JP6216574B2 - 微細セルロース繊維を含む乳化剤、乳化組成物及び乳化方法 - Google Patents
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Description
(1) セルロースに疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とが導入されている微細セルロース繊維を含む乳化剤。
(2) 微細セルロース繊維が、セルロース繊維原料のセルロースの水酸基に対して疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とをアルカリの存在下において導入する工程によって製造されたものである、(1)に記載の乳化剤。
(3) 微細セルロース繊維が、セルロース繊維原料に、疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とを併せ持つ化合物を導入する工程によって製造されたものである、(1)又は(2)に記載の乳化剤。
(5) 前記微細セルロース繊維が、(a)セルロース繊維原料をカチオン化剤又はアニオン化剤で処理する工程と疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程、及び(b)上記で得られたセルロースを解繊処理する解繊処理工程を含む方法によって製造された微細セルロース繊維である、(1)から(3)の何れかに記載の乳化剤。
(7) (1)から(5)の何れかに記載の乳化剤と油性成分と水性成分とを混合することを含む乳化方法。
<セルロース繊維原料>
微細セルロース繊維の原料となるセルロース繊維原料としては、製紙用パルプ、コットンリンターやコットンリントなどの綿系パルプ、麻、麦わら、バガスなどの非木材系パルプ、ホヤや海草などから単離されるセルロースなどが挙げられる。これらの中でも、入手のしやすさという点で、製紙用パルプが好ましい。製紙用パルプとしては、広葉樹クラフトパルプ(晒クラフトパルプ(LBKP)、未晒クラフトパルプ(LUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(LOKP)など)、針葉樹クラフトパルプ(晒クラフトパルプ(NBKP)、未晒クラフトパルプ(NUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(NOKP)など)、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプ、楮、三椏、麻、ケナフ等を原料とする非木材パルプ、古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられる。これらの中でも、より入手しやすいことから、クラフトパルプ、脱墨パルプ、サルファイトパルプが好ましい。セルロース繊維原料は1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
本発明においては、セルロース繊維原料のセルロースの水酸基に対して疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とを導入する工程によって、セルロースに疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とが導入されている微細セルロース繊維を製造することができる。上記したセルロース繊維原料のセルロースの水酸基に対して疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とを導入する工程は、好ましくはアルカリの存在下において行うことができる。
本発明の一例においては、セルロース繊維原料を疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とを併せ持つ化合物により処理することができる。疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とを併せ持つ化合物としては、具体的には、疎水基で置換された無水コハク酸などを使用することができる。方法Aの一例としては、セルロース繊維原料を疎水基で置換された無水コハク酸により処理するセルロースのハーフエステル化工程と、上記ハーフエステル化終了後に、カルボキシ基を導入したセルロースをアルカリ溶液で処理するアルカリ処理工程とによって、セルロースに疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とが導入されている微細セルロース繊維を製造することができる。
アルカリ処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ溶液中に、疎水基で置換された無水コハク酸でハーフエステル化したセルロースを浸漬する方法が挙げられる。アルカリ溶液に含まれるアルカリ化合物は、無機アルカリ化合物であってもよいし、有機アルカリ化合物であってもよい。無機アルカリ化合物としては、アルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩またはアルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属のリン酸塩またはアルカリ土類金属のリン酸塩が挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられ、アルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化カルシウムが挙げられる。
アルカリ金属のリン酸塩としてはリン酸リチウム、リン酸カリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸水素2ナトリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属のリン酸塩としてはリン酸カルシウム、リン酸水素カルシウムなどが挙げられる。
例えば、アンモニア、ヒドラジン、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、シクロヘキシルアミン、アニリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム等が挙げられる。
本発明の別の例においては、セルロース繊維原料を(好ましくはアルカリの存在下において)カチオン化剤又はアニオン化剤で処理する工程と、(好ましくはアルカリの存在下において)疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程とによって、セルロースの水酸基の水素原子の一部が疎水基で置換され、さらにセルロースの別の水酸基の水素原子の一部がカチオン性基又はアニオン性基で置換されている微細セルロース繊維を製造することができる。セルロース繊維原料をカチオン化剤又はアニオン化剤で処理する工程と、疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程の順番は特に限定されず、セルロース繊維原料をカチオン化剤又はアニオン化剤で処理する工程を行ってから、疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程を行ってもよい。あるいは、セルロース繊維原料を疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程を行ってから、カチオン化剤又はアニオン化剤で処理する工程を行ってもよい。
酸化剤としては、オゾン、二酸化塩素、過酸化水素、過酢酸、過硫酸、過マンガン酸、塩素、次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸またはこれらの塩等の水溶液、六価クロム酸硫酸混液、ジョーンズ試薬(無水クロム酸の硫酸酸性溶液)、クロロクロム酸ピリジリニウム(PCC試薬)などのクロム酸酸化試薬、Swern酸化などに使われる活性化ジメチルスルホキシド試薬、また触媒的な酸化が生じるテトラプロピルアンモニウムテルルテナート(TPAP)や、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)などのN−オキシル化合物等が挙げられる。これらのうち、セルロース繊維にカルボキシ基を導入する効率が高いため、オゾン、TEMPO、過酸化水素、二酸化塩素が好ましく、オゾン、TEMPOがより好ましい。
カルボン酸系化合物による処理では、セルロース分子が有するヒドロキシ基と、カルボン酸系化合物とが脱水反応して、極性基(−COO-)を形成する。これにより、セルロース繊維間の結合力が弱まり、解繊性が向上する。
2つのカルボキシ基を有する化合物としては、プロパン二酸(マロン酸)、ブタン二酸(コハク酸)、ペンタン二酸(グルタル酸)、ヘキサン二酸(アジピン酸)、2−メチルプロパン二酸、2−メチルブタン二酸、2−メチルペンタン二酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2−ブテン二酸(マレイン酸、フマル酸)、2−ペンテン二酸、2,4−ヘキサジエン二酸、2−メチル−2−ブテン二酸、2−メチル−2ペンテン二酸、2−メチリデンブタン二酸(イタコン酸)、ベンゼン−1,2−ジカルボン酸(フタル酸)、ベンゼン−1,3−ジカルボン酸(イソフタル酸)、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸(テレフタル酸)、エタン二酸(シュウ酸)等のジカルボン酸化合物が挙げられる。
2つのカルボキシ基を有する化合物の酸無水物の誘導体としては、ジメチルマレイン酸無水物、ジエチルマレイン酸無水物、ジフェニルマレイン酸無水物等の、カルボキシ基を有する化合物の酸無水物の少なくとも一部の水素原子が置換基(例えば、アルキル基、フェニル基等)で置換されたものが挙げられる。
これらのうち、工業的に適用しやすく、また、ガス化しやすいことから、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸が好ましい。
具体的には、リン酸;リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウムなどのリン酸のナトリウム塩;ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムなどのポリリン酸のナトリウム塩;リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウムなどのリン酸のカリウム塩;ピロリン酸カリウム、メタリン酸カリウムなどのポリリン酸のカリウム塩;リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウムなどのリン酸のアンモニウム塩;ピロリン酸アンモニウム、メタリン酸アンモニウムなどのポリリン酸のアンモニウム塩が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記のうちでも、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムが好ましい。
セルロースにおけるアニオン性基又はカチオン性基の含有量は0.1〜2.0mmol/gであることが好ましく、0.1〜1.5mmol/gであることがより好ましく、0.2〜1.2mmol/gであることがさらに好ましい。アニオン性基又はカチオン性基の含有量が前記範囲であれば、微細セルロース繊維の水和性が高くなり過ぎず、スラリーがした際の粘度が低くなる。アニオン性基又はカチオン性基の含有量が上記の上限値を超えると、水和性が高くなりすぎて微細セルロース繊維が溶解するおそれがあり好ましくない。
本発明においては、疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とが導入されたセルロース繊維を解繊処理する。解繊処理工程では、通常、解繊処理装置を用いて、アルカリ処理セルロースを解繊処理して、微細セルロース繊維懸濁液を得ることができる。
微細セルロース繊維は、通常製紙用途で用いるパルプ繊維よりもはるかに細く且つ短いI型結晶構造のセルロース繊維あるいは棒状粒子であることが好ましい。
微細セルロース繊維がI型結晶構造を有していることは、グラファイトで単色化したCuKα(λ=1.5418Å)を用いた広角X線回折写真より得られる回折プロファイルにおいて、2θ=14〜17°付近と2θ=22〜23°付近の2箇所の位置に典型的なピークを有することで同定することができる。
微細セルロース繊維は、電子顕微鏡で観察して求めた平均繊維幅が2〜1000nmのセルロースであることが好ましい。微細セルロース繊維の平均繊維幅は2〜100nmがより好ましく、2〜50nmがさらに好ましく、2〜30nmが特に好ましく、2〜15nmが最も好ましい。微細セルロース繊維の平均繊維幅が前記上限値を超えると、微細セルロース繊維としての特性(高強度や高剛性、高寸法安定性、樹脂と複合化した際の高分散性、透明性)を得ることが困難になる。微細セルロース繊維の平均繊維幅が前記下限値未満であると、セルロース分子として分散媒に溶解してしまうため、微細セルロース繊維としての特性(高強度や高剛性、高寸法安定性)を得ることが困難になる。
(1)観察画像内の任意箇所に一本の直線Xを引き、該直線Xに対し、20本以上の繊維が交差する。
(2)同じ画像内で該直線Xと垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
微細セルロース繊維の平均繊維長は、0.1〜5.0μmが好ましい。平均繊維長が前記下限値以上であれば、微細セルロース繊維を樹脂に配合した際の強度向上効果が充分に得られる。平均繊維長が前記上限値以下であれば、微細セルロース繊維を樹脂に配合した際の混合性がより良好となる。繊維長は、前記平均繊維幅を測定する際に使用した電子顕微鏡観察画像を解析することにより求めることができる。すなわち、上記のような電子顕微鏡観察画像に対して、直線Xに交錯する繊維、直線Yに交錯する繊維の各々について少なくとも20本(すなわち、合計が少なくとも40本)の繊維長を読み取る。こうして上記のような電子顕微鏡画像を少なくとも3組以上観察し、少なくとも40本×3組(すなわち、少なくとも120本)の繊維長を読み取る。このように読み取った繊維長を平均して平均繊維長を求める。
上記した方法又はそれに準じた方法により製造される疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とが導入された微細セルロース繊維は、油溶性物質と水性成分とを含有する液中で乳化能を有することから乳化剤として使用できる。
熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、芳香族ポリカーボネート系樹脂、脂肪族ポリカーボネート系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリスルホン系樹脂、非晶性フッ素系樹脂等が挙げられるが特に限定されない。
また、上述の硬化性樹脂は、適宜、連鎖移動剤、紫外線吸収剤、充填剤、シランカップリング剤等と配合した硬化性組成物として用いられる。
固形分濃度30%の広葉樹クラフトパルプ(LBKP)を乾燥重量4gと4N水酸化ナトリウム8g、オクテニル無水コハク酸2g(乾燥パルプ100質量部に対して50質量部)とをよく混合し、130℃で2時間加熱攪拌した。次いで、オクテニル無水コハク酸で処理されたパルプを500mLの水で3回洗浄した後、イオン交換水を添加して490mLのスラリーを調製した。次いで、スラリーを攪拌しながら、4Nの水酸化ナトリウム水溶液10mLを少しずつ添加し、スラリーのpHを12〜13として、パルプをアルカリ処理した。その後、pHが8以下になるまで、アルカリ処理後のパルプを水で洗浄した。置換基量(カルボキシ基量)を測定したところ、0.44mmol/gであった。
解繊パルプスラリーにイオン交換水を添加してスラリー固形分濃度0.2質量%に調整し、冷却高速遠心分離機(コクサン社、H−2000B)を用い、12000Gの条件で遠心分離し、得られた上澄み液を回収した。
オクテニル無水コハク酸の代わりにイソオクタデセニル無水コハク酸を用いた以外は実施例1と同様にして解繊パルプスラリーの上澄み液を得た。置換基量(カルボキシ基量)を測定したところ、0.23mmol/gであった。
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を抄き上げたシート(固形分濃度90質量%)を絶乾質量で4.0g相当分取し、ハンドミキサー(大阪ケミカル製、ラボミルサーPLUS)を用い、回転数20,000rpmで15秒処理して綿状のフラッフィングパルプ(固形分濃度90質量%)にした。
次いで、カチオン化剤(カチオマスターG、四日市合成株式会社製、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、純分73.1質量%、含水率20.2質量%)4g(パルプ絶乾質量1gに対して4.9mmol)と1.5N水酸化ナトリウム水溶液2.8gとを混合したカチオン化剤混合液を、スプレーを用いて、前記フラッフィングパルプに添加し、ポリ塩化ビニリデン製の袋の中に入れ、その袋を手で揉むことにより、混合液をパルプに均一に浸透させて、反応用試料(パルプ絶乾質量1gあたりの溶媒物質量56mmol)を調製した。この反応用試料のpHは25℃で13であった。
オクテニル無水コハク酸で処理されたパルプについてアルカリ処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして解繊パルプスラリーの上澄み液を得た。
実施例1と同様に上澄み液を得た後、1N塩酸をpH1となるまで添加した。100rpmで1時間攪拌した後、イオン交換水を加え、攪拌しながら洗浄した後、脱水した。その洗浄・脱水の処理を4回繰り返した。
オクテニル無水コハク酸の代わりに無水コハク酸を用いた以外は実施例1と同様にして解繊パルプスラリーの上澄み液を得た。置換基量(カルボキシ基量)を測定したところ、0.44mmol/gであった。
実施例3と同様にカチオン化パルプを製造した後、ベンジル化処理を行わずに実施例1と同様に処理し上澄み液を得た。
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)(固形分濃度12%)を絶乾質量で4.0g相当分取し8Nの水酸化ナトリウム8g、塩化ベンジル(乾燥パルプ100質量部に対して39.1質量部)をよく混合し、130℃で2時間加熱攪拌した。400mlのイオン交換水を加え、攪拌しながら洗浄した後、脱水した。その洗浄・脱水の処理を4回繰り返した。
洗浄後、実施例1と同様にして解繊パルプスラリーの上澄み液を得た。FT−IRにより赤外線吸収スペクトルの測定により、1607、1498、1456、741、700cm−1にベンジル基に基づく吸収が見られ、ベンジル基の置換が確認された。
上記実施例1〜3および比較例1〜5の解繊パルプスラリーについて、遠心分離した後の上澄み収率を以下に記載の方法により測定した。測定結果を表1に示す。なお、遠心分離後の上澄み収率は、微細セルロース繊維の収率の指標となり、上澄み収率が高い程、微細セルロース繊維の収率が高い。
解繊パルプスラリーにイオン交換水を添加してスラリー固形分濃度0.2質量%に調整し、冷却高速遠心分離機(コクサン社、H−2000B)を用い、12000Gの条件で遠心分離し、得られた上澄み液を回収し、上澄み液の固形分濃度を測定した。そして、上澄み液の固形分濃度/0.2質量%の式より、上澄み液の収率を求めた。
上記実施例1〜3および比較例2〜4の解繊パルプスラリーについて、遠心分離した後の上澄みを回収した。上澄み中の微細セルロース繊維の濃度を0.1質量%に調製し、テルピネオール10質量部を添加した後、超音波振動機を用いて混合し、1昼夜静置した後に目視観察し、乳化状態を下記の判定基準に従い、判定した。結果を表1に示す。
◎:全く分離が認められない。
○:ほとんど分離が認められない。
△:僅かに分離が認められる。
×:ほとんど分離している。
Claims (7)
- セルロースに疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とが導入されている微細セルロース繊維を含む乳化剤であって、微細セルロース繊維は平均繊維幅が2〜1000nmである、乳化剤。
- 微細セルロース繊維が、セルロース繊維原料のセルロースの水酸基に対して疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とをアルカリの存在下において導入する工程によって製造されたものである、請求項1に記載の乳化剤。
- 微細セルロース繊維が、セルロース繊維原料に、疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とを併せ持つ化合物を導入する工程によって製造されたものである、請求項1又は2に記載の乳化剤。
- (a)セルロース繊維原料を疎水基で置換された無水コハク酸により処理するセルロースのハーフエステル化工程、(b)上記ハーフエステル化工程で得られたハーフエステル化されたセルロースをアルカリ溶液で処理するアルカリ処理工程、及び(c)上記アルカリ処理されたセルロースを解繊処理する解繊処理工程を含む、請求項1から3の何れか1項に記載の乳化剤の製造方法。
- (a)セルロース繊維原料をカチオン化剤又はアニオン化剤で処理する工程と疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程、及び(b)上記で得られたセルロースを解繊処理する解繊処理工程を含む方法によって微細セルロース繊維を製造する工程を含む、請求項1から3の何れか1項に記載の乳化剤の製造方法。
- 請求項1から3の何れか1項に記載の乳化剤と油溶性成分と水性成分とを含有する乳化組成物。
- 請求項1から3の何れか1項に記載の乳化剤と油性成分と水性成分とを混合することを含む乳化方法。
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