JP6216813B2 - 施工アシスト金具、吊り天井構造及び斜め部材の取り付け方法 - Google Patents

施工アシスト金具、吊り天井構造及び斜め部材の取り付け方法 Download PDF

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Description

本発明は、建物の構造体から吊り下げられた吊り天井構造において、吊り材に斜め部材の上端を取り付けるための施工アシスト金具、及びそれが取り付けられた吊り天井構造、並びに斜め部材の取り付け方法に関するものである。
上階の床スラブ又は梁などの建物の構造体から吊りボルトによって吊り下げられた野縁受け及び野縁等からなる鋼製下地を有する吊り天井構造において、建物構造体の下面と鋼製下地との間に斜めにブレースが取り付けられることによって、耐震性が向上することが知られている(特許文献1,2など参照)。
特許第4845212号公報 特許第4963484号公報
しかしながらブレースの上端を構造体の下面直下に固定するためには、作業員の手が構造体の下面に届くような大掛かりな足場を設けなければならない。また、既存の吊り天井においては、天井板材を広い範囲で外すなどしなければ施工できない場合もある。
そこで本発明は、構造体の下面直下に直接手が届かない場所からでも吊り天井構造の吊り材に斜め部材の上端を取り付けることが可能となる施工アシスト金具、並びにそれが取り付けられた吊り天井構造及び斜め部材の取り付け方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の施工アシスト金具は、建物の構造体から吊り材によって吊り下げられた吊り天井構造において、前記吊り材に斜め部材の上端を取り付けるための施工アシスト金具であって、前記吊り材を収容させる凹溝部が形成された本体部と、前記本体部に対して回動自在に取り付けられた蓋板部と、前記本体部に一端が連結されるとともに他端に前記斜め部材の上端を取り付けるための連絡部とを備えたことを特徴とする。
ここで、前記本体部と前記蓋板部と前記連絡部とは、1箇所のヒンジ部によって一体化されている構成とすることができる。また、前記本体部及び蓋板部には、それぞれ穴が形成されているとともに、前記本体部には、前記蓋板部の回動を穴が一致する位置で止めるための突起部が設けられている構成とすることができる。
さらに、前記連絡部には、前記斜め部材の上端面を接触させるためのストッパ部が設けられている構成とすることができる。また、前記連絡部が複数設けられている構成とすることもできる。
さらに、吊り天井構造の発明は、建物の構造体から吊り材によって吊り下げられた吊り天井構造であって、前記吊り材の上部に取り付けられた上記いずれかに記載の施工アシスト金具と、前記本体部及び蓋板部に上端が取り付けられるとともに下端が前記吊り材に固定された束材部と、前記連絡部に上端が取り付けられるとともに下端が天井面側に接続された斜め部材とを備えたことを特徴とする。ここで、前記斜め部材の下部は、切断可能な長さ調整材によって形成されている構成とすることができる。
そして、斜め部材の取り付け方法の発明は、建物の構造体から吊り材によって吊り下げられた吊り天井構造に斜め部材を取り付けるための斜め部材の取り付け方法であって、上記いずれかに記載の施工アシスト金具の前記凹溝部に前記吊り材を収容して前記蓋板部を回動させて、前記本体部と前記蓋板部とで前記吊り材を挟ませる工程と、前記本体部及び蓋板部と長尺状の束材部の上端とを接合させる工程と、前記連絡部に前記斜め部材の上端が取り付けられた状態の前記施工アシスト金具を、前記束材部を押し上げることで前記吊り材の上部に移動させる工程と、前記束材部の下端を前記吊り材に固定する工程と、前記斜め部材の下端と天井面側とを接続させる工程とを備えたことを特徴とする。ここで、前記斜め部材は、間隔に合わせて切断された長さ調整材を介して前記天井面側に接続させることができる。
このように構成された本発明の施工アシスト金具及び吊り天井構造は、吊り天井構造の吊り材を収容させる凹溝部が形成された本体部と、それに対して回動自在に取り付けられた蓋板部と、斜め部材の上端を取り付けるための連絡部とを備えている。
このため、この施工アシスト金具を使用することで、構造体の下面直下に直接手が届かない場所からでも、吊り天井構造の吊り材に斜め部材の上端を取り付けることができる。
また、このような施工アシスト金具は、本体部と蓋板部と連絡部とを1箇所のヒンジ部によって一体化させた簡単な構成にすることができる。さらに、本体部の穴と蓋板部の穴とが一致する位置で蓋板部の回動を止めるための突起部が設けられていれば、貫通した穴を利用して本体部及び蓋板部に容易に束材部などの他部材の取り付けを行うことができる。
また、連絡部に斜め部材の上端面を接触させるためのストッパ部が設けられていれば、斜め部材を所望される角度で真っ直ぐに取り付けることができる。そして、連絡部が複数設けられていれば、複数の斜め部材を一つの施工アシスト金具に取り付けることができる。
また、施工アシスト金具を使用した斜め部材の取り付け方法の発明では、施工アシスト金具に上端を接合させた束材部を押し上げることで、直接手が届かない場所から構造体の下面直下に斜め部材の上端を取り付けることができる。
さらに、間隔に合わせて切断された長さ調整材を介して斜め部材を天井面側に接続させる方法であれば、実際の吊り天井構造の寸法に合わせて確実に斜め部材を取り付けることができる。
本発明の実施の形態の施工アシスト金具の構成を3方向から見て説明する図である。 本発明の実施の形態の吊り天井構造の構成を説明するための断面図である。 施工アシスト金具が床スラブの下面直下に取り付けられた状態を拡大して説明する図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B矢視方向で見た正面図である。 束材部の下端近傍の構成を説明するための部分拡大図である。 施工アシスト金具を使ったブレースの取り付け方法を左から右の順で示した説明図である。 吊りボルトに施工アシスト金具を取り付ける工程を説明するための部分拡大図である。 施工アシスト金具に束材部を取り付ける工程を説明するための部分拡大図である。 ブレースの定形部に長さ調整材を取り付ける工程を説明するための正面図である。 図2のA−A矢視方向で見てブレースの接続構造を説明するための底面図である。 ブレースが取り付けられた吊り天井構造における力の流れを説明する図である。 束材部の下端近傍の別の構成を説明するための部分拡大図である。 吊り天井構造の別の構成を説明するための断面図である。 実施例の施工アシスト金具の構成を2方向から見て説明する図である。 実施例の4本のブレースが取り付けられる施工アシスト金具の構成を説明する平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本実施の形態の施工アシスト金具4の構成を説明するための図、図2はその施工アシスト金具4によって斜め部材であるブレース2,2が取り付けられた吊り天井構造1の構成を説明するための図である。
吊り天井構造1は、例えば体育館、集会場、災害応急対策の拠点となる公共施設、ビルなどの様々な建物に設けられる。本実施の形態で説明する吊り天井構造1は、新設される吊り天井だけでなく既存の吊り天井も対象となる。
図2に示すように、建物の構造体となる梁や上階の床スラブ11の下面には、間隔を置いて複数の吊り材としての吊りボルト13,・・・が吊り下げられており、吊りボルト13の下端のハンガー131に鋼製下地となる野縁受け部14が吊り下げられる。
そして、野縁受け部14の軸方向に間隔を置いて、略直交する方向に向けて鋼製下地となる野縁部15が取り付けられる。さらに平行に配置された複数の野縁部15,・・・の下面には、石こうボードなどの天井板材16が取り付けられる。この天井板材16は、天井面を形成する部材となる。
図2は、野縁部15の軸方向(野縁方向)に沿って側面視略V形に一対のブレース2,2が配置された状態を示している。一方、図示していないが、野縁受け部14の軸方向(野縁受け方向)に沿っても、側面視略V形に一対のブレース2,2を配置することができる。
このブレース2の上端を吊りボルト13の上部に固定させるための金具が、本実施の形態の施工アシスト金具4である。一方、ブレース2の下端は、天井面側となる野縁受け部14に取り付けられた接合金具3に固定される。
この接合金具3は、ブレース2の下端が固定できるものであればいずれの形態のものでもよく、公知の金具が使用できる。また、ブレース2の下端を、天井面側の鋼製下地となる野縁受け部14や野縁部15などに、直接固定することもできる。
これに対して本実施の形態の施工アシスト金具4は、図1に示すように、吊りボルト13を収容させる凹溝部411が形成された本体部41と、本体部41に対して回動自在に取り付けられた蓋板部42と、本体部41に一端が連結されるとともに他端にブレース2の上端を取り付けるための連絡部43とによって主に構成される。
本体部41は、鋼板などの板材を加工することによって略長方形に形成される。本体部41の長手方向の中央付近は、図1の上図(平面図)に示すように凸条に折り曲げ加工されて内空側が凹溝部411になる。この凹溝部411は、本体部41の短手方向(高さ方向)を横断するように設けられる。
この凹溝部411には、吊りボルト13を突出させることなく収容させることができる。すなわち凹溝部411の内周の断面は、吊りボルト13を内包可能な形状になる。例えば、略長方形、略半円形、略半楕円形の断面に形成することができる。
また、凹溝部411の内周面は、平滑面に形成されてネジ溝などは設けられていない。このため、吊りボルト13を中心にして、施工アシスト金具4を任意の方向に向けることができる。すなわち、施工アシスト金具4に上端が取り付けられたブレース2をいずれの方向に延伸させる場合でも、簡単に向きを変えることができる。
また、本体部41には、図6に示すように穴413が穿孔される。また、穴413の下方には、蓋板部42側に突出する突起部412が設けられる。そして、本体部41には、ほぼ同じ大きさの鋼板などの平板状の蓋板部42が重ねられる。
この蓋板部42は、本体部41に対して回動自在となるように、ヒンジ部44を介して接続される。ヒンジ部44は、蓋板部42と本体部41を端部同士で接続させるとともに、連絡部43の端部も接続させる。本実施の形態では、図1の上図に示すように、連絡部43、本体部41、蓋板部42の順にそれぞれの端部が重ねられ、ヒンジ部44によって一体化される。
蓋板部42のヒンジ部44側の端部は、回動させる際に連絡部43との干渉が起きないようにするために、円弧状(半円状)に成形されている。また、図1の中央(正面図)に示すように、蓋板部42の下縁には、突起部412を収めるための切欠き部422が設けられる。
さらに、突起部412の上面に切欠き部422の下面を接触させた際に、本体部41の穴413,413の位置と一致する蓋板部42の位置には、穴421,421が穿孔される。すなわち蓋板部42を回動させると、本体部41の穴413,413と蓋板部42の穴421,421とが一致する位置で、蓋板部42の回動が止まることになる。
連絡部43は、鋼板などの板材を加工することによって略長方形に形成される。連絡部43の上端は、回動させる際に本体部41との干渉が起きないようにするために、図3(b)に示すように円弧状(半円状)に成形されている。
一方、連絡部43の本体部41から下方に突出される部分については、図1に示すように、両側縁に沿って側壁部433,433が形成されて断面視略コ字形となる。
すなわち連絡部43のブレース2が取り付けられる部分は、側壁部433,433を設けて剛性を高めておく。また、連絡部43には、ブレース2を取り付けるビス材45A,45Aを通すための穴432,432が穿孔される。
さらに、穴432,432の上方には、連絡部43の長手方向に略直交する方向(図1の紙面直交方向)に張り出されるストッパ部431が設けられる。このストッパ部431は、連絡部43の側面の一部を長方形の3辺が切り込まれるように切り抜き、引き起こすことで形成される。
このストッパ部431は、図3(b)に示すように、ブレース2の上端面211を接触させるためのもので、ブレース2の延伸方向に略直交する下面が形成される。
連絡部43は、側壁部433,433が他の部材に干渉しない範囲でヒンジ部44を中心に回動させることができる。一方、ブレース2の延伸方向に略直交する上端面211をストッパ部431の下面に接触させることで、ヒンジ部44の中心から真っ直ぐにブレース2を延伸させることができる。
また、ストッパ部431に上端面211を当てることでブレース2の上がり過ぎを防ぐことができれば、ブレース2が本体部41などと干渉して所望する角度に向けることができなくなるなどの事態の発生を防ぐことができる。
ブレース2は、図3に示すように、例えば断面視略C字形のC形鋼によって形成される。ブレース2は、図2,8に示すように、一定の長さの定形部21と、定形部21の下端と接合金具3との間隔に合わせて切断される長さ調整材22とによって主に構成される。
また、施工アシスト金具4の本体部41及び蓋板部42に上端51が取り付けられる束材部5も、図3に示すように例えば断面視略C字形のC形鋼によって形成される。束材部5は、吊りボルト13よりも少し短い長尺状の部材である。
一方、吊りボルト13に沿って垂下される束材部5の下端52には、図4に示すように固定金物53が取り付けられる。固定金物53は、束材部5に取り付けられる正面視略L字形の接続片部531(図5参照)と、吊りボルト13に接合させる挟持板部532と、ボルト533,533及びナットとによって主に構成される。
接続片部531の垂直部531bは、上述した連絡部43と略同様の構成となる。すなわち束材部5に取り付けられる部分には、剛性を高めるための側壁部が形成される。
また、接続片部531の側面の一部を長方形の3辺が切り込まれるように切り抜き、引き起こすことで形成される下ストッパ535が設けられる。一方、接続片部531の底辺部531aは、平面視Ω状に形成され、凹条部に吊りボルト13の半断面が収容される。
挟持板部532は、底辺部531aに対向させる平面視Ω状に形成される部材で、底辺部531aと略同じ形状になる。そして、対向させた底辺部531aと挟持板部532とで吊りボルト13を挟み、両端をボルト533,533とナットによって締め付ける。
一方、束材部5の下端面は下ストッパ535の上面に載せられ、束材部5の下端52と接続片部531の垂直部531bとがビス材534,534によって接合される。
次に、本実施の形態のブレース2の取り付け方法について、図5−図9を参照しながら説明する。ここでは、既存の吊り天井にブレース2を取り付ける方法について説明する。
まず、図5に示すように吊り天井構造1の吊りボルト13の下部に作業員Mの手が届く高さの作業台12を用意する。そして、吊りボルト13の下部に施工アシスト金具4を取り付ける(図5の左端の状態)。
具体的には、図6に示すように、本体部41に対して蓋板部42がほぼ直角に起きた状態で、凹溝部411に吊りボルト13を収容する。なお、連絡部43には、予めビス材45A,45Aによってブレース2の定形部21を固定しておくことができる。
凹溝部411から吊りボルト13が溝の外に突出していなければ、蓋板部42を回動させて倒すことで、本体部41に重ねることができる。図7に示すように、蓋板部42の回動は、切欠き部422が突起部412に接触した時点で止まり、蓋板部42の穴421,421の位置が本体部41の穴413,413の位置に一致する。
この状態で束材部5の上端51を本体部41の側面に接触させ、穴421,421からビス材45B,45Bをねじ込むことで、束材部5の上端51を施工アシスト金具4に取り付ける。この束材部5の下端52には、固定金物53の接続片部531が取り付けられている。
続いて図5に示すように、束材部5を上方に向けて押し上げる。施工アシスト金具4の凹溝部411には、吊りボルト13が通されているだけなので、簡単にスライド移動させることができる。
そして、施工アシスト金具4を床スラブ11の下面に接触させた後に、束材部5の下端52の接続片部531と挟持板部532とで吊りボルト13を挟み、両端をボルト533,533とナットによって締め付ける。
このようにして固定金物53によって束材部5を吊りボルト13に固定させると、施工アシスト金具4及びブレース2の定形部21が吊りボルト13に支持された状態になる。その結果、両手が自由になった作業員Mは、定形部21を接合金具3に向けて容易に広げることができる。
一方、接合金具3側では、図8に示すように、アーム材31を回して起す。そして、定形部21の下端とアーム材31との間隔を測定して、それに合わせて長さ調整材22を切断する。
切断された長さ調整材22は、図9に示すようにアーム材31と定形部21に接合される。ここで、図9は、図2のA−A矢視方向で見たブレース2の構成を示した底面図である。
詳細には、断面視略L字形のアーム材31の側面に切断された長さ調整材22の下部222の側面を接触させ、ビス材223,223によって両者の接合を行う。
一方、長さ調整材22の上部221の側面は定形部21の側面に接触させ、ビス材223,・・・によって両者の接合を行う。この結果、接合金具3を介してブレース2の下端が野縁受け部14に接続されたことになる。
次に、本実施の形態の施工アシスト金具4、及びそれが取り付けられた吊り天井構造1、並びにブレース2の取り付け方法の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の施工アシスト金具4は、吊り天井構造1の吊りボルト13を収容させる凹溝部411が形成された本体部41と、それに対して回動自在に取り付けられた蓋板部42と、ブレース2の上端を取り付けるための連絡部43とを備えている。
このため、この施工アシスト金具4を使用することで、床スラブ11の下面直下に直接手が届かない場所からでも、吊り天井構造1の吊りボルト13にブレース2の上端を取り付けることができる。
すなわち作業員Mは、吊りボルト13の下部に手が届く位置にいれば、施工アシスト金具4を吊りボルト13に取り付けることができる。そして、施工アシスト金具4にブレース2の上端及び束材部5の上端51を取り付ければ、束材部5を押し上げることで、ブレース2の上端を床スラブ11の下面直下まで移動させることができる。
また、固定金物53によって束材部5を吊りボルト13に固定させることでブレース2の上端を吊りボルト13の上端付近に固定した後には、作業員Mの両手が自由になるので、その後の作業を一人で行うことができる。
さらに、定形部21を接合金具3に向けて広げる際にも、定形部21はブレース2よりも短いため、下端が野縁部15などに引っ掛かってしまうことがなく、所望する角度に確実に向けることができる。
そして、長さ調整材22を使ってブレース2の下端を接合金具3に接続することで、吊り天井構造1に斜めにブレース2を配置することができる。この際、吊りボルト13と接合金具3とが平面視で野縁受け部14に重なる位置関係になっていなくても、ブレース2の下端を持って吊りボルト13を中心に施工アシスト金具4を回すことで、簡単に適切な向きでブレース2を配置することができる。
このように、作業員Mの手が床スラブ11の下面に届くような大掛かりで高所となる足場を設ける必要がなく、簡単かつ安全にブレース2を取り付けることができる。
また、既存の吊り天井にブレース2を取り付ける場合でも、施工アシスト金具4や接合金具3を取り付ける箇所などの一部の天井板材16を外すだけで、容易に施工することができる。
さらに、実際の現場で測定された定形部21と接合金具3との間隔に合わせて長さ調整材22を切断して使用するのであれば、長さが不足して作業が中断したり、長さに応じて部品数が増えたりすることがなく、施工性に優れている。
また、このような施工アシスト金具4は、本体部41と蓋板部42と連絡部43とを1箇所のヒンジ部44によって一体化させた簡単な構成にすることができる。
さらに、本体部41の穴413,413と蓋板部42の穴421,421とが一致する位置で蓋板部42の回動を止めるための突起部412が設けられていれば、連通した穴413,421にビス材45Bを通すことで、本体部41及び蓋板部42に容易に束材部5の上端51の取り付けを行うことができる。
すなわち3枚の鋼板にビス材45Bを通す作業は困難であるが、束材部5のみを打ち抜けばよいのであれば、簡単に接合作業を行うことができる。さらに、穴413,421が連通されているかどうかを目視で確認できない作業状況であっても、突起部412によって常に穴413,421の位置を一致させることができるので、施工性に優れている。
また、連絡部43にブレース2の上端面211を接触させるためのストッパ部431が設けられていれば、ブレース2を所望される角度で真っ直ぐに取り付けることができる。ブレース2を連絡部43に対して真っ直ぐに取り付けることによって、力の流れに折れ曲りができず、スムーズな応力伝達が行われるようになる。
図10は、側面視略V字形に一対のブレース2,2が配置された吊り天井構造1の力の流れを例示した図である。地震力Qなどの水平力が吊り天井構造1に作用した場合に、一方のブレース2には圧縮側のブレース軸力P1が作用し、他方のブレース2には引張側のブレース軸力P2が作用することになる。なお、地震力Qは、図示した一方向だけではなく交番作用するため、1本のブレース2にはいずれの方向のブレース軸力P1,P2も生じることになる。
そして、圧縮側のブレース軸力P1が施工アシスト金具4に入力されると、床スラブ11から反力を得ることができる。他方、引張側のブレース軸力P2は、施工アシスト金具4を介して接続された束材部5に下向きの力を与える。この束材部5に伝達された下向きの力に対しては、固定金物53の吊りボルト13に対する接合力が反力となる。
この固定金物53の接合力が不足する場合は、図11に示すように固定金具53の挟持板部532の下に反力補強部54を設けて補うことができる。反力補強部54としては、吊りボルト13の側面からの取り付けが可能となる公知の開閉可能なナットや点付け溶接などが使用できる。
さらに、施工アシスト金具4を使用することで、図12に示すような側面視略X字形に一対のブレース2,2が配置された吊り天井構造1Aも、容易に構築することができる。
この吊り天井構造1Aにおいては、野縁受け部14に取り付けられる接合金具3Aにブレース2の下端が接続される。上述した接合金具3,3Aの形態については、特に限定されるものではなく、ブレース2の下端が接続可能な構成であればよい。
また、ブレース2を配置することによって、耐震性能を向上させることができるが、それ以外にも風揺れ等に伴う脱落を防ぐためだけでも、ブレース2を配置した効果を得ることができる。
以下、前記実施の形態で説明した施工アシスト金具4とは別の形態の実施例について、図13,図14を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を用いて説明する。
図13には、2本のブレース2,2の上端を取り付けることが可能な施工アシスト金具4Aを示している。この施工アシスト金具4Aの本体部41Aは、前記実施の形態で説明した施工アシスト金具4の本体部41よりも水平方向に長く形成される。
そして、本体部41Aの両端には、それぞれヒンジ部44,44を介して連絡部43,43が取り付けられる。一方、蓋板部42については、前記実施の形態で説明した構成のものが使用できる。
このように2つの連絡部43,43を一つの施工アシスト金具4Aに設けることで、2本のブレース2,2の取り付けを一度に行うことができる。さらに、図14には、4本のブレース2A,2A,2B,2Bの取り付けが一度に行える施工アシスト金具4Bを示した。
ここで、一対のブレース2A,2Aを野縁受け方向に配置される斜め部材とし、もう一対のブレース2B,2Bを野縁方向に配置されるブレース2B,2Bとする。
施工アシスト金具4Bの本体部41Bは、上述した施工アシスト金具4Aの本体部41Aと同様に水平方向に長く形成され、両端にそれぞれブレース2A,2Aを取り付けるための連絡部43,43が設けられる。
一方、本体部41Bの凹溝部411が設けられる凸条の外側面には、野縁方向に延びる板状の突出片46が溶接などによって接合されたり、押し出し成形によって形成されたりする。この突出片46には、ブレース2Bを取り付けるための連絡部43がヒンジ部44を介して設けられる。
また、蓋板部42の外側面には、野縁方向に延びる板状の突出片47が溶接などによって接合されるなどして形成される。この突出片47にも、ブレース2Bを取り付けるための連絡部43がヒンジ部44を介して設けられる。
このようにして直交する2方向の両側に4つの連絡部43,・・・が設けられていれば、4本のブレース2A,2A,2B,2Bの上端を一点に集約させて一つの施工アシスト金具4Bによって取り付けることができる。
なお、実施例のこの他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるため説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、側面視略V字形や側面視略X字形にブレース2,2が配置された吊り天井構造1,1Aについて説明したが、これに限定されるものではなく、斜め部材の配置は任意に設定することができる。
また、前記実施の形態及び実施例では、鋼製下地である野縁受け部14に取り付けられた接合金具3,3Aにブレース2の下端を固定させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、システム天井の鋼製下地にブレース2の下端を固定させたり、天井板材16に接合金具3,3Aのような金具を直接、取り付け、その金具にブレース2の下端を固定させたりすることもできる。
1,1A 吊り天井構造
11 床スラブ(建物の構造体)
13 吊りボルト(吊り材)
14 野縁受け部
15 野縁部
16 天井板材(天井面)
2,2A,2B ブレース(斜め部材)
211 上端面
22 長さ調整材
4,4A,4B 施工アシスト金具
41,41A,41B 本体部
411 凹溝部
412 突起部
413 穴
42 蓋板部
421 穴
43 連絡部
431 ストッパ部
44 ヒンジ部
5 束材部
51 上端
52 下端

Claims (9)

  1. 建物の構造体から吊り材によって吊り下げられた吊り天井構造において、前記吊り材に斜め部材の上端を取り付けるための施工アシスト金具であって、
    前記吊り材を収容させる内周面が平滑面である凹溝部が形成された本体部と、
    前記本体部に対して回動自在に取り付けられた平板状の蓋板部と、
    前記本体部に一端が連結されるとともに他端に前記斜め部材の上端を取り付けるための連絡部とを備えたことを特徴とする施工アシスト金具。
  2. 前記本体部と前記蓋板部と前記連絡部とは、1箇所のヒンジ部によって一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の施工アシスト金具。
  3. 建物の構造体から吊り材によって吊り下げられた吊り天井構造において、前記吊り材に斜め部材の上端を取り付けるための施工アシスト金具であって、
    前記吊り材を収容させる凹溝部が形成された本体部と、
    前記本体部に対して回動自在に取り付けられた蓋板部と、
    前記本体部に一端が連結されるとともに他端に前記斜め部材の上端を取り付けるための連絡部とを備え、
    前記本体部及び蓋板部には、それぞれ穴が形成されているとともに、前記本体部には、前記蓋板部の回動を穴が一致する位置で止めるための突起部が設けられていることを特徴とする施工アシスト金具。
  4. 前記連絡部には、前記斜め部材の上端面を接触させるためのストッパ部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の施工アシスト金具。
  5. 前記連絡部が複数設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の施工アシスト金具。
  6. 建物の構造体から吊り材によって吊り下げられた吊り天井構造であって、
    前記吊り材の上部に取り付けられた、前記吊り材を収容させる凹溝部が形成された本体部と、前記本体部に対して回動自在に取り付けられた蓋板部と、前記本体部に一端が連結されるとともに他端に前記斜め部材の上端を取り付けるための連絡部とを備えた施工アシスト金具と、
    前記本体部及び蓋板部に上端が取り付けられるとともに下端が前記吊り材に固定された束材部と、
    前記連絡部に上端が取り付けられるとともに下端が天井面側に接続された斜め部材とを備えたことを特徴とする吊り天井構造。
  7. 前記斜め部材の下部は、切断可能な長さ調整材によって形成されていることを特徴とする請求項6に記載の吊り天井構造。
  8. 建物の構造体から吊り材によって吊り下げられた吊り天井構造に斜め部材を取り付けるための斜め部材の取り付け方法であって、
    前記吊り材を収容させる凹溝部が形成された本体部と、前記本体部に対して回動自在に取り付けられた蓋板部と、前記本体部に一端が連結されるとともに他端に前記斜め部材の上端を取り付けるための連絡部とを備えた施工アシスト金具の前記凹溝部に前記吊り材を収容して前記蓋板部を回動させて、前記本体部と前記蓋板部とで前記吊り材を挟ませる工程と、
    前記本体部及び蓋板部と長尺状の束材部の上端とを接合させる工程と、
    前記連絡部に前記斜め部材の上端が取り付けられた状態の前記施工アシスト金具を、前記束材部を押し上げることで前記吊り材の上部に移動させる工程と、
    前記束材部の下端を前記吊り材に固定する工程と、
    前記斜め部材の下端と天井面側とを接続させる工程とを備えたことを特徴とする斜め部材の取り付け方法。
  9. 前記斜め部材は、間隔に合わせて切断された長さ調整材を介して前記天井面側に接続させることを特徴とする請求項8に記載の斜め部材の取り付け方法。
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