JP6216763B2 - 脱水システム及び脱水方法 - Google Patents

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Description

本発明は、汚泥等の水分を含む対象物から水分を除去する脱水システム及び脱水方法に関するものである。
廃水汚泥を脱水して廃水汚泥の含水率を下げたり、固形物を混入した液体を脱水して固形物と液体に分離したり、植物を混入した液体を脱水して植物の搾り汁を取り出したりするのに、脱水機が用いられる。
特許第1211418号公報 特許第5027697号公報 特開2012−187449号公報
特に、下水汚泥の脱水及び脱水汚泥の焼却等の処理を含む下水汚泥処理においては、省エネルギーや創エネルギーが可能な処理方法が求められるが、脱水処理における脱水効果が低く、脱水処理によって得られる脱水汚泥(脱水ケーキともいう。)の含水率が高いと、その後の脱水汚泥の乾燥や焼却処理等での脱水汚泥中の水分を蒸発させるために大きなエネルギーを要し、省エネルギーや創エネルギーが可能な処理方法とならない。
本発明は、必要なエネルギーが小さくても脱水効果の高い脱水システム及び脱水方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様の脱水システムは、汚泥を濃縮して濃縮汚泥を生成する第1の濃縮部と、前記第1の濃縮部にて生成された前記濃縮汚泥を脱水対象汚泥として受けて、前記脱水対象汚泥を間接加熱方式で加熱しながらスクリュープレス方式又はベルトプレス方式で脱水する脱水部とを備えた構成を有している。
この構成により、脱水部において汚泥が加熱されながら脱水されるので、汚泥の粘性が低下し、かつ熱変性によって汚泥の保水力が低下して濾液が分離しやすくなり、脱水された汚泥(脱水汚泥)の含水率を低くすることができる。また、脱水による濾液(脱水濾液)の多くは加熱が完了しない段階で速やかに汚泥から分離できるため、脱水濾液に余計な熱エネルギーを使用することを防止できる。また、第1の濃縮部にて汚泥の濃度を高くして、加熱する汚泥量を減少させてから、脱水部にて加熱しながら脱水を行うので、脱水部における汚泥の温度を所望の温度にまで加熱するための熱エネルギー(加熱エネルギー)を低く抑えることができる。さらに、脱水部にて汚泥を加熱するのに間接加熱方式を採用するので、温水等の熱媒を利用して汚泥を加熱ができる。また、脱水部における脱水方式として、スクリュープレス方式又はベルトプレス方式を採用するので、加熱しながらの脱水を容易に実現できる。なお、第1の濃縮部と脱水部は、一体的に構成されてもよいし、別体で構成されてもよい。
前記第1の濃縮部は、前記汚泥をその濃度が6%以上となるように濃縮してよい。
この構成により、汚泥が十分に濃縮されるので、脱水部における上記の加熱エネルギーを低く抑えることができる。
前記脱水部は、前記脱水部で脱水して得られた脱水汚泥の温度が45℃以上100℃未満のいずれかの温度となるように、前記脱水対象汚泥を加熱してよい。
上記の加熱エネルギーが、乾燥や焼却処理における脱水汚泥中の水分を蒸発させるのに要する熱エネルギーのうちの脱水汚泥の含水率を低くしたことで低減できる分を上回ってしまうと、脱水システム全体としては省エネルギーは達成できないが、上記の構成により、そのような状況が生じる可能性を小さくできる。
上記の脱水システムは、前記脱水部に投入される前の汚泥に送気をすることで、汚泥を好気状態にする好気部をさらに備えていてもよい。
この構成により、脱水部からの排気に対して脱臭処理をするための脱臭設備が不要となる。
上記の脱水システムは、前記脱水部で前記脱水対象汚泥を脱水して得られる脱水汚泥を熱処理する熱処理設備をさらに備えていてよく、前記脱水対象汚泥を間接加熱方式で加熱するための熱媒は、前記熱処理設備から得られる廃熱で加熱されてよい。
この構成により、熱処理設備から得られる廃熱を利用して熱媒を加熱できる。
前記汚泥は、有機汚泥であってよく、前記脱水システムは、前記有機汚泥に対して嫌気性消化処理を行う消化槽をさらに備えていてよく、前記脱水対象汚泥を間接加熱方式で加熱するための熱媒は、前記嫌気性消化処理によって発生した消化ガスの燃焼によって発生する熱で加熱されてよい。
この構成により、消化槽で発生する消化ガスを燃焼することで得られる熱を利用して熱媒を加熱できる。
前記脱水システムは、前記消化槽に投入される前の汚泥を濃縮する第2の濃縮部をさらに備えていてよい。
この構成により、消化槽には濃縮された汚泥が供給されるので、消化槽において嫌気性消化処理をすべき汚泥の量を減らすことができ、消化槽で要する熱量を低減できる。なお、第2の濃縮部では、汚泥濃度が6%以上、好ましくは8%以上になるように、汚泥を濃縮してよい。また、第2の濃縮部では、消化槽で要する熱量が、消化ガスを燃焼することで得られる熱の熱量から脱水部等の他の箇所で要する熱量の合計を差し引いた量より小さくなる濃度にまで汚泥を濃縮してよい。
前記脱水部は、周壁に多数の小孔が設けられた円筒形状のスクリーン筒と、螺旋状のスクリュー羽根が設けられ、前記スクリーン筒の内部に嵌合され、軸芯周りに回転する、中空のスクリュー軸とを備え、前記スクリュープレス方式で前記脱水対象汚泥を脱水し、前記スクリュー羽根の直径に対する前記スクリーン筒の長さの比が、3〜5であってよい。
上記のように、脱水システムでは脱水部の前段に第1の濃縮部を設けて汚泥を濃縮した上で、脱水部で加熱しながら脱水を行うので、脱水対象汚泥の含水率は最初から低く、よって、上記の構成のようにスクリュー羽根の直径Dに対するスクリーン筒の長さLの比(L/D)を短くすることができ、省スペースを実現できるとともに、間接加熱方式で脱水対象汚泥を十分に加熱することができる。
前記脱水部は、周壁に多数の小孔が設けられた円筒形状のスクリーン筒を備え、かつ、螺旋状のスクリュー羽根が設けられ、前記スクリーン筒の内部に嵌合され、軸芯周りに回転する、中空のスクリュー軸を2つ以上備え、前記スクリュープレス方式で前記脱水対象汚泥を脱水してよい。
この構成により、スクリュー軸を2軸以上とすることで、スクリュー軸と脱水対象汚泥とが接触する面積が増大するので、より短い距離で脱水対象汚泥を加熱することが可能となる。また、2軸のスクリュー羽根同士が重なり合うようにすると、脱水対象汚泥の攪拌及び混合が進み、脱水対象汚泥をむらなく加熱できる。
前記濃縮汚泥に対してポリマ及び/又は無機凝集剤を添加してよい。
濃縮部では、例えば濃縮汚泥濃度を6%以上とかなり高くするために濃縮時に圧搾力が加えられるので、濃縮部の前段階の凝集槽で添加した薬品による汚泥凝集力は低下しており、この状態で脱水部内で加熱しながら脱水すると、凝集が不十分な柔らかい汚泥を脱水することになり、脱水対象汚泥の含水率が低下しにくい。特に余剰汚泥や消化汚泥のような柔らかい汚泥では、加熱により凝集が崩れやすいが、ポリマや無機凝集剤を加えることで、脱水部内での汚泥凝集力を再度高めることができ、加熱による脱水対象汚泥の含水率の低下の効果を大きくできる。
前記濃縮部における濃縮の対象となる前記汚泥に対して脱水補助剤が添加されてよい。
この構成によっても、特に余剰汚泥や消化汚泥のような柔らかい汚泥について、加熱により凝集が崩れることを抑えて、脱水対象汚泥を比較的固い汚泥にすることができ、加熱による脱水対象汚泥の含水率の低下の効果を大きくできる。
前記第1の濃縮部は前記脱水部の上部に配置され、前記脱水部と一体的に構成され、前記濃縮部から排出された前記濃縮汚泥は重力又は機械搬送装置によって前記脱水部に導入されてよい。
濃縮部で汚泥を濃縮することにより生成された濃縮汚泥の搬送には比較的大きな力が必要となるが、上記の構成によれば、重力又は小規模な機械式搬送装置によって濃縮汚泥を濃縮部から脱水部に導入することができる。
前記脱水部で得られた脱水濾液を前記第1の濃縮部における濃縮が完了する前の前記汚泥に戻してよい。
この構成により、脱水部で得られた脱水濾液が保持する熱量を汚泥に供給することができる。
前記脱水部から排気するための排気口を前記脱水部における汚泥の投入口の付近に設置してもよい。
前記脱水システムは、前記汚泥に高分子凝集剤を混入して1000rpm以上の回転数で攪拌する高速攪拌部と、前記高速攪拌部にて攪拌された前記汚泥に高分子凝集剤を混入して10〜500rpmの回転数で攪拌する通常攪拌部とをさらに備えていてよい。
前記脱水対象汚泥を間接加熱方式で加熱するための熱媒は、ヒートポンプにより昇温された温水であってよい。
前記脱水システムは、前記熱処理設備で発生した排ガスを洗浄するスクラバを備えていてよく、前記脱水対象汚泥を間接加熱方式で加熱するための熱媒は、前記スクラバから排出されるスクラバ排水であってよい。
前記脱水システムは、前記熱処理設備で発生した排ガスを洗浄するスクラバを備えていてよく、前記脱水対象汚泥を間接加熱方式で加熱するための熱媒は、前記スクラバから排出されるスクラバ排水と熱交換することによって昇温されてよい。
本発明の一態様の脱水方法は、汚泥を濃縮して濃縮汚泥を生成する濃縮工程と、前記濃縮工程にて生成された前記濃縮汚泥を脱水対象汚泥として、前記脱水対象汚泥を間接加熱方式で加熱しながらスクリュープレス方式又はベルトプレス方式で脱水する脱水工程とを含む構成を有している。
この構成によれば、脱水工程で汚泥が加熱されながら脱水されるので、汚泥の粘性が低下し、かつ熱変性によって汚泥の保水力が低下して濾液が分離しやすくなり、脱水された汚泥(脱水汚泥)の含水率を低くすることができる。また、脱水濾液の多くは加熱が完了しない段階で速やかに汚泥から分離できるため、脱水濾液に余計な熱エネルギーを使用することを防止できる。また、濃縮工程で汚泥の濃度を高くし、加熱する汚泥量を減少させてから加熱するので、脱水工程で加熱しながら脱水を行う際、脱水工程における汚泥の温度を所望の温度にまで加熱するための熱エネルギー(加熱エネルギー)を低く抑えることができる。さらに、脱水工程で汚泥を加熱するのに間接加熱方式を採用するので、温水等の熱媒を利用して汚泥を加熱できる。また、脱水工程における脱水方式として、スクリュープレス方式又はベルトプレス方式を採用するので、加熱しながらの脱水を容易に実現できる。
本発明によれば、脱水工程で脱水対象汚泥が加熱されながら脱水されるので、汚泥の粘性が低下し、かつ熱変性による汚泥の保水力が低下して濾液が分離しやすくなり、濃縮工程で汚泥の濃度を高くし、加熱する汚泥量を減少させてから加熱するので、加熱に必要なエネルギーが小さくても脱水された汚泥(脱水汚泥)の含水率を低くすることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る脱水システムの構成を示すブロック図 本発明の第1の実施の形態に係る濃縮機と一体的に構成された脱水機の断面図 本発明の第1の実施の形態に係る濃縮機の構成を示す図 本発明の第1の実施の形態に係るベルトプレス式の脱水機の構成を示す図 本発明の第2の実施の形態に係る2軸のスクリュープレス式の脱水機の構成を示す図 本発明の第3の実施の形態に係る脱水システムの構成を示すブロック図 本発明の第4の実施の形態に係る脱水システムの構成を示すブロック図 本発明の第5の実施の形態に係る脱水システムの構成を示すブロック図 本発明の第6の実施の形態に係る脱水システムの構成を示すブロック図 本発明の第7の実施の形態に係る脱水システムの構成を示すブロック図 本発明の第8の実施の形態に係る脱水機の平面図 本発明の第8の実施の形態に係る脱水機の正面図 本発明の第8の実施の形態に係る脱水機のA−A断面図 本発明の第9の実施の形態に係る脱水システムの構成を示すブロック図 本発明の第10の実施の形態に係る脱水システムの構成を示すブロック図
以下、本発明の実施の形態の脱水システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る脱水システムの構成を示すブロック図である。図中、実線の矢印は、複数の処理を経て汚泥から焼却灰とされる処理対象物の流れを示しており、点線の矢印は、他の気体や液体の流れを示している。
本実施の形態の脱水システム100は、し尿、下水、工場廃液等の有機性汚水、浄化槽汚泥、生活雑廃水汚泥(生活排水ピットの汚泥、ビルピット汚泥等の濃厚なSSを含有するもの)、上水汚泥等の汚泥を脱水するシステムとして有効であるが、本発明の脱水システムが脱水を行う汚泥(脱水対象汚泥)はこれらに限られない。脱水システム100は、機械的な脱水のみでは十分な脱水が困難な難脱水性の汚泥に対して有効に用いられる。以下の実施の形態では、脱水システム100は、有機性廃棄物としての汚泥(有機汚泥)に対して脱水処理を行う。
脱水システム100は、汚泥に対して嫌気性消化処理(メタン発酵処理)を行う消化槽1と、消化槽1で得られた消化汚泥に対して凝集剤等の薬品を添加して凝集汚泥を調製する凝集槽2と、凝集槽2で得られた凝集汚泥に対して、濃縮及び脱水を行う脱水装置8と、脱水処理により得られた脱水汚泥(脱水ケーキ)を燃焼させる熱処理設備としての焼却炉5と、脱水機4に供給する熱媒を加熱する熱媒加熱機6とを備えている。脱水装置8は、脱水処理の前に汚泥から水分を分離して流動性の低い濃縮汚泥とする濃縮機3と、濃縮機3で得られた濃縮汚泥を脱水対象汚泥として、この脱水対象汚泥に対して脱水処理を行う脱水機4を備えている。なお、熱処理設備としては、焼却炉(焼却設備)の他に、炭化設備、乾燥設備がある。また、図1の例では、凝集槽2は2段であるが、凝集槽2を1段として、ポリマ及び無機凝集剤を添加してもよいし、3段以上の複数段であってもよい。
消化槽1のメタン発酵で生成されたメタンガスを含む消化ガスは、熱媒加熱機6に供給される。また、焼却炉5の焼却によって発生した廃熱も熱媒加熱機6に供給される。熱媒加熱機6は、例えば水等の熱媒を加熱して脱水機4に供給する。脱水機4は、この熱媒から得られる熱を用いて汚泥を加熱しながら脱水する。なお、焼却炉5は、脱水機4から排出される脱水汚泥のみでなく、他の場内汚泥や外部から搬入された脱水汚泥を焼却してもよい。
濃縮機3と脱水機4とは脱水システム100の濃縮部及び脱水部として一体的に構成され、脱水装置8を構成する。なお、濃縮機3と脱水機4は、図2に示すように一体的に構成されてもよいし、濃縮機3を脱水機4の上部や横などに独立して設けてもよい。濃縮機3と脱水機4が別置で設けられる場合には、濃縮機3が脱水システム100の濃縮部となり、脱水機4が脱水システム100の脱水部となる。
図2は、濃縮機3と一体的に構成された脱水機4の断面図である。本実施の形態の脱水機4は、いわゆるスクリュープレス型の脱水機である。脱水機4では、機台11の上に円筒形状のスクリーン筒12が水平に設置されている。スクリーン筒12の内部には、スクリュー軸13がスクリーン筒12と同芯状に嵌合している。スクリュー軸13は、スクリーン筒12に対して、回転可能かつ軸芯方向に移動可能である。
スクリーン筒12には、周壁に多数の小孔14が設けられている。スクリュー軸13の中央部にはスクリュー羽根15が螺旋状に巻きつけられている。機台11の上には、スクリュー軸13の軸芯方向に沿って移動可能な可動台16が設けられている。可動台16の上には、前側軸受17と後側軸受18とが設立されている。前側軸受17と後側軸受18は、スクリーン筒12の閉鎖端板から突出したスクリュー軸13の小径端部を径方向と軸芯方向に軸受けている。
前側軸受17及び後側軸受18の上には、減速機付きの可変速電動機19が設けられている。可変速電動機19の回転軸とスクリュー軸13の小径端部とは、連結ベルト20によって回転連結される。可変速電動機19の回転がスクリュー軸13に伝達され、このようにして、可動台16の上に回転駆動装置が構成される。
可動台16は、図示しない駆動装置によってスクリュー軸13の軸芯方向に平行移動(前進又は後退)する。この可動台16の移動によって、前側軸受17、後側軸受18、可変速電動機19、及び連結ベルト20もスクリュー軸13の軸芯方向に移動し、さらに、スクリュー軸13もその軸芯方向に移動する。このスクリュー軸13の軸芯方向への移動によって、スクリーン筒12に対するスクリュー軸13の軸芯方向位置が変更される。
スクリーン筒12とスクリュー軸13のスクリュー羽根15ないし大径部分との間には、汚泥を搬送しつつ圧縮する螺旋状の移送圧縮通路21が形成されている。移送圧縮通路21の断面積は、入口側より出口側のほうが小さくなっている。
スクリーン筒12の上部には、濃縮機3から排出される汚泥(濃縮汚泥)をスクリーン筒12内に取り込むための投入口22が設けられている。スクリーン筒12とスクリュー軸13のスクリュー羽根15ないし大径部分の間には、移送圧縮通路21を通過した汚泥をさらに圧縮する四角形断面の円環形状ないし円筒形状の圧縮室23が形成されている。圧縮室23は、移送圧縮通路21の出口を入口としている。
スクリーン筒12の下には汚泥から分離してスクリーン筒12の小孔14から流出する液体を集める受皿24を設けている。基台11の上には、軸受板25を設立し、この軸受板25に、スクリーン筒12の開放端から突出したスクリュー軸13の大径端部を径方向にのみ軸受している。
軸受板25には、複数の油圧シリンダ26を固定している。油圧シリンダ26のピストンロッド27は軸受板25を貫通し、ピストンロッド27の先端が排出テーパーコーン29に連結している。ピストンロッド27の前進、後退と所望位置での停止を制御する油圧回路が、排出テーパーコーン29の位置をスクリュー軸13の軸芯方向へ変更させる。
スクリュー軸13の大径端部と圧縮室23の出口の下には、圧縮室23の出口から流出する脱水汚泥の落下路28を設けている。
この脱水機4において、所望の脱水性能を得るため、圧縮室23の入口から出口までの長さを調整する場合は、スクリュー軸13の可動台16を含む軸芯方向位置変更装置で、スクリュー軸13を軸芯方向に移動してスクリーン筒12に対するスクリュー軸13の軸芯方向位置を変更し、これによって圧縮室23の長さを増減させる。
可動台16を図示しない駆動装置によって前進させて、その前進位置に停止させ、スクリュー軸13の軸芯方向位置を圧縮室23の出口側に変更すると、スクリーン筒12とスクリュー軸13のスクリュー羽根15ないし大径部分の嵌合長さが減少し、圧縮室23の長さが減少する。逆に、可動台16を後退させてその後退位置に停止させ、スクリュー軸13の軸芯方向位置を移送圧縮通路21の入口側に変更すると、圧縮室23の長さが増加する。
図3は濃縮機3の構造を示す図である。本実施の形態の濃縮機3は、汚泥圧搾機であり、汚泥投入用ホッパー31と、汚泥移動手段32と、汚泥移動手段32の上方に設けられた加圧手段33と、汚泥移動手段32の下方に設けられた水捕集手段34とを備えている。
汚泥移動手段32は、濾布で形成されるベルト36とベルト駆動装置38とで構成される。ベルト駆動装置38がベルト36を駆動すると、ベルト36の上面全体(搬送面)が水平移動し、凝集汚泥を水平方向汚泥排出口側に移動させる。凝集汚泥は、ベルト36上を移動する間に濾過され、濾液は下方の水捕集手段34に落下する。
加圧手段33は、汚泥移動手段32の汚泥排出口37の手前に、ベルト36との間に隙間を空けて斜めに設置された加圧板33Aを備えている。汚泥は、汚泥移動手段32によって水平方向汚泥排出口側に移動されてくると、加圧板33Aとベルト36との間の隙間を通過する際に上から加圧される。
加圧板33Aは一つ或いは二つ以上設けてもよいし、また、加圧板33Aは、設置角度が固定されるように設けることもできるし、設置角度を随時変更できるように設けることもできる、さらには、上下揺動可能に軸支することもできる。加圧板33Aの角度並びにベルト36との隙間の大きさを変更することにより、凝集汚泥に掛かる圧力を調整することができ、濃縮効率を調整することができる。また、加圧板33Aの代わりに、例えばローラを設置することもできる。
水捕集手段34は、汚泥移動手段32に沿ってその下方に設けられており、汚泥移動手段32から落下してくる水を捕集して、廃水口から排水できるようになっている。
次に、このような構成を備えた濃縮機3の動作について説明する。汚泥投入用ホッパー31に凝集汚泥を投入すると、凝集汚泥は汚泥移動手段32によって水平方向汚泥排出口側に移動させられ、ベルト36の上面上を水平に搬送される。凝集汚泥は、この搬送過程で脱水されると共に、加圧板33Aで圧搾されることで、さらに濃縮濾液を分離させ、濃縮汚泥の濃度を所定の濃度に近づけられ、汚泥排出口37から板状の脱水ケーキとして送り出される。汚泥から分離した水は、汚泥移動手段32から落下して水捕集手段34に捕集され、廃水口から排水される。
なお、濃縮機3としては、上記のような構成の汚泥圧搾機のほかにも、従来の汚泥脱水に使用される汚泥圧搾機、例えば遠心濃縮機、スクリュー濃縮機、楕円板型濃縮機などを採用することも可能である。また、平板で脱水ケーキを加圧する構成の機械を使用することもできる。また、濃縮濾液を分離するための構造は、ベルトに限定されず、隙間を空けたスリットバーを並べて、その隙間から濃縮濾液を排出し、スリットバー上の濃縮汚泥を機械的な移送手段で移送するような装置で代替してもよい。
濃縮機3では、上記のような機械濃縮によって、汚泥濃度が6%以上、好ましくは8%以上になるように、汚泥を濃縮する。このように濃縮された汚泥には、ポリマ又はポリ鉄(もしくはその両方)が添加されて、濃縮機3から排出される。濃縮機3から排出された濃縮汚泥は、その重力によって脱水機4の投入口22からケーシング筒12内に投入される。
スクリーン筒12内に投入された濃縮汚泥は、回転するスクリュー軸13の周りに螺旋状に設けられたスクリュー羽根15によって落下路28に向けて搬送されつつ、圧縮され、この圧縮によって分離した水分がスクリーン筒12の周壁に設けられた小孔14から外部に排出される。また、脱水された汚泥(脱水汚泥)は、落下路28から脱水機14の外部に排出される。
本実施の形態の脱水機4では、スクリュー軸13が中空に形成されており、その内部に熱媒加熱機6で加熱された熱媒が導入される。スクリュー軸13内には熱媒の流路が形成されている。流路の一端が熱媒の導入口とされ、流路の他端が熱媒(熱媒ドレイン)の排出口とされ、熱媒は、導入口から排出口に向けてスクリュー軸13の内部を流通する。また、流路の一端が熱媒の導入口と排出口を兼ねる場合がある。
このようにスクリュー軸13の内部に熱媒を導入することにより、スクリュー軸13の表面が伝熱面となって汚泥に接触することにより、脱水機4は、汚泥を加熱しながら脱水することになる。このとき、脱水機4では、脱水ケーキ温度は、平均で45℃以上100℃未満とし、好ましくは55℃以上100℃未満とし、汚泥が沸騰しない温度に抑える。
このように、汚泥を加熱しながら脱水すると、汚泥の粘度が低下し、また、熱変性によって汚泥の保水力が低下するので、濾液が分離しやすくなる。このようにして、脱水汚泥の含水率を低減して、焼却炉5における汚泥の焼却に要するエネルギーを抑えることができる。分離できる濾液は加熱後速やかに分離し、それを分離しないことで熱処理設備で余計なエネルギーを使用することを防ぐことができる。
また、本実施の形態の脱水システム100では、濃縮機3で汚泥の濃度を十分に高くし、加熱する脱水対象汚泥の量を減少させてから加熱するので、脱水機4で汚泥を加熱するのに必要なエネルギー(加熱エネルギー)を抑えることができ、加熱エネルギーを、焼却炉5で脱水汚泥を焼却する際に低減できるエネルギー(焼却エネルギーの低減分)より小さくできる。なお、脱水機4における汚泥の温度を高くしすぎて、加熱エネルギーが、乾燥や焼却処理における脱水汚泥中の水分を蒸発させるのに要する熱エネルギーのうちの脱水汚泥の含水率を低くしたことで低減できる分を上回ってしまい、エネルギー効率ないし省エネの観点からは不利になる。よって、脱水機4における汚泥の温度は、加熱エネルギーが乾燥や焼却処理における脱水汚泥中の水分を蒸発させるのに要する熱エネルギーの低減分を超えないように設定する必要がある。
即ち、本実施の形態の脱水システム100では、脱水時に加熱するために熱量を必要とするが、その熱量が、乾燥処理や焼却処理に等の工程で水分蒸発に必要な量を超える場合には、せっかく含水率を低減しても脱水システム100全体としては省エネルギーにはならない。そこで、濃縮しないで加熱脱水した場合(A)と、濃縮してから加熱脱水した場合(B−1〜B−3)について、濃縮汚泥の濃度ごとに、(a)加熱脱水に必要な熱量と、(b)加熱しない場合において乾燥処理や焼却処理で同量の水分蒸発に必要となる熱量とで、どちらが大きいかを比較した。その結果を下の表1に示す。
Figure 0006216763
表1に示すとおり、濃縮しないで加熱した場合(A)では、(a)>(b)となり、省エネルギーが実現できているとは言えず、濃縮した場合でもその程度が小さい(5%程度)と同様に(a)>(b)となり、省エネルギーが実現できているとは言えない。
さらに、本実施の形態の脱水機4では、上述のように熱媒をスクリュー軸13の内部に導入して、熱媒によってスクリュー軸13を加熱し、それによってスクリュー軸13に接触する汚泥を加熱するという、間接加熱方式を採用して汚泥を加熱する。間接加熱方式では、熱媒が汚泥に直接接触することがなく、熱媒が汚泥に混入することで脱水性を低下させることがない。また、燃料や電気で直接汚泥を加熱するのではなく、低圧蒸気、温水、加熱した油脂等の熱媒を使用することで、焼却炉5における廃熱や消化ガスの燃焼によって発生する熱を利用することができ、脱水システム100全体での省エネルギーを実現できる。
また、本実施の形態の脱水システム100では、脱水機4にスクリュープレス方式を採用している。浄水などの分野では、フィルタープレス方式が採用されることが多い。フィルタープレス方式は、濾布に挟まれる圧搾中に十分加熱できる構造となっているが、処理量当たりの装置が複雑で大きく、設置場所の確保が困難であり、建設や維持管理のためのコストが高くなりがちである。一方、本実施の形態のように、スクリュープレス方式の場合は、小さく、かつ単純な構造であるため、建設や維持管理のコストを低減できる。
なお、建設や維持管理のコストを抑えるという観点からは、スクリュープレス方式以外にも、多重円板脱水方式、ベルトプレス方式、遠心脱水方式等の他の方式であってもよい。但し、遠心脱水機では、高速に回転していることによる熱媒の漏れ対策が困難であり、また、装置内での汚泥の滞留時間が比較的短いので、脱水機内で汚泥を十分に加熱することが困難である。また、ベルトプレス方式で脱水を行う場合には、複数のベルトで汚泥を挟み込んで脱水を行うが、この場合には、例えば、ベルトを駆動させるためのローラを中空として熱媒を流通させて、ベルトを経由して汚泥を加熱してもよい。
ここで、ベルトプレス方式の脱水機について説明する。図4にベルトプレス方式の脱水機の構成を示す。ベルトプレス方式の脱水機41は、ローラ群407〜414により無端走行可能に配備された一対の濾布ベルトを備えている。ローラ群407〜414に掛けられて走行する濾布ベルトは、フェルト濾布402及びフェルト濾布403から構成されている。フェルト濾布402は上方に位置し、フェルト濾布403は下方に設置されている。なお、図4の例では、ローラ群は8つのローラ407〜414を備えているが、ローラの数は、複数あればその個数に限定はなく、8個以上でも8個以下でもよい。
濃縮機3からの濃縮汚泥は、フェルト濾布403の上に供給される。一対のフェルト濾布402及びフェルト濾布403の間の隙間を楔状に次第に狭められた予備脱水部bにおいて、汚泥404は一対のフェルト濾布402及びフェルト濾布403によって圧搾される。さらに、フェルト濾布402及びフェルト濾布403は圧搾脱水部cで圧搾ローラ407及び圧搾ローラ408に巻き掛けられ、汚泥404は濾布張力によって発生するローラ面圧により強制的に脱水される。脱水が完了した汚泥(脱水ケーキ)は、排出部dを経て、脱水機41外に排出される。また、フェルト濾布402及びフェルト濾布403に付着した汚泥404は、スクレーバ416及びスクレーバ417によりフェルト濾布402及びフェルト濾布403から剥離される。さらに、予備脱水部b及び圧搾脱水部cで泥状物より除去された水分は、濾液受け419に集められて、脱水機41から除去される。
フェルト濾布402を駆動させるための圧搾ローラ407及びフェルト濾布403を駆動させるための圧搾ローラ408を中空として、それらの中に熱媒を流通させて、フェルト濾布402及びフェルト濾布403を介して汚泥404を加熱する。なお、図4の例では、圧搾ローラ407、408を中空としたが、ローラ群として用いられるローラであれば、いずれのローラを中空として熱媒を流通させてもよい。
図2に戻って、脱水機4の特徴をさらに説明すると、本実施の形態の脱水機4は、機長L、即ちスクリュー軸13の軸芯方向のスクリーン筒12の長さが、スクリュー羽根15の最大直径Dの3〜5倍であり、L/Dが比較的小さい。即ち、スクリュー羽根14の直径Dないし、スクリーン筒12の直径に対する、スクリーン筒12の長さLの比が小さい。
本実施の形態の脱水システム100のように脱水機4の前に濃縮機3を設けた場合には、脱水機4で脱水される水の量は少なくなり、L/Dを小さくしても適正な脱水処理が可能である。一方、加熱しながら脱水するために汚泥にスクリュー軸13の伝熱面から熱を加えようとする場合において、その長さが短いと、一般的には十分な熱量が汚泥に伝わらない。しかし、本実施の形態では、脱水機4の前段に濃縮機3が設けられており、加熱する汚泥量が少ないため、L/Dが小さくても汚泥を所望の温度まで昇温させることが可能となる。これによって、装置長さを短くできるので、製造コストを低減でき、設置スペースを小さくできる。
また、上記の実施の形態の濃縮機3では、濃縮汚泥に対してポリマ又は無機凝集剤(即ち、ポリ鉄、塩化第二鉄、硫酸バンド、PACなどの金属塩)(もしくはその両方)が添加され、このような汚泥に対して脱水機4で脱水が行われる。余剰汚泥や消化汚泥のような柔らかい汚泥では、加熱により凝集が崩れやすいが、ポリ鉄やポリマを添加することで、硬い凝集汚泥を作ることができ、加熱による低含水率効果を大きくできる。さらに、本実施の形態の濃縮機3では、濃縮前の汚泥に脱水補助剤を添加する。これによっても、上記と同様に、固い凝集汚泥を得ることができ、加熱による低含水率の効果を大きくできる。
脱水補助剤として、おがくず、籾殻、古紙、綿花、亜麻、羊毛、再生セルロース繊維、脱水しさなど、繊維状物(繊維状脱水補助剤)を採用できる。再生セルロース繊維としては、セルロースをベースポリマーとするビスコースレーヨン繊維、キュプラレーヨン繊維等の再生人造繊維、セルロースジアセテート繊維、セルローストリアセテート繊維などの半合成再生繊維などを挙げることができる。繊維に凸部や、頂点が筋状に延在する凹部を形成し、或いは含水率を調整し易い点から、ビスコースレーヨン繊維が特に好ましい。再生セルロース繊維は、生分解性を有しており、土壌中で分解して消失するので、脱水ケーキを肥料などに再利用する場合に好適である。
また、繊維長手方向に延在する筋すなわち水分移送路を有している脱水補助剤は、特に好適である。脱水補助剤として繊維状物を用いる場合、繊維状物は1〜50mm、好ましくは3〜20mmの長さ、1μm〜100μm、好ましくは5μm〜50μm程度の径を有することが好適である。脱水補助剤は、繊維状(すなわち固形物)のまま汚泥に添加してもよいし、水を添加してスラリー状にした後に汚泥に添加してもよい。いずれの場合も、形状にあった供給装置を用いて定量添加が可能である。繊維状脱水補助剤が汚泥と混合することで汚泥の凝集力が増加し、含水率を低減するのに有利である。
なお、上記の脱水システム100において、脱水機4の落下路28の下部にシュート等で接続された乾燥機を設けてもよい。このように乾燥機を脱水機4の落下路28の下部に設けることで、脱水汚泥を乾燥機に移送する機器などを省略することができ、また、熱を持っている脱水汚泥を冷却することなく乾燥できるので、乾燥機で使用する熱量が小さくて済む。
また、濃縮機3を脱水機4と一体化し、もしくは、濃縮機3を脱水機4の上部や横に独立して設けることで、濃縮後に加熱し、その後に脱水し、又は濃縮後に加熱しながら脱水することができる。このように、濃度を高くしてから脱水することで、汚泥を所望の温度まで昇温させるための加熱エネルギーを低減できる。また、濃縮機3を脱水機4とは独立にすることで、加熱エネルギーが濃縮前の汚泥に無駄に使用されることを防止できる。本実施の形態の脱水システム100は、脱水の前に汚泥の濃度を高くすることで、加熱エネルギーを低減する一方で、高濃度の濃縮汚泥は移送に必要な力が大きくなるが、脱水機4の上部または横に濃縮機3を設置することで、濃縮汚泥の移送に要する力を小さくすることができる。
また、上記の脱水システム100では、下水、し尿、生ごみ消化汚泥などの有機性汚泥を加熱しながら脱水し、加熱のための熱源に消化ガス、焼却廃熱(炭化・乾燥を含む)を利用しており、新たなエネルギー源を必要としないで、汚泥の含水率を低減し、汚泥処理の焼却との補助燃料(油やガス)を低減もしくはなくすことができるので、省エネルギーや創エネルギーを実現できる。
また、加熱熱源に消化ガス、焼却廃熱を利用しているので、発電機の廃熱を熱媒の加熱に利用することができ、このように発電廃熱を利用して汚泥を加熱するので、発電量を低減することなく、焼却炉における補助燃料を削減でき、さらに省エネルギーや創エネルギーを促進できる。
また、上記の脱水システム100では、熱媒として消化ガス及び焼却廃熱から生成した温水を用いている。一般的に、温水は温度が低いために熱交換速度が低く、加熱対象である汚泥を100℃以上にはできないことから、利用先が限られるが、汚泥を加熱しながら脱水する本実施の形態の脱水システム100では、加熱エネルギーが小さくてよく(45℃以上100℃未満)、汚泥の温度を過剰に上昇させる必要がないので、温水を用いることができる。従って、さらに省エネルギーや創エネルギーを促進できる。
なお、上記の実施の形態では、熱媒を加熱するのに消化ガスと焼却炉の廃熱をいずれも利用したが、それらのいずれか一方のみを利用してもよく、その他の熱源を利用してもよい。また、上記の実施の形態では、濃縮機3にて汚泥にポリマを添加したが、凝集槽2において汚泥にポリマを添加してもよい。また、凝集槽2において脱水補助剤を添加してもよい。
(第2の実施の形態)
上記の脱水システム100の脱水機4は、1つのスクリュー軸13を備えたスクリュープレス方式の脱水機であったが、脱水システム100に用いられる脱水機は、2つのスクリュー軸を備えたスクリュープレス方式の脱水機であってもよい。図5は、第2の実施の形態の2軸のスクリュープレス方式の脱水機の構成を示す図である。図5の脱水機4´において、図2の脱水機4と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。脱水機4´では、下側のスクリュー軸13の上方にスクリュー軸13´が設けられている。
このようにスクリュー軸を2軸とすることで、スクリュー軸と汚泥とが接触する面積が増大するので、より短い距離で汚泥を加熱することが可能となる。また、2軸の羽根同士が重なり合う部分で汚泥の攪拌及び混合が進み、汚泥をむらなく加熱することができ、脱水ケーキの含水率を安定して低減できる。なお、図5の例では、2つのスクリュー軸13、13´が上下に並べられているが、2つのスクリュー軸13、13´は横に並べられてもよい。また、脱水機が3つ以上のスクリュー軸を備えていてもよい。
(第3の実施の形態)
上記の脱水システム100とは消化ガス利用方法や焼却廃熱利用方法が異なる第3の実施の形態の脱水システム101を図6に示す。図6において、図1と同じ構成については同一の符号を付して、適宜説明を省略する。脱水システム101では、消化槽1で発生した消化ガスが消化ガス発電機51で使用され、電気は場内で有効利用される。消化ガス発電機51における発電廃熱は、消化槽1の加温に利用されるとともに、脱水時の加熱熱源として利用される。また、焼却炉5からの廃熱は、白煙防止用空気との熱交換により昇温した温水を利用して脱水機4に供給される。
脱水システム101において、汚泥を消化処理した上で、消化ガス発電廃熱と焼却廃熱を利用して脱水をした場合と、加熱することなく脱水する従来法によって脱水をした場合との物質収支及び熱収支を比較した。従来法の場合を下の表2に示し、脱水システム101による場合を下の表3に示す。なお、脱水システム101では、濃縮機3にて汚泥濃度を4%にまで濃縮した。
Figure 0006216763
Figure 0006216763
表2において、汚泥とは消化槽1に投入される汚泥であり、消化汚泥とは、消化槽1から排出される汚泥であり、ガス発電利用とは、消化槽1で生成されて消化ガス発電機51で利用される消化ガスであり、ガス焼却利用とは、消化槽1で生成されて焼却炉5で利用される消化ガスであり、発電電力は、消化ガス発電機51で生成される電力であり、発電廃熱(温水)とは、消化ガス発電機51で発電と同時に発生する温水であり、余剰熱とは、消化ガス発電機51から発生する温水の熱量から脱水に利用する熱量と消化槽1で利用される熱量を差し引いて余った熱量であり、消化槽加温熱は、消化ガス発電機51で生成されて消化槽1で利用される熱量であり、その他は図6のとおりである。
従来法では、脱水ケーキの含水率が78.2%(濃度21.8%)であり、焼却時に補助燃料として消化ガス1615m/dが必要であり、残りの消化ガスで発電できる電力は6000kwh/dであった。それに対して、脱水システム101では、脱水ケーキの含水率は72%にできた。そのため、焼却時に補助燃料が必要とならず、消化ガスを全量発電でき、10800kwh/dの電力を有効利用できた。また、脱水時に必要な熱量も濃縮してから加熱しながら脱水できるため、少量の熱量で済み、かつ、温水を利用可能であり、これらは消化ガス発電発熱と焼却廃熱で賄うことができるので、新たなエネルギーは必要としない。このように、脱水システム101では、廃熱を利用して加熱しながら脱水するので、省エネルギーを実現できる。
(第4の実施の形態)
次に、消化汚泥を脱水する際に、事前に嫌気化された汚泥を好気状態としてから加熱脱水する第4の実施の形態の脱水システム102を図7に示す。消化槽1にて消化処理をして得られた消化汚泥は、嫌気状態にあるため、加熱脱水した場合に硫化水素などの嫌気性の揮発性物質が多く含まれる。このような嫌気性の揮発性物質は、脱水機排出臭気中に排出されるので、脱臭設備での設備増強などが必要となる。そこで、脱水システム102では、消化槽1と凝集槽2との間に、好気槽71を設け、消化汚泥にブロワ72で空気を吹き込むことで、汚泥を好気状態とし、液中の硫化水素を酸化処理して低減させる。
以下、各種の実施例を説明する。
(実施例1)
し尿処理場で発生する余剰汚泥を使用して、本発明の実施の形態の脱水システムで脱水試験を実施した。汚泥処理量は固形換算で7kg−DS/hであり、脱水機4の脱水方式はスクリュープレス方式を採用し、スクリュー軸13の内部に蒸気を注入して脱水しながら加熱を行った。脱水機4に投入する前に、凝集槽2で汚泥にポリマを添加して凝集させた後、濃縮機3で10%程度まで濃縮した。濃縮汚泥にはポリマと無機凝集剤(ポリ鉄)を添加した。スクリュー軸13の内部に注入する蒸気の量を変化させることで脱水ケーキ温度を変化させて、温度ごとの脱水ケーキ含水率を測定した。濃縮汚泥量は、70kg/hとし、ポリマ添加率は、1.2〜1.5%とし、ポリ鉄添加率は、10〜15%とした。
本実施例でも、濃縮しないで加熱脱水した場合(A)と、濃縮してから加熱脱水した場合(B−1、B−2)について、脱水ケーキ含水率ごとに、(a)加熱脱水に必要な熱量と、(b)加熱しない場合において乾燥処理や焼却処理で同量の水分蒸発に必要となる熱量とで、どちらが大きいかを比較した。その結果を表4に示す。
Figure 0006216763
なお、(b)については、加熱により含水率を低減できたことで脱水できた水分量を乾燥機で蒸発させるのに必要な熱量として計算した。乾燥機に必要な熱量は水分蒸発潜熱(2.26MJ/kg−HO)を乾燥効率(0.65)で除したものとした。
脱水ケーキ温度を75℃まで上昇させると、脱水ケーキ含水率は、加熱しないで脱水したときの80%から73%まで低減できた。さらに、脱水ケーキ温度を85℃まで上昇させると、脱水ケーキ含水率は70%まで低減できた。また、どちらの条件でも、(a)<(b)となり、加熱脱水による省エネルギー効果が認められた。また、本試験において、表4に示す条件(B−2)を(B−3)として、濃縮汚泥に無機凝集剤(ポリ鉄)を入れないとき(B−4)の含水率との比較を表5に示す。
Figure 0006216763
表5より、濃縮汚泥に無機凝集剤を入れることで、含水率を低減させる効果が高まったことが認められる。
(実施例2)
し尿処理場で発生する余剰汚泥を使用して、本発明の実施の形態の脱水システムで脱水試験を実施した。汚泥処理量は固形換算で8kg−DS/hであり、脱水機4の脱水方式はスクリュープレス方式を採用し、スクリュー軸13の内部に蒸気を注入して脱水しながら加熱を行った。脱水機4に投入する前に、凝集槽2で汚泥に無機凝集剤(硫酸バンド)とポリマを添加して凝集させた後、濃縮機3で10%程度まで濃縮した。濃縮汚泥にはポリマを添加した。スクリュー軸13の内部に注入する蒸気の量を変化させることで脱水ケーキ温度を変化させて、温度ごとの脱水ケーキ含水率を測定した。濃縮汚泥量は、80kg/hとし、ポリマ添加率は、1.2〜1.5%とし、硫酸バンド添加率は、0.8〜1.3%とした。
本実施例でも、濃縮しないで加熱脱水した場合(A)と、濃縮してから加熱脱水した場合(B−1〜B−3)について、脱水ケーキ含水率ごとに、(a)加熱脱水に必要な熱量と、(b)加熱しない場合において乾燥処理や焼却処理で同量の水分蒸発に必要となる熱量とで、どちらが大きいかを比較した。その結果を表6に示す。
Figure 0006216763
なお、(b)については、加熱により含水率を低減できたことで脱水できた水分量を乾燥機で蒸発させるのに必要な熱量として計算した。乾燥機に必要な熱量は水分蒸発潜熱(2.26MJ/kg−HO)を乾燥効率(0.65)で除したものとした。
脱水ケーキ温度を45℃まで上昇させると、脱水ケーキ含水率は、加熱しないで脱水したときの83%から80%まで低減できた。脱水ケーキ温度を55℃まで上昇させると、脱水ケーキ含水率は、加熱しないで脱水したときの83%から78%まで低減できた。さらに、脱水ケーキ温度を65℃まで上昇させると、脱水ケーキ含水率は76%まで低減できた。また、B−1〜B−3のいずれの条件でも、(a)<(b)となり、加熱脱水による省エネルギー効果が認められた。また、本試験において、表6に示す条件(B−3)を(B−4)として、汚泥に繊維状の脱水補助剤を添加率2%で添加したとき(B−5)の含水率との比較を表7に示す。
Figure 0006216763
表7より、汚泥に繊維状の脱水補助剤を添加することで、含水率を低減させる効果が高まったことが認められる。
(第5の実施の形態)
図8は、第5の実施の形態の脱水システムの構成を示すブロック図である。図8の脱水システム103において、図1の脱水システム100と同一の構成については同一の符号を付して適宜説明を省略する。本実施の形態の脱水システム103では、熱処理設備として、乾燥機5´が採用されている。消化槽1では、第1の実施の形態と同様に投入された汚泥に対して嫌気性消化処理を行うことで、メタンガスを含む消化ガスと消化汚泥とを発生させる。熱媒加熱機6は、消化槽1で発生する消化ガスを燃焼することで熱量を発生して、熱媒を加熱する。
熱媒加熱機6にて加熱された熱媒は、第1の実施の形態と同様に脱水機4に供給されるだけでなく、さらに、消化槽1及び乾燥機5´にも供給される。よって、熱媒加熱機6にて消化ガスを燃焼することで発生する熱量で消化槽1、脱水機4、及び乾燥機5´で要する熱量を賄えない場合には、新たに化石燃料などの補助燃料が必要となる。逆に、熱媒加熱機6で発生する熱量が消化槽1、脱水機4、及び乾燥機5´で要する熱量より大きければ、外部からの熱量の供給を必要とせず、消化槽1で発生する消化ガスを燃料として、脱水システム103が自立した運転を行うことができる。
そこで、本実施の形態では、熱媒加熱機6で発生する熱量で、消化槽1、脱水機4、及び乾燥機5´で要する熱量を完全に賄うために、消化槽1で要する熱量を小さくする工夫をする。このために、本実施の形態の脱水システム100では、消化槽1の前段に濃縮器9が設けられている。汚泥は、消化槽1に投入される前に濃縮器9で濃縮され、消化槽1には濃縮器9から濃縮汚泥が投入される。濃縮器9では、汚泥TS(Total Solid)を6〜12%濃度にする。
このように、消化槽1に投入する汚泥の濃度を高くすると、汚泥の体積が減少し、その結果、消化に必要な温度にまで汚泥を加温するのに必要な熱量を低減できる。よって、本実施の形態によれば、新たな熱量を必要とせずに省エネルギーを実現できる。
なお、濃縮器9で得られる濃縮汚泥についての上記のTS濃度6〜12%は、多くの種類の脱水システムで有効な濃度であるが、厳密には脱水システムの仕様に応じて有効な濃度は異なる。消化槽1に投入される濃縮汚泥の濃度は、それを消化槽1で消化する際に要する熱量が、それを消化槽1で消化した際に発生する消化ガスを燃焼して発生する熱量から脱水機4で加温脱水を行うのに必要な熱量と乾燥機5´で脱水汚泥を乾燥するのに要する熱量との和を引いた値よりも小さくなるように設定されればよい。
なお、熱処理設備が焼却炉のように熱媒を必要としないものである場合には、消化槽1に投入される濃縮汚泥の濃度は、それを消化槽1で消化する際に要する熱量が、それを消化槽1で消化した際に発生する消化ガスを燃焼して発生する熱量から脱水機4で加温脱水を行うのに必要な熱量を引いた値よりも小さくなるように設定されればよい。
(実施例)
表8は、消化槽1に投入する汚泥の濃度を4.0%とした場合(比較例:パターンA)の物質収支を示す表であり、表9はパターンAの熱収支を示す表であり、表10は、消化槽1に投入する汚泥の濃度を8.0%とした場合(実施例:パターンB)の物質収支を示す表であり、表11はパターンBの熱収支を示す表である。表8〜11のF1〜F9は、図8中のF1〜F9に対応している。
Figure 0006216763
Figure 0006216763
Figure 0006216763
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パターンA及びパターンBのいずれでも、以下の脱水条件で実験を行った。処理量は、固形物換算で7.1t−DS/日とし、濃縮汚泥量は88.8t/日とし、脱水方式はスクリュープレス方式とし、汚泥温度は消化汚泥温度25℃、脱水ケーキ温度80℃、濃縮汚泥加熱温度52.5℃としたとき、含水率は72.0%、加熱必要熱量19,543MJ/日(925Nm/d)となった。また、上述のように、パターンAでは消化槽1に4%の汚泥を投入し、パターンBでは本実施の形態に従って消化槽1の前に濃縮機9を設けて汚泥を8%まで濃縮したうえで消化槽1に投入した。
余剰熱(F9)は、消化ガスの熱量(F5)から乾燥利用(F6)、脱水利用(F6)、及び消化槽加温利用(F8)の合計を引いた残りであり(F9=F5−(F6+F7+F8))、余剰熱(F9)がマイナスになることは、消化槽1で発生する消化ガスが不足していることを意味している。
表8と表10とを比較すると、パターンAでは、消化槽1の前段で汚泥を濃縮していないので、消化槽1に投入される汚泥の量(F1)は344t/dであって、パターンBの場合は、消化槽1の前段で汚泥を濃縮しているので、消化槽1に投入される汚泥の量(F1)は172t/dと少なくなっている。
表8〜11の例では、パターンA及びパターンBのいずれにおいても脱水機4で汚泥の量(F3)が21.9t/dになるまで脱水して、乾燥機5´で汚泥の量(F4)が6.3t/dになるまで乾燥させている。この場合に、加温脱水に要する熱量(F7)及び乾燥に要する熱量(F6)は、パターンA及びパターンBのいずれにおいても同じであるが、消化槽1で加温するのに要する熱量は、消化槽1の前段で濃縮をしていないパターンAでは、24,549MJ/dであり、その結果余剰熱はマイナスになっている。これに対して、消化槽1の前段で濃縮をしているパターンBでは、12,274MJ/dと少なくなっており、その結果余剰熱がプラスになっている。すなわち、パターンBでは、消化ガスを燃焼して発生する熱量で、乾燥、脱水、消化槽加温のすべての熱量を賄えている。
このように、本実施の形態では、消化槽1に投入する前に汚泥を濃縮するので、消化槽の加温に利用する熱量を抑えることができ、その結果、消化槽1で発生する消化ガスを燃焼して得られる熱エネルギーで脱水システム103にて利用するすべての熱量を賄うことができる。
(第6の実施の形態)
図9は、第6の実施の形態の脱水システムの構成を示すブロック図である。図9の脱水システム104において、第1の実施の形態の脱水システム100と同一の構成については、同一の符号を用いて適宜説明を省略する。脱水機4では、脱水対象汚泥から分離された濾液が発生する。この濾液は、脱水機4で加熱された汚泥から分離したものであり、高温で多くの熱量を保持している。
そこで、本実施の形態の脱水システム104では、脱水機4で生成された濾液をそのまま排水するのではなく、いまだ加温されていない低温の汚泥がある濃縮機3の入口部に投入する。これにより、濾液が持っている保有熱を汚泥の加温に利用でき、その結果、脱水機4で汚泥を加熱するために必要な熱量を減少でき、省エネルギーを実現できる。
また、脱水機4の濾液は、濃縮機3でもある程度の水が分離された後の濃縮機3の中段以降に投入してもよいし、凝集槽2に投入してもよい。すなわち、脱水機4の濾液は、濃縮機3にて濃縮が完了する前の汚泥に戻せばよい。
(第7の実施の形態)
図10は、第7の実施の形態の脱水システムの構成を示すブロック図である。脱水システム105は、汚泥貯槽71に高速撹拌槽721、通常速度撹拌槽731及び脱水装置78が順次連通して配置され、高速撹拌槽721には第1の高分子凝集剤ポンプ75を介して第1の高分子凝集剤溶解槽76が連通して配置され、通常速度撹拌槽731には第2の高分子凝集剤ポンプ77を介して第2の高分子凝集剤溶解槽76が連通して配置されてなる構成を備えている。
この脱水システム105において、汚泥は汚泥貯槽71に貯留され、貯留された汚泥は高速撹拌槽721に供給される。第1の高分子凝集剤の溶液は、第1の高分子凝集剤ポンプ75により、第1の高分子凝集剤溶解槽74から高速撹拌槽721に供給される。高速撹拌槽721において、高速撹拌機722により汚泥と第1の高分子凝集剤の溶液が混合され、混合汚泥が調製される。調製された混合汚泥は、高速撹拌槽721から通常速度撹拌槽731に供給される。第2の高分子凝集剤の溶液は、第2の高分子凝集剤ポンプ77により、第2の高分子凝集剤溶解槽76から通常速度撹拌槽731に供給される。通常速度撹拌槽731において、通常速度撹拌機732により混合汚泥と第2の高分子凝集剤の溶液が混合され、混合汚泥を凝集させ、凝集フロックを形成させる。
凝集フロックは脱水装置78により脱水される。脱水装置78は、上記の実施の形態で説明した脱水装置8と同様に、濃縮機と脱水機を備え、脱水機では汚泥を加温しながら脱水する。
高速攪拌槽721における高速攪拌機722による攪拌(以下、「第1撹拌工程」という。)では、1000rpm以上の高速で撹拌することが好ましい。より好ましい回転速度は2000rpm以上である。さらにより好ましい回転速度は3000rpm以上である。回転速度を高めた場合には、撹拌時間をより短くすればよいので、回転速度の上限は特にないが、現状では15000rpmまで実験的に効果があることを確認している。
高分子凝集剤により汚泥を凝集させる場合、高分子凝集剤を汚泥に均一に分散させること、高分子凝集剤を汚泥の細部まで行き渡らせることが望まれる。高分子凝集剤を汚泥に均一に分散させることにより、無駄な高分子凝集剤を削減でき、高分子凝集剤の注入量を削減することができる。また、高分子凝集剤を汚泥の細部まで行き渡らせることにより、凝集汚泥が緻密になるため、脱水処理後の脱水ケーキの含水率を低減できる。高分子凝集剤の溶液は高粘度の液体であり、従来の凝集槽で使用される撹拌機の回転速度(10〜500rpm程度)では、高分子凝集剤を汚泥に均一に分散させることが難しいうえ、高分子凝集剤を汚泥の細部まで行き渡らせることができなかった。このため、高分子凝集剤の注入量の増加や脱水ケーキ含水率の悪化が生じていた。一方、高速撹拌では、高分子凝集剤を均一に汚泥に分散させることができるうえ、高分子凝集剤を汚泥の細部まで行き渡らせることができる。このため、高分子凝集剤の注入量を削減でき、脱水ケーキ含水率を低減することができる。
なお、高速撹拌における撹拌する際の回転速度は、汚泥の種類、汚泥の性状(TSなど)、高分子凝集剤の分子量、高分子凝集剤の溶解濃度などに合わせて、1000rpm以上において調整するのが好ましい。
第1撹拌工程における撹拌時間、すなわち第1の高分子凝集剤の溶液と汚泥を混合撹拌する時間は、20秒以下、特に5秒〜20秒とするのが好ましく、より好ましくは5〜15秒、さらにより好ましくは5〜10秒である。高速撹拌による撹拌時間が長すぎると、高分子凝集剤の凝集力が弱まる程度まで高分子凝集剤の分子鎖は切断されてしまう。このため、撹拌時間を20秒以下に制御することにより、高分子凝集剤の凝集力を弱めることなく、高分子凝集剤を汚泥に均一に分散させ、高分子凝集剤を汚泥の細部まで行き渡らせることができる。
高速撹拌機722は、撹拌翼、シャフト、モーターから構成されてよく、ローター、ステーター、モーターから構成されてもよく、また、インラインミキサーによって高速撹拌をしてもよい。インラインミキサーとは、配管に組み込まれたミキサーである。インラインミキサーのメリットはミキサーが密封されているため、上流にある汚泥用ポンプ、高分子凝集剤用ポンプの2台があれば、下流に液を送ることができる。一方、容器に撹拌機が設置された場合、容器上部が開放されているので、上流にある汚泥用ポンプ、高分子凝集剤用ポンプの他に、もう1台ポンプ或いはポンプ相当のものがないと下流に液を送れない。そのため通常は、ポンプを設置せず、高低差で下流に液を送るのが一般的である。
また、第1の高分子凝集剤としては、アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分子凝集剤および両性高分子凝集剤のいずれも用いることができる。有機性汚泥を処理する場合には、カチオン性高分子凝集剤又は両性高分子凝集剤を用いるのが特に好ましい。
通常攪拌槽731における通常攪拌機732による攪拌(以下、「第2撹拌工程」という。)における撹拌する際の回転速度は、従来の汚泥の凝集装置において一般的な回転速度、すなわち10〜500rpmであればよい。その理由は、第2撹拌工程では高分子凝集剤を第1撹拌工程において調製した混合汚泥に緩やかに接触させ、凝集フロックを成長させる必要があるからである。かかる観点から、第2撹拌工程における撹拌する際の回転速度は、中でも20rpm以上或いは400rpm以下、その中でも30rpm以上或いは300rpm以下であるのがさらに好ましい。
なお、第2撹拌工程における撹拌する際の回転速度は、汚泥の種類、汚泥の性状(TSなど)、高分子凝集剤の分子量、高分子凝集剤の溶解濃度などに合わせて、10〜500rpmにおいて調整するのが好ましい。
第2撹拌工程における撹拌時間、すなわち第2の高分子凝集剤の溶液と汚泥を混合撹拌する時間は1分〜20分であるのが好ましい。その理由は、第2撹拌工程では高分子凝集剤を第1撹拌工程において調製した混合汚泥に緩やかに接触させ、凝集フロックを成長させる必要があるからである。かかる観点から、第2撹拌工程における撹拌の撹拌時間は、中でも2分以上或いは15分以下、その中でも3分以上或いは10分以下であるのがさらに好ましい。
通常攪拌機732としては、撹拌翼、シャフト、モーターから構成される撹拌機などの通常の撹拌機を使用すればよく、特に種類を限定するものではない。
第2の高分子凝集剤は、上述した第1の高分子凝集剤と同様のものを用いることができる。この場合、第2の高分子凝集剤は、第1の高分子凝集剤と同一種類の高分子凝集剤を用いることもできるが、異なる種類の高分子凝集剤を用いることができる。高分子凝集剤溶解槽を共用できる観点からは、第2の高分子凝集剤は、第1の高分子凝集剤と同一種類の高分子凝集剤を用いるのが好ましい。
第2の高分子凝集剤の溶液における高分子凝集剤濃度は1〜3g/Lであってもよいが、3g/L以上であるのが好ましく、より好ましくは5g/L以上、さらにより好ましくは10g/L以上である。
以上のように、本実施の形態の脱水システム105によれば、濃縮機による濃縮前の汚泥に対して、高分子凝集剤を注入して、1000rpm以上の高速攪拌をして、その後に通常の10〜500rpmの攪拌をするという二段階速度の攪拌を行うことで汚泥を凝集させて緻密な凝集フロックを形成させ、そのうえで脱水装置78にて加温しながらの脱水を行うので、二段階速度の攪拌による凝集及び加温脱水のそれぞれでは十分な含水率低下が実現できない場合にも、これらを組み合わせることで、脱水装置78での加温によって含水率を大幅に低下できる。
(実施例)
上記の脱水システム105において、消化汚泥をスクリュープレス方式の脱水装置78で脱水する場合には、脱水汚泥の含水率は、脱水装置78にて加熱しなかった場合には80%、脱水装置78にて加熱をした場合には79%、二段階速度の攪拌を行って脱水装置78にて加熱せずに脱水した場合には78%、二段階速度の攪拌を行って脱水装置78にて加熱しながら脱水した場合には72%の保有熱を汚泥の加温に利用できる。その結果、脱水システム105で汚泥の過熱のために使用する熱量を減少し、より省エネルギーなシステムを構築できる。
(第8の実施の形態)
第1の実施の形態で説明したとおり、脱水機では内部で臭気が生じ、脱水機からは臭気が排気される。このために、脱水機80には排気口が設けられる。この臭気は、加熱された汚泥から発生しており、高温で多くの熱量を保持している。そこで、本実施の形態では、熱量を保持した臭気をそのまま脱水機80から排出するのではなく、まだ加熱されていない低温の汚泥がある脱水機の入り口付近に流通させて排出することで、臭気が保持している熱量を汚泥の加温に利用する。
図11は、第8の実施の形態の脱水機80の平面図であり、図12は第8の実施の形態の脱水機80の正面図であり、図13は、第8の実施の形態の脱水機80のA−A断面図である。図11〜13において第1の実施の形態の脱水機4に対応する部材には、第1の実施の形態の脱水機4と同一の符号を付して適宜説明を省略する。
脱水機80では、ケーシング81の内部に円筒状のスクリーン筒12が設けられている。図11及び図12において、汚泥は右側から投入されて左側に搬送される。汚泥の移動方向の上流側には、汚泥を乾燥機80に投入するためのホッパー83が設けられており、ホッパー83の上端が汚泥の投入口22とされている。ホッパー83は、ケーシング81の上面からスクリーン筒12まで下方向に延びている。ホッパー83の内部とスクリーン筒12の内部とは連通しており、ホッパー83から脱水機80に投入された汚泥はスクリーン筒12の内部に導入される。
ホッパー83の下流側には、仕切り板84が設けられている。仕切り板84は、スクリーン筒12の略中央の高さより高い部分で、ケーシング81の内部空間を上流側と下流側に仕切っている。したがって、仕切り板84は、スクリーン筒12の上半分を避けるべく、下部中央でスクリーン筒12の上半分に対応するように半円形に切り込まれている。
汚泥の移動方向から見て汚泥のホッパー83の左右両側には、ケーシング81の上面にそれぞれ排気口82が設けられている。なお、従来の脱水機では、図11に破線で示すように、排気口89は、汚泥の排出に近い下流側に排気口85として設けられていたが、本実施の形態では、排気口82を仕切り板84より上流側に設けてある。
仕切り板84を設けたことにより、仕切り板84の上流側と下流側は、スクリーン筒12の中央の高さより下の部分でのみ連通し、よって、図12に示すように、仕切り板84の下流側で生じた臭気は、スクリーン筒12の中央より下を通って、仕切り板84の上流側に流通する。この臭気は、ケーシング81の上面に設けた排気口82から排出されるが、仕切り板84が設けられているので、この臭気は排気口82から排出されるまでに、ホッパー83の側面を通過する。この過程で、臭気が保持する熱量がホッパー83に伝達され、ホッパー83内を流れる汚泥が加温される。
以上のように、本実施の形態の脱水機80によれば、脱水機80の上流側に排気口82を設けて、脱水機80内で発生して熱量を持った臭気を排気する際に、汚泥をスクリーン筒12に導入するためのホッパーの周囲を通過するように臭気を流通させるので、この臭気の持つ熱量でもって、スクリーン筒12に導入されようとしている汚泥を加温することができる。さらに、排気口82より下流側に、下側を解放した仕切り板84を設けているので、臭気はこの仕切り板84の下をくぐって排気口82まで流れることになり、その間にホッパー83を十分に加温することができる。
(第9の実施の形態)
図14は、第9の実施の形態の脱水システムの構成を示すブロック図である。なお、図14では、気体の流れは破線で示し、流体ないし固体(脱水汚泥、スクラバ排水等)は実戦で示している。
脱水システム106は、脱水機91、焼却炉92、予熱器93、白煙防止熱交換器94、減温器95、集塵機96、スクラバ97、及び煙突98を備えている。脱水機91は、第1の実施の形態の脱水機4と同様の構成を有しており、汚泥を加温しながら脱水する。脱水機91で得られた脱水汚泥は、焼却炉92に投入されて焼却され、焼却灰として焼却炉92から排出される。
焼却炉92で発生した排ガスは、予熱器93に送られる。予熱器93では、燃焼空気と排ガスとが熱交換を行い、燃焼空気は排ガスの熱量をもらって昇温する。昇温した燃焼空気は予熱器93から焼却炉92に供給される。
予熱器93を経た排ガスは、白煙防止熱交換器94に導入され、白煙防止空気と熱交換することによって冷却される。冷却された排ガスはさらに減温器95で減温され、集塵機96に送られる。集塵機96では、排ガスに対して集塵処理を行う。排ガスはさらに、スクラバ97に供給される。
スクラバ97は、排ガスと水を気液接触させることで排ガスを洗浄する。洗浄に用いられた水はスクラバ排水として排出される。スクラバ97によって洗浄された排ガスは、煙突98から大気中に放出される。
脱水システム106では、脱水機91とスクラバ97との間にスクラバ排水循環ラインが設けられている。スクラバ排水循環ラインには、温水ポンプPが設けられている。このスクラバ排水循環ライン及び温水ポンプPによって、スクラバ97からのスクラバ排水を汲み上げて、脱水機91で汚泥を加温するための熱媒(温水)として脱水機91に供給し、脱水機91にて汚泥の加温に利用されて温度が低下したスクラバ排水を脱水機から再度スクラバ97に返送する。
このように、本実施の形態の脱水システム106によれば、焼却炉92の余剰排熱を有効に活用して、脱水機91における汚泥の加温を行うことができるので、低コストを実現でき、かつ、用いる薬品も削減でき、よって、焼却炉92での補助燃料を削減できる。なお、上記の実施の形態では、熱処理設備が焼却炉である例を説明したが、熱処理設備が炭化設備や乾燥設備である場合にもスクラバが用いられ得るので、これらの場合にも上記の実施の形態を適用可能である。
(第10の実施の形態)
図15は、第10の実施の形態の脱水システムの構成を示すブロック図である。図17においても、図14と同様に、気体の流れは破線で示し、流体ないし固体の流れは実線で示している。また、図15の脱水システム107において、図14の脱水システム106と同じ構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
第9の実施の形態では、スクラバ97で生じたスクラバ排水を直接脱水機91に戻すことで、スクラバ排水の熱量を脱水機91における汚泥の加温に利用した。これに対して、本実施の形態の脱水システム107は、スクラバ排水と熱媒としての水との間で熱交換を行うための熱交換器99をさらに備えている。
また、脱水システム107では、熱交換器99と脱水機91との間で熱媒を循環させるための熱媒循環ラインを備えている。熱媒循環ラインには、熱媒としての水が循環している。この水は、熱交換器99でスクラバ排水との間で熱交換を行って昇温する。熱媒循環ラインには、熱交換器99の下流にさらにヒートポンプHPを備えている。熱交換器99で昇温された水は、さらにヒートポンプHPで昇温される。
熱交換器99及びヒートポンプHPで昇温された熱媒(温水)は、脱水機91に供給されて、脱水機91にて汚泥の加温に利用される。脱水機91で汚泥の加温に利用されて温度が下がった熱媒は、再び熱交換機99に戻されて、再度熱交換器99及びヒートポンプHPで昇温される。
本実施の形態の脱水システム107によれば、スクラバ排水をそのまま脱水機91に供給することなく、スクラバ排水の保持する熱量で熱媒としての水に加温して、これを脱水機91で汚泥の加温のために用いることができる。脱水システム107は、脱水機91の前段にさらにヒートポンプHPを有しているので、熱媒としての水はこのヒートポンプHPでさらに昇温する。
よって、本実施の形態の脱水システム107においても、焼却炉92の余剰排熱を有効に活用して、脱水機91における汚泥の加温を行うことができるので、低コストを実現でき、かつ、用いる薬品も削減でき、よって、焼却炉92での補助燃料を削減できる。さらに、ヒートポンプHPを利用して熱媒としての水を昇温させるので、より大きな熱量を脱水機91に供給できる。
本発明は、濃縮工程で汚泥の濃度を高くし、加熱する汚泥量を減少させてから、脱水工程で汚泥が脱水されながら加熱されるので、汚泥の粘性が低下し、かつ熱変性による汚泥の保水力が低下して濾液が分離しやすくなり、加熱に必要なエネルギーが小さくても脱水された汚泥(脱水汚泥)の含水率を低くできるという効果を有し、汚泥等の水分を含む対象物から水分を除去する脱水システム等として有用である。
100〜107 脱水システム
1 消化槽
2 凝集槽
3 濃縮機
4 脱水機
5 焼却炉
5´ 乾燥機
6 熱媒加熱機
9 濃縮機
12 スクリーン筒
13 スクリュー軸
14 小孔
15 スクリュー羽根
21 移送圧縮通路
22 投入口
23 圧縮室
28 落下路
32 固定スリットバー
33 回転楕円板
71 汚泥貯槽
721 高速攪拌槽
722 高速攪拌機
731 通常攪拌槽
732 通常攪拌機
74 第1の高分子凝集剤溶解槽
75 第1の高分子凝集剤ポンプ
76 第2の高分子凝集剤溶解槽
77 第2の高分子凝集剤ポンプ
78 脱水機
80 脱水機
81 ケーシング
82 排気口
83 ホッパー
84 仕切り板
91 脱水機
92 焼却炉
93 予熱器
94 白煙防止熱交換器
95 減温器
96 集塵機
97 スクラバ
98 煙突
99 熱交換器

Claims (13)

  1. 汚泥をその濃度が6%以上となるように濃縮して濃縮汚泥を生成する濃縮部と、
    記濃縮部にて生成された前記濃縮汚泥を脱水対象汚泥として受けて、前記脱水対象汚泥を間接加熱方式で加熱しながらスクリュープレス方式で脱水する脱水部と、
    を備え
    前記脱水部は、周壁に多数の小孔が設けられた円筒形状のスクリーン筒と、螺旋状のスクリュー羽根が設けられ、前記スクリーン筒の内部に嵌合され、軸芯周りに回転する、中空のスクリュー軸とを備え、前記スクリュープレス方式で前記脱水対象汚泥を脱水し、前記スクリュー羽根の直径に対する前記スクリーン筒の長さの比が、3〜5であることを特徴とする脱水システム。
  2. 汚泥を濃縮して濃縮汚泥を生成する濃縮部と、
    記濃縮部にて生成された前記濃縮汚泥を脱水対象汚泥として受けて、前記脱水対象汚泥を間接加熱方式で加熱しながらスクリュープレス方式又はベルトプレス方式で脱水する脱水部と、
    前記脱水部で前記脱水対象汚泥を脱水して得られる脱水汚泥を熱処理する熱処理設備と、
    を備え
    前記濃縮部は、前記脱水部における加熱に必要な熱量が、前記熱処理設備で前記脱水汚泥中の水分を蒸発させるのに要する熱量のうち、前記脱水部にて加熱を行ったことによって前記脱水部において加熱をしない場合と比較して低減できる分を下回る濃度にまで前記汚泥を濃縮することを特徴とする脱水システム。
  3. 汚泥をその濃度が6〜12%となるように濃縮して第1の濃縮汚泥を生成する第1の濃縮部と、
    前記第1の濃縮汚泥に対して嫌気性消化処理を行って消化汚泥を生成する消化槽と、
    前記消化汚泥を濃縮して第2の濃縮汚泥を生成する第の濃縮部と、
    前記第2の濃縮汚泥を脱水対象汚泥として受けて、前記脱水対象汚泥を間接加熱方式で加熱しながらスクリュープレス方式又はベルトプレス方式で脱水する脱水部と、
    を備えたことを特徴とする脱水システム。
  4. 前記脱水部に投入される前の汚泥に送気をすることで、汚泥を好気状態にする好気部をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の脱水システム。
  5. 記脱水対象汚泥を間接加熱方式で加熱するための熱媒は、前記熱処理設備から得られる廃熱で加熱されることを特徴とする請求項に記載の脱水システム。
  6. 記脱水対象汚泥を間接加熱方式で加熱するための熱媒は、前記嫌気性消化処理によって発生した消化ガスの燃焼によって発生する熱で加熱されることを特徴とする請求項に記載の脱水システム。
  7. 前記脱水対象汚泥に対してポリマ及び/又は無機凝集剤を添加することを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の脱水システム。
  8. 前記脱水部で脱水して得られた脱水汚泥を排出するための落下路と、
    前記落下路の下部に設けられた乾燥機と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は3に記載の脱水システム。
  9. 前記熱処理設備で発生した排ガスを洗浄するスクラバをさらに備え、
    前記脱水対象汚泥を間接加熱方式で加熱するための熱媒は、前記スクラバから排出されるスクラバ排水であることを特徴とする請求項2に記載の脱水システム。
  10. 前記熱処理設備で発生した排ガスを洗浄するスクラバをさらに備え、
    前記脱水対象汚泥を間接加熱方式で加熱するための熱媒は、前記スクラバから排出されるスクラバ排水と熱交換することによって昇温されることを特徴とする請求項2に記載の脱水システム。
  11. 汚泥をその濃度が6%以上となるように濃縮して濃縮汚泥を生成する濃縮工程と、
    前記濃縮工程にて生成された前記濃縮汚泥を脱水対象汚泥として、脱水部において、前記脱水対象汚泥を間接加熱方式で加熱しながらスクリュープレス方式で脱水する脱水工程と、
    を含み、
    前記脱水部は、周壁に多数の小孔が設けられた円筒形状のスクリーン筒と、螺旋状のスクリュー羽根が設けられ、前記スクリーン筒の内部に嵌合され、軸芯周りに回転する、中空のスクリュー軸とを備え、前記スクリュープレス方式で前記脱水対象汚泥を脱水し、前記スクリュー羽根の直径に対する前記スクリーン筒の長さの比が、3〜5であることを特徴とする脱水方法。
  12. 汚泥を濃縮して濃縮汚泥を生成する濃縮工程と、
    前記濃縮工程にて生成された前記濃縮汚泥を脱水対象汚泥として、前記脱水対象汚泥を間接加熱方式で加熱しながらスクリュープレス方式又はベルトプレス方式で脱水する脱水工程と、
    前記脱水工程で前記脱水対象汚泥を脱水して得られる脱水汚泥を熱処理する熱処理工程と、
    を含み、
    前記濃縮工程は、前記脱水工程における加熱に必要な熱量が、前記熱処理工程で前記脱水汚泥中の水分を蒸発させるのに要する熱量のうち、前記脱水工程において加熱を行ったことによって前記脱水工程において加熱をしない場合と比較して低減できる分を下回る濃度にまで前記汚泥を濃縮することを特徴とする脱水方法。
  13. 汚泥をその濃度が6〜12%となるように濃縮して第1の濃縮汚泥を生成する第1の濃縮工程と、
    前記第1の濃縮汚泥に対して嫌気性消化処理を行って消化汚泥を生成する消化工程と、
    前記消化汚泥を濃縮して第2の濃縮汚泥を生成する第2の濃縮工程と、
    前記第2の濃縮工程にて生成された前記第2の濃縮汚泥を脱水対象汚泥として、前記脱水対象汚泥を間接加熱方式で加熱しながらスクリュープレス方式又はベルトプレス方式で脱水する脱水工程と、
    を含むことを特徴とする脱水方法。
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