれ所望の電圧に昇圧する。
増幅部44からの2つの駆動信号は、振動波モータ10に伝達され、この2つの駆動信号の印加により振動子11に進行波が発生し、移動子15が駆動される。
回転検出部45は、光学式エンコーダや磁気エンコーダ等により構成され、移動子15の駆動によって駆動された被駆動物の位置や速度を検出し、検出値を電気信号として駆動制御部41に出力する。
上記構成の駆動装置40Aは、駆動制御部41が、レンズ鏡筒20内またはカメラ1本体のCPU100からの駆動指令に基づいて、振動波モータ10の駆動を制御する。すなわち、駆動制御部41は、回転検出部45からの検出信号を受信すると、その値を基に、位置情報と速度情報とを得て、目標位置に位置決めされるように、駆動信号を制御する。すなわち、発振部42による周波数、移相部43による位相差、及び増幅部44による電圧を制御する。
ここで、駆動制御部41は、主に駆動周波数を変化させることで振動波モータ10の回転速度を制御し、駆動待機時および駆動方向切り替え時における不駆動時には駆動周波数の制御に加えて位相差を制御する交互回転制御を行う。この交互回転制御は、駆動周波数は駆動可能な一定値に保ちつつ駆動信号の位相差を変化させることで被駆動部材(AF環34)を駆動しない状態とするものであり、後に詳述する。
次に、駆動装置40Aによる振動波モータ10の駆動及び制御について説明する。
まず、駆動制御部41には、レンズ鏡筒20内又はカメラ1本体のCPU100からの目標位置が伝達される。発振部42から駆動信号が発生し、その信号は移相部43により90度位相の異なる2つの駆動信号に分割され、増幅部44により所望の電圧に増幅される。駆動制御部41は、振動波モータ10に2つの駆動信号を与える。
2つの駆動信号は、振動波モータ10の圧電体13に印加され、圧電体13は励振され、その励振によって弾性体12には8次の曲げ振動が発生する。圧電体13はA相とB相とに分けられており、2つの駆動信号はそれぞれA相とB相に印加される。
A相から発生する8次曲げ振動とB相から発生する8次曲げ振動とは位置的な位相が1/4波長ずれるようになっており、また、A相駆動信号とB相駆動信号とは90度位相がずれているため、2つの曲げ振動は合成され、8波の進行波となる。
位相差の値+90度又は−90度は、理想的な値であり、その中間値でも進行波の形状は乱れているが、進行波は生じている。進行波の波頭には楕円運動が生じている。従って、駆動面に加圧接触された移動子15は、この楕円運動によって摩擦的に駆動される。
移動子15により駆動された被駆動体には、光学式エンコーダが配置されていて、そこから、電気パルスが発生し、駆動制御部41に伝達される。駆動制御部41は、この信号を基に、現在の位置と現在の速度を得ることが可能となり、これらの位置情報、速度情報及び目標位置情報を基に、発振部42の駆動周波数を制御する。
また、AF環34を正方向に駆動する場合には、移相部43での2つの駆動信号(周波電圧信号)の位相差を+値、例えば+90度にし、AF環34を逆方向に駆動する場合には、移相部43での2つの駆動信号(周波電圧信号)の位相差を−値、例えば−90度にすれば良い。
ここで、図5を参照して、振動波モータにおける駆動信号の位相差および周波数と回転速度との関係を説明する。
図5(a)は、振動波モータの駆動信号の位相差に対する回転速度の関係の一例を示すグラフであり、図5(b)は、振動波モータの駆動周波数に対する回転速度の関係の一例を示すグラフである。
図5(a)に示すように、振動波モータ10の回転速度は、2つの駆動信号の位相差が+90度では正回転の最大速度、2つの駆動信号の位相差が−90度では逆回転の最大速度となり、その中間の位相差は、中間的な速度値を示す。位相差が0度では、弾性体12の振動は定在波となって移動子15を回転駆動しなくなる(すなわち振動波モータ10の回転速度が0になる)。
また、図5(b)に示すように、駆動周波数は、小さくすると回転速度が大きくなり、大きくすると回転速度は低下していき、0となる。これにより、例えば、2つの駆動信号の位相差を+90度に固定して、駆動周波数を変化させることで回転速度を変化させることができる。
つぎに、駆動装置40Aの駆動制御部41による交互回転制御について説明する。
図6は、駆動制御部41による交互回転制御時における振動波モータ10の駆動信号と振動波モータ10の駆動状態を説明する図であって、それぞれ横軸を時間軸とし、(a)は駆動信号の周波数、(b)は駆動信号の位相差、(c)は振動波モータ10の回転数、(d)はAF環34の回転によるAF用の第3レンズ群L3の移動量、を示したものである。
この図6は、時間:T1においてAF環34の駆動を停止すると共に時間:T2において停止前と同方向に駆動を再開し、その間を交互回転制御とする例である。
交互回転制御は、前述したように、駆動周波数を駆動可能な一定値に保ちつつ駆動信号の位相差を変化させることで、駆動状態にあるにもかかわらずAF環34(すなわち第3レンズ群L3)を移動駆動しない状態(不駆動給電状態)とするものであり、駆動と停止の切り替えが頻繁に行われる駆動待機時および駆動方向切り替え時において駆動速度が0になる際に適用される。
たとえば、コントラストAFによる動画撮影時において焦点位置を被写体に追従させるためにAF用のレンズを小刻みに前後させるウォブリング動作時のように、振動波モータ10の回転駆動方向を頻繁に切り替える場合に適用される。
交互回転制御では、図6(a)に示すように駆動周波数を漸次高くして(c)に示すように回転速度を所定の低速度(たとえば±0.1rpm)まで低下させ、その駆動周波数を維持したままで、駆動信号の位相差を図6(b)に示すように±90°の範囲で交番変化させる。これにより、図6(c)に示すように振動波モータ10の回転方向が±0.1rpmの範囲内において交互に変化する。
交番変化させる位相差の切り替え時間(一方の位相差側に属する時間):tsは、振動波モータ10の回転量が、以下に説明する振動波モータ10からAF環34(第3レンズ群L3)に至る駆動力伝達経路に存在する「遊び」の範囲内に収まるように設定する。
ここで、振動波モータ10からAF環34に至る駆動力伝達経路に存在する「遊び」について説明する。
本実施形態における構成では、振動波モータ10における移動子15の回転力は、振動吸収部材23,出力伝達部材24およびフォーク35を介してカム環36に伝達される。カム環36にはキー溝37が形成されており、そのキー溝37にAFレンズである第3レンズ群L3を保持するAF環34の外周に突設された固定ピン38が摺動移動可能に嵌合している。これにより、固定ピン38は、カム環36の回転に伴ってキー溝37によって移動操作され、その結果、AF環34(第3レンズ群L3)が光軸方向に移動する。
キー溝37の内周面と固定ピン38の外周面との間には微少な隙間(嵌合隙間)が存在し、この隙間分は、キー溝37が移動(カム環36が回転)しても、固定ピン38(AF環34)を移動操作しない。
つまり、カム環36の回転によってもAF環34が移動操作されない回転角度範囲が存在する。これに、駆動力伝達経路を構成する構成要素間のガタ等の他の要素が加わり、これらが総合されてカム環36の回転によってもAF環34を移動操作しない「遊び」となる。
なお、本実施形態とは異なるが、駆動力伝達経路にギア組が介設されているような場合には、ギアのバックラッシが合算されてトータルの「遊び」となる。
そして、交互回転制御時には、前述したように、振動波モータ10の回転量が「遊び」の範囲内に収まるように、切り替え時間:tsで位相差を交番変化させる。
このように設定するには、たとえば、
遊びが存在する部位の回転中心からの距離:R(mm)
距離Rにおける周方向の遊び:P(mm)
回転数:N(rpm)
として、位相切り替え時間:ts(sec)は、
Ts<P/[(N/60)×2πR]
とすれば良い。
一例として、
R=25(mm)
P=0.05(mm)
N=0.1(rpm)
の場合には、
ts<0.05/[(0.1/60)×2×π×25]≒0.19(sec)
とすれば良い。
これにより、振動波モータ10は回転しても、その回転量は「遊び」の範囲内に収まる。
上記のように、振動波モータ10からAF環34に至る駆動力伝達経路に存在する「遊び」の範囲内で振動波モータ10の回転方向が交互に変化するように設定することにより、振動波モータ10は駆動状態にある(駆動信号が入力されている)にもかかわらず、図6(d)に示すように、AF環34(第3レンズ群L3)を移動駆動しない状態(不駆動給電状態)となる。この不駆動給電状態から、駆動信号の位相差を所定一方に固定すれば、振動波モータ10は一方方向に回転してAF環34を駆動する。
このように、駆動と停止の切り替えが頻繁に行われる駆動待機時および駆動方向切り替え時において駆動速度が0になる際には不駆動給電状態とすることにより、停止状態から再度起動する場合に生ずる立ち上がり時の起動性劣化を防止することができる。
すなわち、駆動信号の周波数制御によって振動波モータ10を完全に停止させた状態として再度起動する場合には、静摩擦力に抗して回転開始しなければならないために大きなトルクが必要となって回転が不安定となり、異音や振動の虞もある。
本構成における不駆動給電状態では、AF環34を回転駆動しないものの振動波モータ10は完全に停止した状態にはないため、円滑に安定して回転駆動を開始することができる。
以上、本実施形態によると、以下の効果を有する。
(1)電子カメラ1における駆動装置40Aは、カム環36を回転駆動してAF環34(AFレンズである第3レンズ群L3)を移動させてAF操作する振動波モータ10を制御し、駆動と停止の切り替えが頻繁に行われる駆動待機時および駆動方向切り替え時において駆動速度が0になる際には交互回転制御を行う。
交互回転制御は、駆動周波数を駆動可能な一定値に保ちつつ駆動信号の位相差を変化させることで、駆動状態にあるにもかかわらずAF環34(すなわち第3レンズ群L3)を移動駆動しない状態(不駆動給電状態)とする。
これにより、停止状態から再度起動する場合に生ずる立ち上がり時の起動性劣化を防止することができる。
すなわち、振動波モータ10を完全に停止させた状態として再度起動する場合には回転が不安定となって異音や振動の虞もあるが、不駆動給電状態では、AF環34を回転駆動しないものの振動波モータ10は完全に停止した状態にはないため、円滑に安定して回転駆動を開始することが可能となる。
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態は、本発明を円環型の振動波モータ10に適用したものである。しかし、本発明は円環型に限るものではなく、軸出力型の振動波モータに適用しても良い。
(2)また、振動波モータ10から被駆動部材(AF環34)への駆動力伝達構造は、本実施形態に限らず適宜変更可能なものである。
(3)本実施形態は、本発明をAFレンズである第3レンズ群L3を移動駆動する振動波モータ10に適用したものであるが、移動操作する被駆動部材はAFレンズに限らず、ズーミングレンズ等他の構成要素を移動操作するものにも適用可能である。
(4)本実施形態における交互回転制御では、交番変化させる位相差の切り替え時間は、振動波モータ10の回転量が振動波モータ10から被駆動部材(AF環34)に至る駆動力伝達経路に存在する「遊び」の範囲内に収まるように設定している。
しかし、この交互回転制御時における振動波モータ10の回転量は必ずしも「遊び」の範囲に収め無ければならないものではなく、撮影に影響のない範囲で被駆動部材(AF環34)を移動操作する構成としても良い。
つまり、AF環34の保持するAFレンズである第3レンズ群L3が被写界深度の範囲内で移動する(第3レンズ群L3の移動量を被写界深度の範囲内に納める)設定としても良いものである。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
1:電子カメラ、20:レンズ鏡筒、10:振動波モータ、30:撮像素子、34:AF環、35:フォーク、36:カム環、37:キー溝、38:固定ピン、40A:駆動装置、41:駆動制御部、42:発振部、43:移相部、44:増幅部、L3:第3レンズ群

Claims (8)

  1. 駆動信号の入力により振動する電気機械変換素子を有し、該電気機械変換素子の前記振動により駆動面が振動する振動体と、前記駆動面に加圧接触され、前記駆動面の前記振動により相対移動する移動体と、を備え、該移動体の前記相対移動により被駆動体を駆動する振動波モータの駆動装置であって、
    前記駆動装置は、
    前記移動体の回転速度が所定の速度以下になったときに、前記移動体の回転方向を交互に変更させる交互回転制御を前記振動波モータに対して行なうこと、
    を特徴とする振動波モータの駆動装置。
  2. 請求項1に記載の振動波モータの駆動装置において、
    前記移動体の前記交互回転制御による移動の範囲は、前記被駆動体を移動させない範囲であること、
    を特徴とする振動モータの駆動装置。
  3. 請求項1または2に記載の振動波モータの駆動装置において、
    前記所定の速度は、0.1rpm以下であること、
    を特徴とする振動モータの駆動装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の振動波モータの駆動装置において、
    前記駆動装置は、駆動信号を発振する発振部と、前記発振部により発振された駆動信号を互いに位相が異なる2つの駆動信号に分割する移相部と、を備え、
    前記交互回転制御において前記駆動装置は、前記移相部による位相差を変化させることにより前記移動体の回転方向を交互に変更させること、
    を特徴とする振動モータの駆動装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の前記駆動装置と、該駆動装置によって駆動される前記振動波モータとを備え、前記被駆動体は、撮影光学系であること、
    を特徴とするレンズ鏡筒。
  6. 請求項1から4のいずれか1項に記載の前記駆動装置と、該駆動装置によって駆動される前記振動波モータとを備え、前記被駆動体は、撮影光学系であること、
    を特徴とするカメラ。
  7. 請求項6に記載のカメラにおいて、
    前記移動体の前記交互回転制御により、前記撮影光学系が移動する範囲は、その移動時における前記撮影光学系の被写界深度の範囲であること、
    を特徴とする振動モータの駆動装置。
  8. 駆動信号の入力により振動する電気機械変換素子を有し、該電気機械変換素子の前記振動により駆動面が振動する振動体と、前記駆動面に加圧接触され、前記駆動面の前記振動により相対移動する移動体と、を備え、該移動体の前記相対移動により被駆動体を駆動する振動波モータの駆動方法であって、
    前記移動体の回転速度が所定の速度以下になったときに、前記移動体の回転方向を交互に変更させる交互回転制御を前記振動波モータに対して行なうこと、
    を特徴とする振動波モータの駆動方法。
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