JP6216574B2 - 微細セルロース繊維を含む乳化剤、乳化組成物及び乳化方法 - Google Patents

微細セルロース繊維を含む乳化剤、乳化組成物及び乳化方法 Download PDF

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Description

本発明は、微細セルロース繊維を含む乳化剤、前記乳化剤を含む乳化組成物、及び前記乳化剤を用いた乳化方法に関する。
現在市販されている多くの乳化剤は、石油原料から製造されたものである。しかし、石油資源の代替および環境意識の高まりから再生産可能な天然繊維の応用に注目が集まっている。天然繊維の中でもセルロース繊維、とりわけ木材由来のセルロース繊維(パルプ)は主に紙製品として幅広く使用されている。紙に使用されるセルロース繊維の幅は10〜50μmのものがほとんどである。また、セルロース繊維としては、繊維径が1000nm以下の微細セルロース繊維も知られており、微細セルロース繊維の用途については様々なものが検討されている。
特許文献1には、植物繊維及び水を含む懸濁液を調製する工程、及び上記工程により得られる懸濁液及びビーズをビーズミルに入れ、解繊する工程を有することを特徴とするミクロフィブリル化植物繊維の製造方法が記載されている。特許文献1にはさらに、上記製造方法により得られるミクロフィブリル化植物繊維、並びに上記ミクロフィブリル化植物繊維と樹脂を含む樹脂成形材料などが記載されている。
特開2011−213754号公報
本発明は、乳化能を有する微細セルロース繊維を製造し、当該微細セルロース繊維を含む乳化剤を提供することを解決すべき課題とした。さらに本発明は、上記乳化剤を含む乳化組成物、及び前記乳化剤を用いた乳化方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、セルロースに疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とが導入されている微細セルロース繊維が乳化能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) セルロースに疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とが導入されている微細セルロース繊維を含む乳化剤。
(2) 微細セルロース繊維が、セルロース繊維原料のセルロースの水酸基に対して疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とをアルカリの存在下において導入する工程によって製造されたものである、(1)に記載の乳化剤。
(3) 微細セルロース繊維が、セルロース繊維原料に、疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とを併せ持つ化合物を導入する工程によって製造されたものである、(1)又は(2)に記載の乳化剤。
(4) 前記微細セルロース繊維が、(a)セルロース繊維原料を疎水基で置換された無水コハク酸により処理するセルロースのハーフエステル化工程、(b)上記ハーフエステル化工程で得られたハーフエステル化されたセルロースをアルカリ溶液で処理するアルカリ処理工程、及び(c)上記アルカリ処理されたセルロースを解繊処理する解繊処理工程を含む方法によって製造された微細セルロース繊維である、(1)から(3)の何れかに記載の乳化剤。
(5) 前記微細セルロース繊維が、(a)セルロース繊維原料をカチオン化剤又はアニオン化剤で処理する工程と疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程、及び(b)上記で得られたセルロースを解繊処理する解繊処理工程を含む方法によって製造された微細セルロース繊維である、(1)から(3)の何れかに記載の乳化剤。
(6) (1)から(5)の何れかに記載の乳化剤と油溶性成分と水性成分とを含有する乳化組成物。
(7) (1)から(5)の何れかに記載の乳化剤と油性成分と水性成分とを混合することを含む乳化方法。
本発明によれば、疎水基(好ましくは疎水性の嵩高基)と、カチオン性基又はアニオン性基との両方を有する微細セルロース繊維を用いた新規な乳化剤が提供される。本発明で使用する微細セルロース繊維は、カチオン性基又はアニオン性基を有することにより、軽微な機械処理により水中で安定に分散した微細セルロース繊維を効率よく製造することができる。また、本発明で使用する微細セルロース繊維は、親水基を有すると同時に疎水基を有することにより、界面活性能を有する。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
<セルロース繊維原料>
微細セルロース繊維の原料となるセルロース繊維原料としては、製紙用パルプ、コットンリンターやコットンリントなどの綿系パルプ、麻、麦わら、バガスなどの非木材系パルプ、ホヤや海草などから単離されるセルロースなどが挙げられる。これらの中でも、入手のしやすさという点で、製紙用パルプが好ましい。製紙用パルプとしては、広葉樹クラフトパルプ(晒クラフトパルプ(LBKP)、未晒クラフトパルプ(LUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(LOKP)など)、針葉樹クラフトパルプ(晒クラフトパルプ(NBKP)、未晒クラフトパルプ(NUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(NOKP)など)、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプ、楮、三椏、麻、ケナフ等を原料とする非木材パルプ、古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられる。これらの中でも、より入手しやすいことから、クラフトパルプ、脱墨パルプ、サルファイトパルプが好ましい。セルロース繊維原料は1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
<化学処理工程>
本発明においては、セルロース繊維原料のセルロースの水酸基に対して疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とを導入する工程によって、セルロースに疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とが導入されている微細セルロース繊維を製造することができる。上記したセルロース繊維原料のセルロースの水酸基に対して疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とを導入する工程は、好ましくはアルカリの存在下において行うことができる。
セルロースの水酸基に対して疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とを導入する工程としては、具体的には、セルロース繊維原料を(好ましくはアルカリの存在下において)疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とを併せ持つ化合物により処理する方法(以下、方法A)、又はセルロース繊維原料を(好ましくはアルカリの存在下において)カチオン化剤又はアニオン化剤で処理する工程と、(好ましくはアルカリの存在下において)疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程とを含む方法(以下、方法B)により行うことができる。方法Aは、疎水基(疎水性の嵩高基)とカルボキシ基の両方を同時に導入でき、反応が非常に簡便となり、製造工程の簡素化が可能となるため、好ましい。以下、方法A及び方法Bについて説明する。
(方法Aについて)
本発明の一例においては、セルロース繊維原料を疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とを併せ持つ化合物により処理することができる。疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とを併せ持つ化合物としては、具体的には、疎水基で置換された無水コハク酸などを使用することができる。方法Aの一例としては、セルロース繊維原料を疎水基で置換された無水コハク酸により処理するセルロースのハーフエステル化工程と、上記ハーフエステル化終了後に、カルボキシ基を導入したセルロースをアルカリ溶液で処理するアルカリ処理工程とによって、セルロースに疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とが導入されている微細セルロース繊維を製造することができる。
疎水基で置換された無水コハク酸における疎水基の種類は特に限定されないが、疎水基で置換された無水コハク酸の具体例としては、アルキル又はアルケニル無水コハク酸などを挙げることができる。アルキル又はアルケニル無水コハク酸の具体例としては、特に限定されないが、炭素数1〜24のオレフィン由来の骨格と無水マレイン酸骨格を持つ化合物が例示される。具体的には2−メチル無水コハク酸、2,3−ジメチル無水コハク酸、イタコン酸無水物、アリル無水コハク酸、(2-メチル−2−プロピニル)無水コハク酸、オクチル無水コハク酸、ノニル無水コハク酸、デシル無水コハク酸、ドデシル無水コハク酸、テトラデシル無水コハク酸、ヘキサデシル無水コハク酸、オクタデシル無水コハク酸等のアルキル無水コハク酸、2−ヘキセン−1−イル無水コハク酸、ペンテニル無水コハク酸、ヘキセニル無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、デセニル無水コハク酸、ウンデセニル無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、トリデセニル無水コハク酸、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、イソオクタデセニルコハク酸無水物等のアルケニルコハク酸無水物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは1種類、又は2種類以上を併用して用いることができる。
疎水基で置換された無水コハク酸の使用量は、セルロース繊維原料100質量部に対して0.1〜1000質量程度が好ましく、0.5〜500質量部程度がより好ましく、1〜500質量部がさらに好ましい。
疎水基で置換された無水コハク酸によって処理する際の処理温度は、セルロースの熱分解温度の点から、250℃以下であることが好ましい。さらに、処理の際に水が含まれている場合には、80〜200℃にすることが好ましく、100〜170℃にすることがより好ましい。
セルロース繊維原料と疎水基で置換された無水コハク酸との反応条件は特に制限はないが、例えば、セルロース繊維原料とアルカリ水溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液など)と、疎水基で置換された無水コハク酸とを混合して、加熱攪拌して水分を蒸発して除去する方法などが例示できる。
混合液におけるセルロース繊維原料の濃度は特に限定されないが、脱水工程が短縮でき、繊維原料と疎水基で置換された無水コハク酸の接触しやすくなり、反応性が高まることから、セルロース繊維原料の濃度は高い方が良く、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。一方、繊維原料の膨潤性が損なわれないようにするため、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がさらに好ましく、70質量%以下が特に好ましい。
本発明においては、セルロース繊維原料を、好ましくはアルカリの存在下において、疎水基で置換された無水コハク酸によって処理してセルロースをハーフエステル化することができる。アルカリとしては、無機アルカリ化合物でも有機アルカリ化合物でもよい。無機アルカリ化合物としては、アルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物等が挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化カルシウム等が挙げられる。有機アルカリ化合物としては、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミン等が挙げられる。アルカリ溶液における溶媒としては水または有機溶媒のいずれでもよいが、極性溶媒(水、アルコール等の極性有機溶媒)が好ましく、少なくとも水を含む水系溶媒がより好ましい。
前記反応では反応性を向上させるため、第四級アンモニウムヒドロキシト゛や第四級アンモニウムクロリドといった第四アンモニウム塩を用いることができる。第4級アンモニウムヒドロキシドの種類としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジベンジルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。また、第四級アンモニウムクロリドの種類としては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、トリメチルエチルアンモニウムクロリド、トリメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジメチルジベンジルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。これらは疎水基で置換された無水コハク酸を親水性のセルロースと反応しやすくする相関移動触媒として作用する。使用する触媒量としてはセルロースのグルコース単位1モルに対し、0.01〜100モルが好ましい。
また、疎水基で置換された無水コハク酸が溶解する有機溶媒を使用することで、セルロース内部まで疎水基で置換された無水コハク酸が浸透し反応がしやすくなる。有機溶媒としては、水が存在するため、水と混ざりやすいものが好ましく、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のエーテル類のジメチル、ジエチル化物等のエーテル系溶媒、;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。また、これらから選ばれた2種以上の混合溶媒を使用してもよい。使用量は疎水基で置換された無水コハク酸を溶解させる十分な量があれば、特に制限はないが、全溶媒量の5〜90質量%が好ましい。
アルカリ溶液/セルロース繊維原料/疎水基で置換された無水コハク酸からなる混合液の25℃におけるアルカリ濃度は0.1質量%以上であることが好ましく、0.5〜12質量%であることがさらに好ましい。
反応装置としては、加熱・攪拌出来れば特に制限はないが、例えば、攪拌羽を装備した反応容器、攪拌子を持つ反応容器、ニーダー、二軸押出し機、ラボプラストミル、ビーズミル、ボールミル等が挙げられる。前記反応は基本的に固液反応であるため、反応効率を高めるためには攪拌効率の高い攪拌装置が好ましく、具体的にはニーダー、二軸押出し機、ラボプラストミル、ビーズミル、ボールミル等が例示される。
疎水基で置換された無水コハク酸でハーフエステル化したセルロースは、次いでアルカリ溶液で処理する。
アルカリ処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ溶液中に、疎水基で置換された無水コハク酸でハーフエステル化したセルロースを浸漬する方法が挙げられる。アルカリ溶液に含まれるアルカリ化合物は、無機アルカリ化合物であってもよいし、有機アルカリ化合物であってもよい。無機アルカリ化合物としては、アルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩またはアルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属のリン酸塩またはアルカリ土類金属のリン酸塩が挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられ、アルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化カルシウムが挙げられる。
アルカリ金属の炭酸塩としては炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが挙げられる。アルカリ土類金属の炭酸塩としては炭酸カルシウムなどが挙げられる。
アルカリ金属のリン酸塩としてはリン酸リチウム、リン酸カリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸水素2ナトリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属のリン酸塩としてはリン酸カルシウム、リン酸水素カルシウムなどが挙げられる。
有機アルカリ化合物としては、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミン、脂肪族アンモニウム、芳香族アンモニウム、複素環式化合物およびその水酸化物、炭酸塩、リン酸塩等が挙げられる。
例えば、アンモニア、ヒドラジン、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、シクロヘキシルアミン、アニリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム等が挙げられる。
アルカリ処理工程における反応液の25℃におけるpHは9以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、11〜14であることがさらに好ましい。反応液のpHが前記下限値以上であれば、微細セルロース繊維の収率がより高くなる。しかし、pHが14を超えると、アルカリ溶液の取り扱い性が低下する。
アルカリ処理後には、取り扱い性を向上させるために、解繊処理工程の前に、アルカリ処理セルロースを水や有機溶媒により洗浄することが好ましい。
(方法B)
本発明の別の例においては、セルロース繊維原料を(好ましくはアルカリの存在下において)カチオン化剤又はアニオン化剤で処理する工程と、(好ましくはアルカリの存在下において)疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程とによって、セルロースの水酸基の水素原子の一部が疎水基で置換され、さらにセルロースの別の水酸基の水素原子の一部がカチオン性基又はアニオン性基で置換されている微細セルロース繊維を製造することができる。セルロース繊維原料をカチオン化剤又はアニオン化剤で処理する工程と、疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程の順番は特に限定されず、セルロース繊維原料をカチオン化剤又はアニオン化剤で処理する工程を行ってから、疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程を行ってもよい。あるいは、セルロース繊維原料を疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程を行ってから、カチオン化剤又はアニオン化剤で処理する工程を行ってもよい。
アニオン性基としては、カルボキシ基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。
カルボキシ基をセルロース繊維原料に導入する方法としては、酸化剤を使用して、セルロースの水酸基の一部をカルボキシ基に酸化する方法が挙げられる。
酸化剤としては、オゾン、二酸化塩素、過酸化水素、過酢酸、過硫酸、過マンガン酸、塩素、次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸またはこれらの塩等の水溶液、六価クロム酸硫酸混液、ジョーンズ試薬(無水クロム酸の硫酸酸性溶液)、クロロクロム酸ピリジリニウム(PCC試薬)などのクロム酸酸化試薬、Swern酸化などに使われる活性化ジメチルスルホキシド試薬、また触媒的な酸化が生じるテトラプロピルアンモニウムテルルテナート(TPAP)や、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)などのN−オキシル化合物等が挙げられる。これらのうち、セルロース繊維にカルボキシ基を導入する効率が高いため、オゾン、TEMPO、過酸化水素、二酸化塩素が好ましく、オゾン、TEMPOがより好ましい。
また、カルボキシ基をセルロース繊維原料に導入する方法としては、分子内に2以上のカルボキシ基を有するカルボン酸系化合物を用いる方法も好ましい。
カルボン酸系化合物による処理では、セルロース分子が有するヒドロキシ基と、カルボン酸系化合物とが脱水反応して、極性基(−COO-)を形成する。これにより、セルロース繊維間の結合力が弱まり、解繊性が向上する。
セルロース繊維原料をカルボン酸系化合物により処理する具体的方法としては、セルロース繊維原料にガス化したカルボン酸系化合物を混合する方法、セルロース繊維原料の分散液にカルボン酸系化合物を添加する方法等が挙げられる。これらのうち、工程が簡便で且つカルボキシ基導入の効率が高くなることから、セルロース繊維原料にガス化したカルボン酸系化合物を混合する方法が好ましい。カルボン酸系化合物をガス化する方法としては、カルボン酸系化合物を加熱する方法が挙げられる。
本処理において使用するカルボン酸系化合物は、2つのカルボキシ基を有する化合物、2つのカルボキシ基を有する化合物の酸無水物、およびそれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。2つのカルボキシ基を有する化合物の中では、2つのカルボキシ基を有する化合物(ジカルボン酸化合物)が好ましい。
2つのカルボキシ基を有する化合物としては、プロパン二酸(マロン酸)、ブタン二酸(コハク酸)、ペンタン二酸(グルタル酸)、ヘキサン二酸(アジピン酸)、2−メチルプロパン二酸、2−メチルブタン二酸、2−メチルペンタン二酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2−ブテン二酸(マレイン酸、フマル酸)、2−ペンテン二酸、2,4−ヘキサジエン二酸、2−メチル−2−ブテン二酸、2−メチル−2ペンテン二酸、2−メチリデンブタン二酸(イタコン酸)、ベンゼン−1,2−ジカルボン酸(フタル酸)、ベンゼン−1,3−ジカルボン酸(イソフタル酸)、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸(テレフタル酸)、エタン二酸(シュウ酸)等のジカルボン酸化合物が挙げられる。
2つのカルボキシ基を有する化合物の酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水イタコン酸、無水ピロメリット酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸化合物や複数のカルボキシ基を含む化合物の酸無水物が挙げられる。
2つのカルボキシ基を有する化合物の酸無水物の誘導体としては、ジメチルマレイン酸無水物、ジエチルマレイン酸無水物、ジフェニルマレイン酸無水物等の、カルボキシ基を有する化合物の酸無水物の少なくとも一部の水素原子が置換基(例えば、アルキル基、フェニル基等)で置換されたものが挙げられる。
これらのうち、工業的に適用しやすく、また、ガス化しやすいことから、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸が好ましい。
セルロース繊維原料にリン酸基を導入する方法としては、乾燥した、あるいは湿潤状態のセルロース繊維原料にリン酸またはリン酸誘導体の粉末や水溶液を混合する方法、セルロース繊維原料の分散液にリン酸またはリン酸誘導体の水溶液を添加する方法等が挙げられる。これら方法においては、通常、リン酸またはリン酸誘導体の粉末や水溶液を混合または添加した後に、脱水処理、加熱処理等を行う。
ここで用いられるリン酸またはリン酸誘導体としては、リン原子を含有するオキソ酸、ポリオキソ酸或いはそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
具体的には、リン酸;リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウムなどのリン酸のナトリウム塩;ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムなどのポリリン酸のナトリウム塩;リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウムなどのリン酸のカリウム塩;ピロリン酸カリウム、メタリン酸カリウムなどのポリリン酸のカリウム塩;リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウムなどのリン酸のアンモニウム塩;ピロリン酸アンモニウム、メタリン酸アンモニウムなどのポリリン酸のアンモニウム塩が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記のうちでも、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムが好ましい。
カチオン性基とは、その基内にアンモニウム、ホスホニウム、スルホニウムなどのオニウムを有する基であって、通常は、分子量が1000以下の基である。具体的には一級アンモニウム、二級アンモニウム、三級アンモニウム、四級アンモニウムなどのアンモニウム、ホスホニウム、スルホニウム、これらアンモニウム、ホスホニウムまたはスルホニウムを有する基が挙げられる。本発明で使用できるカチオン化剤としては、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどのグリシジルトリアルキルアンモニウムハライド或いはそのハロヒドリン型の化合物が挙げられる。
本発明でいう疎水基は、疎水性を示す官能基であれば限定されないが、好ましくは疎水性の嵩高基である。疎水基としては特に限定されないが、2〜50個の炭素原子を有する、飽和または不飽和の、直鎖または分枝鎖、芳香環を含む、あるいは飽和または不飽和環を含む炭化水素基又はアシル基等を挙げることができる。疎水基の具体例としては、アセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロピオニル基、プロピオロイル基、ブチリル基、2?ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ピバロイル基等のアシル基、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基等のアルキル基、並びにベンジル基、ベンゾイル基、ナフトイル基等の芳香環を含む官能基等が挙げられるが、これらに限定されない。
セルロースと、疎水基を導入するための化学修飾剤との反応条件は特に限定されないが、必要に応じて溶媒、触媒等を用いたり、加熱、減圧等を行うこともできる。
疎水基を導入するための化学修飾剤の種類としては、酸、酸無水物、アルコール、ハロゲン化試薬、イソシアネート、アルコキシシラン、オキシラン(エポキシ)等の環状エーテルよりなる群から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。
セルロース繊維原料をカチオン化剤又はアニオン化剤で処理する工程と、疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程とをアルカリの存在下において行う場合、それぞれ使用するアルカリとしては、無機アルカリ化合物でも有機アルカリ化合物でもよい。無機アルカリ化合物としては、アルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物等が挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化カルシウム等が挙げられる。有機アルカリ化合物としては、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミン等が挙げられる。アルカリ溶液における溶媒としては水または有機溶媒のいずれでもよいが、極性溶媒(水、アルコール等の極性有機溶媒)が好ましく、少なくとも水を含む水系溶媒がより好ましい。
セルロース繊維原料をカチオン化剤又はアニオン化剤で処理する工程と、疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程におけるそれぞれの反応液の25℃におけるpHは9以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、11〜14であることがさらに好ましい。
(セルロースにおけるアニオン性基又はカチオン性基と疎水基の含有量)
セルロースにおけるアニオン性基又はカチオン性基の含有量は0.1〜2.0mmol/gであることが好ましく、0.1〜1.5mmol/gであることがより好ましく、0.2〜1.2mmol/gであることがさらに好ましい。アニオン性基又はカチオン性基の含有量が前記範囲であれば、微細セルロース繊維の水和性が高くなり過ぎず、スラリーがした際の粘度が低くなる。アニオン性基又はカチオン性基の含有量が上記の上限値を超えると、水和性が高くなりすぎて微細セルロース繊維が溶解するおそれがあり好ましくない。
アニオン基の含有量は、米国TAPPIの「Test Method T237 cm−08(2008):Carboxyl Content of pulp」の方法を用いて求めることができる。アニオン性基の含有量をより広範囲まで測定可能にするために、前記試験方法に用いる試験液のうち、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)/塩化ナトリウム(NaCl)=0.84g/5.85gを蒸留水で1000mlに溶解希釈した試験液について、前記試験液の濃度が実質的に4倍となるように、水酸化ナトリウム1.60gに変更した以外は、TAPPI T237 cm−08(2008)に準じる。また、アニオン性基を導入した場合には、アニオン性基導入前後のセルロース繊維における測定値の差を実質的なアニオン性基含有量とする。なお、測定試料とする絶乾セルロース繊維は、加熱乾燥の際の加熱によって起こる可能性があるセルロースの変質を避けるため、凍結乾燥により得たものを使用する。
アニオン性基含有量測定方法は、1価のアニオン性基(カルボキシ基)についての測定方法であることから、定量対象のアニオン性基が多価の場合には、前記1価のアニオン性基含有量として得られた値を、酸価数で除した数値をアニオン性基含有量とする。
カチオン基がアンモニウムである場合、カチオン基の含有量は、セルロース繊維に含まれる窒素量を、窒素測定装置(三菱化学アナリテック社製、TN−10)を用いて、JIS−K2609に準じて窒素量を測定することで求めることができる。この場合、単位質量あたりのカチオン基物質量(mmol/g)は窒素含有量(g/g)をカチオン基に含まれる窒素原子数と窒素の原子量で除することで求められる。カチオン基がアンモニウム以外である場合も、上記に準じて求めることができる。
セルロースにおける疎水基の含有量は0.1〜2.0mmol/gであることが好ましく、0.1〜1.5mmol/gであることがより好ましく、0.2〜1.2mmol/gであることがさらに好ましい。疎水基の含有量が前記上限値を超えると、微細セルロース繊維が溶解するおそれがあり好ましくない。
<解繊処理工程>
本発明においては、疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とが導入されたセルロース繊維を解繊処理する。解繊処理工程では、通常、解繊処理装置を用いて、アルカリ処理セルロースを解繊処理して、微細セルロース繊維懸濁液を得ることができる。
解繊処理装置としては、高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、ビーターなど、湿式粉砕する装置等を適宜使用することができる。
解繊処理の際には、セルロースを水と有機溶媒を単独または組み合わせて希釈してスラリー状にすることが好ましい。希釈後のセルロースの固形分濃度は0.1〜20質量%であることが好ましく、0.2〜10質量%であることがより好ましい。希釈後のセルロースの固形分濃度が前記下限値以上であれば、解繊処理の効率が向上し、前記上限値以下であれば、解繊処理装置内での閉塞を防止できる。
<微細セルロース繊維>
微細セルロース繊維は、通常製紙用途で用いるパルプ繊維よりもはるかに細く且つ短いI型結晶構造のセルロース繊維あるいは棒状粒子であることが好ましい。
微細セルロース繊維がI型結晶構造を有していることは、グラファイトで単色化したCuKα(λ=1.5418Å)を用いた広角X線回折写真より得られる回折プロファイルにおいて、2θ=14〜17°付近と2θ=22〜23°付近の2箇所の位置に典型的なピークを有することで同定することができる。
微細セルロース繊維の、X線回折法によって求められる結晶化度は、好ましくは60%以上、より好ましくは65%以上、さらに好ましくは70%以上である。結晶化度が前記下限値以上であれば、耐熱性と低線熱膨張率発現の点でさらに優れた性能が期待できる。結晶化度については、X線回折プロファイルを測定し、そのパターンから常法により求めることができる(Segalら、Textile Research Journal、29巻、786ページ、1959年)。
<繊維幅>
微細セルロース繊維は、電子顕微鏡で観察して求めた平均繊維幅が2〜1000nmのセルロースであることが好ましい。微細セルロース繊維の平均繊維幅は2〜100nmがより好ましく、2〜50nmがさらに好ましく、2〜30nmが特に好ましく、2〜15nmが最も好ましい。微細セルロース繊維の平均繊維幅が前記上限値を超えると、微細セルロース繊維としての特性(高強度や高剛性、高寸法安定性、樹脂と複合化した際の高分散性、透明性)を得ることが困難になる。微細セルロース繊維の平均繊維幅が前記下限値未満であると、セルロース分子として分散媒に溶解してしまうため、微細セルロース繊維としての特性(高強度や高剛性、高寸法安定性)を得ることが困難になる。
微細セルロース繊維の電子顕微鏡観察による平均繊維幅の測定は以下のようにして行う。微細セルロース繊維含有スラリーを調製し、該スラリーを親水化処理したカーボン膜被覆グリッド上にキャストして透過型電子顕微鏡(TEM)観察用試料とする。幅広の繊維を含む場合には、ガラス上にキャストした表面の操作型電子顕微鏡(SEM)像を観察してもよい。構成する繊維の幅に応じて1000倍、5000倍、10000倍、20000倍、40000倍、50000倍あるいは100000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。但し、試料、観察条件や倍率は下記の条件を満たすように調整する。
(1)観察画像内の任意箇所に一本の直線Xを引き、該直線Xに対し、20本以上の繊維が交差する。
(2)同じ画像内で該直線Xと垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
上記のような電子顕微鏡観察画像に対して、直線Xに交錯する繊維、直線Yに交錯する繊維の各々について少なくとも20本(すなわち、合計が少なくとも40本)の幅(繊維の短径)を読み取る。こうして上記のような電子顕微鏡画像を少なくとも3組以上観察し、少なくとも40本×3組(すなわち、少なくとも120本)の繊維幅を読み取る。このように読み取った繊維幅を平均して平均繊維幅を求める。この平均繊維幅は数平均繊維径と等しい。
微細セルロース繊維の最大繊維幅は500nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましい。
<繊維長>
微細セルロース繊維の平均繊維長は、0.1〜5.0μmが好ましい。平均繊維長が前記下限値以上であれば、微細セルロース繊維を樹脂に配合した際の強度向上効果が充分に得られる。平均繊維長が前記上限値以下であれば、微細セルロース繊維を樹脂に配合した際の混合性がより良好となる。繊維長は、前記平均繊維幅を測定する際に使用した電子顕微鏡観察画像を解析することにより求めることができる。すなわち、上記のような電子顕微鏡観察画像に対して、直線Xに交錯する繊維、直線Yに交錯する繊維の各々について少なくとも20本(すなわち、合計が少なくとも40本)の繊維長を読み取る。こうして上記のような電子顕微鏡画像を少なくとも3組以上観察し、少なくとも40本×3組(すなわち、少なくとも120本)の繊維長を読み取る。このように読み取った繊維長を平均して平均繊維長を求める。
微細セルロース繊維を、透明基板等の強度が求められる用途に適用する場合には、繊維長は長め(具体的には500nm〜4μm)であることが好ましく、樹脂に配合する場合には、繊維長は短め(具体的には200nm〜2μm)であることが好ましい。
<乳化剤、乳化方法及び乳化組成物>
上記した方法又はそれに準じた方法により製造される疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とが導入された微細セルロース繊維は、油溶性物質と水性成分とを含有する液中で乳化能を有することから乳化剤として使用できる。
本発明の乳化剤は、上記微細セルロース繊維を含むものであればよく、その他の添加成分を含んでいてもよいし、その他の添加成分を含まなくてもよい。本発明の乳化剤に含めることができるその他の添加成分としては、各種界面活性剤(例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリド、有機酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、あるいはカルボキシベタイン型、イミダゾリニウム型、スルホベタイン型、アミノ酸系界面活性剤など)、増粘安定剤(例えば、カラギーナン、ローカストビーンガム、グアガム、タマリンドガム、アラビアガム、キサンタンガム、ペクチン、プルラン、カゼイン、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、大豆タンパク質、グルテン、メチルセルロース、カゼインナトリウム、ポリアクリル酸など)、香料、甘味料、調味料、着色剤、保湿剤、殺菌剤、酵素、又は抗炎症剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明によれば、微細セルロース繊維を含む本発明の乳化剤と、油溶性物質と、水性成分とを混合することにより乳化組成物を製造することができる。
油溶性物質の種類は、特に限定されないが、例えば、高級アルコール(セタノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベへニルアルコール、カラナービルアルコール、セリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、エステル油(アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸ブチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、イソステアリン酸メチル、イソステアリン酸エチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル等)、シリコーン(ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、脂肪酸変性ポリシロキサン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等)、植物由来の油脂(オリーブ油、ホホバ油、ツバキ油、ローズヒップ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワラン等)、動物由来の油脂(ミンク油、タートル油等)、ロウ類(ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリン等)、パラフィン類(パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン、スクワレン、オゾケライト、セレシン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス等)、脂肪酸(ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、エイコセン酸等)等が挙げられる。なお、これら油溶性成分は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
水性成分としては、特に限定されないが、水、又は各種の水溶液があげられる。水性成分には、例えば糖類、アルコール類、塩化ナトリウム又は炭酸カリウム等の塩類などを配合することができる。
乳化組成物を製造する際における、微細セルロース繊維と油溶性物質と水性成分との混合方法は特に限定されるものではないが、攪拌子による攪拌、ホモミキサーやディスパーを用いた攪拌、超高圧ホモジナイザーを用いた攪拌、超音波処理などが挙げられる。上記混合において溶剤を添加してもよく、添加する溶剤の具体例としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのアルコール類等を使用することができるが、特に限定されない。また、混合操作を行う際の温度は均一に混合される温度ならば、特に限定されないが、使用する原料の凝固点以上から沸点以下であればよい。混合する順番については、特に限定されない。また、微細セルロース繊維と油溶性物質と水性成分とを混合することにより得られる乳化組成物の形態は特に限定されず、水中油型(o/w型)又は油中水型(w/o型)の何れでもよい。
また本発明の乳化剤を用いて樹脂分散体を製造することもできる。本発明の樹脂分散体に好適な樹脂は特に限定はされないが、加熱することにより流動性のある液体になる熱可塑性樹脂、加熱により重合する熱硬化性樹脂、紫外線や電子線などの活性エネルギー線を照射することにより重合硬化する、活性エネルギー線硬化性樹脂等から得られる少なくとも1種の樹脂である。また、樹脂は高分子あるいは高分子の前駆体であるモノマーやオリゴマーでもよい。
以下に具体的な樹脂材料を例示するが、本発明で用いる樹脂材料は何ら以下のものに限定されるものではない。また、本発明における熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂は2種以上混合して用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、芳香族ポリカーボネート系樹脂、脂肪族ポリカーボネート系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリスルホン系樹脂、非晶性フッ素系樹脂等が挙げられるが特に限定されない。
熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂とは、硬化する前の前駆体もしくは硬化してなる樹脂硬化物のことを意味する。ここで前駆体は、常温では液状、半固体状又は固形状等であって常温下又は加熱下で流動性を示す物質を意味する。これらは硬化剤、触媒、熱又は活性エネルギー線の作用によって重合反応や架橋反応を起こして分子量を増大させながら網目状の三次元構造を形成してなる不溶不融の樹脂となり得る。また、樹脂硬化物とは、上記熱硬化性樹脂前駆体又は光硬化性樹脂前駆体が硬化してなる樹脂を意味する。
本発明における熱硬化性樹脂としては、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、珪素樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の前駆体が挙げられる。
本発明における光硬化性樹脂としては、特に限定されるものではないが、前述のエポキシ樹脂、アクリル樹脂、オキセタン樹脂等の前駆体が挙げられる。
また、上述の硬化性樹脂は、適宜、連鎖移動剤、紫外線吸収剤、充填剤、シランカップリング剤等と配合した硬化性組成物として用いられる。
以下の実施例により本発明を説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
固形分濃度30%の広葉樹クラフトパルプ(LBKP)を乾燥重量4gと4N水酸化ナトリウム8g、オクテニル無水コハク酸2g(乾燥パルプ100質量部に対して50質量部)とをよく混合し、130℃で2時間加熱攪拌した。次いで、オクテニル無水コハク酸で処理されたパルプを500mLの水で3回洗浄した後、イオン交換水を添加して490mLのスラリーを調製した。次いで、スラリーを攪拌しながら、4Nの水酸化ナトリウム水溶液10mLを少しずつ添加し、スラリーのpHを12〜13として、パルプをアルカリ処理した。その後、pHが8以下になるまで、アルカリ処理後のパルプを水で洗浄した。置換基量(カルボキシ基量)を測定したところ、0.44mmol/gであった。
次いで、アルカリ処理後のパルプにイオン交換水を添加し、固形分濃度0.5質量%のスラリーを調製した。そのスラリーを、解繊処理装置(エムテクニック社製、クレアミックス−2.2S)を用いて、21500回転/分の条件で30分間解繊処理して、解繊パルプスラリーを得た。
解繊パルプスラリーにイオン交換水を添加してスラリー固形分濃度0.2質量%に調整し、冷却高速遠心分離機(コクサン社、H−2000B)を用い、12000Gの条件で遠心分離し、得られた上澄み液を回収した。
(実施例2)
オクテニル無水コハク酸の代わりにイソオクタデセニル無水コハク酸を用いた以外は実施例1と同様にして解繊パルプスラリーの上澄み液を得た。置換基量(カルボキシ基量)を測定したところ、0.23mmol/gであった。
(実施例3)
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を抄き上げたシート(固形分濃度90質量%)を絶乾質量で4.0g相当分取し、ハンドミキサー(大阪ケミカル製、ラボミルサーPLUS)を用い、回転数20,000rpmで15秒処理して綿状のフラッフィングパルプ(固形分濃度90質量%)にした。
次いで、カチオン化剤(カチオマスターG、四日市合成株式会社製、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、純分73.1質量%、含水率20.2質量%)4g(パルプ絶乾質量1gに対して4.9mmol)と1.5N水酸化ナトリウム水溶液2.8gとを混合したカチオン化剤混合液を、スプレーを用いて、前記フラッフィングパルプに添加し、ポリ塩化ビニリデン製の袋の中に入れ、その袋を手で揉むことにより、混合液をパルプに均一に浸透させて、反応用試料(パルプ絶乾質量1gあたりの溶媒物質量56mmol)を調製した。この反応用試料のpHは25℃で13であった。
その後、袋内の空気を除去し、80℃で1時間反応させて、カチオン化パルプを得た。得られたカチオン化パルプに400mlのイオン交換水を加え、攪拌しながら洗浄した後、脱水した。その洗浄・脱水の処理を4回繰り返した。置換基量を測定したところ、0.71mmol/gであった。
なお、カチオン基の含有量は、微細セルロース繊維に含まれる窒素量を、窒素測定装置(三菱化学アナリテック社製、TN−10)を用いて、JIS−K2609に準じて窒素量を測定した。この場合、単位質量あたりのカチオン基物質量(mmol/g)は窒素含有量(g/g)をカチオン基に含まれる窒素原子数と窒素の原子量で除することで求められる。
洗浄したカチオン化パルプ(固形分濃度12%)を絶乾質量で4.0g相当分取し8Nの水酸化ナトリウム8g、塩化ベンジル(乾燥パルプ100質量部に対して39.1質量部)をよく混合し、130℃で2時間加熱攪拌した。400mlのイオン交換水を加え、攪拌しながら洗浄した後、脱水した。その洗浄・脱水の処理を4回繰り返した。FT−IRにより赤外線吸収スペクトルの測定により、1607、1498、1456、741、700cm−1にベンジル基に基づく吸収が見られ、ベンジル基の置換が確認された。
(比較例1)
オクテニル無水コハク酸で処理されたパルプについてアルカリ処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして解繊パルプスラリーの上澄み液を得た。
(比較例2)
実施例1と同様に上澄み液を得た後、1N塩酸をpH1となるまで添加した。100rpmで1時間攪拌した後、イオン交換水を加え、攪拌しながら洗浄した後、脱水した。その洗浄・脱水の処理を4回繰り返した。
(比較例3)
オクテニル無水コハク酸の代わりに無水コハク酸を用いた以外は実施例1と同様にして解繊パルプスラリーの上澄み液を得た。置換基量(カルボキシ基量)を測定したところ、0.44mmol/gであった。
(比較例4)
実施例3と同様にカチオン化パルプを製造した後、ベンジル化処理を行わずに実施例1と同様に処理し上澄み液を得た。
(比較例5)
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)(固形分濃度12%)を絶乾質量で4.0g相当分取し8Nの水酸化ナトリウム8g、塩化ベンジル(乾燥パルプ100質量部に対して39.1質量部)をよく混合し、130℃で2時間加熱攪拌した。400mlのイオン交換水を加え、攪拌しながら洗浄した後、脱水した。その洗浄・脱水の処理を4回繰り返した。
洗浄後、実施例1と同様にして解繊パルプスラリーの上澄み液を得た。FT−IRにより赤外線吸収スペクトルの測定により、1607、1498、1456、741、700cm−1にベンジル基に基づく吸収が見られ、ベンジル基の置換が確認された。
(評価)
上記実施例1〜3および比較例1〜5の解繊パルプスラリーについて、遠心分離した後の上澄み収率を以下に記載の方法により測定した。測定結果を表1に示す。なお、遠心分離後の上澄み収率は、微細セルロース繊維の収率の指標となり、上澄み収率が高い程、微細セルロース繊維の収率が高い。
[遠心分離後の上澄み収率の測定]
解繊パルプスラリーにイオン交換水を添加してスラリー固形分濃度0.2質量%に調整し、冷却高速遠心分離機(コクサン社、H−2000B)を用い、12000Gの条件で遠心分離し、得られた上澄み液を回収し、上澄み液の固形分濃度を測定した。そして、上澄み液の固形分濃度/0.2質量%の式より、上澄み液の収率を求めた。
[乳化能の評価]
上記実施例1〜3および比較例2〜4の解繊パルプスラリーについて、遠心分離した後の上澄みを回収した。上澄み中の微細セルロース繊維の濃度を0.1質量%に調製し、テルピネオール10質量部を添加した後、超音波振動機を用いて混合し、1昼夜静置した後に目視観察し、乳化状態を下記の判定基準に従い、判定した。結果を表1に示す。
◎:全く分離が認められない。
○:ほとんど分離が認められない。
△:僅かに分離が認められる。
×:ほとんど分離している。
Figure 0006216574
実施例1から3では微細セルロース繊維の収率も高く、アニオン性基又はカチオン性基による静電反発作用により水中での分散安定性も高く、また乳化能を有していた。比較例1ではアルカリ処理を行わなかったので、カルボキシ基の対イオンがアルカリ金属に置換されておらず、十分な静電反発力がないため、微細セルロース繊維を十分に得ることができなかった。比較例2では微細化した後、対イオンを水素イオンに戻しており、静電反発力が弱まり、水中での分散安定性が非常に低下している。その結果、油溶性物質と混合した際、凝集してしまい、安定な乳化物を生成できない。比較例3及び4では、アニオン性基又はカチオン性基により微細セルロース繊維の収率は高いが、疎水基を有さないため、乳化能を有していなかった。比較例5ではアニオン性基又はカチオン性基を有していないため、微細セルロース繊維の収率が低く、微細セルロース繊維を調製することが困難であった。

Claims (7)

  1. セルロースに疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とが導入されている微細セルロース繊維を含む乳化剤であって、微細セルロース繊維は平均繊維幅が2〜1000nmである、乳化剤
  2. 微細セルロース繊維が、セルロース繊維原料のセルロースの水酸基に対して疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とをアルカリの存在下において導入する工程によって製造されたものである、請求項1に記載の乳化剤。
  3. 微細セルロース繊維が、セルロース繊維原料に、疎水基とカチオン性基又はアニオン性基とを併せ持つ化合物を導入する工程によって製造されたものである、請求項1又は2に記載の乳化剤。
  4. (a)セルロース繊維原料を疎水基で置換された無水コハク酸により処理するセルロースのハーフエステル化工程、(b)上記ハーフエステル化工程で得られたハーフエステル化されたセルロースをアルカリ溶液で処理するアルカリ処理工程、及び(c)上記アルカリ処理されたセルロースを解繊処理する解繊処理工程を含む、請求項1から3の何れか1項に記載の乳化剤の製造方法
  5. (a)セルロース繊維原料をカチオン化剤又はアニオン化剤で処理する工程と疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程、及び(b)上記で得られたセルロースを解繊処理する解繊処理工程を含む方法によって微細セルロース繊維を製造する工程を含む、請求項1から3の何れか1項に記載の乳化剤の製造方法
  6. 請求項1からの何れか1項に記載の乳化剤と油溶性成分と水性成分とを含有する乳化組成物。
  7. 請求項1からの何れか1項に記載の乳化剤と油性成分と水性成分とを混合することを含む乳化方法。
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