JP6210870B2 - ベーンポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、ベーンポンプに関する。
ベーンポンプは、回転するロータと、ロータを囲むように配置されるカムリングと、ロータの放射方向に複数設けたベーン溝に摺動可能に保持される複数のベーン(羽根)と、ロータの周囲にて隣接する2枚のベーンにより区画される複数のポンプ室とを有する。このポンプ室の容積は、ロータの回転に伴って拡大と縮小とを繰り返す。そして、ポンプ室の拡大過程に一致する位置において、サイドプレートなどに複数の吸入ポートが設けられており、収縮過程に一致する位置において、サイドプレートなどに複数の吐出ポートが設けられている。そして、ベーンポンプは、例えば作動油を供給する対象となる対象機器に供給する(例えば特許文献1参照)。
特開2007−162554号公報
ところで、サイドプレートが有する供給部において、ロータの回転軸側の端部の位置を回転軸に近づけ供給部の開口を広げると、作動油を吸入する吸入面積が大きくなる。このことにより、作動油の吸入量が増え、吸入効率が向上する。しかしながら、供給部を回転軸側に近づけるほど、サイドプレートなどによってベーンが支持される面積が減少する。このことにともない、ベーンの姿勢が不安定となり、例えばベーンが傾きベーンの角がサイドプレートなどに接触することで、ベーンやサイドプレートの焼き付き、あるいは騒音が発生し得る。
本発明は、ベーンの姿勢が不安定となることを抑制しつつ、サイドプレートが有する供給部における吸入効率を向上させることを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、回転軸に結合されて回転するロータと、前記ロータの外周部で放射方向に複数設けられたベーン溝に、摺動可能に保持される複数のベーンと、前記ロータおよび前記複数のベーンを囲むように配置されるカムリングと、前記カムリングを覆うとともに、外周が前記回転軸の径方向内側に凹み当該カムリングとの間において当該カムリング内に作動流体を供給する供給部を有するサイドプレートとを備え、前記供給部の外周と前記カムリングの内周とが互いに沿う形状であることを特徴とするベーンポンプである。
ここで、前記カムリングを挟んで前記サイドプレートとは反対側に配置され当該カムリングを覆うとともに、外周が前記回転軸の径方向内側に凹み当該カムリングとの間において当該カムリング内に作動流体を供給する他の供給部を有する他のサイドプレートを備え、前記他の供給部の外周と前記カムリングの内周とが互いに沿う形状であることを特徴とすることができる。
また、前記サイドプレートは、前記供給部よりも前記回転軸の径方向内側において、前記複数のベーンを前記ロータから突出させる向きに当該複数のベーンを押圧する作動流体を前記カムリング内に供給する貫通孔を有し、前記貫通孔における前記回転軸の径方向外側の形状が、前記カムリングの内周に沿う形状を有することを特徴とすることができる。
本発明によれば、ベーンの姿勢が不安定となることを抑制しつつ、サイドプレートが有する供給部における吸入効率を向上させることが可能になる。
本実施形態が適用されるベーンポンプの全体図である。 図1に示すII−II線の断面図である。 図1に示すIII−III線の断面図である。 ポンプユニットの内部を説明するための図である。 本実施形態のインナサイドプレートの全体図である。 本実施形態のアウタサイドプレートの全体図である。 本実施形態のカムリングを詳細に説明するための図である。 本実施形態の吸込ポート周辺のベーンの動作を説明するための図である。 本実施形態の吸込ポート周辺のベーンの動作を説明するための図である。 本実施形態のベーンの傾きを説明するための図である。 他の実施形態のインナサイドプレートの全体図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態が適用されるベーンポンプ1の全体図である。図2は、図1に示すII−II線の断面図である。図3は、図1に示すIII−III線の断面図である。図4は、ポンプユニット20の内部を説明するための図である。
(ベーンポンプ1の構成・機能の説明)
ベーンポンプ1は、例えば車両の内燃機関の動力により駆動され、作動流体の一例としての作動油を、例えば油圧式パワーステアリングや油圧式無段変速機などの流体機器に供給するためのオイルポンプとして用いられる。
図1に示すベーンポンプ1は、固定容量式のものである。本実施形態のベーンポンプ1は、ハウジング11と、ハウジング11の開口を覆うカバープレート12と、ハウジング11およびカバープレート12の内側に収容されるポンプユニット20とを備えている。
ハウジング11は、図2に示すように、ポンプユニット20を収容する凹部形状の収容部11Aを有している。また、ハウジング11は、装置の外部から作動油を吸い込む吸込口43と、吸込口43から吸い込んだ作動油のハウジング11内における通路を形成する吸込通路42とを備える。また、吸込通路42は、カムリング30の後述する一端側吸込ポート60および他端側吸込ポート80に対向して設けられる(後述の図3参照)。
さらに、ハウジング11は、図3に示すように、ハウジング11の収容部11Aの最奥部に、後述するインナサイドプレート31によって区画される高圧力室54を形成する。
カバープレート12は、図2に示すように、ハウジング11の収容部11Aの開口を覆う。カバープレート12とハウジング11とは、複数のボルト14により締結されることで固定される。また、カバープレート12とハウジング11との間にはシールプレート13が挟み込まれる。このシールプレート13は、ハウジング11およびカバープレート12に形成された複数の通路用溝や凹部などを覆って封止する。
カバープレート12およびポンプユニット20は、位置決めピン33A,33Bがそれぞれ貫通して取り付けられ、周方向において各部材の相対的な位置決めがなされている。
ポンプユニット20は、回転軸21と、回転軸21に固定されるロータ22と、ロータ22に摺動自在に設けられる複数のベーン24(図3および図4参照)と、ロータ22およびベーン24を囲むカムリング30と、回転軸21の軸方向の両側にてロータ22、ベーン24およびカムリング30を挟み込む一対のインナサイドプレート31およびアウタサイドプレート32とを備えている。
回転軸21は、ハウジング11に設けられる第1軸受15とカバープレート12に設けられる第2軸受16とによって回転可能に支持される。回転軸21には、不図示のセレーションが形成され、回転軸21はこのセレーションを介してロータ22と固定的に結合される。そして、回転軸21が、例えば内燃機関などのベーンポンプ1の外部の駆動源により駆動を受けることによってロータ22が回転する。
なお、本実施形態では、図4に示すように、回転軸21(ロータ22)は、図4中D方向に回転するように構成されている。
ロータ22は、図4に示すように、概形が円形状をした部材であって、本実施形態では外周面に複数の凹凸が設けられる。また、ロータ22には、周方向における複数の位置にベーン溝23が形成される。ここで、ロータ22の外周面は、周方向のベーン溝23が形成される部分において径方向の外側に向けて突出し、周方向の隣り合う2つのベーン溝23の間において径方向の内側に向けて窪んだ形状である。
ベーン溝23は、ロータ22の外周部において周方向に沿って複数設けられる。各ベーン溝23は、放射方向(径方向)に沿って設けられる。また、ベーン溝23は、ロータ22の外周面および両側面に開口する溝である。そして、ベーン溝23は、各ベーン24を収容し、収容したベーン24を径方向に摺動自在に保持する。また、ベーン溝23は、底部(ロータ22の中心側)に周方向の幅が広い底部空間23Aを有している。
ベーン24は、板状の部材であって上述のようにロータ22のベーン溝23にそれぞれ取り付けられる。
また、ベーン24は、ベーン溝23の底部空間23Aに導入された高圧吐出油の圧力により、ベーン24の先端をカムリング30の内周面30C(後述)に押し当てて当接される。なお、この高圧吐出油の圧力によりベーン24を内周面30Cに当接させる機構については後に詳しく説明する。
そして、ロータ22の回転にともない、ベーン24はベーン溝23内で径方向に摺動し、ベーン溝23外に押し出される向き、あるいはベーン溝23内に押し込まれる向きで移動することを繰り返す。このとき、ロータ22の1回転において、ベーン24が吐出領域(後述)から吸込領域(後述)に向かう間の回転角度にあるとき、ベーン24はベーン溝23内に最も深く押し込まれる。また、ベーン24が吸込領域から吐出領域に向かう間の回転角度にあるとき、ベーン24はベーン溝23外に最も大きく押し出される。
カムリング30は、図4に示すように、筒形状であり、楕円に近似するカム曲線によりカム面を形成する内周面30Cと、円形の外周面30Sとを有する。このカムリング30は、外周面30Sがハウジング11に形成される吸込通路42に対峙する位置に設けられる。
またカムリング30は、筒状の内部、すなわち内周面30Cに囲まれる領域にロータ22およびベーン24を収容する。そして、内周面30Cとロータ22との間には油室Yが形成される。ここで、カムリング30の内周面30Cは上述のように楕円に近似する面である一方で、ロータ22は概形が円形状をしている。そのため、油室Yは、内周面30Cとロータ22の外周面との径方向の間隔が広い領域および狭い領域を有する。
ここで、上述のようにカムリング30、ロータ22およびベーン24は、軸方向の両端側にてインナサイドプレート31およびアウタサイドプレート32によって挟み込まれる。このことにより、インナサイドプレート31、アウタサイドプレート32、カムリング30の内周面30C、ロータ22の外周面、および隣り合う2枚のベーン24によってそれぞれのポンプ室40が形成される。
なお、カムリング30の構成・機能については後に詳しく説明する。
(インナサイドプレート31について)
図5は、本実施形態のインナサイドプレート31の全体図である。なお、図5は、図2に示す矢印Vからみたインナサイドプレート31を示す。
サイドプレートの一例であるインナサイドプレート31は、図5に示すように、概形が円板形状を有した部材であって、中心部に回転軸21(図4参照)が貫通される軸孔31Aを備えている。そして、インナサイドプレート31は、外周部に吸込ポート41と高圧油供給ポート55とを備える。さらに、インナサイドプレート31は、吸込ポート41および高圧油供給ポート55よりも径方向内側であって軸孔31Aの周囲に高圧油導入ポート56Aおよび溝56Bを有している。
そして、インナサイドプレート31は、ハウジング11の収容部11A内に設けられるとともに、カムリング30の軸方向における一方の側部と対向するように取り付けられる(図2および図3参照)。
供給部の一例である吸込ポート41は、インナサイドプレート31の外周部において軸方向に凹んだ凹部として形成される。そして、吸込ポート41は、本実施形態では直径方向に対向する2位置に配置される一対の第1吸込ポート41Aと第2吸込ポート41Bとを備えて構成される。そして、第1吸込ポート41Aおよび第2吸込ポート41Bには、ハウジング11に設けた吸込通路42(図4参照)を介して、吸込口43(図4参照)が連通せしめられる。そして、第1吸込ポート41Aおよび第2吸込ポート41Bは、ロータ22が回転した際にポンプ室40(図4参照)へ供給される作動油の経路を形成する。
ここで、第1吸込ポート41Aおよび第2吸込ポート41Bは、インナサイドプレート31の外周面が径方向内側に凹んだ部分として捉えることができる。
そして、第1吸込ポート41Aの径方向内側の端部である内側端部41Cは、円弧状に形成される。具体的には、内側端部41Cは、インナサイドプレート31の外周円の中心位置C1(ロータ22の回転中心に相当)から第1吸込ポート41A側にずれた位置である中心位置C2を中心とし、インナサイドプレート31の外周円よりも小さい半径である円弧を含む形状である。
また、第2吸込ポート41Bの回転軸21の径方向内側に位置する端部である内側端部41Dは、円弧状に形成される。具体的には、内側端部41Dは、インナサイドプレート31の中心位置C1から第2吸込ポート41B側にずれた位置である中心位置C3を中心とし、インナサイドプレート31の外周円よりも小さい半径である円弧を含む形状である。
なお、内側端部41Cおよび内側端部41Dの形状は、楕円形状の一部として捉えることができる。
さらに説明をすると、インナサイドプレート31がカムリング30に取り付けられた状態において、供給部の外周の一例である第1吸込ポート41Aの内側端部41Cおよび第2吸込ポート41Bの内側端部41Dは、それぞれカムリング30の内周面30Cに沿う部分を含む形状である。すなわち、第1吸込ポート41Aの内側端部41Cおよび第2吸込ポート41Bの内側端部41Dは、それぞれカムリング30の内周面30Cのオフセット類似形状である。この第1吸込ポート41Aの内側端部41Cあるいは第2吸込ポート41Bの内側端部41Dと、カムリング30の内周面30Cとの関係については、後に詳しく説明する。
高圧油供給ポート55は、アウタサイドプレート32に設けた吐出ポート51(後述)を高圧力室54に連通する。そして、高圧油供給ポート55は、ロータ22が回転した際にアウタサイドプレート32の吐出ポート51から吐出される作動油を高圧力室54へと供給する通路を構成する。
高圧油導入ポート56Aは、インナサイドプレート31に貫通形成され、かつ中心位置C1を中心とした円弧状の溝である。本実施形態では、高圧油導入ポート56Aは、インナサイドプレート31の同一直径上で軸孔31Aまわりにて相対する2位置に設けられている。そして、高圧油導入ポート56Aは、高圧力室54の高圧吐出油をベーン溝23(図4参照)の底部空間23A(図4参照)に導く。なお、高圧油導入ポート56Aは、ロータ22がいかなる回転位置にあっても、ベーン溝23の底部空間23Aに連通するように設定される。
溝56Bは、インナサイドプレート31に形成される円弧状の溝である。本実施形態では、インナサイドプレート31に形成される2本の高圧油導入ポート56Aに挟まれる2位置に設けられる。そして、溝56Bは、ロータ22の周方向で一部のベーン溝23(図4参照)の底部空間23A(図4参照)に連通する。なお、溝56Bは、ロータ22がいかなる回転位置にあっても、ベーン溝23の底部空間23Aに連通するように設定される。
(アウタサイドプレート32について)
図6は、本実施形態のアウタサイドプレート32の全体図である。なお、図6は、図2に示す矢印VIからみたアウタサイドプレート32を示す。
他のサイドプレートの一例であるアウタサイドプレート32は、図6に示すように、概形が円板形状をした部材であって、中心部に回転軸21(図4参照)が貫通される軸孔32Aを備えている。そして、アウタサイドプレート32は、外周部に吸込ポート44と吐出ポート51とを備える。また、アウタサイドプレート32は、軸孔32Aの周囲に背圧溝57を有する。さらに、アウタサイドプレート32は、吐出ポート51に連通する溝部Tを備えている。
そして、アウタサイドプレート32は、ハウジング11の収容部11A内に設けられるとともに、カムリング30の軸方向におけるインナサイドプレート31とは逆側の側部と対向するように取り付けられる(図2および図3参照)。
他の供給部の一例である吸込ポート44は、アウタサイドプレート32の外周部において径方向内側に凹んだ開口部として形成される。そして、吸込ポート44は、本実施形態では直径方向に対向する2位置に配置される一対の第1吸込ポート44Aと第2吸込ポート44Bとを備えて構成される。そして、第1吸込ポート44Aおよび第2吸込ポート44Bには、ハウジング11に設けた吸込通路42(図4参照)を介して、吸込口43(図4参照)が連通せしめられる。そして、第1吸込ポート44Aおよび第2吸込ポート44Bは、ロータ22が回転した際にポンプ室40(図4参照)への作動油の経路を形成する。
ここで、第1吸込ポート44Aの回転軸21の径方向内側の端部である内側端部44Cは、円弧状に形成される。具体的には、内側端部44Cは、アウタサイドプレート32の外周円の中心位置C4(ロータ22の回転中心に相当)から第1吸込ポート44A側にずれた位置である中心位置C5を中心とし、アウタサイドプレート32の外周円よりも小さい半径である円弧を含む形状である。
また、第2吸込ポート44Bの回転軸21の径方向内側の端部である内側端部44Dは、円弧状に形成される。具体的には、内側端部44Dは、アウタサイドプレート32の中心位置C4から第2吸込ポート44B側にずれた位置である中心位置C6を中心とし、アウタサイドプレート32の外周円よりも小さい半径である円弧を含む形状である。
さらに説明をすると、アウタサイドプレート32がカムリング30に取り付けられた状態において、他の供給部の外周の一例である第1吸込ポート44Aの内側端部44Cおよび第2吸込ポート44Bの内側端部44Dは、それぞれカムリング30の内周面30Cに沿う部分を含む形状である。すなわち、第1吸込ポート44Aの内側端部44Cおよび第2吸込ポート44Bの内側端部44Dは、それぞれカムリング30の内周面30Cのオフセット類似形状である。この第1吸込ポート44Aの内側端部44Cあるいは第2吸込ポート44Bの内側端部44Dと、カムリング30の内周面30Cとの関係については、後に詳しく説明する。
吐出ポート51は、アウタサイドプレート32を貫通して形成される開口によって構成される。本実施形態では、吐出ポート51は、第1吐出ポート51Aと第2吐出ポート51Bとを備えて構成される。これら、第1吐出ポート51Aと第2吐出ポート51Bとは、カバープレート12に設けた吐出通路52(図4参照)を介して、ベーンポンプ1の吐出口53(図4参照)が連通せしめられている。そして、ロータ22が回転した際に、ポンプ室40(図4参照)からの作動油の吐出経路を形成する。
背圧溝57は、図6に示すように、環形状を有する溝である。背圧溝57は、ロータ22がいかなる回転位置にあっても、ベーン溝23の底部空間23Aに連通するように設けられている。そして、背圧溝57は、ロータ22の全部のベーン溝23の底部空間23A(図4参照)に連通する。さらに、背圧溝57は、インナサイドプレート31(図3参照)の高圧油導入ポート56Aを介して高圧力室54にも連通する。
溝部Tは、図6に示すように、アウタサイドプレート32に形成された吐出ポート51に連通する溝である。そして、溝部Tは、ロータ22の回転方向において、各吐出ポート51(第1吐出ポート51A,第2吐出ポート51B)よりも手前側(上流側)に位置する。
本実施形態が適用されるベーンポンプ1では、アウタサイドプレート32に溝部Tを設けることにより、吐出ポート51に対してポンプ室40(図4参照)が移動するときに、吐出ポート51への到達に先んじて溝部Tに達するようにしている。そして、溝部Tを備えていない場合と比較して、ポンプ室40と吐出ポート51との連通開始点がより早くなるように構成している。これにより、本実施形態のベーンポンプ1は、ポンプ室40と吐出ポート51との連通時間が、溝部Tを備えない構成よりも長くなるようにしている。その結果、本実施形態のベーンポンプ1では、ポンプ室40内のサージ圧が緩和され異音の発生が低減される。
(カムリング30について)
図7は、本実施形態のカムリング30を詳細に説明するための図である。
なお、図7(a)はカムリング30の側面図であり、図7(b)は図7(a)に示すカムリング30のVIIb−VIIb線の断面図であり、図7(c)は図7(a)に示すカムリング30のVIIc−VIIc線の断面図である。
図7(a)に示すカムリング30は、上述のように楕円に近似するカム曲線によりカム面を形成する内周面30Cと、円形の外周面30Sとを有する筒形状をしている。また、カムリング30は、ロータ22の軸方向における一方の側部にて環形状を有する一端側部30Aと、他方の側部にて環形状を有する他端側部30B(図7(b)参照)とを有する。さらに、カムリング30は、位置決めピン33Aおよび位置決めピン33B(図4参照)をそれぞれ通すピン孔30Hを備えている。
(一端側部30Aについて)
図7(a)に示すように、一端側部30Aには、外周面30Sから内周面30C内のポンプ室40(図4参照)への作動油の吸い込み経路を構成する一端側吸込ポート60と、ポンプ室40からの作動油の吐き出し経路を構成する一端側吐出ポート70とが形成される。
一端側吸込ポート60は、本実施形態では、第1吸込ポート61と第2吸込ポート62とを備えて構成される。また、一端側吐出ポート70は、本実施形態では、一対の第1吐出ポート71と第2吐出ポート72とを備えて構成される。
そして、第1吸込ポート61と第1吐出ポート71とが組みとなり、第2吸込ポート62と第2吐出ポート72とが組みとなって、それぞれポンプ室40への作動油の吸い込みおよびポンプ室40からの作動油の吐き出しの一連の作用を実現する。
なお、以下の説明において、第1吸込ポート61および第2吸込ポート62を区別しない場合には「一端側吸込ポート60」と総称する。また、第1吐出ポート71および第2吐出ポート72を区別しない場合には「一端側吐出ポート70」と総称する。
(他端側部30Bについて)
図7(b)および図7(c)に示すように、他端側部30Bには、ポンプ室40(図4参照)への作動油の吸い込み経路を構成する他端側吸込ポート80と、ポンプ室40からの作動油の吐き出し経路を構成する他端側吐出ポート90とが形成される。
他端側吸込ポート80は、本実施形態では、第1吸込ポート81と第2吸込ポート82とを備えて構成される。また、他端側吐出ポート90は、本実施形態では、一対の第1吐出ポート91と第2吐出ポート92とを備えて構成される。
そして、第1吸込ポート81と第1吐出ポート91とが組みとなり、第2吸込ポート82と第2吐出ポート92とが組みとなって、それぞれポンプ室40への作動油の吸い込みおよびポンプ室40からの作動油の吐き出しの一連の作用を実現する。
なお、以下の説明において、第1吸込ポート81および第2吸込ポート82を区別しない場合には「他端側吸込ポート80」と総称する。また、第1吐出ポート91および第2吐出ポート92を区別しない場合には「他端側吐出ポート90」と総称する。
そして、他端側吸込ポート80は、一端側部30Aに形成される一端側吸込ポート60と表裏の位置にて他端側部30Bに配置される。具体的には、図7(c)に示すように、第1吸込ポート81と第1吸込ポート61とが表裏に配置される。また、図7(b)に示すように、第2吸込ポート82と第2吸込ポート62とが表裏に配置される。
付言すると、カムリング30が、インナサイドプレート31およびアウタサイドプレート32によって挟み込まれた状態においては、第1吸込ポート81と第1吸込ポート44Aとが対峙し、第1吸込ポート61と第2吸込ポート41Bとが対峙する。したがって、第1吸込ポート44A、第1吸込ポート81、第1吸込ポート61、および第2吸込ポート41Bが周方向において重複した位置関係となる。
同様に、第2吸込ポート82と第2吸込ポート44Bとが対峙し、第2吸込ポート62と第1吸込ポート41Aとが対峙する。したがって、第2吸込ポート44B、第2吸込ポート82、第2吸込ポート62、および第1吸込ポート41Aが周方向において重複した位置関係となる。
さて、他端側吐出ポート90は、一端側部30Aに形成される一端側吐出ポート70と表裏の位置にて他端側部30Bに配置される。具体的には、図7(c)に示すように、第1吐出ポート91と第1吐出ポート71とが表裏に配置される。また、図7(b)に示すように、第2吐出ポート92と第2吐出ポート72とが表裏に配置される。
なお、一端側吸込ポート60および他端側吸込ポート80、一端側吐出ポート70および他端側吐出ポート90は、それぞれ形成される面が他端側部30Bと一端側部30Aとで異なるものの、同様の形状を有している。従って、以下の説明では、一端側吸込ポート60および一端側吐出ポート70を代表例として説明し、他端側吸込ポート80および他端側吐出ポート90の説明は省略することがある。
(一端側吸込ポート60の構成・機能)
一端側吸込ポート60(第1吸込ポート61および第2吸込ポート62)は、内周面30Cから外周面30Sまで径方向に開放して設けられる溝として形成される。そして、一端側吸込ポート60は、底面部601と傾斜部602とを備えて構成される。
底面部601は、一端側部30Aにおける他の面(以下、主面と呼ぶ)と比較して厚み方向に窪んだ平面である。底面部601の周方向の幅は、内周面30Cから外周面30Sにかけて広がるように形成される。
傾斜部602は、一端側部30Aにおける主面から底面部601に向けて傾斜した面であり、内周面30Cから外周面30Sに向けて延びて設けられる。また、傾斜部602は、周方向において対向するように2つ配置される。そして、対向する傾斜部602同士の間隔は、内周面30Cから外周面30Sにかけて広がるように形成される。
さらに、第1吸込ポート61および第2吸込ポート62は、カムリング30の中心位置C7(ロータ22の回転中心に相当)を通る直径方向において互いに対向した位置に設けられる。すなわち、第1吸込ポート61および第2吸込ポート62は、カムリング30の中心位置C7を通る直線上に一対に配置される。
本実施形態では、第1吸込ポート61および第2吸込ポート62を直径方向に一対に配置することで、例えばロータ22の回転軸21にかかる偏心荷重を低減させることが可能になる。
そして、図7(a)に示すように、第1吸込ポート61および第2吸込ポート62におけるロータ22(図4参照)の回転方向(図中D方向)の上流側の端部には、それぞれ吸込開始位置60sが形成される。また、第1吸込ポート61および第2吸込ポート62におけるロータ22の回転方向の下流側の端部には、それぞれ吸込終了位置60eが形成される。
第1吸込ポート61および第2吸込ポート62においては、隣り合うベーン24(図4参照)により形成されるポンプ室40(図4参照)が移動し、吸込開始位置60sにポンプ室40を形成するベーン24が到達することでポンプ室40への作動油の吸い込みが開始され、吸込終了位置60eをポンプ室40が通過することで作動油の吸い込みが終了する。
(一端側吐出ポート70の構成・機能)
一端側吐出ポート70は、図7(a)に示すように、内周面30C側のみに開放して設けられる溝として形成される。一端側吐出ポート70は、底面部701と、傾斜部702と、貫通孔703とを備えて構成される。
底面部701は、一端側部30Aの主面と比較して厚み方向に窪んだ平面である。
傾斜部702は、一端側部30Aの主面から底面部701に向けて傾斜した面であり、内周面30Cから外周面30Sに向けて延びて設けられる。また、傾斜部702は、周方向において対向するように2つ配置される。
貫通孔703は、底面部701に形成され、他端側吐出ポート90との間を貫通する。そして、カムリング30の一端側部30Aと他端側部30Bとの間において吐出油を連通可能にする。
そして、図7(a)に示すように、第1吐出ポート71および第2吐出ポート72において、ロータ22(図4参照)の回転方向(図中D方向)の上流側の第1吐出ポート71および第2吐出ポート72のそれぞれの端部に吐出開始位置70sが形成される。また、第1吐出ポート71および第2吐出ポート72においてロータ22の回転方向の下流側の端部に吐出終了位置70eがそれぞれ形成される。
第1吐出ポート71および第2吐出ポート72においては、隣り合うベーン24(図4参照)により形成されるポンプ室40(図4参照)が移動し、吐出開始位置70sにポンプ室40を形成するベーン24が到達することでポンプ室40からの作動油の吐き出しが開始され、吐出終了位置70eをポンプ室40が通過すると作動油の吐き出しが終了する。
そして、以上のように構成される一端側吸込ポート60のうち第2吸込ポート62は、吸込通路42において第2吸込ポート62へと延びる流路部分に沿って設けられる。すなわち、本実施形態では、吸込通路42から第2吸込ポート62へと延びる流路部分と第2吸込ポート62とは、互いに作動油の主流方向が一致するように配置され、両者の角度が合うように配置される。このように、本実施形態では、吸込通路42を流れる作動油が真っ直ぐに第2吸込ポート62へと流れ込むようにしている。これによって、本実施形態では、第2吸込ポート62へと作動油を効率良く流入させている。
(ベーンポンプ1の動作)
以上のように構成されるベーンポンプ1は、図4に示すように、例えば不図示の内燃機関による駆動を受けて回転軸21が回転することで、ロータ22が回転する。このロータ22の回転にともない、複数のベーン24の先端がカムリング30の内周の内周面30Cに押当てられながら回転する状態になる。
ここで、ベーンポンプ1では、吸込口43から供給された作動油が吸込通路42を介しカムリング30の一端側吸込ポート60および他端側吸込ポート80に流れ込んだ状態になっている。そして、ロータ22の回転方向の上流側の吸込領域で、ロータ22の回転とともに拡張されるポンプ室40にインナサイドプレート31の吸込ポート41およびアウタサイドプレート32の吸込ポート44からの作動油が吸い込まれる。なお、吸込領域とは、周方向においてインナサイドプレート31の吸込ポート41およびアウタサイドプレート32の吸込ポート44が設けられている領域をいう。
一方で、ロータ22の回転方向の下流側の吐出領域では、ロータ22の回転に伴って圧縮されるポンプ室40からの作動油が吐出ポート51に対して吐出される。吐出ポート51へと吐出された高圧吐出油は、吐出通路52を通って吐出口53から吐出される。なお、吐出領域とは、周方向においてアウタサイドプレート32の吐出ポート51が設けられている領域をいう。
以上のようにして、本実施形態が適用されるベーンポンプ1では、吸込口43にて吸い込まれた作動油が吐出口53から吐出されるというポンプ作用が発揮される。
続いて、本実施形態のベーンポンプ1におけるベーン24の内周面30Cの当接作用について説明する。
図3に示すように、ロータ22の回転により吐出ポート51から吐出された高圧吐出油は、ロータ22の一部のベーン溝23の底部空間23Aおよび高圧油供給ポート55を通って高圧力室54に供給される。さらに、高圧力室54に満たされた高圧吐出油は、インナサイドプレート31の高圧油導入ポート56Aおよびロータ22の一部のベーン溝23の底部空間23Aを介して、アウタサイドプレート32の環状の背圧溝57に供給される。
なお、インナサイドプレート31の高圧油導入ポート56Aに連通していないベーン溝23の底部空間23Aに導入された高圧吐出油は、インナサイドプレート31の溝56Bに押込み充填される。
そして、環状の背圧溝57に供給された高圧吐出油は、背圧溝57が連通しているロータ22の全部のベーン溝23の底部空間23Aに同時に導入される状態となり、このベーン溝23の底部空間23Aに導入された高圧吐出油の圧力によって、ベーン24の先端がカムリング30の内周の内周面30Cに押し当てられる。
(吸込ポート41周辺のベーン24の動作)
図8は、本実施形態の吸込ポート41周辺のベーン24の動作を説明するための図である。
なお、上述のようにインナサイドプレート31の吸込ポート41における第1吸込ポート41Aおよび第2吸込ポート41Bは、同様の形状をしている。以下の説明では、第2吸込ポート41B周辺のベーン24の動作を代表例として説明し、第1吸込ポート41A周辺のベーン24の動作についての説明は省略する。
図8に示すように、第2吸込ポート41Bの内側端部41Dは、カムリング30の内周面30Cに沿う形状である。したがって、吸込領域における第2吸込ポート41Bの内側端部41Dとカムリング30の内周面30Cとの距離(径方向の長さ)が一定となる。すなわち、内側端部41Dとカムリング30の内周面30Cとの間で、径方向の幅が一定の開口が形成されている状態となる。このことにより、ロータ22の回転にともない回転するベーン24が吸込領域を通過する際に、ベーン24がインナサイドプレート31(内側端部41D)から径方向外側に突出する部分の長さ(長さL1参照)が一定となる時期がある。このことにより、ベーン24が、ロータ22の回転軸21に対して傾斜することが抑制される(詳細は後述)。
ここで、図示の例の第2吸込ポート41Bは、ベーン24がインナサイドプレート31から径方向外側に突出する部分の長さが一定となる領域が形成される形状として捉えることができる。
また、図示の例の第2吸込ポート41Bは、内側端部41Dにおけるロータ22(図4参照)の回転方向(図中D方向)の上流側の部分が、カムリング30の内周面30Cに沿う形状として捉えることができる。
さらに、図示の例の第2吸込ポート41Bは、内側端部41Dにおいて、カムリング30の第1吸込ポート61と対峙する部分が、カムリング30の内周面30Cに沿う形状として捉えることができる。より詳細には、第2吸込ポート41Bの内側端部41Dにおいて、周方向にて第1吸込ポート61の底面部601が形成されている領域と重複する部分が、カムリング30の内周面30Cに沿う形状として捉えることができる。
(吸込ポート44周辺のベーン24の動作)
図9は、本実施形態の吸込ポート44周辺のベーン24の動作を説明するための図である。
なお、上述のようにアウタサイドプレート32の吸込ポート44における第1吸込ポート44Aおよび第2吸込ポート44Bは、同様の形状をしている。以下の説明では、第1吸込ポート44A周辺のベーン24の動作を代表例として説明し、第2吸込ポート44B周辺のベーン24の動作の説明は省略する。
図9に示すように、第1吸込ポート44Aの内側端部44Cは、カムリング30の内周面30Cに沿う形状である。したがって、吸込領域における第1吸込ポート44Aの内側端部44Cとカムリング30の内周面30Cとの距離(径方向の長さ)が一定となる。すなわち、内側端部44Cとカムリング30の内周面30Cとの間で、径方向の幅が一定の開口が形成されている状態となる。このことにより、ロータ22の回転にともない回転するベーン24が吸込領域を通過する際に、ベーン24がアウタサイドプレート32(内側端部44C)から径方向外側に突出する部分の長さ(長さL3参照)が一定となる時期がある。このことにより、ベーン24が、ロータ22の回転軸21に対して傾斜することが抑制される(詳細は後述)。
ここで、図示の例の第1吸込ポート44Aは、ベーン24がアウタサイドプレート32から径方向外側に突出する部分の長さが一定となる領域が形成される形状として捉えることができる。
また、図示の例の第1吸込ポート44Aは、内側端部44Cにおけるロータ22(図4参照)の回転方向(図中D方向)の上流側の部分が、カムリング30の内周面30Cに沿う形状として捉えることができる。
さらに、図示の例の第1吸込ポート44Aは、内側端部44Cにおいて、カムリング30の第1吸込ポート81と対峙する部分が、カムリング30の内周面30Cに沿う形状として捉えることができる。より詳細には、第1吸込ポート44Aの内側端部44Cにおいて、周方向にて第1吸込ポート81の底面部801が形成されている領域と重複する部分が、カムリング30の内周面30Cに沿う形状として捉えることができる。
(ベーン24の傾き)
図10は、本実施形態のベーン24の傾きを説明するための図である。より詳細には、図10は、図3に示す円内の領域を示す。
さて、ベーンポンプ1における作動油の吸入効率を上げようとした場合、第2吸込ポート41Bの内側端部41Dあるいは第1吸込ポート44Aの内側端部44Cをロータ22の回転軸21側により近づけ、作動油を吸入する吸入面積が大きくする構成が考えられる。しかしながら、単にロータ22の回転軸21側に近づけると、ベーンポンプ1の耐久性が劣化することがある。なお、ここでの吸入効率とは、単に時間当たりに吸込ポート41を通過する作動油の量(体積)をいう。
図10を参照しながら具体的に説明をすると、内側端部41Dおよび内側端部44Cをロータ22の回転軸21(図4参照)、すなわち図10中下側へ移動させるほど、作動油を吸入するための吸入面積が大きくなるため、吸入効率は増加する。しかしながら、内側端部41Dおよび内側端部44Cを図中下側へ移動させると、ベーン24がインナサイドプレート31あるいはアウタサイドプレート32から径方向外側(図中上側)に突出する部分の長さ(図8の長さL1および図9の長さL3参照)が長くなる。そして、この突出する部分の長さが長くなるほど、ベーン24がインナサイドプレート31あるいはアウタサイドプレート32によって支持される領域の長さ(図8の長さL2および図9の長さL4参照)が小さくなることから、ベーン24がロータ22の回転軸21に対して傾きやすくなる。
このことにより、例えば内側端部41Dおよび内側端部44Cの径方向の位置が外側に位置する場合(図中破線で示す内側端部410Dおよび内側端部440C参照)よりも、板状部材であるベーン24の角がインナサイドプレート31あるいはアウタサイドプレート32に突き当たりやすくなる。そして、例えばインナサイドプレート31あるいはアウタサイドプレート32が損傷(焼き付き等)することや、異音が生じることがある。あるいは、インナサイドプレート31あるいはアウタサイドプレート32が摩耗しやすくなり、ベーンポンプ1の耐久性が劣化することがある。
そこで、本実施形態においては、ベーン24が、径方向の長さにおいてインナサイドプレート31あるいはアウタサイドプレート32から半分以上が突出しないように内側端部41Dおよび内側端部44Cの位置が定められている。言い換えると、図8における長さL1が長さL2よりも小さい、あるいは、図9における長さL3が長さL4よりも小さい。より好ましくは、ベーン24が、径方向の長さにおいてインナサイドプレート31あるいはアウタサイドプレート32から径方向長さの4割以上が突出しないように内側端部41Dおよび内側端部44Cの位置が定められている。
さて、上述のように本実施形態においては、ロータ22の回転にともないベーン24が吸込領域を通過する際に、ベーン24がインナサイドプレート31あるいはアウタサイドプレート32から径方向外側に突出する長さが一定となる。すなわち、ベーン24と、インナサイドプレート31あるいはアウタサイドプレート32との相対的な位置が一定となる。このことにより、吸込領域を通過し作動油を吸い込むことにともない、姿勢が不安定となりやすいベーン24が、インナサイドプレート31あるいはアウタサイドプレート32との相対的な位置がずれることにともない、インナサイドプレート31あるいはアウタサイドプレート32から外力を受け、傾斜することが抑制される。
(他の実施形態)
図11は、他の実施形態のインナサイドプレート310の全体図である。
なお、以下の説明においては、上述の図5に示すインナサイドプレート31と同一の部分には同一の符号をつけ、その詳細な説明は省略する。
上記の説明においては、高圧油導入ポート56Aは、インナサイドプレート31に貫通形成される中心位置C1を中心とした円弧状の溝として説明した。
一方で、図11に示す高圧油導入ポート(貫通孔)560Aは、回転軸21の径方向外側に位置する端部である径方向外側端部560Bが、第1吸込ポート41Aの内側端部41C(第2吸込ポート41Bの内側端部41D)に沿う形状である。付言すると、高圧油導入ポート560Aの径方向外側端部560Bは、カムリング30の内周面30Cに沿う形状である。このことにより、径方向外側端部560Bと、第1吸込ポート41Aの内側端部41C(第2吸込ポート41Bの内側端部41D)との距離(径方向の長さ、図中矢印参照)が一定となる。
ここで、高圧吐出油が導入される高圧油導入ポート560Aの内部の作動油の圧力は、第1吸込ポート41A内の作動油の圧力よりも高くなる。したがって、径方向外側端部560Bと、第1吸込ポート41Aの内側端部41C(第2吸込ポート41Bの内側端部41D)との距離が小さくなると、高圧油導入ポート560Aから第1吸込ポート41Aに向けて作動油が流れる(漏れる)場合がある。
この実施形態においては、高圧油導入ポート560Aの径方向外側端部560Bを、第1吸込ポート41Aの内側端部41C(第2吸込ポート41Bの内側端部41D)に沿う形状とすることにより、この構成を有しない場合と比較して、高圧油導入ポート560Aから第1吸込ポート41A内への作動油の漏れ(リーク)が抑制される。
付言すると、この実施形態においては、第1吸込ポート41Aの内側端部41C(第2吸込ポート41Bの内側端部41D)との間の領域、すなわち高圧油導入ポート560Aと第1吸込ポート41Aとの間で作動油を封止する領域の幅が一定となる。そして、この領域の幅を定めることで作動油の漏れ量を調整することが可能となるため、この実施形態の構成によればインナサイドプレート310の設計が容易となる。
(変形例)
さて、上記の説明においては、インナサイドプレート31の内側端部41Cおよび内側端部41Dと、アウタサイドプレート32の内側端部44Cおよび内側端部44Dとが、それぞれカムリング30の内周面30Cに沿う形状であることを説明したが、内側端部41C、内側端部41D、内側端部44Cおよび内側端部44Dのうち、いずれか1つがカムリング30の内周面30Cに沿う形状であればよい。
例えば、インナサイドプレート31の内側端部41Cおよび内側端部41Dがカムリング30の内周面30Cに沿う形状であり、アウタサイドプレート32の内側端部44Cおよび内側端部44Dがアウタサイドプレート32の中心位置C4を中心とした円弧に沿う形状であってもよい。
また、アウタサイドプレート32の内側端部44Cおよび内側端部44Dがカムリング30の内周面30Cに沿う形状であり、インナサイドプレート31の内側端部41Cおよび内側端部41Dがインナサイドプレート31の中心位置C1を中心とした円弧に沿う形状であってもよい。
さて、上記の説明においては、アウタサイドプレート32に溝部Tが設けられることを説明したが、インナサイドプレート31に溝部Tが設けられる構成であってもよいし、インナサイドプレート31およびアウタサイドプレート32それぞれに溝部Tが設けられる構成であってもよい。
1…ベーンポンプ、21…回転軸、22…ロータ、24…ベーン、30…カムリング、30C…内周面、31…インナサイドプレート、32…アウタサイドプレート、40…ポンプ室、41…吸込ポート、41C,41D…内側端部、44…吸込ポート、44C,44D…内側端部

Claims (3)

  1. 回転軸に結合されて回転するロータと、
    前記ロータの外周部で放射方向に複数設けられたベーン溝に、摺動可能に保持される複数のベーンと、
    前記ロータおよび前記複数のベーンを囲むように配置されるカムリングと、
    前記カムリングを覆、外周が前記回転軸の径方向内側に凹み当該カムリングとの間において当該カムリング内に作動流体を供給する供給部を有し、かつ当該供給部よりも当該回転軸の径方向内側に設けられ、前記複数のベーンを前記ロータから突出させる向きに押圧する作動流体を前記ベーン溝内に供給する貫通孔を有するサイドプレートとを備え、
    前記供給部の外周は、前記カムリングの内周に沿うとともに、前記ロータの回転方向に沿って進むに従って前記貫通孔からの距離が増加する形状である
    ことを特徴とするベーンポンプ。
  2. 前記カムリングを挟んで前記サイドプレートとは反対側に配置され当該カムリングを覆うとともに、外周が前記回転軸の径方向内側に凹み当該カムリングとの間において当該カムリング内に作動流体を供給する他の供給部を有する他のサイドプレートを備え、
    前記他の供給部の外周と前記カムリングの内周とが互いに沿う形状であることを特徴とする請求項1記載のベーンポンプ。
  3. 回転軸に結合されて回転するロータと、
    前記ロータの外周部で放射方向に複数設けられたベーン溝に、摺動可能に保持される複数のベーンと、
    前記ロータおよび前記複数のベーンを囲むように配置されるカムリングと、
    前記カムリングを覆うとともに、外周が前記回転軸の径方向内側に凹み当該カムリングとの間において当該カムリング内に作動流体を供給する供給部を有するサイドプレートとを備え、
    前記供給部の外周と前記カムリングの内周とが互いに沿う形状であり、
    前記サイドプレートは、前記供給部よりも前記回転軸の径方向内側において、前記複数のベーンを前記ロータから突出させる向きに当該複数のベーンを押圧する作動流体を前記カムリング内に供給する貫通孔を有し、
    前記貫通孔における前記回転軸の径方向外側の形状が、前記カムリングの内周に沿う形状を有する
    ことを特徴とするーンポンプ。
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