JP6211078B2 - ポリ(フェニレンエーテル)プロセス - Google Patents

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Description

ポリ(フェニレンエーテル)樹脂は、その優れた耐水性、寸法安定性および固有の難燃性で知られるプラスチックの一種である。強度、剛性、耐薬品性および耐熱性などの特性は、他の種々のプラスチックとブレンドすることによって調整し、衛生器具、配電盤、自動車部品および被覆ワイヤーを含む広範な消費財の要件を満たすことができる。また、ポリ(フェニレンエーテル)は、硬化して非常に硬質のプラスチックを形成する材料である熱硬化性樹脂の添加剤としても使用される。ポリ(フェニレンエーテル)を添加することによって、硬化熱硬化性樹脂をはるかに脆性破壊しにくくすることができる。
ポリ(フェニレンエーテル)は、一部の使用、特に熱硬化性組成物中で使用される場合、末端ヒドロキシ基をメタクリル酸エステルなどの重合性基で「キャッピング」して改質してもよい。このキャッピング反応は、生成されるキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)に混入して、該キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)が取り込まれた熱硬化性組成物の誘電特性を損ね得るキャッピング剤、キャッピング副生成物およびキャッピング触媒に付随して起こる。キャッピング反応不純物を分離する方法はいくつか知られているが、それらには実質的な欠点がある。
Freshourらの米国特許第6,897,282号に記載されているように、貧溶媒でキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を沈殿させると、キャッピング反応不純物の濃度は低減する。しかしながら、沈殿によるキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の収率は低い場合があり、特に、25℃のクロロホルム中で測定した固有粘度が0.12dL/g以下などの低固有粘度を有するキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)では収率が低い。さらに、沈殿プロセスによって、貧溶媒の取り扱いと処分の問題が生じ、また、固形物粒子特性が劣るキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)が生成される。また、Freshour特許には、キャッピング反応混合物を水で「洗浄」(抽出)後、脱揮押出によって全単離する方法も記載されている。しかしながら、その方法では、ポリ(フェニレンエーテル)溶液の容積に対して多量の水による洗浄が必要であり、また、該方法は、単離されたキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)中の残留不純物濃度が高いという点で、最終的には効果がなかった。例えば、単離されたキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)中のメタクリル酸濃度は2,668〜25,003ppmであることが確認された。
Carrilloらの米国特許第7,589,367号には、苛性ソーダ水溶液洗浄を用いてキャッピング反応不純物を除去する液・液抽出法が記載されている。しかしながら、この方法では、単離されたキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)内にナトリウムカチオンが導入される。これは、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)が電気用途で使用されることを考慮すると、非常に好ましくない。キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)中に金属カチオンが存在すると、その電気的特性に悪影響を及ぼす可能性があり、そのために、こうした用途での使用に適さないものとなる。
Eliassenらの米国特許第4,237,265号には、別のポリ(フェニレンエーテル)溶液相に連続的に接触させながら連続した水相を維持する抽出装置内の並流または向流の液・液抽出が開示されている。該水相は、水とC−Cアルカノールとの混合物である。このプロセスでは、ポリ(フェニレンエーテル)溶液相に対して比較的多量のアルカノール−水相が必要であり、特に、アルカノール−水相とポリ(フェニレンエーテル)溶液相との容積比は1:1〜10:1である。このように多量のアルカノールが使用されるため、プロセスのコストが上昇する。
当分野では、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の精製のための改良された液・液抽出法が求められている。この方法は、ポリ(フェニレンエーテル)反応混合物からのキャッピング剤、キャッピング剤副生成物およびキャッピング触媒の除去に有効なものでなければならない。また、この方法での溶媒の使用量は、貧溶媒沈殿プロセスより少なくなければならない。この方法では、溶媒使用量をさらに最小化するために、アルカノール−水相とポリ(フェニレンエーテル)溶液相との容積比が小さくなければならない。また、この方法では、金属カチオンがキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)内に導入されてはならない。
上記の目的は、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)、キャッピング剤、キャッピング副生成物およびキャッピング触媒と、トルエン、キシレン、メシチレン、スチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルムおよびこれらの組み合わせから構成される群から選択されたポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、を含むキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)溶液と、C−Cアルカノールと水を含む第1の洗浄溶媒と、を混合して、前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)とポリ(フェニレンエーテル)溶媒を含む第1の液相と、C−Cアルカノールと水を含む第2の液相と、を形成するステップと、前記第2の液相から前記第1の液相を分離するステップと、を備え;前記第1の液相と前記第2の液相との容積比は1.5:1〜10:1であり;前記第1の液相と前記第2の液相との混合相は、前記ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルカノールおよび水の合計100モル%に対して、24〜92モル%のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、1〜56モル%のC−Cアルカノールと、3〜74モル%の水と、を含み;前記第1の液相は、溶液中、少なくとも95質量%の前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を含むキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の精製方法によって達成される。
別の実施形態は、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)、キャッピング剤、キャッピング副生成物、キャッピング触媒およびトルエンを含むキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)溶液と、メタノールと水を含む第1の洗浄溶媒と、を混合して、前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)とトルエンを含む第1の液相と、メタノールと水を含む第2の液相と、を形成するステップと、前記第2の液相から前記第1の液相を分離するステップと、を備え;前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、トルエンと前記キャッピング触媒の存在下におけるポリ(フェニレンエーテル)と前記キャッピング剤との反応の生成物であり;前記第1の液相と前記第2の液相との容積比は2:1〜7:1であり;前記第1の液相と前記第2の液相との混合相は、前記トルエン、メタノールおよび水の合計100モル%に対して、24〜92モル%のトルエンと、1〜56モル%のメタノールと、3〜74モル%の水と、を含み;前記第1の液相は、溶液中、少なくとも95質量%の前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を含むキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の精製方法である。
別の実施形態は、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンおよびトルエンを含むキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)溶液と、メタノールと水を含む第1の洗浄溶媒と、を混合して、前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)とトルエンを含む第1の液相と、メタノールと水を含む第2の液相と、を形成するステップと、前記第2の液相から前記第1の液相を分離するステップと、を備え;前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、トルエンと4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンの存在下におけるポリ(フェニレンエーテル)と(メタ)アクリル酸無水物との反応の生成物であり、(メタ)アクリル酸無水物と前記ポリ(フェニレンエーテル)上のヒドロキシ基とのモル比は1:1〜3:1であり;前記ポリ(フェニレンエーテル)は、2,6−キシレノールを含むモノマーと2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとの酸化共重合の生成物であり;前記第1の液相と前記第2の液相との容積比は2:1〜7:1であり;前記第1の液相と前記第2の液相との混合相は、前記トルエン、メタノールおよび水の合計100モル%に対して、24〜92モル%のトルエンと、1〜56モル%のメタノールと、3〜73モル%の水と、を含み;前記第1の液相と第2の液相との混合相中の前記メタノールと水の合計量は、前記トルエン、メタノールおよび水の合計100モル%に対して、少なくとも25モル%であり;前記トルエンとメタノールおよび水の組み合わせとのモル比は0.75:1〜3:1であり;前記メタノールと水とのモル比は0.5:1〜3:1であり;前記第1の液相は、溶液中、少なくとも95質量%の前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を含むキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の精製方法である。
発明的実施例の第1および第2の液相の混合相の溶媒組成をプロットした、メタノール、水およびトルエンの混合物の状態図である。
本発明の記述文脈(特に以下の請求項の文脈)における単数表現は、本明細書で別途明示がある場合または文脈上明らかに矛盾する場合を除き、単数および複数を含むものと解釈される。また、本明細書で用いられる、「第1の」「第2の」などの用語は、いかなる順序や量あるいは重要度を表すものではなく、ある成分と他の成分とを区別するために用いられるものである。
本発明者らは、残留するキャッピング剤、キャッピング副生成物およびキャッピング触媒の濃度が低いキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)が、アルカノール−水洗浄を用いた液・液抽出によって、ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物から高収率で生成されることを見出した。ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物が、貧溶媒沈殿法より実質的に少ない量の溶媒を用いるこの方法で精製できることは、特に驚きである。貧溶媒の使用量のこの低減によって原料コストが低減し、蒸留で回収される貧溶媒の使用量が低減することによってエネルギーコストが低減する。また、この方法での資本設備は、貧溶媒沈殿法より少なくて済む。この方法では、溶媒使用量をさらに低減するために、アルカノール−水相とポリ(フェニレンエーテル)溶液相との容積比が低減されている。また、この方法では、金属イオンがキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)内に導入されない。別の有利な特長として、本発明者らは、本方法によって生成されたキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、十分に高純度であり脱揮押出によって単離されることを見出した。
従って、一実施形態では、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の精製方法は、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)、キャッピング剤、キャッピング副生成物およびキャッピング触媒と、トルエン、キシレン、メシチレン、スチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルムおよびこれらの組み合わせから構成される群から選択されたポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、を含むキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)溶液と、C−Cアルカノールと水を含む第1の洗浄溶媒と、を混合して、前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)とポリ(フェニレンエーテル)溶媒を含む第1の液相と、C−Cアルカノールと水を含む第2の液相と、を形成するステップと;前記第2の液相から前記第1の液相を分離するステップと、を備え;前記第1の液相と前記第2の液相との容積比は1.5:1〜10:1であり;前記第1の液相と前記第2の液相との混合相は、前記ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の合計100モル%に対して、24〜92モル%のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、1〜56モル%のC−Cアルカノールと、3〜74モル%の水と、を含み;前記第1の液相は、溶液中、少なくとも95質量%の前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を含む。
ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の量は質量%単位で表される。従って、一部の実施形態では、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の精製方法は、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)、キャッピング剤、キャッピング副生成物およびキャッピング触媒と、トルエン、キシレン、メシチレン、スチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルムおよびこれらの組み合わせから構成される群から選択されたポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、を含むポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物と、C−Cアルカノールと水を含む第1の洗浄溶媒と、を混合して、前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)とポリ(フェニレンエーテル)溶媒を含む第1の液相と、C−Cアルカノールと水を含む第2の液相と、を形成するステップと、前記第2の液相から前記第1の液相を分離するステップと、を備え;前記第1の液相と前記第2の液相との容積比は約1.5:1〜約10:1であり;前記第1の液相と前記第2の液相との混合相は、前記ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の合計100質量%に対して、約60〜約98質量%のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、約1〜約32質量%のC−Cアルカノールと、約1〜約36質量%の水と、を含み;前記第1の液相は、溶液中、少なくとも95質量%の前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を含む。
該方法の有利な特長は、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の単位質量当たりの溶媒使用量が、貧溶媒沈殿法と比較して低減されていることである。従って、一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルカノールおよび水の組み合わせとキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)との質量比は1:1〜8:1であり、具体的には1.5:1〜7:1であり、より具体的には2:1〜6:1である。
ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルカノールおよび水の量は、第1の液相の容積量が第2の液相の容積量より多くなる量である。第1の液相と第2の液相との容積比は、例えば、約1.5:1〜約10:1であってもよく、具体的には約2:1〜約8:1であってもよく、より具体的には約2:1〜約7:1であってもよく、さらにより具体的には約2:1〜約6:1であってもよい。一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒とC−Cアルカノールおよび水の組み合わせとのモル比は0.75:1〜3:1である。一部の実施形態では、C−Cアルカノールと水とのモル比は0.5:1〜3:1である。
−Cアルカノールと水は、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)に対して貧溶媒であり、すなわち、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、C−Cアルカノールまたは水には不溶である。従って、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)とポリ(フェニレンエーテル)溶媒を含むポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物に、C−Cアルカノールと水を添加すると、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は沈殿し得る。これが、例えば、メタノールで希釈することによってトルエン溶液からポリ(フェニレンエーテル)を沈殿させる、ポリ(フェニレンエーテル)の貧溶媒沈殿精製方法の原理である。驚いたことに、本発明者らは、第1の液相と第2の液相との混合相が、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の合計100質量%に対して、60〜95質量%のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、4〜32質量%のC−Cアルカノールと、1〜36質量%の水と、を含む場合、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の沈殿が最小化あるいは完全に回避されて、第1の液相中の溶液に残ることを見出した。こうして、一部の実施形態では、該第1の液相は、溶液中、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を少なくとも95質量%、具体的には少なくとも97質量%、より具体的には少なくとも99質量%、さらにより具体的には100質量%含む。従って、該方法は、意図的にキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を沈殿させるために、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒に溶解したキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)をC−Cアルカノール含有貧溶媒と混合させる方法とは区別される。
該方法は、ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物を第1の洗浄溶媒と混合するステップと、第2の液相から第1の液相を分離するステップと、を備える。一部の実施形態では、この混合と分離は、向流抽出や並流抽出などのように同時に行われる。一部の実施形態では、混合と分離は別個のステップである。分離は、重力分離、デカントおよび遠心分離などの既知の液・液分離法を用いて行ってもよい。使用できる装置としては、例えば、液・液遠心分離機、デカンタ、向流または並流抽出装置およびこれらのものの組み合わせが挙げられる。この方法をバッチ式で行う場合には、ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物と第1の洗浄溶媒との混合および第1の液相と第2の液相との分離に使用する装置は、その後の洗浄ステップでも使用できる。あるいは、この方法を連続式で行う場合には、各洗浄ステップで異なる装置が使用される。
一部の実施形態では、第1の液相と第2の液相の分離は重力による。重力分離では、第1の液相と第2の液相との混合相を撹拌せずに静置して、2つの別個の層を形成させる。高密度の下部層は、分離槽の底部から除去できる。あるいは、低密度の上部層は、第1の液相と第2の液相間の界面より高いサイフォンによって除去できる。重力分離は標準の反応槽で行うことができ、必要なエネルギーも遠心分離より少ない。重力分離を実行可能とするためには、第1の液相と第2の液相との分離に妥当な時間をかけなければならない。第1の液相と第2の液相との分離は、例えば、2時間以下かけて、具体的には1時間以下かけて、より具体的には30分以下かけて、さらにより具体的には15分以下かけて行わなければならない。分離温度における第1の液相と第2の液相間の密度差は、分離時間2時間以下が達成できるように十分に大きいものでなければならない。例えば65℃における第1の液相と第2の液相間の密度差は、20〜75kg/mでなければならず、具体的25〜70kg/mでなければならず、より具体的には30〜65kg/mでなければならず、さらにより具体的には35〜60kg/mでなければならない。
一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)およびポリ(フェニレンエーテル)溶媒を含む第1の液相の密度がC−Cアルカノールおよび水を含む第2の液相より高いために、第1の液相が下部層となる。他の実施形態では、第2の液相の密度が第1の液相より高いために、第2の液相が下部層となる。C−Cアルカノールおよび水を含む第2の液相の密度が第1の液相より高い場合、第1の液相からの第2の液相の分離と除去はより効率的に行える。これは、重力分離および遠心分離に当てはまる。
一部の実施形態では、第1の液相と第2の液相は、液・液遠心分離機を用いて分離される。好適な液・液遠心分離機は、例えば、Hemfortの米国特許第2,622,797号、Zettierらの同第4,614,598号、Gunnewigの同第4,755,165号および英国特許明細書第884,768号に記載されている。好適な液・液遠心分離機は、例えばGEA−Westfalia Separator社から市販されている。液・液遠心分離機は、連続分離プロセスには特に有用である。他の好適な分離装置としては、コアレッサー、デカンタなどが挙げられる。好適なコアレッサーは、例えば、Whitneyらの米国特許第6,332,987B1号およびGeibelらの米国特許出願公報第2005/0178718A1号に記載されている。好都合なことに、第1の液相と第2の液相の遠心分離は重力分離より速く行える。また、相分離は、遠心分離よりきれいになり得、すなわち、遠心分離によって、第1の液相と第2の液相はより完全に分離されて、より高純度のキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)が得られる。遠心分離を使用する場合、それによって生成される力は、1,000〜15,000gfであり得、具体的には2,000〜10,000gfであり得る。
溶液からのキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の沈殿を防止し、ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物の粘度を低減させ、およびまたは第1の液相と第2の液相との分離を容易にするために、混合と分離ステップを室温超の温度で行うことが望ましい。最低温度は、ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物の粘度が、第1の液相と第2の液相の混合と分離を容易に行うに十分に高い温度である。最高温度は、一つには、第1の液相と第2の液相の最小沸騰成分の沸点で決定される。該最小沸騰成分は共沸混合物であり得る。最小沸騰成分の沸点またはその近傍の温度を用いて、第1の液相と第2の液相からの該成分の沸騰と蒸発を最小化あるいはなくすことが望ましい。例えば、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒がトルエンであり、C−Cアルカノールがメタノールの場合、最小沸騰成分は、沸点が64〜65℃のメタノールである。従って、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒がトルエンであり、C−Cアルカノールがメタノールの場合、混合および分離は30〜70℃で、具体的には50〜70℃で、より具体的には60〜67℃で、さらにより具体的には64〜67℃で行ってもよい。例えば、蒸発した溶媒を第1の液相と第2の液相に戻す還流凝縮器がリアクタに装備されていれば、最小沸騰成分の沸点よりわずかに高い温度でも許容できる。
第1の洗浄溶媒は、C−Cアルカノールと水以外の溶媒を含んでいてもよい。溶液からのポリ(フェニレンエーテル)の沈殿を防止し、ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物の粘度を低減して、過度のトルクを加えることなく混合を容易に行うために、また、第1の液相と第2の液相との重力分離を容易にするために、例えばポリ(フェニレンエーテル)溶媒でポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物を希釈することが望ましいものであり得る。従って、一部の実施形態では、第1の洗浄溶媒は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒をさらに含む。第1の洗浄溶媒に添加されたポリ(フェニレンエーテル)溶媒は、ポリ(フェニレンエーテル)溶液中のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と同じであっても異なっていてもよい。一部の実施形態では、第1の洗浄溶媒と共に添加されたポリ(フェニレンエーテル)溶媒は、廃棄溶媒流の蒸留で得られた共沸混合物であってもよい。例えば、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒がトルエンであり、C−Cアルカノールがメタノールの場合、該ポリ(フェニレンエーテル)溶媒は、72質量%のメタノールと28質量%のトルエンとを含む共沸混合物であってもよい。当業者であれば、メタノール−トルエン共沸混合物として添加されたメタノールが多いほど、目的のメタノール量を達成するために添加しなければならない純粋なメタノール量は少なくて済むことは理解するであろう。第1の洗浄溶媒がポリ(フェニレンエーテル)溶媒を含んでいてもいなくても、第1の液相と第2の液相との混合相は依然として、60〜95質量%のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、4〜32質量%のC−Cアルカノールと、1〜36質量%の水と、を含む。
第2の液相が第1の液相から容易に分離して異なる層を形成し、不純物の第2の液相への抽出が最大化されるように、混合された第1の洗浄溶媒の容積がポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物に対して十分なものであることが望ましい。従って、一部の実施形態では、第1の液相と第2の液相との混合相中のC−Cアルカノールと水の合計量は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルカノールおよび水の合計100モル%に対して、少なくとも25モル%である。また、第1の液相と第2の液相との混合相中のC−Cアルカノールと水の合計量は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルカノールおよび水の合計100質量%に対して、少なくとも5質量%であってもよく、具体的には少なくとも8質量%であってもよく、より具体的には少なくとも10質量%であってもよい。
一部の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)溶媒はトルエンであり、C−Cアルカノールはメタノールである。第1の液相と第2の液相との混合相でのトルエン、メタノールおよび水の適切量を表わす状態図を図1に示す。三角形の下辺は、トルエン含有量0〜100質量%の目盛りであり、右下の頂点はトルエン100質量%を表わす。三角形の右斜辺は、メタノール含有量0〜100質量%の目盛りであり、上部頂点はメタノール100質量%を表わす。三角形の左斜辺は、水含有量0〜100質量%の目盛りであり、左下の頂点は水100質量%を表わす。三角形の領域内の各点は、3つの目盛りに対するその位置に基づいて、トルエン、メタノールおよび水の特定の混合物を規定している。ポリ(フェニレンエーテル)溶媒がトルエンであり、C−Cアルカノールがメタノールの場合、実施例1〜8および13〜17の第1の液相と第2の液相との混合相の組成は、図1の点1〜5で表わされる。
一部の実施形態では、第1の液相と第2の液相との混合相は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の合計100質量%に対して、60〜78質量%のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、4〜32質量%のC−Cアルカノールと、18〜36質量%の水と、を含む。ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の量もモル%単位で表される。従って、第1の液相と第2の液相との混合相は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の合計100モル%に対して、23〜43モル%のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、4〜29モル%のC−Cアルカノールと、43〜72モル%の水と、を含んでいてもよい。
一部の実施形態では、第1の液相と第2の液相との混合相は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の合計100質量%に対して、50〜74質量%のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、25〜32質量%のC−Cアルカノールと、1〜18質量%の水と、を含む。ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の量もモル%単位で表される。従って、第1の液相と第2の液相との混合相は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の合計100モル%に対して、21〜49モル%のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、39〜56モル%のC−Cアルカノールと、3〜39モル%の水と、を含んでいてもよい。
一部の実施形態では、第1の液相と第2の液相との混合相は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の合計100質量%に対して、60〜98質量%のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、1〜25質量%のC−Cアルカノールと、1〜18質量%の水と、を含む。ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の量もモル%単位で表される。従って、第1の液相と第2の液相との混合相は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の合計100モル%に対して、28〜92モル%のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、3〜34モル%のC−Cアルカノールと、5〜43モル%の水と、を含んでいてもよい。
本方法では、第1の液相はポリ(フェニレンエーテル)溶媒リッチであるため、溶液中、少なくとも95質量%のポリ(フェニレンエーテル)を含む。従って、第1の液相は、第1の液相のポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の合計100質量%に対して、90〜99.8質量%のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、0.1〜5質量%のC−Cアルカノールと、0.1〜5質量%の水と、を含む。ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の量もモル%単位で表される。従って、第1の液相は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の合計100モル%に対して、69〜99モル%のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、0.2〜13モル%のC−Cアルカノールと、0.5〜21モル%の水と、を含んでいてもよい。
第1の洗浄溶媒は、C−Cアルカノールと水を含む。一部の実施形態では、該C−Cアルカノールと水は事前混合されて洗浄溶液を形成し、それは、次にポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物と混合される。他の実施形態では、該C−Cアルカノールと水は、ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物と遂次的にまたは同時に混合される。洗浄溶媒がポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物と遂次的に混合される場合、洗浄溶媒は任意の順で混合できる。一部の実施形態では、該洗浄溶媒は、C−Cアルカノールと水に加えて、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒をさらに含む。該ポリ(フェニレンエーテル)溶媒はC−Cアルカノールおよび水と事前混合され、得られた溶媒混合物をポリ(フェニレンエーテル)溶液に添加してもよく、あるいは、C−Cアルカノールと水をポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物と混合する前または後に、該ポリ(フェニレンエーテル)溶媒を個別にポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物と混合してもよい。洗浄溶媒と混合されたポリ(フェニレンエーテル)溶媒は、ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物中のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と同じであっても異なっていてもよい。
該ポリ(フェニレンエーテル)溶媒は、ポリ(フェニレンエーテル)に対して良溶媒であることが望ましい。一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒は、トルエン、キシレン、メシチレン、スチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルムおよびこれらの組み合わせから構成される群から選択される。一部の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)溶媒はトルエンを含む。
該C−Cアルカノールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセロールあるいはこれらの組み合わせであってもよい。一部の実施形態では、該C−Cアルカノールは、メタノール、イソプロパノールまたはこれらの組み合わせを含む。一部の実施形態では、該C−Cアルカノールはメタノールである。水としては、水道水、脱イオン水、蒸留水および他の種々の精製水が挙げられる。一部の実施形態では、該水は脱イオン水である。脱イオン水の導電率は、ASTM D1193−91に準拠し25℃で測定して、0.05〜5μS/cmであってもよく、具体的には0.05〜4μS/cmであってもよく、より具体的には0.05〜1μS/cmであってもよい。水道水では、ミネラル不純物がキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)内に導入され得るために、脱イオン水を使用することが望ましい。
該キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は下式の構造を有する:
Q(J−X)
式中、Qは、一価フェノール、二価フェノールまたは多価フェノールの残基であり、具体的には一価フェノールまたは二価フェノールの残基である。Qは下式の構造を有する:
Figure 0006211078
式中、QとQは独立に、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシおよび、少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシから構成される群から選択され;QとQは独立に、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシおよび、少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシから構成される群から選択され;uとvは、互いに等しいことを条件として、1〜100であり、具体的には1、2または3であり、より具体的には1または2である。
本明細書において、「ヒドロカルビル」は、単独であるいは別の用語の接頭辞、接尾辞またはフラグメントとして使用されたとしても、炭素と水素だけを含む残基を指す。該残基は、脂肪族あるいは芳香族、直鎖、環式、二環式、分枝鎖、飽和または不飽和であり得る。それはまた、脂肪族、芳香族、直鎖、環式、二環式、分枝鎖、飽和および不飽和の炭化水素部分の組み合わせを含んでいてもよい。しかしながら、該ヒドロカルビル残基が置換であると記載された場合、それは任意に、該置換残基の炭素と水素員上にヘテロ原子を含み得る。従って、置換であると特定的に記載された場合、ヒドロカルビル残基は、ハロゲン、酸素、窒素、硫黄、シリコンまたはリンなどのヘテロ原子を1個以上含み得る。置換ヒドロカルビル残基は、炭化水素残基の骨格に懸垂する(pendant to)、または骨格内のヘテロ原子を含み得る。一例として、Qは、末端1−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニレン残基のメチル基と酸化重合触媒のジ−n−ブチルアミン成分との反応で形成されたジ−n−ブチルアミノメチル基であってもよい。
Pは、水素、未置換または置換C−C18ヒドロカルビルであり、あるいはvが2の場合には、以下の構造を有する:
Figure 0006211078
式中、Rは、水素およびC−C12ヒドロカルビルから構成される群から選択され、RおよびRはそれぞれ独立に、水素およびC−C12ヒドロカルビルから構成される群から選択され、あるいはRおよびRは、共同でC−C12ヒドロカルビレン基を形成する。
Jは、以下の構造を有する繰り返し単位を含む:
Figure 0006211078
式中、Zはそれぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシあるいは、少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシであり;Zはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシあるいは、少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシであり;wは1〜200である。
Xは下式の構造を有する:
Figure 0006211078
式中、RはC−C12ヒドロカルビレンであり;R、RおよびRは独立に、水素またはC−C18ヒドロカルビルであり;mは0または1であり;nは0または1であり;pはそれぞれ独立に、0、1、2または3である。
一部の実施形態では、該キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位あるいはこれらの組み合わせを含む。一部の実施形態では、該キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、キャップ化ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)である。該キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、典型的にはヒドロキシ基に対してオルト位置に存在するアミノアルキル含有末端基(類)を有する分子を含んでいてもよい。また、テトラメチルジフェニルキノン(TMDQ)副生成物が存在する2,6−ジメチルフェノール含有反応混合物から典型的に得られるTMDQ末端基類も存在することが多い。該キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、ホモポリマー、ランダムコポリマー、グラフトコポリマー、イオノマー、ブロックコポリマーあるいは、これらのものの少なくとも1つを含む組合せの形態であってもよい。
該キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、1分子当たり平均で2個に近い末端ヒドロキシル基を含む二官能性キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)であってもよい。一実施形態では、該キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、下式の構造を有する二官能性キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を含む:
Figure 0006211078
式中、QとQは独立に、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシおよび、少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシから構成される群から選択され;QとQはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシおよび、少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシから構成される群から選択され;xとyは独立に、その合計が少なくとも2、具体的には少なくとも3、より具体的には少なくとも4であることを条件に、0〜100、具体的には0〜30、より具体的には0〜20、さらにより具体的には0〜15、さらにより具体的には0〜10、さらにより具体的には0〜8である。一部の実施形態では、xとyの合計は3〜20であり、具体的には4〜15である。
Lは下式の構造を有する:
Figure 0006211078
式中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシあるいは、少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシであり;Yは下式の構造
Figure 0006211078
(式中、Rは、水素およびC−C12ヒドロカルビルから構成される群から選択され、RおよびRはそれぞれ独立に、水素およびC−C12ヒドロカルビルから構成される群から選択され、あるいはRおよびRは、共同でC−C12アルキレン基を形成する)を有し;zは0または1であり;
とXは独立に、下式の構造のものである:
Figure 0006211078
式中、RはC−C12ヒドロカルビレンであり;R、RおよびRは独立に、水素またはC−C18ヒドロカルビルであり;mは0または1であり;nは0または1であり;pは、XとXが共に水素でないことを条件として、それぞれ独立に0、1、2または3である。
一部の実施形態では、QとQはそれぞれメチルであり、Qはそれぞれ水素であり、Qはそれぞれ水素またはメチルであり、xとyの合計は2〜15であり、Rはそれぞれメチルであり、Rはそれぞれ水素であり、Yは下式の構造
Figure 0006211078
(式中、RとRはメチル)を有し、zは1であり、XとXは、その少なくとも1つがメタクリレート基であることを条件として、それぞれ独立に水素または下式の構造のメタクリレート基である。
Figure 0006211078
一部の実施形態では、該キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、下式の構造を有する二官能性ポリ(フェニレンエーテル)である:
Figure 0006211078
式中、QとQはそれぞれ独立に、メチルまたはジ−n−ブチルアミノメチルであり;aとbは、その合計が少なくとも2、具体的には少なくとも3、より具体的には少なくとも4であることを条件に、それぞれ独立に0〜20である。
該方法は、広範囲のキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)濃度を有するポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物に適用できる。従って、一部の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物は、その合計質量に対して、5〜80質量%の、具体的には7.5〜60質量%の、より具体的には10〜50質量%の、さらにより具体的には15〜40質量%のキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を含む。
該方法は、それぞれ特定の範囲のキャッピング剤、キャッピング剤副生成物およびキャッピング触媒を有するポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物に適用できる。従って、一部の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物は、その合計質量に対して、0.1〜1質量%の、具体的には0.15〜0.75質量%の、より具体的には0.2〜0.6質量%のキャッピング剤を含んでいてもよい。さらに、該ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物は、その合計質量に対して、0.1〜5質量%の、具体的には0.5〜4質量%の、より具体的には1〜3質量%のキャッピング剤副生成物を含んでいてもよい。さらに、該ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物は、その合計質量に対して、0.01〜1質量%の、具体的には0.05〜0.75質量%の、より具体的には0.1〜0.5質量%のキャッピング触媒を含んでいてもよい。一部の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物は、その合計質量に対して、0.1〜1質量%のキャッピング剤と、0.1〜5質量%のキャッピング剤副生成物と、0.01〜1質量%のキャッピング触媒と、を含む。
本明細書での「洗浄ステップ」は、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)、キャッピング剤、キャッピング副生成物、キャッピング触媒およびポリ(フェニレンエーテル)溶媒を含むポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物と、C−Cアルカノールと水を含む第1の洗浄溶媒と、を混合するステップと、第2の液相から第1の液相を分離するステップと、の組み合わせステップを表わすものとして使用される。使用可能な洗浄ステップの回数は限定されない。一部の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物は、複数回洗浄でき、あるいは、キャッピング剤、キャッピング剤副生成物、キャッピング触媒、触媒金属イオン含有量およびまたは色がそれ以上低減しなくなるまで洗浄できる。第1の洗浄溶媒とそれ以降の洗浄溶媒は、各洗浄ステップで形成された液相が、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルカノールおよび水の合計100質量%に対して、60〜95質量%のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、4〜32質量%のC−Cアルカノールと、1〜36質量%の水と、を含む限り同じであっても異なっていてもよく;第1の液相と第2の液相との容積比は1.5:1〜10:1であり;第1の液相は、溶液中、少なくとも95質量%のポリ(フェニレンエーテル)を含む。
一部の実施形態では、洗浄ステップは2回行われる。特に、第1の洗浄で分離された第1の液相と、C−Cアルカノールおよび水を含む第2の洗浄溶媒は混合されて、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)およびポリ(フェニレンエーテル)溶媒を含む第3の液相と、C−Cアルカノールおよび水を含む第4の液相と、を含む第2の混合物を形成し;第1の液相は第2の液相から分離され;分離された第1の液相と第2の洗浄溶媒は、容積比1.5:1〜10:1で混合され;第2の混合物は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルカノールおよび水の合計100質量%に対して、60〜95質量%のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、4〜32質量%のC−Cアルカノールと、1〜36質量%の水と、を含み;第3の液相は、溶液中、少なくとも95質量%のキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を含む。
一部の実施形態では、洗浄ステップは3回行われる。特に、第2の洗浄で分離された第3の液相と、C−Cアルカノールおよび水を含む第3の洗浄溶媒は混合されて、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)およびポリ(フェニレンエーテル)溶媒を含む第5の液相と、C−Cアルカノールおよび水を含む第6の液相と、を含む第3の混合物を形成し;第5の液相は第6の液相から分離され;分離された第3の液相と第3の洗浄溶媒は、容積比1.5:1〜10:1で混合され;第3の混合物は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の合計100質量%に対して、60〜95質量%のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、4〜32質量%のC−Cアルカノールと、1〜36質量%の水と、を含み;第5の液相は、溶液中、少なくとも95質量%のキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を含む。
キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)反応混合物は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒とキャッピング触媒の存在下、ポリ(フェニレンエーテル)とキャッピング剤とを反応させるステップを備える方法で形成される。ポリ(フェニレンエーテル)は、キャッピング剤と反応できる少なくとも1つのフェノール性ヒドロキシ基を含む。該ポリ(フェニレンエーテル)は下式の構造を有していてもよい:
Q(J−H)
式中、Qは、一価フェノール、二価フェノールまたは多価フェノールの残基であり、具体的には一価フェノールまたは二価フェノールの残基であり、uは1〜100である。QとJは、Q(J−X)uに対して上記に定義したものである。
一部の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)は、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位あるいはこれらの組み合わせを含む。一部の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)はポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)である。上記のように、該ポリ(フェニレンエーテル)は、典型的にはヒドロキシ基に対してオルト位置に存在するアミノアルキル含有末端基(類)を有する分子を含んでいてもよい。また、テトラメチルジフェニルキノン(TMDQ)副生成物が存在する2,6−ジメチルフェノール含有反応混合物から典型的に得られるTMDQ末端基類も存在することが多い。該ポリ(フェニレンエーテル)は、ホモポリマー、ランダムコポリマー、グラフトコポリマー、イオノマー、ブロックコポリマーあるいは、これらのものの少なくとも1つを含む組合せの形態であってもよい。
ポリ(フェニレンエーテル)は、1つまたは複数のフェノール性ヒドロキシ基を含んでいてもよい。ポリ(フェニレンエーテル)が1つのフェノール性ヒドロキシ基を含む場合、それは単官能性ポリ(フェニレンエーテル)と呼ばれる。ポリ(フェニレンエーテル)が2つ以上のフェノール性ヒドロキシ基を含む場合、それは多官能性ポリ(フェニレンエーテル)と呼ばれる。一部の実施形態では、多官能性ポリ(フェニレンエーテル)は、二官能性ポリ(フェニレンエーテル)(すなわち、フェノール性ヒドロキシ基を2つ有するポリ(フェニレンエーテル))であり、下式の構造を有する:
Figure 0006211078
式中、Q、Q、Q、Q、L、xおよびyは上記に定義したものである。
一部の実施形態では、QとQはそれぞれメチルであり、Qはそれぞれ水素であり、Qはそれぞれ水素またはメチルであり、xとyの合計は2〜15であり、Rはそれぞれメチルであり、Rはそれぞれ水素であり、Yは下式の構造
Figure 0006211078
(式中、RおよびRはメチル)を有し、zは1である。
上記の二官能性ポリ(フェニレンエーテル)構造において、二官能性ポリ(アリーレンエーテル)分子中の2つの異なる場所におけるフェニレンエーテル繰り返し単位数に相当する変数xとyは限定される。該構造では、xとyは独立に0〜100であり、具体的には0〜30であり、より具体的には0〜20であり、さらにより具体的には0〜15であり、さらにより具体的には0〜10であり、さらにより具体的には0〜8である。xとyの合計は少なくとも2であり、具体的には少なくとも3であり、より具体的には少なくとも4である。特別な多官能性ポリ(フェニエンエーテル)は、プロトン核磁気共鳴分光法(H NMR)で分析して、樹脂全体でこれらの限定が平均で満たされているかを決定できる。具体的には、H NMRで、内部および末端フェニレンエーテル基に関連するプロトン共鳴と、多価フェノールの内部および末端残基およびその他の末端残基に関連するプロトン共鳴と、を識別できる。従って、1分子当たりのフェニレンエーテル繰り返し単位の平均数と、二価フェノール由来の内部および末端残基の相対存在量が求められる。
一部の実施形態では、多官能性ポリ(フェニレンエーテル)は、下式の構造を有する二官能性ポリ(フェニレンエーテル)である:
Figure 0006211078
式中、QとQはそれぞれ独立に、メチルまたはジ−n−ブチルアミノメチルであり;aとbは、その合計が少なくとも2、具体的には少なくとも3、より具体的には少なくとも4であることを条件に、それぞれ独立に0〜20である。この構造を有する二官能性ポリ(フェニレンエーテル)は、ジ−n−ブチルアミンを含む触媒の存在下、2,6−キシレノールと2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとの酸化共重合で合成できる。
ポリ(フェニレンエーテル)は、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノールまたはその混合物などの一価フェノールを含むモノマーの酸化重合で調製できる。当分野では、他の多くの好適な一価フェノールが知られている。多官能性ポリ(フェニレンエーテル)(すなわち、2つ以上のフェノール性ヒドロキシ基を有するポリ(フェニレンエーテル))は、一価フェノールと多価フェノールとの酸化共重合で調製できる。好適な多価フェノールとしては、例えば、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’ビフェノール、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロオクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロオクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロノナン、11,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロウンデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロウンデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロドデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロドデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,3,5−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル−1−ケト)ベンゼン、1,3,5−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル−1−イソプロピリデン)ベンゼン、2,2,4,4−テトラキス(3−メチル−4ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2,4,4−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,4,4−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,3,5−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ヘプタン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ヘプタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニルイソプロピル)フェノール、2,4−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニルイソプロピル)フェノール、テトラキス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、テトラキス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、テトラキス(4−[4−ヒドロキシ−3−メチルフェニルイソプロピル]フェノキシ)メタン、テトラキス(4−[4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニルイソプロピル]−フェノキシ)メタンおよびこれらの混合物が挙げられる。一部の実施形態では、該多価フェノールは、1分子当たり3〜8個のフェノール性ヒドロキシ基を含む。一部の実施形態では、該多官能性ポリ(フェニレンエーテル)は、2,6−ジメチルフェノールと2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとの酸化共重合で調製された二官能性ポリ(フェニレンエーテル)である。
該ポリ(フェニレンエーテル)は、触媒金属イオンおよび触媒アミン配位子を含む重合触媒、酸素およびポリ(フェニレンエーテル)溶媒の存在下、少なくとも1つの一価フェノールを、任意に、少なくとも1つの2価または多価フェノールと組み合わせて酸化重合することにより調製できる。該重合触媒は、触媒金属イオンと触媒アミン配位子とを混合することによりその場で調製できる。ポリ(フェニレンエーテル)溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルムまたはこれらの組み合わせであってもよい。一部の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)溶媒はトルエンを含む。該分子状酸素は、例えば、精製された形態または空気として提供されてもよい。
ポリ(フェニレンエーテル)調製用の触媒金属イオンは、銅、マンガンまたはコバルトなどの少なくとも1つの重金属イオンを含んでいてもよい。触媒金属イオンの供給源となり得る金属塩としては、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅、ヨウ化第二銅、硫酸第一銅、硫酸第二銅、テトラアミン硫酸第一銅、テトラアミン硫酸第二銅、酢酸第一銅、酢酸第二銅、プロピオン酸第一銅、酪酸第二銅、ラウリン酸第二銅、パルミチン酸第一銅および安息香酸第一銅;および同様のマンガン塩とコバルト塩が挙げられる。好適な触媒アミン配位子としては、ジアルキルアミン(ジ−n−ブチルアミン(DBA)など)、トリアルキルアミン(N,N−ジメチルブチルアミン(DMBA)など)およびアルキレンジアミン(N,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン(DBEDA)など)が挙げられる。上記の金属塩類のいずれかを直接添加する代わりに、金属または金属酸化物と、無機酸、有機酸またはこうした酸の水溶液と、を添加して、対応する金属塩または水和物をその場で形成することも可能である。
また、ポリ(フェニレンエーテル)は、対応するポリ(フェニレンエーテル)と対応するジフェノキノンの形成に適した条件下と触媒の存在下で、一価フェノールを酸化重合するステップと、該触媒からポリ(フェニレンエーテル)とジフェノキノンを分離するステップと、ポリ(フェニレンエーテル)とジフェノキノンとを平衡化させて、2つの末端のヒドロキシ基を有するポリ(フェニレンエーテル)を形成するステップと、を備えるプロセスでも調製できる。対応するポリ(フェニレンエーテル)の具体的な例は、2,6−ジメチルフェノールの酸化重合で調製されたポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)である。対応するジフェノキノンの具体的な例は、2,6−ジメチルフェノールの酸化で形成された3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジフェノキノンである。この調製方法を用いる場合、二官能性ポリ(フェニレンエーテル)を精製して多分散度(polydispersity index)を2.2未満にすることが必要となり得る。
また、ポリ(フェニレンエーテル)は、任意に酸化剤の存在下、単官能性ポリ(フェニレンエーテル)を多価フェノールと平衡化させる所謂再分配反応でも調製できる。再分配反応は当分野では既知であり、例えば、Cooperらの米国特許第3,496,236号やLiskaらの同第5,880,221号に記載されている。この調製方法を用いる場合、多官能性ポリ(フェニレンエーテル)を精製して多分散度を2.2未満にすることが必要となり得る。
キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の調製方法は、固有粘度が広範囲のポリ(フェニレンエーテル)に適用できる。例えば、該ポリ(フェニレンエーテル)の固有粘度は、25℃のクロロホルム中で測定して、0.04〜1dL/gでり、具体的には0.06〜0.6dL/gであり、より具体的には0.09〜0.4dL/gであり、さらにより具体的には、0.09〜0.3dL/gであり、さらにより具体的には0.09〜0.2dL/gであり、さらにより具体的には0.09〜0.15dL/gであり、さらにより具体的には0.09〜0.12dL/gである。これらの固有粘度制限は、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)にも同様に当てはまる。
キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)反応混合物は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒とキャッピング触媒の存在下、該ポリ(フェニレンエーテル)とキャッピング剤とを反応させるステップを備える方法で形成される。ポリ(フェニレンエーテル)と反応してキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を形成できるキャッピング剤は、当分野で既知である。例えば、Percecの米国特許第4,562,243号、同第4,634,742号および同第4,665,137号、Percecらの同第4,663,402号、Braatらの同第6,306,978B1号および同第6,384,176号、Yeagerらの同第6,627,704B2号およびYeagerの同第6,962,965号と、Fanの米国法定発明登録第H521号と、を参照のこと。使用可能なキャッピング剤の種類としては、例えば、ハロ炭化水素(クロロメチルスチレンおよび塩化アリルなど)、カルボン酸ハライド(塩化アセチル、塩化アクリロイルおよび塩化メタクリロイルなど)、カルボン酸エステル(サリチル酸フェニルなど)、カルボン酸無水物(無水酢酸、アクリル酸無水物およびメタクリル酸無水物など)、炭酸エステル(炭酸ジフェニルおよびビス(4−ビニルフェニル)カーボネートなど)、イソシアネート(ジイソシアネートを含む)およびエピクロロヒドリンが挙げられる。
キャッピング剤とポリ(フェニレンエーテル)上のフェノール性ヒドロキシ基とのモル比は、迅速で完全なキャッピング(そのためにはモル比が高い方がよい)に対するニーズと、ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物中の不純物量を増加させる試薬の過剰な導入を回避する(そのためにはモル比は低い方がよい)ニーズと、をバランスさせるように選択される。キャッピング剤とポリ(フェニレンエーテル)上のヒドロキシ基とのモル比を1:3、具体的には1.05:2、より具体的には1.1:1.5とすることによって、これらの競争的要求間の良好なバランスが得られることが観察された。
ポリ(フェニレンエーテル)は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒の存在下でキャッピング剤と反応する。好適なポリ(フェニレンエーテル)溶媒としては、トルエン、キシレン、メシチレン、スチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルムおよびこれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、該溶媒はトルエンである。
ポリ(フェニレンエーテル)とキャッピング剤との反応もキャッピング触媒の存在下で行なわれる。使用するキャッピング触媒の種類は、使用するキャッピング剤の種類に依存するであろう。例えば、キャッピング剤がハロ炭化水素、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステルあるいはカルボン酸無水物の場合、キャッピング触媒は典型的には、ブレンステッドローリー塩基(すなわち、ポリ(フェニレンエーテル)の末端ヒドロキシル基からプロトンを受け取ることができる塩基)である。ブレンステッドローリー塩基としては、例えば、アルカリ金属水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなど)、未置換および置換水酸化アンモニウム(水酸化アンモニウムおよび水酸化テトラメチルアンモニウムなど)およびアミン(第一級アミン、第二級アミンおよび特定的に、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンなどの第三級アミンを含む)が挙げられる。
形成されるキャッピング副生成物の種類も、使用するキャッピング剤の種類に依存するであろう。キャッピング剤がハロ炭化水素またはカルボン酸ハライドの場合、キャッピング副生成物は典型的には、ハロゲン化物イオン(塩化物イオンなど)であろう。キャッピング剤がカルボン酸エステルまたは炭酸エステルの場合、キャッピング副生成物は、アルコール(メタノールまたはフェノールなど)であろう。キャッピング剤がカルボン酸無水物の場合、キャッピング副生成物は、カルボン酸(無水酢酸からの酢酸、アクリル酸無水物からのアクリル酸あるいはメタクリル酸無水物からのメタクリル酸など)であろう。
一部の実施形態では、キャッピング剤は(メタ)アクリル酸無水物であり、キャッピング副生成物は(メタ)アクリル酸であり、キャッピング触媒は4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンであり、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒はトルエンである。ポリ(フェニレンエーテル)は、2,6−キシレノールを含むモノマーと2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとの酸化共重合の生成物であってもよく、(メタ)アクリル酸無水物とポリ(フェニレンエーテル)上のヒドロキシ基とのモル比は1:3であってもよい。従って、一部の実施形態では、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒とキャッピング触媒の存在下におけるポリ(フェニレンエーテル)とキャッピング剤との反応の生成物であり;前記ポリ(フェニレンエーテル)は、2,6−キシレノールを含むモノマーと2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとの酸化共重合の生成物であり;前記キャッピング剤は(メタ)アクリル酸無水物であり;(メタ)アクリル酸無水物とポリ(フェニレンエーテル)上のヒドロキシ基とのモル比は1:3であり;前記ポリ(フェニレンエーテル)溶媒はトルエンであり;前記キャッピング触媒は4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンであり;前記キャッピング副生成物は(メタ)アクリル酸である。本明細書での(メタ)アクリル酸無水物は、アクリル酸無水物またはメタクリル酸無水物を指し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を指す。
一部の実施形態では、該キャッピングステップは、銅またはマンガンなどの酸化重合触媒金属イオンを含む重合反応混合物に対して行われる。従って、該方法は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒と触媒金属イオンの存在下、一価フェノールを酸化重合して、ポリ(フェニレンエーテル)、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒および触媒金属イオンを含む重合反応混合物を形成するステップを備えていてもよい。一部の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)溶媒は、キャッピングステップ前に、重合反応混合物から除去される。ポリ(フェニレンエーテル)中の、例えば銅イオンである触媒金属イオンの量は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒中のポリ(フェニレンエーテル)の溶液を、水溶性キレート剤で抽出することによって低減できる。例えば、Bennettの米国特許第3,838,102号を参照のこと。好適なキレート剤としては、例えば、ポリアルキレンポリアミンポリカルボン酸、アミノポリカルボン酸、アミノカルボン酸、ポリカルボン酸、これらの酸のアルカリ金属塩、これらの酸のアルカリ土類金属塩、これらの酸のアルカリ金属−アルカリ土類金属混合塩およびこれらの組み合わせが挙げられる。特定のキレート剤の例は、ニトリロ三酢酸のアルカリ金属塩、エチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩およびこれらの組み合わせである。キレート剤の特定の例は、トリソジウムニトリロトリアセテートである。キレート剤の使用量は、触媒金属イオン1モル当たり1〜15モル量であってもよい。
重合反応混合物中の触媒金属イオン量は、キャッピング反応前のキレート化によって低減できる。あるいは、触媒金属イオン量は、キャッピング反応後でアルカノール−水洗浄前のキレート化によって低減できる。従って、一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物は、第1の洗浄溶媒との混合前で、ポリ(フェニレンエーテル)の質量に対して、900質量ppm以下の、具体的には700質量ppm以下の、より具体的には500質量ppm以下の、さらにより具体的には300質量ppm以下の触媒金属イオンを含む。
該方法によって、触媒金属イオン量は、貧溶媒沈殿法で得られるものと同等の濃度まで効果的に低減される。しかしながら、触媒金属イオン量は、第1およびそれ以降の洗浄溶媒のいずれかまたはその組み合わせにキレート剤を添加することによってさらに低減できる。キレート剤は、キレート剤と触媒金属イオンとのモル比が1:1〜10:1で、具体的には1:1〜7:1で、より具体的には1:1〜4:1で第1の洗浄溶媒に溶解できる。従って、一部の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物は触媒金属イオンを含み、キレート剤は第1の洗浄溶媒に溶解しており、第1の液相と第2の液相との混合相は、モル比が1:1〜10:1のキレート剤と触媒金属イオンとを含む。
該方法は、水溶性キレート剤で事前処理されて触媒金属イオンが除去されたポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物、および比較的低濃度の触媒金属イオンを含む他のキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)溶液に適用できる。該方法は、例えば、ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物から既に単離された固形のキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)から調製されたキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)溶液に適用できる。例えば、固形のキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)中のキャッピング剤、キャッピング剤副生成物、キャッピング触媒およびまたは触媒金属イオンの濃度のさらなる低減が望ましい場合、あるいは固形のキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の色が許容できない場合、これは望ましいものであり得る。一部の実施形態では、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)溶液中の触媒金属イオンの濃度は、第1の洗浄溶媒との混合前で、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の質量に対して、100質量ppm以下であり得、具体的には50質量ppm以下であり得、より具体的には30質量ppm以下であり得、さらにより具体的には10質量ppm以下であり得る。
一部の実施形態では、キレート剤は洗浄溶媒に添加されない。一部の実施形態では、第1の洗浄溶媒の合計質量に対して、10質量ppm未満の、具体的には5質量ppm未満の、より具体的には1質量ppm未満のキレート剤が第1の洗浄溶媒に溶解している。一部の実施形態では、キレート剤は第1の洗浄溶媒には含まれない。
例えば、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)が熱硬化性樹脂の添加剤として意図的に使用される一部の実施形態では、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)とポリ(フェニレンエーテル)溶媒とを含む第1の液相またはそれ以降の液相から、固形物の形態でキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を単離することが望ましいものであり得る。従って、一部の実施形態では、該方法は、分離された第1の液相からキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を単離するステップをさらに備える。ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物から固形のキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を単離する方法はいくつかある。一方法は、貧溶媒で沈殿させるステップを備える。しかしながら、この方法は、固形物取扱設備の資本コストが高いこと、エネルギーとサイクル時間の点で固形のキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の処理コストが比較的高いこと、多量の貧溶媒が必要なこと、および蒸留による貧溶媒の回収にエネルギーが必要なことの問題を抱えている。
キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、全単離法でも分離できる。「全単離法」は、揮発性成分を除去する単離法を指す。好適な全単離法としては、脱揮押出、噴霧乾燥、拭き取りフィルム蒸発、フレーク蒸発、フラッシュ液化(例えば、融液ポンプを備えたフラッシュ容器を使用するもの)およびこれらの方法の組み合わせが挙げられる。他の単離法としては、蒸気沈殿および温水によるクラム形成が挙げられる。一部の実施形態では、全単離法は脱揮押出を備える。
一部の実施形態では、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の精製方法は、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)、キャッピング剤、キャッピング副生成物、キャッピング触媒およびトルエンを含むキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)溶液と、メタノールと水を含む第1の洗浄溶媒と、を混合して、前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)とトルエンを含む第1の液相と、メタノールと水を含む第2の液相と、を形成するステップと、前記第2の液相から前記第1の液相を分離するステップと、を備え;前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、トルエンと前記キャッピング触媒の存在下におけるポリ(フェニレンエーテル)と前記キャッピング剤との反応の生成物であり;前記第1の液相と前記第2の液相との容積比は2:1〜7:1であり;前記第1の液相と前記第2の液相との混合相は、前記トルエン、メタノールおよび水の合計100モル%に対して、24〜92モル%のトルエンと、1〜56モル%のメタノールと、3〜74モル%の水と、を含み;前記第1の液相は、溶液中、少なくとも95質量%の前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を含む。第1の液相と第2の液相との容積比は、約1.5:1〜約10:1であってもよく、具体的には約2:1〜約8:1であってもよく、より具体的には約2:1〜約7:1であってもよく、さらにより具体的には約2:1〜約6:1であってもよい。第1の液相と第2の液相との混合相中のメタノールと水の合計量は、前記トルエン、メタノールおよび水の合計100モル%に対して、少なくとも25モル%であってもよい。前記トルエンとメタノールおよび水の組み合わせとのモル比は0.75:1〜3:1であってもよい。前記メタノールと水とのモル比は0.5:1〜3:1であってもよい。
特定の実施形態では、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の精製方法は、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンおよびトルエンを含むキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)溶液と、メタノールと水を含む第1の洗浄溶媒と、を混合して、前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)とトルエンを含む第1の液相と、メタノールと水を含む第2の液相と、を形成するステップと、前記第2の液相から前記第1の液相を分離するステップと、を備え;前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、トルエンと4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンの存在下におけるポリ(フェニレンエーテル)と(メタ)アクリル酸無水物との反応の生成物であり;(メタ)アクリル酸無水物とポリ(フェニレンエーテル)上のヒドロキシ基とのモル比は1:1〜3:1であり;前記ポリ(フェニレンエーテル)は、2,6−キシレノールを含むモノマーと2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとの酸化共重合の生成物であり;前記第1の液相と前記第2の液相との容積比は2:1〜7:1であり;前記第1の液相と前記第2の液相との混合相は、前記トルエン、メタノールおよび水の合計100モル%に対して、24〜92モル%のトルエンと、1〜56モル%のメタノールと、3〜73モル%の水と、を含み;前記第1の液相と第2の液相との混合相中の前記メタノールと水の合計量は、前記トルエン、メタノールおよび水の合計100モル%に対して、少なくとも25モル%であり;前記トルエンとメタノールおよび水の組み合わせとのモル比は0.75:1〜3:1であり;前記メタノールと水とのモル比は0.5:1〜3:1であり;前記第1の液相は、溶液中、少なくとも95質量%の前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を含む。
トルエン、メタノールおよび水の量は質量%単位で表される。従って、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の精製方法は、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンおよびトルエンを含むキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)溶液と、メタノールと水を含む第1の洗浄溶媒と、を混合して、前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)とトルエンを含む第1の液相と、メタノールと水を含む第2の液相と、を形成するステップと、前記第2の液相から前記第1の液相を分離するステップと、を備え;前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、トルエンと4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンの存在下におけるポリ(フェニレンエーテル)と(メタ)アクリル酸無水物との反応の生成物であり;前記ポリ(フェニレンエーテル)は、2,6−キシレノールを含むモノマーと2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとの酸化共重合の生成物であり;(メタ)アクリル酸無水物とポリ(フェニレンエーテル)上のヒドロキシ基とのモル比は1:1〜3:1であり;前記第1の液相と前記第2の液相との容積比は2:1〜7:1であり;前記第1の液相と前記第2の液相との混合相は、前記トルエン、メタノールおよび水の合計100質量%に対して、60〜98質量%のトルエンと、1〜25質量%のメタノールと、1〜18質量%の水と、を含み;前記第1の液相は、溶液中、少なくとも95質量%の前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を含む。
該方法によって、高純度のキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)が得られる。例えば、該方法によって、4,000質量ppm以下の、具体的には3,000質量ppm以下の、より具体的には2,500質量ppm以下の、さらにより具体的には2,000質量ppm以下の(メタ)アクリル酸を含む(メタ)アクリレート−キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)が提供され得る。また、該方法によって、1,000質量ppm以下の、具体的には800質量ppm以下の、より具体的には500質量ppm以下の(メタ)アクリル酸無水物を有する(メタ)アクリレート−キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)も提供される。また、該方法によって、1,500質量ppm以下の、具体的には1,200質量ppm以下の、より具体的には1,000質量ppm以下の、さらにより具体的には800質量ppm以下の4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンを有する(メタ)アクリレート−キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)も提供される。
該方法は、触媒金属イオンと有色不純物の含有量低減にも効果的である。一部の実施形態では、該方法によって、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の質量に対して、100質量ppm以下の、具体的には50質量ppm以下の、より具体的には10質量ppm以下の、さらにより具体的には2質量ppm以下の触媒金属イオンを有するキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)が提供される。一部の実施形態では、該方法によって、ASTM E313−00およびD1925−70に準拠して測定した黄色指数が30以下の、具体的には26以下の、より具体的には24以下の、さらにより具体的には22以下のキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)が提供される。
本発明は少なくとも以下の実施形態を含む。
実施形態1:キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)、キャッピング剤、キャッピング副生成物およびキャッピング触媒と、トルエン、キシレン、メシチレン、スチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルムおよびこれらの組み合わせから構成される群から選択されたポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、を含むキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)溶液と、C−Cアルカノールと水を含む第1の洗浄溶媒と、を混合して、前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)とポリ(フェニレンエーテル)溶媒を含む第1の液相と、C−Cアルカノールと水を含む第2の液相と、を形成するステップと、前記第2の液相から前記第1の液相を分離するステップと、を備え;前記第1の液相と前記第2の液相との容積比は1.5:1〜10:1であり;前記第1の液相と前記第2の液相との混合相は、前記ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の合計100モル%に対して、24〜92モル%のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、1〜56モル%のC−Cアルカノールと、3〜74モル%の水と、を含み;前記第1の液相は、溶液中、少なくとも95質量%の前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を含むキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の精製方法。
実施形態2:前記第1の液相と第2の液相との混合相中のC−Cアルカノールと水の合計量は、前記ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルカノールおよび水の合計100モル%に対して、少なくとも25モル%である実施形態1に記載の方法。
実施形態3:前記ポリ(フェニレンエーテル)溶媒とC−Cアルカノールおよび水の組み合わせとのモル比は、0.75:1〜3:1である実施形態1または実施形態2に記載の方法。
実施形態4:前記C−Cアルカノールと水とのモル比は、0.5:1〜3:1である実施形態1乃至実施形態3のいずれかに記載の方法。
実施形態5:前記第1の洗浄溶媒は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒をさらに含む実施形態1乃至実施形態4のいずれかに記載の方法。
実施形態6:前記第1の洗浄溶媒の合計質量に対して、10質量ppm未満のキレート剤が前記第1の洗浄溶媒に溶解している実施形態1乃至実施形態5のいずれかに記載の方法。
実施形態7:前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は下式の構造を有する実施形態1乃至実施形態6のいずれかに記載の方法:
Q(J−X)
式中、Qは下式の構造を有する:
Figure 0006211078
式中、QとQは独立に、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシおよび、少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシから構成される群から選択され;QとQは独立に、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシおよび、少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシから構成される群から選択され;uとvは、互いに等しいことを条件として、1〜100であり;Pは、水素、未置換または置換C−C18ヒドロカルビルであり、あるいはvが2の場合には、以下の構造を有する:
Figure 0006211078
式中、Rは、水素およびC−C12ヒドロカルビルから構成される群から選択され、RおよびRはそれぞれ独立に、水素およびC−C12ヒドロカルビルから構成される群から選択され、あるいはRおよびRは、共同でC−C12アルキレン基を形成し;Jは、下式の構造を有する繰り返し単位を含む。
Figure 0006211078
式中、Zはそれぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシあるいは、少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシであり;Zはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシあるいは、少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシであり;wは1〜200であり;Xは下式の構造を有する:
Figure 0006211078
式中、RはC−C12ヒドロカルビレンであり;R、RおよびRは独立に、水素またはC−C18ヒドロカルビルであり;mは0または1であり;nは0または1であり;pはそれぞれ独立に、0、1、2または3である。
実施形態8:前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は下式の構造を有する二官能性ポリ(フェニレンエーテル)を含む実施形態1乃至実施形態7のいずれかに記載の方法:
Figure 0006211078
式中、QとQはそれぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシおよび、少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシから構成される群から選択され;QとQはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシおよび、少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシから構成される群から選択され;xとyは、その合計が少なくとも2であることを条件に、独立に0〜100であり;Lは下式の構造
Figure 0006211078
[式中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシあるいは、少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシであり;Yは下式の構造
Figure 0006211078
(式中、Rは、水素およびC−C12ヒドロカルビルから構成される群から選択され、RおよびRはそれぞれ独立に、水素およびC−C12ヒドロカルビルから構成される群から選択され、あるいはRおよびRは、共同でC−C12アルキレン基を形成する)を有し;zは0または1である]を有し;XとXは独立に、下式の構造のもの
Figure 0006211078
[式中、RはC−C12ヒドロカルビレンであり;R、RおよびRは独立に、水素またはC−C18ヒドロカルビルであり;mは0または1であり;nは0または1であり;pは、XとXが共に水素でないことを条件として、それぞれ独立に0、1、2または3である]である。
実施形態9:前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は下式の構造を有する実施形態1乃至実施形態8のいずれかに記載の方法:
Figure 0006211078
式中、QとQはそれぞれ独立に、メチルまたはジ−n−ブチルアミノメチルであり;aとbは、その合計が少なくとも2であることを条件として、独立に0〜20である。
実施形態10:前記キャッピング剤は(メタ)アクリル酸無水物であり、前記キャッピング副生成物は(メタ)アクリル酸であり、前記キャッピング触媒は4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンであり、前記ポリ(フェニレンエーテル)溶媒はトルエンである実施形態1乃至実施形態9のいずれかに記載の方法。
実施形態11:前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、ポリ(フェニレンエーテル)溶媒とキャッピング触媒との存在下におけるポリ(フェニレンエーテル)とキャッピング剤との反応の生成物であり;前記ポリ(フェニレンエーテル)は、2,6−キシレノールを含むモノマーと2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとの酸化共重合の生成物であり;前記キャッピング剤は(メタ)アクリル酸無水物であり;(メタ)アクリル酸無水物とポリ(フェニレンエーテル)上のヒドロキシ基とのモル比は1:1〜3:1であり;前記ポリ(フェニレンエーテル)溶媒はトルエンであり;前記キャッピング触媒は4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンであり;前記キャッピング副生成物は(メタ)アクリル酸である実施形態1乃至実施形態10のいずれかに記載の方法。
実施形態12:前記ポリ(フェニレンエーテル)溶媒はトルエンを含む実施形態1乃至実施形態11のいずれかに記載の方法。
実施形態13:前記C−Cアルカノールは、メタノール、イソプロパノールあるいはこれらの組み合わせを含む実施形態1乃至実施形態12のいずれかに記載の方法。
実施形態14:前記水は、ASTM D1193−91に準拠し25℃で測定した導電率が0.05〜5μS/cmの脱イオン水である実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の方法。
実施形態15:前記ポリ(フェニレンエーテル)キャッピング反応混合物は、その合計質量に対して、0.1〜1質量%のキャッピング剤と、0.1〜5質量%のキャッピング剤副生成物と、0.01〜1質量%のキャッピング触媒と、を含む実施形態1乃至実施形態14のいずれかに記載の方法。
実施形態16:前記ポリ(フェニレンエーテル)溶媒はトルエンであり;前記C−Cアルカノールはメタノールであり;前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、トルエンと前記キャッピング触媒の存在下におけるポリ(フェニレンエーテル)と前記キャッピング剤との反応の生成物であり;前記第1の液相と前記第2の液相との容積比は2:1〜7:1である実施形態1に記載の方法。
実施形態16a:キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)、キャッピング剤、キャッピング副生成物、キャッピング触媒およびトルエンを含むキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)溶液と、メタノールと水を含む第1の洗浄溶媒と、を混合して、前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)とトルエンを含む第1の液相と、メタノールと水を含む第2の液相と、を形成するステップと、前記第2の液相から前記第1の液相を分離するステップと、を備え;前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、トルエンと前記キャッピング触媒の存在下におけるポリ(フェニレンエーテル)と前記キャッピング剤との反応の生成物であり;前記第1の液相と前記第2の液相との容積比は2:1〜7:1であり;前記第1の液相と前記第2の液相との混合相は、前記トルエン、メタノールおよび水の合計100モル%に対して、24〜92モル%のトルエンと、1〜56モル%のメタノールと、3〜74モル%の水と、を含み;前記第1の液相は、溶液中、少なくとも95質量%の前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を含むキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の精製方法。
実施形態17:前記第1の液相と第2の液相との混合相中のメタノールと水の合計量は、前記トルエン、メタノールおよび水の合計100モル%に対して、少なくとも25モル%である実施形態16に記載の方法。
実施形態18:前記トルエンとメタノールおよび水の組み合わせとのモル比は0.75:1〜3:1である実施形態16または実施形態17に記載の方法。
実施形態19:前記メタノールと水とのモル比は、0.5:1〜3:1である実施形態16乃至実施形態18のいずれかに記載の方法。
実施形態20:前記キャッピング剤は(メタ)アクリル酸無水物であり;前記キャッピング副生成物は(メタ)アクリル酸であり;前記キャッピング触媒は4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンであり;前記ポリ(フェニレンエーテル)溶媒はトルエンであり;前記C−Cアルカノールはメタノールであり;前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、トルエンと前記4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンの存在下におけるポリ(フェニレンエーテル)と前記(メタ)アクリル酸無水物との反応の生成物であり、前記ポリ(フェニレンエーテル)は、2,6−キシレノールを含むモノマーと2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとの酸化共重合の生成物であり;(メタ)アクリル酸無水物とポリ(フェニレンエーテル)上のヒドロキシ基とのモル比は1:3であり;前記第1の液相と前記第2の液相との容積比は2:1〜7:1であり;前記第1の液相と第2の液相との混合相中の前記メタノールと水の合計量は、前記トルエン、メタノールおよび水の合計100モル%に対して、少なくとも25モル%であり;前記トルエンとメタノールおよび水の組み合わせとのモル比は0.75:1〜3:1であり;前記メタノールと水とのモル比は0.5:1〜3:1である実施形態1に記載の方法。
実施形態20a:キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンおよびトルエンを含むキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)溶液と、メタノールと水を含む第1の洗浄溶媒と、を混合して、前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)とトルエンを含む第1の液相と、メタノールと水を含む第2の液相と、を形成するステップと、前記第2の液相から前記第1の液相を分離するステップと、を備え;前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、トルエンと4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンの存在下におけるポリ(フェニレンエーテル)と(メタ)アクリル酸無水物との反応の生成物であり;(メタ)アクリル酸無水物とポリ(フェニレンエーテル)上のヒドロキシ基とのモル比は1:1〜3:1であり;前記ポリ(フェニレンエーテル)は、2,6−キシレノールを含むモノマーと2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとの酸化共重合の生成物であり;前記第1の液相と前記第2の液相との容積比は2:1〜7:1であり;前記第1の液相と前記第2の液相との混合相は、前記トルエン、メタノールおよび水の合計100モル%に対して、24〜92モル%のトルエンと、1〜56モル%のメタノールと、3〜73モル%の水と、を含み;前記第1の液相と第2の液相との混合相中の前記メタノールと水の合計量は、前記トルエン、メタノールおよび水の合計100モル%に対して、少なくとも25モル%であり;前記トルエンとメタノールおよび水の組み合わせとのモル比は0.75:1〜3:1であり;前記メタノールと水とのモル比は0.5:1〜3:1であり;前記第1の液相は、溶液中、少なくとも95質量%の前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を含むキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の精製方法。
以下の非限定的実施例によって、本発明をさらに例証する。
(実施例)
Carrilloらの米国特許第7,595,367号第3欄65行目〜第4欄12行目に記載されているように、キャッピング反応後のメタクリロイル−キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)反応混合物は、キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)(PPE)、メタクリル酸無水物(MAA)、メタクリル酸(MAOH)および4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)を含む。この反応混合物をシミュレートして、キャップ化PPE、MAA、MAOHおよびDMAPのトルエン溶液を調製した。容積50mLの遠心瓶(Corning、430828)を用いて、PPE溶液と、トルエン、メタノールおよび水から構成される洗浄溶液と、を混合した。実施例および比較実施例で用いる水は脱イオン水とした。洗浄溶液中のトルエン、メタノールおよび水の相対量と洗浄溶液量は、PPEリッチのトルエン相とメタノール−水相とを含む二相混合物を提供するという目的により調節した。PPEをトルエンに完全に溶解させ続け、また適切な溶液粘度を維持するために、PPEとメタノール−水溶液は、混合前、混合・分離中および分離後も60〜70℃に維持しなければならない。所望の温度を維持する温調器(DIGI−SENSE TEMPERATURE CONTROLLER)に接続された熱電対を備えた水浴(ISOTEMP)内にサンプルを浸漬して混合する前に、PPEとメタノール−水溶液は60〜70℃に加熱された。大気温度において、リストアクションシェーカーで少なくとも15分間、PPE溶液とメタノール−水溶液を完全に混合後、50mL遠心瓶に移した。PPE相の密度がメタノール−水相より低い実施例では、混合物をIEC CLINICAL CENTRIFUGE(International Equipment社)で3000rpm×30分間遠心分離して相を分離した。PPE相の密度がメタノール−水相より高い場合は、混合物を重力で相分離した。相分離後、メタノール−水相からPPE相をピペットで除去した。分離したPPE相とメタノール−水相の15mLをアルミトレーに移し、115℃の真空オーブン内で一晩乾燥させた。対照実験から、こうした乾燥条件下でのMAA、MAOHおよびDMAPの蒸発損失は1質量%未満であることがわかった。乾燥したPPE中のMAA、MAOHおよびDMAPの濃度、およびPPE相中のトルエンとメタノールの濃度はすべて、プロトン核磁気共鳴(H NMR)分光法を用い、選択された吸収ピーク強度と比較して求めた。乾燥PPE中のMAA、MAOHおよびDMAPの濃度(質量ppm)は、選択された吸収ピーク面積を積分して求めた。乾燥PPE中の金属含有量は,誘導結合プラズマ(ICP)分光法で求めた。ICP分光計は、米国国立標準技術研究所(NIST)の銅含有多元素標準(感度:100質量ppm)を用いて分析した金属に対して校正した。25質量ppb、100質量ppb、500質量ppbおよび1000質量ppbの濃度を用いて検量線を作成した。分析前に、マイクロ波分解システムを用いて、石英容器内の高純度硝酸6mLにサンプル(0.1〜0.2g)を分解し、その後、脱イオン水で50mLに希釈した。
(実施例1〜8、比較実施例9〜12:軽い相中のPPEと重い相への不純物の抽出)
実施例1〜8では、15〜30質量%PPE溶液のメタノール−水洗浄について調査した。トルエン、メタノールおよび水の量は、メタノール−水相が重い(下部)相、PPE相が軽い(上部)相となるようにした。実施例1、4、5および8の溶媒組成(それらは同じである)を添付の状態図(図1)中ポイント1で示し、実施例2、3、6および7の溶媒組成(それらは同じである)をポイント2で示す。比較実施例9〜12では、15〜30質量%PPE溶液を水だけで洗浄した。これらの実施例では、水相が重い(下部)相、PPE相が軽い(上部)相であった。メタノール−水洗浄または水洗浄後、PPE相を実験室遠心分離機を用いて分離し、乾燥後、H NMRで分析して残留不純物濃度を求めた。材料量および残留不純物濃度を表1に示す。表1からわかるように、実施例1〜8のメタノール−水洗浄では、比較実施例9〜12の水洗浄に比べて、MAAとMAOHの濃度がはるかに低くなった。DMAPの濃度は、実施例1〜8と比較実施例9〜12間で同等であった。
Figure 0006211078
Figure 0006211078
(実施例13〜17、比較実施例18〜19:重い相中のPPEと軽い相への不純物の抽出)
実施例13〜17では、20および30質量%PPE溶液のメタノール−水洗浄について調査した。トルエン、メタノールおよび水の量は、PPE相が重い(下部)相、メタノール−水相が軽い(上部)相となるようにした。添付の状態図(図1)では、実施例13の溶媒組成をポイント3で示し、実施例15および16の溶媒組成(それらは同じである)をポイント4で示し、実施例14および17の溶媒組成(それらは同じである)をポイント5で示す。比較実施例18および19では、20および30質量%PPE溶液を水だけで洗浄した。メタノール−水洗浄または水洗浄後、PPE相を重力分離し、乾燥後、H NMRで分析して残留不純物濃度を求めた。材料量および残留不純物濃度を表2に示す。表2からわかるように、実施例13〜17のメタノール−水洗浄では、比較実施例18〜19の水洗浄に比べて、MAAとMAOHの濃度がはるかに低くなった。DMAPの濃度は、実施例13〜17と比較実施例18〜19間で同等であった。
Figure 0006211078
(実施例22、25、28、および比較実施例20、21、23、24、26および27:PPE中の金属含有量に対するメタノール−水洗浄の効果と苛性洗浄との比較)
実施例22、25および28における15〜30質量%PPE溶液のメタノール−水洗浄と、比較実施例20、21、23、24、26および27における15〜30質量%PPE溶液の苛性洗浄と、を比較した。苛性洗浄では、PPE溶液と苛性洗浄液との質量比を7:1に調節した。10N水酸化ナトリウムを用いて苛性洗浄液を調製した。PPE溶液中のMAA 1モル当たり1.5〜2モル当量の水酸化物イオンが、また、MAOH 1モル当たり0.75〜1モル当量の水酸化物イオンがそれぞれ供給されるように、10N水酸化ナトリウムの量を調節した。メタノール−水洗浄または苛性洗浄後、PPE相を分離し、乾燥後、ICP分光法で分析して残留金属濃度を求めた。材料量および残留金属濃度を表3に示す。苛性洗浄はPPEの純度に悪影響を及ぼす。表3の比較実施例20、21、23、24、26および27からわかるように、水酸化ナトリウムを有する苛性洗浄では、許容できない高濃度のナトリウムイオンが乾燥PPE内に導入される。対照的に、苛性洗浄の代わりにメタノール水洗浄剤を使用した実施例22、25および28では、ナトリウムイオンは検出されなかった。
Figure 0006211078
Figure 0006211078
(実施例32〜34、比較実施例29〜31:PPE 1g当たりに使用される溶媒量に対する精製方法(溶液沈殿とメタノール−水洗浄)の効果)
実施例32〜34における15〜30質量%PPE溶液のメタノール−水洗浄と、比較実施例29〜31における48.8質量%PPE溶液のイソプロピルアルコール沈殿と、を比較した。メタノール−水洗浄後の分離されたPPE相と沈殿後のPPEを乾燥させ、H NMRで分析して残留不純物濃度を求めた。材料量および残留不純物濃度を表4に示す。表4からわかるように、特に、実施例33と34の22.5〜30質量%PPE溶液の場合、メタノール−水洗浄における溶媒全量は、イソプロピルアルコール沈殿におけるものよりはるかに少ない。実施例32〜34からわかるように、異なる量の追加トルエンで希釈後の15質量%PPE溶液、22.質量%PPE溶液および30質量%PPE溶液それぞれでは、溶液中のPPE濃度が高いほど、溶媒とPPEとの比は小さい。2つのプロセスにおける単離されたPPE中の残留MAAおよびMAOHの合計量は同等である。しかしながら、メタノール−水洗浄法で得られたDMAPの濃度は、沈殿法と比較してはるかに低い。従って、PPEの精製において、メタノール−水洗浄法は、全体として沈殿法より有効である。
Figure 0006211078
(実施例35〜38:2回の洗浄の効果(軽い相中のPPEと重い相への不純物の抽出))
実施例35〜38では、15〜25質量%PPE溶液の遂次的メタノール−水洗浄について調査した。トルエン、メタノールおよび水の量は、メタノール−水相が重い(下部)相、PPE相が軽い(上部)相となるようにした。第1のメタノール−水洗浄後、PPE相の約30mLを分離した。第1および第2それぞれのメタノール−水洗浄後、分離したPPE相を乾燥させ、H NMRで分析して残留不純物濃度を求めた。材料量および残留不純物濃度を表5に示す。2回のメタノール−水洗浄後の単離されたPPE中の残留MAA、MAOHおよびDMAPの合計量は、1回のメタノール−水洗浄後に単離されたPPEと比較して、わずかに低減していた。これらのデータから、2回目のメタノール−水洗浄を行なうことによって、不純物量はさらにわずか低減されることがわかる。
Figure 0006211078
Figure 0006211078
(実施例39、40:イソプロピルアルコール−水洗浄の評価)
これらの実施例では、メタノール−水洗浄の代わりに、イソプロピルアルコール−水洗浄を使用する可能性について調査した。15質量%PPE溶液および20質量%PPE溶液について評価した。メタノール−水溶液と同様に、イソプロピルアルコール−水溶液相もPPEトルエン溶液から分離する。トルエン−イソプロピルアルコール−水のモル比70:10:20は、PPE相が軽い相、イソプロピルアルコール−水相が重い相となるように選択した。イソプロパノール−水洗浄後、PPE相を分離し、乾燥後、H NMRで分析して残留不純物濃度を求めた。材料量および残留不純物濃度を表6に示す。実施例39および40の乾燥PPE中のMAA、MAOHおよびDMAP濃度は、メタノール−水洗浄法で得られた残留濃度と同等であった。これらの結果は、イソプロピルアルコール−水洗浄の実現可能性を示している。
Figure 0006211078

Claims (10)

  1. キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)、キャッピング剤、キャッピング副生成物およびキャッピング触媒と、トルエン、キシレン、メシチレン、スチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルムおよびこれらの組み合わせから構成される群から選択されたポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、を含むキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)溶液と、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、およびこれらの組み合わせから選択されるC−Cアルカノールと水とを含む第1の洗浄溶媒と、を混合して、前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)とポリ(フェニレンエーテル)溶媒を含む第1の液相と、C−Cアルカノールと水を含む第2の液相と、を形成するステップと、
    前記第2の液相から前記第1の液相を分離するステップと、を備え;
    前記キャッピング剤は、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物および炭酸エステルから選択され、
    前記キャッピング副生成物は、キャッピング剤がカルボン酸ハライドの場合、キャッピング副生成物はハロゲン化物イオンであり、キャッピング剤がカルボン酸エステルまたは炭酸エステルの場合、キャッピング副生成物はアルコールであり、キャッピング剤がカルボン酸無水物の場合、キャッピング副生成物はカルボン酸であり、
    前記キャッピング触媒は、キャッピング剤がカルボン酸ハライド、カルボン酸エステルあるいはカルボン酸無水物の場合、アルカリ金属水酸化物、未置換および置換水酸化アンモニウム、ならびにアミンから選択されたブレンステッドローリー塩基であり、
    前記第1の液相と前記第2の液相との容積比は1.5:1〜10:1であり;
    前記第1の液相と前記第2の液相との混合相は、前記ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルコールおよび水の合計100モル%に対して、24〜92モル%のポリ(フェニレンエーテル)溶媒と、1〜56モル%のC−Cアルカノールと、3〜74モル%の水と、を含み;
    前記C−Cアルカノールと水とのモル比は、0.5:1〜3:1であり、
    前記第1の液相は、溶液中、少なくとも95質量%の前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)を含むことを特徴とするキャップ化ポリ(フェニレンエーテル)の精製方法。
  2. 前記第1の液相と第2の液相との混合相中のC−Cアルカノールと水の合計量は、前記ポリ(フェニレンエーテル)溶媒、C−Cアルカノールおよび水の合計100モル%に対して、少なくとも25モル%であり、
    前記ポリ(フェニレンエーテル)溶媒とC−Cアルカノールおよび水の組み合わせとのモル比は、0.75:1〜3:1であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の洗浄溶媒の合計質量に対して、10質量ppm未満のキレート剤が前記第1の洗浄溶媒に溶解していることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は下式の構造を有する二官能性ポリ(フェニレンエーテル)を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の方法:
    Figure 0006211078
    式中、QとQはそれぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシおよび、少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシから構成される群から選択され;QとQはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシおよび、少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシから構成される群から選択され;xとyは、その合計が少なくとも2であることを条件に、独立に0〜100であり;Lは下式の構造
    Figure 0006211078
    [式中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシあるいは、少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシであり;Yは下式の構造
    Figure 0006211078
    (式中、Rは、水素およびC−C12ヒドロカルビルから構成される群から選択され、RおよびRはそれぞれ独立に、水素およびC−C12ヒドロカルビルから構成される群から選択され、あるいはRおよびRは、共同でC−C12アルキレン基を形成する)を有し;zは0または1である]を有し;XとXは独立に、下式の構造のもの
    Figure 0006211078
    [式中、RはC−C12ヒドロカルビレンであり;R、RおよびRは独立に、水素またはC−C18ヒドロカルビルであり;mは0または1であり;nは0または1であり;pは、XとXが同時に水素でないことを条件として、それぞれ独立に0、1、2または3である]である。
  5. 前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は下式の構造を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の方法:
    Figure 0006211078
    式中、QとQはそれぞれ独立に、メチルまたはジ−n−ブチルアミノメチルであり;aとbは、その合計が少なくとも2であることを条件として、独立に0〜20である。
  6. 記C−Cアルカノールは、メタノールを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記水は、ASTM D1193−91に準拠し25℃で測定した導電率が0.05〜5μS/cmの脱イオン水であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記ポリ(フェニレンエーテル)のキャッピング反応混合物は、その合計質量に対して、0.1〜1質量%のキャッピング剤と、0.1〜5質量%のキャッピング剤副生成物と、0.01〜1質量%のキャッピング触媒と、を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記ポリ(フェニレンエーテル)溶媒はトルエンであり;
    前記C−Cアルカノールはメタノールであり;
    前記キャップ化ポリ(フェニレンエーテル)は、トルエンと前記キャッピング触媒の存在下におけるポリ(フェニレンエーテル)とメタクリル酸無水物との反応の生成物であり;
    前記キャッピング副生成物は、メタクリル酸であり、
    前記第1の液相と前記第2の液相との容積比は2:1〜7:1であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 前記第1の液相と第2の液相との混合相中のメタノールと水の合計量は、前記トルエン、メタノールおよび水の合計100モル%に対して、少なくとも25モル%であり、
    前記トルエンとメタノールおよび水の組み合わせとのモル比は0.75:1〜3:1であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
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