JP6218464B2 - 圧力スイング吸着装置の使用方法と圧力スイング吸着装置 - Google Patents

圧力スイング吸着装置の使用方法と圧力スイング吸着装置 Download PDF

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本発明は、吸着剤が収納された吸着槽に吸着ガス(吸着剤に吸着されるガスをこう呼ぶ)と製品ガスとを含む原料ガスを導入し、当該吸着ガスを前記吸着剤に吸着させて当該製品ガスを製品槽に収容する吸着工程と、当該吸着工程終了後、前記吸着槽内に残存する製品ガスを含む回収ガスを回収槽に回収する回収工程と、当該回収工程終了後、前記吸着剤に吸着された吸着ガスを脱着して前記吸着槽から排出する脱着工程と、当該脱着工程終了後、ガスを前記吸着槽に供給して当該吸着槽内を昇圧する昇圧工程とを繰り返し実行して原料ガスから製品ガスを製造する圧力スイング吸着装置の使用方法に関するとともに、その方法の実施に使用する圧力スイング吸着装置に関する。
上述のような吸着槽、製品槽、および、回収槽などを備えた圧力スイング吸着装置(通常「PSA装置」とも称される)は知られており、また、当該圧力スイング吸着装置を使用し、吸着工程、回収工程、脱着工程、および、昇圧工程を繰り返し実行して、例えば、大気中の空気から高濃度(純度90%前後)の酸素を製造する圧力スイング吸着装置の使用方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。
更に、このような圧力スイング吸着装置を使用して高濃度の酸素を製造し、製造した高濃度の酸素を24〜28%程度にまで空気で希釈して酸素富化空気とした後、その酸素富化空気をガス燃焼用空気として使用するストーカ式ごみ焼却炉も知られている(例えば、特許文献2参照)。
このように、圧力スイング吸着装置により高濃度の酸素を製造し、その後、空気で希釈して使用するのは、装置そのものは小さく、動力も低下でき、その方が効率的であるという理由による(例えば、非特許文献1参照)。
WO2004/007056号公報 特開2002−267132号公報
広岡永治、外1名、「ゼオライトによる省エネルギー型PSA酸素製造装置」、セラミックス、日本セラミックス協会、1985年3月、第20巻、第3号、p.175−182(特に、p.181の右欄参照)
ところで、上記特許文献1に記載の装置を含んで、従来の圧力スイング吸着装置では、吸着工程の実行により精製された高濃度の酸素を収容する製品槽の出口側に製品ガス供給配管を接続し、当該製品ガス供給配管を介して高濃度の酸素のみを外部に供給する構成とされていた。
そのため、回収工程開始時に回収槽内の圧力が比較的高くなり、吸着槽内と回収槽内との圧力差によって、吸着槽内に残存する高濃度の酸素を含む回収ガスを回収槽に回収する回収工程において、回収ガスを十分に回収することができず、その後の脱着工程時に、高濃度の酸素を含む比較的多量の回収ガスを装置外へ排出する結果を招いていた。
この点に関し、より具体的に説明するため、従来の圧力スイング吸着装置の各工程における吸着槽1と回収槽3内の圧力などを示した図3を参照して説明する。
この図3に示す従来の圧力スイング吸着装置においては、上述したように、製品槽2の出口側に製品ガス供給配管12が接続され、当該製品ガス供給配管12に圧力調整弁13が設けられている。そして、後述する図1および図2に示す本発明に係る圧力スイング吸着装置の実施形態との対応を図るため、(A)〜(E)に示す各工程において、第1〜第4制御弁V1〜V4に関しては、開弁状態にあるものを白抜きで、閉弁状態にあるものを黒塗りで示し、各配管4、6〜9、12に関しては、ガスが通流しているものを太線と矢印で示し、ガスが通流していないものを細線で示してある。
また、吸着槽1、製品槽2、および、回収槽3は、本発明の実施形態と同様、その容積をそれぞれ0.25m3、と想定し、原料ガス槽6に関しても、本発明の実施形態と同様、0.5m3と想定しており、図中に記載の流量(m3N/h)と圧力(MPa)は、気温とガス温度が0℃のときの流量と絶対圧力を示す。
その他、後述する図1の本発明の実施形態と同じ構成については、重複を避けるために同じ符号を付すことで説明を省略する。
図3の(A)に示す吸着工程では、第1と第3制御弁V1、V3が開弁し、第2と第4制御弁V2、V4が閉弁して、コンプレッサ5の駆動により原料ガス供給配管4を通って、例えば、流量100m3N/hの大気中の空気が、絶対圧力0.79MPaで吸着槽1に導入される場合、製品ガス供給配管12から流量7.5m3N/hの濃度87%の酸素が取り出される。当該吸着工程は、30秒間実行され、吸着工程終了時には、吸着槽1内の到達圧力が0.56MPa、回収槽3内の到達圧力が0.25MPa程度となる。
図3の(B)に示す回収工程では、第4制御弁V4が開弁し、第1〜第3制御弁V1、V2、V3が閉弁して、吸着槽1内と回収槽3内の圧力差により、吸着槽1内に残存する高濃度の酸素を含む回収ガスが、回収ガス用配管9を通って回収槽3に回収されるのであるが、回収工程開始時(吸着工程終了時)、回収槽3内の圧力は0.25MPaで、後述する本発明の実施形態に比べて比較的高くなる。
そのため、回収工程において、回収ガスを十分に回収することができず、図3の(C)に示す脱着工程時に、高濃度の酸素を含む比較的多量の回収ガスを装置外へ排出する結果を招いていた。
すなわち、最終的に87%程度の高濃度の酸素を必要とせず、例えば、上記特許文献2に記載のストーカ式ごみ焼却炉のように、高濃度の酸素を製造した後、その高濃度の酸素を空気で希釈して酸素富化空気として使用するような場合、回収工程において、回収ガスを十分に回収することができず、脱着工程時に、高濃度の酸素を含む比較的多量の回収ガスを装置外へ排出して、その結果、必要とする酸素の取得量が低下するという問題があった。
なお、当該回収工程は、10秒間実行され、回収工程終了時には、吸着槽1内の到達圧力が0.41MPa程度、回収槽3内の到達圧力が0.40MPa程度となる。
その他、詳しい説明は省略するが、図3の(C)に示す脱着工程は、5秒間実行されて、吸着槽1内の到達圧力が0.10MPa程度となり、図3の(D)に示す洗浄工程は、1秒間実行されて、吸着槽1内の到達圧力が0.10MPa程度、図3の(E)に示す昇圧工程は、10秒間実行されて、回収槽3内の到達圧力が0.25MPa程度となる。
本発明は、このような従来の問題点に着目したもので、その目的は、最終的に必要とする製品ガスの濃度が比較的低い場合において、その製品ガスの取得量を大幅に向上させることのできる圧力スイング吸着装置の使用方法とその方法の実施に使用する圧力スイング吸着装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明による圧力スイング吸着装置の使用方法は、吸着剤が
収納された吸着槽に吸着ガスと製品ガスとを含む原料ガスを導入し、当該吸着ガスを前記吸着剤に吸着させて当該製品ガスを製品槽に収容する吸着工程と、当該吸着工程終了後、前記吸着槽内に残存する製品ガスを含む回収ガスを回収槽に回収する回収工程と、当該回収工程終了後、前記吸着剤に吸着された吸着ガスを脱着して前記吸着槽から排出する脱着工程と、当該脱着工程終了後、ガスを前記吸着槽に供給して当該吸着槽内を昇圧する昇圧工程とを繰り返し実行して原料ガスから製品ガスを製造する圧力スイング吸着装置の使用方法であって、
その特徴構成は、前記回収槽から槽内の回収ガスを外部に供給する回収ガス供給配管が設けられ、前記脱着工程終了後、前記回収槽内の回収ガスを前記吸着槽に供給して当該吸着槽内を昇圧する第1昇圧工程を実行し、前記第1昇圧工程終了後、前記製品槽内の製品ガスを前記吸着槽に供給して当該吸着槽内を更に昇圧する第2昇圧工程を実行し、前記第2昇圧工程終了後、前記吸着工程を実行し、前記吸着工程、前記回収工程、前記脱着工程、前記第1昇圧工程、および前記第2昇圧工程において、前記回収ガスが前記回収ガス供給配管を通って前記製品ガスとして外部へ取り出される点にある。
上記特徴構成によれば、回収槽から槽内の回収ガスを外部に供給する回収ガス供給配管が設けられ、当該回収ガス供給配管を介して回収槽内の回収ガスを取り出すので、取り出す製品ガスの濃度は低下するものの、回収槽から取り出した回収ガスの量に見合った分だけ、回収槽内の圧力は低くなる。
それに加えて、吸着槽内を昇圧する昇圧工程において、回収槽内の回収ガスを吸着槽に供給して昇圧する第1昇圧工程を実行した後、更に、製品槽内の製品ガスを吸着槽に供給して昇圧する第2昇圧工程を実行するので、第2昇圧工程を実行した分だけ、吸着槽内の圧力は高くなる。
したがって、吸着槽内と回収槽内との圧力差により吸着槽内に残存する回収ガスを回収する回収工程において、比較的多量の回収ガスを回収槽に回収して、その後の脱着工程時に、装置外へ排出する回収ガスの量を抑制し、その結果、製品ガスの取得量を大幅に向上させることができる。
この点に関してより具体的に、図3に示す従来の圧力スイング吸着装置と図1および図2に示す本発明による圧力スイング吸着装置を例にとって、その酸素富化空気の取得量を比較してみる。
図3の従来装置では、図3の(A)に記載のように、濃度87%の酸素が7.5m3N/h製造されるので、例えば、最終的に濃度27%の酸素富化空気として使用する場合、7.5m3N/h(酸素濃度87%)+75m3N/h(希釈空気)=82.5m3N/h(酸素濃度27%)となる。
それに対し、本発明装置では、図1の(A)に記載のように、濃度81%の酸素が22m3N/h製造されるので、22m3N/h(酸素濃度81%)+198m3N/h(希釈空気)=220m3N/h(酸素濃度27%)となる。
したがって、濃度27%の酸素富化空気の取得量の比は、220/82.5で、本発明装置によれば、従来の装置の約2.7倍となる。
また、電力使用量に関しては、両装置は同じであり、本発明装置では多量の希釈空気を必要とするため、その希釈空気の供給分だけ多くはなるが、大気圧に近い低圧の希釈空気を供給するだけなので少量の電力で済み、電力使用量も約2.7分の1に低減することになる。
本発明による圧力スイング吸着装置の使用方法の更なる特徴構成は、前記回収ガス供給配管に流量制御弁が設けられ、前記回収ガス供給配管から供給するガスの流量を制御する点にある。
上記特徴構成によれば、回収ガス供給配管に流量制御弁が設けられ、回収ガス供給配管から供給するガスの流量を制御するので、回収槽から取り出される回収ガスの流量を安定させることができる。
本発明による圧力スイング吸着装置の使用方法の更なる特徴構成は、前記原料ガスが空気、前記吸着ガスが窒素、前記製品ガスが高濃度酸素である点にある。
上記特徴構成によれば、大気中の空気を原料ガスとして高濃度の酸素を製造し、例えば、ストーカ式ごみ焼却炉などに酸素富化空気を供給することが可能となる。
上記目的を達成するための本発明による圧力スイング吸着装置は、吸着剤が収納された吸着槽に吸着ガスと製品ガスとを含む原料ガスを導入し、当該吸着ガスを前記吸着剤に吸着させて当該製品ガスを製品槽に収容する吸着工程と、当該吸着工程終了後、前記吸着槽内に残存する製品ガスを含む回収ガスを回収槽に回収する回収工程と、当該回収工程終了後、前記吸着剤に吸着された吸着ガスを脱着して前記吸着槽から排出する脱着工程と、当該脱着工程終了後、ガスを前記吸着槽に供給して当該吸着槽内を昇圧する昇圧工程とを繰り返し実行して原料ガスから製品ガスを製造する圧力スイング吸着装置であって、
その特徴構成は、前記回収槽から槽内の回収ガスを外部に供給する回収ガス供給配管が設けられ、前記脱着工程終了後、前記回収槽内の回収ガスを前記吸着槽に供給して当該吸着槽内を昇圧する第1昇圧工程を実行し、前記第1昇圧工程終了後、前記製品槽内の製品ガスを前記吸着槽に供給して当該吸着槽内を更に昇圧する第2昇圧工程を実行し、前記第2昇圧工程終了後、前記吸着工程を実行する工程制御装置を備え、前記吸着工程、前記回収工程、前記脱着工程、前記第1昇圧工程、および前記第2昇圧工程において、前記回収ガスが前記回収ガス供給配管を通って前記製品ガスとして外部へ取り出される点にある。


上記特徴構成によれば、回収槽から槽内の回収ガスを外部に供給する回収ガス供給配管が設けられているので、当該回収ガス供給配管を介して回収槽内の回収ガスを取り出すことにより、取り出す製品ガスの濃度は低下するものの、回収槽から取り出した回収ガスの量に見合った分だけ、回収槽内の圧力は低くなる。
それに加えて、工程制御装置による制御により、吸着槽内を昇圧する昇圧工程において、回収槽内の回収ガスを吸着槽に供給して昇圧する第1昇圧工程を実行した後、更に、製品槽内の製品ガスを吸着槽に供給して昇圧する第2昇圧工程を実行するので、第2昇圧工程を実行した分だけ、吸着槽内の圧力は高くなる。
したがって、吸着槽内と回収槽内との圧力差により吸着槽内に残存する回収ガスを回収する回収工程において、比較的多量の回収ガスを回収槽に回収して、その後の脱着工程時に、装置外へ排出する回収ガスの量を抑制し、その結果、製品ガスの取得量を大幅に向上させることができる。
本発明による圧力スイング吸着装置の使用方法の吸着工程から洗浄工程を示す図 本発明による圧力スイング吸着装置の使用方法の第1昇圧工程と第2昇圧工程を示す図 従来の圧力スイング吸着装置の使用方法を示す図
本発明に係る圧力スイング吸着装置の使用方法と圧力スイング吸着装置につき、その実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の圧力スイング吸着装置は、例えば、大気中の空気から高濃度の酸素を製造するもので、図1および図2に示すように、吸着槽1を1槽のみ備え、製品槽2と回収槽3も1槽ずつ備えている。吸着槽1は、原料ガスとしての空気から吸着ガスとしての窒素(N2)を吸着して、製品ガスとしての高濃度の酸素(O2)を製造するもので、吸着槽1内には、空気中の窒素を吸着する窒素吸着剤として、例えば、LiLSX型ゼオライトが収納され、当該窒素吸着剤の下方には、窒素吸着剤に対する水分の悪影響(吸着性能の低下)を防止するために水分吸着剤としてのシリカゲルが収納されている。
吸着槽1の入口側には、吸着槽1に原料ガスである空気を供給する原料ガス供給配管4が接続され、原料ガス供給配管4には、原料ガスである空気を加圧するためのコンプレッサ5が接続されている。
当該原料ガス供給配管4において、コンプレッサ5より吸着槽1側には、第1制御弁V1が設けられ、第1制御弁V1とコンプレッサ5との間には、コンプレッサ5により加圧された空気を一時的に収納しておく原料ガス槽6が接続されている。
吸着槽1の入口側には、更に、第1制御弁V1より吸着槽1側の原料ガス供給配管4の一部を共用する状態で、洗浄ガス排出配管7が接続され、当該洗浄ガス排出配管7に第2制御弁V2が設けられている。
吸着槽1の出口側には、製品ガス用配管8が接続され、当該製品ガス用配管8が、製品槽2に接続されるとともに、製品ガス用配管8に第3制御弁V3が設けられている。
吸着槽1の出口側には、更に、第3制御弁V3より吸着槽1側の製品ガス用配管8の一部を共用する状態で、回収ガス用配管9が接続され、当該回収ガス用配管9が回収槽3に接続されて、回収ガス用配管9に第4制御弁V4が設けられている。
回収槽3には、第4制御弁V4より回収槽3側の回収ガス用配管9の一部を共用する状態で、回収ガス供給配管10が接続され、当該回収ガス供給配管10を介して回収槽3内の回収ガスを外部に供給するように構成され、当該回収ガス供給配管10には流量制御弁11が設けられている。
そして、第1〜第4制御弁V1〜V4、流量制御弁11などは、全て図外の工程制御装置により制御され、後述する吸着工程、回収工程、脱着工程、洗浄工程、第1昇圧工程、第2昇圧工程を順次実行するように構成されている。
つぎに、この圧力スイング吸着装置の使用方法について説明する。
なお、図1および図2の(A)〜(F)に示す各工程において、第1〜第4制御弁V1〜V4に関しては、開弁状態にあるものを白抜きで、閉弁状態にあるものを黒塗りで示し、各配管4、7〜10に関しては、ガスが通流しているものを太線と矢印で示し、ガスが通流していないものを細線で示してある。
吸着槽1、製品槽2、および、回収槽3は、その容積をそれぞれ0.25m3と想定し、原料ガス槽6に関しては0.5m3と想定している。
また、図中に記載の流量(m3N/h)と圧力(MPa)は、気温とガス温度が0℃のときの流量と絶対圧力を示している。
図1の(A)に示す吸着工程では、第1と第3制御弁V1、V3が開弁し、第2と第4制御弁V2、V4が閉弁して、コンプレッサ5の駆動により原料ガス供給配管4を通って、流量100m3N/hの大気中の空気が、絶対圧力0.79MPaで吸着槽1に導入される。吸着槽1内において、窒素が吸着剤に吸着され、濃度87%程度の高濃度の酸素が、吸着槽1から取り出され、製品ガス用配管8を通って製品槽2に収容される。
外部には、回収ガス供給配管10を介して回収槽3内の回収ガスのみが取り出されて供給され、その取り出されるガスは、流量制御弁11により流量22m3N/hに流量制御され、0.12MPaで濃度81%の酸素が取り出される。
当該吸着工程は、30秒間実行され、吸着工程終了時には、吸着槽1内の到達圧力が0.56MPa、回収槽3内の到達圧力が0.12MPa程度となる。
図1の(B)に示す回収工程では、第4制御弁V4が開弁し、第1〜第3制御弁V1、V2、V3が閉弁して、吸着槽1内と回収槽3内の圧力差により、吸着槽1内の回収ガスが、回収ガス用配管9を通って回収槽3に回収されると同時に、回収ガス供給配管10を通って外部に供給される。
当該回収工程は、10秒間実行され、コンプレッサ5により加圧された空気は原料ガス槽6に収納され、回収工程終了時には、吸着槽1と回収槽3内の到達圧力が0.33MPa程度となり、後続の脱着工程で排出される回収ガスを低減でき、外部へ供給する回収ガスの取得量を向上できる。
図1の(C)に示す脱着工程では、第2制御弁V2が開弁し、第1、第3、第4制御弁V1、V3、V4が閉弁して、吸着槽1内と大気圧との圧力差により、吸着槽1内の回収ガスが、洗浄ガス排出配管7を通って排出され、それに伴って、窒素が脱着して洗浄ガス排出配管7から排出される。
当該脱着工程中においても、回収槽3内の回収ガスが、回収ガス供給配管10を通って外部へ取り出される。
当該脱着工程は、5秒間実行され、コンプレッサ5で加圧された空気は原料ガス槽6に収納され、脱着工程終了時には、吸着槽1内の到達圧力が0.10MPa、回収槽2内の到達圧力が0.32MPa程度となる。
図1の(D)に示す洗浄工程では、第2と第3制御弁V2、V3が開弁し、第1と第4制御弁V1、V4が閉弁して、製品槽2内と吸着槽1内の圧力差により、製品槽2内の高濃度の酸素が、製品ガス用配管8を通って吸着槽1内に流入し、吸着剤から脱着した窒素と一緒に洗浄ガス排出配管7から排出される。
当該洗浄工程中においても、回収槽3内の回収ガスが、回収ガス供給配管10を通って外部へ取り出される。
当該洗浄工程は、1秒間実行され、コンプレッサ5で加圧された空気は原料ガス槽6に収納され、洗浄工程終了時には、吸着槽1内の到達圧力が0.10MPa、回収槽2内の到達圧力が0.31MPa程度となる。
図2の(E)に示す第1昇圧工程では、第4制御弁V4が開弁し、第1〜第3制御弁V1〜V3が閉弁して、回収槽3内と吸着槽1内の圧力差により、回収槽3内の回収ガスが、回収ガス用配管9を通って吸着槽1内に流入し、吸着槽1内が昇圧される。
当該第1昇圧工程中においても、回収槽3内の回収ガスが、回収ガス供給配管10を通って外部へ取り出される。
当該第1昇圧工程は、10秒間実行され、コンプレッサ5で加圧された空気は原料ガス槽6に収納され、第1昇圧工程終了時には、吸着槽1と回収槽3内の到達圧力が0.20MPa程度となり、引続いて、第2昇圧工程を実行する。
図2の(F)に示す第2昇圧工程では、第3制御弁V3が開弁し、第1、第2、第4制御弁V1、V2、V4が閉弁して、製品槽2内と吸着槽1内の圧力差により、製品槽2内の製品ガスが、製品ガス用配管8を通って吸着槽1内に流入し、吸着槽1内が更に昇圧される。
当該第2昇圧工程中においても、回収槽3内の回収ガスが、回収ガス供給配管10を通って外部へ取り出され、吸着工程、回収工程、脱着工程、洗浄工程、および、第1昇圧工程時と同様、流量22m3N/hで濃度81%の酸素が絶対圧力0.12MPaで取り出される。
当該第2昇圧工程は、2秒間実行され、コンプレッサ5で加圧された空気は原料ガス槽6に収納され、第2昇圧工程終了時には、吸着槽1内の到達圧力が0.30MPa程度となる。この第2昇圧工程を行った場合でも、回収槽3内の圧力は、第1昇圧工程で到達した0.20MPa程度であるため、後続の工程において回収槽3への回収ガスを従来より多く回収できる。
上述したように、この圧力スイング吸着装置においては、図外の工程制御装置による制御によって、図1の(A)に示した吸着工程、(B)に示した回収工程、(C)に示した脱着工程、(D)に示した洗浄工程、図2の(E)に示した第1昇圧工程、および、(F)に示した第2昇圧工程を繰り返し実行して、原料ガスである空気から製品ガスである高濃度の酸素を製造するのである。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、脱着工程終了後、洗浄工程を実行し、その後、第1昇圧工程を実行するように構成した例を示したが、脱着工程の実行によって吸着剤から脱着した窒素を排出することが可能であるから、必ずしも洗浄工程を実行する必要はなく、脱着工程終了後、直ちに第1昇圧工程を実行するように構成することも可能である。
また、吸着槽1を1槽のみ備えた単槽式の圧力スイング吸着装置を示したが、吸着槽1を複数槽備えた複槽式の圧力スイング吸着装置にも適用可能である。
(2)上記実施形態では、圧力スイング吸着装置の一例として、大気中の空気から高濃度の酸素を製造する酸素製造用の圧力スイング吸着装置を示したが、例えば、吸着槽1に酸素吸着剤を収納し、大気中の空気から高濃度の窒素を製造する窒素製造用、吸着槽1に二酸化炭素吸着剤を収納し、バイオガスから高濃度のメタンを製造するメタン製造用、あるいは、吸着槽1に水分吸着剤を収納し、各種の乾燥ガスを製造する乾燥ガス製造用など、各種の圧力スイング吸着装置に適用することができる。
1 吸着槽
2 製品槽
3 回収槽
10 回収ガス供給配管
11 流量制御弁

Claims (4)

  1. 吸着剤が収納された吸着槽に吸着ガスと製品ガスとを含む原料ガスを導入し、当該吸着ガスを前記吸着剤に吸着させて当該製品ガスを製品槽に収容する吸着工程と、当該吸着工程終了後、前記吸着槽内に残存する製品ガスを含む回収ガスを回収槽に回収する回収工程と、当該回収工程終了後、前記吸着剤に吸着された吸着ガスを脱着して前記吸着槽から排出する脱着工程と、当該脱着工程終了後、ガスを前記吸着槽に供給して当該吸着槽内を昇圧する昇圧工程とを繰り返し実行して原料ガスから製品ガスを製造する圧力スイング吸着装置の使用方法であって、
    前記回収槽から槽内の回収ガスを外部に供給する回収ガス供給配管が設けられ、
    前記脱着工程終了後、前記回収槽内の回収ガスを前記吸着槽に供給して当該吸着槽内を昇圧する第1昇圧工程を実行し、
    前記第1昇圧工程終了後、前記製品槽内の製品ガスを前記吸着槽に供給して当該吸着槽内を更に昇圧する第2昇圧工程を実行し、
    前記第2昇圧工程終了後、前記吸着工程を実行し、
    前記吸着工程、前記回収工程、前記脱着工程、前記第1昇圧工程、および前記第2昇圧工程において、前記回収ガスが前記回収ガス供給配管を通って前記製品ガスとして外部へ取り出される圧力スイング吸着装置の使用方法。
  2. 前記回収ガス供給配管に流量制御弁が設けられ、前記回収ガス供給配管から供給するガスの流量を制御する請求項1に記載の圧力スイング吸着装置の使用方法。
  3. 前記原料ガスが空気、前記吸着ガスが窒素、前記製品ガスが高濃度酸素である請求項1または2に記載の圧力スイング吸着装置の使用方法。
  4. 吸着剤が収納された吸着槽に吸着ガスと製品ガスとを含む原料ガスを導入し、当該吸着ガスを前記吸着剤に吸着させて当該製品ガスを製品槽に収容する吸着工程と、当該吸着工程終了後、前記吸着槽内に残存する製品ガスを含む回収ガスを回収槽に回収する回収工程と、当該回収工程終了後、前記吸着剤に吸着された吸着ガスを脱着して前記吸着槽から排出する脱着工程と、当該脱着工程終了後、ガスを前記吸着槽に供給して当該吸着槽内を昇圧する昇圧工程とを繰り返し実行して原料ガスから製品ガスを製造する圧力スイング吸着装置であって、
    前記回収槽から槽内の回収ガスを外部に供給する回収ガス供給配管が設けられ、
    前記脱着工程終了後、前記回収槽内の回収ガスを前記吸着槽に供給して当該吸着槽内を昇圧する第1昇圧工程を実行し、
    前記第1昇圧工程終了後、前記製品槽内の製品ガスを前記吸着槽に供給して当該吸着槽内を更に昇圧する第2昇圧工程を実行し、
    前記第2昇圧工程終了後、前記吸着工程を実行する工程制御装置を備え
    前記吸着工程、前記回収工程、前記脱着工程、前記第1昇圧工程、および前記第2昇圧工程において、前記回収ガスが前記回収ガス供給配管を通って前記製品ガスとして外部へ取り出される圧力スイング吸着装置。
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