JP6212873B2 - レジスト組成物及び塩 - Google Patents
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Description
〔1〕酸の作用によりアルカリ水溶液に対する溶解性が増大する樹脂(A)と、
スルホニウム塩又はヨードニウム塩からなる酸発生剤(B)と、
式(I)で表される塩(I)と、
溶剤とを含有するレジスト組成物。
[式(I)中、
X1は、単結合又は炭素数1〜10の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表し、該脂肪族飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシル基に置換されてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
X2は、炭素数1〜6のフッ素化アルキル基を表す。
W1は、炭素数3〜30の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシル基に置換されてもよく、該脂環式炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表し、R1、R2、R3及びR4のうちから選ばれる2つが、互いに結合して、それらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。]
〔2〕式(I)におけるカチオンがピリジウムイオンである〔1〕記載のレジスト組成物。
〔3〕式(I)におけるX1がオキシカルボニル基である〔1〕又は〔2〕記載のレジスト組成物。
〔4〕式(I)で表される塩。
[式(I)中、
X1は、単結合又は炭素数1〜10の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表し、該脂肪族飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシル基に置換されてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
X2は、炭素数1〜6のフッ素化アルキル基を表す。
W1は、炭素数3〜30の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシル基に置換されてもよく、該脂環式炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表し、R1、R2、R3及びR4のうちから選ばれる2つが、互いに結合して、それらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。]
〔5〕式(I)におけるカチオンがピリジウムイオンである〔4〕記載の塩。
〔6〕式(I)におけるX1がオキシカルボニル基である〔4〕又は〔5〕記載の塩。
〔7〕式(I)におけるX1がオキシカルボニル基であり、R4が水素原子である〔4〕又は〔5〕記載の塩。
アルキル基としては、メチル基(C1)、エチル基(C2)、プロピル基(C3)、ブチル基(C4)、ペンチル基(C5)、ヘキシル基(C6)、ヘプチル基(C7)、オクチル基(C8)、デシル基(C10)、ドデシル基(C12)、ヘキサデシル基(C14)、ペンタデシル基(C15)、ヘキシルデシル基(C16)、ヘプタデシル基(C17)及びオクタデシル基(C18)などが挙げられる。
鎖式の脂肪族炭化水素基のうち2価のものとしては、アルキル基から水素原子を1個取り去ったアルカンジイル基が挙げられる。
該アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、2−プロピリデン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基及び2−メチル−1,4−ブチレン基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基(C1)、エトキシ基(C2)、プロポキシ基(C3)、ブトキシ基(C4)、ペンチルオキシ基(C5)、ヘキシルオキシ基(C6)、ヘプチルオキシ基(C7)、オクチルオキシ基(C8)、デシルオキシ基(C10)及びドデシルオキシ基(C12)などが挙げられる。
アシル基としては、アセチル基(C2)、プロピオニル基(C3)、ブチリル基(C4)、バレイル基(C5)、ヘキシルカルボニル基(C6)、ヘプチルカルボニル基(C7)、オクチルカルボニル基(C8)、デシルカルボニル基(C10)及びドデシルカルボニル基(C12)などのアルキル基とカルボニル基とが結合したもの並びにベンゾイル基(C7)などのアリール基とカルボニル基とが結合したものが包含される。
アシルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基(C7)、フェネチル基(C8)、フェニルプロピル基(C9)、ナフチルメチル基(C11)及びナフチルエチル基(C12)などが挙げられる。
アリールオキシ基としては、フェニルオキシ基(C6)、ナフチルオキシ基(C10)、アントニルオキシ基(C14)、ビフェニルオキシ基(C12)、フェナントリルオキシ基(C14)及びフルオレニルオキシ基(C13)などのアリール基と酸素原子とが結合したものが挙げられる。
アリール基としては、フェニル基(C6)、ナフチル基(C10)、アントニル基(C14)、ビフェニル基(C12)、フェナントリル基(C14)及びフルオレニル基(C13)などが挙げられる。ここに示すアリール基から、さらに水素原子を1個取り去ったアリーレン基が、2価の芳香族炭化水素基に該当する。
塩(I)は上述のとおり、上述のとおり式(I)で表される。繰り返しになるが、式(I)を以下に示す。
[式(I)中、
X1は、単結合又は炭素数1〜10の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表し、該脂肪族飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシル基に置換されてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
X2は、炭素数1〜6のフッ素化アルキル基を表す。
W1は、炭素数3〜30の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシル基に置換されてもよく、該脂環式炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表し、R1、R2、R3及びR4のうちから選ばれる2つが、互いに結合して、それらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。]
式(X1−A)中、
X1A及びX1Bは、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。このX1A及びX1Bのアルカンジイル基を構成するメチレン基も、酸素原子又はカルボニル基に置き換わることもある。
式(X1−D)中、X1Dは、単結合又は炭素数1〜3のアルカンジイル基を表す。
式(X1−E)中、X1Eは、炭素数1〜3のアルカンジイル基を表す
これらの中でも、X1は式(X1−D)で表される基が一層好ましく、後述する製造方法により、簡便に塩(I)を製造できる点では、X1はカルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基が特に好ましい。
で表されるイオンをいう。
X1がオキシカルボニル基である場合の塩(I)は例えば、式(II)
で表される化合物(以下、場合により「化合物(II)」という。)と、
式(III)
で表される化合物(以下、場合により「化合物(III)」という。)及び式(IVa)
で表される化合物(以下、場合により「化合物(IVa)」という。)とを反応させる工程を含む製造方法により製造できる。なお、式(II)、式(III)及び式(IVa)において、R1、R2、R3、W1及びX2はいずれも前記と同義である。
化合物(III)も所望のW1に応じたものを準備すればよいが、市場から入手できる市販品を用いることもできる。この市販品としては例えば、シクロプロパノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、アダマンタノール、n−ペンタノール及びn−ヘキサノールなどが挙げられる。
化合物(IVa)も所望のR1〜R4に応じたものを準備すればよい。
[式(IVb)中、R1、R2及びR3は前記と同義である。]
樹脂(A)は上述のとおり、酸の作用によりアルカリ水溶液に対する溶解性が増大する特性(以下、場合により「酸作用特性」という。)を有する。なお、樹脂(A)は酸の作用を受ける前、すなわち、酸と接触する前には、当該アルカリ水溶液に対して、不溶又は難溶であると好ましい。
「酸不安定基」とは、酸と接触すると脱離基が脱離して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。酸不安定基としては、例えば、式(1)で表される基(酸不安定基(1))、式(2)で表される基(酸不安定基(2))などが挙げられる。
[式(1)中、
Ra1、Ra2及びRa3(Ra1〜Ra3)は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。*は結合手を表す。]
Ra1’及びRa2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。該1価の炭化水素基及び該2価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子に置き換わってもよい。*は結合手を表す。]
かかる脂環式炭化水素基を有するモノマー(a1)を用いて得られる好適な構造単位(a1)を有する樹脂(A)について、さらに詳述する。該樹脂(A)の中でも、式(a1−1)で表される構造単位(以下、場合により「構造単位(a1−1)」という。)又は式(a1−2)で表される構造単位(以下、場合により「構造単位(a1−2)」という。)を有する樹脂(A)が好ましい。かかる樹脂(A)には、構造単位(a1−1)を単独種で有していてもよく、複数種有していてもよく、構造単位(a1−2)を単独種で有していてもよく、複数種有していてもよく、構造単位(a1−1)と構造単位(a1−2)とを合わせて有していてもよい。
[式(a1−1)中、
La1は、酸素原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−(k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。)で表される基を表す。
Ra4は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
式(a1−2)中、
La2は、酸素原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−(k1は前記と同義である。)で表される基を表す。
Ra5は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n2は0又は1の整数を表す。]
Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
Ra6及びRa7の脂肪族炭化水素基のうち、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基であり、この炭素数の上限以下の範囲で、すでに例示したものと同じものを含む。Ra6及びRa7の脂肪族炭化水素基はそれぞれ独立に、好ましくは炭素数8以下のアルキル基又は炭素数8以下の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは炭素数6以下のアルキル基又は炭素数6以下の脂環式炭化水素基である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
[式(a1−3)中、
Ra9は、水素原子、置換基(例えばヒドロキシ基)を有していてもよい炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基、シアノ基、又は−COORa13で表される基を表し、Ra13は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子はヒドロキシ基などで置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。Ra10、Ra11及びRa12は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基を表すか、或いはRa10及びRa11は互いに結合して環を形成している。該脂肪族炭化水素基及に含まれる水素原子はヒドロキシ基などで置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
[式(a1−4)中、
R10は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
laは0〜4の整数を表す。
R11は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表し、laが2以上である場合、複数のR11は互いに同一であっても異なってもよい。
R12及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
Xa2は、置換基を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基又は単結合を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又は−N(Rc)−(ただし、Rcは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す)で表される基に置き換わっていてもよい。
Ya3は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表す。]
R11のアルコキシ基は、炭素数1〜6の範囲において、すでに例示したものを含むが、中でも、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
R11のアシル基及びアシルオキシ基も、その炭素数が2〜4の範囲において、すでに例示したものを含む。
R12及びR13の炭化水素基は、その炭素数が1〜12の範囲において、Ya3の炭化水素基は、その炭素数が1〜18の範囲において、すでに例示した脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれかを含む。
Xa2の脂肪族炭化水素基は2価の鎖式炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基又は、鎖式炭化水素基と脂環式炭化水素基とが組み合わさった2価の基であり、炭素数1〜17の範囲ですでに例示した基を適宜組み合わせた基を挙げることができる。
樹脂(A)は、酸不安定基を含む構造単位(a1)に加え、酸不安定基を有さない構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位」といい、該酸安定構造単位を誘導し得るモノマーを、「酸安定モノマー」という。)を有していると好ましい。該樹脂(A)中、酸安定構造単位は1種のみを有していてもよく、複数種を有していてもよい。
酸安定構造単位は、ヒドロキシ基又はラクトン環を有する構造単位が好ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位(a2)」という。)及び/又はラクトン環を有する酸安定構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位(a3)」という。)を有する樹脂(A)は、当該樹脂(A)を含有する本レジスト組成物を基板に塗布したとき、基板上に形成される塗布膜、又は塗布膜から得られる組成物層が基板との間に優れた密着性を発現し易くなり、この本レジスト組成物は良好な解像度で、レジストパターンを製造することができる。なお、ここでいう本レジスト組成物を用いるレジストパターンの製造方法に関しては後述する。まず、酸安定構造単位として好適な、酸安定構造単位(a2)及び酸安定構造単位(a3)に関して具体例を挙げつつ説明する。
酸安定構造単位(a2)を樹脂(A)に導入する場合、当該樹脂(A)を含有する本レジスト組成物からレジストパターンを製造する際の露光源の種類によって、各々、好適な酸安定構造単位(a2)を選択することができる。すなわち、本レジスト組成物を、KrFエキシマレーザ(波長:248nm)を露光源とする露光、電子線あるいはEUV光などの高エネルギー線を露光源とする露光に用いる場合には、酸安定構造単位(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位(a2−0)を樹脂(A)に導入することが好ましい。短波長のArFエキシマレーザ(波長:193nm)を露光源とする露光を用いる場合は、酸安定構造単位(a2)として、後述の式(a2−1)で表される酸安定構造単位を樹脂(A)に導入することが好ましい。このように、樹脂(A)が有する酸安定構造単位(a2)は各々、レジストパターンを製造する際の露光源によって好ましいものを選ぶことができるが、樹脂(A)が有する酸安定構造単位(a2)は、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)1種のみを有していてもよく、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)2種以上を有していてもよく、或いは、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)と、それ以外の酸安定構造単位(a2)とを組み合わせて有していてもよい。
La3は、酸素原子又は*−O−(CH2)k2−CO−O−(k2は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手を表す。)で表される基を表す。
Ra14は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
Ra14は、好ましくはメチル基である。
Ra15は、好ましくは水素原子である。
Ra16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
式(a2−0)中、
Ra30は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
Ra31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31は同一でも異なっていてもよい。
Ra31のアルコキシ基の具体例は、炭素数1〜6の範囲で、すでに例示したものを含む。これらのうち、Ra31は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
maは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
maは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
酸安定構造単位(a3)が有するラクトン環は例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環及びδ−バレロラクトン環のような単環式でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
[式(a3−1)中、
La4は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra18は、水素原子又はメチル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
Ra21は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、p1が2以上の場合、複数のRa21は同一でも異なっていてもよい。
式(a3−2)中、
La5は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
q1は、0〜3の整数を表す。
Ra22は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、q1が2以上の場合、複数のRa22は同一でも異なっていてもよい。
式(a3−3)中、
La6は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra20は、水素原子又はメチル基を表す。
r1は、0〜3の整数を表す。
Ra23は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、r1が2以上の場合、複数のRa23は同一でも異なっていてもよい。]
La4〜La6は、それぞれ独立に、酸素原子又は、k3が1〜4の整数である*−O−(CH2)k3−CO−O−で表される基が好ましく、酸素原子及び、*−O−CH2−CO−O−がより好ましく、さらに好ましくは酸素原子である。
Ra18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
Ra22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1である。なお、p1が2である場合、2つのRa21は互いに同一でも異なっていてもよく、q1が2である場合、2つのRa22は互いに同一でも異なっていてもよく、r1が2である場合、2つのRa23は互いに同一でも異なっていてもよい。
樹脂(A)が有する酸安定構造単位として、好適な酸安定構造単位(a2)及び酸安定構造単位(a3)を説明したが、当該樹脂(A)は酸安定構造単位(a2)及び酸安定構造単位(a3)以外の酸安定構造単位を有していてもよい。ここで、酸安定構造単位(a2)及び酸安定構造単位(a3)以外の酸安定構造単位はレジスト分野で周知のものを挙げることができる。
本レジスト組成物に含有される酸発生剤(B)は、スルホニウム塩又はヨードニウム塩からなるものであり、好ましくはフッ素含有酸発生剤である。酸発生剤(B)は、より好ましくは式(B1)で表されるスルホン酸塩(以下、場合により「酸発生剤(B1)」という。)である。
[式(B1)中、
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Lb1は、単結合又は炭素数1〜17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表し、該2価の脂肪族飽和炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表し、該炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Z+は、スルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンを表す。]
式(B1)では、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、好ましくはペルフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
Lb2は、単結合又は炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。
Lb3は、単結合又は炭素数1〜12の飽和炭化水素基を表す。
Lb4は、炭素数1〜13の飽和炭化水素基を表す。但しLb3及びLb4の合計炭素数の上限は13である。
Lb5は、単結合又は炭素数1〜14の飽和炭化水素基を表す。
Lb6は、炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。但しLb5及びLb6の合計炭素数の上限は15である。
Lb7は、単結合又は炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。
Lb8は、炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。但しLb7及びLb8の合計炭素数の上限は16である。
Lb9は、単結合又は炭素数1〜13の飽和炭化水素基を表す。
Lb10は、炭素数1〜14の飽和炭化水素基を表す。但しLb9及びLb10の合計炭素数の上限は14である。
Lb11及びLb12は、単結合又は炭素数1〜11の飽和炭化水素基を表す。
Lb13は、炭素数1〜12の飽和炭化水素基を表す。但しLb11、Lb12及びLb13の合計炭素数の上限は12である。
Lb14及びLb15は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜13の飽和炭化水素基を表す。
Lb16は、炭素数1〜14の飽和炭化水素基を表す。但しLb14、Lb15及びLb16の合計炭素数の上限は14である。
Yのアルキル基としては、炭素数1〜18の範囲ですでに例示したものを含むが、中でも炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
Yの脂環式炭化水素基も、炭素数1〜18の範囲ですでに例示したものを含み、その炭素数は3〜12の範囲が好ましく、式(Y1)〜式(Y11)でそれぞれ表される基が好ましい。
なお、上述のとおり、該アルキル基及び脂環式炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。例えば、脂環式炭化水素基を構成するメチレン基が、酸素原子又はカルボニル基に置き換わった基としては、環状エーテル基(脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基の1つ又は2つが酸素原子に置き換わった基)、環状ケトン基(脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基の1つ又は2つがカルボニル基に置き換わった基)、スルトン環基(脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基のうち隣り合う2つのメチレン基が、それぞれ、酸素原子及びスルホニル基に置き換わった基)及びラクトン環基(脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基のうち隣り合う2つのメチレン基が、それぞれ、酸素原子及びカルボニル基に置き換わった基)などが挙げられる。具体的には、以下の式(Y12)〜式(Y26)で表される基等が挙げられる。
アルキル基、脂環式炭化水素基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、アラルキル基及びアシル基の具体例は、各々の炭素数の範囲ですでに例示したものを含む。
ヒドロキシ基を有するアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシ
当該スルホン酸アニオンとしては、具体的には、特開2010−204646号公報に記載されたアニオンが挙げられる。
Yが無置換の脂肪族炭化水素基であるスルホン酸アニオンとしては、以下の式(b1−s−0)〜式(b1−s−9)でそれぞれ表されるものが挙げられる。
Rb4〜Rb6は、互いに独立に、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を有していてもよく、該脂環式炭化水素基は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基を有していてもよく、該芳香族炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を有していてもよい。Rb4、Rb5及びRb6から選ばれる2つが一緒になって、イオウ原子を含む環を形成してもよい。
m2及びn2は、互いに独立に0〜5の整数を表す。m2が2以上である場合、複数のRb7は互いに同一であっても異なってもよく、n2が2以上である場合、複数のRb8は互いに同一であっても異なってもよい。
Rb9及びRb10は、互いに独立に、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。
Rb11は、水素原子、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
Rb9〜Rb11は、互いに独立に、脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜12)又は脂環式炭化水素基(好ましくは炭素数3〜18、より好ましくは炭素数4〜12)である。
Rb12は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基を有していてもよい。
Rb9とRb10及びRb11とRb12は、互いに独立に、互いに結合して3員〜12員(好ましくは3員〜7員)環を形成していてもよく、該環に含まれるメチレン基が、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Lb11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
o2、p2、s2及びt2は、互いに独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、互いに独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上であるとき、複数のRb13は互いに同一であっても異なってもよく、p2が2以上であるとき、複数のRb14は互いに同一であっても異なってもよく、s2が2以上であるとき、複数のRb15は互いに同一であっても異なってもよく、t2が2以上であるとき、複数のRb18は互いに同一であっても異なってもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。
アシル基も炭素数2〜4の範囲ですでに例示したものを含む。
アルキルカルボニルオキシ基としては、例えば、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基などが挙げられる。
Rb9〜Rb11の脂環式炭化水素基のうち好ましい基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基及びイソボルニル基である。
Rb12の芳香族炭化水素基のうち好ましい基は、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基及びナフチル基である。
Rb12の脂肪族炭化水素基を有する芳香族炭化水素基は、典型的にはアラルキル基であり、具体的にはベンジル基等が挙げられる。
Rb9とRb10とが結合して形成する環としては、例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環及び1,4−オキサチアン−4−イウム環等が挙げられる。
Rb11とRb12とが結合して形成する環としては、例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環及びオキソアダマンタン環等が挙げられる。
式(b2−1−1)中、
Rb19、Rb20及びRb21は、互いに独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、Rb19、Rb20及びRb21から選ばれる2つが一緒になって単結合、−O−又は炭素数1〜4の2価の脂肪族炭化水素基を表し、イオウ原子を含む環を形成してもよい。
脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数は4〜18であり、置換基として、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基を有していてもよい。
v2、w2及びx2は、互いに独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上のとき、複数のRb19は互いに同一でも異なってもよく、w2が2以上のとき、複数のRb20は互いに同一でも異なってもよく、x2が2以上のとき、複数のRb21は互いに同一でも異なってもよい。
なかでも、Rb19、Rb20及びRb21は、互いに独立に、好ましくは、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。
溶剤(D)は、本レジスト組成物に用いる塩(I)や樹脂(A)などの種類及びその量に応じて最適なものを選択できるが、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類;γ−ブチロラクトンのような環状エステル類;等を挙げることができる。溶剤(D)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本レジスト組成物は、必要に応じて、成分(F)を含有していてもよい。かかる成分(F)は特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤及び染料などを利用できる。
本レジスト組成物は例えば、塩(I)、樹脂(A)、酸発生剤(B)及び溶剤(D)を混合することで調製することができる。かかる混合において、その混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、樹脂などの種類や樹脂等の溶剤(D)に対する溶解度等に応じて適切な温度範囲を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合などを用いることができる。
本レジスト組成物を用いるレジストパターンの製造方法の一例を示すと、
(1)本レジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を、現像する工程
を含む方法が挙げられる。以下、ここに示す工程の各々を、「工程(1)」〜「工程(5)」のようにいう。
上述のとおり、マスクを介して露光することにより、該組成物層には露光された部分(露光部)及び露光されていない部分(未露光部)が生じる。露光部の組成物層では該組成物層に含まれる酸発生剤(B)〔好ましくは、酸発生剤(B1)〕が露光エネルギーを受けて酸を発生し、さらに発生した酸の作用により、樹脂(A)にある酸不安定基が脱保護反応により親水性を生じるため、露光部の組成物層にある樹脂(A)はアルカリ水溶液に可溶なものとなる。一方、未露光部では露光エネルギーを受けないため、樹脂(A)はアルカリ水溶液に対して不溶又は難溶のままとなる。露光部にある組成物層と未露光部にある組成物層とは、アルカリ水溶液に対する溶解性が著しく相違することとなる。
前記アルカリ水溶液としては、「アルカリ現像液」と称される本技術分野で公知のものを用いることができる。該アルカリ水溶液としては例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液や(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液などが挙げられる。
実施例及び比較例中、含有量ないし使用量を表す「%」及び「部」は、特記ないかぎり質量基準である。
また、化合物の構造はNMR(400−MR:VARIAN製)で確認した。
ピリジン44.9部と、式(I−4−b)で表される化合物47.3部と、テトラヒドロフラン142.1部とを混合した溶液を、式(I−4−a)で表される化合物100.0部と、テトラヒドロフラン100.0部とを混合した溶液に、0℃で滴下した。得られた混合物を、室温で1時間攪拌した。反応混合溶液にイオン交換水220部を加え、酢酸エチルにより抽出した。抽出した有機層を減圧濃縮した後、n−ヘプタンを加えて、再結晶化することで、式(I−4)で表される塩(I)131.6部を得た。
19F−NMR(DMSO−d6):δ=−96.0(2H,s),−97.8(2H,s),−104.5(2H,s)
ピリジン11.22部と、式(I−15−b)で表される化合物13.7部と、テトラヒドロフラン41.0部とを混合した溶液を式(I−15−a)で表される化合物25.0部と、テトラヒドロフラン25.0部とを混合した溶液に、0℃で滴下した。得られた混合物を、室温で1時間攪拌した。反応混合溶液にイオン交換水58部を加え、酢酸エチルにより抽出した。抽出した有機層を減圧濃縮した後、n−ヘプタンを追加し攪拌を1時間行なった。混合溶液を整置し、上澄みを除去し、乾燥することで、式(I−15)で表される塩(I40.74部を得た。
19F−NMR(DMSO−d6):δ=−96.0(2H,s),−97.8(2H,s),−104.5(2H,s)
ピリジン11.2部と、式(I−3−b)で表される化合物10.2部と、テトラヒドロフラン30.1部とを混合した溶液を、式(I−10−a)で表される化合物25.0部と、テトラヒドロフラン25.0部とを混合した溶液に、0℃で滴下した。得られた混合物を、室温で1時間攪拌した。反応混合溶液にイオン交換水50部を加え、酢酸エチルにより抽出した。抽出した有機層を減圧濃縮した後、n−ヘプタンを加えて、再結晶化することで、式(I−3)で表される塩(I)40.2部を得た。
19F−NMR(DMSO−d6):δ=−96.0(2H,s),−97.8(2H,s),−104.5(2H,s)
ピリジン11.2部と、式(I−2−b)で表される化合物8.5部と、テトラヒドロフラン30.1部とを混合した溶液を、式(I−2−a)で表される化合物25.0部と、テトラヒドロフラン25.0部とを混合した溶液に、0℃で滴下した。得られた混合物を、室温で1時間攪拌した。反応混合溶液にイオン交換水50部を加え、酢酸エチルにより抽出した。抽出した有機層を減圧濃縮した後、n−ヘプタンを加えて、再結晶化することで、式(I−2)で表される塩(I)35.4部を得た。
19F−NMR(DMSO−d6):δ=−96.0(2H,s),−97.8(2H,s),−104.5(2H,s)
ピリジン11.2部と、式(I−1−b)で表される化合物15.4部と、テトラヒドロフラン30.1部とを混合した溶液を、式(I−1−a)で表される化合物25.0部と、テトラヒドロフラン25.0部とを混合した溶液に、0℃で滴下した。得られた混合物を、室温で1時間攪拌した。反応混合溶液にイオン交換水50部を加え、酢酸エチルにより抽出した。抽出した有機層を減圧濃縮した後、n−ヘプタンを加えて、再結晶化することで、式(I−1)で表される塩(I)30.3部を得た。
19F−NMR(DMSO−d6):δ=−96.0(2H,s),−97.8(2H,s),−104.5(2H,s)
ピリジンの代わりに、式(I−35−c)で表される化合物(水酸化テトラブチルアンモニウム、「Bu」はn−ブチル基を意味する)を用いること以外は、実施例1と同様に合成を行うことにより、式(I−34)で表される塩(I)が得られる。
式(M−1)で表されるモノマー15.00部、式(M−2)で表されるモノマー4.89部、式(M−6)で表されるモノマー11.12部、式(M−3)で表されるモノマー8.81部を反応器に仕込み(モル比 35:12:23:30)、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、77℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行うことで精製し、重量平均分子量が約8.1×103の共重合体を収率78%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A1とする。
表3に示す各成分を混合することにより得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルタで濾過し、レジスト組成物を調製した。表中「−」は含有量が0であることを表す。
A1:樹脂A1
<酸発生剤>
B1:式(B1−6)で表される酸発生剤
<塩(I)>
I−4:式(I−4)で表される塩(I)
I−15:式(I−15)で表される塩(I)
I−1:式(I−1)で表される塩(I)
I−2:式(I−2)で表される塩(I)
I−3:式(I−3)で表される塩(I)
<塩基性化合物:クエンチャー>
C1:2,6−ジイソプロピルアニリン
<溶剤>
E1:
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 150.0部
2−ヘプタノン 20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.0部
次いで、有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥後の膜厚が150nmとなるようにスピンコートした。
得られたシリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表4の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベーク(PB)した。得られたウェハに、液浸露光用ArFエキシマスキャナー[XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.20、3/4Annular、σout/in=0.900/0.675、X、Y偏向]を用いて、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを液浸露光した。
露光後、ホットプレート上にて、表4の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベーク(PEB)を行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。
露光マージン(%)={X(49.5)−X(60.5)}/X(55.0)×100
ただし、X(49.5)はラインの線幅が49.5nmになる時の露光量、X(60.5)はラインの線幅が60.5nmになる時の露光量を表す。そ
X(55.0)はラインの線幅が55.0nmになる時の露光量である。露光マージンの結果を表5に示す。
Claims (7)
- 酸の作用によりアルカリ水溶液に対する溶解性が増大する樹脂(A)と、
スルホニウム塩又はヨードニウム塩からなる酸発生剤(B)と、
式(I)で表される塩(I)と、
溶剤とを含有するレジスト組成物。
[式(I)中、X1は、式(X1−D)で表される基を表す。
X1Dは、単結合又は炭素数1〜3のアルカンジイル基を表す。
X 2は、炭素数1〜6のフッ素化アルカンジイル基を表す。
W1は、炭素数3〜30の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシル基に置換されてもよく、該脂環式炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1、R2、R3及びR4のうちから選ばれる2つが、互いに結合して、それらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。
*はX 2 と結合する。] - 式(I)におけるカチオンがピリジニウムイオンである請求項1記載のレジスト組成物。
- 式(I)におけるX1がオキシカルボニル基である請求項1又は2記載のレジスト組成物。
- 式(I)で表される塩。
[式(I)中、X1は、式(X1−D)で表される基を表す。
X1Dは、単結合又は炭素数1〜3のアルカンジイル基を表す。
X 2は、炭素数1〜6のフッ素化アルカンジイル基を表す。
W1は、炭素数3〜30の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシル基に置換されてもよく、該脂環式炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1、R2、R3及びR4のうちから選ばれる2つが、互いに結合して、それらが結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。
*はX 2 と結合する。] - 式(I)におけるカチオンがピリジニウムイオンである請求項4記載の塩。
- 式(I)におけるX1がオキシカルボニル基である請求項4又は5記載の塩。
- 式(I)におけるX1がオキシカルボニル基であり、R4が水素原子である請求項4又は5記載の塩。
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