JP6210882B2 - 組織分割装置、細胞分取装置、細胞分取システム、組織表示システム、組織分割方法および細胞分取方法 - Google Patents

組織分割装置、細胞分取装置、細胞分取システム、組織表示システム、組織分割方法および細胞分取方法 Download PDF

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Description

本発明は、組織分割装置、細胞分取装置、細胞分取システム、組織表示システム、基板、伸展部材、組織分割方法および細胞分取方法に関するものである。
従来、病理診断などに用いられる組織の切片から、数十ミクロン程度の微小領域を切り取って採取するための技術としてLMD(Laser Microdissection)法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。LMD法は、切片の採取すべき微小領域にUVレーザを照射することにより、切片から微小領域を切り取っている。
Leica MICROSYSTEMS、"ライカ LMD6500 ライカ LMD7000"、P.2、[online]、[平成24年8月30日検索]、インターネット<URL:http://www.leica-microsystems.com/fileadmin/downloads/Leica%20LMD7000/Brochures/LMD6500_7000_JP.pdf>
しかしながら、切片から癌細胞などの特定の細胞が存在する領域を切り取り、切り取った微小な断片に含まれる細胞から抽出した核酸、遺伝子、アミノ酸、ペプチド、たんぱく質、脂質、糖鎖などの微量な生体試料の検査を実施したい場合、特に遺伝子検査を実施したい場合、LMD法によって採取された断片に含まれる細胞数では少なすぎて検査に必要な量の遺伝子を抽出することができない。したがって、多数の切片をマイクロダイセクションして十分な数の細胞を収集しなければならず、1度の遺伝子検査を行うのに膨大な労力および時間を要するという問題がある。
一方、切り取る断片の面積を大きくする、または、生体組織から切き出す切片を厚くすることが考えられる。しかしながら、LMD法で切り取る断片を大きくしようした場合、レーザを走査可能な領域を大きくしたり、レーザを走査して切り取った断片をレーザの圧力で吹き飛ばすためにレーザの出力を高くしたりする必要がある。そのために装置の構成が一層大掛かりになり装置の価格も高騰するという不都合がある。また、切片を厚くした場合、レーザで切片を切断するためにはやはりレーザの出力を高くする必要があるという不都合がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、生体組織の切片を簡便な構成と操作で十分な量の細胞を含む寸法の断片に分割して採取することができる組織分割装置、細胞分取装置、細胞分取システム、組織表示システム、組織分割方法および細胞分取方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の第1の態様は、生体組織の切片を貼り付け可能な表面を有し、複数の小片に分割可能に設けられた基板と、該基板を複数の小片に分割することによって前記表面に貼り付けられた切片を前記小片と略同等の形状の断片に分割する分割部とを備え、該分割部が、前記複数の小片のうち、前記切片内の採取すべき領域が貼り付けられている一部の小片の、前記切片が貼り付けられている面および該面とは反対側の面のうち少なくとも一方の面を支持し、前記表面に交差する方向に移動させられることで前記一部の小片を他の小片に対して前記交差する方向に移動させる支持部材と、前記一部の小片に貼り付けられた前記切片の分割を補助する分割補助部とを備え、該分割補助部が、前記支持部材との間に前記基板を挟み該基板に端面を向けて配置され、前記支持部材によって移動された前記一部の小片が挿入可能な孔を前記端面に有する略筒状の部材を備え、前記端面と前記孔の内面とが成す角が前記切片の分割を補助する組織分割装置である。
本発明の第1の態様によれば、生体組織の切片が貼り付けられた基板を分割部によって複数の小片に分割するだけの簡便な構成と操作によって、基板上に貼り付けられた切片を基板と共に小片と略同等の形状の断片に分割し、小片と共に該小片に付着している断片を採取することができる。また、基板と共に力学的に切片が分割されるので、切片の厚さや断片の大きさはLMD法に比べて厳しく制限されない。したがって、切片を厚くし、または、小片の寸法を大きくすることにより、切片を十分な量の細胞を含む寸法の断片に分割することができる。
上記第1の態様においては、前記基板が、予め分割された前記複数の小片の集合体からなり、前記分割部が、前記小片同士を相対的に移動させる力を前記基板に加えることで前記基板を分割してもよい。あるいは、上記第1の態様においては、前記基板は、前記複数の小片に区画する溝が形成され、前記分割部が、前記小片同士を相対的に移動させる力を前記基板に加えることで前記基板を分割してもよい。
このようにすることで、小片同士を相対的に移動させる力を基板に加えることにより予め設定された形状の小片に容易に基板を分割することができる。
上記第1の態様においては、前記分割部が、前記複数の小片のうち、前記切片内の採取すべき領域が貼り付けられている一部の小片を前記交差する方向に移動させて、前記小片同士を前記表面に交差する方向に相対的に移動させる力を前記基板に加える。
このようにすることで、基板表面の略法線方向に一部の小片を移動させて他の小片と分割し、一部の小片の表面に貼り付けられていた切片の一部を切り取ることができる
また、上記第1の態様においては、前記分割部が、前記一部の小片の前記切片が貼り付けられている面および該面とは反対側の面のうち少なくとも一方の面を支持する支持部材を備え、該支持部材を前記交差する方向に移動させることで前記一部の小片を前記交差する方向に移動させる。
このようにすることで、一部の小片のみを容易に表面に交差する方向に移動させることができる。
また、上記第1の態様においては、前記分割部が、前記一部の小片に貼り付けられた前記切片の分割を補助する分割補助部をさらに備える。分割補助部は、前記支持部材との間に前記基板を挟み該基板に端面を向けて配置され、前記支持部材によって移動された前記一部の小片が挿入可能な孔を前記端面に有する略筒状の部材を備え、前記端面と前記孔の内面とが成す角が前記切片の分割を補助する。
このようにすることで、小片が筒状の部材の孔内に挿入される過程において当該小片に貼り付けられている切片をより確実に切り取ることができる。
上記の支持部材を備える構成においては、前記分割部が、前記支持部材によって前記一方の面を前記交差する方向に押圧することとしてもよい。
このようにすることで、一部の小片を容易に移動させることができる。
上記の支持部材によって小片の一方の面を押圧する構成においては、前記支持部材が、前記切片を間に挟んで前記切片が貼り付けられている面を支持し、前記支持部材と前記切片との間に配置され該切片の表面を覆って保護する保護部材を備えることとしてもよい。
このようにすることで、支持部材と切片とが直接接触することが防止され、同一の支持部材を連続して使用して切片から複数の断片を採取したとしても、一の断片に含まれる生体分子等の物質が支持部材を介して他の断片に移動すること(コンタミネーション)を防ぐことができる。
上記の支持部材を備える構成においては、前記支持部材と前記一部の小片の前記反対側の面との間に配置されると共に該反対側の面を吸着する吸着部材を備え、前記分割部が、前記支持部材によって前記一部の小片の前記反対側の面を前記交差する方向に引っ張ることとしてもよい。
このようにすることで、一部の小片を容易に移動させることができる。
上記の支持部材を備える構成においては、前記分割部が、前記基板を間に挟んで対向配置され前記小片の前記切片が貼り付けられている面および前記反対側の面を支持すると共に前記交差する方向に一体に移動させられる2つの前記支持部材を備えることとしてもよい。
本発明の第2の態様は、生体組織の切片を貼り付け可能な表面を有し、複数の小片に分割可能に設けられた基板と、該基板を複数の小片に分割することによって前記表面に貼り付けられた切片を前記小片と略同等の形状の断片に分割する分割部と、該分割部によって分割された前記切片の断片を採取する採取部とを備え、前記分割部が、前記複数の小片のうち、前記切片内の採取すべき領域が貼り付けられている一部の小片の、前記切片が貼り付けられている面および該面とは反対側の面のうち少なくとも一方の面を支持し、前記表面に交差する方向に移動させられることで前記一部の小片を他の小片に対して前記交差する方向に移動させる支持部材と、前記一部の小片に貼り付けられた前記切片の分割を補助する分割補助部とを備え、該分割補助部が、前記支持部材との間に前記基板を挟み該基板に端面を向けて配置され、前記支持部材によって移動された前記一部の小片が挿入可能な孔を前記端面に有する略筒状の部材を備え、前記端面と前記孔の内面とが成す角が前記切片の分割を補助する細胞分取装置である。
本発明の第3の態様は、上記に記載の細胞分取装置と、前記基板上の切片を観察する観察装置とを備える細胞分取システムである。
本発明の第4の態様は、上記に記載の細胞分取装置と、前記基板上の切片を観察する観察装置と、該観察装置によって観察された切片を表示する表示部とを備える組織表示システムである。
本発明の参考例の一態様は、生体組織の切片を貼り付け可能な表面を有するとともに複数の小片に分割可能に設けられ、複数の小片に分割されることによって前記表面に貼り付けられた前記切片を分割する基板である。
本発明の参考例の一態様は、生体組織の切片を貼り付け可能な表面を有するとともに複数の小片に分割可能に設けられた基板の、前記切片が貼り付けられる表面とは反対側の面に接着され、前記基板の表面方向に伸展可能な伸展部材であって、前記表面方向に伸展することによって接着されている前記基板を複数の小片に分割する伸展部材である。
本発明の第の態様は、生体組織の切片を貼り付け可能な表面を有すると共に複数の小片に分割可能に設けられた基板の前記表面に複数の前記小片にまたがって切片を貼り付ける貼付ステップと、前記基板を複数の小片に分割することによって前記基板の表面に貼り付けられている切片を分割する分割ステップとを含み、該分割ステップにおいて、前記複数の小片のうち、前記切片内の採取すべき領域が貼り付けられている一部の小片の、前記切片が貼り付けられている面および該面とは反対側の面のうち少なくとも一方の面を支持部材によって支持するとともに、前記支持部材によって支持された前記一部の小片が挿入可能な孔を端面に有する略筒状の部材を、前記基板を間に挟んで前記孔が前記支持部材と対向するように前記基板に前記端面を向けて配置し、前記略筒状の部材の前記端面と前記孔の内面とが成す角によって前記一部の小片に貼り付けられた切片の分割が補助されるように、前記支持部材を前記略筒状の部材側に向かって前記表面に交差する方向に移動させて前記一部の小片を前記孔内へ移動させる組織分割方法である。
本発明の第の態様は、生体組織の切片を貼り付け可能な表面を有すると共に複数の小片に分割可能に設けられた基板に前記切片を貼り付ける貼付ステップと、前記切片が貼り付けられた前記基板を複数の小片に分割することによって前記切片を前記小片と略同等の形状の断片に分割する分割ステップと、前記分割された前記切片の断片を採取する採取ステップとを含み、前記分割ステップにおいて、前記複数の小片のうち、前記切片内の採取すべき領域が貼り付けられている一部の小片の、前記切片が貼り付けられている面および該面とは反対側の面のうち少なくとも一方の面を支持部材によって支持するとともに、前記支持部材によって支持された前記一部の小片が挿入可能な孔を端面に有する略筒状の部材を、前記基板を間に挟んで前記孔が前記支持部材と対向するように前記基板に前記端面を向けて配置し、前記略筒状の部材の前記端面と前記孔の内面とが成す角によって前記一部の小片に貼り付けられた切片の分割が補助されるように、前記支持部材を前記略筒状の部材側に向かって前記表面に交差する方向に移動させて前記一部の小片を前記孔内へ移動させる細胞分取方法である。
本発明によれば、生体組織の切片を簡便な構成と操作で十分な量の細胞を含む寸法の断片に分割することができるという効果を奏する。
本発明の参考実施形態に係る細胞分取システムの全体構成図である。 溝を粘着シート側に向けて粘着シートに接着されたガラス基板の側面図である。 溝を粘着シートと反対側に向けて粘着シートに接着されたガラス基板の側面図である。 粘着シートに接着したガラス基板を示す図である。 粘着シートの伸展により分割されたガラス基板を示す図である。 伸展用ステージおよび治具の構成を示す図である。 図4の伸展用ステージおよび治具の使用方法を説明する図であり、粘着シートを伸展させた状態を示している。 図4の伸展用ステージおよび治具の使用方法を説明する図であり、粘着シートをグリップリングで保持した状態を示している。 図1の細胞分取装置および細胞分取システムを使用して切片から細胞を採取する手順を説明するフローチャートである。 基板の変形例を示す図である。 基板のもう1つの変形例を示す図である。 図1の細胞分取システムの変形例を示す図である。 図1の細胞分取システムのもう1つの変形例を示す図である。 図1の細胞分取システムを使用して細胞を採取する手順の変形例を示すフローチャートである。 外筒および内筒を用いた粘着シートを伸展させる方法の変形例を示す図であり、外筒に粘着シートを設置した状態を示す図である。 図12の外筒および内筒を用いて粘着シートを伸展させた状態を示す図である。 図12の外筒および内筒を用いて別の方法により粘着シートを伸展させた状態を示す図である。 粘着シートを伸展させる方法のもう1つ変形例を示す図であり、粘着シートの伸展前を示している。 粘着シートを伸展させる方法のもう1つ変形例を示す図であり、粘着シートの伸展後を示している。 グリップリングの変形例を示す図である。 本発明の実施形態に係る細胞分取装置および細胞分取システムが備える基板の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る細胞分取装置および細胞分取システムが備える支持部材および分割補助部の構成を示す図である。 図18の支持部材および分割補助部を使用した切片の分割方法を説明する図である。 図18の支持部材および分割補助部を使用した切片の分割方法を説明する図である。 図18の支持部材を使用した切片の分割方法の変形例を示す図である。 支持部材の変形例と該支持部材を使用した切片の分割方法を説明する図である。 図18の支持部材の変形例を示す図である。 本発明の参考実施例により作成した切片の写真であり、分割前の状態を示している。 図23の切片の分割後の状態を示す写真である。
参考実施形態)
以下に、本発明の参考実施形態に係る細胞分取装置1および細胞分取システム100について図1から図16を参照して説明する。
本実施形態に係る細胞分取システム100は、図1に示されるように、光学顕微鏡(観察装置)2と、本実施形態に係る細胞分取装置1とを備えている。
光学顕微鏡2は、正立型である。光学顕微鏡2は、その視野を撮像するCCDカメラなどの撮像装置3がカメラ用ポート2aに接続されている。撮像装置3によって撮像された映像は図示しないモニタに表示されるようになっている。細胞分取システム100は、このモニタと共に組織表示システムを構成している。映像は、イメージプロセッサなどの図示しない映像処理装置によって映像処理が施されてからモニタに表示されてもよい。
細胞分取装置1は、生体組織の切片が貼付されるガラス基板(基板)4と、その表面に沿う方向に伸展可能でありガラス基板4が接着される粘着シート(伸展部材)5と、該粘着シート5を伸展させる伸展用ステージ(分割部、伸展部、押圧部材)6と、該伸展用ステージ6で伸展させる粘着シート5を保持する治具7と、粘着シート5からガラス基板4の小片4bを採取する採取部8とを備えている。本発明に係る細胞分割装置は、基板4と、伸展用ステージ6と、治具7とからなる構成に相当する。
ガラス基板4は、平坦な表面を有する平板状である。ガラス基板4の表面には、図2Aおよび図3Aに示されるように、所定の間隔を空けて格子状の溝(分割線)4aが形成されている。溝4aは、例えば、レーザ加工や化学エッチング、ダイシングなどにより形成されてもよく、ガラス切りなどを用いて操作者の手作業により形成されてもよい。
ガラス基板4は、生体組織の切片を安定に支持可能な厚さ、例えば、0.05mmから0.5mmが好ましい。溝4aの間隔は、切片から採取すべき断片の大きさによって適宜変更可能である。例えば、溝4aの間隔は、切片内から十分に細かい位置精度で所望の領域の断片を採取しつつ、採取した断片に十分な量の細胞が含まれているように、0.05mmから5.0mmが好ましい。ガラス基板4は、その上に貼付された切片の透過光像を光学顕微鏡2で観察できるように、光学的に透明なものが用いられる。
ガラス基板4は、その表面と切片との密着性を向上するために、表面にシラン化などの化学処理が施されていてもよい。また、ガラス基板4は、小片4bの採取後に行う検査などの目的に応じて、例えば、核酸やタンパク質などが吸着を防ぐためのコーティング処理などが施されていてもよい。
粘着シート5は、一方の面に接着剤が塗布され、ガラス基板4を十分に堅固にかつ後述する採取部8により剥離可能に接着可能な粘着性を有している。また、粘着シート5はその表面に沿う方向に伸展可能である。粘着シート5上にガラス基板4を接着した状態で粘着シート5をその表面に沿う方向に伸展させたときに、粘着シート5の伸展に伴ってガラス基板4もその表面に沿う方向に引っ張られる。そして、図3Bに示されるように、ガラス基板4が溝4aの位置で切断されて複数の小片4bに分割するようになっている。このときに、ガラス基板4の表面上に貼付された切片Aも同時にその表面に沿う方向に引っ張られて溝4aに沿って切断される。
粘着シート5は、光学的に透過性または半透過性を有している。これにより、光学顕微鏡2で粘着シート5を観察したときに、該粘着シート5を挟んで光学顕微鏡2の対物レンズと反対側に配置された物体も観察可能になっている。粘着シート5としては、例えば、半導体製造プロセスのダイシングステップにおいてウエハの一時的な固定に使用されるダイシングテープを好適に用いることができる。
なお、図2Aには、ガラス基板4が溝4aを粘着シート5側に向けて粘着シート5に接着されている例が示されているが、図2Bに示されるように、ガラス基板4が溝4aを粘着シート5と反対側に向けて該粘着シート5に接着されてもよい。
伸展用ステージ6は、図4に示されるように、略円柱状であり、両端が略平行にかつ平坦に形成されている。伸展用ステージ6は上端側の部分(以下、小径部分という。)6aが、他の部分(以下、大径部分という。)6bよりも小さい径寸法を有するように、側面に段差が形成されている。
治具7は、粘着シート5を広げた状態で貼付可能な下枠(固定部材)9aと、該下枠9aに上からかぶせる上枠9bと、粘着シート5を伸展した状態に保持するグリップリング10a,10b(保持部材)とを有している。グリップリング10a,10bは、外リング10aと内リング10bとからなる。外リング10aの内径寸法と内リング10bの外径寸法とは略同一である。下枠9aと上枠9bは、略中央部分に板圧方向に貫通した窓9c,9dがそれぞれ形成されている。上枠9bの窓9dの内側にはその内周面に沿って外リング10aが嵌めこまれている。下枠9aの9c窓は、小径部分6aの外径寸法以上の直径を有している。
治具7は次のように使用される。まず、内リング10bを小径部分6aの外周に沿って嵌める。また、ガラス基板4が接着された粘着シート5を、ガラス基板4を窓9cの位置に配置し、ガラス基板4が接着されている側を上方に向けた状態で下枠9aの下面に接着する。これにより、粘着シート5のガラス基板4が接着された領域の周辺が所定の形状に固定される。次に、粘着シート5の窓9cと一致している部分を伸展用ステージ6の上端面に押し当てた状態で下枠9aを下方向に押圧して移動させる。これにより、図5Aに示されるように、粘着シート5の窓9cと一致している部分が伸展用ステージ6から押圧されて伸展する。この粘着シート5の伸展に伴ってガラス基板4が複数の小片4bに分割される。
次に、図5Bに示されるように、粘着シート5を伸展させたままの状態で上枠9bを下枠9aにかぶせることにより外リング10aと内リング10bを嵌める。これにより、粘着シート5の窓9cと一致する部分が伸展された状態にグリップリング10a,10bによって保持される。
なお、このようにして粘着シート5を伸展させたときに、該粘着シート5がどの程度伸展したかを知るための目印、例えば、目盛りが粘着シート5に付されていてもよい。
採取部8は、採取針11と、該採取針11を操作するマニピュレータ12とを備えている。採取針11の先端部は、小片4bと略同一またはそれ以下の直径寸法を有している。マニピュレータ12は、アーム12aの先端に採取針11を保持している。マニピュレータ12は、操作者による操作に従ってアーム12aを3次元方向に移動させるようになっている。
このように構成された細胞分取装置1および細胞分取システム100を使用して生体組織の切片から所望の細胞を含む断片を採取する方法について、図6を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る細胞分取装置1および細胞分取システム100を使用して生体組織の切片から目的の細胞を採取するには、まず、生体組織から採取用切片(切片)を切り出し(ステップS1)、切り出した採取用切片をガラス基板4上に貼付する(ステップS2、貼付ステップ)。そして、採取用切片を光学顕微鏡2で観察して検体画像を取得する(ステップS3)。
採取用切片の切り出しは、例えば、凍結包埋法やパラフィン包埋法などにより行われる。採取用切片の厚さは、採取した細胞の用途にもよるが、通常の病理標本などに用いられる切片の厚さ(約数μmから10μm)より厚くてもよく、例えば、50μm程度の厚さで採取用切片が切り出される。切り出した採取用切片の寸法がガラス基板4の溝4aの間隔よりも小さいときには、採取用切片が溝4aをまたぐように採取用切片をガラス基板4上に貼付する。
また、採取用切片とは別に、生体組織の採取用切片の切り出し位置と隣接した位置から厚さ数μmから10μm程度の染色用切片を切り出す。切り出した染色用切片は、スライドガラスに貼付した後に、例えば、病理診断用の染色を施しておく(ステップS4)。そして、染色済みの染色用切片を光学顕微鏡2で観察して染色画像を取得し(ステップS5)、取得した染色画像内において所望の細胞が存在している採取すべき領域、例えば、癌細胞に浸食されている領域を決定する(ステップS6)。
次に、取得した検体画像と染色画像とを、各画像内の切片がぴったり重なり合うように重畳して表示し(ステップS7)、染色用切片内の決定した採取すべき領域に一致する小片4bの位置、例えば、その小片4bの列番号と段番号を記録する(ステップS8)。
次に、ガラス基板4を粘着シート5に接着する。なお、粘着シート5に予め接着しておいたガラス基板4上に切り出した採取用切片を貼付してもよい。次に、粘着シート5を伸展用ステージ6および治具7を使用して伸展させることによりガラス基板4を分割する(ステップS9、分割ステップ)。このときに、ガラス基板4上に貼付された採取用切片もガラス基板4と共にその表面方向に引っ張られることにより溝4aの位置で断片に分割される。
次に、粘着シート5をグリップリング10a,10bによって伸展した状態に保持し、ガラス基板4が接着された側の面が下方を向くように粘着シート5を標本ステージ2b上に設置する。このときに、粘着シート5を、下枠9aから剥離した状態で標本ステージ2bに設置してもよく、下枠9aと共に標本ステージ2bに設置しても良い。
次に、記録しておいた位置の小片4bを光学顕微鏡2で観察しながら、その視野内でマニピュレータ12を操作することより採取針11を採取すべき小片4bの背後に配置する。そして、採取すべき小片4bの、粘着シート5に接着している側の面を採取針11で突くことにより小片4bを粘着シート5から剥離させて落下させる(ステップS10、採取ステップ)。このときに、標本ステージ2bの下方にチューブラック13を配置し、小片4bの落下位置に予め回収チューブ13aを設置しておいてもよい。
以上の手順により、採取用切片から所望の細胞が存在する領域の断片を小片4bと共に採取することができる。採取された細胞は、例えば、遺伝子検査などに用いられる。
このように、本実施形態によれば、簡便な構成と操作のみで切片から所望の細胞が存在する領域を選択的に採取することができるという利点がある。また、UVレーザ光源のような高価な構成が不要であるので、製造コストを安価に抑えることができるという利点がある。また、LMDと異なり切片を力学的に切断しているので、比較的厚い切片でも容易に切断可能であると共に、溝4aの間隔を調節するだけで小片4bの大きさを容易に拡大することができる。したがって、従来十分な細胞数を回収するために複数の切片から断片を採取する必要があり多大な労力を要していた作業が、1つまたは少数の小片4bを採取するだけで済むので、作業に要する労力と時間とを大幅に削減することができるという利点がある。
上記実施形態においては、切片を貼付する基板として、格子状の溝4aが形成されたガラス基板4を用いることとしたが、これに代えて、ガラスの小片4bが平面方向に配列されてなるガラス基板4を使用してもよい。
この場合、ガラス基板4の形状を保持するために、図7に示されるように、予め粘着シート5上にガラスの小片4bが配列された状態で接着されている。このようにすることで、粘着シート5を伸展させたときに、小片4b同士の境界(分割線)においてより容易にかつ確実にガラス基板4を分割することができる。
なお、予め分割された小片を粘着シート5上に配列した状態にするには、一例として以下のような方法を用いることができる。
粘着シート5上にガラス基板4を接着し、該ガラス基板4にガラス切りで格子状に傷をつける。そして、ガラス基板4を傷の位置で徒手的に割ることにより、容易に図7のように小片4bが粘着シート5上に配列した状態とすることができる。このときに、ガラス基板4が汚れないように、ガラス基板4表面をフィルムなどで保護しながら行うことが好ましい。
また、上記実施形態で採用した基板の構成は一例であり、この構成に限定されるものではない。
例えば、基板の素材は、ガラスの他に樹脂などでもよい。小片4bの形状としては、粘着シート5の表面に密に配列可能な形状であればよく、例えば、正六角形や三角形でもよい。また、図8に示されるように、小片として球状のガラスビーズや樹脂ビーズ4cを用い、これらを粘着シート5上に好ましくは単層で配列させることにより基板4’が構成されていてもよい。
また、基板として磁性を有するものを用いても良い。例えば、直径が1μmから500μmの磁性粒子を粘着シート5の表面に密に配列させてもよいし、ステンレスなどの金属板を基板として使用してもよい。基板として金属のような可視光を透過させないものを用いた場合には、光学顕微鏡で粘着シート5の透過光像を観察したときに、小片4bが小さくてもよりはっきりと視認することができる。
この場合、採取部8として、磁石を使用してもよい。例えば、採取針11の先端に、磁性粒子と略同一の大きさの磁石を設ける。そして、採取針11の先端を、磁性粒子に粘着シート5と反対側から近づけることにより、所望の磁性粒子を磁力によって採取針11の先端に捕捉して粘着シート5から採取することができる。
また、上記実施形態においては、正立型の光学顕微鏡2を使用し、伸展用ステージ6が光学顕微鏡2と別体で設けられている構成を採用したが、細胞分取システム100の構成はこれに限定されるものではない。例えば、光学顕微鏡2として倒立型を使用してもよく、伸展用ステージ6を光学顕微鏡2に搭載してもよい。
図9は、倒立型の光学顕微鏡2に、伸展用ステージ6と治具7とを設けた構成の一例を示している。標本ステージ2bは、光学顕微鏡2の観察位置と、光学顕微鏡2の本体から外れた位置との間でガイドレール2cに沿って水平方向にスライド可能に設けられている。このような構成においては、標本ステージ2bを観察位置に配置した状態で治具7を下方に移動させることにより伸展用ステージ6上で粘着シート5を伸展させる。その後、標本ステージ2bをスライドさせ、光学顕微鏡2と別体で設けられた採取部8を使用して小片4bが採取される。
図10は、正立型の光学顕微鏡2に、伸展用ステージ6、治具7および採取部8を設けた構成の一例を示している。伸展用ステージ6は、標本ステージ2bの上方に対物レンズと一体で上下方向に移動可能に設けられ、治具7によって標本ステージ2bの上方に保持された粘着シート5に対して上方から押し当てられるようになっている。この構成においては、標本ステージ2b上で、粘着シート5の伸展から小片4bの採取までの一連の作業を行うことができる。
また、上記実施形態においては、採取用切片の検体画像と染色用切片の染色画像とを照らし合わせることにより採取すべき小片4bを決定することとしたが、これに代えて、採取用切片の画像から採取すべき小片4bを決定してもよい。
比較的厚い採取用切片の場合、細胞が厚さ方向に重なっているため、染色を施しても個々の細胞の形状や細胞の分布などを正確に像から認識することが難しい。しかし、そのような染色像や未染色の切片の像からでも、大まかな組織形状や細胞の分布に基づいて採取すべき領域を判別可能な場合には、例えば、図11に示されるように、光学顕微鏡2で採取用切片を観察しながらその場で採取すべき小片4bを選択し(ステップS11)、粘着シート5の伸展(ステップS9)および小片4bの採取(ステップS10)を行ってもよい。このようにすることで、必要に応じて手順をさらに簡略化することができる。
また、上記実施形態においては、略円柱状の伸展用ステージ6を使用して粘着シート5を伸展させることとしたが、粘着シート5を伸展させる方法はこれに限定されるものではない。
例えば、伸展用ステージ6に代えて外筒14aおよび該外筒14a内に収納可能な内筒14bを使用してもよい。
この場合、図12に示されるように、粘着シート5を外筒14aの上端面に被せて外筒14aの側面に固定する。符号15は、粘着シート5を外筒14aの側面に固定するために固定部材を示している。次に、図13に示されるように、内筒14bを外筒14aの内部から相対的に突出させるか、または、図14に示されるように、内筒14bを外筒14aの外部から該外筒14a内に相対的に押し込む。これにより、粘着シート5を各方向に略均一に伸展させることができる。
また、図15Aに示されるように、ガラス基板4が接着された領域を除いた位置において粘着シート5をホルダ16により一定の形状に保持し、図15Bに示されるように、ガラス基板4が接着された領域を伸展用ステージ6に押し当てることにより粘着シート5を伸展させてもよい。
また、グリップリングとして、磁力によって互いに密着状態に維持できるものを用いてもよい。例えば、図16に示されるように、グリップリング10c,10dは、同一の径寸法を有する上リング10cと下リング10dとからなり、上リング10cは磁石からなり、下リング10dはステンレスなどの金属からなる。上リング10cと下リング10dとの間に粘着シート5を伸展させた状態で挟んで両リング10c,10dを互いに磁力で密着させることによっても、粘着シート5を伸展した状態に保持することができる。両方のリング10c,10dが、互いに引力を発生させる磁石からなっていてもよい。
また、上記実施形態においては、採取針11で小片4bを背後から突くことにより該小片4bを粘着シート5から剥離させて回収することとしたが、これに代えて、内部が陰圧に吸引可能な回収容器を使用してもよい。このようにしても、回収容器を採取すべき小片4bに粘着シート5と反対側から近づけることにより、小片4bを粘着シート5から剥離させて回収容器内に回収することができる。
また、粘着シート5として、紫外線が照射されることにより粘着性が失われるものを用いてもよい。
この場合、例えば、光学顕微鏡2に紫外光源(採取部)を搭載する。そして、紫外光源から放射された紫外線を、対物レンズを介して採取すべき小片4bの位置に局所的に照射することにより、小片4bを容易に粘着シート5から剥離させて回収することができる。他にも、光ファイバで紫外光を導き、ファイバ端を採取すべき小片4bの位置に向けて局所的に照射することによっても、同様の効果を得られる。
本発明の一実施形態)
次に、本発明の実施形態に係る細胞分取装置および細胞分取システムについて図17から図22を参照して説明する。
本実施形態に係る細胞分取装置および細胞分取システムは、基板、分割部および採取部の構成において前述した参考実施形態と異なる。したがって、これらの構成について主に説明し、参考実施形態と共通する構成についての説明を省略する。
本実施形態において、基板20は、平面状に2次元配列された複数の小片20aの集合体からなり、図17に示されるように、略直方体の小片20aの側面同士が密着した状態に保持されている。これらの小片20aの少なくとも一方の端面は、生体組織の採取用切片(本実施形態においては、以下、単に切片という。)を貼り付け可能な略平坦な表面を形成するように、同一平面上に配置されている。以下、基板20および小片20aの、切片が貼り付けられる面を組織接着面ともいう。
このような小片20aの配列構造は、例えば、半径方向内方向の押圧力を発生する輪ゴムのような環状の部材21によって1つに束ねられることによって保持されている。すなわち、隣接する小片20aの側面同士が互いに押圧し合い、それによって側面間に発生する摩擦力により小片20aの配列構造は保持されている。この配列構造において各小片20aはその周囲に隣接する複数の小片20aによって支持されているため、1つの小片20aが除かれたとしても残された小片20aの配列構造は安定に保持される。
なお、小片20aは、隣接する側面同士が接着剤によって接着され、または、組織接着面とは反対側の面に接着剤が塗布されることにより配列状態に保持されていてもよい。また、基板20は、微細加工が容易な材料であり、切片との接着性が良好な表面を有し、生物材料の混入がない材料、例えば、ガラス、金属、またはプラスチックからなるものが好ましい。また、小片20aの形状は、配列構造を維持可能な形状であればよく、球状や円柱状、または直方体以外の多角柱状であってもよい。小片20aが正六角柱の場合には、配列構造がさらに安定なものとなる。
また、本実施形態において、小片20aとは、1個の直方体の小片と、該小片を除く小片群との両方を示す。
また、本実施形態に係る細胞分取装置は、参考実施形態における粘着シート5、伸展用ステージ6および治具7に代えて、支持部材22および分割補助部23を備えている。
支持部材22は、1つの小片20aの端面よりも狭い面積で該端面と接触させられる接触面22aを有している。なお、図18には、支持部材22の一例として、略半球形の一端面を有する円柱状の部材が示されているが、支持部材22の接触面22aは、小片20aの端面を安定して押圧可能な形状であればよく、例えば、小片20aの端面と十分に広い面積で接触するように略平坦な形状であってもよい。
分割補助部23は、支持部材22を使用した切片の分割を補助するものである。分割補助部23は、筒状の部材であり、長手方向に沿って形成されて両端面に開口する孔23aを有している。分割補助部23の少なくとも一方の端面は、長手方向に対して略垂直に形成された平坦面である。この一方の端面を小片20aの端面に接触させて配置したときに、孔23aが小片20aの厚さ方向に沿って延びるようになっている。孔23aの横断面形状は、小片20aの端面よりも大きく小片20aが通過可能な形状であればよいが、小片20aの端面よりも若干大きい横断面形状を有していることが好ましい。
このように構成された細胞分取装置および細胞分取システムを使用して生体組織の切片から所望の細胞を含む断片を採取する方法について説明する。本実施形態に係る組織分割方法および細胞分取方法は、図6に示される参考実施形態に係るそれらと、切片を分割する工程(ステップS9)および分割された断片を採取する工程(ステップS10)において異なる。したがって、これら2つの工程についてのみ説明する。
基板20を切片Aが貼付されている組織接着面を下方に向けて標本ステージ2bに設置した後、図19Aに示されるように、採取すべき小片20aの、組織接着面とは反対側の面(以下、反対面ともいう。)に支持部材22を配置する。また、分割補助部23を、孔23aの開口と支持部材22とが基板20を間に挟んで対向するように配置し、分割補助部23の一方の端面を切片Aに接触させる。支持部材22の操作は、参考実施形態の採取針11と同様にマニピュレータ12によって行われる。
次に、図19Bに示されるように、支持部材22を下方に移動させることにより、小片20aの反対面を支持部材22の接触面22aで押圧してこの小片20aを下方に移動させる(分割ステップ、採取ステップ)。小片20a同士は摩擦力によって互い支持し合っているので、周囲の小片20a群の配列状態は保持されたまま、支持部材22によって押圧された小片20aのみが周辺の小片20a群に対して下方に移動して分離する。
分離した小片20aの組織接着面に貼付されている切片Aの一部は、他の部分に対して下方に引っ張られることにより小片20aの組織接着面と略同等の形状の断片A’に切断される。このときに、分割補助部23の一方の端面と孔23aの内周面とが成す角が、切片Aに対して刃のように作用する。これにより、切片Aがより容易に切断されると共に、その断片A’の形状は小片20aの組織接着面とより正確に一致したものとなる。このようにして切片Aの断片A’と共に分離した小片20aは、標本ステージ2bの下方に予め配置された回収チューブ13aに落下して回収される。
以上の手順により、切片Aから所望の細胞が存在する領域の断片A’を小片20aと共に採取することができる。
このように、本実施形態によれば、簡便な構成と操作のみで切片Aから所望の細胞が存在する領域を選択的に採取することができるという利点がある。また、UVレーザ光源のような高価な構成が不要であるので、製造コストを安価に抑えることができるという利点がある。また、LMDと異なり切片Aを力学的に切断しているので、比較的厚い切片Aでも容易に切断可能であると共に、小片20aの寸法を調節するだけで断片A’の大きさを容易に拡大することができる。したがって、従来十分な細胞数を回収するために複数の切片から断片を採取する必要があり多大な労力を要していた作業が、1つまたは少数の小片20aを採取するだけで済むので、作業に要する労力と時間とを大幅に削減することができるという利点がある。
なお、上記実施形態においては、支持部材22により小片20aの反対面を押圧することとしたが、これに代えて、図20に示されるように、小片20aの組織接着面を押圧することとしてもよい。この場合、基板20を、切片Aが貼り付けられている側を上方に向けて標本ステージ2bに設置することにより、支持部材22によって分離した小片20aをそのまま下方の回収チューブ13aに落下させることができる。
支持部材22により小片20aの組織接着面を押圧する場合、支持部材22の接触面22aと切片Aとが直接接触することを防ぐために、これらの間に配置される保護部材24を備えることとしてもよい。
このようにすることで、切片Aに含まれる生体分子等の物質が支持部材22に付着することが防止されるので、同一の支持部材22を連続して使用して複数の小片20aを分離し断片A’を採取したとしても、支持部材22を介した断片A’間のコンタミネーションを防ぐことができる。
この場合、小片20aの組織接着面と略同一の大きさまたはそれより小さい保護部材24を使用し、小片20aを分離した後に小片20aと共に保護部材24も回収することとしてもよい。この場合、保護部材24は、小片20aに付着した断片A’の分析に影響を与えない材料からなるものが好ましい。このようにしても、支持部材22を介した断片A’間のコンタミネーションを防ぐことができる。
なお、切片Aがパラフィン包埋法によって作成されている場合は、支持部材22と切片Aとが接触したときに切片Aに含まれる生体分子等の物質が支持部材22に付着する可能性は十分に低い。したがって、保護部材24を使用せずに同じ支持部材22で連続して小片20aを分離したとしても、採取した断片A’間のコンタミネーションが発生する可能性は十分に低い。一方、凍結包埋法で作成された切片Aのように生体組織の切断面が露出している切片の場合も、採取する断片A’が十分に大きく、微量のコンタミネーションが発生したとしてもその後の断片A’の分析結果に影響が無い場合は保護部材24を使用しなくてもよい。
また、上記実施形態においては、支持部材22に代えて、他の手段によって小片20aの組織接着面または反対面を押圧することとしてもよい。例えば、分割部が、小片20aの端面よりも狭い開口を有する管部材を備え、開口を小片20aの端面に対向配置した状態で管部材の内部に圧縮空気を供給することにより、開口から小片20aの端面に圧縮空気を噴き付けて該端面を押圧することとしてもよい。
また、上記実施形態においては、小片20aの組織接着面を押圧することにより該小片20aを分離することとしたが、これに代えて、小片20aの反対面を引っ張ることとしてもよい。
この場合も小片20aの分離に支持部材22’が使用される。すなわち、図21に示されるように、支持部材22’の接触面22a’に小片20aの反対面を吸着する吸着部材25を設け、該吸着部材25を介して接触面22a’を反対面に接触させることにより、支持部材22’に小片20aが吸着する。そして、支持部材22’を矢印で示される方向に移動させることにより、1つの小片20aを分離することができる。分離した小片20aは、吸着部材25から剥離して回収される。なお、図21には、略平坦な接触面22a’を有する支持部材22’が示されている。
吸着部材25としては、例えば、表面に粘着性を有する部材が用いられる。小片20aが磁性物質を含む場合には、吸着部材25として磁石を使用することとしてもよい。また、上述した管部材を使用し、開口を端面に対向配置して管部材内を吸引することによっても、小片20aの反対面を引っ張って該小片20aを分離することができる。
また、上記実施形態においては、図22に示されるように、2つの支持部材22,22”を使用して小片20aの両端面を支持し、これらの支持部材22,22”を一体的に上方向または下方向に移動させることにより小片20aを分離することとしてもよい。
また、上記実施形態においては、小片20aを分離する方向は鉛直方向に対して上方・下方に限らず、斜め方向に小片20aを移動させて分離することとしてもよい。
次に、上述した参考実施形態の実施例について説明する。
本実施例では、細胞分取装置により生体組織の切片が分割されることを確認するため、以下の実験を行った。
生体組織としてブタの結腸を使用し、生体組織から、厚さが50μm、4辺が約10mmの切片を凍結包埋法により切り出した。切り出した切片を、ダイシングシート(伸展部材)上に角が互いに隣接するように配列して貼付された4枚のカバーガラス上に、該カバーガラスの境界(分割線)をまたぐように貼付した後、切片を風乾した。カバーガラスは、各辺寸法が18mm、厚さが0.13mmから0.17mmのものを使用した。すなわち、本実施例においては、小片としての4つのカバーガラスから1つの基板が構成され、これらの4つのカバーガラスは溝によって互いに区切られている。
次に、ダイシングテープを、略中央部に円状の窓が貫通して形成されている上枠(固定部材)に、切片が窓の略中央部分に配置されるように貼り付けた。次に、カバーガラスが貼付されている側の面を上方に向け、窓内に円柱状のステージ(押圧部材、伸展部、分割部)が配置された状態で、上枠を略水平に保ちながら押し下げることにより、ダイシングテープの窓内に配置されている部分をその平面方向に伸展させた。これにより、4枚のカバーガラスを互いに離間させ、カバーガラス上に貼付されていた切片を、カバーガラスの境界において4つの断片に分割した。このようにして切片を分割する前と後の切片の写真を図23および図24に示す。
図23は、ダイシングテープを伸展する前の状態を示している。写真の略中央に縦方向現れている線Lが、カバーガラスの境界(分割線)である。
図24は、ダイシングテープを伸展させた状態を示しており、切片がカバーガラスの境界に沿ってきれいに分割されていることが分かる。
以上の実験から、本発明の組織分割装置、細胞分取装置および細胞分取システムを用いることにより、比較的厚い切片であっても容易にかつ分割線に沿って十分にきれいに分割できることが確認された。
上述した参考実施形態および実施例から、以下の付記項に記載の本発明の参考例のもう1つの態様が導かれる。
(付記項1)
生体組織の切片を貼り付け可能な表面を有し、複数の小片に分割可能に設けられた基板と、該基板を複数の小片に分割することによって前記表面に貼り付けられた切片を前記小片と略同等の形状の断片に分割する分割部と、該分割部によって分割された前記小片を採取する採取部とを備える細胞分取装置。
付記項1に係る発明によれば、基板と該基板に貼り付けられた生体組織の切片を分割部によっていっしょに分割し、分割された小片を採取部によって採取するだけの簡便な構成と操作で小片と共に切片の断片を採取することができる。また、切片を厚くし、または、小片を平面方向に大きくすることにより、各小片に付着した細胞の量を増やし、1個または数個の小片を採取するだけで遺伝子などの微量な生体試料の検査にも十分な量の細胞を容易に採取することができる。
(付記項2)
前記基板は、前記複数の小片が平面状に配列されてなり、前記分割部が、前記小片同士を相対的に移動させる力を前記基板に加えることで前記基板を分割する付記項1に記載の細胞分取装置。
(付記項3)
前記基板は、前記複数の小片に区画する溝が形成されている付記項2に記載の細胞分取装置。
(付記項4)
前記基板が、分離した前記複数の小片の集合体からなる付記項2に記載の細胞分取装置。
(付記項5)
前記分割部が、前記小片同士を前記表面に沿う方向に相対的に移動させる力を前記基板に加える付記項1から付記項4のいずれかに記載の細胞分取装置。
(付記項6)
前記基板の前記切片が貼り付けられる表面とは反対側の面を接着すると共に前記表面に沿う方向に伸展可能な伸展部材を備え、前記分割部が、少なくとも前記基板に含まれる一部の小片が接着されている領域において前記伸展部材を前記表面に沿う方向に伸展させる伸展部を備える付記項5に記載の細胞分取装置。
付記項6に係る発明によれば、切片が貼り付けられた基板を伸展部材上に接着した状態で、伸展部により伸展部材を伸展させることにより、基板上に貼り付けられた切片を基板と共に分割することができる。
(付記項7)
前記伸展部材が、前記基板の前記反対側の面を剥離可能に接着する付記項6に記載の細胞分取装置。
付記項7に係る発明によれば、基板を分割した後に小片を伸展部材から剥離して容易に回収することができる。
(付記項8)
前記伸展部材が、その表面に粘着性を有する付記項7に記載の細胞分取装置。
付記項8に係る発明によれば、基板を容易に伸展部材上に接着することができる。
(付記項9)
前記基板は、分離した前記複数の小片が、互いに隣接して配列した状態で前記伸展部材に接着されてなる付記項6または付記項7に記載の細胞分取装置。
付記項9に係る発明によれば、伸展部材を伸展させたときに基板を容易にかつ確実に小片に分割することができる。
(付記項10)
前記伸展部材が、光学的に透明または半透明な材料からなる付記項6から付記項9のいずれかに記載の細胞分取装置。
付記項10に係る発明によれば、伸展部材の透過光像を光学顕微鏡で観察したときに伸展部材上の小片の位置を確認することができる。
(付記項11)
前記小片が、0.05mmから0.5mmの厚さ寸法と0.05mmから5.0mmの辺寸法とを有する直方体状である付記項1から付記項10のいずれかに記載の細胞分取装置。
付記項11に係る発明によれば、切片から所望の領域を十分に細かい精度で選択して採取しつつ、各小片に十分な量の細胞を付着させることができる。
(付記項12)
前記伸展部が、前記伸展部材の、前記基板が接着されている領域の周辺部位を所定の形状に固定する固定部材と、該固定部材により固定された前記伸展部材の前記領域を、前記基板が接着されている面と反対の面の側から押圧する押圧部材とを備える付記項6から付記項11のいずれかに記載の細胞分取装置。
付記項12に係る発明によれば、伸展部材を簡便な構成と操作のみで伸展させることができる。
(付記項13)
前記採取部が、前記伸展部材の前記小片が接着されている位置を、該小片が接着されている面とは反対側の面から突く針部材を備える付記項6から付記項12のいずれかに記載の細胞分取装置。
付記項13に係る発明によれば、複数の小片の中から特定の小片だけを容易に伸展部材から剥離させて採取することができる。
(付記項14)
前記伸展部材の前記領域を伸展した状態に保持する保持部材を備える付記項6から付記項13のいずれかに記載の細胞分取装置。
付記項14に係る発明によれば、伸展部材を伸展させて各小片同士の間に間隔が空いた状態に保持し、採取部による小片の採取をより容易にすることができる。
(付記項15)
前記保持部材が、前記伸展部材の前記基板が接着されている側の面を下向きに保持可能である付記項14に記載の細胞分取装置。
付記項15に係る発明によれば、保持部材により伸展部材を、基板を下に向けて保持した状態で小片を剥離させることにより、小片を自重により落下させて容易に回収することができる。
(付記項16)
前記保持部材により保持された前記伸展部材の、前記基板が接着されている面の側に配置され、内部が陰圧に吸引される回収容器を備える付記項14または付記項15に記載の細胞分取装置。
付記項16に係る発明によれば、回収容器を採取すべき小片に接近させるだけで容易に該小片を回収容器内に回収することができる。
(付記項17)
前記小片が、0.001mmから0.5mmの直径寸法を有する磁性粒子である付記項9に記載の細胞分取装置。
付記項17に係る発明によれば、例えば、回収した小片を溶液中で処理する際に磁力を利用して溶液から分離するなど、処理を効率化することができる。
(付記項18)
前記採取部が、前記小片の寸法と略同一の大きさの空間に、前記磁性粒子を引き寄せる磁力を発生させる磁石を有する付記項17に記載の細胞分取装置。
付記項18に係る発明によれば、磁石を所望の小片に接近させることにより、該小片を磁石に捕捉して容易に伸展部材から採取することができる。
(付記項19)
付記項1から付記項18のいずれかに記載の細胞分取装置と、前記基板上の前記切片を観察する観察装置とを備える細胞分取システム。
付記項19に係る発明によれば、基板上に貼付された切片や分割後に形成された小片などを観察装置によって観察することにより、採取すべき小片の選択や、選択した小片の採取をより容易にかつより正確に行なうことができる。
(付記項20)
所定の分割線によって複数の小片に分割可能な基板の表面上に、前記分割線をまたいで生体組織の切片を貼付する貼付ステップと、前記切片が貼付された前記基板を前記表面に沿う方向に引っ張ることにより、前記基板および前記生体組織の切片を前記分割線で分割する分割ステップと、該分割ステップにおいて分割された前記小片を採取する採取ステップとを備える細胞分取方法。
付記項20に係る発明によれば、貼付ステップにおいて切片を基板に貼付した後、分割ステップにおいて基板を引っ張ることにより基板と共に該基板上に貼付された切片を複数の小片に分割し、分割された複数の小片の中から採取ステップにおいて小片を選択して採取することにより、生体組織の切片から遺伝子検査にも十分な量の細胞を簡便な構成と操作で採取することができる。
1 細胞分取装置
2 光学顕微鏡(観察装置)
2a カメラ用ポート
2b 標本ステージ
3 撮像装置
4 ガラス基板(基板)
4a 溝(分割線)
4b 小片
5 粘着シート(伸展部材)
6 伸展用ステージ(分割部、伸展部、押圧部材)
7 治具
8 採取部
9a 下枠(固定部材)
9b 上枠
9c,9d 窓
10a グリップリング、外リング(保持部材)
10b グリップリング、内リング(保持部材)
10c グリップリング、上リング(保持部材)
10d グリップリング、下リング(保持部材)
11 採取針(針部材)
12 マニピュレータ
12a アーム
13 チューブラック
13a 回収チューブ
14a 外筒
14b 内筒
15 固定部材
16 ホルダ
20 基板
20a 小片
21 環状の部材
22 支持部材
22a 接触面
23 分割補助部
23a 孔
24 保護部材
25 吸着部材
100 細胞分取システム

Claims (12)

  1. 生体組織の切片を貼り付け可能な表面を有し、複数の小片に分割可能に設けられた基板と、
    該基板を複数の小片に分割することによって前記表面に貼り付けられた切片を前記小片と略同等の形状の断片に分割する分割部とを備え、
    該分割部が、
    前記複数の小片のうち、前記切片内の採取すべき領域が貼り付けられている一部の小片の、前記切片が貼り付けられている面および該面とは反対側の面のうち少なくとも一方の面を支持し、前記表面に交差する方向に移動させられることで前記一部の小片を他の小片に対して前記交差する方向に移動させる支持部材と、
    前記一部の小片に貼り付けられた前記切片の分割を補助する分割補助部とを備え、
    該分割補助部が、前記支持部材との間に前記基板を挟み該基板に端面を向けて配置され、前記支持部材によって移動された前記一部の小片が挿入可能な孔を前記端面に有する略筒状の部材を備え、前記端面と前記孔の内面とが成す角が前記切片の分割を補助する組織分割装置。
  2. 前記基板が、予め分割された前記複数の小片の集合体からなる請求項1に記載の組織分割装置。
  3. 前記基板は、前記複数の小片に区画する溝が形成されている請求項1に記載の組織分割装置。
  4. 前記分割部が、前記支持部材によって前記小片の前記一方の面を前記交差する方向に押圧する請求項1から請求項3のいずれかに記載の組織分割装置。
  5. 前記支持部材が、前記切片を間に挟んで前記切片が貼り付けられている面を支持し、
    前記支持部材と前記切片との間に配置され該切片の表面を覆って保護する保護部材を備える請求項4に記載の組織分割装置。
  6. 前記支持部材と前記一部の小片の前記反対側の面との間に配置されると共に該反対側の面を吸着する吸着部材を備え、
    前記分割部が、前記支持部材によって、前記一部の小片の前記反対側の面を前記交差す
    る方向に引っ張る請求項1から請求項3のいずれかに記載の組織分割装置。
  7. 前記分割部が、前記基板を間に挟んで対向配置され前記小片の前記切片が貼り付けられている面および前記反対側の面の両方を支持すると共に前記交差する方向に一体に移動させられる2つの前記支持部材を備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の組織分割装置。
  8. 生体組織の切片を貼り付け可能な表面を有し、複数の小片に分割可能に設けられた基板と、
    該基板を複数の小片に分割することによって前記表面に貼り付けられた切片を前記小片と略同等の形状の断片に分割する分割部と、
    該分割部によって分割された前記切片の断片を採取する採取部とを備え、
    前記分割部が、
    前記複数の小片のうち、前記切片内の採取すべき領域が貼り付けられている一部の小片の、前記切片が貼り付けられている面および該面とは反対側の面のうち少なくとも一方の面を支持し、前記表面に交差する方向に移動させられることで前記一部の小片を他の小片に対して前記交差する方向に移動させる支持部材と、
    前記一部の小片に貼り付けられた前記切片の分割を補助する分割補助部とを備え、
    該分割補助部が、前記支持部材との間に前記基板を挟み該基板に端面を向けて配置され、前記支持部材によって移動された前記一部の小片が挿入可能な孔を前記端面に有する略筒状の部材を備え、前記端面と前記孔の内面とが成す角が前記切片の分割を補助する細胞分取装置。
  9. 請求項8に記載の細胞分取装置と、
    前記基板上の切片を観察する観察装置とを備える細胞分取システム。
  10. 請求項8に記載の細胞分取装置と、
    前記基板上の切片を観察する観察装置と、
    該観察装置によって観察された切片を表示する表示部とを備える組織表示システム。
  11. 生体組織の切片を貼り付け可能な表面を有すると共に複数の小片に分割可能に設けられた基板の前記表面に複数の前記小片にまたがって切片を貼り付ける貼付ステップと、
    前記基板を複数の小片に分割することによって前記基板の表面に貼り付けられている切片を分割する分割ステップとを含み、
    該分割ステップにおいて、
    前記複数の小片のうち、前記切片内の採取すべき領域が貼り付けられている一部の小片の、前記切片が貼り付けられている面および該面とは反対側の面のうち少なくとも一方の面を支持部材によって支持するとともに、前記支持部材によって支持された前記一部の小片が挿入可能な孔を端面に有する略筒状の部材を、前記基板を間に挟んで前記孔が前記支持部材と対向するように前記基板に前記端面を向けて配置し、
    前記略筒状の部材の前記端面と前記孔の内面とが成す角によって前記一部の小片に貼り付けられた切片の分割が補助されるように、前記支持部材を前記略筒状の部材側に向かって前記表面に交差する方向に移動させて前記一部の小片を前記孔内へ移動させる組織分割方法。
  12. 生体組織の切片を貼り付け可能な表面を有すると共に複数の小片に分割可能に設けられた基板に前記切片を貼り付ける貼付ステップと、
    前記切片が貼り付けられた前記基板を複数の小片に分割することによって前記切片を前記小片と略同等の形状の断片に分割する分割ステップと、
    前記分割された前記切片の断片を採取する採取ステップとを含み、
    前記分割ステップにおいて、
    前記複数の小片のうち、前記切片内の採取すべき領域が貼り付けられている一部の小片の、前記切片が貼り付けられている面および該面とは反対側の面のうち少なくとも一方の面を支持部材によって支持するとともに、前記支持部材によって支持された前記一部の小片が挿入可能な孔を端面に有する略筒状の部材を、前記基板を間に挟んで前記孔が前記支持部材と対向するように前記基板に前記端面を向けて配置し、
    前記略筒状の部材の前記端面と前記孔の内面とが成す角によって前記一部の小片に貼り付けられた切片の分割が補助されるように、前記支持部材を前記略筒状の部材側に向かって前記表面に交差する方向に移動させて前記一部の小片を前記孔内へ移動させる細胞分取方法。
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