JP6213932B2 - エポキシ化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エポキシ化合物の製造方法に関する。
オレフィン化合物のエポキシ化反応では、様々な触媒系が開発されている。例えば、特許文献1には、所定の環状オレフィンおよび第4級アンモニウム塩を含む有機相とタングステン化合物およびリン酸類を含む水相からなる二相系溶液に、過酸化水素を添加することを特徴とする環状オレフィンのエポキシ化方法が開示されている。
また、引用文献2には、所定のα−アミノメチルホスホン酸、タングステン酸類および相間移動触媒の存在下、有機溶媒中で、オレフィン類と過酸化水素水とを反応させることを特徴とするエポキシ化合物の製造方法が開示されている。
また、引用文献3には、タングステン化合物と所定のリン酸エステルを触媒として用いる多官能性エポキシモノマーの製造方法が開示されている。
特開2004−115455号公報 特開平8−27136号公報 特開2010−168330号公報
オレフィン化合物のエポキシ化反応では、目的のエポキシ化合物以外にジオール化合物等の副生成物が生じる場合がある。そのため、エポキシ化反応には、オレフィン化合物の転化率に対するエポキシ化合物の収率、すなわちエポキシ化反応の選択率が高いことが求められる。
本発明は、良好な選択率でオレフィン化合物からエポキシ化合物を合成可能な、エポキシ化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、タングステン化合物及び共役酸のpKaが1.5〜11.5である含窒素化合物が添加された反応系中で、オレフィン化合物と過酸化水素とを反応させてエポキシ化合物を得る、エポキシ化合物の製造方法に関する。
本態様の製造方法では、エポキシ化反応をタングステン化合物及び特定の含窒素化合物が添加された反応系中でエポキシ化反応を行うことにより、オレフィン化合物の転化率に対するエポキシ化合物の収率が良好になる。
本態様において、上記含窒素化合物は、含窒素複素環化合物を含むことが好ましい。含窒素複素環化合物を反応系に添加することで、エポキシ化反応の選択率が一層向上する傾向にある。
本態様において、上記含窒素複素環化合物は、イミダゾール環を有するものであってよく、イミダゾールであることがより好ましい。これらの含窒素複素環化合物によれば、エポキシ化反応の選択率の向上効果をより顕著に得ることができる。
また、本態様において、上記含窒素複素環化合物は、ピリジン環を有するものであってよく、ピラゾール環を有するものであってもよい。これらの含窒素複素環化合物によれば、エポキシ化反応の選択率の向上効果をより顕著に得ることができる。
本態様において、タングステン化合物は、タングステンを含むオキソ酸又はその塩を含むことが好ましい。このようなタングステン化合物を用いたエポキシ化反応では、上記特定の含窒素化合物によるエポキシ化反応の選択率の向上効果が、一層顕著に奏される。
上記オキソ酸は、タングステン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンバナドタングステン酸及びケイバナドタングステン酸からなる群より選択されるものであってよい。
本態様の一形態において、上記タングステン化合物は、[PO{WO(O3−で表されるアニオン構造を有する化合物を含む。このようなタングステン化合物によれば、上述の反応系において、優れた反応性と良好な選択率とを両立することができる。
本態様の他の形態において、上記タングステン化合物は、[{WO(O(μ−O)]2−で表されるアニオン構造を有する化合物を含む。このようなタングステン化合物によれば、上述の反応系において、優れた反応性と良好な選択率とを両立することができる。
本態様において、上記タングステン化合物は、タングステンを含むオキソ酸の四級アンモニウム塩を含むものであってよい。このようなタングステン化合物が添加された反応系では、四級アンモニウムカチオンが相間移動触媒として働き得るため、一層優れた反応性及び選択性が得られる傾向にある。
本態様において、上記タングステン化合物は、担体に担持されて固定化されたタングステン化合物であってもよい。固定化されたタングステン化合物としては、例えば、Journal of the American ChemicalSociety,2005年,第127(2)巻,p.530−531に記載された[{W(=O)(O(HO)}(μ−O)]2−/SiO;Angewandth Chemie International Edition,2011年,第50巻,p.12062−12066に記載されたW−Zn/SnO;等が挙げられる。
なお、[{W(=O)(O(HO)}(μ−O)]2−/SiOは、SiOに[{W(=O)(O(HO)}(μ−O)]2−が担持された触媒を示し、W−Zn/SnOは、タングステン及び亜鉛を含む化合物が酸化スズに担持された触媒を示す。
本態様において、上記オレフィン化合物は、脂環式オレフィン化合物を含んでいてよい。本態様の製造方法によれば、脂環式オレフィン化合物を原料として、良好な選択率でエポキシ化合物を製造することができる。
上記脂環式オレフィン化合物は、シクロペンテン環を有するものであってよく、シクロヘキセン環を有するものであってもよく、テトラヒドロインデンであってもよく、ノルボルネン骨格を有するものであってもよく、α−ピネンであってもよく、下記式(2−1)で表される化合物であってもよい。
Figure 0006213932
また、本態様において、上記オレフィン化合物は非環式オレフィン化合物を含んでいてもよい。本態様の製造方法によれば、非環式オレフィン化合物を原料とした場合でも、良好な選択率でエポキシ化合物を製造することができる。なお、上記非環式オレフィン化合物は、炭素数2〜20のアルケンであってもよい。
本発明によれば、良好な選択率でオレフィン化合物からエポキシ化合物を合成可能な、エポキシ化合物の製造方法が提供される。
実施例A−1〜A−4及び比較例a−1〜a−3の結果から作成したグラフを示す図である。
本発明のエポキシ化合物の製造方法の好適な実施形態について以下に説明する。
本実施形態の製造方法は、タングステン化合物及び共役酸のpKaが1.5〜11.5である含窒素化合物が添加された反応系中で、オレフィン化合物と過酸化水素とを反応させてエポキシ化合物を得る工程を含む。
本実施形態の製造方法では、エポキシ化反応をタングステン化合物及び特定の含窒素化合物が添加された反応系中でエポキシ化反応を行うことにより、良好な選択率でエポキシ化合物を製造することができる。
また、エポキシ化反応では、例えば過酸化水素の添加量を増やすこと等により、反応速度を向上させることが可能であるが、従来では反応速度の向上に伴ってエポキシ化の選択率が著しく低下する傾向にあった。しかし、本実施形態に製造方法では、含窒素化合物の添加により、過酸化水素の添加量を増やすこと等により反応速度を向上させた場合でも、高いエポキシ化反応の選択率を維持することができる。
(オレフィン化合物)
本実施形態において、エポキシ化反応に供するオレフィン化合物は、エポキシ化可能なオレフィン化合物であれば特に制限されず、非環式オレフィン化合物であっても環式オレフィン化合物であっても使用することができる。
オレフィン化合物は、分子中に1つ以上のエポキシ化可能な炭素−炭素二重結合を有する化合物であればよく、分子中に1つのエポキシ化可能な炭素−炭素二重結合を有する化合物であっても、分子中に2つ以上のエポキシ化可能な炭素−炭素二重結合を有する化合物であってもよい。
オレフィン化合物はまた、脂環式オレフィン化合物であっても非環式オレフィン化合物であってもよい。脂環式オレフィン化合物としては、シクロペンテン環を有する化合物、シクロヘキセン環を有する化合物、ノルボルネン骨格を有する化合物、環状テルペン骨格を有する化合物等が挙げられる。
また、非環式オレフィン化合物としては、例えば、アルケン、アルカジエン、アルカトリエン、及びこれらから水素原子を一つ除いた原子団からなる基を有する化合物が挙げられる。
オレフィン化合物は、炭素−炭素二重結合以外に官能基を有していてもよく、当該官能基の例としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、ニトロ基、スルホン酸基、カルボニル基、水酸基、−CHO、−CN、−COOR、−OR等が挙げられる(なお、Rはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアリールアルキル基を表す。)。
オレフィン化合物の具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1,3−ブタジエン、イソプレン、イソブテン、ジイソブチレン、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等の末端オレフィン;
プロピレンのトリマー、プロピレンのテトラマー等の末端オレフィンの多量体;
2−ブテン、2−オクテン、2−メチル−1−ヘキセン、2,3−ジメチル−2−ブテン等の分子内オレフィン;
シクロペンテン、シクロヘキセン、1−フェニル−1−シクロヘキセン、1−メチル−1−シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロデセン、シクロペンタジエン、シクロデカトリエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、メチレンシクロプロパン、メチレンシクロペンタン、メチレンシクロヘキサン、ビニルシクロヘキサン、ノルボルネン、テトラヒドロインデン、インデン、4−ビニル−1−シクロへセン等の脂環式オレフィン;
リモネン、α−ピネン、β−ピネン、フェランドレン等のテルペン類;
ビスフェノールAのジアリルエーテル化合物、ビスフェノールFのジアリルエーテル化合物、水添ビスフェノールAのジアリルエーテル化合物、水添ビスフェノールFのジアリルエーテル化合物等のアリル変性物;
等が挙げられる。
これらのうち、例えば、上記アリル変性物、4−ビニル−1−シクロヘキセン、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル及びテトラヒドロインデンは、そのエポキシ化物の工業上の有用性が高いため、好適に用いることができる。また、例えば、下記式(2−1)で表される化合物もオレフィン化合物として好適に用いることができる。
Figure 0006213932
(過酸化水素)
過酸化水素は酸化剤であり、本実施形態の製造方法は、酸化剤として過酸化水素を採用したエポキシ化反応において、特に上述の優れた効果を奏するものである。過酸化水素は、安全面及び作業効率に優れる観点から、10〜70%の過酸化水素水として反応系に供することが好ましい。
反応系に供される過酸化水素及びオレフィン化合物の比率は、必ずしも制限されないが、オレフィン化合物が有するエポキシ化可能な炭素−炭素二重結合のモル数(M)に対する過酸化水素のモル数(M)の比M/Mが、0.1〜10の範囲であることが好ましい。
過酸化水素は、上記工程の初めに反応に必要な量を全て反応系に供してもよく、反応の進行に応じて逐次に反応系に供してもよい。
(タングステン化合物)
タングステン化合物は反応系中でエポキシ化反応の触媒として働く。本実施形態の製造方法は、触媒としてタングステン化合物を採用したエポキシ化反応において、特に上述の優れた効果を奏するものである。
タングステン化合物は、反応系中で不均一触媒として働くものであっても均一系触媒として働くものであってもよいが、均一系触媒として働くことが好ましい。
タングステン化合物は、エポキシ化反応の反応性が良好となる観点から、タングステンを含むオキソ酸又はその塩を含む、すなわち、タングステンを含むオキソ酸アニオンを含むことが好ましい。
タングステンを含むオキソ酸としては、タングステン酸及びタングステンを含むヘテロポリ酸が挙げられる。また、タングステンを含むヘテロポリ酸としては、中心金属としてP、Si、As、Seを含むタングステン酸や、タングステンの一部をバナジウムなどの金属で置換したリンバナドタングステン酸、ケイバナドタングステン酸などが挙げられる。
タングステンを含むオキソ酸アニオンの具体例としては、[PO{WO(O3−、[{WO(O(μ−O)]2−、[AsO{WO(O3−、[HPO{WO(O2−、[SeO{WO(O2−、[γ−SiW1034(HO)4−等が挙げられる。これらのうち、タングステン化合物は、[PO{WO(O3−又は[{WO(O(μ−O)]2−を含むことが好ましい。これらのアニオン構造を含むタングステン化合物によれば、上述の反応系において、優れた反応性と良好な選択性とを両立することができる。また、これらのタングステン化合物には、容易に製造することができ、安価に供給され得るという利点もある。
タングステン化合物がオキソ酸アニオンを含むとき、その対カチオンは、特に制限されず、例えば、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、アンモニウムカチオン、四級アンモニウムカチオン、四級ホスホニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピラゾリウムカチオン等であってよい。ここで対カチオンが四級アンモニウムカチオン、四級ホスホニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン又はピラゾリウムカチオンであると、これらは反応系中で相間移動触媒として働き得るため、エポキシ化反応の反応効率の一層の向上が見込まれる。
四級アンモニウムカチオンとしては、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラプロピルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラメチルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、トリオクチルエチルアンモニウム、ジラウリルジメチルアンモニウムカチオン、ラウリルトリメチルアンモニウムカチオン、ステアリルトリメチルアンモニウムカチオン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムカチオン、ジステアリルジメチルアンモニウムカチオン、トリカプリルメチルアンモニウムカチオン、ジデシルジメチルアンモニウムカチオン、ベンジルトリメチルアンモニウムカチオン、ベンジルトリエチルアンモニウムカチオン、ジセチルジメチルアンモニウムカチオン、セチルトリメチルアンモニウムカチオン等が挙げられる。
また、四級アンモニウムカチオンとしては、(R21 N)で表される四級アンモニウムカチオンが好適である。ここでR21は、C〜C24の炭化水素基であり、好ましくはC〜C24のアルキル基であり、フェニル基又はベンジル基を含んでいてもよい。なお、4つのR21は、互いに同一でも異なっていてもよい。
四級ホスホニウムカチオンとしては、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラフェニルホスホニウムカチオン等が挙げられる。また、四級ホスホニウムカチオンとしては、(R22 P)で表される四級ホスホニウムカチオンが好適である。ここでR22は、C〜C24の炭化水素基であり、好ましくはC〜C24のアルキル基であり、フェニル基又はベンジル基を含んでいてもよい。なお、4つのR22は、互いに同一でも異なっていてもよい。
タングステン化合物の具体例について説明すると、タングステン化合物は下記式(4−1)で表される化合物であってよい。
[(R21N][PO{WO(O] …(4−1)
式中、R21は上記と同様にC〜C24の炭化水素基であり、好ましくはC〜C24のアルキル基であり、フェニル基又はベンジル基を含んでいてもよく、複数存在するR21は互いに同一でも異なっていてもよい。
式(4−1)中の[(R21N]の好適例としては、[(n−C13N]、[(n−C17NCH]、[(n−CNCH]、[(n−C1837(76%)+n−C1633(24%))N(CH]等が挙げられる。
また、タングステン化合物は下記式(4−2)で表される化合物であってもよい。
[(R21N][{WO(O(μ−O)] …(4−2)
式中、R21は上記と同様にC〜C24の炭化水素基であり、好ましくはC〜C24のアルキル基であり、フェニル基又はベンジル基を含んでいてもよく、複数存在するR21は互いに同一でも異なっていてもよい。
式(4−2)中の[(R21N]の好適例としては、[(n−CN]、[(n−CN]等が挙げられる。
また、タングステン化合物の具体例としては、上記以外にもタングステン酸、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、タングステン酸リチウム、タングステン酸アンモニウム等のタングステン酸及びその塩;ドデカタングステン酸、ドデカタングステン酸ナトリウム、ドデカタングステン酸カリウム、ドデカタングステン酸アンモニウム等のドデカタングステン酸及びその塩;リンタングステン酸、リンタングステン酸ナトリウム、ケイタングステン酸、ケイタングステン酸ナトリウム、リンバナドタングステン酸、、リンモリブドタングステン酸等のヘテロポリ酸及びその塩;を好適に用いることができる。これらのうち、タングステン酸、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、リンタングステン酸はより好適であり、またこれまで例示したタングステン化合物は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
反応系に供するタングステン化合物の量は、オレフィン化合物の総量を基準として、タングステン原子換算で、0.001質量%〜30質量%であることが好ましく、0.01質量%〜20質量%であることがより好ましい。
なお、タングステン化合物としては、エポキシ化反応の触媒として用いられる公知の触媒を適宜選択して用いることができる。例えば、タングステン化合物は、The Journal of Organic Chemistry,1988年,第53巻,p.1553−1557、米国特許第4,562,276号明細書、米国特許第4,595,671号明細書、米国特許第5,274,140号明細書、特許公開第2002−080469号明細書等に記載の触媒であってもよい。
また、タングステン化合物としては、上述のThe Journal of Organic Chemistryに記載の方法に従って調製された固体の形態(例えば[(n−C13N]3[PO{WO(O])の触媒を好適に用いることができ、また、特許公開第2002−080469号明細書に記載の液体組成物の形態(例えば[(n−C17NCH]Cl+NaWO+HPO)触媒も好適に用いることができる。
また、タングステン化合物としては、不均一系触媒を用いることができる。不均一系触媒としては、例えば、担体に担持されて固定化されたタングステン化合物が挙げられる。タングステン化合物を固定化する固定化担体としては、SiO2、SnO、Al、ZrO、CeO等の金属酸化物を好適に用いることができる。また、ゼオライト、メソポーラスシリカ等の規則性多孔体、ヒドロキシアパタイト、ハイドロタルサイト、架橋ポリマー担体、イオン交換樹脂等を用いることもできる。固定化方法としては、通常の含浸担持の他、イオン液体を担体表面に修飾し、イオン結合によってタングステン化合物を固定化する方法が挙げられる。
不均一系触媒のタングステン化合物の具体例としては、特開2003−238545号公報に記載の欠損型ポリオキソメタレートアニオンの4級アンモニウム塩;Journal of the American ChemicalSociety,2005年,第127(2)巻,p.530−531(非特許文献1)に記載された[{W(=O)(O(HO)}(μ−O)]2−/SiO(以下、場合により「W2/SiO」と称する。);Angewandth Chemie International Edition,2011年,第50巻,p.12062−12066(非特許文献2)に記載されたW−Zn/SnO;等が挙げられる。なお、[{W(=O)(O(HO)}(μ−O)]2−/SiOは、SiOに[{W(=O)(O(HO)}(μ−O)]2−が担持された触媒を示し、W−Zn/SnOは、タングステン及び亜鉛を含む化合物が酸化スズに担持された触媒を示す。
以下に、本実施形態に好適に使用できるタングステン化合物の一態様について、詳細に例示する。
本態様のタングステン化合物は、原料として(a)タングステン酸と(b)水酸化アンモニウム化合物を用い、これらを反応させることにより得られる、タングステンペルオキシド化合物である。以下に、原料として(a)タングステン酸と(b)水酸化アンモニウム化合物を用い、これらを反応させることにより、タングステンペルオキシド化合物を製造する方法について示す(以下、本態様の方法という。)。
(b)水酸化アンモニウム化合物は、(HN)(OH)、(HN)(OH)、(H)(OH)、(HRN)(OH)、または(RN)(OH)で表される化合物である。式中、R〜Rは、それぞれ同一でも異なっていても良く、炭素数が1〜18の直鎖または分岐のアルキル基、シクロアルキル基、ベンジル基などを示し、またそれらは窒素や酸素を含んでいても良い。
〜Rとしては、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシルなどのアルキル基が挙げられ、途中で分岐や環状になっていても良い。ほかにも、ベンジル基や水酸基が入ったものも可能であり、ベンジルトリメチル、ベンジルトリエチル、2−ヒドロキシエチルトリメチル、ヘキサデシルトリメチル、トリメチル−3−トリフルオロメチルフェニル、トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルなどの官能基も挙げられる。また、セチルピリジニウム基なども使用可能である。より好ましくは、炭素数が1〜8の水酸化テトラアルキルアンモニウム、水酸化アルキルピリジニウムである。
(b)水酸化アンモニウム化合物としては、特に(RN)(OH)で表される化合物が好ましい。このR〜Rは、各々異なっても又は全て同じでもよいが、全て同じアルキル基であることが好ましい。上記アルキル基は、炭素数が1〜12の直鎖及び/又は分岐を有するアルキル基であることが好ましく、炭素数が1〜12の直鎖のアルキル基がより好ましく、炭素数が1〜8の直鎖のアルキル基が更に好ましく、n−ブチルが最も好ましい。したがって、本態様の方法において(b)水酸化アンモニウム化合物としては、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウムが最も好ましい。
本態様の方法では、まずタングステン酸を過酸化水素水に加えて撹拌し、タングステン酸が懸濁ないし溶解した溶液を得る。次に、水酸化アンモニウム化合物を加えることにより反応を行わせる。このとき使用する過酸化水素水の濃度は任意であるが、安全面や効率の観点から10%〜70%の過酸化水素水が好ましい。
タングステン酸の量は、過酸化水素水の濃度に応じて適宜設定し得るものであるが、例えば30%の過酸化水素水を用いた場合、その使用量は30%過酸化水素水100mlに対して、通常5〜50g、好ましくは10〜30gの量を添加する。撹拌時間については特に限定はないが、タングステン酸が過酸化水素水に十分に懸濁ないし溶解するに足りる時間であり、通常は10分〜10時間である。
タングステン酸と水酸化アンモニウム化合物の比率は特に限定されないが、イオン当量比で(タングステン酸のアニオン)/(カウンターカチオン)が0.01〜100の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜10の範囲である。
反応後、不溶分をろ過し、反応生成物が溶解しているろ液を溶媒(以下、沈殿溶媒と称する。)に添加することにより、沈殿溶媒に不溶なタングステンペルオキシド化合物を沈殿物として析出させて回収することができる。
また、ろ液は沈殿溶媒に添加する前に濃縮しておくことが効率の面から好ましい。濃縮の程度は任意であるが、2〜10倍に濃縮しておくことが好ましい。沈殿溶媒はタングステンペルオキシド化合物を析出させることができる溶媒であれば特に限定されるものではないが、ジエチルエーテルとイソプロピルアルコールの混合溶液が特に好ましく用いられる。
上記により得られた沈殿物は、精製処理を施すことが好ましい。精製方法としては、良溶媒および貧溶媒による積層法、または蒸気拡散法が好ましい。良溶媒および貧溶媒による積層法とは、沈殿物を良溶媒に溶解させた溶液に貧溶媒を少しずつ加え、溶解度の差を利用して結晶成長させる手法である。また蒸気拡散法とは、沈殿物を良溶媒に溶解させた溶液を、上部を開けた容器に入れ、その容器ごと貧溶媒の入った容器に入れ密封する。しばらくすると、両溶媒の蒸気圧平衡でどちらの容器も同じ比率の溶媒比になり、こちらも溶解度の差を利用して結晶成長させる方法である。
良溶媒としては、タングステンペルオキシド化合物が溶解する限りにおいて特に制限は無く用いることができ、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルまたはイソプロパノール、第三級ブタノール等の炭素数1〜6の第一、二、三級の一価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の多価アルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸tert−ブチル、安息香酸メチル等のエステル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等、炭酸ジメチルのカーボネート類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ニトロメタン、アセトニトリル、ベンゾニトリル等の窒素化合物などが挙げられる。これらの中でも、メタノール、エタノール、ノルマルまたはイソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、炭酸ジメチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリルが好ましく用いられ、アセトンおよびアセトニトリルが特に好ましい。
貧溶媒としては特に限定されるものではなく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素;エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン等のノルボルネン化合物等が挙げられる。これらの中でも、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタンが好ましく用いられ、ジエチルエーテルが特に好ましい。
良溶媒と貧溶媒の使用割合は任意であり、沈殿物を溶解する良溶媒の量は多すぎると結晶が析出しないため、良溶媒は多すぎない方が好ましい。一方貧溶媒は多すぎると十分な結晶成長ができないため、適度な量が必要である。従って、良溶媒/貧溶媒は容量比で0.001〜1000が好ましく、より好ましくは0.01〜100の範囲である。
従来知られている方法では、タングステンペルオキシド化合物以外にも不純物が生成し、顕微鏡などを用いて結晶形態を観察しながらの振り分けが必要だったため、工業的には製造が難しく、また収率も低かった。また、従来法ではハロゲンを含む原料を用いていたため、エポキシ化合物にハロゲンが含有するという工業的に使用が限られた触媒であった。本態様の方法よりタングステンペルオキシド化合物を高い収率で容易に製造することができ、得られるタングステンペルオキシド化合物はハロゲンを含まないため、エポキシ化触媒として使用することにより、低ハロゲンの製品を容易に製造することができる。
本態様の方法により、例えば、(RN)[{WO(O(μ−O)]、(RHN)[{WO(O(μ−O)]、(RN)[{WO(O(μ−O)]、(RN)[{WO(O(μ−O)]、(HN)[{WO(O(μ−O)]などのタングステンペルオキシド化合物を製造することができるが、これらの化合物に限定されるものではない。なお、式中のμは架橋原子を表す。
本態様にかかるタングステンペルオキシド化合物は、プロトン、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、アンモニウムカチオンや四級アルキルアンモニウムカチオン等のカチオンを保有することができる。中でも四級アルキルアンモニウムカチオンが好ましい。オレフィン化合物のエポキシ化反応において高い触媒活性を有するためである。
(相間移動触媒)
本実施形態では、反応系に相間移動触媒をさらに添加することもできる。これによりエポキシ化反応の反応効率が一層向上する傾向にある。なお、上述のとおりタングステン化合物中に相間移動触媒として働き得るカチオン等が存在する場合には、必ずしも相間移動触媒を添加せずとも、反応効率の向上効果を得ることができる。
相間移動触媒としては、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、ピラゾリウム塩等が挙げられる。
四級アンモニウム塩としては、塩化テトラヘキシルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化トリオクチルエチルアンモニウム、塩化ジラウリルジメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化トリカプリルメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム等の塩化物;臭化テトラヘキシルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラプロピルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化トリオクチルメチルアンモニウム、臭化トリオクチルエチルアンモニウム、臭化ジラウリルジメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化トリカプリルメチルアンモニウム、臭化ジデシルジメチルアンモニウム、臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、臭化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化ジセチルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム等の臭化物;ヨウ化テトラヘキシルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化トリオクチルメチルアンモニウム、ヨウ化トリオクチルエチルアンモニウム、ヨウ化ジラウリルジメチルアンモニウム、ヨウ化ラウリルトリメチルアンモニウム、ヨウ化ステアリルトリメチルアンモニウム、ヨウ化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、ヨウ化ジステアリルジメチルアンモニウム、ヨウ化トリカプリルメチルアンモニウム、ヨウ化ジデシルジメチルアンモニウム、ヨウ化ベンジルトリメチルアンモニウム、ヨウ化ベンジルトリエチルアンモニウム、ヨウ化ジセチルジメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム等のヨウ化物;リン酸水素化トリオクチルメチルアンモニウム、リン酸水素化トリオクチルエチルアンモニウム、リン酸水素化ジラウリルジメチルアンモニウム、リン酸水素化ラウリルトリメチルアンモニウム、リン酸水素化ステアリルトリメチルアンモニウム、リン酸水素化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、リン酸水素化ステアリルジメチルアンモニウム、リン酸水素化トリカプリルメチルアンモニウム、リン酸水素化ジデシルジメチルアンモニウム、リン酸水素化テトラブチルアンモニウム、リン酸水素化ベンジルトリメチルアンモニウム、リン酸水素化ベンジルトリエチルアンモニウム等のリン酸水素化物;硫酸水素化テトラヘキシルアンモニウム、硫酸水素化テトラブチルアンモニウム、硫酸水素化テトラプロピルアンモニウム、硫酸水素化テトラエチルアンモニウム、硫酸水素化テトラメチルアンモニウム、硫酸水素化トリオクチルメチルアンモニウム、硫酸水素化トリオクチルエチルアンモニウム、硫酸水素化ジラウリルジメチルアンモニウム、硫酸水素化ラウリルトリメチルアンモニウム、硫酸水素化ステアリルトリメチルアンモニウム、硫酸水素化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、硫酸水素化ジステアリルジメチルアンモニウム、硫酸水素化トリカプリルメチルアンモニウム、硫酸水素化ジデシルジメチルアンモニウム、硫酸水素化ベンジルトリメチルアンモニウム、硫酸水素化ベンジルトリエチルアンモニウム、硫酸水素化セチルジメチルアンモニウム、硫酸水素化セチルトリメチルアンモニウム等の硫酸水素化物;水酸化テトラヘキシルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化トリオクチルメチルアンモニウム、水酸化トリオクチルエチルアンモニウム、水酸化ジラウリルジメチルアンモニウム、水酸化ラウリルトリメチルアンモニウム、水酸化ステアリルトリメチルアンモニウム、水酸化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、水酸化ジステアリルジメチルアンモニウム、水酸化トリカプリルメチルアンモニウム、水酸化ジデシルジメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリエチルアンモニウム、水酸化ジセチルジメチルアンモニウム、水酸化セチルトリメチルアンモニウムカチオン等の水酸化物;等が挙げられる。
四級ホスホニウム塩としては、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムブロミド等の臭化物;テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムクロリド等の塩化物;テトラブチルホスホニウムアイオダイド、テトラフェニルホスホニウムアイオダイド等のヨウ化物;テトラブチルホスホニウムハイドロホスフェート、テトラフェニルホスホニウムアハイドロホスフェート等のリン酸水素化物;テトラブチルホスホニウムハイドロサルフェート、テトラフェニルホスホニウムアハイドロサルフェート等の硫酸水素化物;等が挙げられる。
ピリジニウム塩としては、塩化ブチルピリジニウム、塩化ドデシルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム等の塩化物;等が挙げられる。
本実施形態において、相間移動触媒は、塩化テトラヘキシルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化トリオクチルエチルアンモニウム、塩化ジラウリルジメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化トリカプリルメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、硫酸水素化テトラヘキシルアンモニウム、硫酸水素化テトラブチルアンモニウム、硫酸水素化テトラプロピルアンモニウム、硫酸水素化テトラエチルアンモニウム、硫酸水素化テトラメチルアンモニウム、硫酸水素化トリオクチルメチルアンモニウム、硫酸水素化トリオクチルエチルアンモニウム、硫酸水素化ジラウリルジメチルアンモニウム、硫酸水素化ラウリルトリメチルアンモニウム、硫酸水素化ステアリルトリメチルアンモニウム、硫酸水素化ジラウリルジメチルベンジルアンモニウム、硫酸水素化ステアリルジメチルアンモニウム、硫酸水素化トリカプリルメチルアンモニウム、硫酸水素化ジデシルジメチルアンモニウム、硫酸水素化ベンジルトリメチルアンモニウム、硫酸水素化ベンジルトリエチルアンモニウム、硫酸水素化セチルジメチルアンモニウム及び硫酸水素化セチルトリメチルアンモニウムからなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、塩化テトラヘキシルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化ジラウリルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウムカチオン、硫酸水素化テトラヘキシルアンモニウム、硫酸水素化テトラブチルアンモニウム、硫酸水素化テトラプロピルアンモニウム、硫酸水素化テトラエチルアンモニウム、硫酸水素化テトラメチルアンモニウム、硫酸水素化トリオクチルメチルアンモニウム、硫酸水素化ジラウリルジメチルアンモニウム、硫酸水素化ジセチルジメチルアンモニウム、硫酸水素化セチルトリメチルアンモニウムカチオン、水酸化テトラヘキシルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化トリオクチルメチルアンモニウム、水酸化ジラウリルジメチルアンモニウム、水酸化ジセチルジメチルアンモニウム及び水酸化セチルトリメチルアンモニウムからなる群より選択される少なくとも一種を含むことがより好ましい。なお、これらの好適な相間移動触媒のカチオン部分が、タングステンを含むオキソ酸アニオンの対アニオンとして、タングステン化合物に含まれている態様も好適である。
相間移動触媒を反応系に添加するとき、その添加量は、例えば、オレフィン化合物の総量を基準として、カチオン部分の質量相当で0.0001質量%〜30質量%とすることが好ましく、より好ましくは0.001質量%〜20質量%である。
(鉱酸)
本実施形態では、反応系に鉱酸をさらに添加することもできる。鉱酸としては、例えば、リン酸、硫酸、塩酸、過塩素酸、ヘキサフルオロケイ酸、硝酸、テトラフルオロケイ酸等が挙げられる。これらのうち、好ましくはリン酸及び硫酸であり、より好ましくはリン酸である。
鉱酸を反応系に添加するとき、その添加量は、例えば、オレフィン化合物の総量基準で、0.0001質量%〜30質量%とすることができ、好ましくは0.001質量%〜20質量%である。
(溶媒)
本実施形態において、エポキシ化反応は溶媒の存在下で行うことができる。溶媒は、例えば、原料として用いる過酸化水素水に由来する水を含み、場合により、更に水溶性有機溶媒及び/又は非水溶性有機溶媒を含む。すなわち、反応系は、水及び水溶性有機溶媒を含む単相系であっても、水及び非水溶性有機溶媒を含む二相系であってもよい。
本実施形態で使用し得る溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、第三級ブタノール等の炭素数1〜6の第一、二又は三級の一価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の多価アルコール;エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸tert−ブチル、安息香酸メチル等のエステル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、炭酸ジメチル等のカーボネート類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ニトロメタン、アセトニトリル、ベンゾニトリル等の含窒素溶媒;リン酸トリエチル、リン酸ジエチルヘキシル等のリン酸エステル等のリン化合物;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素;エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン等のノルボルネン化合物が挙げられる。
また、溶媒としては、炭素数1〜4のアルコール類、クロロホルム、ジクロロメタン、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、インダン、インデン、ヒドリンダン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、炭酸ジメチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等を好適に用いることができ、これらの混合物を用いることもできる。
本実施形態において、反応系は必ずしも水を含む必要はなく、また、本実施形態では、溶媒を用いずに(ニート(neat)で)反応を行うこともできる。
(含窒素化合物)
本実施形態において、含窒素化合物は、共役酸のpKaが1.5〜11.5である。共役酸のpKaが1.5未満の含窒素化合物では、エポキシ化反応の選択性の向上効果が十分に得られない。また、共役酸のpKaが11.5を超えると、エポキシ化反応性の向上効果が十分に得られず、且つ、エポキシ化反応の反応性が著しく低下する。
本実施形態では、反応系にこのような含窒素化合物を添加することにより、エポキシ化反応の反応性はわずかながら低下するものの、エポキシ化反応の選択性が著しく向上する。エポキシ化反応の選択性向上効果がより顕著に得られる観点からは、含窒素化合物は、共役酸のpKaが2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましい。また、エポキシ化反応の選択性向上効果がより顕著に得られ、且つエポキシ化反応の反応性が良好になる観点からは、含窒素化合物は、共役酸のpKaは11以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。
含窒素化合物としては、含窒素複素環化合物を好適に用いることができる。なお、本明細書中、含窒素複素環化合物は、窒素原子を含む環状構造を有する化合物を示す。
含窒素芳香環化合物としては、例えば、イミダゾール環を有する化合物、ピリジン環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物が挙げられる。
イミダゾール環を有する含窒素芳香環化合物としては、イミダゾール(共役酸のpKaは7.18)、N−アセチルイミダゾール(共役酸のpKaは3.6)、1−メチルイミダゾール(共役酸のpKaは7.0)等が挙げられる。
ピリジン環を有する化合物としては、ピリジン(共役酸のpKaは5.23)、ジメチルアミノピリジン(共役酸のpKaは9.52)、2,3−ルチジン(共役酸のpKaは6.5)等が挙げられる。
ピラゾール環を有する化合物としては、ピラゾール(共役酸のpKaは2.83)等が挙げられる。
なお、イミダゾール環を有する化合物は、下記式(1−1)で表される構造を有する化合物であり、ピリジン環を有する化合物は、下記式(1−2)で表される構造を有する化合物であり、ピラゾール環を有する化合物は、下記式(1−3)で表される構造を有する化合物である。
Figure 0006213932
含窒素芳香環化合物は、例えば、下記式(1−1a)、(1−2a)又は(1−3a)で表される化合物であってよい。
Figure 0006213932
式中、R11、R12、R13、R14及びR15は、それぞれ独立に水素原子又は1価の置換基を示し、これらのうち任意の二つが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
1価の置換基は、含窒素芳香環化合物の共役酸のpKaが1.5〜11.5となる範囲で、適宜選択することができる。1価の置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜12のアリール基、より好ましくは炭素数6〜9のアリール基)、アリールアルキル基(好ましくは炭素数6〜36のアリールアルキル基、より好ましくは炭素数6〜12のアリールアルキル基)、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、より好ましくは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基)、フッ化アルキル基(好ましくは炭素数1〜10のフッ化アルキル基、より好ましくは炭素数1〜5のフッ化アルキル基)、アミノ基、ジアルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、より好ましくは炭素数2〜10のジアルキルアミノ基)等が挙げられる。
また、R11、R12、R13、R14及びR15のうち任意の二つが互いに結合して環構造を形成した化合物としては、例えば、キノリン(共役酸のpKaは4.8)、ベンゾイミダゾール(共役酸のpKaは6.00)、2,4−ジヒドロキシキノリン(共役酸のpKaは5.86、イソキノリン(共役酸のpKaは5.14)が挙げられる。
含窒素芳香環化合物としては、例えば、ピラゾール(共役酸のpKaは2.83)、ピリジン(共役酸のpKaは5.23)、イミダゾール(共役酸のpKaは7.18)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(共役酸のpKaは9.52)、N−アセチルイミダゾール(共役酸のpKaは3.6)、1−フェニルイミダゾール(共役酸のpKaは5.5)、2,3−ルチジン(共役酸のpKaは6.5)及び1−メチルイミダゾール(共役酸のpKaは7.0)が好適である。これらの含窒素芳香環化合物によれば、優れた反応性及び選択性をより確実に得ることができる。
(反応条件)
本実施形態では、上述のとおり、タングステン化合物及び共役酸のpKaが1.5〜11.5である含窒素化合物が添加された反応系中で、オレフィン化合物と過酸化水素とを反応させてエポキシ化合物を得る。
上記反応の反応条件には、公知のエポキシ化反応の反応条件を適用することができる。例えば、反応温度は、0℃以上100℃以下であることが好ましく、より好ましくは20℃以上90℃以下である。また、反応時間は、1分以上400時間以下であることが好ましく、より好ましくは30分以上100時間以下である。また、反応圧力は、任意であるが、20気圧以下が好ましく、より好ましくは10気圧以下であり、減圧下で反応を行うこともできる。また、反応後は公知の精製操作等を経て、反応系からエポキシ化合物を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例におけるオレフィン化合物の転化率、エポキシ化合物の収率及びエポキシ化反応の選択率は、反応後の反応系から測定サンプルを採取し、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて測定サンプルに含有する化合物の同定及び定量を行い、その結果から以下の方法により求めた。
(オレフィン化合物の転化率)
GCによる同定及び定量結果から、反応で消費されたオレフィン化合物の総量A(mol)を求め、反応に用いたオレフィン化合物の総量A(mol)に対する反応で消費されたオレフィン化合物の総量A(mol)の比A/Aから、下記式(I)によりオレフィン化合物の転化率を求めた。
Figure 0006213932
(エポキシ化合物の収率)
GCによる同定及び定量結果から、反応で得られたエポキシ化合物の総量B(mol)を求め、反応に用いたオレフィン化合物の総量A(mol)に対する反応で得られたエポキシ化合物の総量B(mol)の比B/Aから、下記式(II)によりエポキシ化合物の収率を求めた。
Figure 0006213932
なお、オレフィン化合物が分子中に2つ以上のエポキシ化可能な炭素−炭素二重結合を有する化合物である場合は、当該二重結合のうち少なくとも1つがエポキシ化された化合物の総量を、総量Bとした。
(エポキシ化反応の選択率)
上記の結果求められたオレフィン化合物の転化率(%)とエポキシ化合物の収率(%)とから、下記式(III)によりエポキシ化反応の選択率を求めた。
Figure 0006213932
実施例及び比較例において、オレフィン化合物が分子中にエポキシ化可能な炭素−炭素二重結合を2つ有する化合物であった場合には、以下の方法により、ジエポキシド化合物の収率及びジエポキシド化反応の選択率を求めた。
(ジエポキシド化合物の収率)
GCによる同定及び定量結果から、反応で得られたジエポキシ化合物の総量B(mol)を求め、反応に用いたオレフィン化合物の総量A(mol)に対する反応で得られたジエポキシ化合物の総量B(mol)の比B/Aから、下記式(IV)によりジエポキシ化合物の収率を求めた。
Figure 0006213932
(ジエポキシ化反応の選択率)
上記の結果求められたオレフィン化合物の転化率(%)とジエポキシ化合物の収率(%)とから、下記式(V)によりジエポキシ化反応の選択率を求めた。
Figure 0006213932
[実施例A−1]
(タングステン化合物の調製)
タングステン酸1gを30%過酸化水素水10ml中で1時間半撹拌し、白色の懸濁溶液(A)を得た。この懸濁溶液(A)に水酸化テトラブチルアンモニウム1M水溶液4mlを加え薄黄色の懸濁溶液(B)を得た。これをmembrane cellulose acetateで不溶分をろ過し、ろ液を2mlに濃縮した。この溶液をジエチルエーテル/イソプロピルアルコール(150ml/20ml)溶液に滴下したところ淡黄色粉末(C)が生成した。粉末(C)をろ別し、ジエチルエーテルで洗ったところ、白色粉末(D)1.4gが得られた。白色粉末(D)0.5gをアセトンに溶解させた後、この溶液をスクリュー管に入れ、ジエチルエーテルをゆっくりと積層させた。これを冷蔵庫で1日静置させたところ、板状結晶(E)0.37gが得られた。(D)に対する(E)の収率は75%、オーバーオール収率は52%であった。この結晶(E)を回収し、IRで測定したところ[(n−CN][{WO(O(μ−O)](以下、場合により「TBA−W2」と表す。)であることを確認した。
(エポキシ化合物の製造)
得られたTBA−W2を用いてテトラヒドロインデン(以下、場合により「THI」と表す。)のエポキシ化反応を行った。具体的には、試験管中でTHI(1mmol)をアセトニトリル5mlに溶解し、次いで、濃度が1Mになるようにアセトニトリル中に溶解させたピラゾール(共役酸のpKa:2.5)を、THIに対して1mol%加えた。
試験管中に、30%過酸化水素水を2当量(THIが有する二重結合の総molに対する過酸化水素の総molが1倍となる量)加え、その後、触媒としてTBA−W2をTHIに対して1mol%加えた。反応装置として株式会社テクノアプリケーションズの4ステーション有機合成装置を用い、撹拌数800rpm、305Kの条件で反応を行った。168時間反応後に反応系から採取された測定サンプルを用いて、上記の方法により、THIの転化率、エポキシ化合物の収率、エポキシ化反応選択率、ジエポキシ化合物の収率及びジエポキシ化反応選択率を求めた。結果は、THIの転化率が94.4%、エポキシ化合物の収率が62.1%、エポキシ化反応選択率が65.8%、ジエポキシ化合物の収率が41.6%、ジエポキシ化反応選択率が44.1%であった。
また、反応開始から30分後、60分後、90分後及び120分後にそれぞれ反応系から反応溶液を採取し、採取した各反応溶液について、上記の方法によりTHIの転化率を求め、当該転化率からTHIの消費量(mol)を求めた。各時間毎における、THI消費量から、下記式(VI)により、THI消費速度(mM/min)を求めた。なお、溶媒量は、反応開始時の反応溶液の総量とした。
Figure 0006213932
そして、上記の方法で得られた時間毎のTHI消費速度をプロットし、描かれる曲線の接線(原点を通る接線)の傾きを求め、当該傾きを、THI消費初期速度(mM/min)とした。実施例1におけるTHI消費初期速度は、0.2410mM/minであった。
[実施例A−2]
実施例A−1のピラゾールを、ピリジン(共役酸のpKa:5.2)に変更したこと以外は実施例A−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は92.8%、エポキシ化合物の収率は74.1%、エポキシ化反応選択率は79.8%、ジエポキシ化合物の収率は49.8%、ジエポキシ化反応選択率は53.7%、THI消費初期速度は0.193mM/minであった。
[実施例A−3]
実施例A−1のピラゾールをイミダゾール(共役酸のpKa:7.0)に変更したこと以外は実施例A−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は91.4%、エポキシ化合物の収率は88.5%、エポキシ化反応選択率は96.8%、ジエポキシ化合物の収率は80.3%、ジエポキシ化反応選択率は91.3%、THI消費初期速度は0.137mM/minであった。
[実施例A−4]
実施例A−1のピラゾールをN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(共役酸のpKa:9.2)(以下、場合により「DMAP」と表す。)に変更したこと以外は実施例A−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は85.7%、エポキシ化合物の収率は74.8%、エポキシ化反応選択率は87.3%、ジエポキシ化合物の収率は40.8%、ジエポキシ化反応選択率は47.6%、THI消費初期速度は0.102mM/minであった。
[比較例a−1]
ピラゾールを添加しなかったこと以外は、実施例A−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は96.7%、エポキシ化合物の収率は33.7%、エポキシ化反応選択率は34.9%、ジエポキシ化合物の収率は21.2%、ジエポキシ化反応選択率は21.9%、THI消費初期速度は0.306mM/minであった。
[比較例a−2]
実施例A−1のピラゾールをピラジン(共役酸のpKa:1.2)に変更したこと以外は、実施例A−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は94.5%、エポキシ化合物の収率は36.1%、エポキシ化反応選択率は38.2%、ジエポキシ化合物の収率は20.4%、ジエポキシ化反応選択率は21.6%、THI消費初期速度は0.260mM/minであった。
[比較例a−3]
実施例A−1のピラゾールをジアザビシクロウンデセン(共役酸のpKa:12.5)(以下、場合により「DBU」と表す。)に変更したこと以外は、実施例A−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は50.1%、エポキシ化合物の収率は41.8%、エポキシ化反応選択率は83.4%、ジエポキシ化合物の収率は9.4%、ジエポキシ化反応選択率は18.8%、THI消費初期速度は0.0963mM/minであった。
実施例A−1〜A−4及び比較例a−1〜a−3について、含窒素化合物の共役酸のpKaを横軸に取り、THI消費初期速度(mM/min)及びエポキシ化反応選択率(%)を縦軸に取ってグラフを作成したところ、図1に示すとおりとなった。なお、図1中、(a)は比較例a−1のエポキシ化反応選択率(%)を示す線であり、(b)は比較例a−1のTHI消費初期速度を示す線である。
表1に示すとおり、共役酸のpKaが所定範囲の実施例においては、高いエポキシ化反応選択率で反応が進行した。また、共役酸のpKaが範囲外である比較例a−2では、十分な選択率の向上効果が得られず、比較例a−3では、反応速度の著しい低下に伴う収率の低下がみられた。
実施例A−1〜A−4及び比較例a−1〜a−3の結果を表1に示す。なお、表中、「THI転化率」はTHIの転化率(%)を示し、「エポキシ収率(選択率)」は、エポキシ化合物の収率(%)及びエポキシ化反応の選択率(%)を示し、「ジエポキシド収率(選択率)」は、ジエポキシ化合物の収率(%)及びジエポキシ化反応の選択率(%)を示し、「初期速度」は、THI消費初期速度(mM/min)を示す。
Figure 0006213932
[実施例A−5]
実施例A−1のピラゾールをN−アセチルイミダゾール(共役酸のpKa:3.6)に変更したこと以外は実施例A−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は92.6%、エポキシ化合物の収率は87.1%、エポキシ化反応選択率は94.1%、ジエポキシ化合物の収率は59.2%、ジエポキシ化反応選択率は63.9%であった。
[実施例A−6]
実施例A−1のピラゾールを1−フェニルイミダゾール(共役酸のpKa:5.5)に変更したこと以外は実施例A−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は95.0%、エポキシ化合物の収率は82.0%、エポキシ化反応選択率は86.4%、ジエポキシ化合物の収率は59.4%、ジエポキシ化反応選択率は63.5%であった。
[実施例A−7]
実施例A−1のピラゾールを2,3−ルチジン(共役酸のpKa:6.5)に変更したこと以外は実施例A−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は94.5%、エポキシ化合物の収率は68.3%、エポキシ化反応選択率は74.5%、ジエポキシ化合物の収率は43.2%、ジエポキシ化反応選択率は45.7%であった。
[実施例A−8]
実施例A−1のピラゾールを1−メチルイミダゾール(共役酸のpKa:7.0)に変更したこと以外は実施例A−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は92.9%、エポキシ化合物の収率は85.0%、エポキシ化反応選択率は91.5%、ジエポキシ化合物の収率は57.6%、ジエポキシ化反応選択率は62.0%であった。
実施例A−5〜A−8の結果を表2に示す。
Figure 0006213932
[実施例B−1]
実施例A−3の反応温度を305Kから323Kに変更し、TBA−W2の添加量を5.0mol%に変更したこと以外は、実施例A−3と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は91.2%、エポキシ化合物の収率は88.8%、エポキシ化反応選択率は97.3%、ジエポキシ化合物の収率は57.6%、ジエポキシ化反応選択率は63.1%であった。
[実施例B−2]
実施例B−1の過酸化水素の添加量を2.5当量に変更したこと以外は、実施例B−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は95.5%、エポキシ化合物の収率は92.9%、エポキシ化反応選択率は97.3%、ジエポキシ化合物の収率は69.5%、ジエポキシ化反応選択率は72.8%であった。
[実施例B−3]
実施例B−1の過酸化水素の添加量を4.0当量に変更したこと以外は、実施例B−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は100.0%、エポキシ化合物の収率は87.8%、エポキシ化反応選択率は87.8%、ジエポキシ化合物の収率は78.2%、ジエポキシ化反応選択率は78.2%であった。
[比較例b−1]
イミダゾールを添加しなかったこと以外は、実施例B−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は94.1%、エポキシ化合物の収率は75.5%、エポキシ化反応選択率は80.2%、ジエポキシ化合物の収率は52.2%、ジエポキシ化反応選択率は55.5%であった。
[比較例b−2]
イミダゾールを添加しなかったこと以外は、実施例B−2と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は97.4%、エポキシ化合物の収率は75.0%、エポキシ化反応選択率は77.0%、ジエポキシ化合物の収率は57.9%、ジエポキシ化反応選択率は59.4%であった。
[比較例b−3]
イミダゾールを添加しなかったこと以外は、実施例B−3と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は100.0%、エポキシ化合物の収率は35.6%、エポキシ化反応選択率は35.6%、ジエポキシ化合物の収率は33.2%、ジエポキシ化反応選択率は33.2%であった。
実施例B−1〜B−3及び比較例b−1〜b−3の結果を表3に示す。なお、表中、「過酸化水素添加量」は、反応系に添加した過酸化水素の量(当量)を示し、「含窒素化合物添加量」は、反応系に添加した含窒素化合物(イミダゾール)の量(mol%)を示す。
Figure 0006213932
[実施例C−1−1]
実施例A−3のTBA−W2を{(n−C13N}[PO{WO(O](以下、場合により「THA−PW4」と表す。)に変更し、イミダゾールの添加量を5.0mol%から1.0mol%に変更し、反応温度を305Kから323Kに変更し、反応時間を168時間から6時間に変更したこと以外は、実施例A−3と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は87.2%、エポキシ化合物の収率は78.0%、エポキシ化反応選択率は89.4%、ジエポキシ化合物の収率は46.6%、ジエポキシ化反応選択率は53.4%であった。
[実施例C−1−2]
実施例C−1−1のTHA−PW4の添加量を2.5mol%に変更し、イミダゾールの添加量を2.5mol%に変更したこと以外は、実施例C−1−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は99.7%、エポキシ化合物の収率は86.9%、エポキシ化反応選択率は87.1%、ジエポキシ化合物の収率は83.3%、ジエポキシ化反応選択率は83.6%であった。
[実施例C−1−3]
実施例C−1−1のTHA−PW4の添加量を4.0mol%に変更し、イミダゾールの添加量を2.5mol%に変更し、反応時間を3時間に変更したこと以外は、実施例C−1−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は99.7%、エポキシ化合物の収率は92.9%、エポキシ化反応選択率は93.2%、ジエポキシ化合物の収率は89.3%、ジエポキシ化反応選択率は89.5%であった。
[比較例c−1−1]
イミダゾールを添加しなかったこと以外は実施例C−1−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は98.2%、エポキシ化合物の収率は56.9%、エポキシ化反応選択率は58.0%、ジエポキシ化合物の収率は45.2%、ジエポキシ化反応選択率は46.1%であった。
[比較例c−1−2]
イミダゾールを添加しなかったこと以外は実施例C−1−2と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は99.1%、エポキシ化合物の収率は62.1%、エポキシ化反応選択率は62.7%、ジエポキシ化合物の収率は57.1%、ジエポキシ化反応選択率は57.6%であった。
[実施例C−2−1]
実施例C−1−1のTHA−PW4を、{(n−CN}[SO{WO(O](以下、場合により「TBA−SW2」と表す。)に変更し、TBA−SW2の添加量を5.0mol%とし、イミダゾール添加量を5.0mol%に変更したこと以外は、実施例C−1−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は84.1%、エポキシ化合物の収率は67.4%、エポキシ化反応選択率は80.2%、ジエポキシ化合物の収率は33.6%、ジエポキシ化反応選択率は40.0%であった。
[比較例c−2−1]
イミダゾールを添加しなかったこと以外は実施例C−2−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は95.8%、エポキシ化合物の収率は28.8%、エポキシ化反応選択率は30.0%、ジエポキシ化合物の収率は14.8%、ジエポキシ化反応選択率は15.4%であった。
[実施例C−3−1]
実施例C−1−1のTHA−PW4を、{(n−CN}(HSiW1036)}(以下、場合により「TBA−SiW10」と表す。)に変更し、TBA−SiW10の添加量を2.5mol%とし、イミダゾール添加量を2.5mol%に変更し、反応時間を3時間に変更したこと以外は、実施例C−1−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は92.4%、エポキシ化合物の収率は31.0%、エポキシ化反応選択率は33.5%、ジエポキシ化合物の収率は11.4%、ジエポキシ化反応選択率は12.4%であった。
[実施例C−3−2]
実施例C−3−1のイミダゾール添加量を5.0mol%に変更したこと以外は、実施例C−3−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は85.0%、エポキシ化合物の収率は40.9%、エポキシ化反応選択率は48.1%、ジエポキシ化合物の収率は14.5%、ジエポキシ化反応選択率は17.1%であった。
[比較例c−3−1]
イミダゾールを添加しなかったこと以外は実施例C−3−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は96.2%、エポキシ化合物の収率は23.4%、エポキシ化反応選択率は24.3%、ジエポキシ化合物の収率は9.1%、ジエポキシ化反応選択率は9.5%であった。
[実施例C−4−1]
実施例C−1−1のTHA−PW4を、[{(n−CN}(γ−HPV1040)](以下、場合により「TBA−PV10」と表す。)に変更し、反応時間を1.3時間に変更したこと以外は、実施例C−1−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は52.3%、エポキシ化合物の収率は28.2%、エポキシ化反応選択率は54.0%、ジエポキシ化合物の収率は12.3%、ジエポキシ化反応選択率は23.6%であった。
実施例C−1−1〜実施例C−4−1及び比較例c−1−1〜c−3−1の結果を表4に示す。なお、表中、「触媒(添加量)」は、用いたタングステン化合物の略称及び添加量(mol%)を示し、「含窒素化合物添加量」は、反応系に添加した含窒素化合物(イミダゾール)の量(mol%)を示す。
Figure 0006213932
[実施例D−1]
(エポキシ化合物の製造)
下記反応スキームに示すとおり、シクロヘキセンのエポキシ化反応を行った。
Figure 0006213932
上記反応スキーム中、化合物2aがエポキシ化合物であり、化合物3a、化合物4a及び化合物5aは、シクロヘキセン1aから生じる副生成物である。
具体的には、試験管中でシクロヘキセン(2mmol)をアセトニトリル5mlに溶解し、ここにイミダゾール(シクロヘキセンに対して5mol%)を加えた。次いで、30%過酸化水素水をシクロヘキセンに対して過酸化水素が2当量となる量で加え、触媒として[(n−C13N][AsO{WO(O](以下、場合により「AsW4」と表す。)(シクロヘキセンに対して5mol%)加えた。
反応装置として株式会社テクノアプリケーションズの4ステーション有機合成装置を用い、撹拌数800rpm、323Kの条件で反応を行った。24時間反応後に反応系から採取された測定サンプルを用いて、上記の方法により、シクロヘキセン1aの転化率と、エポキシ化合物2a、化合物3a、化合物4a及び化合物5aの収率を求めた。また、実施例A−1と同様にして、シクロヘキセン1aの消費初期速度(mM/min)を求めた。
その結果、シクロヘキセン1aの転化率は97%であり、エポキシ化合物2aの収率は92%であり、化合物5aの収率は2%であり、消費初期速度は3.42(mM/min)であった。なお、測定サンプルから化合物3a及び化合物4aは検出されなかった。
[実施例D−2]
触媒をTHA−PW4に変更したこと以外は実施例D−1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキセン1aの転化率は96%であり、エポキシ化合物2aの収率は91%であり、化合物5aの収率は2%であり、消費初期速度は2.19(mM/min)であった。なお、測定サンプルから化合物3a及び化合物4aは検出されなかった。
[実施例D−3]
触媒を[(n−CN][HPO{WO(O](以下、場合により「TBA−PW2」と表す。)に変更したこと以外は実施例D−1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキセン1aの転化率は90%であり、エポキシ化合物2aの収率は86%であり、化合物5aの収率は1%であり、消費初期速度は0.89(mM/min)であった。なお、測定サンプルから化合物3a及び化合物4aは検出されなかった。
[実施例D−4]
触媒をTBA−W2に変更したこと以外は実施例D−1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキセン1aの転化率は68%であり、エポキシ化合物2aの収率は67%であり、化合物4aの収率は1%未満であり、消費初期速度は1.02(mM/min)であった。なお、測定サンプルから化合物3a及び化合物5aは検出されなかった。
[実施例D−5]
触媒を[(n−CN][SeO{WO(O](以下、場合により「TBA−SeW2」と表す。)に変更したこと以外は実施例D−1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキセン1aの転化率は84%であり、エポキシ化合物2aの収率は65%であり、化合物4aの収率は1%であり、化合物5aの収率は3%であり、消費初期速度は2.42(mM/min)であった。なお、測定サンプルから化合物3aは検出されなかった。
[実施例D−6]
触媒をTBA−SiW10に変更したこと以外は実施例D−1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキセン1aの転化率は60%であり、エポキシ化合物2aの収率は40%であり、化合物3aの収率は1%であり、化合物4aの収率は1%であり、化合物5aの収率は2%であり、消費初期速度は0.36(mM/min)であった。
実施例D−1〜D−6の結果を表5に示す。なお、表中、「触媒」は各実施例で用いた触媒の略称を示し、「転化率」はシクロヘキセン1aの転化率(%)を示し、「2a収率」、「3a収率」、「4a収率」及び「5a収率」はそれぞれ化合物2a、化合物3a、化合物4a及び化合物5aの収率(%)を示し、「nd」はその化合物が検出されなかったことを示す。
Figure 0006213932
[実施例E−1]
(エポキシ化合物の製造)
下記反応スキームに示すとおり、シクロヘキセンのエポキシ化反応を行った。
Figure 0006213932
具体的には、試験管中でシクロヘキセン(2mmol)をアセトニトリル5mlに溶解し、ここにイミダゾールをシクロヘキセンに対して5mol%加えた。次いで、30%過酸化水素水をシクロヘキセンに対して過酸化水素が2当量となる量で加え、触媒としてTHA−PW4をシクロヘキセンに対して2.5mol%加えた。
反応装置として株式会社テクノアプリケーションズの4ステーション有機合成装置を用い、撹拌数800rpm、323Kの条件で反応を行った。24時間反応後に反応系から採取された測定サンプルを用いて、シクロヘキセン1aの転化率と、エポキシ化合物2a、化合物3a、化合物4a及び化合物5aの収率とを求めた。また、実施例A−1と同様の方法でシクロヘキセン1aの消費初期速度(mM/min)を求めた。
その結果、シクロヘキセン1aの転化率は96%であり、エポキシ化合物2aの収率は91%であり、化合物5aの収率は2%であり、消費初期速度は2.19(mM/min)であった。なお、測定サンプルから化合物3a及び化合物4aは検出されなかった。
[実施例E−2]
実施例E−1のアセトニトリル5mlをクロロホルム5mlに変更したこと以外は、実施例E−1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキセン1aの転化率は83%であり、エポキシ化合物2aの収率は82%であり、化合物5aの収率は1%未満であり、消費初期速度は2.59(mM/min)であった。なお、測定サンプルから化合物3a及び化合物4aは検出されなかった。
[実施例E−3]
実施例E−1のアセトニトリル5mlをジメチルカーボネート5mlに変更したこと以外は、実施例E−1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキセン1aの転化率は87%であり、エポキシ化合物2aの収率は86%であり、化合物5aの収率は1%であり、消費初期速度は1.16(mM/min)であった。なお、測定サンプルから化合物3a及び化合物4aは検出されなかった。
[実施例E−4]
実施例E−1のアセトニトリル5mlをエチルアセテート5mlに変更したこと以外は、実施例E−1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキセン1aの転化率は83%であり、エポキシ化合物2aの収率は82%であり、化合物5aの収率は1%であり、消費初期速度は0.91(mM/min)であった。なお、測定サンプルから化合物3a及び化合物4aは検出されなかった。
[実施例E−5]
実施例E−1のアセトニトリル5mlをメチルエチルケトン5mlに変更したこと以外は、実施例E−1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキセン1aの転化率は81%であり、エポキシ化合物2aの収率は79%であり、化合物4aの収率は1%であり、化合物5aの収率は1%であり、消費初期速度は0.60(mM/min)であった。なお、測定サンプルから化合物3aは検出されなかった。
[実施例E−6]
実施例E−1のアセトニトリル5mlをtert−ブチルアルコール5mlに変更したこと以外は、実施例E−1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキセン1aの転化率は84%であり、エポキシ化合物2aの収率は79%であり、化合物5aの収率は1%未満であり、消費初期速度は0.27(mM/min)であった。なお、測定サンプルから化合物3a及び化合物4aは検出されなかった。
[実施例E−7]
実施例E−1のアセトニトリル5mlをトルエン5mlに変更したこと以外は、実施例E−1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキセン1aの転化率は53%であり、エポキシ化合物2aの収率は52%であり、化合物5aの収率は1%未満であり、消費初期速度は0.17(mM/min)であった。なお、測定サンプルから化合物3a及び化合物4aは検出されなかった。
実施例E−1〜E−7の結果を表6に示す。なお、表中「溶媒」は各実施例で用いた溶媒を示す。
Figure 0006213932
[実施例F−1]
(エポキシ化合物の製造)
下記反応スキームに示すとおり、シクロヘキセンのエポキシ化反応を行った。
Figure 0006213932
具体的には、試験管中でシクロヘキセン(2mmol)をアセトニトリル5mlに溶解し、ここにイミダゾールをシクロヘキセンに対して5mol%加えた。次いで、30%過酸化水素水をシクロヘキセンに対して過酸化水素が2当量となる量で加え、触媒としてTHA−PW4をシクロヘキセンに対して2.5mol%加えた。
反応装置として株式会社テクノアプリケーションズの4ステーション有機合成装置を用い、撹拌数800rpm、323Kの条件で反応を行った。24時間反応後に反応系から採取された測定サンプルを用いて、シクロヘキセン1aの転化率と、エポキシ化合物2a、化合物3a、化合物4a及び化合物5aの収率とを求めた。また、実施例A−1と同様の方法でシクロヘキセン1aの消費初期速度(mM/min)を求めた。
その結果、シクロヘキセン1aの転化率は96%であり、エポキシ化合物2aの収率は91%であり、化合物5aの収率は2%であり、消費初期速度は2.19(mM/min)であった。なお、測定サンプルから化合物3a及び化合物4aは検出されなかった。
[実施例F−2]
実施例F−1のイミダゾールをDMAP(共役酸のpKa:9.52)に変更したこと以外は、実施例F−1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキセン1aの転化率は91%であり、エポキシ化合物2aの収率は87%であり、化合物4aの収率は1%未満であり、化合物5aの収率は1%未満であり、消費初期速度は0.85(mM/min)であった。なお、測定サンプルから化合物3aは検出されなかった。
[実施例F−3]
実施例F−1のイミダゾールをピリジン(共役酸のpKa:5.23)に変更したこと以外は、実施例F−1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキセン1aの転化率は95%であり、エポキシ化合物2aの収率は82%であり、化合物4aの収率は1%未満であり、化合物5aの収率は3%であり、消費初期速度は5.46(mM/min)であった。なお、測定サンプルから化合物3aは検出されなかった。
[実施例F−4]
実施例F−1のイミダゾールをピラゾール(共役酸のpKa:2.83)に変更したこと以外は、実施例F−1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキセン1aの転化率は93%であり、エポキシ化合物2aの収率は65%であり、化合物5aの収率は8%であり、消費初期速度は4.75(mM/min)であった。なお、測定サンプルから化合物3aは検出されなかった。
[比較例f−1]
実施例F−1のイミダゾールをDBU(共役酸のpKa:12.5)に変更したこと以外は、実施例F−1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキセン1aの転化率は35%であり、エポキシ化合物2aの収率は31%であり、化合物4aの収率は1%であり、化合物5aの収率は1%であり、消費初期速度は0.57(mM/min)であった。なお、測定サンプルから化合物3aは検出されなかった。
[比較例f−2]
イミダゾールを添加しなかったこと以外は、実施例F−1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキセン1aの転化率は94%であり、エポキシ化合物2aの収率は68%であり、化合物4aの収率は1%未満であり、化合物5aの収率は7%であり、消費初期速度は5.26(mM/min)であった。なお、測定サンプルから化合物3aは検出されなかった。
実施例F−1〜F−4及び比較例f−1〜f−2の結果を表7に示す。
Figure 0006213932
[実施例G−1]
オレフィン化合物としてテトラヒドロインデンを選択して、ジエポキシ化反応を行った。具体的には、試験管中でテトラヒドロインデン(1mmol)をアセトニトリル5mlに溶解し、ここにイミダゾールをテトラヒドロインデンに対して5mol%加えた。次いで、30%過酸化水素水をテトラヒドロインデンに対して過酸化水素が2当量となる量で加え、触媒としてTHA−PW4をテトラヒドロインデンに対して2.5mol%加えた。
反応装置として株式会社テクノアプリケーションズの4ステーション有機合成装置を用い、撹拌数800rpm、323Kの条件で反応を行った。24時間反応後に反応系から測定サンプルを採取し、GCによりテトラヒドロインデンの転化率(%)及びテトラヒドロインデンのジエポキシ化物の収率(%)を求めた。その結果、テトラヒドロインデンの転化率は99%であり、ジエポキシ化物の収率は86%であった。
[実施例G−2]
オレフィン化合物として1,5−シクロオクタジエンを選択したこと以外は、実施例G−1と同様にして反応を行った。24時間反応後に反応系から測定サンプルを採取し、GCにより、1,5−シクロオクタジエンの転化率(%)、1,5−シクロオクタジエンのモノエポキシ化物の収率(%)、1,5−シクロオクタジエンのジエポキシ化物の収率(%)を求めた。その結果、1,5−シクロオクタジエンの転化率は99%、1,5−シクロオクタジエンのモノエポキシ化物の収率は13%、1,5−シクロオクタジエンのジエポキシ化物の収率は57%であった。
[実施例G−3]
オレフィン化合物として下記式(2−1):
Figure 0006213932
で表されるオレフィン化合物を選択したこと以外は、実施例G−1と同様にして反応を行った。24時間反応後に反応系から測定サンプルを採取し、GCにより、オレフィン化合物の転化率(%)、オレフィン化合物のモノエポキシ化物の収率(%)、オレフィン化合物のジエポキシ化物の収率(%)を求めた。その結果、オレフィン化合物の転化率は98%、オレフィン化合物のモノエポキシ化物の収率は2%、オレフィン化合物のジエポキシ化物の収率は72%であった。
[実施例G−4]
オレフィン化合物としてジシクロペンタジエンを選択したこと以外は、実施例G−1と同様にして反応を行った。24時間反応後に反応系から測定サンプルを採取し、GCにより、ジシクロペンタジエンの転化率(%)、ジシクロペンタジエンのモノエポキシ化物の収率(%)、ジシクロペンタジエンのジエポキシ化物の収率(%)を求めた。その結果、ジシクロペンタジエンの転化率は99%を超え、ジシクロペンタジエンのモノエポキシ化物の収率は20%であり、ジシクロペンタジエンのジエポキシ化物の収率は80%であった。
[実施例G−5]
オレフィン化合物として1−フェニルシクロヘキセンを選択し、反応に供する1−フェニルシクロヘキセンの量を2mmolとしたこと以外は、実施例G−1と同様にして反応を行った。24時間反応後に反応系から測定サンプルを採取し、GCにより、1−フェニルシクロヘキセンの転化率(%)及び1−フェニルシクロヘキセンのエポキシ化物の収率(%)を求めた。その結果、1−フェニルシクロヘキセンの転化率は54%であり、1−フェニルシクロヘキセンのエポキシ化物の収率は33%であった。
[実施例G−6]
オレフィン化合物としてシクロヘキセンを選択し、反応に供するシクロヘキセンの量を2mmolとしたこと以外は、実施例G−1と同様にして反応を行った。24時間反応後に反応系から測定サンプルを採取し、GCにより、シクロヘキセンの転化率(%)及びシクロヘキセンのエポキシ化物の収率(%)を求めた。その結果、シクロヘキセンの転化率は96%であり、シクロヘキセンのエポキシ化物の収率は91%であった。
[実施例G−7]
オレフィン化合物としてα−ピネンを選択し、反応に供するα−ピネンの量を2mmolとしたこと以外は、実施例G−1と同様にして反応を行った。24時間反応後に反応系から測定サンプルを採取し、GCにより、α−ピネンの転化率(%)及びα−ピネンのエポキシ化物の収率(%)を求めた。その結果、α−ピネンの転化率は60%であり、α−ピネンのエポキシ化物の収率は28%であった。
[実施例G−8]
オレフィン化合物として1−オクテンを選択し、反応に供する1−オクテンの量を2mmolとしたこと以外は、実施例G−1と同様にして反応を行った。24時間反応後に反応系から測定サンプルを採取し、GCにより、1−オクテンの転化率(%)及び1−オクテンのエポキシ化物の収率(%)を求めた。その結果、1−オクテンの転化率は26%であり、1−オクテンのエポキシ化物の収率は20%であった。
[実施例H−1]
試験管中でTHI(1mmol)をクロロホルム5mlに溶解し、ここにイミダゾールをTHIに対して2.5mol%加え、さらに相間移動触媒としてセチルピリジニウムクロライドをTHIに対して1.25mol%加えた。次いで、HPW1240(以下、場合により「H3PW12」と表す。)0.417mol%(タングステン原子がTHIに対して5mol%となる量)を、30%過酸化水素水(過酸化水素水が2mmolとなる量)に溶解して、試験管中に加え、反応を行った。
反応装置は株式会社テクノアプリケーションズの4ステーション有機合成装置を用い、撹拌数800rpm、323Kの条件で反応を用いた。3時間反応後に、反応系から測定サンプルを採取し、GCによりTHIの転化率、エポキシ化合物の収率、エポキシ化反応選択率、ジエポキシ化合物の収率及びジエポキシ化反応選択率を求めた。結果は、THIの転化率が97.0%、エポキシ化合物の収率が67.7%、エポキシ化反応選択率が69.8%、ジエポキシ化合物の収率が49.6%、ジエポキシ化反応選択率が51.2%であった。
[比較例h−1]
イミダゾールを添加しなかったこと以外は、実施例H−1と同様にして反応を行った。その結果、THIの転化率は94.6%、エポキシ化合物の収率は48.3%、エポキシ化反応選択率が51.0%、ジエポキシ化合物の収率が24.2%、ジエポキシ化反応選択率が25.6%であった。
実施例H−1及び比較例h−1の結果を表8に示す。なお、表中、「相間移動触媒添加量」は、反応系に添加した相間移動触媒の量(mol%)を示す。
Figure 0006213932
次に、不均一系触媒のタングステン化合物を用いた例を以下に示す。
[W2/SiOの調製]
(K[{W(=O)(O(HO)}(μ−O)]の調製)
非特許文献1を参考に行った。タングステン酸カリウム2.0gを15mlの水に加え、30%過酸化水素水10mlを加えて1時間半撹拌した。薄黄色の懸濁溶液が透明になるまで塩酸を加えた。これを冷蔵庫中で24時間静置したところ白色の決勝が得られた。これをろ過し、エタノールで洗浄し、空気中で乾燥させて白色の固体K[{W(=O)(O(HO)}(μ−O)]が得られた。
(イオン液体修飾SiO担体の調製)
3−(2−イミダゾリン−1−イル)プロピルトリエトキシシラン6.86g(25 mmol)と1−クロロオクタン13ml(75mmol)を50mlナスフラスコに素早く量り取り、アルゴン雰囲気下80℃で24時間加熱還流した。その後、未反応の1−クロロオクタンを加熱しながら真空排気して除き、茶色のイオン性液体を得た。100mlのシュレンク管にSiOを3.0g入れて、120℃で3時間真空排気し、室温まで冷却してArを封入した。その後クロロホルム50mlに溶解したイオン性液体12mmolをAr下で加え、80℃で24時間還流を行った。室温に冷却後にろ過で固体を回収し、クロロホルム、アセトン、n−ペンタンを加えて洗浄を行い、目的のイオン液体修飾SiOを回収した。
(W2/SiOの調製)
50mlビーカー中でK[{W(=O)(O(HO)}(μ−O)]を10mlの水溶液に溶解させ、イオン液体修飾SiO 1.0gを加えて室温で12時間反応を行った。その後、ろ過して固体を回収し多量の水で洗浄を行い、W2/SiOを回収した。
[W−Zn/SnOの調製]
W−Zn/SnOの調製は非特許文献2を参考に行った。ガラス容器中に酸化スズと硝酸亜鉛六水和物を加え、1時間室温で撹拌した。その後、濃縮を行い300℃で2時間焼成を行った。得られた固体にpHを7に調整したタングステン酸の水溶液を加え60℃で1時間撹拌した。その後400℃で3時間焼成をし、固体を得た。
[実施例I−1]
試験管中でTHI(0.2mmol)をアセトニトリル1mlに溶解し、ここにイミダゾールをTHIに対して5.0mol%加え、2当量の30%過酸化水素水(過酸化水素水が0.4mmolとなる量)を加えた。次いで、W2/SiOを5.0mol%(タングステン原子がTHIに対して10mol%となる量)を加えて60℃で6時間反応を行った。結果は、THIの転化率が76.1%、エポキシ化合物の収率が45.7%、エポキシ化反応選択率が60.1%、ジエポキシ化合物の収率が15.8%、ジエポキシ化反応選択率が20.8%であった。
[比較例i−1]
実施例I−1において、イミダゾールを加え無かったこと以外は同様の条件で反応を行った。結果は、THIの転化率が67.8%、エポキシ化合物の収率が35.0%、エポキシ化反応選択率が51.6%、ジエポキシ化合物の収率が9.1%、ジエポキシ化反応選択率が13.4%であった。
[実施例J−1]
試験管中でTHI(0.2mmol)を炭酸ジメチル1mlに溶解し、ここにイミダゾールをTHIに対して5.0mol%加え、2当量の30%過酸化水素水(過酸化水素水が0.4mmolとなる量)を加えた。次いで、W−Zn/SnOを10.0mol%を加えて6時間反応を行った。結果は、THIの転化率が69.5%、エポキシ化合物の収率が48.5%、エポキシ化反応選択率が69.8%、ジエポキシ化合物の収率が20.8%、ジエポキシ化反応選択率が29.9%であった。
[比較例j−1]
実施例I−1において、イミダゾールを加え無かったこと以外は同様の条件で反応を行った。結果は、THIの転化率が78.0%、エポキシ化合物の収率が38.7%、エポキシ化反応選択率が49.7%、ジエポキシ化合物の収率が17.4%、ジエポキシ化反応選択率が22.3%であった。
Figure 0006213932

Claims (12)

  1. タングステン化合物及び共役酸のpKaが1.5〜11.5である含窒素化合物が添加された反応系中で、オレフィン化合物と過酸化水素とを反応させてエポキシ化合物を得る工程を備え
    前記タングステン化合物が、(a)タングステン酸と(b)水酸化アンモニウムとを過酸化水素水中で反応させて得られるタングステンペルオキシド化合物を含み、
    前記含窒素化合物がイミダゾール環を有する含窒素複素環化合物を含む、
    エポキシ化合物の製造方法。
  2. 前記含窒素複素環化合物がイミダゾールである、請求項に記載の製造方法。
  3. 前記タングステンペルオキシド化合物が、[{WO(O(μ−O)]2−で表されるアニオン構造を有する、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記オレフィン化合物が脂環式オレフィン化合物を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記脂環式オレフィン化合物がシクロペンテン環を有する、請求項に記載の製造方法。
  6. 前記脂環式オレフィン化合物がシクロヘキセン環を有する、請求項又はに記載の製造方法。
  7. 前記脂環式オレフィン化合物がテトラヒドロインデンである、請求項に記載の製造方法。
  8. 前記脂環式オレフィン化合物がノルボルネン骨格を有する、請求項に記載の製造方法。
  9. 前記脂環式オレフィン化合物がα−ピネンである、請求項に記載の製造方法。
  10. 前記脂環式オレフィン化合物が下記式(2−1)で表される化合物である、請求項に記載の製造方法。
    Figure 0006213932
  11. 前記オレフィン化合物が非環式オレフィン化合物を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 前記非環式オレフィン化合物が、炭素数2〜20のアルケンである、請求項11に記載の製造方法。
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