JP6210781B2 - 粘着ラベル、粘着ラベル製造装置、及び粘着ラベルの製造方法、粘着力発現ユニット、粘着ラベル発行装置、並びにプリンタ - Google Patents

粘着ラベル、粘着ラベル製造装置、及び粘着ラベルの製造方法、粘着力発現ユニット、粘着ラベル発行装置、並びにプリンタ Download PDF

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Description

本発明は、粘着ラベル、粘着ラベル製造装置、及び粘着ラベルの製造方法と、粘着ラベルに粘着力を発現させる粘着力発現ユニット、粘着ラベル発行装置、及びプリンタに関する。
従来、例えば食品のPOSラベルや物流・搬送ラベル、医療用ラベル、バゲッジタグ、瓶・缶類の表示ラベル等に用いられる粘着ラベル用のラベル用紙として、基材の表面に形成された記録面(印字面)と、基材の裏面に形成された粘着層と、この粘着層を被覆する剥離紙(セパレータ)と、で構成されているものが広く知られている。
この種の粘着ラベルを被着体に貼付して使用する場合には、記録面に例えばバーコードや価格等の所定の情報を印字した後、裏面の剥離紙を粘着層から剥離する必要がある。しかしながら、剥離した剥離紙を回収してリサイクルすることは実際上困難であるため、剥離紙が産業廃棄物となる問題があった。
そこで、近年では環境保全や環境負荷軽減の観点から、剥離紙を使用しない粘着ラベルが用いられるようになっている。
例えば、記録面の表面にシリコン樹脂等の離型剤を塗布し、粘着ラベルがロール状に巻回されても記録面と粘着層との離型性が確保されるものが知られている(第1粘着ラベル)。また、粘着層を加熱することにより粘着性を発現する熱活性粘着剤層を用いたものも知られている(第2粘着ラベル)。
さらに、例えば下記特許文献1に示されるように、粘着層の表面全体に非粘着性の樹脂フィルムを被覆し、この樹脂フィルムに微小な開口を形成(穿孔)することで、開口を通して粘着層を露出させ、粘着性を発現させる構成も知られている(第3粘着ラベル)
上述した各種粘着ラベルのうち、第3粘着ラベルは、樹脂フィルムに開口を形成する箇所を自在に制御することによって必要な領域だけに粘着性を発現させたり、それとは逆に開口を形成する箇所を減らすことで粘着力を低下させたりする等、粘着力を自在に制御し易いという利点がある。
この場合において、複数の発熱素子が一列(ライン状)に配列されたサーマルヘッドを用いて、発熱素子の加熱により粘着層の上面を被覆している非粘着層(以下、熱反応層という)を穿孔させる構成が知られている(例えば、下記特許文献2,3参照)。具体的に、熱反応層は発熱素子の発熱によって溶融し、その溶融領域が発熱素子の中心部から同心円状に周囲に広がることで開口が形成される。
そして、上述のようにサーマルヘッドにより熱反応層を穿孔させる場合には、所望する発熱素子だけを選択的に発熱させることで、開口の形成位置を自在に制御することが可能になるとされている。
ところで、上述した第3粘着ラベルの熱反応層は、熱反応層の開口部から粘着層を露出(突出)させやすくするため、熱反応層の厚みを5μm以下の薄い膜とする必要がある。しかしながら、熱反応層を薄くすることで、熱反応層の熱が粘着層に逃げ易くなり、熱反応層を穿孔させる際に大きな発熱エネルギーを必要としていた。また、熱反応層を溶融温度まで昇温させるためには、粘着層も含めて昇温させなければならず、その結果、粘着層が変質して粘着層の粘着力が低下する等のおそれがあった。なお、粘着層は、被着体への貼り付け特性をよくするため、10〜50μm程度の厚みが必要である。
ここで、例えば特許文献2,3には、熱反応層を効率的に穿孔させるために、熱反応層と粘着層との間に中間層を介在させる構成が開示されている。具体的に、特許文献2に記載された中間層は、非粘着性で、かつ粘着層との密着性が低い材料が用いられている。この構成によれば、熱反応層及び中間層を穿孔させる際に、中間層が粘着層の粘着力に妨げられることなく移動することで、熱反応層及び中間層が熱収縮し易くなるとされている。
また、特許文献3に記載された中間層は、非粘着性の多孔質体であって、断熱機能を有している。この構成によれば、熱反応層を穿孔させる際に、熱反応層に伝わった熱が粘着層に伝わり難くなり、熱反応層を効率的に加熱できるとされている。
特開2006−78733号公報 特開2012−078719号公報 特開2012−063616号公報
しかしながら、上述した特許文献2,3の構成にあっては、熱反応層と粘着層との間に中間層を追加する構成であるため、製造工程が複雑になるとともに、製造コストの増加に繋がるという問題がある。
特に、特許文献2の構成にあっては、熱反応層とともに中間層を穿孔させる必要があるため、粘着層への熱拡散は避けられず、上述した発熱エネルギーの効率的な利用、及び粘着層の変質の観点では依然として問題がある。
また、特許文献3の構成では、熱反応層の穿孔後、粘着ラベルの熱反応層側の表面まで粘着剤を露出させるには、中間層の多孔質体を通して粘着剤を移動させる必要がある。そのため、被着体への貼着時に利用される粘着剤量が少なく、粘着力を確保することが難しい。
本発明は、このような事情に考慮してなされたものであって、製造工数、及び製造コストの増加を抑制した上で、熱反応層に効率的に開口を形成できる粘着ラベル、粘着ラベル製造装置、及び粘着ラベルの製造方法、粘着力発現ユニット、粘着ラベル発行装置、並びにプリンタを提供することを目的としている。
(1)本発明に係る粘着ラベルは、基材と、前記基材の一方の面上に設けられた粘着層と、前記粘着層を被覆するとともに、加熱により溶融させることで開口が形成される熱反応層と、を有し、前記熱反応層の前記開口を通して前記粘着層を露出させることで、粘着力を発現させる粘着ラベルであって、前記熱反応層は、前記粘着層に接着された接着部分と、前記接着部分に画成されるとともに、前記粘着層との間に厚さ方向に沿って隙間が設けられた非接着部分と、を有していることを特徴としている。
この構成によれば、熱反応層のうち、非接着部分と粘着層との間に隙間を設けることで、加熱による熱反応層の穿孔時に、非接着部分に伝わった熱が粘着層へ伝わり難くなる。その結果、熱反応層を効率的に加熱することができ、少ない熱エネルギー(省エネ)で熱反応層に開口を形成することができる。この場合、粘着ラベルの発行速度の向上等を図ることができる。また、粘着層に熱が伝わり難いので、粘着層の変質も抑えることができる。
特に、従来のように熱反応層と粘着層との間に中間層を介在させる必要がないので、粘着ラベルの製造工数及び製造コストの増加を抑制できるとともに、開口から露出した粘着層全てが粘着力に寄与するため、粘着力を確保できる。
(2)本発明に係る粘着ラベルでは、前記熱反応層全体の面積に対する前記非接着部分の面積の割合が、40%以上80%以下に設定されていてもよい。
この構成によれば、熱反応層全体の面積に対する非接着部分の面積の割合を、40%以上に設定することで、非接着部分に開口を形成する際に粘着層の露出面積を確保できるので、被着体との粘着力を確保できる。
また、熱反応層全体の面積に対する非接着部分の面積の割合を、80%以下に設定することで、隙間内を適度な圧力に保持して、非接着部分と粘着層との接触を抑制した上で、熱反応層と粘着層とを貼り合わせることができる。
(3)本発明に係る粘着ラベルでは、前記非接着部分の面積が、0.0025mm2以上1mm2以下に設定されていることが好ましい。
この構成によれば、非接着部分の面積を0.0025mm2以上に設定することで、開口を通して粘着ラベルの裏面まで粘着層が滲み出る際の抵抗(流動性抵抗)を抑制でき、所望の粘着力を確保できる。
一方、非接着部分の面積を1mm2以下に設定することで、所望の大きさの開口を形成できるとともに、応力が集中した際の熱反応層の粘着層への接触を抑制できる。
(4)本発明に係る粘着ラベルでは、前記熱反応層は、厚さが5μm以下に設定されていることが好ましい。
この構成によれば、熱反応層の厚さを5μm以下に設定することで、少ない熱エネルギーで熱反応層に開口を形成することができる。
(5)本発明に係る粘着ラベルでは、前記基材の他方の面上に印字可能層が設けられていてもよい。
この構成によれば、種々の情報を印字可能な粘着ラベルを提供できる。
(6)本発明に係る粘着ラベル製造装置は、粘着ラベルを製造する粘着ラベル製造装置であって、前記基材の一方の面上に前記粘着層が設けられてなる基材シートと、前記熱反応層と、を対向させた状態で、前記粘着層と前記熱反応層とを貼り合わせる貼り合わせ手段を有し、前記貼り合わせ手段は、前記熱反応層のうち、前記非接着部分を回避した状態で前記接着部分を前記粘着層に向けて押圧することを特徴としている。
この構成によれば、非接着部分を回避した状態で、接着部分を粘着層に押圧するだけで、上述した粘着ラベルを製造できるので、従来のように中間層を介在させる手段を別途設けることがなく、製造工数及び製造コストの増加を抑制できる。
(7)本発明に係る粘着ラベル製造装置では、前記貼り合わせ手段は、前記熱反応層のうち、額縁状の第1貼り合わせ領域を前記粘着層に貼り合わせる第1貼り合わせ手段と、前記第1貼り合わせ手段に対して下流側に設けられ、前記第1貼り合わせ領域の内側を複数の第2貼り合わせ領域に区画する第2貼り合わせ手段と、を有していてもよい。
この構成によれば、第1貼り合わせ手段により第1貼り合わせ領域を密閉した後、第2貼り合わせ手段により第1貼り合わせ領域を複数の第2貼り合わせ領域に区画していくことで、第2貼り合わせ手段による押圧時に第1貼り合わせ領域内の気体が外部に逃げ難くなる。そのため、隙間内の圧力を確保して、非接着部分を確実に形成することができるので、所望の粘着ラベルを製造できる。
(8)本発明に係る粘着ラベル製造装置では、前記貼り合わせ手段は、前記基材シート及び前記熱反応層の搬送面内に沿う第1方向に沿って延在する第1押圧部が形成された第1貼り合わせローラと、前記第1貼り合わせローラに対して下流側に設けられ、前記搬送面内のうち、前記第1方向に交差する第2方向に沿って延在する第2押圧部が形成された第2貼り合わせローラと、を備えていてもよい。
この構成によれば、第1貼り合わせローラにより熱反応層と粘着層とを部分的(熱反応層のうち第1押圧部に対応する部分)に接着させておくことで、熱反応層と粘着層との間の面方向に沿う開放部分を小さくすることができる。これにより、第2貼り合わせローラによる押圧時において、基材シートと熱反応層との間に残存する気体が外部に逃げ難くなる。そのため、隙間内の圧力を確保した上で、非接着部分を確実に形成できる。
(9)本発明に係る粘着ラベル製造装置では、前記第1押圧部は、前記搬送面内のうち前記基材シート及び前記熱反応層の幅方向に交差する方向に延在していてもよい。
この構成によれば、第1貼り合わせローラの第1押圧部が基材シート及び熱反応層熱層の幅方向に間隔をあけて形成されているため、第1貼り合わせローラによる押圧時に各接着部分間(非接着部分内)に気体を残存させ易くなる。この場合、第2貼り合わせローラによる押圧時に各接着部分間に残存する気体が非接着部分に押し込まれることで、非接着部分と粘着層との間に確実に隙間を形成することができる。
(10)本発明に係る粘着ラベル製造装置では、前記貼り合わせ手段は、前記熱反応層のうち、前記接着部分に対応して形成された押圧部と、前記非接着部分に対応して形成された凹部と、前記凹部内を負圧に保持して前記熱反応層を吸引する吸引手段と、を備えていてもよい。
この構成によれば、熱反応層のうち、押圧部に対応する部分は粘着層に向けて押圧されるものの、凹部に対応する部分は粘着層から離間する方向に吸引されることになる。これにより、貼り合わせ工程において、非接着部分と粘着層との接触を確実に抑制し、非接着部分と粘着層との間に確実に隙間を形成することができる。
(11)本発明に係る粘着ラベル製造方法は、上記本発明の粘着ラベルを製造する粘着ラベル製造方法であって、前記基材の一方の面上に前記粘着層が設けられてなる基材シートと、前記熱反応層と、を対向させた状態で、前記粘着層と前記熱反応層とを貼り合わせる貼り合わせ工程を有し、前記貼り合わせ工程は、前記熱反応層のうち、前記非接着部分を回避した状態で前記接着部分を前記粘着層に向けて押圧することを特徴としている。
この構成によれば、非接着部分を回避した状態で、接着部分を粘着層に押圧するだけで、上述した粘着ラベルを製造できるので、従来のように中間層を介在させる手段を別途設けることがなく、製造工数及び製造コストの増加を抑制できる。
(12)本発明に係る粘着力発現ユニットは、上記本発明の粘着ラベルに粘着力を発現させる粘着力発現ユニットであって、前記熱反応層のうち、前記非接着部分を加熱して、前記熱反応層に前記開口を形成する穿孔手段を有していることを特徴としている。
この構成によれば、上記本発明の粘着ラベルを用いることで、省エネでの加熱を実現できるので、ファンやフィン等、粘着力発現用の穿孔手段を冷却するための冷却機構を別途設ける必要がない。そのため、粘着力発現ユニットの小型化、及び低コスト化を図ることができる。
さらに、粘着ラベルの非接着部分と粘着層との間に隙間が設けられているため、穿孔時に穿孔手段に粘着層が接触し難い。そのため、粘着剤のカスが穿孔手段に付着するのを抑制でき、カスの付着による熱伝達不良を抑制できるとともに、穿孔手段の清掃等のメンテナンス性も向上させることができる。
(13)本発明に係る粘着ラベル発行装置は、上記本発明の粘着力発現ユニットと、前記粘着力発現ユニットよりも上流側に配設され、帯状に連なる前記粘着ラベルを所望の長さに切断するカッターユニットと、を備えていることを特徴としている。
この構成によれば、カッターユニットによって粘着ラベルを所望する長さに切断した後、粘着力発現ユニットによって所望する領域だけに安定した粘着力を発現させることができ、高品質な粘着ラベルを発行することができる。
(14)本発明に係るプリンタは、前記粘着力発現ユニットよりも上流側に配設され、前記基材の他方の面上に設けられた印字可能層に印字を行う印字ユニットと、を備えていることを特徴としている。
この構成によれば、粘着力発現ユニットによって粘着力を発現させる前に、印字可能層に所望の情報を安定して印字できるので、各種の情報が明瞭に印字され、かつ安定した粘着力が発現された高品質な粘着ラベルを得ることができる。
本発明によれば、製造工数、及び製造コストの増加を抑制した上で、熱反応層に効率的に開口を形成できる。
粘着ラベルを裏面側(熱反応層側)から見た平面図である。 図1のA−A線に沿う断面図であって、(a)は開口の形成前(粘着力発現前)における断面図、(b)は開口の形成後(粘着力発現時)における断面図である。 第1実施形態におけるラベル製造装置の概略構成図であって、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はラベル製造装置内における搬送位置に応じたラベル原反の平面図である。 プリンタの概略構成図である。 第2実施形態におけるラベル製造装置の概略構成図であって、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はラベル製造装置内における搬送位置に応じたラベル原反の平面図である。 第3実施形態におけるラベル製造装置の概略構成図であって、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はラベル製造装置内における搬送位置に応じたラベル原反の平面図である。
次に、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
<第1実施形態>
[粘着ラベル]
まず、本実施形態の粘着ラベルの構成について説明する。図1は粘着ラベル1を裏面側(熱反応層13側)から見た平面図である。図2は図1のA−A線に沿う断面図であって、(a)は開口15の形成前(粘着力発現前)、(b)は開口15の形成後(粘着力発現時)をそれぞれ示している。
図1、図2に示すように、粘着ラベル1は、紙や樹脂材料等からなる基材11(図2参照)と、基材11の一方の面上に積層された粘着層12(図2参照)と、粘着層12を被覆してその粘着力を規制する非粘着性の熱反応層13と、基材11の他方の面上に積層された印字可能層14と、を有している。なお、本実施形態では、粘着ラベル1のうち、印字可能層14側を表面(他方の面)側とし、熱反応層13側を裏面(一方の面)側とする。
印字可能層14は、例えば加熱によって発色する感熱性記録層であり、基材11の表面全面に亘って形成されている。
粘着層12は、例えば水や溶剤、熱等を用いなくても、常温で僅かな圧力を短時間で加えるだけで粘着性が発現される感圧性粘着剤からなり、基材の裏面全体に亘って形成されている。また、粘着層12は、厚さが10μm〜50μm程度になっている。
なお、上述した感圧性粘着剤としては、凝集力と弾性力とをともに有し、かつ高い粘着性を有する一方、容易に剥離可能とされるものが好ましい。但し、粘着層12は、感圧性粘着剤からなるものに限定されず、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリイソブチレンゴム等のゴム系粘着剤や、ガラス転移点の低いモノマーと高いモノマーとを共重合した非架橋系のアクリル系粘着剤や、高凝集力のシリコンと高粘着力のシリコンレジンとからなるシリコン系粘着剤等からなるものであっても構わない。
熱反応層13は、ポリエステル系材料(PET等)やポリオレフィン系材料(PP,PE等)からなる厚さが5μm以下程度のフィルムであって、加熱によって溶融(熱収縮)させることで、図2(b)に示す開口15が形成される穿孔形成層である。開口15は、後述する粘着力発現用サーマルヘッド(穿孔手段)72の発熱素子72a(ともに図4参照)等によって局所的に加熱されることで開口される。そして、この開口15が形成されることで、粘着層12の粘着剤が開口15を通じて粘着ラベル1の裏面に露出し、粘着力が発現される。
なお、熱反応層13は、ポリエステル系材料を用いた場合の融点、すなわち開口15が形成される穿孔温度は260℃程度であり、ポリオレフィン系材料を用いた場合の融点は170℃程度である。そのため、ポリオレフィン系材料を選択した場合には、開口15を形成するための熱エネルギーを抑えることができる。一方、ポリエステル系材料を選択した場合には、ポリオレフィン系材料に比べて機械的強度を確保できるため、後述する非接着部分22が不意に破損されるのを抑制できる等のメリットがある。
ここで、図1、図2に示すように、本実施形態の熱反応層13は、粘着層12に接着された接着部分21と、粘着層12に対して厚さ方向に離間した非接着部分22と、を有している。すなわち、本実施形態の熱反応層13は、粘着層12の全面に貼り合わさられているのではなく、部分的に貼り合わされている。
接着部分21は、粘着ラベル1の延在方向、及び幅方向に沿ってそれぞれ間隔をあけて延在する格子状とされている。
非接着部分22は、上述した開口15が形成される部分(局所的に加熱される部分)であって、粘着ラベル1を厚さ方向から見た平面視で矩形状とされるとともに、周囲が上述した接着部分21によって密閉空間として画成されている。また、非接着部分22は、図2に示すように、粘着ラベル1の厚さ方向に沿う断面視において、粘着ラベル1の裏面側に向けて突の半球状とされている。したがって、非接着部分22と粘着層12との間には、隙間23が形成されている。
なお、粘着ラベル1の厚さ方向に沿う隙間23の高さTは、熱反応層13の厚さと同等か2倍以下程度であることが好ましい。
また、粘着ラベル1の平面視において、非接着部分22(隙間23)の面積(最大面積)は、0.0025mm2以上1mm2以下に設定されていることが好ましい。
非接着部分22の面積が0.0025mm2未満の場合には、開口15の面積を確保することができず、粘着層12が開口15を通して粘着ラベル1の裏面まで滲み出る際の抵抗(流動性抵抗)が大きくなるおそれがある。すなわち、非接着部分22の面積を0.0025mm2以上とすることで、開口15を通して粘着ラベル1の裏面まで粘着層12が滲み出る際の流動性抵抗を抑制でき、所望の粘着力を確保できる。
一方、非接着部分22の面積が1mm2よりも大きい場合には、非接着部分22を加熱して開口15を形成する際に、非接着部分22全体を溶融させることが難しく、開口15の大きさにばらつきが生じるおそれがある。また、非接着部分22に応力が集中した場合の撓み量が大きくなり、非接着部分22が粘着層12に接触するおそれがある。したがって、非接着部分22の面積を1mm2以下とすることで、所望の大きさの開口15を形成できるとともに、非接着部分22に応力が集中した際の粘着層12への接触を抑制できる。
なお、非接着部分22の面積は、後述する粘着力発現用サーマルヘッド72の発熱素子72aと同等、若しくはそれ以上の大きさ、具体的には0.01mm2以上0.25mm2以下程度に設定することが、所望の大きさの開口15を形成する上ではより好ましい。
[ラベル製造装置]
次に、上述した粘着ラベル1を製造するラベル製造装置(粘着ラベル製造装置)31について説明する。図3はラベル製造装置31の概略構成図であって、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はラベル製造装置31内における搬送位置に応じたラベル原反38の平面図をまとめて示している。なお、以下の説明では、図3(b)中の上下方向を装置上下方向とし、左右方向を搬送方向として説明する。
図3に示すように、本実施形態のラベル製造装置31は、上述した粘着ラベル1のうち、基材11の裏面に少なくとも粘着層12が形成された基材シート32と、上述した熱反応層13からなる熱反応シート33と、を貼り合わせるものである。具体的に、ラベル製造装置31は、基材シート供給手段34及び熱反応シート供給手段35と、粘着層12及び熱反応シート33を貼り合わせる第1貼り合わせ手段36及び第2貼り合わせ手段37と、基材シート32及び熱反応シート33が貼り合わされてなるラベル原反38を巻き取る巻取り手段39と、を備えている。
基材シート供給手段34は、粘着層12を上向きにした状態で、基材シート32を搬送方向の下流側に向けて送り出す図示しない供給源と、供給源から第1貼り合わせ手段36に向けて基材シート32を案内する回転可能な複数のガイドローラ41a,41bと、を備えている。なお、基材シート32は、基材11の裏面全体に粘着層12が塗布等により形成された後、乾燥工程等を経て形成されたものである。
ガイドローラ41a,41bは、搬送方向に沿って間隔をあけて配置されており、基材シート32の基材11側(表面側)を支持している。また、ガイドローラ41a,41bのうち、搬送方向に沿う下流側に位置するガイドローラ41bは、上流側に位置するガイドローラ41aに対して上方に配置されている。そのため、各ガイドローラ41a,41bは、搬送方向の下流側に向かうに従い基材シート32を上方に向けて搬送する。
熱反応シート供給手段35は、熱反応シート33の裏面を上向きにした状態で、熱反応シート33を搬送方向の下流側に向けて送り出す図示しない供給源と、供給源から第1張り合わせ手段36に向けて熱反応シート33を案内する回転可能な複数のガイドローラ42a,42bと、を備えている。
ガイドローラ42a,42bは、搬送方向に沿って間隔をあけて配置されており、熱反応シート33の裏面側を支持している。また、ガイドローラ42a,42bのうち、搬送方向に沿う下流側に位置するガイドローラ42bは、上流側に位置するガイドローラ42aに対して下方に配置されている。そのため、各ガイドローラ42a,42bは、搬送方向の下流側に向かうに従い熱反応シート33を下方に向けて搬送する。
このように、各シート供給手段34,35は、搬送方向の下流側に向かうに従い各シート32,33間の間隔が漸次狭くなるように各シート32,33をそれぞれ案内している。そして、各シート供給手段34,35の各ガイドローラ41a,41b,42a,42bのうち、搬送方向の下流端に位置するガイドローラ41b,42b間は、各シート32,33が合流する合流部分となっている。そして、合流部分を通過する各シート32,33は、厚さ方向(上下方向)に僅かな隙間をあけた状態で第1貼り合わせ手段36に供給される。
第1貼り合わせ手段36は、基材シート32の表面側に配置されたステージ45と、熱反応シート33の裏面側(各シート32,33を間に挟んでステージ45の反対側)に配置されたスタンパ46と、を有している。
スタンパ46は、各シート32,33の搬送面に直交する方向(図中上下方向)に往復移動可能とされ、ステージ45との間を通過する各シート32,33をステージ45との間で挟持するように構成されている。スタンパ46の下面には、下方に向けて突出する押圧突部47が、外周部分の全周に亘って額縁状に延在している。なお、上述した搬送面とは、各シート32,33が第1貼り合わせ手段36を通過する際の各シート32,33の面方向のことである。
第2貼り合わせ手段37は、熱反応シート33の裏面側に配置された回転可能な貼り合わせローラ51と、基材シート32の表面側に配置され、貼り合わせローラ51との間で各シート32,33を厚さ方向に挟持しながら回転する従動ローラ52と、を備えている。
貼り合わせローラ51は、各シート32,33の幅方向に沿って延在するシャフト53に外装体54が装着されたものであり、図示しないモータ等の駆動源によってシャフト53の軸線周りに回転する。外装体54の外周面には、径方向の内側に窪む凹部55が貼り合わせローラ51の周方向及び軸方向それぞれ間隔をあけて複数形成されている。
この場合、貼り合わせローラ51(外装体54)のうち、凹部55以外の部分は、上述した粘着ラベル1の接着部分21(図1参照)を画成するものであって、従動ローラ52の外周面に密接して熱反応シート33を粘着層12に向けて押圧する押圧部56を構成している。なお、図3の例において、押圧部56は、貼り合わせローラ51の軸方向及び周方向に沿ってそれぞれ間隔をあけて延在する格子状とされている。
一方、貼り合わせローラ51の凹部55は、上述した粘着ラベル1の非接着部分22(図1参照)を画成するものであって、従動ローラ52の外周面との間に隙間を形成して、熱反応シート33が粘着層12に向けて押圧されないようになっている。
巻取り手段39は、回転可能に支持された巻取りリールであって、第2貼り合わせ手段37で貼り合わされた各シート32,33(ラベル原反38)を回収する。具体的に、巻取り手段39は、第2貼り合わせ手段37から搬送されるラベル原反38を、熱反応シート33を内側に向けた状態で巻き取るように構成されている。
[ラベル製造方法]
次に、上述したラベル製造装置31を用いたラベル製造方法について説明する。なお、詳述はしないが、基材11(基材シート32)の表面に印字可能層14(図2参照)を形成する工程は、粘着層12の形成後、ラベル製造装置31に基材シート32をセットする直前、若しくはラベル製造装置31によるラベル原反38の形成後に行われる。
まず、基材シート供給手段34の供給源から基材シート32を、熱反応シート供給手段35の供給源から熱反応シート33をそれぞれ搬送方向の下流側に向けて供給する。各供給源からそれぞれ供給された各シート32,33は、各ガイドローラ41a,41b,42a,42bによって搬送され、合流部分において両者間に僅かな隙間をあけた状態で合流した後、第1貼り合わせ手段36に供給される。
続いて、各シート32,33を第1貼り合わせ手段36によって貼り合わせる第1貼り合わせ工程を行う。具体的に、各シート32,33がステージ45及びスタンパ46間を通過するタイミングで、スタンパ46をステージ45に向けて下降させる。すると、熱反応シート33のうち、スタンパ46の押圧突部47に対応する額縁部分(第1貼り合わせ領域)57(図3(c)参照)が基材シート32の粘着層12に向けて押圧されることで、額縁部分57が粘着層12に接着される。この場合、熱反応シート33の額縁部分57が粘着層12に接着されることで、熱反応シート33と基材シート32との間のうち、額縁部分57の内側領域が密閉される。なお、額縁部分57を接着させた後、スタンパ46を上昇させることで、各シート32,33の搬送を再開させる。
次に、各シート32,33を第2貼り合わせ手段37によって貼り合わせる第2貼り合わせ工程を行う。具体的に、貼り合わせローラ51が回転すると、従動ローラ52が貼り合わせローラ51の回転の従動することで、各ローラ51,52が互いに逆方向に回転する。そして、各ローラ51,52間に各シート32,33が進入することで、各シート32,33が各ローラ51,52間で挟持されながら搬送される。
このとき、熱反応シート33は、貼り合わせローラ51の押圧部56(凹部55以外の部分)により押圧されることで、押圧部56に対応して格子状(第2貼り合わせ領域)に粘着層12に接着される。一方、熱反応シート33のうち、凹部55に対応する部分は粘着層12に向けて押圧されないため、粘着層12に接着されない非接着部分22となる。そして、各ローラ51,52間(押圧部56と従動ローラ52との間)で押圧される際に、額縁部分57の内側に密閉された空気が非接着部分22内に押し込まれる。これにより、非接着部分22が基材シート32から離間する方向に膨出した状態となり、非接着部分22と粘着層12との間に隙間23(図2参照)が形成される。なお、各貼り合わせ手段36,37による押圧力は、貼り合わせ時に各シート32,33同士が接触せず、かつ熱反応シート33が破裂しない程度に設定することが好ましい。
なお、本実施形態では、粘着ラベル1(ラベル原反38)全体の面積に対する非接着部分22の面積の割合(非接着面積率)は、40%以上80%以下に設定されていることが好ましい。非接着部分22は、上述したように開口15が形成される部分であるため、非接着面積率は粘着ラベル1全体の面積に対する粘着剤が露出可能な面積の割合と同等になる。
この場合、非接着面積率を40%以上とすることで、開口15の形成時に粘着層12の露出面積を確保できるので、被着体との粘着力を確保できる。また、非接着面積率が40%以上とすることで、上述した第2貼り合わせ工程において、額縁部分57の内側に密閉された空気の逃げ場を確保できる。そのため、隙間23内の圧力が高くなり過ぎるのを抑制して、熱反応層13(熱反応シート33)が破裂するのを抑制できる。
一方、非接着面積率を80%以下に設定することで、隙間23内の圧力を確保して、非接着部分22と粘着層12との間の隙間23の高さTを確保できる。その結果、非接着部分22が粘着層12に貼りついてしまうのを抑制できる。
すなわち、非接着面積率を40%以上80%以下に設定することで、被着体との粘着力を確保できるとともに、隙間23内を適度な圧力に保持して、非接着部分22と粘着層12との接触を抑制した上で、熱反応層13と粘着層12とを貼り合わせることができる。なお、非接着面積率は40%以上60%以下に設定することがより好ましい。また、非接着面積率が60%よりも大きい場合、隙間23内の圧力を確保するためには、上述した第1貼り合わせ工程時に基材シート32と熱反応シート33との間に強制的に空気を送り込むことがより好ましい(これについては後述する)。
そして、第2貼り合わせ工程の終了後、貼り合わされたラベル原反38は巻取り手段39に巻き取られる。その後、ロール状に巻き取られたラベル原反38を、幅方向に沿う必要長さでカットすることで、ロール紙R(図4参照)が完成する。
[プリンタ]
次に、上述した粘着ラベル1を用いたプリンタ71について説明する。なお、以下の説明では、本発明の粘着力発現ユニットを具備するサーマルプリンタについて説明する。
図4は実施形態におけるプリンタ71の概略構成図である。
図4に示すように、本実施形態のプリンタ71は、上述した粘着ラベル1をロール状に巻回したロール紙Rを使用し、ロール紙Rから繰り出された帯状のラベル用紙P1に印字した後、所定の長さに切断してラベル片P2とするとともに、粘着力発現用サーマルヘッド72でラベル片P2に粘着力を発現させた状態でラベル発行する装置である。なお、本実施形態では、図4に示す状態において、ラベル用紙P1の搬送方向をFとし、ロール紙R側を上流側、搬送方向Fの先端側を下流側として説明する。
本実施形態のラベル用紙P1は、上述した粘着ラベル1が帯状とされたものであり、印字可能層14側(表面側)が外側を向き、熱反応層13側(裏面側)が内側を向いた状態で巻回されたロール紙Rを構成している。そして、ロール紙Rは、プリンタ71の上流端に配設されたロール紙収容部73内に回転可能に収容保持されている。
プリンタ71は、上述したロール紙収容部73と、ロール紙Rから繰り出されたラベル用紙P1の印字可能層14に印字を行う印字ユニット74と、印字ユニット74で印字されたラベル用紙P1を所望の長さのラベル片P2に切断するカッターユニット75と、カッターユニット75で切断されたラベル片P2を加熱してラベル片P2に粘着力を発現させる粘着力発現ユニット76と、を備えている。なお、カッターユニット75及び粘着力発現ユニット76により、本実施形態の粘着ラベル発行装置を構成している。
(印字ユニット)
印字ユニット74は、ラベル用紙P1の厚さ方向(図4中上下方向)で対向配置された印字用プラテンローラ81、及び印字用サーマルヘッド82を備えるサーマルプリント機構であり、ロール紙収容部73に対して下流側に配設されている。印字用サーマルヘッド82は、ラベル用紙P1の幅方向に沿って多数の発熱素子82aが配列されたラインヘッドであり、ラベル用紙P1の表面側に配設されている。印字用サーマルヘッド82は、図示しないコイルバネ等の弾性部材によってラベル用紙P1側(印字用プラテンローラ81側)に押圧されて、印字用プラテンローラ81の外周面に対して圧接されている。
印字用プラテンローラ81は、ラベル用紙P1の裏面側に配設され、図示しない駆動源により回転可能に構成されている。印字ユニット74では、印字用プラテンローラ81と印字用サーマルヘッド82との間にラベル用紙P1を挟持した状態で、駆動源を駆動させて印字用プラテンローラ81を回転させることで、ラベル用紙P1をロール紙Rから繰り出して搬送することが可能である。
(カッターユニット)
カッターユニット75は、固定刃75a、及び可動刃75bを有する切断機構であり、印字ユニット74に対して搬送方向Fの下流側に配設されている。固定刃75a、及び可動刃75bは、ラベル用紙P1を厚さ方向に挟んで互いに刃先が向かい合うように配設されており、そのうち固定刃75aはラベル用紙P1の裏面側に配設され、可動刃75bはラベル用紙P1の表面側に配設されている。但し、固定刃75aをラベル用紙P1の表面側に配設し、可動刃75bをラベル用紙P1の裏面側に配設しても構わない。可動刃75bは、固定刃75aに対して接近離間する方向にスライド自在とされており、固定刃75aとの間でラベル用紙P1を上下に挟み込んで切断可能とされている。なお、カッターユニット75よりも下流側には、切断されたラベル片P2を厚さ方向に挟持しながら、下流側に向けて送り出す搬送ローラ77が配設されている。
(粘着力発現ユニット)
粘着力発現ユニット76は、ラベル片P2の厚さ方向で対向配置された粘着力発現用プラテンローラ83及び粘着力発現用サーマルヘッド72を備え、搬送ローラ77の下流側に配設されている。なお、粘着力発現ユニット76は、粘着力発現用プラテンローラ83及び粘着力発現用サーマルヘッド72が、上述した印字ユニット74の印字用プラテンローラ81及び印字用サーマルヘッド82と上下反対に配置されている以外は、ほぼ同様の構成とされているため、詳細な説明は省略する。すなわち、粘着力発現用プラテンローラ83はラベル用紙P1に対して印字可能層14側(表面側)に、粘着力発現用サーマルヘッド72は熱反応層13側(裏面側)に配置されている。
なお、本実施形態の粘着ラベル1は、図2に示すように、熱反応層13のうち粘着層12から隙間23をあけて配置された非接着部分22を有している。そして、図4に示す粘着力発現用サーマルヘッド72の各発熱素子72aは、ラベル片P2(粘着ラベル1)のうち、幅方向(搬送方向Fに直交する方向)に沿って並んだ各非接着部分22に対応して形成されており、各非接着部分22を各別に選択して、その一部または全部を加熱できるようになっている。なお、粘着力発現用サーマルヘッド72の発熱素子72aと、ラベル片P2の非接着部分22と、の幅方向に沿う数や位置は、一致していなくも構わない。
また、粘着力発現ユニット76に対して搬送方向Fの下流側には、粘着力が発現した粘着ラベル1を図示しない排出口に搬送する排出ローラ84が配設されている。
[プリンタの作動方法]
次に、上述したプリンタ71の動作について説明する。
まず、プリンタ71の作動準備として、ロール紙収容部73内にロール紙Rをセットした後、ロール紙収容部73からラベル用紙P1を引き出しておく。
次に、プリンタ71を図示しない外部入力装置に接続し、その外部入力装置からプリンタ71にラベル発行指令とともにラベル情報を出力する。このラベル情報としては、例えばラベル片P2のサイズ情報や、印字データ、粘着力を発現させる開口15の形成パターンデータ等がある。
プリンタ71は、ラベル発行指令及びラベル情報を受けると、図示しない駆動源が駆動し、その駆動源の動力が各種ローラに伝達されて各種ローラが回転する。これにより、ラベル用紙P1が下流側に送り出されて、印字ユニット74に供給される。
印字ユニット74に供給されたラベル用紙P1は、印字用プラテンローラ81と印字用サーマルヘッド82との間を下流側に向けて送り出される。このとき、印字用サーマルヘッド82が駆動してラベル情報に応じた印字動作を実施する。これにより、ラベル用紙P1が印字用プラテンローラ81と印字用サーマルヘッド82との間を通過する際に、ラベル用紙P1の印字可能層14にバーコードや文字等が順次印刷される(印字工程)。
続いて、印字ユニット74を通過したラベル用紙P1は、カッターユニット75に供給される(切断工程)。カッターユニット75に供給されたラベル用紙P1は、固定刃75aと可動刃75bとの間を下流側に向けて送り出される。そして、ラベル用紙P1が固定刃75aと可動刃75bとの間を所望の長さ分だけ通過すると、カッターユニット75が作動して、可動刃75bが固定刃75aに向けてスライド移動する。これにより、可動刃75bと固定刃75aとの間でラベル用紙P1を挟み込みながら切断することができ、所望の長さに調整されたラベル片P2とすることができる。なお、ラベル用紙P1が所望の長さ分だけ通過したことを検出する方法としては、図示しない光学センサやマイクロスイッチ等を用いたり、またはラベル情報によるラベル長さ寸法とラベル用紙P1の紙送り量の計算値とに基づいて検出したりすることが可能である。
カッターユニット75を通過したラベル片P2は、搬送ローラ77により下流側に送り出されて、粘着力発現ユニット76に供給される(粘着力発現工程)。粘着力発現ユニット76に供給されたラベル片P2は、粘着力発現用サーマルヘッド72と粘着力発現用プラテンローラ83との間を下流側に向けて送り出される。
ここで、粘着力発現用サーマルヘッド72の各発熱素子72aには、上述したラベル情報に基づいて、穿孔に必要な熱エネルギーが印加されることで選択的に発熱する。具体的に、本実施形態の粘着力発現用サーマルヘッド72では、熱反応層13の各非接着部分22のうち、穿孔される非接着部分22に対応する発熱素子72aに熱エネルギーが印加される。そして、熱反応層13の非接着部分22のうち、発熱した発熱素子72aが接している部分だけが局所的に加熱される。このとき、図2(b)に示すように、発熱素子72aの熱は熱反応層13の非接着部分22内を同心円状に伝わっていく。非接着部分22の加熱部分が融点(穿孔温度)以上になると、熱反応層13が溶融されて開口15が形成される。そして、開口15が形成されることで、開口15を通じて粘着ラベル1の粘着層12が露出する。これにより、ラベル片P2に粘着力を発現させることができる。
そして、粘着力が発現されたラベル片P2は、排出ローラ84によって図示しない排出口側に搬送され、排出口から排出される。これにより、粘着力を発現させた状態で、ラベル片P2(粘着ラベル1)を発行することができる。
このように、本実施形態の粘着ラベル1によれば、熱反応層13のうち、非接着部分22と粘着層12との間に隙間23を設けることで、穿孔時に非接着部分22に伝わった熱が粘着層12へ伝わり難くなる。その結果、熱反応層13を効率的に加熱することができ、少ない熱エネルギー(省エネ)で熱反応層13に開口15を形成することができる。この場合、粘着ラベル1の発行速度の向上等を図ることができる。また、粘着層12に熱が伝わり難いので、粘着層12の変質も抑えることができる。
特に、従来のように熱反応層13と粘着層12との間に中間層を介在させる必要がないので、粘着ラベル1の製造工数及び製造コストの増加を抑制できるとともに、開口15から露出した粘着層12全てが粘着力に寄与するため、粘着力を確保できる。
また、本実施形態では、熱反応層13の厚さを5μm以下に設定することで、少ない熱エネルギーで熱反応層13に開口15を形成することができる。
さらに、本実施形態の粘着ラベル1には、基材11の表面に印字可能層14が設けられているため、種々の情報を印字可能な粘着ラベル1を提供できる。
また、本実施形態のラベル製造装置31によれば、非接着部分22を回避した状態で、接着部分21を粘着層12に押圧するだけで、上述した粘着ラベル1を製造できるので、従来のように中間層を介在させる手段を別途設けることがなく、製造工数及び製造コストの増加を抑制できる。
特に、本実施形態では、第1貼り合わせ手段36により額縁部分57の内側領域を密閉した後、第2貼り合わせ手段37により額縁部分57を微小な非接着部分22に画成していくことで、第2貼り合わせ手段37による押圧時に額縁部分57内の空気が外部に逃げ難くなる。そのため、隙間23内の圧力を確保して、非接着部分22を確実に形成することができるので、所望の粘着ラベル1を製造できる。
また、本実施形態の粘着力発現ユニット76によれば、上述した粘着ラベル1を用いることで、省エネでの加熱を実現できるので、ファンやフィン等、粘着力発現用サーマルヘッド72を冷却するための冷却機構を別途設ける必要がない。そのため、粘着力発現ユニット76の小型化、及び低コスト化を図ることができる。
さらに、粘着ラベル1の非接着部分22と粘着層12との間に隙間23が設けられているため、穿孔時に粘着力発現用サーマルヘッド72に粘着層12が接触し難い。そのため、粘着剤のカスが粘着力発現用サーマルヘッド72に付着するのを抑制でき、カスの付着による熱伝達不良を抑制できるとともに、粘着力発現用サーマルヘッド72の清掃等のメンテナンス性も向上させることができる。
しかも、粘着力発現ユニット76の穿孔手段として、粘着力発現用サーマルヘッド72を採用させる場合には、所望する発熱素子72aだけを選択的に発熱させることで、開口15の形成位置を自在に制御したり、開口15の面積に準ずる粘着ラベル1の粘着力を調整したりすることが可能になる。
そして、上述した粘着力発現ユニット76を有するラベル発行装置によれば、カッターユニット75によってラベル用紙P1を所望する長さに切断した後、粘着力発現ユニット76によって所望する領域だけに安定した粘着力を発現させることができ、高品質な粘着ラベル1を発行することができる。
また、本実施形態のプリンタ71によれば、粘着力発現ユニット76によって粘着力を発現させる前に、印字可能層14に所望の情報を安定して印字できるので、各種の情報が明瞭に印字され、かつ安定した粘着力が発現された高品質な粘着ラベル1を得ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態のラベル製造装置について説明する。図5は、第2実施形態におけるラベル製造装置101の概略構成図であって、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はラベル製造装置101内における搬送位置に応じたラベル原反38の平面図である。なお、本実施形態では、2本の貼り合わせローラ111,121を用いてラベル原反38を製造する点で、上述した第1実施形態と相違している。以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のラベル製造装置101において、第1貼り合わせ手段110は、熱反応シート33の裏面側に配置された回転可能な第1貼り合わせローラ111と、基材シート32の表面側に配置され、第1貼り合わせローラ111との間で各シート32,33を厚さ方向に挟持しながら回転する従動ローラ112と、を備えている。
第1貼り合わせローラ111は、各シート32,33の幅方向に沿って延在するシャフト113に外装体114が装着されたものであり、図示しないモータ等の駆動源によってシャフト113周りに回転する。外装体114の外周面には、周方向の全周に亘って延びる第1凹部115が、軸方向に間隔をあけて複数形成されている。
第1貼り合わせローラ111のうち、第1凹部115以外の部分は、上述した粘着ラベル1の接着部分21を画成するものであって、従動ローラ112の外周面に密接して熱反応シート33を粘着層12に向けて押圧する第1押圧部116を構成している。なお、図5の例において、第1押圧部116は、上述した第1凹部115と軸方向に交互に配置されたリング状とされている。
一方、第1凹部115は、上述した粘着ラベル1の非接着部分22を画成するものであって、従動ローラ112の外周面との間に隙間を形成して、熱反応シート33が粘着層12に向けて押圧されないようになっている。図5の例において、第1凹部115及び第1押圧部116は、第1貼り合わせ手段110における各シート32,33の搬送面のうち、搬送方向(第1方向)に沿って延在している。
また、第2貼り合わせ手段120は、熱反応シート33の裏面側に配置された回転可能な第2貼り合わせローラ121と、基材シート32の表面側に配置され、第2貼り合わせローラ121との間で各シート32,33を厚さ方向に挟持しながら回転する従動ローラ122と、を備えている。
第2貼り合わせローラ121は、各シート32,33の幅方向に沿って延在するシャフト123に外装体124が装着されたものであり、図示しないモータ等の駆動源によってシャフト123周りに回転する。外装体124の外周面には、軸方向の全体に亘って延びる第2凹部125が、周方向に間隔をあけて複数形成されている。
第2貼り合わせローラ121のうち、第2凹部125以外の部分は、上述した粘着ラベル1の接着部分21を画成するものであって、従動ローラ122の外周面に密接して熱反応シート33を粘着層12に向けて押圧する第2押圧部126を構成している。なお、図5の例において、第2押圧部126は、第2貼り合わせローラ121の軸方向全体に亘って延在するとともに、第2凹部125と周方向に交互に配置されている。
一方、第2凹部125は、上述した粘着ラベル1の非接着部分22を画成するものであって、従動ローラ122の外周面との間に隙間を形成して、熱反応シート33が粘着層12に向けて押圧されないようになっている。図5の例において、第2凹部125及び第2押圧部126は、第2貼り合わせ手段120における各シート32,33の搬送面のうち、搬送方向に直交する方向(各シート32,33の幅方向(第2方向))に沿って延在している。
このように構成されたラベル製造装置において、各シート供給手段34,35の合流部分を経て第1貼り合わせ手段110に供給される各シート32,33は、第1貼り合わせローラ111及び従動ローラ112間で押圧されながら下流側に向けて送り出される(第1貼り合わせ工程)。このとき、第1貼り合わせローラ111の第1押圧部116は、軸方向に間隔をあけて形成されているため、熱反応シート33は第1押圧部116によって幅方向に間隔をあけて粘着層12に押圧される。さらに、第1貼り合わせローラ111の第1押圧部116は、周方向に沿って延在しているため、第1貼り合わせローラ111の回転により熱反応シート33が搬送方向に沿って押圧されることになる。これにより、第1貼り合わせ手段110を通過した熱反応シート33は、搬送方向に沿って帯状に延びる接着部分130及び非接着部分131が熱反応シート33の幅方向に沿って交互に形成される。そして、第1貼り合わせ手段110を通過した各シート32,33は、第2貼り合わせ手段120に供給される。
第2貼り合わせ手段120に供給される各シート32,33は、第2貼り合わせローラ121及び従動ローラ122間で押圧されながら下流側に向けて送り出される(第2貼り合わせ工程)。このとき、第2貼り合わせローラ121の第2押圧部126は、軸方向の全体に亘って形成されているため、熱反応シート33が幅方向全体に亘って粘着層12に押圧される。すなわち、熱反応シート33が第1貼り合わせ工程の接着部分130及び非接着部分131に直交するように押圧される。さらに、第2貼り合わせローラ121の第2押圧部126は、周方向に間隔をあけて形成されているため、第2貼り合わせローラ121の回転により熱反応シート33が搬送方向に間隔をあけて押圧されることになる。これにより、上述した第1実施形態と同様に、格子状の接着部分21と、各接着部分21に画成された非接着部分22と、を有するラベル原反38が形成される。
このように、本実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏するとともに、第1貼り合わせ手段110により熱反応シート33と粘着層12とを部分的(熱反応シート33の延在方向に沿って)に接着させておくことで、熱反応シート33と粘着層12との間の面方向に沿う開放部分を小さくすることができる。これにより、第2貼り合わせ手段120による押圧時において、基材シート32と熱反応シート33との間に残存する空気が外部に逃げ難くなる。そのため、隙間23内の圧力を確保した上で、非接着部分22を確実に形成することができるので、所望の粘着ラベル1を製造できる。
この場合、本実施形態によれば、第1貼り合わせローラ111の第1押圧部116が熱反応シート33の幅方向に間隔をあけて形成されているため、第1貼り合わせローラ111による押圧時に各接着部分130間(非接着部分131内)に空気を残存させ易くなる。この場合、第2貼り合わせローラ121による押圧時に各接着部分130間に残存する空気が非接着部分131に押し込まれることで、ラベル原反38の非接着部分22と粘着層12との間に確実に隙間23を形成することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態のラベル製造装置について説明する。図6は、第3実施形態におけるラベル製造装置201の概略構成図であって、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はラベル製造装置201内における搬送位置に応じたラベル原反38の平面図である。なお、本実施形態では、各貼り合わせローラ210,220における押圧部213,223(凹部212,222)の延在方向が上述した第2実施形態と相違している。以下の説明では、上述した第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のラベル製造装置201において、第1貼り合わせローラ210の外装体211には、軸方向に対して交差する第1螺旋方向(第1方向)に沿って延びる第1凹部212が、軸方向に間隔をあけて複数形成されている。第1貼り合わせローラ210のうち、第1凹部212以外の部分は、軸方向に沿って第1凹部212と交互に配置された螺旋状の第1押圧部213を構成している。すなわち、図6の例において、第1凹部212及び第1押圧部213は、第1貼り合わせ手段110における各シート32,33の搬送面のうち、搬送方向に交差する方向(第1方向)に沿って延在している。
一方、第2貼り合わせローラ220の外装体221には、上述した第1螺旋方向に交差する第2螺旋方向(第2方向)に沿って延びる第2凹部222が軸方向に間隔をあけて複数形成されている。第2貼り合わせローラ220のうち、第2凹部222以外の部分は、軸方向に沿って第2凹部222と交互に配置された螺旋状の第2押圧部223を構成している。すなわち、図6の例において、第2凹部222及び第2押圧部223は、第2貼り合わせ手段120における各シート32,33の搬送面のうち、搬送方向に交差する方向(第2方向)に沿って延在している。
そして、第1貼り合わせ工程において、第1貼り合わせローラ210の第1押圧部213は、軸方向に間隔をあけて形成されているため、熱反応シート33が幅方向に間隔をあけて粘着層12に押圧される。さらに、第1貼り合わせローラ210の第1押圧部213は、第1螺旋方向に沿って延在しているため、第1貼り合わせローラ210の回転により熱反応シート33が搬送方向に交差する方向に沿って押圧されることになる。これにより、第1貼り合わせ手段110を通過した熱反応シートは、搬送方向に交差する第1斜め方向に沿って帯状に延びる接着部分230及び非接着部分231が搬送方向に沿って交互に形成される。
一方、第2貼り合わせ工程において、第2貼り合わせローラ220の第2押圧部223は、熱反応シート33が第1貼り合わせ工程の接着部分230及び非接着部分231に交差するように押圧される。さらに、第2貼り合わせローラ220の第2押圧部223は、周方向に間隔をあけて形成されているため、第2貼り合わせローラ220の回転により熱反応シート33が搬送方向に間隔をあけて押圧されることになる。これにより、ラベル原反38の延在方向及び幅方向に対して互いに交差する第1斜め方向及び第2斜め方向に沿って延在する接着部分232と、これら接着部分232により画成された平面視矩形状の非接着部分233と、を有するラベル原反38(粘着ラベル1)が形成される。
このように、本実施形態によれば、上述した第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、熱反応層13の非接着部分22を平面視で矩形状とした構成について説明したが、これに限らず、適宜設計変更が可能である。例えば、非接着部分22を円形に形成した場合には、熱反応層13の加熱時において、溶融領域が発熱素子の中心部から同心円状に周囲に広がるため、非接着部分22の形状に倣った所望の形状を有する開口15を形成することができる。
また、非接着部分22のレイアウト等についても適宜設計変更が可能である。
また、上述した実施形態では、粘着ラベル1のうち、基材11の表面側に印字可能層14を形成する構成について説明したが、これに限られない。例えば、基材11の表面に印字可能層14を形成しない構成(例えば、基材11自体に印字が施された構成等)でもよく、印字可能層14以外の層を形成してもよい。
さらに、上述したラベル製造装置(例えば、ラベル製造装置31)において、基材シート32と熱反応シート33との間に強制的に気体を供給する構成としても構わない。具体的には、各シート供給手段34,35の合流部分に向けて各シート32,33の上流側から気体を供給する。これにより、貼り合わせ工程において、気体を閉じ込めながら各シート32,33を貼りあわせることができる。なお、各シート32,33に供給する気体としては、空気の他、窒素や酸素等であっても構わない。窒素や酸素を供給することで、空気中の不純物(油分や湿気等)が非接着部分22の隙間23内に充填されるのを抑制できるので、粘着層12の劣化を抑制できる。この場合、少なくとも湿度が20%以下に設定された気体を供給することが好ましい。
また、上述した第1実施形態では、第1貼り合わせ手段36のスタンパ46により各シート32,33同士を1つの額縁部分57で接着する構成について説明したが、複数の第1貼り合わせ領域で区画しても構わない。すなわち、第1貼り合わせ領域が第2貼り合わせ領域よりも大きく、貼り合わせ時に各シート32,33同士が接触せず、かつ熱反応シート33が破裂しない程度であれば第1貼り合わせ領域の数や大きさは適宜設計変更が可能である。
また、上述した実施形態では、2回の貼り合わせ工程を行うことで、非接着部分22と粘着層12との間に隙間23を形成する構成について説明したが、これに限られない。例えば、貼り合わせ工程は1回でもよく、3回以上の複数回行っても構わない。1回の貼り合わせ工程で粘着ラベル1を製造する場合には、例えば図3に示す貼り合わせローラ51を用い、貼り合わせローラ51の凹部55内を負圧に維持する吸引手段を設ける構成が考えられる。この構成によれば、熱反応シート33のうち、貼り合わせローラ51の押圧部56に対応する部分は粘着層12に向けて押圧されるものの、凹部55に対応する部分は粘着層12から離間する方向に吸引されることになる。これにより、貼り合わせ工程において、非接着部分22と粘着層12との接触を確実に抑制し、非接着部分22と粘着層12との間に確実に隙間23を形成することができる。
また、上述した第2実施形態において、第1貼り合わせローラ111の第1押圧部116が熱反応シート33の幅方向に間隔をあけて形成され、第2貼り合わせローラ121の第2押圧部126が熱反応シート33の幅方向全体に亘って形成された構成について説明したが、これに限らず、第1貼り合わせローラ111と第2貼り合わせローラ121を入れ替えても構わない。但し、上述したように、第1貼り合わせローラ111の第1押圧部116を熱反応シート33の幅方向に間隔をあけて形成することで、第1貼り合わせローラ111による押圧時に各接着部分130間(非接着部分131内)に空気を残存させ易くなるため好ましい。
また、上述した実施形態では、本発明の粘着力発現ユニット76をサーマルプリンタに適用した場合について説明したが、これに限るものではない。
また、上述した実施形態では、粘着力発現ユニット76の穿孔手段として、粘着力発現用サーマルヘッド72を用いる構成について説明したが、これに限らず、ラインヒータやヒートロールを用いても構わない。この場合、接着部分21では、発熱による熱が粘着層12に逃げてしまうので熱反応層13が溶融する温度まで昇温せず、一方、非接着部分22では、発熱による熱が粘着層12に逃げないので熱反応層13が溶融する温度まで昇温する。したがって、サーマルヘッド72を用いた場合と同様、効果的に開口15を形成することができる。
さらに、印字ユニット74は粘着力発現ユニット76よりも搬送方向Fの上流側に配設されていれば良く、例えばカッターユニット75と粘着力発現ユニット76との間に配設されていても構わない。
1…粘着ラベル
11…基材
12…粘着層
13…熱反応層
14…印字可能層
15…開口
21,130,230,232…接着部分
22,131,231,233…非接着部分
23…隙間
31,101,201…ラベル製造装置(粘着ラベル製造装置)
32…基材シート
33…熱反応シート(熱反応層)
36…第1貼り合わせ手段
37…第2貼り合わせ手段
57…額縁部分(第1貼り合わせ領域)
71…プリンタ
72…粘着力発現用サーマルヘッド(穿孔手段)
74…印字ユニット
75…カッターユニット
76…粘着力発現ユニット
111,210…第1貼り合わせローラ
116,213…第1押圧部
121,220…第2貼り合わせローラ
126,223…第2押圧部

Claims (14)

  1. 基材と、
    前記基材の一方の面上に設けられた粘着層と、
    前記粘着層を被覆するとともに、加熱により溶融させることで開口が形成される熱反応層と、を有し、
    前記熱反応層の前記開口を通して前記粘着層を露出させることで、粘着力を発現させる粘着ラベルであって、
    前記熱反応層は、
    前記粘着層に接着された接着部分と、
    前記接着部分に画成されるとともに、前記粘着層との間に厚さ方向に沿って隙間が設けられた非接着部分と、を有していることを特徴とする粘着ラベル。
  2. 前記熱反応層全体の面積に対する前記非接着部分個々の面積を合計した前記非接着部分全体の面積の割合が、40%以上80%以下に設定されていることを特徴とする請求項1記載の粘着ラベル。
  3. 前記非接着部分個々の面積が、0.0025mm2以上1mm2以下に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の粘着ラベル。
  4. 前記熱反応層は、厚さが5μm以下に設定されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の粘着ラベル。
  5. 前記基材の他方の面上に印字可能層が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の粘着ラベル。
  6. 請求項1記載の粘着ラベルを製造する粘着ラベル製造装置であって、
    前記基材の一方の面上に前記粘着層が設けられてなる基材シートと、前記熱反応層と、を対向させた状態で、前記粘着層と前記熱反応層とを貼り合わせる貼り合わせ手段を有し、
    前記貼り合わせ手段は、前記熱反応層のうち、前記非接着部分を回避した状態で前記接着部分を前記粘着層に向けて押圧することを特徴とする粘着ラベル製造装置。
  7. 前記貼り合わせ手段は、
    前記熱反応層のうち、額縁状の第1貼り合わせ領域を前記粘着層に貼り合わせる第1貼り合わせ手段と、
    前記第1貼り合わせ手段に対して下流側に設けられ、前記第1貼り合わせ領域の内側を複数の第2貼り合わせ領域に区画する第2貼り合わせ手段と、を有していることを特徴とする請求項6記載の粘着ラベル製造装置。
  8. 前記貼り合わせ手段は、
    前記基材シート及び前記熱反応層の搬送面内に沿う第1方向に沿って延在する第1押圧部が形成された第1貼り合わせローラと、
    前記第1貼り合わせローラに対して下流側に設けられ、前記搬送面内のうち、前記第1方向に交差する第2方向に沿って延在する第2押圧部が形成された第2貼り合わせローラと、を備えていることを特徴とする請求項6記載の粘着ラベル製造装置。
  9. 前記第1押圧部は、前記搬送面内のうち前記基材シート及び前記熱反応層の幅方向に交差する方向に延在していることを特徴とする請求項8記載のラベル製造装置。
  10. 前記貼り合わせ手段は、
    前記熱反応層のうち、前記接着部分に対応して形成された押圧部と、
    前記非接着部分に対応して形成された凹部と、
    前記凹部内を負圧に保持して前記熱反応層を吸引する吸引手段と、を備えていることを特徴とする請求項6記載の粘着ラベル製造装置。
  11. 請求項1記載の粘着ラベルを製造する粘着ラベル製造方法であって、
    前記基材の一方の面上に前記粘着層が設けられてなる基材シートと、前記熱反応層と、を対向させた状態で、前記粘着層と前記熱反応層とを貼り合わせる貼り合わせ工程を有し、
    前記貼り合わせ工程は、前記熱反応層のうち、前記非接着部分を回避した状態で前記接着部分を前記粘着層に向けて押圧することを特徴とする粘着ラベル製造方法。
  12. 請求項1記載の粘着ラベルに粘着力を発現させる粘着力発現ユニットであって、
    前記熱反応層のうち、前記非接着部分を加熱して、前記熱反応層に前記開口を形成する穿孔手段を有していることを特徴とする粘着力発現ユニット。
  13. 請求項12記載の粘着力発現ユニットと、
    前記粘着力発現ユニットよりも上流側に配設され、帯状に連なる前記粘着ラベルを所望の長さに切断するカッターユニットと、を備えていることを特徴とする粘着ラベル発行装置。
  14. 請求項13に記載の粘着ラベル発行装置と、
    前記粘着力発現ユニットよりも上流側に配設され、前記基材の他方の面上に設けられた印字可能層に印字を行う印字ユニットと、を備えていることを特徴とするプリンタ。
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