JP6216341B2 - インパクト成形用金属スラグ - Google Patents

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Description

本発明は、インパクト成形用金属スラグに関し、さらに詳しくは、金属チューブ状容器の口部及び閉鎖膜の亀裂及び表面欠陥の発生を防止してインパクト成形されると共に、金属スラグ材料の節約を図ったインパクト成形用金属スラグに関する。
従来、アルミニウム、アルミニウム合金、錫等の材料をインパクト成形(衝撃押出成形)して、容器、産業用機器の構造部品等を製造する方法が知られている。例えば、アルミニウム製品では、エアゾール容器、チューブ容器、フェルトペン(マーカーペン)容器、コピー機等の感光ドラム基体又は消火器容器等がある。一般にこれらの製品は、図16に示すように、アルミニウム、アルミニウム合金等の材料を、所望の直径を有するコイン状に切断されたインパクト成形用スラグ50を使用する。このスラグ50は、図18に示すように、インパクトプレス機内に設置されたダイ51内に置かれる。その後、パンチ52の前進によりスラグ50に衝撃力を加えると、スラグ50の材料が押し出され、チューブ容器等のインパクト成形品が製造される。このようなインパクト成形に関する先行技術文献として、特許文献1がある。
特開2004−58087号公報
しかし、図18に示す従来のインパクト成形において図17に示す閉鎖膜付きチューブ容器53を成形する場合、以下のような問題や欠点があった。
(1)インパクト成形によりパンチ52でスラグ50の材料を押し出す際に、図17に示すように、チューブ容器53の閉鎖膜近傍の口部に、亀裂54が発生することがあった。その原因はスラグの中心部の厚さが関係している。図16に示すように、スラグ50の中心部の肉厚寸法Xが、インパクト成形に最適な肉厚より薄いと、インパクト成形時に、スラグ50の中心部の材料が流れすぎてしまい、スラグ50の材料の流れに断層を発生させるのである。このような断層を発生させないためには、スラグ50の中心部の肉厚寸法を厚くする必要があり、中心部の肉厚は口部及び閉鎖膜の亀裂発生の有無に大きく影響を及ぼしていた。
(2)しかし、スラグ50の中心部の肉厚を厚く形成すると、材料が無駄になるという問題があった。その原因は、従来のスラグが、図16に示すように、中心部の肉厚寸法Xと外周端部の肉厚寸法Yとが略同じ厚さであることが関係している。すなわち、スラグ50の中心部の肉厚を厚くした分だけ、外周端部も厚く形成されてしまうのである。このように全体を厚くしたスラグ50を用いてインパクト成形すると、スラグ50の外周端部を構成する材料が必要以上に多いため、チューブ容器53の胴部が、所望する寸法以上に長く成形される。そのため、成形後に不要な部分を切断する必要があり、材料が無駄になっていた。
(3)また、図18に示すように、スラグ50の下面50aの形状とダイ51の内面形状51aが異なるため、スラグ50をダイ51に載置した場合、スラグ50と内面形状51aとの間に隙間が形成される。そのため、インパクト成形時にスラグ50が移動しやすく、成形不良が発生する欠点があった。
この発明は、インパクト成形の際に、金属チューブ状容器の口部及び閉鎖膜近傍の亀裂及び表面欠陥の発生を防止すると共に、金属スラグ材料の節約を図り、さらには、成形不
良のない安定した成形ができる金属スラグを提供することにより、亀裂や表面欠陥の無い口部及び閉鎖膜を有する金属チューブ状容器を提供することを目的とする。
この課題を解決するため、請求項1記載の発明の解決手段は、口部に閉鎖膜を有する金属チューブ状容器を成形するためのインパクト成形用金属スラグにおいて、中心部と、その周りに設けられた環状の外周部とからなり、前記中心部の肉厚が前記外周部の肉厚に比べて厚くなっており、前記外周部の下面が、外周部の端部から半径方向内側に向かって連続的に下方に延びている傾斜面を有し、その傾斜面が、成形する金属チューブ状容器の肩部と実質的に同じ角度で、かつ15°〜65°であり、前記中心部の下面と外周部の下面が連続的に繋がっており、外周部の肉厚が、外周部の端部から半径方向内側に向かって連続して徐々に厚くなっており、上面が平面または上方に突出した湾曲面ないし山型となっていることを特徴とするインパクト成形用金属スラグである。
なお、ここで言う傾斜面は、湾曲したものも含む。
請求項記載の発明の解決手段は、本発明の金属スラグであって、前記中心部の下面が水平方向に平行な平面であるインパクト成形用金属スラグである。
請求項記載の発明の解決手段は、本発明の金属スラグであって、前記中心部の下面が下方に突出した湾曲面であるインパクト成形用金属スラグである。請求項4記載の解決手段は、本発明の金属スラグであって、前記中心部の下面が外周部の下面の傾斜面を同一角度で延長した円錐状を呈しているインパクト成形用金属スラグである。
請求項記載の発明の解決手段は、本発明の金属スラグであって、断面が舟形形状の底ブロックと、該底ブロック上に設けられる円盤状の中間ブロックと、該中間ブロック上に設けられ中央部が膨出し、断面が凸レンズ形状の上ブロックとからなるインパクト成形用金属スラグである。
請求項記載の発明の解決手段は、本発明の金属スラグであって、断面が舟形形状の底ブロックと、該底ブロック上に設けられる、上面が平面の円盤状の中間ブロックとからなるインパクト成形用金属スラグである。
請求項記載の発明の解決手段は、口部に閉鎖膜を有する金属チューブ状容器を成形するためのインパクト成形用金属スラグであって、中心部と、その周りに設けられた環状の外周部とからなり、前記中心部の肉厚が前記外周部の肉厚に比べて厚くなっており、前記底ブロックの外周部の下面が、外周部の端部から半径方向内側に向かって連続的に下方に延びている傾斜面を有し、その傾斜面の角度が15°〜65°であり、外周部の肉厚が、外周部の端部から半径方向内側に向かって連続して徐々に厚くなっており、断面が舟形形状の底ブロックと、前記底ブロック上に設けられる、上面が凹状の湾曲面または逆山型の凹面となっている上ブロックとからなるインパクト成形用金属スラグである。
請求項記載の発明の解決手段は、請求項7記載の金属スラグであって、前記傾斜面の角度が25°〜35°であるインパクト成形用金属スラグである。
請求項記載の発明の解決手段は、口部に閉鎖膜を有する金属チューブ状容器を成形するためのインパクト成形用金属スラグであって、中心部と、その周りに設けられた環状の外周部とからなり、前記中心部の肉厚が前記外周部の肉厚に比べて厚くなっており、前記外周部の下面が、外周部の端部から中心部まで連続的に下方に延びている傾斜面を有し、その傾斜面の角度が15°〜65°であり、外周部の肉厚が、外周部の端部から半径方向内側に向かって連続して徐々に厚くなっており、上面が突出した湾曲面または凹んだ湾曲面となっているンパクト成形用金属スラグである。
請求項10記載の発明の解決手段は、請求項9記載の金属スラグであって、傾斜面の角度が15°〜45°であるインパクト成形用金属スラグである。
請求項11記載の発明の解決手段は、請求項9記載の金属スラグであって、傾斜面の角度が45°〜60°であるインパクト成形用金属スラグである。
請求項1記載の発明の解決手段は、本発明のインパクト成形用金属スラグを、ダイのダイ成形部に載置して固定し、パンチをスラグの上面側に加圧し、パンチの先端とノックアウトピンの間で閉鎖膜を形成しながらインパクト成形する、口部に閉鎖膜を有する金属チューブ状容器の製造方法である。
請求項1記載の発明の解決手段は、本発明の金属チューブ状容器の製造方法であって、インパクト成形において、金属スラグの外周部の下面とダイの内面との間に、隙間が形成されないように、金属スラグの外周部の下面とダイ成形部の内面の形状を同一形状に形成したダイを用いて、インパクト成形する、口部に閉鎖膜を有する金属チューブ状容器の製造方法である。
この発明に係るインパクト成形用金属スラグによれば、インパクト成形の際に金属チューブ状容器の口部及び閉鎖膜近傍の亀裂や表面欠陥の発生を防止できると共に、金属スラグ材料の節約を図ることができる効果を奏する。また成形不良のない安定した成形が可能となる効果を有する。
本発明に係るインパクト成形用の金属スラグにおける実施形態を示す平面図である。 図2aは本発明に係るインパクト成形用の金属スラグにおける実施形態を示す正面部分断面図であり、図2bは他の実施形態を示す正面部分断面である。 本発明に係るインパクト成形用のアルミスラグにおける他の実施形態を示す正面部分断面図である。 図4aは本発明に係るインパクト成形用の金属スラグにおけるさらに他の実施形態を示す正面部分断面図であり、図4bは他の実施形態を示す正面部分断面である。 インパクトプレス機内に設置されたダイに、本発明に係るインパクト成形用の金属スラグを固定し、パンチの前進によりインパクト成形する直前の状態を示す図面である。 本発明に係るインパクト成形用の金属スラグを、インパクト成形して金属チューブ状容器を製造している状態を示す断面図である。 図7a〜図7cは、それぞれ本発明に係るインパクト成形用の金属スラグにおける他の実施形態を示す正面部分断面図である。 本発明に係るインパクト成形用の金属スラグにおける他の実施形態を示す正面部分断面図である。 インパクトプレス機内に設置されたダイに、図8の金属スラグを固定し、パンチの前進によりインパクト成形する直前の状態を示す図面である。 本発明に係るインパクト成形用の金属スラグにおける他の実施形態を示す正面部分断面図である。 本発明に係るインパクト成形用の金属スラグにおける他の実施形態を示す正面部分断面図である。 本発明に係るインパクト成形用金属スラグにおいて、各実施形態の肉厚寸法を示す図面である。 本発明に係るインパクト成形用金属スラグにおいて、金属チューブ状容器の口部の高さ寸法を示す図面である。 本発明に係るインパクト成形用金属スラグにおいて、外周端部の薄肉部の厚さ寸法を示す図面である。 本発明に係るインパクト成形用金属スラグにおいて、金属チューブ状容器の胴部の高さ寸法を示す図面である。 図16a、図16bは、それぞれ従来のインパクト成形用金属スラグを示した断面図である。 従来のインパクト成形用金属スラグをインパクト成形した場合、チューブ容器の口部及び閉鎖膜近傍に、亀裂が生じる状態を示す正面断面図である。 従来のインパクト成形用金属スラグを、インパクトプレス機で成形している状態を示す図面である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、図2a、図5及び図6は、本発明に係るインパクト成形用金属スラグにおける第1の実施形態である。この実施形態では、アルミニウムやアルミニウム合金のスラグ1が用いられているが、錫、亜鉛、鉛、銅等の金属材料を用いてもよい。
図1に示すように鉛直視すると、スラグ1は、中心部1aと、その周りに設けられた環状の外周部1bとからなる。図2aに示すように、中心部1aの中心S1の肉厚は、外周部1bの外縁Tの肉厚に比べて厚くなっている。スラグ1(の外周部1b)の外径は、成形される金属チューブ状容器の胴部の一般的な大きさ(外径)、例えば10mm〜50mmの胴部の外径に応じて適宜な外径寸法に形成される。中心部1aの外径は、金属チューブ状容器の口部の形状および大きさに応じて適宜な外径寸法に形成される。
なお、この実施形態及び後述する他の実施形態に係る容器は、胴部を指で押し潰すことによって内容物を押し出す図15のチューブ容器を例に説明しているが、本発明で定義する金属チューブ状容器はこのような容器に限定されない。本発明に係る金属チューブ状容器とは、胴部と、胴部よりも小径の口部と、胴部と口部との間に介在する肩部とを有する管状の容器のことを指す。特に、口部の上端付近が閉鎖膜で覆われ、胴部、口部、肩部及び閉鎖膜が一体の容器のことを指す。しかし、閉鎖膜で口部の上端が閉鎖されていなくてもよい。そのような金属チューブ状容器は、上記チューブ容器の他に、胴部を容易に押し潰すことができない容器も含まれる。
スラグ1は、図2aに示すように水平視すると、下方から底ブロックV1、中間ブロックV2及び上ブロックV3とから構成されている。
底ブロックV1は、スラグ1の下部を構成しており、外周から中心に向かって斜め下向きに延びる傾斜面2と、該傾斜面2からスラグ1の軸心と略直交する方向(水平方向)に延びる下面3とを有している。底ブロックV1は全体として、縦断面形状が舟形形状(逆さ円錐台形状)である。また図示された角度αは、スラグ1の軸心と直交する平面に対する傾斜面2の角度であり、その角度は製造される金属チューブ状容器の肩部の角度と実質的に同じとなっている。そのため、その角度は、製造する金属チューブ状容器の肩部に応じて適宜設定される。しかし、好ましくは15°〜65°、次に好ましくは15°〜45°、さらに好ましくは25°〜35°である。
また、傾斜面2と下面3との間に、曲率半径Rが1mm〜100mmの円弧を介在させる、あるいは、傾斜面2と下面3との間に段差が形成されないように連続的に接続するのが好ましい。傾斜面2と下面3とを連続的に接続することにより、インパクト成形において、スラグの変形に伴うスラグの材料の流れをスムースにすることができ、成形不良が起こりにくい。また、段差による金型への損傷を防止でき、金型ダイの寿命を長くすることができる。
次に、この底ブロックV1の上部には、肉厚Tの円盤状の中間ブロックV2が構成され
ている。スラグ1の外周には、この中間ブロックV2による立上り壁4aが形成されている。この立上り壁4aの外径(スラグ1の外径)は、製造される金属チューブ状容器の胴部の外径と実質的に同じとなっている。
さらに、この中間ブロックV2の上部には、上ブロックV3が構成されている。該上ブロックV3の上面4は、中央が上方に膨出し、あるいは、上方に突出するように湾曲面となっており、縦断面形状が凸レンズ状を呈している。
スラグ1において、底ブロックV1の下面3が中心部1aの下面を構成し、底ブロックV1の傾斜面2が外周部1bの下面を構成している。つまり、スラグ1において、下面3から鉛直上方に延びる円柱体が中心部1aとなり、傾斜面2から鉛直上方にのびる環状体が外周部1bとなっている。
そして、中心部1aの上面は中心を頂点として上方に突出して湾曲しており、中心部1aの下面は水平面である。そのため、中心部1aの肉厚は、一番厚い中心から半径方向外側に向かって薄くなっている。なお、中心部1aの中心近辺の肉厚をS1となるように連続的に繋がる平面としてもよい。一方、外周部1bの下面(傾斜面2)は外周端から中心に向かって徐々に底ブロックV1の肉厚が厚くなるように形成されており、かつ、外周部1bの上面も外周から中心に向かって徐々に上ブロックV3の肉厚が厚くなるように形成されている。つまり、外周部1bは、肉厚が半径方向内側に向かって徐々に増加する遷移領域をなしている。結果、中心部1aの全体の肉厚の平均値は、外周部1bの全体の肉厚の平均値より大きくなっている。さらに、中心部1aの肉厚は、常に外周部1bの肉厚以上となっている。
そして、底ブロックV1、中間ブロックV2及び上ブロックV3で構成される全体の厚さは、中心部1aの中心の肉厚S1は2mm〜20mmの範囲に形成され、外周部1bの外縁(立上り部4a)の肉厚Tは0.5mm〜2mmの範囲に形成されている。
なお、図2bに示すように、上ブロックV3の上面4は、中心部1aが外周部1bより肉厚が厚くなることを条件に、断面傾斜直線と、その頂点(内端)を連続的に繋ぐ曲線とからなる山型としてもよい。これらの中心部1aの中心の肉厚S1及び外周部1bの外縁の肉厚Tは、もちろん、S1>Tの不等式が成り立ち、成形される金属チューブ状容器の胴部、肩部、口部の大きさ(外径)及び長さ寸法に応じて、任意に選択することができることはいうまでもない。
図5は、この実施形態に係るスラグ1を、インパクトプレス機内に設置されたダイ31のダイ成形部32に載置して固定し、パンチ33の前進によりスラグ1をインパクト成形する直前の状態を示している。
ダイ31は、閉鎖膜を備えた金属チューブ状容器を製造するためのものである。ダイ31のダイ成形部32は、ダイ31を貫通する貫通孔である。その内面形状は、金属チューブ状容器の胴部8の外形を決める筒状の胴壁32bと、その下端と連結する金属チューブ状容器の肩部の外形を決める肩壁32aと、その下端と連結する金属チューブ状容器の口部6の外形を決める口壁32cと、エジェクターピン(図6の符号35参照)を支持する誘導壁32dとからなる。しかし、ダイ成形部32は、少なくとも胴壁32bと、肩壁32aとを備えていればよく、貫通孔でなくてもよい。また、図5に示すダイ31は、一体の部品として示されているが、複数の部品で構成されてもよい。
パンチ33は、金属チューブ状容器の胴部8の内形を決める柱状の本体33aと、その先端に設けられ、金属チューブ状容器の肩部の内形を決めるテーパー状の押圧肩33bと、その先端に設けられ、金属チューブ状容器の口部の内形を決める柱状の突起33cとからなる。押圧肩33bは、肩壁32aと実質的に同じ傾斜角となっている。その傾斜角は、成形する金属チューブ状容器の肩部の角度と実質的に同じとなっている。
ダイ成形部32の肩壁32aは、スラグ1の底ブロックV1の傾斜面2または傾斜面2及び下面3の縁部と同一形状に構成されており、下面3が口壁32cの開口を塞ぐように配置され、スラグ1がダイ成形部32の肩壁32aに間隙なく載置されている。また、ス
ラグ1の立上り壁4aの外径とダイ成形部32の胴壁32bの内径の誤差が0.1〜0.5mm、好ましくは0.2〜0.4mm、特に0.25〜0.35mmの範囲としている。つまり、スラグ1の傾斜面2とダイ成形部32の肩壁32a、および、スラグ1の立上り壁4aとダイ成形部32の胴壁32bが実質的に同一形状となっている。そのため、スラグ1は、ダイ成形部32内にがたつくことなく固定される。しかし、傾斜面2のみがダイ成形部32の肩壁32aと実質的に同一形状であってもがたつきは軽減される。これにより、インパクト成形時におけるスラグ1の移動が抑制されるので、成形性が頗るよい。また、図2に戻って、スラグ1の下面3と傾斜面2との間の曲率半径Rを適宜調整することにより、材料の過不足による金属チューブ状容器の不具合を解消し、良好な成形が可能となる。
このスラグ1において、中心部1aは、スラグ1がダイ成形部32に載置されたとき、実質的にパンチ33の突起33cを受ける部位であり、外周部1bは、スラグ1がダイ成形部32に載置されたとき、実質的に肩壁32aに載置(または支持)される部位である。そのため、この実施形態に係るスラグ1を用いて、インパクト成形を行った場合、スラグ1の中心部1a近辺を厚肉に構成したので、図6に示すように、スラグ1の材料の流れが最適になり、安定した成形が可能になる。これは、スラグ1の材料の流れを、金属チューブ状容器5の口部6、閉鎖膜7及び胴部8の各部位ごとに制御できるためである。その結果、インパクト成形時に、口部6及び閉鎖膜7近傍に亀裂や表面欠陥が生じるのを確実に防ぐことができる。また、スラグ1の外周部1bの肉厚を中心部1aの肉厚より薄く形成したから、金属チューブ状容器5の胴部8の寸法が、著しく長く成形されるのを防止でき、材料の節約を図ることができる。なお、上ブロックV3の上面を凸面としているため、中心部1aの中心の肉厚をより厚くすることができ、口部6の形状(例えば、肉厚の口部本体36aと、その上端に形成された縮径部36bと、その上端に形成された薄肉の開口部36cと、閉鎖膜7とからなる口部6、図6参照)が複雑であっても亀裂や表面欠陥が生じることなく形成できる。本発明に係るインパクト成形用金属スラグにおいて、直径が35mmのアルミニウム製のスラグ1を用いた場合、約17%の金属スラグ材料を削減することができた。
図3に戻って、図3は、本発明に係るインパクト成形用の金属スラグにおける他の実施形態を示している。スラグ11は、中心部11aと、その周りに設けられた環状の外周部11bとからなり、中心部11aの中心の肉厚S2が外周部11bの外縁の肉厚Tに比べて厚くなっている。スラグ11の外周部11bおよび中心部11aの外径は、図2の実施形態と同様に、成形される金属チューブ状容器の胴部および口部の大きさ(外径)に応じて、適宜な寸法に形成されている。
この実施形態のスラグ11は、下方から底ブロックV1及び中間ブロックV2とで構成されている。この実施形態は、中間ブロックV2の上部に上ブロックV3が構成されない点で図2の実施形態と異なっており、スラグ11(中間ブロックV2)の上面14がスラグ11の軸心に対し直交する平面に形成されている。その他の構成は前記実施形態と同様であり、底ブロックV1は、外周から中心に向かって斜め下向きに延びる傾斜面12と、該傾斜面12からスラグ11の軸心と略直交する方向に延びる下面13とを有している。底ブロックV1は全体として、縦断面形状が舟形形状(円錐台形状)である。また図示された角度αは、図2の実施形態と同様に、スラグ11の軸心と直交する平面に対する傾斜面2の角度である。好ましくは15°〜65°、次に好ましくは15°〜45°、さらに好ましくは25°〜35°である。また、傾斜面12と下面13との間に、曲率半径Rが1〜100mmの円弧を介在させてもよく、または、段差が形成されないように傾斜面12と下面13と連続的に接続する湾曲部を介在させてもよい。また、中間ブロックV2に基づいて、スラグ11の外周には立上り壁14aが形成されている。なお、図1と同様に、底ブロックV1の下面13が中心部11aの下面を構成し、底ブロックV1の傾斜面12が外周部11bの下面を構成している。
そして、中心部11aの上面および下面は水平面であり、中心部11aの肉厚は一定となっている。一方、外周部11bの下面(傾斜面2)は外周端から中心に向かって徐々に底ブロックV1の肉厚が厚くなるように形成されており、かつ、外周部11bの上面は水平面となっている。つまり、外周部11bは、肉厚が外周端から半径方向内側に向かって連続して徐々に減少する遷移領域をなしている。結果、中心部11aの肉厚は、外周部11bの肉厚の平均値より大きくなっている。また中心部11aの肉厚は、常に外周部11bの肉厚以上となっている。
底ブロックV1及び中間ブロックV2で構成される全体の厚さは、中心部11aの中心の肉厚S2が4mm〜7mmであり、外周部11bの外縁(立上り壁14a)の肉厚Tが0.5mm〜2mmである。これら中心の肉厚S2及び外縁の肉厚Tは、前記実施形態と同様に、成形される金属チューブ状容器の胴部、肩部、口部の大きさ(外径)及び長さ寸法に応じて、任意に選択することができることはいうまでもない。
この実施形態のスラグ11もまた、図5及び図6に示すダイ31に載置して固定してインパクト成形される。この場合も、中心部11aは、ダイ成形部32に載置されたとき、実質的にパンチ33の突部33cを受ける部位であり、外周部1bは、ダイ成形部32に載置されたとき、実質的に肩壁32aに載置(または支持)される部位である。そのため、インパクト成形時におけるスラグ11の移動が抑制されると共に、口部6及び閉鎖膜7近傍に亀裂や表面欠陥が生じるのを確実に防ぐことができる。
図4aは、本発明に係るインパクト成形用の金属スラグにおけるさらに他の実施形態を示している。スラグ21は、中心部21aと、その周りに設けられた環状の外周部21bとからなり、中心部21aの中心の肉厚S3が外周部21bの外縁の肉厚Tに比べて厚くなっている。スラグ21の外周部21aおよび中心部21aの外径は、図2、図3の実施形態と同様に、成形される金属チューブ状容器の胴部および口部の大きさ(外径)に応じて、適宜な寸法に形成されている。
この実施形態のスラグ21は、底ブロックV1及び上ブロックV4とで構成されている。この実施形態は、底ブロックV1の上部に上ブロックV4が構成されている。該上ブロックV4は、その上面24が下方に凹むように湾曲し、縦断面形状が凹レンズ状を呈している。つまり、スラグ21の上面が、凹状の湾曲面となっている。また、上ブロックV4の外周面は、スラグ21において鉛直方向に延びる立上り壁24aとなっている。この立上り壁24aの外径は、製造される金属チューブ状容器の胴部の外径と実質的に同じとなっている。底ブロックV1は、図2、3の実施形態と同様であり、外周から中心に向かって斜め下向きに延びる傾斜面22と、該傾斜面2からスラグ21の軸心と略直交する方向に延びる下面23とを有している。底ブロックV1は全体として、縦断面形状が舟形形状(逆さ円錐台形状)である。また図示された角度αは、前記実施形態と同様に、スラグ21の軸心と直交する平面に対する傾斜面22の角度であり、好ましくは15°〜65°、次に好ましくは15°〜45°、さらに好ましくは25°〜35°である。また、傾斜面22と下面23との間に、曲率半径Rが1〜100mmの円弧を介在させる、あるいは、段差が形成されないように連続的に接続する湾曲部を介在させてもよい。なお、この実施形態も、底ブロックV1の下面23が中心部21aの下面を構成し、底ブロックV1の傾斜面22が外周部21bの下面を構成する。
なお、スラグ21は、中心部21aの上面は上ブロックV4の肉厚が外周端から中心に向かって薄くなるように湾曲しており、中心部21aの下面は水平面である。そのため、中心部21aは、外周端から半径方向内側に向かって徐々に肉厚が薄くなるように形成されている。一方、中心に向かって徐々に底ブロックV1の肉厚が厚くなるように形成されており、かつ、外周部21bの上面は中心から外周に向かって徐々に上ブロックV4の肉厚が厚くなるように形成されている。しかし、中心部21aの全体の肉厚の平均値が、外周部21b全体の肉厚の平均値より大きくなるように構成されている。
また次の条件は特に限定されるものではない。しかし、外周部21bにおいて、下面の傾斜角が上面の傾斜角(湾曲面の接線の傾き)より常時大きくなるように上下面の湾曲面
を設定するのが好ましい。そして、外周部21bの肉厚は外周端から半径方向内側に向かって徐々に増加するように構成するのが好ましい。また中心部21aの肉厚は、常に外周部21bの肉厚以上となっているのが好ましい。
底ブロックV1及び上ブロックV4で構成される全体の厚さは、中心部21aの中心の肉厚S3が4mm〜5mmであり、外周部21bの外縁(立上り壁24a)の肉厚Tが0.5mm〜2mmである。なお、図4bに示すように上ブロックV4の上面24は、下面より傾斜角が小さい断面傾斜直線と、その内端を連続的に繋ぐ湾曲線とからなる逆山型の凹面であってもよい。
これら中心部21aの中心の肉厚S3及び外周部21bの外縁の肉厚Tは、前記実施形態と同様に、成形される金属チューブ状容器の胴部、肩部および口部の大きさ(外径)及び長さ寸法に応じて、任意に選択することができることはいうまでもない。また、この実施形態のスラグ21もまた、図5及び図6に示すダイ31に載置して固定してインパクト成形される。この場合も、中心部21aは、ダイ成形部32に載置されたとき、実質的にパンチ33の突部33cを受ける部位であり、外周部21bは、ダイ成形部32に載置されたとき、実質的に肩壁32aに載置される部位である。そのため、インパクト成形時におけるスラグ21の移動が抑制されると共に、口部6及び閉鎖膜7近傍に亀裂や表面欠陥が生じるのを確実に防ぐことができる。また、上ブロックV4の上面を凹ませているため、より効率良く金属材料を削減することができる。
ここで、上記3つの各実施形態において、図2〜図4に示す底ブロックV1の変形例について図7a〜図7cに説明する。図7aのスラグ1cは、底ブロックV1の縦断面形状は舟形形状のままにして、直線状の傾斜面2、12、22を下向きに凸の曲面2aに形成している。さらに他の変形例として、図7bのスラグ1dのように、直線状の傾斜面2及び下面3全体を下向きに凸の曲面2bに形成し、縦断面形状を半月形状に形成してもよい。また、さらに他の変形例として、図7cのスラグ1eのように、直線状の傾斜面2をスラグ1、11、21の軸心まで延長し、縦断面形状を逆三角形形状の傾斜面2cに形成してもよい。
図8は、本発明に係るインパクト成形用の金属スラグにおける他の実施形態を示している。スラグ41は、中心部41aと、その周りに設けられた環状の外周部41bとからなり、中心部41aの中心の肉厚が外周部41bの外縁の肉厚に比べて厚くなっている。スラグ41の外周部41bおよび中心部41aの外径は、図2、3、4の実施形態と同様に、成形される金属チューブ状容器の胴部および口部の大きさ(外径)に応じて、適宜な寸法に形成されている。
この実施形態のスラグ41は、下方から円錐状の底ブロックV5、中間ブロックV2および上ブロックV3とから構成されている。この実施形態は、スラグ41の下部に底ブロックV5を備えた点が図2の実施形態と異なっており、その他の構成は図2の実施形態と同様である。底ブロックV5は、外周から中心に向かって斜め下向きに延びる傾斜面42と、該傾斜面42の下端を連続する湾曲した下面43とを有している。底ブロックV5は、全体として、縦断面形状が逆山型形状である。また、図示された角度αは、スラグ41の軸心と直交する平面に対する傾斜面2aの角度である。好ましくは15〜65°、次に好ましくは15°〜45°、さらに好ましくは35〜60°である。また、中間ブロックV2に基づいて、スラグ41の外周には立上り壁44aが形成されている。なお、スラグ41は、肩部の上端が開口した、あるいは、肩部の上端に閉鎖膜が設けられた金属チューブ状容器を成形するために好ましく用いられる。そして、例えば、図9に示すようなダイ31、パンチ33に用いられる。ダイ31のダイ成形部32の内面形状は、金属チューブ状容器の胴部8の外形を決める筒状の胴壁32bと、その下端と連結する金属チューブ状容器の肩部の外形を決める肩壁32aと、エジェクターピンを支持する誘導壁32dとからなる。つまり、底ブロックV5の下面43と傾斜面42の下部がダイ成形部32の誘導壁32dを閉じるように配置され、パンチ33の突起33cを受けるため、中心部41a
の下面を構成する。そして、底ブロックV5の傾斜面42の上部がダイ成形部32の肩壁32aに支持されるため、外周部41bの下面を構成する。
中心部41aの上面は中心を頂点として上方に突出して湾曲しており、中心部41aの下面は中心を頂点として下方に突出して湾曲あるいは傾斜している。そのため、中心部41aの中心の肉厚が最大となり、そこから半径方向外側に向かって徐々に肉厚が薄くなっている。一方、外周部41bの下面(傾斜面42)は外周端から中心に向かって徐々に底ブロックV5の肉厚が厚くなるように形成されており、かつ、外周部41bの上面も外周端から中心に向かって徐々に上ブロックV3の肉厚が厚くなるように形成されている。つまり、外周部41bは、肉厚が半径方向内側に向かって連続して徐々に増加する遷移領域をなしている。結果、中心部41aの肉厚の平均値は、外周部41bの肉厚の平均値より大きくなっている。さらに、中心部41aの肉厚は、常に外周部41bの肉厚以上となっている。
図10は、本発明に係るインパクト成形用の金属スラグにおける他の実施形態を示している。スラグ51は、中心部51aと、その周りに設けられた環状の外周部51bとからなり、中心部51aの中心の肉厚が外周部51bの外縁の肉厚に比べて厚くなっている。スラグ51の外周部51bおよび中心部51aの外径は、図2、3、4の実施形態と同様に、成形される金属チューブ状容器の胴部および口部の大きさ(外径)に応じて、適宜な寸法に形成されている。
この実施形態のスラグ51は、下方から円錐状の底ブロックV5および上ブロックV4とで構成されている。この実施形態は、スラグ51の下部に底ブロックV5を備えた点が図4の実施形態と異なっており、その他の構成は図4の実施形態と同様であり、スラグ51の外周は鉛直方向に延びる立上り壁54aとなっている。底ブロックV5は、図8の実施形態と実質的に同じである。なお、この実施形態も、図8の実施形態と同様に、図9のようなダイ31、パンチ33にてインパクト成形を行い、底ブロックV5の下面53と傾斜面52の下部(ダイ成形部32口壁32cの開口を閉じる部位)が中心部51aの下面を構成し、底ブロックV5の傾斜面52の上部(ダイ成形部32の肩壁32aに支持される部位)が外周部51bの下面を構成する。
なお、スラグ51は、中心部51aの上面は上ブロックV4の肉厚が外周端から中心に向かって薄くなるように湾曲しており、中心部51aの下面は中心を頂点として下方に突出して湾曲あるいは傾斜している。一方、外周部51bの下面(傾斜面52)は外周端から中心に向かって徐々に底ブロックV5の肉厚が厚くなるように形成されており、かつ、外周部51bの上面は外周端から中心に向かって徐々に上ブロックV4の肉厚が薄くなるように形成されている。しかし、中心部51aの肉厚の平均値が、外周部51bの肉厚の平均値より大きくなるように構成されている。なお、上面の傾斜角が上面の傾斜角より常時大きくなるように上下面の湾曲面(傾斜面)を設定するのが好ましい。これにより、中心部51aの肉厚の最小値は中心部51aの縁部となり、中心部51aの肉厚は、常に外周部51bの肉厚以上となる。また、上ブロックV4は、その上面が下方に凹むように湾曲し、底ブロックV5の材料を減らすようになっているが、上ブロックの上面は、図4と略同じ深さの凹状の湾曲面になっていてもよく、その深さは、口部の構造等によって適宜選択される。
図11は、本発明に係るインパクト成形用の金属スラグにおける他の実施形態を示している。スラグ61は、中心部61aと、その周りに設けられた環状の外周部61bとからなり、中心部61aの中心の肉厚が外周部61bの外縁の肉厚に比べて厚くなっている。スラグ61の外周部61bおよび中心部61aの外径は、図2、3、4の実施形態と同様に、成形される金属チューブ状容器の胴部および口部の大きさ(外径)に応じて、適宜な寸法に形成されている。
この実施形態のスラグ61は、下方から底ブロックV1および上ブロックV6とで構成されている。この実施形態は、上ブロックV6の上面に上方に突出した突出部65が形成
された点が図4の実施形態と異なっており、その他の構成は図4の実施形態と同様であり、スラグ61の外周は鉛直方向に延びる立上り壁64aとなっている。つまり、上ブロックV6は、外周から中心に向かって湾曲する湾曲面64と、その内端を繋ぐように形成された山型の突出部65とからなる。突出部65の頂きは連続して湾曲している。なお、湾曲面64は、傾斜面であってもよい。底ブロックV1は、図2、3の実施形態と同様である。なお、この実施形態は、底ブロックV1の下面3が中心部61aの下面を構成し、底ブロックV1の傾斜面62が外周部61bの下面を構成する。
中心部61aの上面には突出部65が形成されており、中心部61aの下面63は水平面である。そのため、中心部61aの肉厚は中心に向かって徐々に肉厚が厚くなるように形成されており、中心部61aの肉厚の最小値は中心部61aの縁部となる。一方、外周部61bの下面(傾斜面62)は外周から中心に向かって徐々に底ブロックV1の肉厚が厚くなるように形成されており、かつ、外周部61bの上面は外周端から中心に向かって徐々に上ブロックV6の肉厚が薄くなるように形成されている。そして、中心部61aの肉厚の平均値が、外周部61bの肉厚の平均値より小さくなるように構成されている。
なお、図4の実施形態と同様に次の条件は特に限定されるものではない。しかし、外周部61bにおいて、下面の傾斜角が上面の傾斜角より常時大きくなるように上下面の湾曲面を設定するのが好ましい。そして、外周部61bの肉厚は半径方向内側に向かって徐々に増加するように構成するのが好ましい。さらに、中心部61aの肉厚の最小値が外周部61bの肉厚の最大値以上となっているのが好ましい。
なお、突出部65は、図2の実施形態の上ブロックV3の中心部または図3の実施形態の中間ブロックV2の中心部の上に設けてもよい。この場合も、突出部65は、段差とならないように連続的に設けられるのが好ましい。
図12は、本発明に係る各実施形態の中心部近辺の肉厚S1、S2及びS3の肉厚寸法を示しており、図13は、金属チューブ状容器5の口部6の基準線6a(口部基部(肩部上端))から閉鎖膜7までの高さ寸法H1、H2、H3を示している。本発明に係るスラグ1の中心部近辺の肉厚は、口部の構造が同じであれば、所望する金属チューブ状容器5の口部6の基準線6aから閉鎖膜7までの高さ寸法に応じて決定される。すなわち、図13(a)に示すように、金属チューブ状容器5の口部6の基準線6aから閉鎖膜7までの高さ寸法がH1の場合(長い場合)は、図12に示すように、スラグ1の中心部近辺の厚さをS1で示す厚さに厚く形成される必要がある。また、図13(b)に示すように、金属チューブ状容器5の口部6の基準線6aから閉鎖膜7までの高さ寸法がH2の場合(H1よりも若干短い場合)は、図12に示すように、スラグ1の中心部近辺の厚さがS2で示す厚さに若干薄く形成される(S1よりも少し薄く形成される)。さらに、図13(c)に示すように、金属チューブ状容器5の口部6の基準線6aから閉鎖膜7までの高さ寸法がH3の場合(H1、H2よりも短い場合)は、図12に示すように、スラグ1の中心部近辺の厚さがS3で示す厚さに薄く形成される(S1及びS2よりも薄く形成される)。
一般に、金属チューブ状容器5の口部6の基準線6aから閉鎖膜7までの寸法が長い場合、成形において、口部6又は閉鎖膜7近傍に亀裂が発生し易い。したがって、この亀裂の発生を防止するためには、スラグ1の中心部の肉厚を厚肉にする必要がある。また薄肉部の寸法Tは、所望する金属チューブ状容器5の胴部8の長さに応じて決定され、口部6の基準線6a(口部基部)から閉鎖膜7までの高さ寸法Hが同寸法の金属チューブ状容器5で比較した場合、胴部8の寸法が長い方が多くのスラグ材料を必要とする。すなわち、図15(a)に示すように、胴部8が長い高さ寸法J1を有する場合、図14(a)に示すように、薄肉部の肉厚寸法T1は厚く形成される必要がある。また、図15(b)に示すように、胴部8が図15(a)よりも短い高さ寸法J2を有する場合、図14(b)に示すように、薄肉部の肉厚寸法T2は図14(a)よりも薄く形成される。なお、図14(a)(b)のスラグ1の中心部近辺の肉厚寸法は、共に寸法Sの肉厚を有する。このよ
うに、発明者等は、スラグ1の中心部近辺の厚肉部の厚さSを厚く形成し、かつ外周近傍の端部の薄肉部の厚さTを胴部8の高さ寸法に対応して、薄く形成することにより、金属チューブ状容器を成形するためのインパクト成形用の金属スラグ材料を節約できる共に、金属チューブ状容器5の口部6及び閉鎖膜7近傍の亀裂や表面欠陥の発生を防止して、金属チューブ状容器5をインパクト成形することができたのである。
本発明に係るインパクト成形用金属スラグは、亀裂や表面欠陥の無い口部及び閉鎖膜を有する金属チューブ状容器をインパクト成形することができ、かつ金属スラグ材料の節約を図ることができるので、医薬品、化粧品、食品、加圧ガス等を収容できる金属チューブ状容器を製造するためのインパクト成形用金属スラグとして、広く利用することができる。
1、1c、1d、1e、11、21、41、51、61 スラグ
1a、11a、21a、41a、51a、61a 中心部
1b、11b、21b、41b、51b、61b 外周部
2、2c、12、22、42、52、62 傾斜面
2a、2b 曲面
3、13、23、43、53、63 下面
4a、14a、24a、44a、54a、64a 立上り壁
4、14、24 上面
5 金属チューブ状容器
6 口部
6a 基準線
7 閉鎖膜
8 胴部
31 ダイ
32 ダイ成形部
32a 肩壁
32b 胴壁
32c 口壁
32d 誘導壁
33 パンチ
33a 本体
33b 押圧肩
33c 突起
35 エジェクターピン
36a 口部本体
36b 縮径部
36c 開口部
64 湾曲面
65 突出部
V1、V5 底ブロック
V2 中間部ロック
V3、V4、V6 上ブロック

Claims (13)

  1. 口部に閉鎖膜を有する金属チューブ状容器を成形するためのインパクト成形用金属スラグにおいて、
    中心部と、その周りに設けられた環状の外周部とからなり、
    前記中心部の肉厚が前記外周部の肉厚に比べて厚くなっており、
    前記外周部の下面が、外周部の端部から半径方向内側に向かって連続的に下方に延びている傾斜面を有し、
    その傾斜面が、成形する金属チューブ状容器の肩部と実質的に同じ角度で、かつ15°〜65°であり、
    前記中心部の下面と外周部の下面が連続的に繋がっており、
    外周部の肉厚が、外周部の端部から半径方向内側に向かって連続して徐々に厚くなっており、
    上面が平面または上方に突出した湾曲面ないし山型となっていることを特徴とするインパクト成形用金属スラグ。
  2. 前記中心部の下面が水平方向に平行な平面であることを特徴とする請求項1記載のインパクト成形用金属スラグ。
  3. 前記中心部の下面が下方に突出した湾曲面であることを特徴とする請求項1記載のインパクト成形用金属スラグ。
  4. 前記中心部の下面が外周部の下面の傾斜面を同一角度で延長した円錐状を呈している請求項1記載のインパクト成形用金属スラグ。
  5. 断面が舟形形状の底ロックと、
    前記底ブロック上に設けられる円盤状の中間ロックと、
    前記中間部ロック上に設けられ中央部の上面が膨出し、断面が凸レンズ形状の上ブロックとからなることを特徴としている請求項1、2または3記載のインパクト成形用金属スラグ。
  6. 断面が舟形形状の底ブロックと、前記底ブロック上に設けられる、上面が平面の円盤状の中間ロックとからなることを特徴としている請求項1、2または3記載のインパクト成形用金属スラグ。
  7. 口部に閉鎖膜を有する金属チューブ状容器を成形するためのインパクト成形用属スラグにおいて、
    中心部と、その周りに設けられた環状の外周部とからなり、
    前記中心部の肉厚が前記外周部の肉厚に比べて厚くなっており、
    断面が舟形形状の底ブロックと、前記底ブロック上に設けられる、上面が凹状の湾曲面または逆山型の凹面となっている上ブロックとからなり、
    前記底ブロックの外周部の下面が、外周部の端部から半径方向内側に向かって連続的に下方に延びている傾斜面を有し、
    その傾斜面の角度が15°〜65°であり、
    外周部の肉厚が、外周部の端部から半径方向内側に向かって連続して徐々に厚くなっていることを特徴としているインパクト成形用金属スラグ。
  8. 前記傾斜面の角度が25°〜35°であることを特徴としている請求項7記載のインパクト成形用金属スラグ。
  9. 口部に閉鎖膜を有する金属チューブ状容器を成形するためのインパクト成形用金属スラグにおいて、
    中心部と、その周りに設けられた環状の外周部とからなり、
    前記中心部の肉厚が前記外周部の肉厚に比べて厚くなっており、
    前記外周部の下面が、外周部の端部から中心部まで連続的に下方に延びている傾斜面を有し、
    その傾斜面の角度が15°〜65°であり、
    外周部の肉厚が、外周部の端部から半径方向内側に向かって連続して徐々に厚くなっており、
    上面が突出した湾曲面または凹んだ湾曲面となっていることを特徴としているインパクト成形用金属スラグ。
  10. 前記傾斜面の角度が15°〜45°であることを特徴としている請求項9記載のインパクト成形用金属スラグ。
  11. 前記傾斜面の角度が35°〜60°であることを特徴としている請求項9記載のインパクト成形用金属スラグ。
  12. 請求項1乃至11いずれか記載のインパクト成形用金属スラグを、ダイのダイ成形部に載置して固定し、パンチをスラグの上面側に加圧し、パンチの先端とノックアウトピンの間で閉鎖膜を形成しながらインパクト成形する、口部に閉鎖膜を有する金属チューブ状容器の製造方法。
  13. インパクト成形において、前記金属スラグの外周部の下面とダイの内面との間に、隙間が形成されないように、前記金属スラグの外周部の下面と内面の形状を同一にしたダイを用いて、インパクト成形することを特徴とした請求項12記載の金属チューブ状容器の製造方法。
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