以下、本発明の第1及び第2実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
[第1実施形態]
まず、シート製造装置の構成について説明する。シート製造装置は、例えば、純パルプシートや古紙などの原料(被解繊物)Puを新たなシートPrに形成する技術に基づくものである。本実施形態にかかるシート製造装置は、被解繊物を解繊する解繊部と、解繊部で解繊処理された解繊物に添加剤を投入する添加剤投入部と、解繊物と添加剤とを用いてシートを成形する成形部と、を備えるシート製造装置であって、添加剤のガラス転移点温度は、解繊処理をしているときの解繊部内の温度より高いことを特徴とするものである。以下、具体的にシート製造装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態にかかるシート製造装置の構成を示す概略図である。また、図2は、本実施形態にかかるシート製造装置の一部構成を示す概略図であり、具体的には、解繊部30の詳細図である。図1に示すように、本実施形態のシート製造装置1は、供給部10と、粗砕部20と、解繊部30と、分級部40と、選別部50と、添加剤投入部60と、堆積部70と、成形部200等を備えている。そして、これらの部材を制御する制御部2を備えている。
供給部10は、粗砕部20に古紙Puを供給するものである。供給部10は、例えば、複数枚の古紙Puを重ねて貯めておくトレー11と、トレー11中の古紙Puを粗砕部20に連続して投入可能な自動送り機構12等を備えている。シート製造装置1に供給する古紙Puとしては、例えば、オフィスで現在主流となっているA4サイズの用紙等である。
粗砕部20は、供給された古紙Puを数センチメートル角の紙片に裁断するものである。粗砕部20では、粗砕刃21を備え、通常のシュレッダーの刃の切断幅を広げたような装置を構成している。これにより、供給された古紙Puを容易に紙片に裁断することができる。そして、分断された粗砕紙は、搬送路201を介して解繊部30に供給される。
解繊部30は、図2に示す解繊モーター31の駆動によって回転する回転刃32を備え、粗砕部20から供給された被解繊物としての粗砕紙を繊維状に解きほぐす解繊処理を行うものである。なお、本実施形態の解繊部30は、空気中において乾式で解繊を行うものである。解繊部30の解繊処理により、印刷されたインクやトナー、にじみ防止材等の紙への塗工材料等は、数十μm以下の粒(以下、「インク粒」という)となって繊維と分離する。したがって、解繊部30から出る解繊物は、紙片の解繊により得られる繊維とインク粒である。そして、回転刃の回転によって気流が発生する機構となっており、搬送路202を介して解繊された繊維はこの気流に乗って分級部40に搬送される。なお、必要に応じて解繊部30に搬送路202を介して解繊された繊維を分級部40に搬送させるための気流を発生させる気流発生装置を別途設けてもよいが、これは後述する解繊部30内を冷却するための空気の送風とは異なるものである。
分級部40は、導入された導入物を気流により分級するものである。本実施形態では、導入物としての解繊物をインク粒と繊維とに分級する。分級部40は、例えば、サイクロンを適用することにより、搬送された繊維をインク粒と脱墨繊維(脱墨解繊物)とに気流分級することができる。なお、サイクロンに替えて他の種類の気流式分級器を利用してもよい。この場合、サイクロン以外の気流式分級器としては、例えば、エルボージェットやエディクラシファイヤー等が用いられる。気流式分級器は旋回気流を発生させ、解繊物のサイズと密度により受ける遠心力の差によって分離、分級するもので、気流の速度、遠心力の調整により、分級点を調整することができる。これにより比較的小さく密度の低いインク粒と、インク粒より大きく密度の高い繊維とに分けられる。繊維からインク粒を除去することを脱墨と言う。
本実施形態の分級部40は接線入力方式のサイクロンであり、解繊部30から導入される導入口40aと、導入口40aが接線方向についた筒部41と、筒部41の下部に続く円錐部42と、円錐部42の下部に設けられる下部取出口40bと、筒部41の上部中央に設けられる微粉排出のための上部排気口40cとから構成される。円錐部42は鉛直方向下方にむかって径が小さくなる。
分級処理において、分級部40の導入口40aから導入された解繊物をのせた気流は、筒部41、円錐部42で円周運動に変わり、遠心力がかかり分級される。そして、インク粒より大きく密度の高い繊維は下部取出口40bへ移動し、比較的小さく密度の低いインク粒は空気とともに微粉として上部排気口40cへ導出される。そして、分級部40の上部排気口40cからインク粒が多量に含まれた短繊維混合物が排出される。そして、排出されたインク粒が多量に含まれる短繊維混合物は、分級部40の上部排気口40cに接続された配管206を介して受け部80に回収される。一方、分級部40の下部取出口40bから配管203を介して分級された繊維を含む分級物が選別部50に向けて搬送される。なお、分級部40の上部排気口40cや配管206等に、上部排気口40cから短繊維混合物を効率よく吸引するための吸引部等を配置してもよい。
選別部50は、分級部40により分級された繊維を含む分級物を複数の開口を有する選別ドラム51から通過させて選別するものである。さらに、具体的には、分級部40により分級された繊維を含む分級物を、開口を通過する通過物と、開口を通過しない残留物と、に選別するものである。本実施形態の選別部50では、分級物を回転運動により空気中で分散させる機構を備えている。そして、選別部50の選別により開口を通過した通過物は、ホッパー部56で受けてから搬送路204を介して堆積部70に搬送される。一方、選別部50の選別により開口を通過しなかった残留物は、排出部57から送り路としての搬送路205を介して再び被解繊物として解繊部30に戻される。これにより、残留物は廃棄されずに再使用(再利用)される。
選別部50の選別により開口を通過した通過物は搬送路204を介して堆積部70に搬送される。搬送路204における選別部50と堆積部70との間には、搬送される通過物に対して融着させる熱可塑性樹脂等の添加物を投入する添加剤投入部60が設けられている。なお、添加物としては、融着樹脂の他、例えば、難燃剤、白色度向上剤、シート力増強剤やサイズ剤等を投入することも可能である。これらの添加物は、添加物貯留部61に貯留され、図示しない投入機構によって投入口62から投入される。なお、これら添加剤のガラス転移点温度(Tg)は、解繊処理をしているときの解繊部30内の温度より高いものとなっている。例えば、解繊処理をしているときの解繊部30内の温度が30℃から50℃である場合に、添加剤のガラス転移点温度(Tg)は、55℃から80℃である。これにより、解繊処理の際に、添加剤が軟化することがない。すなわち、解繊処理の際に、添加剤の軟化により繊維等が解繊部30の内部に付着することが無い。
また、本実施形態の添加物投入部60では、解繊部30で解繊処理された解繊物(通過物)に対して、樹脂と着色材とを一体に有する複合体を含む添加剤を投入する。なお、複合体が樹脂及び着色材を一体に有する状態とは、複合体から樹脂又は着色材が、シート製造装置1内において、バラバラになり難い(脱落し難い)状態のことをいう。すなわち、複合体が樹脂及び着色材を一体に有する状態とは、樹脂によって着色材が互いに接着されている状態、樹脂に着色材が構造的(機械的)に固定されている状態、樹脂と着色材とが静電気力、ファンデルワールス力等により凝集している状態、及び樹脂と着色材とが化学結合されている状態にあることを指す。また、複合体が樹脂及び着色材を一体に有する状態とは、着色材が樹脂に内包されている状態でも着色材が樹脂に付着している状態でもよく、その2つの状態が同時に存在する状態を含む。
複合体の成分である樹脂は、熱可塑性樹脂が適用される。熱可塑性樹脂としては、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などが挙げられる。これらの樹脂は、単独又は適宜混合して用いてもよい。また、共重合体化や変性を行ってもよく、このような樹脂の系統としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等が挙げられる。
着色材は、本実施形態のシート製造装置1によって製造されるシートPrの色を所定のものとする機能を有する。着色材としては、染料又は顔料を用いることができ、複合体において樹脂と一体とした場合に、より良好な隠ぺい力や発色性が得られる観点からは顔料を用いることが好ましい。
顔料としては、その色、種類ともに、特に限定されず、例えば、一般的なインクに使用される各種の色(白、青、赤、黄、シアン、マゼンタ、イエロー、黒、特色(パール、金属光沢)等)の顔料を使用することができる。顔料は無機顔料でもよいし、有機顔料でもよい。また、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等の白色顔料等を用いてもよい。これら顔料は、単独で用いてもよいし、適宜混合して用いてもよい。なお、白色の顔料を使用する場合には、前記例示したもののうち、酸化チタンを主成分とする粒子(顔料粒子)を含む粉体からなる顔料を使用することが、酸化チタンの屈折率の高さから、少ない配合量で、製造されるシートSにおける白色度を高めることが容易な点でより好ましい。
なお、本実施形態では、着色材との文言は、着色のための材料という意味で用いている。また、本実施形態では、顔料という場合、その単位粒子(顔料粒子)の複数が集合した粉体の意味も含む。また、単位粒子(顔料粒子)とは、通常の粉砕手段によって、それ以上小さくすることが困難な粒子のことをいう。例えば、材質が酸化チタンである白色顔料においては、その単位粒子(顔料粒子)は、酸化チタンの微結晶を一次粒子とし、当該一次粒子が複数集合したものであってもよい。この場合の一次粒子間の凝集は、化学的な結合若しくは双晶を形成して凝集している場合があり、機械的な粉砕が困難であることが多い。また、1個の顔料粒子の構造は、それ自体が一次粒子であってもよいし、一次粒子の結合体であってもよい。
複合体に樹脂及び着色材を一体に形成する形成方法は、所定の樹脂を軟化点以上の温度に加熱して顔料(着色材)と混練を行う溶融混練法や、樹脂を水や溶剤で溶解又は膨潤させて顔料と混合する方法が挙げられる。これらの方法で使用可能な装置としては、ニーダー、バンバリーミキサー、単軸押出機、多軸押出機、二本ロール、三本ロール、連続式ニーダー、連続式二本ロールなどが挙げられる。これらの方法を採用する場合には、より均一に樹脂内に顔料を分散させるために、顔料を疎水化処理しておいてもよい。また溶融混練前に、顔料の凝集塊が存在する場合には、ミキサーなどで当該凝集塊を解砕しておくこともより顔料を均一に樹脂内で分散させるのに効果的である。
そして混練後、適宜の方法でペレタイズし、粉砕により複合体を得ることができる。粉砕は、公知の粉砕方法を用いて行うことができる。用いられる粉砕機としては、ハンマーミル、ピンミル、カッターミル、パルペライザー、ターボミル、ディスクミル、スクリーンミル、ジェットミルなどが挙げられ、これらを適宜組み合わせて樹脂粒子を得ることができる。また、粉砕の工程は、まずおよその粒子径が1mm程度となるように粗く粉砕した後、目的の粒径となるように細かく粉砕するなど、段階的に行われてもよい。このような場合でも各段階において、適宜例示した装置を利用することができる。さらに複合体の粉砕の効率を高めるため凍結粉砕法を用いることもできる。このようにして得られた複合体は様々な大きさのものが含まれている場合もあり、目的とする大きさの複合体とするため、公知の分級装置を用いて分級してもよい。
複合体は、さらに凝集抑制剤を一体に有している。凝集抑制剤は、複合体に配合された場合、配合されない場合に比較して、樹脂及び着色材を一体に有する複合体を、互いに凝集させにくくする機能を有する。凝集抑制剤としては、各種使用しうるが、本実施形態のシート製造装置1では、水を使用しない又はほとんど使用しないため、複合体の表面に配置される。なお、コーティング(被覆)等でもよい。種のものを使用することが好ましい。なお、凝集抑制の効果だけを考えると、複合体は着色材を一体に有していなくてもよく、着色材を用いなくてもよい。
このような凝集抑制剤としては、無機物からなる微粒子が挙げられ、これを複合体の表面に配置することで、非常に優れた凝集抑制効果を得ることができる。
なお、凝集とは、同種又は異種の物体が、静電気力やファンデルワールス力によって物理的に接して存在する状態を指す。また、複数の物体の集合体(例えば粉体)において、凝集していない状態という場合には、必ずしも当該集合体を構成する物体のすべてが離散して配置されることを指すものではない。すなわち、凝集していない状態には、集合体を構成する物体の一部が凝集している状態も含まれ、そのような凝集した物体の量が、集合体全体の10質量%以下、好ましくは5質量%以下程度となっていても、この状態を、複数の物体の集合体において「凝集していない状態」に含めるものとする。さらに、粉体を袋詰め等した場合には、粉体の粒子同士は接触して存在する状態となるが、柔和な撹拌、気流による分散、自由落下など、粒子を破壊しない程度の外力を加えることにより、粒子を離散した状態にすることができる場合は、凝集していない状態に含めるものとする。
凝集抑制剤の材質の具体例としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、炭酸カルシウムを挙げることができる。なお、凝集抑制剤の材質の一部は、着色材の材質と同じであるが、凝集抑制剤の粒子径が着色材の粒子径より小さい点で相違する。そのため、凝集抑制剤は、製造されるシートの色調に対して大きく影響しないため、本明細書では上述の着色材とは区別可能である。ただし、シートの色調を調節する際には、凝集抑制剤の粒子径が小さくても、若干の光の散乱等の効果が生じる場合があるため、そのような効果を考慮することがより好ましい。
凝集抑制剤を複合体の表面に配置(コーティング)する方法としては、特に限定されず、上述した溶融混練等によって複合体を形成する際に樹脂及び着色材とともに凝集抑制剤を配合してもよい。しかし、このようにすると、凝集抑制剤の多くが複合体の内部に配置されるため、凝集抑制剤の添加量に対する凝集抑制効果が小さくなる。凝集抑制剤はその凝集抑制メカニズムからして、複合体のできるだけ表面に配置されることがより好ましい。複合体の表面に凝集抑制剤を配置する態様としては、コーティング、被覆等が挙げられるが、必ずしも複合体の表面全体を覆っていなくてもよい。また、被覆率は、100%を越えてもよいが、およそ300%以上となると、複合体と繊維とを結着する作用が損なわれる場合があるため、状況に応じて適宜な被覆率を選択する。
凝集抑制剤を複合体の表面へ配置する方法としては、種々の方法が考えられるが、両者を単に混ぜ合せ静電気力やファンデルワールス力によって表面に付着させるだけでも効果を奏することができるが、脱落する懸念は残る。そのため、複合体と凝集抑制剤を高速回転するミキサーに投入し均一混合する方法が好ましい。このような装置としては公知のものが使用でき、FMミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどを用いて行うことができる。このような方法により複合体の表面に凝集抑制剤の粒子を配置することができる。このような方法によって配置された凝集抑制剤の粒子は、少なくとも一部が複合体の表面に食込むような状態又はめり込んだ状態で配置される場合があり、複合体から凝集抑制剤が脱落しにくくすることができ、安定して凝集抑制効果を奏することができる。またこのような方法を用いると、水分をほとんど又は全く含まない系において、容易に上記配置を実現することができる。また、複合体に食い込まない粒子が存在しても、このような効果を十分に得ることができる。なお、凝集抑制剤の粒子が複合体の表面に食込むような状態又はめり込んだ状態は、各種の電子顕微鏡により確認することができる。
複合体に凝集抑制剤が配合されると、複合体の凝集を非常に生じにくくすることができるため、添加剤投入部60において複合体と繊維材とをさらに容易に混ぜ合せることができる。すなわち、複合体に凝集抑制剤が配合されると、複合体が速やかに空間に拡散し、非常に均一な混合材を形成することができる。
複合体は、その他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、例えば、有機溶剤、界面活性剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤等が挙げられる。
堆積部70は、搬送路204から投入された繊維を含む通過物と樹脂を含む添加物とを含む材料を用いて堆積させてウエブWを形成するものである。堆積部70は、繊維を空気中に均一に分散させる機構と、分散された繊維をメッシュベルト73上に堆積する機構を有している。なお、本実施形態にかかるウエブWとは、繊維と樹脂とを含む物体の構成形態を言う。従って、ウエブの加熱時や加圧時や切断時や搬送時等において寸法等の形態が変化した場合であってもウエブとして示している。
まず、繊維を空気中に均一に分散させる機構として、堆積部70には、繊維及び樹脂が内部に投入されるフォーミングドラム71が配置されている。そして、フォーミングドラム71を回転駆動させることにより通過物(繊維)中に樹脂(添加剤)を均一に混ぜることができる。フォーミングドラム71には複数の小孔を有するスクリーンが設けられている。そして、フォーミングドラム71を回転駆動させて、通過物(繊維)中に樹脂(添加剤)を均一に混ぜるとともに、小孔を通過した繊維や繊維と樹脂の混合物を空気中に均一に分散させることができる。
フォーミングドラム71の下方には、張架ローラー72によって張架されるメッシュが形成されているエンドレスのメッシュベルト73が配されている。そして、張架ローラー72のうちの少なくとも1つが自転することで、このメッシュベルト73が一方向に移動するようになっている。
また、フォーミングドラム71の鉛直下方には、メッシュベルト73を介して、鉛直下方に向けた気流を発生させる吸引部としてのサクション装置75が設けられている。サクション装置75によって、空気中に分散された繊維をメッシュベルト73上に吸引することができる。
そして、フォーミングドラム71の小孔スクリーンを通過した繊維等は、サクション装置75による吸引力によって、メッシュベルト73上に堆積される。このとき、メッシュベルト73を一方向に移動させることにより、繊維と樹脂を含み長尺状に堆積させたウエブWを形成することができる。フォーミングドラム71からの分散とメッシュベルト73の移動を連続的に行うことで、帯状の連続したウエブWが成形される。なお、メッシュベルト73は金属製でも、樹脂製でも、不織布でもよく、繊維が堆積でき、気流を通過させることができれば、どのようなものであってもよい。なお、メッシュベルト73のメッシュの穴径が大きすぎるとメッシュの間に繊維が入り込み、ウエブW(シート)を成形したときの凸凹になり、一方、メッシュの穴径が小さすぎると、サクション装置75による安定した気流を形成しづらい。このため、メッシュの穴径は適宜調整することが好ましい。サクション装置75はメッシュベルト73の下に所望のサイズの窓を開けた密閉箱を形成し、窓以外から空気を吸引し箱内を外気より負圧にすることで構成できる。
メッシュベルト73上に成形されたウエブWは、搬送部100によって搬送される。本実施形態の搬送部100は、メッシュベルト73から最終的にシートPr(ウエブW)としてスタッカー160に投入されるまでの間のウエブWの搬送過程を示している。従って、メッシュベルト73の他、各種ローラー等は搬送部100の一部として機能する。搬送部としては、搬送ベルトや搬送ローラーなどの少なくとも一つがあればよい。具体的には、まず、搬送部100の一部であるメッシュベルト73上に成形されたウエブWは、メッシュベルト73の回転移動により、搬送方向(図中の矢印)に従って搬送される。次いで、ウエブWは、メッシュベルト73から搬送方向(図中の矢印)に従って搬送される。なお、本実施形態では、堆積部70や搬送部100は、ウエブWを用いてシートPrを成形する成形部200の一部である。
ウエブWの搬送方向における堆積部70の下流側に加圧部が配置されている。なお、本実施形態の加圧部は、ウエブWを加圧するローラー141を有する加圧部140である。メッシュベルト73とローラー141との間にウエブWを通過させることにより、ウエブWを加圧することができる。これにより、ウエブWの強度を向上させることができる。
ウエブWの搬送方向における加圧部140よりも下流側には、切断部前ローラー120が配置されている。切断部前ローラー120は、一対のローラー121で構成されている。一対のローラー121のうち、一方が駆動制御ローラーであり、他方が従動ローラーである。
また、切断部前ローラー120を回転させる駆動伝達部にはワンウエイクラッチが用いられている。ワンウエイクラッチは、一方の方向のみに回転力を伝達するクラッチ機構を有し、逆方向に対して空転するように構成されるものである。これにより、切断部後ローラー125と切断部前ローラー120との速度差でウエブWに過度のテンションが掛けられた際、切断部前ローラー120側で空転するため、ウエブWへのテンションが抑制され、ウエブWが引きちぎられることを防止できる。
ウエブWの搬送方向における切断部前ローラー120の下流側には、搬送されるウエブWの搬送方向と交差する方向にウエブWを切断する切断部110が配置されている。切断部110は、カッターを備え、連続状のウエブWを所定の長さに設定された切断位置に従って枚葉状(シート状)に切断する。切断部110は、例えば、ロータリーカッターを適用することができる。これによれば、ウエブWを搬送させながら切断が可能となる。従って、切断時にウエブWの搬送を停止させないので、製造効率を向上させることができる。なお、切断部110は、ロータリーカッターの他、各種カッターを適用してもよい。
切断部110よりウエブWの搬送方向の下流側には、切断部後ローラー125が配置されている。切断部後ローラー125は、一対のローラー126を有している。一対のローラー126のうち、一方が駆動制御ローラーであり、他方が従動ローラーである。
本実施形態では、切断部前ローラー120と切断部後ローラー125との速度差によってウエブWにテンションをかけることができる。そして、ウエブWにテンションをかけた状態で切断部110を駆動してウエブWを切断するように構成されている。
切断部後ローラー125よりもウエブWの搬送方向の下流側に、加熱加圧部150を構成する一対の加熱加圧ローラー151が配置されている。当該加熱加圧部150は、ウエブWに含まれる繊維同士を樹脂を介して結着(定着)させるものである。加熱加圧ローラー151の回転軸中心部にはヒーター等の加熱部材が設けられており、当該一対の加熱加圧ローラー151間にウエブWを通過させることにより、搬送されるウエブWに対して加熱加圧することができる。そして、ウエブWは一対の加熱加圧ローラー151によって加熱加圧されることで、樹脂が溶けて繊維と絡みやすくなるとともに繊維間隔が短くなり繊維間の接触点が増加する。これにより、密度が高まってウエブWとしての強度が向上する。なお、本実施形態にかかる熱可塑性樹脂を含む添加剤の溶融温度(Tm)は、90℃から160℃であることから、加熱加圧部150における加熱温度は、添加剤の溶融温度(Tm)以上に設定される。
加熱加圧部150よりもウエブWの搬送方向の下流側に、ウエブWの搬送方向に沿ってウエブWを切断する後切断部130が配置されている。後切断部130は、カッターを備え、ウエブWの搬送方向における所定の切断位置に従って切断する。これにより、所望するサイズのシートPr(ウエブW)が成形される。そして、切断されたシートPr(ウエブW)はスタッカー160等に積載される。
なお、上記実施形態にかかるシートとは、古紙や純パルプなどの繊維を含むものを原料とし、シート状にしたものを主に言う。しかし、そのようなものに限らず、ボード状やウエブ状(や凸凹を有する形状で)あってもよい。また、原料としてはセルロースなどの植物繊維やPET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエステルなどの化学繊維や羊毛、絹などの動物繊維であってもよい。本願においてシートとは、紙と不織布に分かれる。紙は、薄いシート状にした態様などを含み、筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、ケント紙などを含む。不織布は紙より厚いものや低強度のもので、不織布、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マットなどを含む。
また、上記実施形態において古紙とは、主に印刷された紙を指すが、紙として成形されたものを原料とするのであれば使用したか否かに関わらず古紙とみなす。
次に、解繊部30の詳細な構成について説明する。図2に示すように、解繊部30は、冷却部300を有している。当該冷却部300は、解繊部30内を冷却するものである。解繊部30は、回転する回転刃32と回転刃を囲うカバー部33を有する。粗砕部20から供給された被解繊物としての粗砕紙は搬送路201からカバー部33内に入る。そして、回転刃32とカバー部33の間を通りながら繊維状に解きほぐす解繊処理を行う。そして、解繊された解繊物は搬送路202へ排出される。この際、回転刃と粗砕紙とが接触するため、その際の摩擦によって解繊部30内の温度が上昇する。そして、解繊処理をしているときの解繊部30内の温度が、例えば、添加剤のガラス転移点温度(Tg)よりも高くなった場合、添加剤が軟化し始め、添加剤の一部や添加剤とともに繊維が解繊部30内に付着してしまい、解繊効率が低下してしまう。このため、解繊部30内の温度が添加剤のガラス転移点温度(Tg)よりも低い状態が保持されるように、冷却部300によって解繊部30内を冷却する必要がある。
本実施形態の冷却部300はファン300であり、ファン300には解繊部30内に連通する連通路301が接続されている。そして、ファン300に連結されたファンモーターの駆動によってファン300が回転し、ファン300の回転によって解繊部30の内部に空気が送風される。ファン300による空気は、カバー部33が内部にくるように覆うハウジング部34とカバー部33の間の空間に送風される。そして、送風によってカバー部33が冷却される。カバー部33が冷却されることで、カバー部33の内部も冷却される。カバー部33の内部に空気を送風して冷却しようとすると、送風された空気により解繊される途中の被解繊物が移動してしまうため、十分に解繊できない場合がある。そのため、カバー部33の外側か、回転刃32の内部の少なくとも一方に空気を送風するのがよい。ここで、冷却とは、解繊部30内の温度を、添加剤のガラス転移点温度(Tg)よりも低くなるように施すことである。例えば、添加剤のガラス転移点温度(Tg)が55℃から80℃の範囲である場合には、解繊部30内の温度を55℃未満となるように冷却することである。
なお、ファン300による解繊部30内の冷却方法は、ファン300を常時駆動させることにより解繊部30内を常時冷却するように構成してもよいし、ファン300を定期的に駆動させることにより解繊部30内を定期的に冷却するように構成してもよい。すなわち、解繊部30内の温度が解繊処理や外部環境によって変動したとしても、添加剤のガラス転移点温度(Tg)よりも低くなるよう冷却が実行されればよい。なお、ファン300を常時駆動させる場合には、ファン300の停止制御が省かれるので、ファン300の駆動管理が容易となる。また、ファン300を定期的に駆動させる場合には、ファン300の駆動による騒音や振動を低減でき、作業環境を向上させることができる。なお、ファン300を定期的に駆動させるタイミング等は、解繊部30の駆動状況や添加剤のガラス転移点温度(Tg)条件等に合わせて適宜設定することができる。
以上、上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
添加剤が含まれる被解繊物を解繊処理する際、解繊部30の内部温度よりも添加剤のガラス転移点温度(Tg)の方が高い。換言すれば、ファン300等の駆動により解繊部30の内部が冷却されるため、解繊部30の内部が添加剤のガラス転移点温度(Tg)よりも低い状態で保持される。このため、添加剤が解繊部30の内部で軟化することが無い。従って、繊維等が解繊部30内に付着してしまうことを防止でき、解繊処理の効率を高めることができる。
添加剤が含まれる被解繊物は、本願のシート製造装置で製造されたシートである。一般的な湿式の製造方法で製造されたシートには高温になったときに溶けるような添加材は含まれていない。そのため、本願は、本願のシート製造装置で製造されたシートを用いる場合に必要な発明となる。しかし、本願のシート製造装置で製造されたシートなのか、一般的な湿式の製造方法で製造されたシートなのかの判別は難しい。そこで、どちらのシートかは判別せずに常に本願の発明を適用するのがよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、本実施形態のシート製造装置1aでは、第1実施形態にかかるシート製造装置1の解繊部30の構成が異なるが、他の構成はシート製造装置1の構成と同様なので説明を省略し、異なる部分、すなわち、解繊部30aの構成について説明する。図3は、本実施形態にかかるシート製造装置の一部構成を示す概略図であり、具体的には、本実施形態にかかるシート製造装置の制御部の一部構成を示すブロック図である。
本実施形態にかかるシート製造装置1aは、解繊部30aやファン300等を備えている。解繊部30aの基本構成は、第1実施形態の解繊部30の構成と同様なので説明を省略する。そして、解繊部30aは、解繊部30a内の温度を測定する測定部と、解繊部30a内を冷却する冷却部とを有している。測定部としては、例えば、温度センサー等であり、温度センサーを解繊部30aの内部に設置することにより解繊部30a内の温度を測定することが可能となる。そして、測定部によって測定した解繊部30a内の温度が、添加剤のガラス転移点温度を超える前に、冷却部により解繊部30a内が冷却される。以下、具体的に説明する。
図3に示すように、制御部2は、指令部230と駆動部240と表示制御部250と入力検知部とを備えている。指令部230は、CPU232、記憶手段としてのROM233,RAM234および入出力インターフェイス231からなり、CPU232が入出力インターフェイス231を介して入力される各種信号を、ROM233、RAM234のデータに基づき処理し、入出力インターフェイス231を介して駆動部240へ制御信号を出力する。CPU232は、例えば、ROM233に記憶された印刷プログラムに基づいて、各種制御を行う。
駆動部240は、解繊駆動部241、ファン駆動部242等からから構成されている。そして、指令部230の制御信号により、解繊駆動部241は、解繊モーターを制御し、ファン駆動部242は、ファンモーターを制御する。
また、制御部2の指令部230には、入出力インターフェイス231を介して、表示制御部250が接続されている。そして、表示制御部250には表示部4(モニター)が接続されている。また、制御部2の指令部230には、入出力インターフェイス231を介して、入力検知部260が接続されている。そして、入力検知部260には測定部とマウスやキーボード等の入力装置が接続されている。これにより、測定部で測定した温度等を表示部4に表示させることができる。また、入力装置を用いて各種条件設定等を行うことができる。
次に、本実施形態にかかるシート製造装置の制御方法について説明する。まず、解繊部30a内の温度に基づいて、解繊部30aの回転刃を回転させる解繊モーターの駆動制御によって解繊部30a内を冷却する方法について説明する。
まず、被解繊物を解繊するため解繊部30aを駆動させる。具体的には、解繊部30aの解繊モーターを駆動させ、粗砕部20から投入される被解繊物の解繊処理を行う。また、測定部は解繊部30a内の温度を測定する。そして、例えば、測定された解繊部30a内の温度は表示部4に表示させることが可能となる。
そして、測定した解繊部30a内の温度が添加剤のガラス転移点温度(Tg)を超える前に、解繊部30を停止する。具体的には、測定した解繊部30a内の温度が添加物のガラス転移点温度(Tg)を超える前に、解繊モーターの駆動を停止させる。解繊モーターの駆動を停止させることにより、解繊処理が停止する。これにより、解繊部30aの回転刃と被解繊物としての粗砕紙との衝突がなくなり、摩擦熱の発生がなくなり、解繊部30a内の温度が低下(冷却)される。解繊モーターを停止させる解繊部30a内の温度は、添加物のガラス転移点温度(Tg)未満の温度で、適宜設定することができる。なお、例えば、添加物のガラス転移点温度(Tg)が55℃から80℃の範囲である場合には、解繊部30a内の温度が30℃から50℃の範囲で保持できるように、解繊部30a内の温度の測定結果に基づいて解繊モーターの駆動を制御する。
次に、解繊部30aの回転刃を回転させる解繊モーターの駆動制御によって解繊部30a内を冷却する他の方法について説明する。
まず、被解繊物を解繊するため解繊部30aを駆動させる。具体的には、解繊部30aの解繊モーターを駆動させ、粗砕部20から投入される被解繊物の解繊処理を行う。また、測定部は解繊部30a内の温度を測定する。そして、例えば、測定された解繊部30a内の温度は表示部4に表示させる。
そして、測定した解繊部30a内の温度が添加剤のガラス転移点温度(Tg)を超える前に、解繊部30の回転速度を遅くする。具体的には、測定した解繊部30a内の温度が添加物のガラス転移点温度(Tg)を超える前に、解繊モーターの回転速度を遅くする。解繊モーターの回転速度を低減させることにより、解繊部30aの回転刃と被解繊物としての粗砕紙との接触頻度が低下され、摩擦熱の発生が低減される。これにより、解繊部30a内の温度が低下(冷却)される。解繊モーターの回転速度を低減させる解繊部30a内の温度は、添加物のガラス転移点温度(Tg)未満の温度で、適宜設定することができる。なお、例えば、添加物のガラス転移点温度(Tg)が55℃から80℃の範囲である場合には、解繊部30a内の温度が30℃から50℃の範囲で保持できるように、解繊部30a内の温度の測定結果に基づいて解繊モーターの駆動を制御する。
次に、解繊部30aに解繊部30a内を冷却するファン300を備えた場合において、解繊部30a内の温度に基づいて、ファン300のファンモーターの駆動制御によって解繊部30a内を冷却する方法について説明する。
まず、被解繊物を解繊するため解繊部30aを駆動させる。具体的には、解繊部30aの解繊モーターを駆動させ、粗砕部20から投入される被解繊物の解繊処理を行う。また、測定部は解繊部30a内の温度を測定する。そして、例えば、測定された解繊部30a内の温度を表示部4に表示される。
そして、測定した解繊部30a内の温度が添加剤のガラス転移点温度(Tg)を超える前に、ファン300を駆動させる。具体的には、測定した解繊部30a内の温度が添加物のガラス転移点温度(Tg)を超える前に、ファンモーターを駆動させる。これにより、解繊部30a内に空気が送風され、解繊部30a内の温度が低下(冷却)される。ファンモーターを駆動させる解繊部30a内の温度は、添加物のガラス転移点温度(Tg)未満の温度で、適宜設定することができる。なお、例えば、添加物のガラス転移点温度(Tg)が55℃から80℃の範囲である場合には、解繊部30a内の温度が30℃から50℃の範囲で保持できるように、解繊部30a内の温度の測定結果に基づいてファンモーターの駆動を制御する。
以上、上記実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
解繊部30a内の温度が測定部によって測定され、解繊部30a内の温度が添加物のガラス転移点温度を超える前に、解繊モーターの駆動制御やファンモーターの駆動制御によって解繊部30aが冷却される。これにより、効率よく解繊部30a内を冷却することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)上記第1及び第2実施形態では、解繊モーターやファンモーター等の駆動制御による空冷方式によって、解繊部30,30a内を冷却したが、この構成に限定されない。例えば、水冷方式や冷媒方式等によって解繊部30,30a内を冷却する構成であってもよい。この場合、解繊部30,30a内に水や冷媒を流動させるための管路を配置してもよいし、解繊部30,30aの外側に水や冷媒を流動させるための管路を配置してもよい。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる。
(変形例2)上記第1及び第2実施形態では、解繊モーターやファンモーター等の駆動制御によって、解繊部30,30a内を冷却したが、この構成に限定されない。例えば、解繊部30,30aに投入される被解繊物の投入量を制御するように構成してもよい。具体的には、解繊部30a内の温度が添加物のガラス転移点温度(Tg)を超える前に、解繊部30,30aに投入される被解繊物の投入量を減らす。このようにすれば、解繊部30,30aにおける解繊処理量が減るため、回転刃と被解繊との接触による摩擦熱の発生が低減される。従って、解繊部30,30a内の温度を確実に低下(冷却)することができる。
(変形例3)上記第1及び第2実施形態では、解繊モーターやファンモーター等の駆動制御によって、解繊部30,30a内を冷却したが、この構成に限定されない。例えば、解繊部30,30aの外形面を凹凸形状としてもよい。このようにすれば、空気との接触面積が増えるため、空冷により解繊部30,30a内を冷却することができる。
(変形例4)上記第1及び第2実施形態、その他変形例にかかる形態を適宜組み合わせた構成としてもよい。このようにすれば、効率よく解繊部30,30a内を冷却することができる。