JP6213174B2 - 脱りん予備処理溶銑を用いる転炉の操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、脱りん予備処理を終了した溶銑を用いる上底吹き転炉の操業方法において、脱炭スラグを炉内に残して次チャージの脱炭吹錬にリサイクルする、脱りん予備処理溶銑を用いる転炉の操業方法に関する。
近年、溶銑予備処理の発展に伴い、転炉へ装入される溶銑は、ほとんどが脱りん、脱硫処理されたものとなっている。その結果、転炉での主反応は専ら脱炭のみになりつつあり、更にスラグを造成して精錬する必要がなくなったので、少量スラグ操業が行われるようになった。
このスラグ量が少ないというメリットを活用すべく、脱炭吹錬時にMn鉱石を添加して溶銑中[C]で効率よく還元する方法が考案された(特許文献1参照。)。
上記方法により高価なFe−Mn合金を安価なMn鉱石で代替できるようになった。
しかしながら、上記技術には以下の問題点があった。Mn鉱石の融点は約1580℃と高温であるため、脱炭吹錬後半の高温期に溶融、還元が進むので、例えば脱炭吹錬における1600℃以上の高温期が短いと、添加したMn鉱石の還元、回収が十分に進まず、吹錬終了後にMnO濃度の高いスラグを捨てねばならず、これが大きなMnロスとなっていた。
この問題を解決するため、脱炭炉でMn鉱石を装入して脱炭吹錬終了までにある程度還元、回収し、脱炭スラグを炉外へ排出せずに、スラグ固化剤(軽焼ドロマイトまたは生ドロマイト)を装入してから、次チャージの注銑を行う方法が開示された(特許文献2参照。)。
脱炭スラグ中にはFeOが多量に含まれているため、脱炭スラグが溶融状態を維持したままで次チャージの注銑を行うと、(1)式による突沸が生じて危険である。このため、特許文献2に記載の発明では脱炭スラグを固化する必要がある。
FeO+[C]=CO+[Fe] (1)
すなわち、還元、回収しきれていないMnOを含有する脱炭スラグを次チャージの脱炭吹錬へリサイクルし、次チャージで新たに添加するMn鉱石とともに脱炭吹錬中に還元回収するのである。もちろん、次チャージで新たにMn鉱石を装入しても構わない。このように、上記方法を繰り返せば、Mn鉱石添加量を増やしても、Mnロスをそれほど気にする必要はなさそうに見える。
特開昭55−50414号公報 特許第3486889号公報
しかしながら、特許文献2に記載の上記方法には以下の問題点がある。
Mn鉱石中のMnは、MnOの形態で存在しており、(2)〜(4)式で示される以下の三段階で解離する。
MnO→1/2Mn+1/4O (2)
Mn→2/3Mn+1/6O (3)
Mn→3MnO+1/2O (4)
(2)式は約500℃で起こり、(3)式は約900℃で起こり、(4)式は約1500℃で起こるとされている。よって、脱炭吹錬中にMn鉱石を添加すると、上記解離反応で放出された酸素ガスにより、溶銑中[Mn]が[C]に対して優先的に酸化されてしまう。これは、低温の脱炭吹錬前半に顕著であり、吹錬末期の酸素ポテンシャルが高い状況下では起こり難い。
この現象を回避するために、Mn鉱石をより脱炭吹錬の中期以降に添加したり、Mn鉱石を石灰石と事前に1300℃以上に加熱してMn焼結鉱にして添加することで上記(2)および(3)式に示す反応により発生する酸素ガスを除去する方法が考えられる。
しかしながら、前者は、吹錬中にMn鉱石の溶解、還元時間が足りず、Mn回収が不十分となるか若しくはMn回収率が大きくバラつき、後者は焼結コストが高い、という問題がある。更には、脱炭スラグを固化するのに2分を要しているため、脱炭炉のサイクルタイムが長くなるという問題もある。
最近では脱りん吹錬が7〜10分程度で終了するため、脱りん炉のサイクルタイムは脱炭炉のサイクルタイムに近い。そのため、脱炭スラグ固化時間を極力短くする必要が生じている。
本発明の目的は、Mn鉱石の熱解離時に放出される酸素ガスによる溶銑中[Mn]の酸化を極力回避することによって、脱炭スラグの固化時間を短縮し、Mn鉱石の還元、回収効率を向上可能な脱りん予備処理溶銑を用いる転炉の操業方法を提示することである。
発明者は、転炉で脱炭吹錬して出鋼した後、炉内に残留している脱炭スラグへ、所定量のMn鉱石を添加することに着目した。すると、脱炭スラグの顕熱によってMn鉱石が熱解離し、MnOもしくはMnとなりつつ、脱炭スラグへ溶解する知見を得た。
脱炭スラグ中へ溶解したMnOもしくはMnは、次チャージの注銑までにMnOへ酸化されないため、そのMn酸化物による次チャージ溶銑[Mn]の酸化はほとんど生じない。なお、Mn鉱石の熱解離を促進するため、粒径を小さくすることが望ましい。
その後、スラグを急速に効率よく固化するため、細粒の生石灰、石灰石、軽焼ドロマイト、生ドロマイトの一種以上を所定量添加する。脱炭スラグへMn鉱石を添加してある程度固化しても、高FeO濃度の溶融相が残留している場合がある。すると、次チャージの注銑時に突沸する可能性がある。そこで、上記高FeO濃度の溶融相を迅速に固化すべく、細粒の生石灰、石灰石、軽焼ドロマイト、生ドロマイトの一種以上を所定量添加するのである。これらフラックスは、高FeO濃度の溶融相を冷却するだけでなく、フラックスの粒界へ溶融FeOを速やかに浸潤させることで、極めて迅速に固化させることができるのである。
そして、得られた固化脱炭スラグを炉内へ残して次チャージの注銑を行い、脱炭吹錬すると溶銑[Mn]の酸化が生じ難く、また吹錬の早い時期からスラグが溶融して、スラグ中のMn酸化物の還元が進行する。
その結果、Mnの回収率が向上し、そのバラつきも低減されたのである。更には、脱炭吹錬後、出鋼前に炉内へMn鉱石の一部または全部を添加し、出鋼後に細粒の固化剤(生石灰、石灰石、軽焼ドロマイト、生ドロマイトの一種以上)を添加したところ、Mn鉱石の還元、回収効率が更に向上した。そして更には、脱炭吹錬後、出鋼前に炉内へMn鉱石および細粒の固化剤を添加したところ、出鋼直後に炉内スラグを目視観察したところ固化していたため、次チャージの溶銑を注銑したところ、突沸しなかった。すなわち、この方法ではスラグ固化時間が不要だった。そして、Mn鉱石の還元、回収効率も極めて高かった。
これらに基づいて完成した本発明は以下の通りである。
(1)脱りん予備処理を実施済みの溶銑を転炉で脱炭吹錬し、出鋼後に該脱炭吹錬で生成した脱炭スラグの50質量%以上を当該転炉内に残留させて、該転炉内の残留脱炭スラグへ粒径が50mm以下のMn鉱石および粒径が50mm以下(粒径25〜50mmの脱炭スラグ固化剤が全脱炭スラグ固化剤の20質量%以上)の脱炭スラグ固化剤を、前記残留脱炭スラグに対して該脱炭スラグ固化剤を28質量%以上として添加して、次チャージの脱りん予備処理実施済み溶銑を装入し、生石灰およびMgO源を添加して装入塩基度を3〜5、脱炭スラグ中(MgO)を6〜12質量%として脱炭吹錬することを特徴とする、脱りん予備処理溶銑を用いる転炉の操業方法。
)前記粒径が50mm以下の脱炭スラグ固化剤を、軽焼ドロマイト、生ドロマイト、石灰石、生石灰の一種以上とすることを特徴とする、上記(1)記載の脱りん予備処理溶銑を用いる転炉の操業方法。
)前記粒径が50mm以下のMn鉱石および粒径が50mm以下(粒径25〜50mmの脱炭スラグ固化剤が全脱炭スラグ固化剤の20質量%以上)の脱炭スラグ固化剤に替えて、粒径が25mm以下のMn鉱石および粒径が25mm以下の脱炭スラグ固化剤を、前記残留脱炭スラグに対して該脱炭スラグ固化剤を22質量%以上として、添加することを特徴とする、上記(1)または)に記載のりん予備処理溶銑を用いる転炉の操業方法。
)脱りん予備処理実施済みの溶銑を転炉で脱炭吹錬し、出鋼前に粒径が50mm以下のMn鉱石を添加し、出鋼後に該脱炭吹錬で生成した脱炭スラグの50質量%以上を当該転炉内に残留させて、該転炉内の残留脱炭スラグへ粒径が50mm以下(粒径25〜50mmの脱炭スラグ固化剤が全脱炭スラグ固化剤の20質量%以上)であって、軽焼ドロマイト、生ドロマイト、石灰石、生石灰の一種以上からなる脱炭スラグ固化剤を、該転炉内の残留脱炭スラグに対して28質量%以上添加して、次チャージの脱りん予備処理実施済み溶銑を装入し、生石灰およびMgO源を添加して装入塩基度を3〜5、脱炭スラグ中(MgO)を6〜12質量%として脱炭吹錬することを特徴とする、脱りん予備処理溶銑を用いる転炉の操業方法。
)脱りん予備処理実施済みの溶銑を転炉で脱炭吹錬し、出鋼前に粒径が50mm以下のMn鉱石と、粒径が50mm以下(粒径25〜50mmの脱炭スラグ固化剤が全脱炭スラグ固化剤の20質量%以上)であって、軽焼ドロマイト、生ドロマイト、石灰石、生石灰の一種以上からなる脱炭スラグ固化剤とを、脱炭吹錬後の脱炭スラグに対して該脱炭スラグ固化剤を28質量%以上として添加して、出鋼完了後直ちに次チャージの脱りん予備処理実施済み溶銑を装入し、生石灰およびMgO源を添加して装入塩基度を3〜5、脱炭スラグ中(MgO)を6〜12質量%として脱炭吹錬することを特徴とする、脱りん予備処理溶銑を用いる転炉の操業方法。
)前記粒径が50mm以下(粒径25〜50mmの脱炭スラグ固化剤が全脱炭スラグ固化剤の20質量%以上)であって、軽焼ドロマイト、生ドロマイト、石灰石、生石灰の一種以上からなる脱炭スラグ固化剤に替えて、粒径が25mm以下であって、軽焼ドロマイト、生ドロマイト、石灰石、生石灰の一種以上からなる脱炭スラグ固化剤を、脱炭吹錬後の脱炭スラグに対して22質量%以上添加することを特徴とする、上記()または()に記載の脱りん予備処理溶銑を用いる転炉の操業方法。
本発明に依れば、Mn鉱石の熱解離時に放出される酸素ガスによる溶銑中[Mn]の酸化を極力回避することによって、脱炭スラグを炉内へ残して次チャージの溶銑を装入する際の突沸を回避し、Mn鉱石の還元、回収効率(歩留まり)を向上することができる。
1.本発明に係る転炉の操業方法の説明
本発明は、従来行われている脱りん予備処理を実施済みの溶銑を脱炭吹錬する転炉の操業方法の発明である。
脱炭吹錬後の溶鋼を取鍋へ出鋼した後、脱炭スラグの50%未満を排出する。残留脱炭スラグは次チャージの脱炭用スラグとして使用する。脱炭吹錬する溶銑はすでに予備処理が行われているため、スラグ量は少量でよい。このため、脱炭スラグの排出量(脱炭スラグの一部)は、脱炭スラグの全質量に対して0〜40質量%であることが望ましい。
炉内に残留する脱炭残留スラグに、粒径が50mm以下のMn鉱石および粒径が50mm以下の脱炭スラグ固化剤を添加する。次チャージを注銑する際に生じうる突沸、および溶鋼中Mnの酸化を抑制するためである。
Mn鉱石の組成は特に限定されず、MnO、Fe、SiO等を含有する一般的なものでよい。Mn鉱石の粒径が50mmを超えると脱炭スラグの顕熱によるMn鉱石の熱解離を促進することが困難になる場合がある。粒径の下限値はコストや作業性を考慮して定めればよい。
脱炭スラグ固化剤としては、軽焼ドロマイト、生ドロマイト、石灰石、生石灰のうち少なくとも1種以上を使用することが望ましい。これらの組成は特に限定されず、一般的なものでよい。脱炭スラグ固化剤の粒径が50mmを超えると、スラグを効率よく固化することができない場合がある。本発明の脱炭スラグ固化剤は、粒径が25〜50mmのものが脱炭スラグ固化剤量に対して20質量%以上であることが、特にふるい分けを行わない場合に通常想定される。粒径の下限値は特に定めない。また、本発明で規定する「粒径が50mm以下」および「粒径が25mm以下」の「粒径」は最大粒径を表す。
本発明では、脱炭スラグ固化剤の粒径が50mm以下の場合、添加量は脱炭スラグ固化剤量に対して28質量%以上であることが望ましい。粒径が50mm以下の場合に28質量%未満であると、脱炭スラグと脱炭スラグ固化剤との接触が不十分となり、高FeO濃度の溶融相の固化を迅速に行うことができずに溶融脱炭スラグが残存し、次チャージの注銑時に突沸が生じる可能性がある。
脱炭スラグと脱炭スラグ固化剤との接触面積を増加させるため、脱炭スラグ固化剤の粒径が25mm以下であることが望ましい。この場合、脱炭スラグ固化剤の添加量は、脱炭スラグ固化剤量に対して22質量%以上であることが望ましい。粒径を小さくすることによって脱炭スラグと脱炭スラグ固化剤との接触面積が確保されるため、50mm以下の場合と比較して添加量を低減しても次チャージの注銑時に突沸の発生を抑制することができる。
そして、後述するように、次チャージの予備処理実施済みの溶銑を転炉に装入し、装入塩基度および脱炭スラグ中のMgO濃度を調整するために、生石灰およびMgO源を添加して脱炭吹錬を行う。
本発明は、溶鋼中[Mn]の酸化を抑制するため、脱炭吹錬中にMn鉱石を添加しなければよいので、必ずしも出鋼後にMn鉱石を添加するものではなく、吹錬終了後出鋼前にMn鉱石を添加してもよい。脱炭スラグ固化剤はMn鉱石の添加後に添加してもよくMn鉱石と同時に添加してもよい。
これらの条件は以下で説明する調査により明らかになった。
2.本発明に係る製鋼方法を規定する根拠となる調査
2(1).共通する調査条件
脱炭吹錬終点における溶鋼中[%C]を下げすぎると、溶鋼中[Mn]が酸化ロスされてMn歩留まりが顕著に低下してしまうので、終点[C]は0.1〜0.3%とした。また、終点の溶鋼温度は約1640〜1660℃とした。本発明の説明において含有濃度に関する「%」は、特に断らない限り質量%の意味で用いる。
脱りん溶銑([C]約3.7%、[Si]=Tr.、[Mn]約0.1%、[P]0.03%以下)約270tonを転炉へ装入し、上吹きランスからOガス65000Nm/hrを吹き付け、底吹き羽口からCOガス2000Nm/hrを吹き込んで脱炭吹錬を行った。
副原料としては、生石灰(CaO約95%)、珪石(SiO約100%)、軽焼ドロマイト(CaO約60%、MgO約34%)、Mn鉱石(Mn約50%、Fe約10%以下、SiO約10%以下)を主に用いた。脱炭スラグ炉内残しリサイクル操業では、脱炭スラグ固化剤として、軽焼ドロマイト、生ドロマイト(CaCO約59%、MgCO約41%)、石灰石(CaCO約100%)、生石灰を用いた。
なお、本調査では、脱炭スラグの塩基度(CaO/SiO質量比)、(MgO)濃度があまり大きく変化しないように、副原料添加量を調整した。例えば、脱炭スラグ固化剤として軽焼ドロマイトを用いた場合は、その分だけ脱炭吹錬中に添加する量を減らした。脱炭スラグ固化剤として石灰石を用いた場合も、その分だけ脱炭吹錬中に添加する量を減らした。
装入物や添加物中の質量から計算される脱炭スラグの装入塩基度は3〜5とした。脱炭スラグ中(MgO)濃度は、6〜12%とした。脱炭スラグの生成量はおよそ30kg/tとなるようにした。
Mn歩留りは、(5)式で定義した。
(終点溶鋼中[Mn]/(脱りん溶銑中[Mn]+Mn鉱石中(Mn))×100(%) (5)
評価は、注銑時の突沸が無く且つMn歩留まりが80%以上90%未満の場合は○、注銑時の突沸が無く且つMn歩留まりが90%以上の場合は◎、それ以外は×とした。
処理条件および結果を表1に記す。なお、表1に示す結果は、ほぼ同一条件で5チャージ実施した結果の平均値である。
Figure 0006213174
2(2−1).脱炭スラグ炉内残しリサイクル(No.1〜2)
No.1は従来例で、吹錬中に粒径50mm以下の生石灰、軽焼ドロマイト、Mn鉱石8kg/t、珪石を添加し、塩基度(CaO/SiO質量比)を約4、(%MgO)を約8、生成スラグ量が約30kg/tとなるようにした場合である。
それに対してNo.2は比較例で、脱炭スラグ約20kg/t(脱りん溶銑1ton当たりの質量を表す。以下同じ。)を炉内へ残し、粒径50mm以下(粒径25〜50mmの割合が20質量%以上)の軽焼ドロマイト1.5kg/tおよび生ドロマイト4kg/tを添加して脱炭スラグを固化した後に脱りん溶銑を装入して、脱炭吹錬中にスラグ塩基度(CaO/SiO)が約4となるように生石灰を、スラグ中(%MgO)が約8となるように軽焼ドロマイトを添加した。
No.2のように、脱炭スラグ炉内残しリサイクルをすると、高(%MnO)脱炭スラグ排出量を減らせるので、No.1に対しMn歩留まりが飛躍的に向上した。しかしながら、脱炭吹錬途中にMn鉱石を添加したため、Mn鉱石が熱分解する際に発生する酸素ガスによって溶銑中[Mn]が酸化されてしまい、脱炭末期にスラグ中(MnO)が還元しきれず、Mn歩留まりは目標値80%に達しなかった。
2(2−2).出鋼・一部排スラグ後Mn鉱石添加、脱炭スラグ炉内残しリサイクル(No.2〜5)
No.2では吹錬中にMn鉱石を添加したのに対して、No.3から5では、出鋼後、脱炭スラグの一部(約10kg/t)を排出した後、粒径50mm以下(粒径25〜50mmの割合が20質量%以上)のMn鉱石5〜10kg/tを添加し、その0.5分後にスラグ固化剤として、粒径50mm以下(粒径25〜50mmの割合が20質量%以上)の軽焼ドロマイト1.5kg/tおよび生ドロマイト4kg/tを添加した。
Mn鉱石は炉内残留脱炭スラグと接触して熱分解し、その後、スラグ固化剤添加によって冷却、固化した。その結果、次チャージの注銑時に突沸は生じなかった。
脱炭吹錬中には、脱炭スラグが塩基度4〜5、(%MgO)7〜10、約30kg/tとなるように、生石灰、軽焼ドロマイト、珪石を適宜添加した。
Mn鉱石は炉内残留脱炭スラグと接触して熱分解反応がある程度進行したため、次チャージの脱炭吹錬時に溶銑中[Mn]の酸化が抑制されてMn歩留まりが目標値80%以上にまで向上した。特に、条件No.2と4とを比較すると、Mn鉱石を添加する時期を吹錬中から排スラグ直後にするだけで、Mn歩留まりが9%も増加した。
2(2−3).Mn鉱石粒径低減(No.5、6)
No.6では、No.5に対し、Mn鉱石の粒径を粒径50mm以下(粒径25〜50mmの割合が20質量%以上)から、粒径25mm以下へ低減した。その結果、Mn鉱石の歩留まりが90%と飛躍的に向上した。
Mn鉱石の粒径を小さくしたことで、炉内残留脱炭スラグとの接触面積が増えて熱分解反応が促進されたため、次チャージの脱炭吹錬時に溶銑中[Mn]の酸化が更に抑制されてMn歩留まりが目標値80%以上にまで向上した。
なお、脱炭吹錬後にMn鉱石を添加し、更に上述のごとくMn鉱石の熱分解反応を進行させると、吹錬途中にMn鉱石を添加する場合よりも低温域からMnO還元反応が進行して、Mn歩留まりが高位安定する。
Mn鉱石の熱分解および還元は吸熱反応なので、脱炭吹錬後にMn鉱石を添加すると、次チャージのスラグ中Mn酸化物の温度が高く、しかも熱分解反応があまり生じないため、スラグーメタル反応界面の温度が高く保たれて、還元反応が進みやすいのである。
2(2−4).固化剤(生ドロマイト)の添加量と粒径を変更(No.4、7、8)
No.4に対し、No.7では、生ドロマイトを4kgから3kgに削減すると、次チャージの注銑時の突沸が生じた。これは、生ドロマイトト溶融脱炭スラグの接触が不十分となり、溶融脱炭スラグが残存した状態で注銑したためである。
そこで、No.8では、軽焼ドロマイト、生ドロマイトの添加量は変えずに粒径を、50mm径以下(25〜50mm径の割合が20質量%以上)から25mm径以下へ低減したところ、突沸は生じなかった。これは、軽焼ドロマイト、生ドロマイトの粒径を小さくしたことで、溶融脱炭スラグとの接触界面積が増えて、効率よく脱炭スラグを固化できたためである。なお、軽焼ドロマイトおよび生ドロマイトの必要量は炉内スラグ残し量に依存する。そして、他のスラグ固化剤の必要量も同様である。
今回の結果から、炉内残留スラグ量に対する固化剤の最低必要量がわかった。
ところで、炉内残留スラグ量は、転炉を傾動して炉口からスラグを排出する際の「炉体傾動角」から推定した。脱炭スラグは比較的流動性が高いので、炉体傾動角と炉内残留スラグ量には良い相関がある。それを活用した。なお、炉体傾動角と炉内残留スラグ量の相関関係は、生成スラグ量をマスバランス計算から推定し、炉体傾動角毎の排出スラグ量を測定して求めた。
2(2−5).固化剤の種類を変更(No.8、9、10)
No.8に対し、No.9では、粒径が25mm以下の石灰石3kg/tを添加した。すると、突沸は生じなかった。生ドロマイトと石灰石では、スラグ固化能力が同程度であることがわかった。
そして、脱炭吹連中に、生成スラグが塩基度4〜5、(%MgO)6〜8となるように、生石灰、軽焼ドロマイト、珪石を適宜添加した。その結果、Mn歩留まりは83%となり、目標値80%を超えた。
No.8に対し、No.10では、粒径が25mm以下の生石灰を3kg/t添加した。すると、突沸は生じなかった。生石灰では他の固化剤のように熱分解反応(生ドロマイト:CaCO→CaO+CO、MgCO→MgO+CO、石灰石:CaCO→CaO+CO)を生じないので、脱炭スラグを固化する能力は低いように思われたが、固化スラグをミクロ観察したところ、生石灰粒中に脱炭スラグ中の溶融FeOが浸潤していた。そのため、脱炭スラグ中の(%FeO)は見掛け上低下し、脱炭スラグの融点が上昇して固化したと考えられる。
このように、生石灰でも細粒化して脱炭スラグとの接触界面積を増やして、脱炭スラグ中FeOを生石灰中へ取り込んでしまえば、脱炭スラグを迅速に固化できることが分かった。
2(2−6).Mn鉱石を出鋼直前に添加(No.11)
No.11では、脱炭吹錬を行った後、Mn鉱石の熱分解をより進行させるべく、脱炭スラグを排出せずにそのまま炉内に残し、出鋼直前に粒径50mm以下(25〜50mm径の割合が20質量%以上)のMn鉱石8kg/tを炉内へ添加した。出鋼完了直後に、炉内へスラグ固化剤として、粒径25mm以下の軽焼ドロマイト1.5kg/tと生石灰を5kg/t添加した。すなわち、脱炭スラグは全量炉内に残した。このため、表1では、出鋼後の排スラグ時間は0分であり、排スラグ後の固化剤添加時間を0分とした。
出鋼直前にMn鉱石を添加しても、出鋼後鍋中[%Mn]はほとんど変化しなかった。このことから、出鋼直前に添加したMnは溶鋼中[C]によって、ほとんど還元されなかったと言える。これは、出鋼時の溶鋼中[%C]が0.1〜0.3%と低い値だったことも影響していると考えられる。
その後、次チャージの溶銑を装入しても、突沸は生じなかった。
そして、脱炭吹錬時はスラグの組成が、塩基度約4、(%MgO)約6〜8、となるように、生石灰、軽焼ドロマイトを添加した。脱炭吹錬後のMn歩留まりは、91%と顕著に向上した。これは、脱炭吹錬直後に炉内へ添加したMn鉱石が、脱炭スラグ中へ十分に溶解してスラグ中に(MnO)として存在したこと、および脱炭スラグを全量リサイクルしたため、系外へ排出されたMn分が少なかったことによると考えられる。
2(2−7).Mn鉱石、固化剤を出鋼直前に添加(No.12)
No.12では、Mn鉱石の熱分解をより進行させ、スラグ固化時間を省略するため、脱炭スラグを排出せずにそのまま炉内に残し、出鋼直前に粒径50mm以下(25〜50mm径の割合が20質量%以上)のMn鉱石8kg/tと固化剤として粒径25mm以下の軽焼ドロマイト1.5kg/tと生石灰5kg/tを炉内へ添加した。このため、表1では、出鋼後の排スラグ時間を0分とし、排スラグ後の固化剤添加時間を0分とした。なお、固化剤として生石灰を用いたのは、出鋼中の溶鋼の温度ロスを極力回避するためである。
その結果、出鋼直後にはスラグが固化しており、直ぐに注銑しても突沸は生じなかった。
このように、本法ではスラグ固化時間が不要であった。
また、脱炭吹錬時はスラグの組成が、塩基度約4、(%MgO)約6〜8、となるように、生石灰、軽焼ドロマイトを添加した。Mn歩留まりも92%と極めて良好だった。これは、脱炭吹錬直後に炉内へ添加したMn鉱石が、脱炭スラグ中へ十分に溶解してスラグ中に(MnO)として存在したこと、および脱炭スラグを全量リサイクルしたため、系外へ排出されたMn分が少なかったことによると考えられる。
2(2−8).大粒径のMn鉱石を出鋼直前に添加(No.13)
No.13では、出鋼後、脱炭スラグの一部(約10kg/t)を排出した後、粒径50mm超のMn鉱石5kg/tを添加し、その0.5分後にスラグ固化剤として、粒径50mm以下(粒径25〜50mmの割合が20質量%以上)の軽焼ドロマイト1.5kg/tおよび生ドロマイト4kg/tを添加した。
Mn鉱石は炉内残留脱炭スラグと接触して熱分解し、その後、スラグ固化剤添加によって冷却、固化した。その結果、次チャージの注銑時に突沸は生じなかった。
脱炭吹錬中には、脱炭スラグが塩基度4、(%MgO)7、約30kg/tとなるように、生石灰、軽焼ドロマイト、珪石を添加した。
Mn鉱石は粒径が大き過ぎて炉内残留脱炭スラグとの接触面積が小さかったため、熱分解反応速度が低下し、次チャージの脱炭吹錬時に溶銑中[Mn]の酸化量が増加してMn歩留まりが70%と目標値80%に達しなかった。
2(2−9).大粒径の固化剤(軽焼ドロマイト)を出鋼直前に添加(No.14)
No.14では、出鋼後、脱炭スラグの一部(約10kg/t)を排出した後、粒径50mm以下(粒径25〜50mmの割合が20質量%以上)のMn鉱石5kg/tを添加し、その0.5分後にスラグ固化剤として、粒径50mm超の軽焼ドロマイト1.5kg/tおよび生ドロマイト4kg/tを添加した。
軽焼ドロマイトの粒径が大き過ぎてスラグとの接触面積が小さかったため、スラグの冷却、固化速度が低下した。その結果、次チャージの注銑時に突沸が生じた。
(実施例1)
脱りん溶銑([C]約3.7%、[Si]=Tr.、[Mn]約0.1%、[P]約0.02%)約270tonを転炉へ装入し、粒径50mm以下(粒径25〜50mmが20質量%以上)の生石灰(CaO約95質量%)9kg/t、粒径25mm以下の珪石(SiO約100質量%)2.5kg/t、粒径50mm以下(粒径25〜50mmが20質量%以上)の軽焼ドロマイト(MgO約34質量%、CaO約60質量%)7kg/t、Mn鉱石(MnO約79%、Fe約10%、SiO約8%)8kg/tを添加して、上吹きランスからOガス65000Nm/hrを吹き付け、底吹き羽口からCOガス2000Nm/hrを吹き込んで脱炭吹錬を行った。
脱炭吹錬終点における溶鋼中[%C]を0.13%とした。[%Mn]は0.37%(Mn歩留は約74%)であった。
出鋼後、転炉を傾動して脱炭スラグを排出し、炉内残留スラグ量を推定20kg/tとした。脱炭スラグ排出直後、粒径50mm以下(粒径25〜50mmが20質量%以上)のMn鉱石(MnO約79%、Fe約10%、SiO約8%)8kg/tを添加した。脱炭スラグを排出してから0.5分後に、粒径25mm以下の軽焼ドロマイト1.5kg/t、生ドロマイト3kg/tを添加した。脱炭スラグを排出してから1.5分後に、次チャージの脱りん溶銑([C]約3.7%、[Si]=Tr.、[Mn]約0.1%、[P]約0.02%)を炉内へ装入したところ、突沸は生じなかった。
その後、脱炭吹錬中に生石灰3.1kg/t、軽焼2.4kg/t、珪石0.45kg/tを添加して、上吹きランスからOガス65000Nm/hrを吹き付け、底吹き羽口からCOガス2000Nm/hrを吹き込んで脱炭吹錬を行った。脱炭吹錬終点における溶鋼中[%C]を0.15%とした。[%Mn]は0.42%(Mn歩留は約84%)であった。
(実施例2)
脱りん溶銑([C]約3.7%、[Si]=Tr.、[Mn]約0.1%、[P]約0.02%)約270tonを転炉へ装入し、粒径50mm以下(粒径25〜50mmが20質量%以上)の生石灰(CaO約95質量%)9kg/t、粒径25mm以下の珪石(SiO約100質量%)2.5kg/t、粒径50mm以下(粒径25〜50mmが20質量%以上)の軽焼ドロマイト(MgO約34質量%、CaO約60質量%)7kg/t、Mn鉱石(MnO約79%、Fe約10%、SiO約8%)8kg/tを添加して、上吹きランスからOガス65000Nm/hrを吹き付け、底吹き羽口からCOガス2000Nm/hrを吹き込んで脱炭吹錬を行った。
脱炭吹錬終点における溶鋼中[%C]を0.15%とした。[%Mn]は0.36%(Mn歩留は約72%)だった。マスバランス計算から、生成スラグ量は約30kg/tと推定した。出鋼直前に、粒径50mm以下(粒径25〜50mmが20質量%以上)のMn鉱石(MnO約79%、Fe約10%、SiO約8%)8kg/t、粒径25mm以下の生石灰5kg/tを添加した。出鋼後鍋中[Mn]は0.36%で変化無かった。
出鋼後、直ちに次チャージの脱りん溶銑([C]約3.7%、[Si]=Tr.、[Mn]約0.1%、[P]約0.02%)約270tonを転炉へ装入したが、突沸は生じなかった。
その後、脱炭吹錬中に生石灰2.4kg/tを添加して、上吹きランスからOガス65000Nm/hrを吹き付け、底吹き羽口からCOガス2000Nm/hrを吹き込んで脱炭吹錬を行った。
脱炭吹錬終点における溶鋼中[%C]を0.16%とした。[%Mn]は0.36%(Mn歩留は約72%)だった。
(比較例1)
脱りん溶銑([C]約3.7%、[Si]=Tr.、[Mn]約0.1%、[P]約0.02%)約270tonを転炉へ装入し、粒径50mm以下(粒径25〜50mmが生石灰に対して20質量%以上)の生石灰(CaO約95質量%)9kg/t、粒径25mm以下の珪石(SiO約100質量%)2.5kg/t、粒径50mm以下(粒径25〜50mmが軽焼ドロマイトに対して20質量%以上)の軽焼ドロマイト(MgO約34質量%、CaO約60質量%)7kg/t、Mn鉱石(MnO約79%、Fe約10%、SiO約8%)8kg/tを添加して、上吹きランスからOガス65000Nm/hrを吹き付け、底吹き羽口からCOガス2000Nm/hrを吹き込んで脱炭吹錬を行った。
脱炭吹錬終点における溶鋼中[%C]を0.15%とした。[%Mn]は0.37%(Mn歩留は約74%)だった。出鋼後、転炉を傾動して脱炭スラグの一部を排出し、炉内残留脱炭スラグ量を推定20kg/tとした。脱炭スラグを排出してから、粒径25mm以下の軽焼ドロマイト1.5kg/t、生ドロマイト3kg/tを添加した。
脱炭スラグを排出してから1.5分後に、次チャージの脱りん溶銑([C]約3.7%、[Si]=Tr.、[Mn]約0.1%、[P]約0.02%)を炉内へ装入したところ、突沸は生じなかった。その後、脱炭吹錬中に生石灰3.1kg/t、軽焼2.4kg/t、珪石0.45kg/t、粒径50mm以下(粒径25〜50mmが20質量%以上)のMn鉱石(MnO約79%、Fe約10%、SiO約8%)8kg/tを添加して、上吹きランスからOガス65000Nm/hrを吹き付け、底吹き羽口からCOガス2000Nm/hrを吹き込んで脱炭吹錬を行った。
脱炭吹錬終点における溶鋼中[%C]を0.15%とした。[%Mn]は、脱炭吹錬中にMn鉱石を添加したため、0.39%(Mn歩留まりは約78%)だった。
(比較例2)
脱りん溶銑([C]約3.7%、[Si]=Tr.、[Mn]約0.1%、[P]約0.02%)約270tonを転炉へ装入し、粒径50mm以下(粒径25〜50mmが生石灰に対して20質量%以上)の生石灰(CaO約95質量%)9kg/t、粒径25mm以下の珪石(SiO約100質量%)2.5kg/t、粒径50mm以下(粒径25〜50mmが軽焼ドロマイトに対して20質量%以上)の軽焼ドロマイト(MgO約34質量%、CaO約60質量%)7kg/t、Mn鉱石(MnO約79%、Fe約10%、SiO約8%)8kg/tを添加して、上吹きランスからOガス65000Nm/hrを吹き付け、底吹き羽口からCOガス2000Nm/hrを吹き込んで脱炭吹錬を行った。
脱炭吹錬終点における溶鋼中[%C]を0.12%とした。[%Mn]は0.37%(Mn歩留は約74%)だった。出鋼後、転炉を傾動して脱炭スラグを排出し、炉内残留脱炭スラグ量を推定20kg/tとした。脱炭スラグ排出直後、粒径50mm以下(粒径25〜50mmが20質量%以上)のMn鉱石(MnO約79%、Fe約10%、SiO約8%)8kg/tを添加した。脱炭スラグを排出してから0.5分後に、粒径50mm以下(粒径25〜50mmが20質量%以上)の軽焼ドロマイト1.5kg/t、粒径50mm以下(粒径25〜50mmが20質量%以上)の生ドロマイト3kg/tを添加した。脱炭スラグを排出してから1.5分後に、次チャージの脱りん溶銑([C]約3.7%、[Si]=Tr.、[Mn]約0.1%、[P]約0.02%)を炉内へ装入したところ、脱炭スラグ固化剤の添加量が少ないために突沸が生じた。
溶銑、スラグが炉内から噴出してしまい、マスバランスがとれなくなったので、Mn歩留を評価できなかった。

Claims (6)

  1. 脱りん予備処理を実施済みの溶銑を転炉で脱炭吹錬し、出鋼後に該脱炭吹錬で生成した脱炭スラグの50質量%以上を当該転炉内に残留させて、該転炉内の残留脱炭スラグへ粒径が50mm以下のMn鉱石および粒径が50mm以下(粒径25〜50mmの脱炭スラグ固化剤が全脱炭スラグ固化剤の20質量%以上)の脱炭スラグ固化剤を、前記残留脱炭スラグに対して該脱炭スラグ固化剤を28質量%以上として添加して、次チャージの脱りん予備処理実施済み溶銑を装入し、生石灰およびMgO源を添加して装入塩基度を3〜5、脱炭スラグ中(MgO)を6〜12質量%として脱炭吹錬することを特徴とする、脱りん予備処理溶銑を用いる転炉の操業方法。
  2. 前記粒径が50mm以下の脱炭スラグ固化剤を、軽焼ドロマイト、生ドロマイト、石灰石、生石灰の一種以上とすることを特徴とする請求項1記載の、脱りん予備処理溶銑を用いる転炉の操業方法。
  3. 前記粒径が50mm以下のMn鉱石および粒径が50mm以下(粒径25〜50mmの脱炭スラグ固化剤が全脱炭スラグ固化剤の20質量%以上)の脱炭スラグ固化剤に替えて、粒径が25mm以下のMn鉱石および粒径が25mm以下の脱炭スラグ固化剤を、前記残留脱炭スラグに対して該脱炭スラグ固化剤を22質量%以上として、添加することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のりん予備処理溶銑を用いる転炉の操業方法。
  4. 脱りん予備処理実施済みの溶銑を転炉で脱炭吹錬し、出鋼前に粒径が50mm以下のMn鉱石を添加し、出鋼後に該脱炭吹錬で生成した脱炭スラグの50質量%以上を当該転炉内に残留させて、該転炉内の残留脱炭スラグへ粒径が50mm以下(粒径25〜50mmの脱炭スラグ固化剤が全脱炭スラグ固化剤の20質量%以上)であって、軽焼ドロマイト、生ドロマイト、石灰石、生石灰の一種以上からなる脱炭スラグ固化剤を、該転炉内の残留脱炭スラグに対して28質量%以上添加して、次チャージの脱りん予備処理実施済み溶銑を装入し、生石灰およびMgO源を添加して装入塩基度を3〜5、脱炭スラグ中(MgO)を6〜12質量%として脱炭吹錬することを特徴とする、脱りん予備処理溶銑を用いる転炉の操業方法。
  5. 脱りん予備処理実施済みの溶銑を転炉で脱炭吹錬し、出鋼前に粒径が50mm以下のMn鉱石と、粒径が50mm以下(粒径25〜50mmの脱炭スラグ固化剤が全脱炭スラグ固化剤の20質量%以上)であって、軽焼ドロマイト、生ドロマイト、石灰石、生石灰の一種以上からなる脱炭スラグ固化剤とを、脱炭吹錬後の脱炭スラグに対して該脱炭スラグ固化剤を28質量%以上として添加して、出鋼完了後直ちに次チャージの脱りん予備処理実施済み溶銑を装入し、生石灰およびMgO源を添加して装入塩基度を3〜5、脱炭スラグ中(MgO)を6〜12質量%として脱炭吹錬することを特徴とする、脱りん予備処理溶銑を用いる転炉の操業方法。
  6. 前記粒径が50mm以下(粒径25〜50mmの脱炭スラグ固化剤が全脱炭スラグ固化剤の20質量%以上)であって、軽焼ドロマイト、生ドロマイト、石灰石、生石灰の一種以上からなる脱炭スラグ固化剤に替えて、粒径が25mm以下であって、軽焼ドロマイト、生ドロマイト、石灰石、生石灰の一種以上からなる脱炭スラグ固化剤を、脱炭吹錬後の脱炭スラグに対して22質量%以上添加することを特徴とする、請求項または請求項に記載の、脱りん予備処理溶銑を用いる転炉の操業方法。
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