JP2004299995A - 水素製造装置及び水素製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭化水素ガスに、高温下で水蒸気を反応させて水素リッチガスに改質する改質装置1と、改質装置1からの水素リッチガスを圧縮して昇圧する昇圧装置4と、昇圧された水素リッチガス中の不純物を加圧下において吸着剤に吸着させて高純度水素ガスを精製し、その吸着した不純物を減圧下において吸着剤から脱着させる水素精製装置7と、その水素精製装置7からのオフガスを改質装置1に燃料ガスとして供給自在なオフガス供給路Kとを備えた水素製造装置において、水素精製装置7からのガスを流路切替によって昇圧装置4を経由して水素精製装置7に戻すことが可能な閉循環路LCを設け、水素精製装置7からのガス流路を、閉循環路LCに切り替えてガス循環させるガス循環手段Jを設けてある。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明装置は、炭化水素ガスに、高温下で水蒸気を反応させて水素リッチガスに改質する改質装置と、前記改質装置からの前記水素リッチガスを圧縮して昇圧する昇圧装置と、昇圧された前記水素リッチガス中の不純物を加圧下において吸着剤に吸着させて高純度水素ガスを精製し、その吸着した不純物を減圧下において前記吸着剤から脱着させる水素精製装置と、その水素精製装置からのオフガスを前記改質装置に燃料ガスとして供給自在なオフガス供給路とを備えた水素製造装置に関する。
また、本発明方法は、炭化水素ガスに高温下で水蒸気を反応させて水素リッチガスとして改質し、その水素リッチガスを昇圧装置で圧縮して昇圧させて、水素精製装置での加圧下においてガス中の不純物を吸着剤に吸着させて高純度水素ガスを精製する一方、吸着した不純物を減圧下において前記吸着剤から脱着させてできたオフガスを、前記炭化水素ガスの改質に使用する燃料ガスとして供給する水素製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素は、燃料電池の燃料やバーナの燃料をはじめとして不飽和結合への添加用などの各種の用途に供されるもので、各種方法により製造される。
しかし、製造後の水素中に多量の不純物が含まれていると、用途によっては使用不能になる可能性があるため、水素中に含まれる不純物を除去して高純度の水素に精製する必要がある。
このように、高純度の水素を精製する従来の水素製造技術の一つとして、原料に都市ガスや天然ガス等の炭化水素ガスを使用した燃料ガス変成法による水素製造技術があった。
この水素製造技術は、図4に示すような水素製造装置を用いて水素ガスを製造することができる。
水素製造装置としては、炭化水素ガスに、高温下で水蒸気を反応させて水素リッチガスに改質する改質装置1を設け、改質装置1からの前記水素リッチガスを圧縮して昇圧する昇圧装置4を設け、昇圧された前記水素リッチガス中の不純物を除去して高純度水素ガスを精製する水素精製装置7を設け、改質装置1から昇圧装置4、水素精製装置7を経由して供給先に伸びる水素ガス供給路Lを設け、水素精製装置7から発生するオフガスを前記改質装置1に燃料ガスとして供給自在なオフガス供給路Kを設け、オフガス供給路Kの途中に前記オフガスを溜めるオフガス用タンク9を設けたものがあった(例えば、特許文献1参照)。そして、精製行程での上流側である改質装置からのガス供給をストップした場合は、下流側すべてが稼動を停止するように構成してあった。
尚、上述した水素精製装置7は、吸着、均圧、減圧、洗浄、昇圧の各工程を繰り返して高純度の水素に精製するもので、複数の水素精製部を並列接続して構成し、各水素精製部で上記各工程を分担して切り替えることで連続した水素ガスの精製を行えるように構成してある。
また、水素製造方法としては、上述の水素製造装置7を用いて、炭化水素ガスを前記水素ガス供給路Lに設置された各装置で処理することによって高純度水素ガスを精製するもので、水素精製行程での上流側である改質装置からのガス供給をストップする際には、下流側すべての稼動を停止させる方法を採っている。
尚、この様な従来技術に関しては、当業者の間で広く知られているものであるが、ガス供給ストップに関して詳しく言及した特許文献などは見あたらないので、先行技術文献は示していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の水素製造技術によれば、装置の起動初期においては、改質装置が水素リッチガスの供給を行うまでに脱硫器、改質反応器、CO変成器の昇温工程を必要とする。その間、水素精製装置は停止している。水素リッチガスが供給可能となると、水素リッチガス中の不純物成分(例えば、CH4 、CO2 、CO、N2 、H2 O等)を吸着除去する水素精製装置は起動されるが、起動初期においては、水素精製装置の各水素精製部の内、吸着を行う水素精製部(以後、単に吸着精製部と言う)を対象として昇圧工程が必要となる。昇圧工程が完了して運転が開始され、製造される製品水素中の不純物濃度が一定値より低い値(例えばCO濃度10ppm未満)となった状態で水素供給が可能となる。
そして、水素精製装置停止時には、前記吸着精製部に不純物成分が残存する。不純物成分は時間経過と共にその吸着精製部全体に拡散され、再起動時(吸着精製部への水素リッチガス再供給開始時)初期には拡散されている不純物が製品水素中に多く流出される。
このように、従来の水素製造技術によれば、製品中不純物濃度が低減されるまで、製品水素供給は行えず、可能な限り低流量の水素リッチガスでの純度確認運転が必要であった。また、製品水素供給までの時間を短縮するためには、従来の水素精製装置では、停止時に吸着精製部内を減圧処理し、不純物を外部へパージしたり、減圧後に製品水素による水素精製部の洗浄を行い、更に不純物を外部へパージし、残存不純物濃度を下げるような処理が必要とされるが、減圧処理を実施する場合は、再起動時に吸着精製部の再昇圧処理が必要となり、再起動に要する時間が長くなることに加え、昇圧用に多くの水素リッチガスが必要となる。
即ち、従来の水素製造技術によれば、装置の起動(再起動含む)時に、手間と時間が掛かり、直ぐに製品水素の供給ができないという問題があった。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、装置の起動(再起動含む)に伴って、速やかに製品水素の供給を行うことができる水素製造技術を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の特徴構成は、炭化水素ガスに、高温下で水蒸気を反応させて水素リッチガスに改質する改質装置と、前記改質装置からの前記水素リッチガスを圧縮して昇圧する昇圧装置と、昇圧された前記水素リッチガス中の不純物を加圧下において吸着剤に吸着させて高純度水素ガスを精製し、その吸着した不純物を減圧下において前記吸着剤から脱着させる水素精製装置と、その水素精製装置からのオフガスを前記改質装置に燃料ガスとして供給自在なオフガス供給路とを備えた水素製造装置において、前記水素精製装置からのガスを流路切替によって前記昇圧装置を経由して水素精製装置に戻すことが可能な閉循環路を設け、前記水素精製装置からのガス流路を、前記閉循環路に切り替えてガス循環させるガス循環手段を設けてあるところにある。
【0006】
請求項1の発明の特徴構成によれば、前記水素精製装置からのガスを流路切替によって前記昇圧装置を経由して水素精製装置に戻すことが可能な閉循環路を設け、前記水素精製装置からのガス流路を、前記閉循環路に切り替えてガス循環させるガス循環手段を設けてあるから、水素製造装置の通常運転継続状態においては、ガス流路を、改質装置から昇圧装置・水素精製装置を経て製品ガス供給先にいたる状態に維持して、所定の製品水素ガスの製造を行うことができる一方、装置の初期起動(又は再起動)時においては、従来のように、水素リッチガスの純度確認運転を実施したり、吸着精製部の再昇圧処理を実施しなければならないと言ったロスタイムを低減することができる。従って、装置の起動(再起動含む)時に手間と時間が掛かると言ったことがなく、速やかに製品水素ガスの供給を開始することができる。
即ち、前記改質装置を停止させるような場合には、ガス循環手段によって、ガス流路を、昇圧装置と水素精製装置とに亘って巡る前記閉循環路に切り替えることができ、昇圧装置と水素精製装置とを巡るガス循環を継続することが可能となる。その結果、この閉循環路内においては、いつでも製品水素ガスを供給できるスタンバイ状態を維持することができる。
従って、改質装置を起動(又は再起動)させるに伴っては、閉循環路から通常運転継続状態のガス流路に切り替えることによって、簡単に、且つ、速やかに通常の製品水素ガス製造を開始して供給することができる。以上の結果、水素製造装置全体とした操作即応性(レスポンス性)を向上させることが可能となる。
【0007】
請求項2の発明の特徴構成は、前記閉循環路の一部が、前記オフガス供給路で兼用してあるところにある。
【0008】
請求項2の発明の特徴構成によれば、請求項1の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、配管系の兼用により、設備が煩雑となるのを防止することができると共に、コストダウンを叶えることが可能となる。
【0009】
請求項3の発明の特徴構成は、前記改質装置への炭化水素ガスの供給が停止するに伴って前記ガス循環手段を連動させる循環制御手段を設けてあるところにある。
【0010】
請求項3の発明の特徴構成によれば、請求項1又は2の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、人為的な改質装置の停止のみならず、意図しない改質装置の停止時にも、水素精製装置を上述のスタンバイ運転に切替制御することができ、自動運転を実施し易くなる。また、切替制御のための人手が掛からないと言うことは勿論のことである。
【0011】
請求項4の発明の特徴構成は、炭化水素ガスに高温下で水蒸気を反応させて水素リッチガスとして改質し、その水素リッチガスを昇圧装置で圧縮して昇圧させて、水素精製装置での加圧下においてガス中の不純物を吸着剤に吸着させて高純度水素ガスを精製する一方、吸着した不純物を減圧下において前記吸着剤から脱着させてできたオフガスを、前記炭化水素ガスの改質に使用する燃料ガスとして供給する水素製造方法において、前記炭化水素ガスの改質操作を停止するに伴って、前記水素精製装置からのガスを、前記昇圧装置を経由して再び前記水素精製装置に戻す循環操作を、前記炭化水素ガスの改質操作を再開するまで続けるところにある。
【0012】
請求項4の発明の特徴構成によれば、前記炭化水素ガスの改質操作を停止するに伴って、前記水素精製装置からのガスを、前記昇圧装置を経由して再び前記水素精製装置に戻す循環操作を、前記炭化水素ガスの改質操作を再開するまで続けるから、水素精製装置内では、通常の精製工程と同様に、吸着、均圧、減圧、洗浄、昇圧の各工程が繰り返されて、いつでも製品水素ガスを供給できるスタンバイ状態を維持することができる。
従って、改質装置を起動(又は再起動)させて、元の状態にガス流路を切り替えることによって、簡単に、且つ、速やかに通常の製品水素ガス製造を開始して供給することができる。
以上の結果、水素製造装置全体とした操作即応性(レスポンス性)を向上させることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
本発明による水素製造装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この水素製造装置は、例えば、原料である炭化水素として13Aなどの都市ガスを使用して高純度の水素を製造するもので、図1に示すように、バーナ1aを有する改質器(改質装置に相当)1、コンプレッサ(昇圧装置に相当)4、水素精製装置7、水素貯蔵タンク8、オフガス用タンク9などを備えて構成されている。
【0014】
前記改質器1は、バーナ1aの燃焼により750℃程度の高温に維持され、水蒸気改質用の触媒によって炭化水素ガスに水蒸気を反応させて水素リッチなガスに改質し、改質後の水素リッチガスは、第1配管ラインL1を通ってコンプレッサ1に送られる。この第1配管ラインL1には、第1開閉バルブV1を介装してある。
【0015】
コンプレッサ1は、第1配管ラインL1を経由して供給される水素リッチガスを圧縮して昇圧するもので、例えば、0.15MPaあるいはそれ以上の圧力を有する水素リッチガスを0.98MPa程度にまで昇圧し、第2配管ラインL2を通って水素精製装置7に送ることができる。
【0016】
水素精製装置7は、例えば、活性アルミナ、カーボンモレキュラーシーブ(CMS)、ゼオライトなどの吸着剤を充填した圧力スイング式の水素精製装置で、加圧下において水素リッチガスから水、二酸化炭素(CO2 )、一酸化炭素(CO)、メタン(CH4 )、窒素(N2 )などの不純物を吸着除去して高純度の水素を精製し、その吸着した不純物を減圧下において吸着剤から脱着させるものである。
その水素精製装置7は、図2に詳しく示すように、例えば、3塔の水素精製部、つまり、第1水素精製部7a、第2水素精製部7b、および、第3水素精製部7cにより構成されて、それら第1〜第3の水素精製部7a〜7cが並列に接続され、後に詳しく説明するように、各水素精製部7a〜7cにおいて、吸着、均圧、減圧、洗浄、昇圧の各工程を順番に繰り返すことにより高純度の水素を連続的に精製するように構成されている。
【0017】
各水素精製部7a〜7cからの高純度水素は、第3配管ラインL3を通って水素貯蔵タンク8に送られ、供給側と需要側での流量変動を吸収して常時一定量の製品水素として供給できるように、その水素貯蔵タンク8に貯蔵され、需要に応じて、第4配管ラインL4から供給される。尚、第3配管ラインL3には、第2電磁バルブV2を介装してある。
【0018】
また、各水素精製部7a〜7cからのオフガスは、オフガス供給路としての第5配管ラインL5を通ってオフガス用タンク9に送られる。そして、オフガス用タンク9から、第6配管ラインL6を通って改質器1用のバーナ1a側に送られるように構成されている。前記オフガスは、第7配管ラインL7から供給される13Aなどの都市ガスと共にバーナ1aに供給され、燃焼後の排ガスは、第8配管ラインL8を通って装置外へ排出される。また、前記第6配管ラインL6には、第3電磁バルブV3を介装してある。前記第5配管ラインL5と第6配管ラインL6とによってオフガス供給路Kが構成されている。
【0019】
一方、第3配管ラインL3の第2電磁バルブV2の上手側部分と、前記オフガス用タンク9との間には、流路切替用の第9配管ラインL9と、第4電磁バルブV4と、圧力調整弁VPとが設けてある。
【0020】
第6配管ラインL6と第1配管ラインL1との間には、前記第3電磁バルブの上手側部分と、第1開閉バルブV1の上手側部分とにわたる第10配管ラインL10を設けてあると共に、前記第3電磁バルブの下手側部分と、第1開閉バルブV1の下手側部分とにわたる第11配管ラインL11を設けてある。
第10配管ラインLには、第5電磁バルブV5と、流量調整弁VQとを設けてあり、第11配管ラインL11には、第6電磁バルブV6が設けてある。
【0021】
次に、前記水素精製装置7について詳しく説明する。各水素精製部7a〜7cは、第7電磁バルブV7a〜V7cを有する第12補助配管ラインL12a〜L12cを介してそれぞれ第12配管ラインL12に接続され、さらに、第8電磁バルブV8a〜V8cを有する第13補助配管ラインL13a〜L13cを介してそれぞれ第13配管ラインL13に接続されて、その第13配管ラインL13が、第12補助配管ラインL12cの接続箇所よりも下手側において第3配管ラインL3に接続されている。
また、各水素精製部7a〜7cは、第9電磁バルブV9a〜V9cを有する第14補助配管ラインL14a〜L14cを介してそれぞれ第14配管ラインL14に接続され、その第14配管ラインL14が前記第5配管ラインL5に連通接続されオフガス用タンク9に達している。また、第15補助配管ラインL15a〜L15cに対し、第10電磁バルブV10を構成する第10電磁バルブV10a〜V10cを有する第15補助配管ラインL15a〜L15cを介して第15配管ラインL15がそれぞれ接続され、前記第2配管ラインL2と連通接続されている。
【0022】
前記オフガス用タンク9は、各水素精製部7a〜7cから供給されるオフガスを一時的に貯蔵して常時一定量のオフガスをバーナ1aに供給できるように設けてある。
【0023】
つぎに、この水素製造装置の作動について説明する。
まず、装置の循環系全体を所定の温度にまで昇温する起動運転を実行した後、水素精製運転を行うのであり、その水素精製運転では、原料である炭化水素ガスが、第7配管ラインL7から改質器1に導入され、改質器1において、バーナ1aの燃焼による高温下で、水蒸気改質用の触媒により水蒸気と反応して水素リッチガスに改質される。
改質後の水素リッチガスは、第一配管ラインL1からコンプレッサ4に導入され昇圧された状態で3塔ある水素精製部7a〜7cのいずれかにおいて不純物が吸着除去されて高純度の水素に精製される。
【0024】
例えば、図3の上段に示すように、水素リッチガスが第1水素精製部7aにおいて精製される場合であれば、図3の下段に示すように、時間t1〜t3の間、第10電磁バルブV10aの開弁によって第1水素精製部7aに水素リッチガスが供給され、第1水素精製部7aが、加圧下において水素リッチガス中に含まれる水、二酸化炭素、一酸化炭素、メタン、窒素などの不純物を吸着剤に吸着させる吸着工程を実行し、高純度の水素は、第7電磁バルブV7aの開弁によって水素貯蔵タンク8へ送られて貯蔵される。
その際、第2水素精製部7bは、洗浄工程が終了した直後の均圧工程にあり、第3水素精製部7cは、吸着工程が終了した直後の均圧工程にあって、時間t1の間、第8電磁バルブV8b,V8cの開弁によって、図3における上段の左に示すように、第2と第3水素精製部7b,7cが均圧化される。
【0025】
その後、第8電磁バルブV8b,V8cが閉弁され、時間t2の間、第7電磁バルブV7bと第9電磁バルブV9cの開弁によって、図3における上段の中央に示すように、第2水素精製部7bが昇圧され、同時に、第3水素精製部7cが減圧されて、その減圧下において吸着剤に吸着された不純物が脱着されてオフガスが発生する。
第3水素精製部7cの減圧工程において、オフガスがオフガス用タンク9に貯蔵される。そして、オフガス用タンク9からのオフガスは、第6配管ラインL6を通して改質器1のバーナ1aに供給され、第7配管ラインL7からの都市ガスと共に燃焼される。
【0026】
引き続いて、時間t3の間、図3における上段の右に示すように、第2水素精製部7bが昇圧され、第3水素精製部7cには、例えば、水素貯蔵タンク8内の水素が供給されて洗浄され、その洗浄後のオフガスは、第5配管ラインL5・オフガス用タンク9から改質器1のバーナ1aに供給され、第7配管ラインL7からの都市ガスと共に燃焼される。
そして、第1〜第3の水素精製部7a〜7cにおいて、このような工程を順次繰り返すことによって高純度の水素を連続的に精製するとともに、水素精製時に発生するオフガスを有効に利用して改質器1を加熱するのである。
【0027】
そして、改質器1を停止するに伴っては、第1開閉バルブV1、第2電磁バルブV2、第3電磁バルブV3を閉めると共に、第4電磁バルブV4、第5電磁バルブV5を開けることで、第2配管ラインL2、第3配管ラインL3、第9配管ラインL9、第5配管ラインL5、第6配管ラインL6、第10配管ラインL10からなる閉循環路LCを形成する。これによって、閉循環路LC内をガス循環させることができ、水素精製装置7内における上述の運転が継続して実施することが可能となる。従って、水素精製装置7のスタンバイ状態を維持でき、改質器1の起動時には、第1開閉バルブV1、第2電磁バルブV2、第3電磁バルブV3を開けると共に、第4電磁バルブV4、第5電磁バルブV5を閉めることで、流路切替を行って、直ちに、通常の製品水素の製造を行うことができる。
第1開閉バルブV1、第2電磁バルブV2、第3電磁バルブV3、第4電磁バルブV4、第5電磁バルブV5によって、ガス循環手段Jが構成されている。
【0028】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
【0029】
〈1〉 前記閉循環路は、先の実施形態では、通常の水素精製運転時に使用する配管ラインの一部を兼用する例を説明したが、これに限るものではなく、例えば、専用の配管ラインを設けて、その配管ラインによって閉循環路を構成するものであってもよい。この場合、通常のガス流路を閉循環路に切り替えるガス循環手段は、当然の事ながら、先の実施形態で説明したものを適宜変更する必要がある。
尚、先の実施形態で説明した水素製造装置において、改質装置1の運転状況に応じて、前記ガス流路を、通常の状態と前記閉循環路とに自動切り替えする循環制御手段を設けてあってもよい。この場合は、改質装置1の駆動検知を行うセンサと、センサからの駆動情報によってガス循環手段に切替命令を与えるコンピュータ等によって前記循環制御手段を構成することができる。
〈2〉 先の実施形態では、3塔の水素精製部7a〜7cを並列に接続して水素精製装置7を構成した例を示したが、例えば、3塔以外の複数の水素精製部を並列に接続して使用する水素製造装置7においても適用可能である。
【0030】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】水素製造装置の全体を示す概略構成図
【図2】水素製造装置の要部を示す概略構成図
【図3】水素精製装置の作動を示す説明図
【図4】従来の水素製造装置の全体を示す概略構成図
【符号の説明】
1 改質器(改質装置に相当)
4 コンプレッサ(昇圧装置に相当)
7 水素精製装置
J ガス循環手段
K オフガス供給路
LC 閉循環路
Claims (4)
- 炭化水素ガスに、高温下で水蒸気を反応させて水素リッチガスに改質する改質装置と、前記改質装置からの前記水素リッチガスを圧縮して昇圧する昇圧装置と、昇圧された前記水素リッチガス中の不純物を加圧下において吸着剤に吸着させて高純度水素ガスを精製し、その吸着した不純物を減圧下において前記吸着剤から脱着させる水素精製装置と、その水素精製装置からのオフガスを前記改質装置に燃料ガスとして供給自在なオフガス供給路とを備えた水素製造装置であって、
前記水素精製装置からのガスを流路切替によって前記昇圧装置を経由して水素精製装置に戻すことが可能な閉循環路を設け、前記水素精製装置からのガス流路を、前記閉循環路に切り替えてガス循環させるガス循環手段を設けてある水素製造装置。 - 前記閉循環路の一部が、前記オフガス供給路で兼用してある請求項1に記載の水素製造装置。
- 前記改質装置への炭化水素ガスの供給が停止するに伴って前記ガス循環手段を連動させる循環制御手段を設けてある請求項1又は2に記載の水素製造装置。
- 炭化水素ガスに高温下で水蒸気を反応させて水素リッチガスとして改質し、その水素リッチガスを昇圧装置で圧縮して昇圧させて、水素精製装置での加圧下においてガス中の不純物を吸着剤に吸着させて高純度水素ガスを精製する一方、吸着した不純物を減圧下において前記吸着剤から脱着させてできたオフガスを、前記炭化水素ガスの改質に使用する燃料ガスとして供給する水素製造方法であって、
前記炭化水素ガスの改質操作を停止するに伴って、前記水素精製装置からのガスを、前記昇圧装置を経由して再び前記水素精製装置に戻す循環操作を、前記炭化水素ガスの改質操作を再開するまで続ける水素製造方法。
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