JP6160457B2 - ロジン変性セルロース、ロジン変性セルロースミクロフィブリル及びこれらの製造方法 - Google Patents
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Description
R−CO−O−CO−R + OH−Cel → RCOO−Cel + RCOOH
(式中のRはロジン残基を、Celはセルロース残基、又はセルロースミクロフィブリル残基を示す。)
セルロースの変性率は、セルロースの繰返し単位である無水グルコース中の3個の水酸基がロジンとエステル結合している程度(以下、置換度(DS)という)から求められる。DSは熱分解GC/MS分析により算出した。なお、測定はトリメチルシリジルアゾメタンを加え15分放置した後、下記装置を用いて、熱分解温度450℃で行った。
(熱分解GC/MS分析装置:
熱分解装置:PY−2020D(FRONTIER LAB製)
GC/MS:HP6890/5973(アジレント・テクノロジー(株)製)
カラム:UA−5(FRONTIER LAB製))
熱分解GC/MS分析より定量されたロジン化合物の含有量から式1を用いて、DSを求める。次いで、得られたDSから式2を用いて、セルロースの変性率を算出した。
(式1) DS=(A/299)/{(100−A)/162}
(A:定量されたロジン化合物の含有量(重量%)、299:ロジンの分子量、162:グルコースの分子量)
(式2) 変性率(%)=DS÷3×100
セルロースの結晶化度は、X線結晶回折(装置:RINT−2000((株)リガク製)により算出した。なお、測定は電圧40kV、電流50mA、スキャンスピード:2°/分で行った。
得られた回折像全体の面積に対する結晶部分の割合として、式3により算出した。
(式3) 結晶化度(%)={(結晶部分の面積)/(X線回折像全体の面積)}×100
セルロースミクロフィブリルであるセリッシュKY100G((株)ダイセル製)500gにアセトン5000gを加え、撹拌後、ろ過する作業を繰り返し2回行い、アセトン置換セルロースミクロフィブリル(6.7%セルロース含有)を得た。得られたアセトン置換セルロースミクロフィブリル15g(セルロース重量1g)にキシレン50g、定法により合成したロジン酸無水物(荒川化学工業(株)製)を0.36g加え、アセトンを系外に抜きつつ、140℃まで昇温し、3時間反応させた。反応後、ろ過して、キシレンでの3回洗浄により残留ロジン分を除去した後、更にヘキサンで3回洗浄した。減圧乾燥して、ロジン変性セルロースミクロフィブリルを得た。得られた変性セルロースミクロフィブリルの変性率は2.7%であり、結晶化度は60%であった。
ロジン酸無水物の量を1.8gにした以外は実施例1と同様の手順で、ロジン変性セルロースミクロフィブリルを得た。得られた変性セルロースミクロフィブリルの変性率は4.0%であり、結晶化度は60%であった。
ロジン酸無水物の量を3.6gにした以外は実施例1と同様の手順で、ロジン変性セルロースミクロフィブリルを得た。得られた変性セルロースミクロフィブリルの変性率は5.0%であり、結晶化度は60%であった。
ロジン酸無水物の量を10.9gにした以外は実施例1と同様の手順で、ロジン変性セルロースミクロフィブリルを得た。得られた変性セルロースミクロフィブリルの変性率は7.7%であり、結晶化度は60%であった。
実施例1で得られたアセトン置換セルロースミクロフィブリル15g(セルロース重量1g)にピリジン1.4g、キシレン50g、定法により合成したロジン酸無水物を10.9g加え、105℃まで昇温し、3時間反応させた。反応後、ろ過して、キシレンでの3回洗浄により残留ロジン分を除去した後、更にヘキサンで3回洗浄した。減圧乾燥して、ロジン変性セルロースミクロフィブリルを得た。得られた変性セルロースミクロフィブリルの変性率は13.0%であり、結晶化度は56%であった。
ロジン酸無水物の量を21.8gにした以外は実施例5と同様の手順で、ロジン変性セルロースミクロフィブリルを得た。得られた変性セルロースミクロフィブリルの変性率は19.0%であり、結晶化度は52%であった。
セリッシュKY−100Gの代わりに、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)(平均繊維長0.9mm、平均繊維径20μm)を用いて、実施例4と同様の手順で行った。得られた変性セルロースの変性率は1.7%であり、結晶化度は55%であった。
実施例7と同様のロジン変性セルロース2g、NMP20g、ジルコニアビーズ(0.3mm)160gを遊星型ボールミル(フリッチュ・ジャパン製)の専用容器に入れ、回転数400rpmで1時間粉砕させた。得られた変性セルロースミクロフィブリル(平均繊維長4μm、平均繊維径95nm)の変性率は1.7%であり、結晶化度は54%であった。
ロジン酸無水物を加えずに、実施例1と同様の手順で行った。得られたセルロースミクロフィブリルの変性率は0%であり、結晶化度は58%であった。
ロジン酸無水物の量を0.18gにした以外は実施例1と同様の手順で、ロジン変性セルロースミクロフィブリルを得た。得られたセルロースミクロフィブリルの変性率は0.8%であり、結晶化度は59%であった。
ピリジンの量を4.2gにした以外は、実施例6と同様の手順で、ロジン変性セルロースミクロフィブリルを得た。得られた変性セルロースミクロフィブリルの変性率は22.0%であり、結晶化度は39%であった。
実施例1で得られたアセトン置換セルロースミクロフィブリル15g(セルロース重量1g)にピリジン1.4g、キシレン50g、定法により合成したロジン酸塩化物を1.4g加え、105℃まで昇温し、3時間反応させた。反応後、ろ過し、濾過残渣をキシレンで3回洗浄して残留ロジン分を除去した後、更にヘキサンで3回洗浄した。減圧乾燥して、ロジン変性セルロースミクロフィブリルを得た。得られたセルロースミクロフィブリルの変性率は5.0%であり、結晶化度は55%であった。
ロジン酸塩化物の量を4.2gにした以外は比較例4と同様の手順で、ロジン変性セルロースミクロフィブリルを得た。得られたセルロースミクロフィブリルの変性率は10.0%であり、結晶化度は48%であった。
ロジン酸塩化物の量を12.6gにした以外は比較例4と同様の手順で、ロジン変性セルロースミクロフィブリルを得た。得られたセルロースミクロフィブリルの変性率は22%であり、結晶化度は35%であった。
セリッシュKY−100Gの代わりに、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)(平均繊維長0.9mm、平均繊維径20μm)を用いて、比較例1と同様の手順で行った。得られた変性セルロースの変性率は0%であり、結晶化度は56%であった。
セリッシュKY−100Gの代わりに、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)(平均繊維長0.9mm、平均繊維径20μm)を用いて、比較例4と同様の手順で行った。得られた変性セルロースの変性率は4.0%であり、結晶化度は52%であった。
各実施例及び比較例で製造したロジン変性セルロースミクロフィブリル0.5gを有機溶剤または水4.5gでスラリー液を調製した。スラリー液をろ紙にて減圧濾過した後、0.2MPa、80℃で1分間プレスし、評価用シートを作成した。
ロジン変性セルロースおよびロジン変性セルロースミクロフィブリルの色調変化(着色すると褐色化)を目視観察し、未変性原料の色調と比較して、ほとんど変化がない物を○、若干変化した物を△、明らかに変化した物を×とした。
キシレンを用い、各サンプルを1重量%のスラリー液を調製した。該スラリー液を超音波分散した際、目視にて、分散が十分な物を○、分散せず凝集した物を×、溶解した物を溶解とした。
疎水化の程度を表すために、得られたセルロースミクロフィブリルをシート化し、各サンプルを相対湿度90%、温度50℃条件下、24時間暴露し、重量増加率(%)を求めた。
Claims (8)
- セルロースの水酸基の一部がロジン系化合物の酸無水物とエステル結合してなるロジン変性セルロースであり、セルロースの変性率が1.0〜20%であり、X線結晶回折による結晶化度が40以上であることを特徴とするロジン変性セルロース。
- セルロースミクロフィブリルの水酸基の一部がロジン系化合物の酸無水物とエステル結合してなるロジン変性セルロースであり、セルロースの変性率が1.0〜20%であり、X線結晶回折による結晶化度が40以上であることを特徴とするロジン変性セルロースミクロフィブリル。
- 請求項1に記載のロジン変性セルロースを用いてなる請求項2に記載のロジン変性セルロースミクロフィブリル。
- セルロースの水酸基の一部がロジン系化合物の酸無水物とエステル結合してなり、セルロースの変性率が1.0〜20%であり、X線結晶回折による結晶化度が40以上であることを特徴とするロジン変性セルロースの製造方法。
- ロジン系化合物の酸無水物及びセルロースを、有機溶媒中でエステル化させる請求項4に記載のロジン変性セルロースの製造方法。
- セルロースミクロフィブリルの水酸基の一部がロジン系化合物の酸無水物とエステル結合してなり、セルロースの変性率が1.0〜20%であり、X線結晶回折による結晶化度が40以上であることを特徴とするロジン変性セルロースミクロフィブリルの製造方法。
- ロジン系化合物の酸無水物及びセルロースミクロフィブリルを、有機溶媒中でエステル化させる請求項6に記載のロジン変性セルロースミクロフィブリルの製造方法。
- 請求項1に記載のロジン変性セルロースを、分散機を用いて分散・混練する請求項6に記載のロジン変性セルロースミクロフィブリルの製造方法。
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