JP6220715B2 - 欠陥検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、縫製品等の検査対象物に存在する欠陥を検出する欠陥検出装置に関する。
エアバッグ等の縫製品を製造する過程で、縫い目に、糸のほつれや、糸切れ、目飛び等の欠陥が生じることがある。この様な欠陥は、従来、目視検査により検出されていた。近年、検出精度の更なる向上や、ランニングコストの低廉化のために、欠陥検出を自動化することが検討されている。具体的には、オペレータが検査テーブルに縫製品を置いた後、自動的に、縫製品の画像データが取得され、その画像データ、又はその画像データに画像処理を施すことにより生成された処理画像データに基づいて、欠陥が検出される(例えば、特許文献1又は2参照)。
この様な欠陥検出技術において、検査テーブルに置かれた縫製品に弛みが生じていた場合、画像データへの縫い目の写りが悪くなり、欠陥の検出精度が低下することになる。そこで、検査テーブルに縫製品を置く際に、縫製品を透明の平板で押え、これにより縫製品を平らにする技術が提案されている。
特開平7−16376号公報 特開平10−170231号公報
しかし、検査テーブルに置かれた縫製品の弛みが、オペレータによる検査テーブルへの縫製品の置き方が原因で生じたものではなく、縫製品に固有のもの(縫製品が持つ固有の形状に起因したもの)であった場合、その縫製品を平板で押えると、縫製品には多くの皺が生じることになる。このため、弛みを持った縫製品については、欠陥の検査精度を向上させることが困難であった。
そこで本発明の目的は、弛みを持った検査対象物に存在する欠陥を高い精度で検出することが可能な欠陥検出装置を提供することである。
本発明に係る欠陥検出装置は、部分的に弛んだ弛み部を持つ検査対象物に存在する欠陥を検出する装置であって、検査対象物を保持するワークホルダと、ワークホルダに保持された検査対象物の画像データを取得する撮像部と、画像データ、又は画像データに画像処理を施すことにより生成された処理画像データに基づいて、欠陥を検出する欠陥検出部とを備える。ワークホルダは、検査対象物が置かれる載置面を持った検査テーブルと、検査テーブルの載置面に設けられた台座と、押え板とを有する。台座は、載置面上の所定位置に検査対象物が置かれたときに弛み部の背後に潜り込んだ状態となる。押え板は、載置面上の所定位置に置かれた検査対象物の少なくとも一部を、検査テーブルへ向けて押える透明の押え板であって、検査対象物を押える押え位置と、押えた状態から検査対象物を開放させる開放位置との間で移動することが可能である。又、押え板は、これが押え位置に配置されたときに検査テーブルの載置面に近接対向する第1平板部を有し、第1平板部には、押え板が押え位置に配置されたときに台座を通す開口が設けられている。
本発明に係る欠陥検出装置によれば、弛みを持った検査対象物に存在する欠陥を高い精度で検出することが可能になる。
検査対象物の一例である運転席エアバッグの背面図である。 本発明の実施形態に係る欠陥検出装置の平面図である。 欠陥検出装置の正面図である。 欠陥検出装置が備えるワークホルダの、図2に示されるIV−IV線に沿う断面図である。 欠陥検出装置が備える押え板の、検査対象物を押えたときの位置(押え位置)を示す断面図である。 欠陥検出装置の構成を概念的に示したブロック図である。 検査対象物の他の例であるサイドエアバッグの背面図である。 第1変形例に係る欠陥検出装置が備えるワークホルダの平面図である。 第2変形例に係る欠陥検出装置が備えるワークホルダの断面図である。
先ず、本発明の実施形態を列記して説明する。
本発明の実施形態に係る欠陥検出装置は、部分的に弛んだ弛み部を持つ検査対象物に存在する欠陥を検出する装置であって、検査対象物を保持するワークホルダと、ワークホルダに保持された検査対象物の画像データを取得する撮像部と、画像データ、又は画像データに画像処理を施すことにより生成された処理画像データに基づいて、欠陥を検出する欠陥検出部とを備える。ワークホルダは、検査対象物が置かれる載置面を持った検査テーブルと、検査テーブルの載置面に設けられた台座と、押え板とを有する。台座は、載置面上の所定位置に検査対象物が置かれたときに弛み部の背後に潜り込んだ状態となる。押え板は、載置面上の所定位置に置かれた検査対象物の少なくとも一部を、検査テーブルへ向けて押える透明の押え板であって、検査対象物を押える押え位置と、押えた状態から検査対象物を開放させる開放位置との間で移動することが可能である。又、押え板は、これが押え位置に配置されたときに検査テーブルの載置面に近接対向する第1平板部を有し、第1平板部には、押え板が押え位置に配置されたときに台座を通す開口が設けられている。
上記欠陥検出装置によれば、押え板が開放位置に配置された状態で、検査テーブルの載置面上の所定位置に検査対象物が置かれたとき、台座の存在により、弛み部の弛みが適度に引き伸ばされることになる。その後、押え板を押え位置へ移動させることにより、検査対象物の周縁部が第1平板部と検査テーブルとの間に挟まれる。このとき、弛み部は適度に引き伸ばされているので、従来の様に1枚の平板で検査対象物全体を押えた場合に比べて、弛み部には皺が生じ難くなる。即ち、検査対象物を、これに皺を殆ど生じさせずにワークホルダにセットすることが出来る。又、検査対象物の周縁部が平らになる。よって、検査対象物を撮像部により撮像した際、画像データへの検査対象物の写りが良くなり、その結果、検査対象物に存在する欠陥が高い精度で検出されることになる。
上記欠陥検出装置の好ましい具体的構成において、押え板は、これが押え位置に配置されたときに台座の座面に近接対向する第2平板部を更に有する。この構成によれば、押え板が押え位置に配置されたとき、検査対象物の周縁部が第1平板部と検査テーブルとの間に挟まれることに加えて、弛み部のうち台座の座面に載った部分が第2平板部と台座との間に挟まれることになる。よって、検査対象物の周縁部に加えて、弛み部のうち台座の座面に載った部分が平らになる。
上記欠陥検出装置の好ましい他の具体的構成において、第1平板部に設けられた開口は、台座の座面と略相似の形状を呈している。又、台座は、所定の厚さを持った円形平板である。
次に、本発明の実施形態の詳細について説明する。
本実施形態に係る欠陥検出装置は、縫製品等の検査対象物に存在する欠陥を検出する装置であり、部分的に弛んだ弛み部を持つ検査対象物の検査に特に適している。弛み部を持つ検査対象物として、例えばエアバッグ等が挙げられる。
[1]検査対象物
図1は、検査対象物の一例である運転席エアバッグB1の背面図である。又、図1には、Ia領域の拡大図及びIb領域の拡大図も示されている。運転席エアバッグB1は、外縁形状が円形である2枚のシート100を重ねて縫い合わせることにより形成されている。尚、図1では、表地のシート100は、裏地のシート100で隠れている。運転席エアバッグB1の周縁部には、シート100の外周縁100aに沿って2本の縫合線101が形成されている。縫合線101の各々は、二重環縫いにより連続的に形成された複数の縫い目101Aから構成されている。又、運転席エアバッグB1の裏地シート100には、その中央付近に、2本の縫合線102が更に形成されている。縫合線102の各々は、本縫いにより連続的に形成された複数の縫い目102Aから構成されている。そして、運転席エアバッグB1のうち、縫合線101より内側の部分(図1においてハッチングが施された部分)は、弛みが発生し易い部分となっている。即ち、運転席エアバッグB1では、縫合線101の内側の部分が弛み部103となっている。
以下では、図1に示された運転席エアバッグB1を主な検査対象物する欠陥検出装置の詳細について、説明する。尚、上記運転席エアバッグB1を検査対象物とした場合、主に、縫い目101A及び102Aに生じた目飛び等の欠陥が、欠陥検出装置により検出される。勿論、縫い目101A及び102Aに限定されない他の箇所に生じた傷や汚れ等の欠陥が検出されてもよい。
[2]欠陥検出装置の構成
図2及び図3はそれぞれ、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置の平面図及び正面図である。欠陥検出装置は、ワークホルダ1と、撮像部2と、照明部3とを備えている。ワークホルダ1は、検査対象物を保持する機能を有している。
欠陥検出装置には、撮像空間S1と作業空間S2とが設けられており、ワークホルダ1は、撮像空間S1と作業空間S2との間を往復移動することが出来る。ここで、撮像空間S1は、検査対象物の撮像が行われる空間である。又、作業空間S2は、ワークホルダ1への検査対象物のセットや検査対象物の取替え等の作業をオペレータが行う空間である。尚、図2では、欠陥検出装置が、撮像空間S1を構成する天井壁81の一部を破断して示されている。又、図3では、欠陥検出装置が、撮像空間S1を構成する前面壁82の一部を破断して示されている。
具体的には、ワークホルダ1の移動経路を規定するガイドレール1Aと、ワークホルダ1を移動させる駆動部(図示せず)とが、欠陥検出装置に設けられている。又、撮像空間S1及び作業空間S2にはそれぞれ、ワークホルダ1の停止位置P1及びP2が設定されている。そして、後述する制御部7(図6参照)が駆動部を制御することにより、ワークホルダ1は、撮像空間S1内の停止位置P1と作業空間S2内の停止位置P2との間をガイドレール1Aに沿って移動する。
図4は、ワークホルダ1の、図2に示されるIV−IV線に沿う断面図である。ワークホルダ1は、検査テーブル11と、台座12と、押え板13とから構成されている。検査テーブル11は、検査対象物が置かれる載置面11aを持ったテーブルである。本実施形態において、検査テーブル11及び台座12は何れも光透過性を有している。尚、図4には、検査対象物である運転席エアバッグB1が、載置面11a上の所定位置Ptに置かれた状態で示されている。
台座12は、検査対象物が持つ弛み部103の弛みを引き伸ばすためのものであり、検査テーブル11の載置面11aに設けられている。具体的には、台座12は、載置面11a上の所定位置Ptに検査対象物(主に運転席エアバッグB1)が置かれたときに検査対象物の弛み部103の背後に台座12が潜り込んだ状態となる様に、配置されている。より具体的には、台座12は、その座面12aが弛み部103の平面視形状(図1参照)より小さいサイズとなる様に設計されている。又、台座12の高さT1は、弛み部103の弛み量に応じて設計される。適切な高さT1に設計された台座12によれば、弛み部103の弛みが適度に引き伸ばされ、その結果、後述する様に押え板13で検査対象物を押えたときであっても、弛み部103には皺が生じ難くなる。
本実施形態では、台座12は、高さT1に対応する所定の厚さを持った円形平板である。即ち、台座12の座面12aが、検査対象物である運転席エアバッグB1の弛み部103の平面視形状(図1参照)に対応させて、円形に設計されている。尚、台座12の座面12aの形状には、厳密な円形に限らず、円形から僅かに歪んだ形状や、部分的に直線を含んだ形状等、円形から変形させた様々な形状が含まれる。
本実施形態では更に、台座12は、載置面11aに対して着脱可能に設置されている。従って、台座12として、直径や厚さの異なる複数の円形平板を用意しておき、運転席エアバッグB1等の検査対象物のサイズに応じて、台座12を取り替えることが出来る。
押え板13は、載置面11a上の所定位置Ptに置かれた検査対象物を、検査テーブル11へ向けて押えるために用いられる。又、押え板13は、後述する撮像部2による検査対象物の撮像(画像データの取得)を妨げることがない様に、透明な材料によって形成されている。ここで、図5には、検査対象物を押えたときの押え板13の位置(押え位置)が示されている。一方、図4には、押えた状態から検査対象物を開放させた押え板13の位置(開放位置)が示されている。即ち、押え板13は、検査テーブル11の載置面11aに対して開閉自在に枢支されており、押え位置(図5参照)と開放位置(図4参照)との間で移動することが可能である。一例として、押え板13の開閉は、オペレータにより実行される。勿論、押え板13の開閉は、自動化されてもよい。
図4に示す様に、押え板13は、第1平板部131と第2平板部132とを有している。ここで、第1平板部131には、押え板13が押え位置(図5参照)に配置されたときに台座12を通す開口131aが設けられている。従って、第1平板部131は、押え板13が押え位置に配置されたとき、開口131aに台座12が通された状態で、検査テーブル11の載置面11aに近接対向することになる。本実施形態において、開口131aは、台座12の座面12aよりも直径が大きい円形である。即ち、開口131aは、台座12の座面12aと略相似の形状を呈している。又、開口131aは、押え板13が押え位置(図5参照)に配置されたときに開口131aの中心軸C1(図4参照)と座面12aの中心軸C2(図4参照)とが略一致する様に設けられている。尚、開口131aの形状には、厳密な円形に限らず、円形から僅かに歪んだ形状や、部分的に直線を含んだ形状等、円形から変形させた様々な形状が含まれる。
第2平板部132は、開口131aより直径が僅かに大きい円形平板である。又、第2平板部132は、その中心軸C3が開口131aの中心軸C1と略一致する様に配されると共に、第1平板部131との間に段差が生じる様に、開口131aの中心軸C1に沿って開口131aの位置から上方へずれた位置に配されている。そして、第2平板部132は、円筒状の連結部133を介して第1平板部131に連結されている。ここで、連結部133は、開口131aの縁に設けられると共に開口131aを包囲している。又、連結部133の高さT2(図4参照)は、押え板13が押え位置(図5参照)に配置されたときに第2平板部132が台座12の座面12aに近接対向する様に設定されている。
上記ワークホルダ1によれば、押え板13が開放位置(図4参照)に配置された状態で、検査テーブル11の載置面11a上の所定位置Ptに検査対象物が置かれたとき、台座12の存在により、弛み部103の弛みが適度に引き伸ばされることになる。その後、押え板13を押え位置(図5参照)へ移動させることにより、検査対象物の周縁部が第1平板部131と検査テーブル11との間に挟まれ、弛み部103のうち台座12の座面12aに載った部分が第2平板部132と台座12との間に挟まれる。このとき、弛み部103は適度に引き伸ばされているので、従来の様に1枚の平板で検査対象物全体を押えた場合に比べて、弛み部103には皺が生じ難くなる。又、検査対象物の周縁部、並びに弛み部103のうち台座12の座面12aに載った部分が、平らになる。
撮像部2は、図2及び図3に示す様に、撮像空間S1を構成する天井壁81に設置されている。具体的には、撮像部2は、撮像空間S1内の停止位置P1にワークホルダ1が停止したときに台座12と対向することとなる位置に、下向きで配されている。撮像部2は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary MOS)イメージセンサ等、検査対象物からの光を感知する複数の受光素子が配列されたイメージセンサを有している。そして、撮像部2は、後述する制御部7(図6参照)からの指令に基づいて、ワークホルダ1に保持された検査対象物の撮像を行うことにより、検査対象物の画像データを取得する。
照明部3は、撮像部2による検査対象物の撮像時に、検査対象物に対して光を照射する。照明部3には、反射照明部31と透過照明部(図示せず)とが含まれている。反射照明部31は、検査対象物に対して斜め上方から光の照射等を行うことにより、検査対象物での反射光を、撮像部2が持つイメージセンサに感知させる。このとき、検査対象物に対して光を直接的に照射すると、検査対象物の表面にてテカリやぎらつきが発生し、得られた画像データにおいて縫い目101Aや102A等の写りが悪くなり易い。このため、反射照明部31からの光は、検査対象物に対して間接的に照射されることが好ましい。一例として、反射照明部31からの光を、撮像空間S1を構成する壁面で一旦反射させることが考えられる。透過照明部は、検査対象物に対して背後(下方)から光を照射することにより、検査対象物を通過した透過光を、撮像部2が持つイメージセンサに感知させる。そして、反射照明部31及び透過照明部は、後述する制御部7(図6参照)からの指令に基づいて、検査対象物の撮像時に選択的に点灯される。
図6は、欠陥検出装置の構成を概念的に示したブロック図である。図6に示す様に、欠陥検出装置は、画像処理部4と、欠陥検出部5と、記憶部6と、制御部7とを更に備えている。
画像処理部4は、制御部7からの指令に基づいて画像処理を実行する。具体的には、画像処理部4は、検査対象物の画像データに対して画像処理を施すことにより、縫い目101Aや102A等、欠陥が生じ易い部分を強調させた処理画像データを生成する。
欠陥検出部5は、制御部7からの指令に基づいて欠陥検出処理を実行する。具体的には、欠陥検出部5は、画像処理部4が生成した処理画像データに基づいて、検査対象物に存在する目飛び等の欠陥を検出する。尚、欠陥検出部5は、検査対象物の画像データから直接的に欠陥を検出するものであってもよい。
制御部7は、例えば、コンピュータに内蔵されたCPU(Central Processing Unit)である。記憶部6には、画像取得プログラムが格納されており、制御部7は、そのプログラムを記憶部6から読み出して実行することにより、ワークホルダ1、撮像部2、及び照明部3を制御する。更に、記憶部6には、画像処理プログラム及び欠陥検出プログラムが格納されており、制御部7は、これらのプログラムを記憶部6から読み出して実行することにより、画像処理部4及び欠陥検出部5をそれぞれ制御する。尚、画像取得プログラム、画像処理プログラム、及び欠陥検出プログラムは、これらを組み込んだ1つのプログラムとして構築されていてもよいし、別個のプログラムとして構築されていてもよい。
本実施形態に係る欠陥検出装置によれば、検査対象物(主に運転席エアバッグB1)を、これに皺を殆ど生じさせずにワークホルダ1にセットすることが出来る。よって、検査対象物を撮像部2により撮像した際、画像データへの検査対象物(運転席エアバッグB1の場合、特に縫い目101A及び102A)の写りが良くなり、その結果、検査対象物に存在する目飛び等の欠陥が高い精度で検出されることになる。
[3]変形例
次に、上記欠陥検出装置の変形例について説明する。
[3−1]第1変形例
第1変形例として、サイドエアバッグを主な検査対象物する欠陥検出装置の詳細について説明する。以下では、上記実施形態と異なる構成について具体的に説明する。
図7は、検査対象物の他の例であるサイドエアバッグB2の背面図である。又、図7には、VIIa領域の拡大図及びVIIb領域の拡大図も示されている。サイドエアバッグB2は、所定形状の2枚のシート104を重ねて縫い合わせることにより形成されている。尚、図7では、表地のシート104は、裏地のシート104で隠れている。サイドエアバッグB2の周縁部には、シート104の外周縁104aに沿って2本の縫合線105が形成されている。縫合線105の各々は、二重環縫いにより連続的に形成された複数の縫い目105Aから構成されている。又、サイドエアバッグB2の裏地シート104には、直線状に延びた2本の縫合線106が更に形成されている。縫合線106の各々は、本縫いにより連続的に形成された複数の縫い目106Aから構成されている。そして、サイドエアバッグB2のうち、縫合線105で囲まれた部分(図7においてハッチングが施された部分)は、弛みが発生し易い部分となっている。即ち、サイドエアバッグB2では、縫合線105で囲まれた部分が弛み部103となっている。
上記サイドエアバッグB2を検査対象物とした場合、主に、縫い目105A及び106Aに生じた目飛び等の欠陥が、欠陥検出装置により検出される。勿論、縫い目105A及び106Aに限定されない他の箇所に生じた傷や汚れ等の欠陥が検出されてもよい。
図8は、第1変形例に係る欠陥検出装置が備えるワークホルダ1の平面図である。第1変形例において、台座12は、載置面11a上の所定位置Pt(図8参照)にサイドエアバッグB2が置かれたときにサイドエアバッグB2の弛み部103の背後に台座12が潜り込んだ状態となる様に、配置されている。より具体的には、台座12は、その座面12aが、弛み部103の平面視形状(図7参照)と略相似の形状を呈すると共に、その平面視形状より小さいサイズとなる様に、設計されている。又、台座12の高さT1(図4参照)は、弛み部103の弛み量に応じて設計される。適切な高さT1に設計された台座12によれば、弛み部103の弛みが適度に引き伸ばされ、その結果、押え板13で検査対象物を押えたときであっても、弛み部103には皺が生じ難くなる。尚、台座12の座面12aの形状には、弛み部103の平面視形状と厳密に相似である形状に限らず、その形状から僅かに歪んだ形状や、部分的に直線を含んだ形状等、弛み部103の平面視形状と相似の形状から変形させた様々な形状が含まれる。
押え板13は、上記実施形態と同様(図4及び図5参照)、第1平板部131と第2平板部132とを有し、第1平板部131には、押え板13が押え位置(図5参照)に配置されたときに台座12を通す開口131aが設けられている。第1変形例において、開口131aは、台座12の座面12aと略相似であって且つ座面12aよりもサイズが大きい形状を呈している。尚、開口131aの形状には、台座12の座面12aと厳密に相似である形状に限らず、その形状から僅かに歪んだ形状や、部分的に直線を含んだ形状等、座面12aと相似の形状から変形させた様々な形状が含まれる。第2平板部132は、開口131aの形状に対応した形状を呈しており、連結部133を介して第1平板部131に連結されている。ここで、連結部133の高さT2(図4参照)は、上記実施形態と同様、押え板13が押え位置(図5参照)に配置されたときに第2平板部132が台座12の座面12aに近接対向する様に設定されている。
第1変形例に係る欠陥検出装置によれば、サイドエアバッグB2を、これに皺を殆ど生じさせずにワークホルダ1にセットすることが出来る。よって、サイドエアバッグB2を撮像部2により撮像した際、画像データへのサイドエアバッグB2(特に縫い目105A及び106A)の写りが良くなり、その結果、サイドエアバッグB2に存在する目飛び等の欠陥が高い精度で検出されることになる。
[3−2]第2変形例
図9(a)及び(b)は、第2変形例に係る欠陥検出装置が備えるワークホルダ1の断面図である。図9(a)及び(b)に示す様に、押え板13は、第2平板部132及び連結部133を持たないものであってもよい。この構成によれば、弛み部103が、押え板13によって押えられなくなる。しかし、図9(a)に示す様に、検査テーブル11の載置面11a上の所定位置Ptに検査対象物(運転席エアバッグB1やサイドエアバッグB2等)が置かれたとき、台座12の存在により、弛み部103の弛みが適度に引き伸ばされる。よって、図9(b)に示す様に検査対象物の周縁部が第1平板部131によって押えられるだけでも、従来の様に1枚の平板で検査対象物全体を押えた場合に比べれば、弛み部103には皺が生じ難くなる。
尚、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、台座12及び押え板13の形状やサイズは、検査対象物の形状やサイズ、更には弛み部103の形状やサイズ等に応じて、適宜変更することが可能である。又、検査テーブル11の載置面11aには、台座12が複数設けられてもよい。このとき、台座12には、厚さや形状の異なるものを組み合わせて用いることが出来る。
本発明に係る欠陥検出装置は、エアバッグ等の縫製品の検査に限らず、弛み部を持つ様々な製品の検査に応用することが出来る。
1 ワークホルダ
1A ガイドレール
11 検査テーブル
11a 載置面
12 台座
12a 座面
13 押え板
131 第1平板部
131a 開口
132 第2平板部
133 連結部
2 撮像部
3 照明部
31 反射照明部
4 画像処理部
5 欠陥検出部
6 記憶部
7 制御部
81 天井壁
82 前面壁
100 シート
100a 外周縁
101、102 縫合線
101A、102A 縫い目
103 弛み部
104 シート
104a 外周縁
105、106 縫合線
105A、106A 縫い目
B1 運転席エアバッグ
B2 サイドエアバッグ
S1 撮像空間
S2 作業空間
Pt 所定位置
P1、P2 停止位置
T1、T2 高さ
C1、C2、C3 中心軸

Claims (4)

  1. 部分的に弛んだ弛み部を持つ検査対象物に存在する欠陥を検出する欠陥検出装置であって、
    前記検査対象物を保持するワークホルダと、
    前記ワークホルダに保持された前記検査対象物の画像データを取得する撮像部と、
    前記画像データ、又は前記画像データに画像処理を施すことにより生成された処理画像データに基づいて、前記欠陥を検出する欠陥検出部と
    を備え、
    前記ワークホルダは、
    前記検査対象物が置かれる載置面を持った検査テーブルと、
    前記検査テーブルの前記載置面に設けられ、前記載置面上の所定位置に前記検査対象物が置かれたときに前記弛み部の背後に潜り込んだ状態となる台座と、
    前記載置面上の前記所定位置に置かれた前記検査対象物の少なくとも一部を、前記検査テーブルへ向けて押える透明の押え板であって、前記検査対象物を押える押え位置と、押えた状態から前記検査対象物を開放させる開放位置との間で移動することが可能である、押え板と
    を有し、
    前記押え板は、これが前記押え位置に配置されたときに前記検査テーブルの前記載置面に近接対向する第1平板部を有し、前記第1平板部には、前記押え板が前記押え位置に配置されたときに前記台座を通す開口が設けられている、欠陥検出装置。
  2. 前記押え板は、これが前記押え位置に配置されたときに前記台座の座面に近接対向する第2平板部を更に有する、請求項1に記載の欠陥検出装置。
  3. 前記第1平板部に設けられた前記開口は、前記台座の座面と略相似の形状を呈している、請求項1又は2に記載の欠陥検出装置。
  4. 前記台座は、所定の厚さを持った円形平板である、請求項1〜3の何れか1つに記載の欠陥検出装置。
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