JP6217112B2 - 放射線画像撮影システム - Google Patents

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Description

本発明は、放射線画像撮影システムに係り、特に、放射線発生装置から放射線画像撮影装置に放射線を照射して放射線画像撮影を行うことが可能な放射線画像撮影システムに関する。
照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレーター等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギーに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号(すなわち画像データ)に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、通常、例えば後述する図2に示すように、複数の放射線検出素子7が二次元状(マトリクス状)に配列され、これらの放射線検出素子7で、被写体を介して照射された放射線を検出して放射線画像撮影が行われる(例えば特許文献1〜3等参照)。
一方、このような放射線画像撮影装置を用いて行う放射線画像撮影を大別すると、放射線発生装置から被写体である患者の身体を介して放射線画像撮影装置に放射線を照射して1フレーム或いは数フレームの放射線画像を撮影する、いわゆる静止画撮影と、被写体を介して放射線画像撮影装置に放射線を連続的に照射して複数フレームの連続画像を撮影する、いわゆる動画撮影とがある。
なお、以下において動画撮影という場合、所定の時間、被写体に連続して放射線を照射を行うか、或いは、放射線画像撮影装置における1フレーム分の画像データDの読み出し処理の周期(例えば、1フレーム分の画像データDの読み出し処理の終了のタイミング)に同期して間欠的にパルス状に放射線の照射を行いながら、放射線画像撮影装置にて1秒間に30フレーム等の画像取得を行う、いわゆる動画撮影だけでなく、1秒間に十フレーム、或いは数秒で1フレームの割合で画像取得を行う、いわゆる準動画撮影をも含めて動画撮影という。また、以下において動画という場合、動画だけでなく準動画の場合も含む。
特開平9−73144号公報 特開2006−058124号公報 特開平6−342099号公報
ところで、病院やクリニック等の施設では、静止画撮影を行うことが可能な、放射線発生装置や放射線画像撮影装置等を備えた放射線画像撮影システムを導入している所が少なくない。そして、近年、このような施設において、例えば患者の胸部等の動きがある被写体の動画撮影を行い、撮影した動画像をもとに患者の肺換気機能や肺血流機能を診断したいとの要望が増えつつある。また、高齢者が増加するにつれ、患者がバリウムを含む検査食を飲み込む瞬間の咽頭を動画撮影し、食べ物が気管に入らないかどうか(誤嚥があるかないか)を検査する嚥下造影検査の要望も増えつつある。
しかしながら、例えば数十から数百フレームを取得する動画撮影を行う場合、放射線発生装置から静止画撮影の場合と同じ線量率(すなわち単位時間あたりの線量)で被写体に連続的に放射線を照射すると、動画撮影では放射線の照射時間が長くなるため、放射線の照射を受ける被写体の被曝線量が大きくなり過ぎる。
そのため、動画撮影において被写体に照射される放射線の総照射時間すなわち取得するフレーム画像の総数とフレームレート(1秒間に取得するフレーム画像数)によるが、例えば数十から数百フレームを取得する動画撮影の場合、被写体の被曝線量を、単純撮影と同等もしくはその数倍程度に抑えようとすると、動画撮影時に照射される放射線の線量率を、通常の静止画撮影の場合の線量率のおおよそ数十分の一から数百分の一に小さくしなければならない。
施設に既設の放射線画像撮影システムにおける静止画撮影用の放射線発生装置では、通常の静止画撮影で使用する管電流より、おおよそ数十分の一程度まで、管電流を小さく設定できるものが多い。具体的に言えば、設定可能な最小管電流が10[mA]や20[mA]である装置があるが、動画撮影を行う場合には、被写体に照射される放射線の線量率が、管電流を、例えば0.5〜3[mA]程度に設定した場合に被写体に照射される線量率まで下げなければならない。そのため、設定可能な最小管電流に設定したとしても、被写体に照射される線量率を、さらに数分の一から数十分の一に小さくする必要がある。
このように、施設に既設の静止画撮影用の放射線画像撮影システムを用いて動画撮影を行おうとしても、静止画撮影用の放射線発生装置をそのまま用いるのでは、被写体に照射する放射線の線量の総量が大きくなり過ぎ、被写体の被曝線量が大きくなり過ぎる。
しかし、施設に既設の放射線発生装置やそれらをコントロールするコンソール等を、動画撮影をも行うことができるタイプのものに置き換えるとなると、導入コストが非常に高くなる場合も少なくなく、通常、性能や機能等が高いほどコストが高くなる。そのため、少なくとも導入コストの面で、既設の放射線画像撮影システムを新たなシステムに入れ替えることが必ずしも容易ではない施設も少なくない。
そこで、施設に既設の静止画撮影用の放射線画像撮影システムの各装置等を、入れ替え等を行わずにそのまま用いて、放射線画像撮影システムを、静止画撮影だけでなく動画撮影をも行うことができるように変更することが可能な方法が求められている。
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、静止画撮影を行うことが可能な放射線画像撮影システムにおける各装置を用いて、動画撮影をも行うことができるように変更された放射線画像撮影システムを提供することを目的とする。
また、上記のようにシステムの変更を行う場合、静止画撮影を行う条件で動画撮影を行うと、上記のように被写体に照射する放射線の線量が大きくなり過ぎて患者の被曝線量が大きくなってしまうが、逆に、動画撮影を行う条件で静止画撮影を行うと、今度は静止画撮影において照射される放射線の線量が小さくなり過ぎ、再撮影が必要となると、結局、この場合も患者の被曝線量が増えてしまう。
そのため、上記のように放射線画像撮影システムの変更を行う場合には、静止画撮影を行う場合も動画撮影を行う場合も、それらの撮影に的確に適合した条件で撮影を行うことが必要になる。
そこで、本発明は、上記のように放射線画像撮影システムの変更を行う場合に、静止画撮影を行う場合には静止画撮影の条件で、また、動画撮影を行う場合には動画撮影の条件で、放射線画像撮影を的確に行うことが可能な放射線画像撮影システムを提供することをも目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影システムは、
二次元状に配列された複数の放射線検出素子を備える放射線画像撮影装置と、
被写体を介して前記放射線画像撮影装置に放射線を照射する放射線発生装置と、
第1位置と当該第1位置と異なる第2位置との間を移動可能な付加フィルターを有するとともに、前記放射線発生装置に着脱可能に外付けすることが可能に構成され、前記放射線発生装置に取り付けられたときに、前記付加フィルターを前記第1位置に移動させて前記照射口から退避させ、前記付加フィルターを前記第2位置に移動させて前記照射口に装填することにより、前記放射線画像撮影装置に照射される放射線の線量率を変更する付加フィルター駆動装置と、
入手した撮影モードが静止画撮影モードであるにもかかわらず前記付加フィルター駆動装置が前記付加フィルターを前記照射口に装填している場合、及び入手した撮影モードが動画撮影モードであるにもかかわらず前記付加フィルター駆動装置が前記付加フィルターを前記照射口から退避させている場合に、前記放射線発生装置が放射線を照射することを禁止する制御装置と、を備え
前記放射線発生装置は、照射する放射線の位置合わせを行うために前記照射口から可視光を照射する光照射を行うように構成されており、
前記放射線発生装置から前記光照射が行われるとそれを検知して前記付加フィルター駆動装置に光照射信号を送信する光照射検知装置を備え、
前記付加フィルター駆動装置は、撮影モードが動画撮影モードであり、かつ前記付加フィルターを前記照射口に装填している状態で前記光照射検知装置から前記光照射信号を受信すると、前記付加フィルターを前記照射口から退避させることを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影システムによれば、付加フィルターFを装填、退避させる付加フィルター駆動装置を放射線発生装置やその絞り部に着脱可能に外付けするように構成したため(後述する図4〜図8参照)、静止画撮影用の放射線発生装置から被写体に照射される放射線の線量率を付加フィルターによって低下させて動画撮影用の線量率にすることが可能となる。
そのため、病院等の施設に既設の静止画撮影用の放射線発生装置やその絞り部に付加フィルター駆動装置を外付けするだけで、施設に既設の静止画撮影を行うことが可能な放射線画像撮影システムにおける各装置を用いて、動画撮影をも行うことができるように放射線画像撮影システムを容易かつ的確に変更することが可能となる。
そして、被写体である患者に対して静止画撮影用の高い線量率で放射線を連続照射して動画撮影を行うことが回避されるため、被写体である患者の被曝線量が大きくなることを的確に防止することが可能となる。また、放射線発生装置等を新たな装置に置き換える必要がなく、付加フィルター駆動装置70等を導入するだけで、施設に既設の放射線発生装置等を用いて動画撮影をも行うことが可能となるため、動画撮影を行うことができるように放射線画像撮影システム50を変更するために要するコストをより低く抑えることが可能となる。
また、上記のように、静止画撮影用の放射線発生装置に付加フィルター駆動装置を外付けする構成とすると、撮影モードが静止画撮影であるのに放射線発生装置の照射口に付加フィルターが装填されたり、或いは撮影モードが動画撮影であるのに付加フィルターが照射口から退避されたりする可能性が生じる。
そのため、設定された撮影モードと、被写体に照射される放射線の線量率すなわち付加フィルターFの装填、退避とが適合していない場合には、制御装置で放射線発生装置から放射線を照射することを禁止することで、撮影モードと被写体に照射される放射線の線量率(すなわち付加フィルターFの装填、退避)とが適合していない状態で放射線が照射されてしまうことを的確に防止することが可能となる。
そのため、上記のように静止画撮影用の放射線画像撮影システムを動画撮影も行えるように変更する際に生じ得る上記の問題の発生を的確に防止し、静止画撮影を行う場合には静止画撮影の条件で、また、動画撮影を行う場合には動画撮影の条件で、放射線画像撮影を的確に行うことが可能となる。
撮影室等に構築された本実施形態に係る放射線画像撮影システムの構成例を示す図である。 放射線画像撮影装置の基本構成における等価回路を表すブロック図である。 放射線発生装置の絞り部を含む部分の斜視図である。 放射線発生装置に外付けされる付加フィルター駆動装置の一例を示す斜視図である。 付加フィルター駆動装置において付加フィルターを自動的に照射口に装填したり照射口から退避させたりするための機構の例を表す図である。 図4に示した付加フィルター駆動装置や放射線発生装置の絞り部等の側面図である。 図4に示した付加フィルター駆動装置の絞り部への別の取り付け方の例を説明する側面図である。 放射線発生装置に外付けされる付加フィルター駆動装置の別の例を示す斜視図である。 回診車上に構築された本実施形態に係る放射線画像撮影システムの構成例を示す図である。 動画撮影の際に各走査線にオン電圧を印加するタイミング等を表すタイミングチャートである。
以下、本発明に係る放射線画像撮影システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、放射線画像撮影システムで用いられる放射線画像撮影装置として、シンチレーター等を備え、照射された放射線を可視光等の他の波長の光に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置について説明するが、本発明は、シンチレーター等を介さずに放射線を放射線検出素子で直接検出する、いわゆる直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することができる。
また、放射線画像撮影装置がいわゆる可搬型(すなわちカセッテ型)である場合について説明するが、支持台等と一体的に形成された、いわゆる専用機型の放射線画像撮影装置に対しても、本発明を適用することが可能である。
図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50の構成例を示す図である。図1では、放射線画像撮影システム50が撮影室R1内等に構築されている場合が示されている。
まず、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50で用いられる放射線画像撮影装置の構成等について説明する。
図2は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路を表すブロック図である。図2に示すように、放射線画像撮影装置1には、図示を省略するセンサー基板上に複数の放射線検出素子7が二次元状(マトリクス状)に配列されている。なお、二次元状に配列された放射線検出素子7により検出部Pが形成されている。
そして、各放射線検出素子7の第1電極7aには、スイッチ素子である薄膜トランジスター(Thin Film Transistor。以下、TFTという。)8のソース電極8s(図2の「S」参照)が接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dとゲート電極8g(図2の「D」および「G」参照)はそれぞれ信号線6と走査線5に接続されている。
また、本実施形態では、図2に示すように、基板4上で1列の各放射線検出素子7ごとに1本の割合で各放射線検出素子7の第2電極7bにそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9やその結線10を介してバイアス電源14から各放射線検出素子7の第2電極7bに逆バイアス電圧が印加されるようになっている。
各走査線5は、それぞれ走査駆動手段15のゲートドライバー15bにそれぞれ接続されている。走査駆動手段15では、配線15cを介して電源回路15aからゲートドライバー15bにオン電圧とオフ電圧が供給されるようになっており、ゲートドライバー15bで走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間でそれぞれ切り替えるようになっている。
また、制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピューターや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。
そして、制御手段22には、SRAM(Static RAM)やSDRAM(Synchronous DRAM)等で構成される記憶手段23が接続されており、また、外部と通信するためのアンテナ装置41が接続されている。さらに、制御手段22には、走査駆動手段15や読み出し回路17、記憶手段23、バイアス電源14等の各機能部に必要な電力を供給するバッテリー24が接続されている。
そして、後述する放射線発生装置55から図示しない被写体を介して放射線が照射された後に行われる画像データDの読み出し処理の際には、制御手段22は、走査駆動手段15のゲートドライバー15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加させる。
走査線5にオン電圧が印加されることにより、当該走査線5に接続されているTFT8がオン状態になると、各放射線検出素子7内から信号線6に電荷がそれぞれ放出されて、読み出しIC16内に設けられた各読み出し回路17に流れ込む。そして、読み出し回路17の増幅回路18は、流れ込んだ電荷量に応じた電圧値を出力する。
相関二重サンプリング回路19は、各放射線検出素子7から電荷が流れ込む前後に増幅回路18から出力された電圧値の差分をアナログ値の画像データDとして下流側に出力する。そして、出力された各画像データDがアナログマルチプレクサー21を介してA/D変換器20に順次送信され、A/D変換器20でデジタル値の画像データDに順次変換されて記憶手段23に出力されて順次保存されるようになっている。
なお、図2では、相関二重サンプリング回路19が「CDS」と表記されている。そして、撮影後、記憶手段23に保存された画像データDが、アンテナ装置41等を介して外部の画像処理装置等に送信されるようになっている。
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50を構成する他の装置等について説明する。
撮影室R1には、ブッキー装置51が設置されており、ブッキー装置51は、そのカセッテ保持部(カセッテホルダーともいう。)51aに上記の放射線画像撮影装置1を装填して用いることができるようになっている。なお、図1では、ブッキー装置51として、立位撮影用のブッキー装置が設置されている場合が示されているが、その代わりに、或いは立位撮影用のブッキー装置とともに、臥位撮影用のブッキー装置が設置されていてもよい。
図1に示すように、撮影室R1には、図示しない被写体を介してブッキー装置51に装填された放射線画像撮影装置1に放射線を照射する放射線発生装置55の放射線源52が少なくとも1つ設けられている。なお、放射線発生装置55や放射線源52については後で詳しく説明する。
なお、放射線画像撮影装置1をブッキー装置51に装填せずに、図示しない臥位撮影用のブッキー装置や、撮影室R1内に運び込んだベッド上に横臥した患者(図示省略)の身体にあてがう等して用いることも可能である。
撮影室R1には、撮影室R1内の各装置等や撮影室R1外の各装置等の間の通信等を中継するための中継器(基地局等ともいう。)54が設けられている。なお、本実施形態では、中継器54には、放射線画像撮影装置1が無線方式で画像データDや信号等の送受信を行うことができるように、アクセスポイント53が設けられている。
また、中継器54は、放射線発生装置55やコンソール58と接続されており、中継器54には、放射線画像撮影装置1やコンソール58等から放射線発生装置55に転送するLAN(Local Area Network)通信用の信号等を放射線発生装置55用の信号等に変換し、また、その逆の変換も行う図示しない変換器が内蔵されている。
前室(操作室等ともいう。)R2には、本実施形態では、放射線発生装置55の操作卓57が設けられており、操作卓57には、放射線技師等の操作者が操作して放射線発生装置55に対して放射線の照射開始等を指示するための曝射スイッチ56が設けられている。放射線発生装置55は、操作者により曝射スイッチ56が操作されると、放射線源52から放射線を照射させるようになっている。また、適切な線量の放射線が照射されるように放射線源52を調整する等の種々の制御を行うようになっている。
図1に示すように、本実施形態では、コンピューター等で構成されたコンソール58が前室R2に設けられている。なお、コンソール58を撮影室R1や前室R2の外側や別室等に設けるように構成することも可能であり、適宜の場所に設置される。
また、コンソール58には、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等を備えて構成される表示部58aが設けられており、また、図示しないマウスやキーボード等の入力手段を備えている。また、コンソール58には、HDD(Hard Disk Drive)等で構成された記憶手段59が接続され、或いは内蔵されている。
なお、本実施形態では、コンソール58が制御装置として機能するように構成されているが、コンソール58とは別体の制御装置を設けるように構成することも可能である。
また、本実施形態では、コンソール58は画像処理装置としても機能するようになっており、放射線画像撮影装置1から画像データD等が転送されてくると、それらに基づいてオフセット補正やゲイン補正、欠陥画素補正、撮影部位に応じた階調処理等の精密な画像処理を行って、放射線画像を生成するようになっている。なお、画像処理装置を、コンソール58とは別体の装置として構成することも可能である。
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50における放射線発生装置55の構成等について説明する。
本実施形態では、放射線発生装置55は、図3に示すように、固定陽極型X線管や回転陽極型X線管等を備える図示しないX線源等を内蔵する放射線源52と、放射線源52に取り付けられ、照射する放射線の照射野を絞るための絞り部60とを備えている。
なお、図1では、放射線発生装置55のCPU等を含む本体部(図1の符号「55」で示される装置参照)と放射線源52の部分とが別個に構成されている場合が記載されているが、これらを一体的に構成することも可能である。
また、以下では、図3に示すように、放射線源52に絞り部60が取り付けられて構成されている放射線発生装置55について説明するが、この他にも、例えば絞り部60が放射線源52に内蔵されており、放射線源52の照射口から放射線を照射するタイプの放射線発生装置55等についても同様に説明される。
放射線発生装置55の絞り部60には、照射野の範囲を調整するための図示しない絞り羽根や、照射する放射線の照射範囲の確認および位置合わせを行うために照射口61から可視光を照射して光照射を行うためのスイッチ等が設けられている。また、ブッキー装置51(図1参照)に対向する側に、放射線を照射するための照射口61が設けられている。
図示を省略するが、絞り部60の内部には、上記の光照射を行うために可視光を照射する電球等が配置されており、また、照射口61のガラス面には、光照射の際に被写体や放射線画像撮影装置1上に投影させた光の中心位置(すなわち照射される放射線の照射野の中心位置)が分かるようにするための十字の線が描かれている。
そして、本実施形態では、照射口61の外側、すなわち図3の例では照射口61の上下には、付加フィルター等を挿入するためのレール62が設けられている。付加フィルターは、放射線発生装置55の照射口61、すなわち図3の例では絞り部60の照射口61に装填されることで放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に照射される放射線の線量率を変更することを可能とするものである。
ここで使われる付加フィルターFとしては、例えば、Cuであれば厚さ0.1〜2[mm]、Alであれば2〜40[mm]であることが好ましい。もちろんCUとAlの両方を組み合わせた構成としてもよいし、厚さを可変とする構成としてもよい。
[付加フィルター駆動装置について]
本実施形態では、このような放射線発生装置55の絞り部60に対して着脱可能に外付けすることが可能であり、放射線発生装置55の絞り部60の照射口61に付加フィルターFを装填させたり照射口61から退避させたりする付加フィルター駆動装置が取り付けられるようになっている。
付加フィルター駆動装置の取り付け方には、種々の仕方がある。以下、いくつかの具体例を挙げて説明する。
[取り付け方1]
例えば、絞り部60の照射口61の外側に設けられている付加フィルター挿入用のレール62(図3参照)に付加フィルターを挿入したり退避させたりする付加フィルター駆動装置を取り付けるように構成することが可能である。
この場合、付加フィルター駆動装置70は、例えば図4に示すように、放射線発生装置55の絞り部60のレール62から退避させた付加フィルターFを受け入れるためのレール71を備えるように構成される。この場合、レール71は、絞り部60のレール62の延在方向の延長線上に位置するように配置される。
そして、この場合、例えば図5に示すように、付加フィルターFの下端部分にラック72aを固定して、ラック72aを付加フィルターFの下端部分とともに絞り部60の下側のレール62内に挿入する。そして、付加フィルターFから見て照射口61の反対側に、モーター等の駆動装置72cで回転駆動するピニオン72b(図5参照。図4では図示省略。)を配置してラック72aと噛み合わせる。
このようにして、図4や図5に示した付加フィルター駆動装置70は、駆動装置72cによりピニオン72bを回転させることによってラックアンドピニオン機構を介して付加フィルターFをレール62に沿って水平方向に移動させる。そして、ピニオン72bを順方向や逆方向に回転させることによって、付加フィルターFを照射口61に装填したり退避させたりするようになっている。
なお、付加フィルターFを装填、退避させるための機構は、上記のようなラックアンドピニオン機構に限定されず、付加フィルターFを的確に装填、退避させることができる機構であればどのような機構であってもよい。また、付加フィルターFをレール62に挿入、退避させるための駆動装置72cは適宜の位置に設けられる。
一方、付加フィルター駆動装置70を絞り部60に取り付ける方法としては、例えば図4や絞り部61等を側方から見た図6に示すように、付加フィルター駆動装置70の上下端にそれぞれ支持片73aを立設し、それに固定具73bを挿通する。絞り部60の上下方向の長さは、メーカーや機種等によって種々であるが、支持片73aに対する固定具73bの位置を調節することで、固定具73bに取り付けられている固定片73cを、絞り部60の上面や下面に適切にフィットさせることが可能となる。
そして、固定片73cの後端部分には、係止具73dが挿通されており、係止具73dを絞り部60の背面に係止させた状態で、固定片73cに対する係止具73dの位置を固定する。このように構成することで、付加フィルター駆動装置70を、絞り部60に対して着脱可能に外付けすることが可能となる。
また、例えば図7に示すように、付加フィルター駆動装置70の本体部分から固定用ベルト73eを延設し、固定用ベルト73eを絞り部60の上面や下面、或いは背面にテープ等で固定するように構成することも可能であり、付加フィルター駆動装置70を絞り部60に的確に位置固定することが可能である方法であれば、付加フィルター駆動装置70の絞り部60への取り付け方法はどのような方法であってもよい。
[取り付け方2]
一方、例えば、絞り部60の照射口61の外側に設けられている付加フィルター挿入用のレール62(図3参照)を利用して、例えば図8に示すように、付加フィルター駆動装置70をそのレール62に挿入することで、付加フィルター駆動装置70を放射線発生装置55に着脱可能に外付けするように構成することも可能である。
すなわち、この場合、図8に示すように、付加フィルター駆動装置70の上端部70aと下端部70bがそれぞれ絞り部60の上下のレール62に挿入される。そのため、図4〜図7に示したような付加フィルター駆動装置70を絞り部60に固定するための器具等が不要になる。
しかし、このように構成する場合、放射線発生装置55の絞り部60に設けられているレール62には付加フィルター駆動装置70が挿入されるため、付加フィルターFを挿入することができなくなる。そこで、図8の例では、付加フィルターFを挿入、退避させるためのレール74が、付加フィルター駆動装置70内に新たに設けられている。
また、図示を省略するが、付加フィルター駆動装置70に付加フィルターFを挿入するレールを設ける代わりに、例えば、付加フィルターFの左右の一端側(或いは上下の一端側)に蝶番構造を設け、この蝶番構造を介して付加フィルターFを付加フィルター駆動装置70に対して開閉可能な状態で取り付けるように構成することも可能である。
そして、付加フィルターFをモーター等の駆動装置72cの駆動により開方向や閉方向に揺動させることで、付加フィルターFを絞り部60の照射口61に装填したり照射口61から退避させたりすることができるように構成することも可能である。
このように、付加フィルターFを絞り部60の照射口61に装填したり照射口61から退避させたりする構成は、必ずしも付加フィルターFをレール62(或いはレール74)に挿入したり退避させたりする構成(図4や図8等参照)に限定されない。
なお、付加フィルター駆動装置70の放射線発生装置55やその絞り部60への取り付け方は、上記の取り付け方1、2に限定されない。
以上のように、付加フィルターFを装填、退避させる付加フィルター駆動装置70を放射線発生装置55やその絞り部60に着脱可能に外付けするように構成することにより、病院等の施設に既に設置されている静止画撮影を行うことが可能な放射線発生装置55から被写体に照射される放射線の線量率を付加フィルターFによって低下させて、動画撮影用の線量率にすることが可能となる。そのため、被写体である患者が必要以上に大きな線量率の放射線の照射を受けることを的確に防止することが可能となり、患者の被曝線量が大きくなることを的確に防止することが可能となる。
そのため、付加フィルター駆動装置70を放射線発生装置55やその絞り部60に外付けするだけで、施設に既設の静止画撮影を行うことが可能な放射線画像撮影システム50における各装置を用いて、動画撮影をも行うことができるように放射線画像撮影システム50を容易かつ的確に変更することが可能となる。
また、放射線発生装置等を新たな装置に置き換える必要がなく、付加フィルター駆動装置70等を導入するだけで、施設に既設の放射線発生装置等を用いて動画撮影をも行うことが可能となるため、動画撮影を行うことができるように放射線画像撮影システム50を変更するために要するコストをより低く抑えることが可能となる。
なお、図示を省略するが、放射線発生装置55は、照射口61から照射される放射線の面積線量を測定するための面積線量計を、絞り部60に内蔵する構成、或いは、絞り部60に外付けする等の構成で、照射口61の近傍に取り付けることができるように構成されている場合が少なくない。とくに、面積線量計を絞り部60に外付けする構成では、絞り部60の上下のレール62に取り付ける構成であることが少なくない。
しかし、絞り部60に外付けする構成の場合は、図4〜図8に示した本実施形態のように、放射線発生装置55の照射口61に付加フィルター駆動装置70を外付けすると、照射口61の近傍に面積線量計を取り付けることができなくなる場合がある。
そこで、このような場合には、放射線発生装置55の照射口61に付加フィルター駆動装置70を外付けする場合に、面積線量計を絞り部60に直接外付けする場合と同じ構成で、付加フィルター駆動装置70上に配置することができるように付加フィルター駆動装置70が構成されていることが好ましい。
具体的に言えば、例えば、付加フィルター駆動装置70の、放射線発生装置55の照射口61とは反対側の面上に、絞り部60の上下のレール62と同じサイズで、かつ同等以上の強度を持つレールを備えたり、或いは、面積線量計を固定するためのネジ穴や溝、突起部等を備えることが好ましい。
[撮影モードと線量率等とを適合させるための構成等について]
次に、上記のようにして、付加フィルター駆動装置70を放射線発生装置55やその絞り部60に外付けすることにより、静止画撮影を行う放射線画像撮影システム50を動画撮影をも行うように変更すると、今度は、設定された撮影モードと、放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に照射される放射線の線量率等とを的確に適合させることが必要となる。
すなわち、撮影モードが静止画撮影である場合には、被写体により高い線量率で放射線を照射するために付加フィルター駆動装置70に放射線発生装置55やその絞り部60の照射口61(以下、簡単に放射線発生装置55の照射口61という。)から付加フィルターFを的確に退避させ、また、撮影モードが動画撮影である場合には、被写体により低い線量率で放射線を照射するために付加フィルター駆動装置70に放射線発生装置55の照射口61に付加フィルターFを的確に装填するように制御することが必要となる。
前述したように、本実施形態では、コンソール58(図1参照)がこのような制御を行う制御装置として機能するように構成されているが、コンソール58とは別体の制御装置を設けるように構成することも可能である。また、以下では、コンソール58が制御装置として機能する場合には、制御装置58と表す。
[制御装置における制御の仕方等について]
以下、設定された撮影モードと照射される放射線の線量率等とを的確に適合させるための制御装置58における制御について説明する前に、まず、制御装置58やコンソール58、放射線発生装置55等における放射線画像撮影に向けての処理について説明する。
本実施形態では、制御装置58と付加フィルター駆動装置70とが有線方式或いは無線方式で通信できるようになっている。この場合、両者が、中継器54(図1参照)を介して直接通信を行うように構成することも可能であり、また、放射線発生装置55を介して通信を行うように構成することも可能である。
また、前述したように、本実施形態では、施設に既設の放射線発生装置55に、付加フィルター駆動装置70がいわば後付けで取り付けられるが、その際、制御装置58や中継器54と付加フィルター駆動装置70とをケーブル等で結んで有線方式で通信できるように構成すると、ケーブル等が邪魔になる虞れがある。そのため、少なくとも付加フィルター駆動装置70と中継器54との間は、中継器54のアクセスポイント53を介して無線方式で通信を行うように構成することが好ましい。
さらに、同様の観点から、付加フィルター駆動装置70を駆動させる電力、即ち、駆動装置72cや上記のように無線方式で通信する場合は無線通信手段に供給する電力等は、有線により外部電源から供給してもよいが、付加フィルター駆動装置70に乾電池や充電可能なバッテリーを内蔵し、そこから供給することが好ましい。
また、乾電池や充電可能なバッテリーを用いて付加フィルター駆動装置70に電力供給を行う場合は、付加フィルター駆動装置70は、電力残量が所定の値以下となった場合に、例えば、LED点灯等によってその旨を表示し、或いは、無線通信手段により制御装置58にその旨を報知する手段を備えていることが好ましい。
[制御装置が撮影モードを入手する方法について]
また、本実施形態では、制御装置58は、撮影モードの情報を入手するようになっている。制御装置58が撮影モードの情報を入手する方法としては、例えば、放射線技師等の操作者が、次の放射線画像撮影を、静止画撮影で行うか動画撮影で行うかをマウスやキーボード等の入力手段を介して制御装置58に入力するように構成することが可能となる。
また、操作者が入力したりHIS(Hospital Information System;病院情報システム)やRIS(Radiology Information System;放射線科情報システム)から取り寄せた、撮影モード等が指定された撮影オーダー情報の中から、次の放射線画像撮影に関する撮影オーダー情報が選択された時点で、制御装置58が選択された撮影オーダー情報から撮影モードを自動的に読み取るように構成することも可能である。
さらに、制御装置とコンソール58とが別体の装置として設けられている場合には、コンソール58上で選択された撮影オーダー情報やそれに含まれる撮影モードの情報をコンソール58から制御装置に送信するように構成することも可能である。制御装置58が撮影モードを的確に入手することが可能であれば、他の方法を採用することも可能である。
[放射線発生装置での管電流等の設定について]
また、放射線画像撮影に向けての通常の処理として、放射線技師等の操作者がコンソール58上で撮影オーダー情報の中から次の撮影に関する撮影オーダー情報を選択すると、選択された撮影オーダー情報等がコンソール58から放射線発生装置55に送信される。そして、放射線発生装置55で、受信した撮影オーダー情報で指定されている撮影条件に応じた管電流や管電圧、放射線の照射時間等が自動的に設定される。
また、管電流等の設定や微調整をコンソール58上で行うことができるように構成することも可能である。さらに、操作者が放射線発生装置55に管電流等を直接入力することも可能であることは言うまでもない。
さらに、本実施形態では、放射線発生装置55は、病院等の施設に既設の静止画撮影用の放射線発生装置であり、最小の管電流として10[mA]や20[mA]しか設定できないものである。そのため、動画撮影を行う場合の管電流である例えば0.5〜3[mA]程度の管電流を設定することができない。
そのため、本実施形態では、撮影モードとして動画撮影が指定された場合には、放射線発生装置55では、例えば、設定可能な最小の管電流(例えば10[mA]や20[mA])を設定する。そして、このように照射口61から照射される放射線の線量率をできるだけ小さな線量率にしておき、装填された付加フィルターFでさらに線量率を下げて、被写体に照射される放射線が動画撮影用の線量率となるように構成される。
動画撮影時は、放射線の照射時間が長く、管電流時間積が大きくなり、1回の動画撮影における放射線源52への負荷が大きくなる。従って、上記のように構成すると、動画撮影時は、照射口61から照射される放射線の線量率をできるだけ小さな線量率にすることによって、放射線源52(図1等参照)のヒートアップをできるだけ抑えることが可能となり、放射線源52を冷却するための待ち時間の発生を低減できるとともに、放射線源52の陽極の劣化をできるだけ抑えることが可能となる。
このように、例えば上記のように構成される場合には、放射線発生装置55は、撮影モードが動画撮影である場合には、設定できる最小の管電流等を設定することになる。また、撮影モードが静止画撮影である場合には、通常の静止画撮影の場合と同じ処理を行い、撮影オーダー情報で指定された撮影部位や撮影方向(例えば「胸部正面」)等に応じて適切な管電流等を設定することになる(この場合、付加フィルターFは照射口61から退避されている。)。
[付加フィルター駆動装置による付加フィルターの装填、退避について]
一方、本実施形態では、制御装置58は、上記のようにして撮影モードを入手すると、入手した撮影モードの情報を、付加フィルター駆動装置70にも送信するようになっている。
なお、前述したように、制御装置とコンソール58が別体の装置として設けられている場合には、放射線技師等の操作者が、コンソール58上で撮影オーダー情報を選択した時点で、コンソール58から制御装置と付加フィルター駆動装置70に、選択された撮影オーダー情報やそれに含まれる撮影モードの情報をそれぞれ送信するように構成することも可能である。また、コンソール58から制御装置を経由して付加フィルター駆動装置70に撮影オーダー情報等を送信するように構成することも可能である。
そして、いずれの場合も、付加フィルター駆動装置70は、制御装置やコンソール58から撮影モードの情報を受信すると、撮影モードが静止画撮影である場合には、駆動装置72c(図4〜図8参照)を駆動させて付加フィルターFを放射線発生装置55の照射口61から退避させる。また、撮影モードが動画撮影である場合には、駆動装置72cを反転駆動させて、付加フィルターFを照射口61に装填するようになっている。
本実施形態では、このように構成されているため、放射線技師等の操作者が制御装置58やコンソール58上で次の撮影に向けて撮影オーダー情報を選択した時点で、付加フィルター駆動装置70が撮影モードに応じて次の撮影が静止画撮影であるか動画撮影であるかを判断して、付加フィルターFの放射線発生装置55の照射口61への装填、退避を自動的にかつ的確に行うことができるようになっている。
なお、制御装置58やコンソール58が撮影オーダー情報や撮影モードの情報を付加フィルター駆動装置70に送信する代わりに、制御装置58やコンソール58が、撮影モードに応じて付加フィルターFを放射線発生装置55の照射口61に装填することを指示する信号や照射口61から退避させることを指示する信号を付加フィルター駆動装置70に送信するように構成することも可能である。
[制御装置による付加フィルターの装填、退避の認識について]
また、本実施形態では、制御装置58は、付加フィルターFが放射線発生装置55の照射口61に装填されているか、照射口61から退避されているかを認識することができるようになっている。
そのための構成としては、例えば、付加フィルター駆動装置70自体が付加フィルターFを放射線発生装置55の照射口61に装填したり照射口61から退避させたりしたことを検知するように構成し、付加フィルターFを照射口61に装填した場合には付加フィルター駆動装置70から制御装置58に装填信号を送信し、付加フィルターFを照射口61から退避させた場合には退避信号を送信する。
そして、制御装置58が、付加フィルター駆動装置70から送信されてきた信号に基づいて付加フィルターFが放射線発生装置55の照射口61に装填されているか、照射口61から退避されているかを認識するように構成することが可能である。
この場合、例えば、付加フィルター駆動装置70の図示しないCPU等が駆動装置72c(図4〜図8参照)を回転駆動させた時点や、駆動装置72cであるモーターの出力軸に取り付けられたエンコーダーが必要量だけモーターが回転したことを検知する等した時点で信号を送信するように構成することも可能である。また、装填された付加フィルターFの端部等と接触するタッチセンサー等を備えるように構成することも可能である。
一方、上記のように付加フィルター駆動装置70自体が付加フィルターFの装填、退避を検知するように構成されていない場合等には、例えば、付加フィルターFが放射線発生装置55の照射口61に装填されているか照射口61から退避されているかを検知する検知装置を付加フィルター駆動装置70に取り付けるように構成することも可能である。
そして、この場合は、検知装置が、付加フィルターFが照射口61に装填された場合には装填信号を、また、付加フィルターFが照射口61から退避された場合には退避信号を、それぞれ制御装置58に送信し、制御装置58が、検知装置から送信されてきた信号に基づいて付加フィルターFの照射口61への装填や退避を認識するように構成することも可能である。
この場合、検知装置としては、例えば、付加フィルターFが放射線発生装置55の照射口61に装填された場合に付加フィルターFの端部等と物理的に接触するタッチセンサー等のセンサー類や、付加フィルターFが装填されると遮光される等して付加フィルターFの装填等を光学的に検知する発光素子や受光素子を備えるセンサー等を用いることが可能である。
また、検知装置として、前述した放射線画像撮影装置1(図1や図2参照)を用い、放射線画像撮影装置1で読み出された画像データD等から、放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に照射された放射線の線量率を算出して、付加フィルターFの放射線発生装置55の照射口61への装填等を検知するように構成することも可能である。
[撮影モードと放射線の線量率とを適合させるための制御について]
以下、設定された撮影モードと、放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に照射される放射線の線量率等とを的確に適合させるための制御装置58における制御の仕方等について説明する。また、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50の作用についてもあわせて説明する。
本実施形態では、上記のようにして、制御装置58やコンソール58と、放射線発生装置55や付加フィルター駆動装置70との間で情報をやり取りすることによって、静止画撮影が行われる場合には、放射線発生装置55が適切な管電流等を設定し、付加フィルター駆動装置70が放射線発生装置55の照射口61から付加フィルターFを退避させる。また、動画撮影が行われる場合には、放射線発生装置55が例えば設定可能な最小の管電流等を設定し、付加フィルター駆動装置70が放射線発生装置55の照射口61に付加フィルターFを装填する。
このようにして、通常の状態では、設定された撮影モードと、放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に照射される放射線の線量率等とを自動的にかつ的確に適合させた状態で、静止画撮影や動画撮影を行うことができるようになっている。
しかし、実際の撮影のシーンにおいては、何らかの原因で、制御装置58やコンソール58上で選択された撮影モードと付加フィルターFの放射線発生装置55の照射口61への装填、退避とが適合しないケースが生じる可能性がある。制御装置58と付加フィルター駆動装置70との間の通信がうまく行かなかったり、或いは、放射線技師等の操作者が付加フィルター駆動装置70の付加フィルターを手動で照射口61に装填したり照射口61から退避させたりしたような場合である。
そして、このような状態で静止画撮影や動画撮影を行うと、適切な線量率の放射線が放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に照射されないため、結局、再撮影が必要となり、患者の被曝線量が増える。また、先の撮影が無駄になり、放射線源52がヒートアップしてしまったり、放射線が無駄に照射されて放射線発生装置55の放射線源52(図1等参照)の陽極が傷む等して放射線源52の劣化が進む等の問題が生じる。
そこで、本実施形態では、制御装置58は、入手した撮影モードが静止画撮影であるにもかかわらず付加フィルター駆動装置70が付加フィルターFを放射線発生装置55やその絞り部60の照射口61に装填している場合に、放射線発生装置55が放射線を照射することを禁止する。また、入手した撮影モードが動画撮影であるにもかかわらず付加フィルター駆動装置70が付加フィルターFを放射線発生装置55の照射口61から退避させている場合に、放射線発生装置55が放射線を照射することを禁止するように制御するように構成されている。
本実施形態では、このようにして、設定された撮影モードと、放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に照射される放射線の線量率等とを的確に適合させるようになっている。
制御装置58が放射線発生装置55から放射線を照射することを禁止する方法としては、例えば、放射線の照射を禁止する旨を、例えば音声を発声したり、制御装置58の表示部58a(図1参照)上に表示したりして報知するように構成することが可能である。とりわけ、制御装置58が、放射線発生装置55と通信接続していない構成である場合は、このような報知によって、放射線の照射を禁止することが有効である。
また、それに代えて、或いはそれと並行して、制御装置58から放射線発生装置55に、放射線の照射を禁止する禁止信号を送信することによって、放射線発生装置55が放射線を照射することを禁止するように構成することも可能である。この場合、放射線発生装置55は、禁止信号を受信すると、放射線技師等の操作者が曝射スイッチ56(図1参照)を操作しても放射線を照射しないように構成される。
そして、放射線技師等の操作者が、制御装置58や付加フィルター駆動装置70を操作する等して、設定された撮影モードと、照射される放射線の線量率(すなわち付加フィルターFの装填、退避)とを適合させた時点で、放射線発生装置55からの放射線の照射の禁止処理を解除するように構成することが可能である。
[画像処理について]
なお、前述したように、撮影後、放射線画像撮影装置1から画像データD等が画像処理装置(本実施形態ではコンソール58)に画像データD等が送信される。また、撮影モードが静止画撮影の場合は、放射線画像撮影装置1は、撮影が終了すると画像処理装置に画像データD等を送信する。
また、撮影モードが動画撮影の場合には、動画をリアルタイムで見られるように撮影する場合には、動画撮影の一連の撮影ごとに画像データD等が画像処理装置に送信されるが、リアルタイム性が要求されない場合には、動画撮影の一連の撮影が全て終了した後で画像データDを送信するように構成することも可能である。
そして、画像処理装置では、放射線画像撮影装置1から画像データD等が転送されてくると、それらに基づいてオフセット補正やゲイン補正、欠陥画素補正、撮影部位に応じた階調処理等の精密な画像処理を行って、放射線画像を生成するようになっている。
その際、上記のように、撮影モードが動画撮影の場合に、放射線発生装置55の照射口61に付加フィルターFが装填されると、透過力の小さい低エネルギー成分がカットされ、透過力の高い高エネルギー成分の放射線のみが付加フィルターFを通過して被写体に照射される。そのため、被写体で吸収される放射線が減少する、いわゆるビームハードニングが発生し、画像データDに基づいて生成される放射線画像のコントラストが低下する。
また、放射線発生装置55の照射口61に付加フィルターFが装填されると、放射線画像撮影装置1に照射される放射線の線量が小さくなる。そのため、放射線画像撮影装置1の各放射線検出素子7で読み出される画像データDの信号値が小さくなり、そのような画像データDに基づいて生成される放射線画像においてコントラストの低下等が生じる場合もある。
そこで、特に撮影モードが動画撮影の場合に放射線画像撮影装置1の各放射線検出素子7で読み出された画像データDについては、画像処理装置における放射線画像の生成処理では、上記のビームハードニングや照射される放射線の線量が小さくなることによる画像のコントラスト低下等を防止し、コントラストをより向上させる等の適宜の画像処理を施すことが好ましい。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50によれば、付加フィルターFを装填、退避させる付加フィルター駆動装置70を放射線発生装置55やその絞り部60に着脱可能に外付けするように構成したため(図4〜図8参照)、静止画撮影用の放射線発生装置55から被写体に照射される放射線の線量率を付加フィルターFによって低下させて動画撮影用の線量率にすることが可能となる。そのため、被写体である患者が必要以上に大きな線量率の放射線の照射を受けることを的確に防止することが可能となり、患者の被曝線量が大きくなることを的確に防止することが可能となる。
そのため、病院等の施設に既設の静止画撮影用の放射線発生装置55やその絞り部60に付加フィルター駆動装置70を外付けするだけで、施設に既設の静止画撮影を行うことが可能な放射線画像撮影システム50における各装置を用いて、動画撮影をも行うことができるように放射線画像撮影システム50を容易かつ的確に変更することが可能となる。
また、放射線発生装置等を新たな装置に置き換える必要がなく、付加フィルター駆動装置70等を導入するだけで、施設に既設の放射線発生装置等を用いて動画撮影をも行うことが可能となるため、動画撮影を行うことができるように放射線画像撮影システム50を変更するために要するコストをより低く抑えることが可能となる。
また、このように、静止画撮影用の放射線発生装置55に付加フィルター駆動装置70を外付けする構成とすると、撮影モードが静止画撮影であるのに放射線発生装置55の照射口61に付加フィルターFが装填されたり、或いは撮影モードが動画撮影であるのに付加フィルターFが照射口61から退避されたりする可能性が生じる。
そのため、設定された撮影モードと、被写体に照射される放射線の線量率(すなわち付加フィルターFの装填、退避)とが適合していない場合には、制御装置58で放射線発生装置55から放射線を照射することを禁止することで、撮影モードと被写体に照射される放射線の線量率(すなわち付加フィルターFの装填、退避)とが適合していない状態で放射線が照射されてしまうことを的確に防止することが可能となる。
本実施形態に係る放射線画像撮影システム50によれば、上記のように静止画撮影用の放射線画像撮影システム50を動画撮影も行えるように変更する際に生じ得る上記の問題の発生を的確に防止し、静止画撮影を行う場合には静止画撮影の条件で、また、動画撮影を行う場合には動画撮影の条件で、放射線画像撮影を的確に行うことが可能となる。
そのため、静止画撮影や動画撮影を行う際に、照射される放射線の線量が大き過ぎたり小さ過ぎたりして、再撮影が必要となって患者の被曝線量が増えることを的確に防止することが可能となる。また、放射線画像撮影が無駄に行われて、放射線源52がヒートアップしてしまったり、放射線が無駄に照射されて放射線発生装置55の放射線源52(図1等参照)の陽極が傷む等して放射線源52の劣化が進む等の問題が生じることを的確に防止することが可能となる。
[変形例1]
なお、上記の実施形態では、図1に示したように、放射線画像撮影システム50が撮影室R1内等に構築されている場合について説明したが、例えば図9に示すように、放射線画像撮影システム50が回診車90上に構築されており、回診車90を病室B3等に持ち込み、例えばベッドBに横臥している患者Hの放射線画像撮影を行うような場合にも、本発明を適用することが可能である。
[変形例2]
また、放射線は人間の目には見えないため、放射線発生装置55(図3等参照)から照射する放射線の被写体に対する位置合わせや照射する放射線の照射範囲の確認および調整を行うために、放射線発生装置55の照射口61から被写体に可視光を照射して光照射を行うように構成されている場合が少なくない。
その際、本実施形態のように、放射線発生装置55の照射口61に付加フィルター駆動装置70が取り付けられていて、付加フィルターFが照射口61に装填されていると、位置合わせのために照射口61から照射された光が付加フィルターFで遮られてしまい、被写体に照射されなくなり、照射する放射線の位置合わせや照射範囲の確認が行えなくなる。
そこで、このような場合には、例えば付加フィルター駆動装置70や照射口61の近傍に、放射線発生装置55から光照射が行われるとそれを検知して付加フィルター駆動装置70に光照射信号を送信する図示しない光照射検知装置を配置するように構成する。光照射検知装置は、例えば受光素子等で形成したり、或いは光照射を行う光源に電力が供給されたことを検知する装置等で構成することが可能である。或いは、光照射検知装置で、光照射を行うためのスイッチが押下されたことを検知するように構成することも可能である
そして、付加フィルター駆動装置70は、撮影モードが動画撮影であり、付加フィルターFを放射線発生装置55の照射口61に装填している状態で、光照射検知装置から光照射信号を受信した場合には、付加フィルターFを照射口61から退避させるように構成することが可能である。
しかし、撮影モードが動画撮影であるため、付加フィルターFを退避させたままの状態にすることはできない。そこで、上記の場合には、付加フィルター駆動装置70は、さらに、光照射検知装置から送信される信号に基づいて光照射が終了したと判断した場合、或いは、光照射検知によって付加フィルターFを照射口61から退避してから所定時間経過後に、付加フィルターFを放射線発生装置55の照射口61に装填するように構成することが好ましい。
[変形例3]
さらに、上記の実施形態では、放射線発生装置55の照射口61に、自動的に付加フィルターFを照射口61に装填したり照射口61から退避させたりする付加フィルター駆動装置70を着脱可能に外付けする場合について説明した。
しかし、このような放射線発生装置55の照射口61に付加フィルター駆動装置70を取り付けない場合でも、上記の構成を応用すれば、静止画撮影を行う場合に付加フィルターFを照射口61に装填していたり、動画撮影を行う場合に付加フィルターFを照射口61に装填し忘れているような場合に、放射線画像撮影が行われないようにするように構成することが可能となる。
なお、この場合は、主に、放射線技師等の操作者が手動で放射線発生装置55の照射口61に付加フィルターFを装填したり照射口61から付加フィルターFを退避させたりする場合が前提となる。
この場合、前述したように、付加フィルターFが放射線発生装置55の照射口61に装填されているか照射口61から退避されているかを検知する例えばタッチセンサー等の検知装置を設ける。そして、検知装置は、付加フィルターFが照射口61に装填された場合には装填信号を、また、付加フィルターFが照射口61から退避された場合には退避信号を、それぞれ制御装置58に送信する。
そして、制御装置58(上記の実施形態ではコンソール58)は、上記のようにして入手した撮影モードが静止画撮影であるにもかかわらず、検知装置から送信されてきた信号が装填信号であり付加フィルターFが放射線発生装置55の照射口61に装填されていると判断される場合には、放射線発生装置55が放射線を照射することを禁止する。
また、制御装置58は、上記のようにして入手した撮影モードが動画撮影であるにもかかわらず、検知装置から送信されてきた信号が退避信号であり付加フィルターFが放射線発生装置55の照射口61から退避されていると判断される場合には、放射線発生装置55が放射線を照射することを禁止するように構成される。
このように構成すれば、設定された撮影モードと、放射線発生装置55の照射口61への付加フィルターFの装填、退避状況とを的確に適合させることが可能となり、設定された撮影モードと放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に照射される放射線の線量率等とを的確に適合させることが可能となる。
なお、制御装置58が放射線発生装置55から放射線を照射することを禁止する方法としては、上記と同様に、放射線の照射を禁止する旨を音声を発声したり、制御装置58の表示部58a(図1参照)上に表示したりして報知するように構成することが可能である。また、それに代えて、或いはそれと並行して、制御装置58から放射線発生装置55に、放射線の照射を禁止する禁止信号を送信することによって、放射線発生装置55が放射線を照射することを禁止するように構成することも可能である。
[変形例4]
一方、放射線を連続的に照射して動画撮影を行う場合、放射線画像撮影装置1は、連続的に放射線の照射を受けている間に、図10に示すように、走査駆動手段15のゲートドライバー15b(図2参照)から走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加して各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理を行うように構成される。
そして、図10に示すように、この画像データDの読み出し処理を所定の周期(フレームレート等ともいう。)で繰り返して行うことで動画撮影を行うように構成される。なお、この場合、読み出された画像データDは、読み出されるごと(すなわち撮影ごと)に放射線画像撮影装置1から画像処理装置やコンソール58に送信するように構成してもよく、また、一連の撮影が終了した後でまとめて画像処理装置等に送信するように構成することも可能である。
画像データDの読み出し処理では、前回の画像データDの読み出し処理の際にオン電圧が印加されてから今回の画像データDの読み出し処理の際にオン電圧が印加されるまでの間(以下、この間の時間を実効蓄積時間Tac(図10参照)という。)に、放射線の照射によって各放射線検出素子7内で発生して蓄積された電荷が、画像データDとして読み出される。
そして、実効蓄積時間Tacが経過する間に対して被写体の動きが大きいと、読み出される画像データDに基づいて生成される放射線画像に大きなボケが生じる場合がある。
そこで、例えば、撮影ごとに画像データDを画像処理装置等に送信する場合には画像処理装置等で、また、一連の撮影が終了した後でまとめて画像データDを画像処理装置等に送信する場合には放射線画像撮影装置1で、画像データDにボケが生じているか否か、或いは生じているボケの程度が大きいか小さいかを判定するように構成することが可能である。
そして、画像処理装置等や放射線画像撮影装置1で、例えば、画像データDをフーリエ変換して、高周波成分がない場合、或いは高周波成分が所定値以下の小さい値の場合に、画像データDにボケが生じていると判定する。そして、画像処理装置等で判定した場合にはその結果を放射線画像撮影装置1に送信する。
そして、放射線画像撮影装置1は、画像データDにボケが生じていると判定された場合(或いは画像データDに生じているボケの程度が所定の値以上に大きいと判定された場合)には、上記の画像データDの読み出し処理を行う周期や実効蓄積時間Tacを短くするように構成することが可能である。
このように構成して、画像データDの読み出し処理を行う周期や実効蓄積時間Tacを短くすれば、その間に被写体が動く移動量がより少なくなり、画像データDにボケが生じないようにすることが可能となり、少なくとも生じるボケの程度をより小さなものとすることが可能となる。
また、画像データDにボケが生じているか否かを放射線画像撮影装置1で判定し、画像データDにボケが生じていると判定した場合は、放射線画像撮影装置1からただちに放射線の照射を禁止する旨を音声で発声したり、放射線画像撮影装置1から制御装置58に信号を送信して制御装置58の表示部58a(図1参照)上にその旨を表示する等して報知するように構成することが可能である。
さらに、それに代えて、或いはそれと並行して、放射線画像撮影装置1からの信号を受信した制御装置58から放射線発生装置55に放射線の照射を禁止する禁止信号を送信することによって、放射線発生装置55が放射線を照射することを禁止するように構成することも可能である。
上記のように構成することにより、不適切な撮影が継続されることで、患者の被曝線量が増えたり放射線源52がヒートアップしてしまうこと等を的確に防止することが可能となる。
一方、図10に示されるように、同じ1回の画像データDの読み出し処理の中でも、走査線5のラインLnにオン電圧を印加してそれに接続されている各放射線検出素子7から画像データDを読み出してから、走査線5の次のラインLn+1にオン電圧を印加してそれに接続されている各放射線検出素子7から画像データDを読み出すまでに、時間が少し経過している。そして、走査線5の最初のラインL1にオン電圧を印加してから、走査線5の最終ラインLxにオン電圧を印加するまでには、時間がだいぶ経過している。
このように、動画撮影では、1回の画像データDの読み出し処理においても、ゲートドライバー15bから各走査線5にオン電圧を印加するタイミングが早いほど、より早い時期の被写体が撮影され、オン電圧を印加するタイミングが遅くなるほど、より時間が経過してからの被写体が撮影される。
そして、1回の画像データDの読み出し処理で読み出された各画像データDに基づいて放射線画像を生成すると、より早期にオン電圧が印加される走査線5のラインL1に対応する放射線画像の位置(例えば放射線画像の上端の位置)ではより早い時期に撮影された被写体が写し出されており、より後にオン電圧が印加される走査線5の各ラインLに対応する放射線画像の位置(例えば放射線画像のより下側の位置)ではより遅い時期に撮影された被写体が写し出される。
そのため、1フレームの放射線画像の中で、走査線5の各ラインL1〜Lxに対応する放射線画像の各部分ごとに撮影された時期が異なる被写体が写し出される状態になり、被写体がねじれた状態で撮影されたり、被写体の大きさが実際より大きく或いは小さく撮影されたりするような状態になってしまう。
そこで、このような場合には、例えば、走査線5ごとに見た場合に、前回の画像データDの読み出し処理で当該走査線5に接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データDをDoldとし、今回の読み出し処理で当該各放射線検出素子7から読み出された画像データDをDnewとする場合、例えば下記(1)式に従って算出される画像データDを撮影で撮影された画像データDとする。
D=p×Dnew+(1−p)×Dold …(1)
そして、変数pを各走査線5ごとに変え、走査線5の各ラインL1〜Lxごとに、今回の読み出し処理で読み出された画像データDnewと重み付け平均する対象となる、前回の読み出し処理で読み出された画像データDoldの重みを変えるように構成することが可能である。
このように構成することで、上記のように1回の読み出し処理で走査線5ごとに画像データDを読み出すタイミングが同じタイミングではない場合であっても、放射線画像中に、被写体がねじれた状態で写し出されたり実際の大きさとは異なる状態で写し出されたりして異常な状態で写し出されることを的確に防止して、被写体を適切な状態に撮影することが可能となる。
[変形例5]
一方、前述の通り、動画撮影を行う場合、放射線発生装置55から放射線を連続的に照射して、すなわち放射線が照射され続ける状態で照射されて動画撮影が行われる場合もあるが、放射線発生装置55から、放射線画像撮影装置1のフレーム画像取得(読取)周期に同期して、より具体的に言えば、放射線画像撮影装置1のフレーム画像取得終了タイミングにて、パルス状の放射線を間欠的に照射して動画撮影が行われる場合もある。
特に、後者の場合、放射線発生装置55と放射線画像撮影装置1との間で、フレーム画像取得周期と、パルス状の放射線照射を同期させるための同期信号をやりとりさせる必要がある。
施設に既設の放射線画像撮影システムが、動画撮影可能でなおかつ放射線画像撮影装置1のフレーム画像取得周期に同期して、パルス状の放射線を照射可能な放射線発生装置では、動画撮影の1フレーム画像あたりに照射される1パルスの放射線の線量(各フレームに照射される1パルスの放射線の管電流時間積)が、小さく設定できないものがある。
具体的に言えば、設定可能な1パルスの放射線の最小管電流時間積が0.2[mAs]〜0.5[mAs]である装置があるが、動画撮影でより被写体の被曝線量を減らそうとした場合、1パルスの放射線の管電流時間積を例えば0.05〜0.1[mAs]程度に設定したと仮定した場合に被写体に照射される線量まで、被写体に照射される放射線の線量を下げたい場合がある。
このとき、設定可能な最小管電流時間積に設定したとしても、被写体に照射される1パルスの放射線の線量を、さらに数分の一から十分の一に小さくする必要がある。そのため、このように放射線発生装置55からパルス状の放射線が間欠的に照射される場合にも、本発明を適用して、放射線発生装置55の照射口61に付加フィルター駆動装置70を取り付ける等することで、放射線発生装置55から照射される1パルスの放射線の線量を的確に小さくすることが可能となる。
そして、その結果、動画撮影時に、放射線発生装置55からパルス状の放射線が間欠的に照射される場合においても、被写体である患者に対して高い線量率で放射線を照射して動画撮影を行うことが回避されるため、被写体である患者の被曝線量が大きくなることを的確に防止することが可能となる。
なお、本発明が、上記の実施形態や変形例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
1 放射線画像撮影装置
7 放射線検出素子
50 放射線画像撮影システム
55 放射線発生装置
58 制御装置
60 絞り部
61 照射口
62 レール
70 付加フィルター駆動装置
F 付加フィルター

Claims (3)

  1. 二次元状に配列された複数の放射線検出素子を備える放射線画像撮影装置と、
    被写体を介して前記放射線画像撮影装置に放射線を照射する放射線発生装置と、
    第1位置と当該第1位置と異なる第2位置との間を移動可能な付加フィルターを有するとともに、前記放射線発生装置に着脱可能に外付けすることが可能に構成され、前記放射線発生装置に取り付けられたときに、前記付加フィルターを前記第1位置に移動させて前記照射口から退避させ、前記付加フィルターを前記第2位置に移動させて前記照射口に装填することにより、前記放射線画像撮影装置に照射される放射線の線量率を変更する付加フィルター駆動装置と、
    入手した撮影モードが静止画撮影モードであるにもかかわらず前記付加フィルター駆動装置が前記付加フィルターを前記照射口に装填している場合、及び入手した撮影モードが動画撮影モードであるにもかかわらず前記付加フィルター駆動装置が前記付加フィルターを前記照射口から退避させている場合に、前記放射線発生装置が放射線を照射することを禁止する制御装置と、を備え、
    前記放射線発生装置は、照射する放射線の位置合わせを行うために前記照射口から可視光を照射する光照射を行うように構成されており、
    前記放射線発生装置から前記光照射が行われるとそれを検知して前記付加フィルター駆動装置に光照射信号を送信する光照射検知装置を備え、
    前記付加フィルター駆動装置は、撮影モードが動画撮影モードであり、かつ前記付加フィルターを前記照射口に装填している状態で前記光照射検知装置から前記光照射信号を受信すると、前記付加フィルターを前記照射口から退避させることを特徴とする放射線画像撮影システム。
  2. 前記付加フィルター駆動装置は、
    撮影モードが動画撮影モードであり、かつ前記光照射検知装置から送信される信号に基づいて前記光照射が終了したと判断すると、前記付加フィルターを前記照射口に装填することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影システム。
  3. 前記付加フィルター駆動装置は、
    撮影モードが動画撮影モードであり、かつ前記光照射検知装置から前記光照射信号を受信し、前記付加フィルターを前記照射口から退避させてから所定時間経過後に、前記付加フィルターを前記照射口に装填することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影システム。
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