JP2015136878A - 紙製造装置、紙製造方法及びこれらにより製造される紙 - Google Patents

紙製造装置、紙製造方法及びこれらにより製造される紙 Download PDF

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Abstract

【課題】乾式法によって、機械的強度及び/又は耐水性の良好な紙を製造することのできる紙製造装置を提供する。【解決手段】本発明に係る紙製造装置は、被解繊物を大気中で解繊する解繊部と、解繊された解繊物に樹脂を含む添加物を大気中で混合する混合部と、前記解繊物と前記添加物とを混合した混合物を加熱する加熱部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、紙製造装置、紙製造方法及びこれらにより製造される紙に関する。
紙は古くから抄造(抄紙)によって製造されてきた。最近においても、紙を製造する典型的な方法として抄造法が広く用いられている。抄造法で製造される紙は、一般に、例えば木材等に由来するセルロースの繊維が互いに絡み合い、水素結合などの結着力によって部分的に結着されている構造を有する。
しかし抄造法は湿式であり、大量の水を使用する必要があり、また、紙が形成された後、脱水・乾燥等の必要が生じ、そのために費やすエネルギーや時間が非常に大きい。さらに、使用した水は排水として適切に処理する必要がある。また抄造法に用いる装置は、水、電力、排水設備等の大型のユーティリティーやインフラストラクチャーが必要となることが多く、小型化することは難しい。
そのため、省エネルギー、環境保護等の観点から、抄造法に代る紙の製造方法として、乾式法と称する水を全く又はほとんど用いない方法が期待されており、例えば、特許文献1には、乾式のプロセスで、原料となる紙を解繊、脱墨し、紙の強度を向上させるために少量の水分を添加して紙を成形する紙再生装置が開示されている。
特開2012−144819号公報
紙に求められる性能としては、例えば引張強度、引裂強度などの機械的強度がある。特許文献1に記載の紙再生装置によって得られる紙は、水分を全く添加しない場合に比較すれば、強度の向上が図られていると考えられる。特許文献1に記載の技術では、紙の成型時に添加される水分は、紙を構成するセルロース繊維間の結着力として、水酸基に由来する水素結合を誘起する働きがあるものと考えられる。そして、紙が乾燥している状態であれば、水素結合によってある程度、紙の機械的強度を高めることができると考えられる。
しかしながら、水素結合は、水が存在することにより結合力が低下する。そのため、繊維間の結着力として水素結合を利用する紙では、高湿度環境に置かれたり、水に濡れたりした場合に、機械的強度の不足や形状の変形が生じることがあった。また水分を添加することで、水分を添加しない場合に比べてある程度の機械的強度を高めることはできるものの、それでも十分な機械的強度があるとは言えなかった。
本発明の幾つかの態様に係る目的の1つは、乾式法によって、機械的強度及び/又は耐水性の良好な紙を製造することのできる紙製造装置、紙製造方法、及びこれらにより得られる機械的強度及び/又は耐水性の良好な紙を提供することにある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するために為されたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
本発明に係る紙製造装置の一態様は、被解繊物を大気中で解繊する解繊部と、解繊された解繊物に樹脂を含む添加物を大気中で混合する混合部と、前記解繊物と前記添加物とを混合した混合物を加熱する加熱部と、を備える。
このような紙製造装置によれば、混合部によって樹脂を含む添加物と解繊物とを大気中で混合する。また、加熱部によって解繊物中の繊維を添加物中の樹脂を溶融させることによって結着する。すなわち、樹脂により解繊物の繊維間の結着力を付与することができる。したがって、このような紙製造装置によれば、乾式法によって、機械的強度の高い紙を製造することができる。また、このような紙製造装置によって製造される紙は、例えば高湿度環境に置かれたり水に濡れたりして、解繊物間の水素結合の結合力が低下したとしても、樹脂によって解繊物間の結着が維持されるため、機械的強度が保たれるとともに形状の変化を生じにくい。したがって、このような紙製造装置によれば、耐水性の良好な紙を製造することができる。
本発明に係る紙製造装置において、前記加熱部よりも前又は後に、加熱せずに前記混合物を加圧する加圧部を有してもよい。
このような紙製造装置によれば、表面の平滑度がより高い紙を製造することができる。特に、加熱部よりも前に加圧部を有すると、加圧して混合物の厚みを薄くした状態で加熱することになる。これにより、混合物の繊維と繊維が接近した状態で樹脂が溶融するので、繊維同士が確実に結着し、薄くて機械的強度の高い紙を製造することができる。
本発明に係る紙製造装置において、前記被解繊物は、古紙であってもよく、前記解繊部と前記混合部との間に、前記解繊物を分級する分級部を有してもよい。
このような紙製造装置によれば、古紙に含まれるトナー等の成分を除去することができる。これにより製造される紙の白色度を向上することができる。また、トナー等の不純物が除かれ、繊維と樹脂の結着を阻害する要因が取り除かれるので、機械的強度の高い紙を製造することができる。
本発明に係る紙製造装置において、前記添加物は、少なくとも前記樹脂と凝集抑制剤とを一体に有する複合体を含んでもよい。
樹脂と凝集抑制剤を別体にして解繊物に混合しても、凝集した樹脂同士のさらなる凝集を抑制する効果はあるが、樹脂単体が凝集するのを抑制することはできない。この場合、樹脂が均一に分散できず、強度の強い箇所と弱い箇所ができてしまう。一方、このような紙製造装置によれば、樹脂を含む添加物(複合体)が、凝集抑制剤を一体に有しているため、凝集抑制効果を奏することができる。そのため、混合部において、解繊物に対して複合体がより均一に分散するように混合されることができる。これにより、さらに機械的強度及び耐水性に優れた紙を製造することができる。
本発明に係る紙製造装置において、前記複合体は、着色材を一体に有してもよい。
このような紙製造装置によれば、複合体が、着色材及び樹脂を一体に有するため、着色材が複合体から脱離しにくい。そして、複合体と解繊物とを結着するので、着色材は複合体からも脱離しにくくなる。そのため、色ムラが抑制されて着色された紙を製造することができる。
本発明に係る紙の一態様は、古紙を大気中で解繊して得られた解繊物と、樹脂と凝集抑制剤とを一体に有する複合体と、を含み、前記解繊物と、前記複合体とが、結着されてい
る。
このような紙は、樹脂を含む複合体によって解繊物が結着されるため、機械的強度が高い。またこのような紙は、例えば高湿度環境に置かれたり水に濡れたりして、解繊物間の水素結合の結合力が低下したとしても、複合体に一体となった樹脂によって解繊物間の結着が維持されるため、機械的強度が保たれるとともに形状の変化を生じにくく耐水性が良好である。
本発明に係る紙製造方法の一態様は、上述の紙製造装置を用い、前記解繊物と、樹脂と凝集抑制剤とを一体に有する複合体と、を混ぜ合せる工程と、前記解繊物と、前記複合体と、を結着させる工程と、を含む。
このような紙製造方法によれば、樹脂と凝集抑制剤とを一体に有する複合体と解繊物とを大気中で混合し、加熱により解繊物と複合体とを結着させるため、解繊物間に樹脂による結着力を生じさせることができる。したがって、このような紙製造方法によれば、乾式法によって、機械的強度の高い紙を製造することができる。また、このような紙製造方法によって製造される紙は、例えば高湿度環境に置かれたり水に濡れたりして、解繊物の繊維間の水素結合の結合力が低下したとしても、樹脂によって解繊物間の結着が維持されるため、機械的強度が保たれるとともに形状の変化を生じにくい。したがって、このような紙製造方法によれば、耐水性の良好な紙を製造することができる。
本発明に係る紙の一態様は、上述の紙製造方法によって製造される。
このような紙は、樹脂を含む複合体によって解繊物が結着されるため、機械的強度が高い。またこのような紙は、例えば高湿度環境に置かれたり水に濡れたりして、解繊物間の水素結合の結合力が低下したとしても、複合体に一体となった樹脂によって解繊物間の結着が維持されるため、機械的強度が保たれるとともに形状の変化を生じにくく耐水性が良好である。
実施形態に係る紙製造装置の概略を示す模式図。 実施形態に係る複合体の断面の幾つかの例を示す模式図。 実施形態に係る紙製造装置の要部の模式図。
以下に本発明の幾つかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.紙製造装置
本実施形態に係る紙製造装置100は、解繊部20と、混合部30と、加熱部40と、を備える。図1は、本実施形態に係る紙製造装置100を概略的に示す模式図である。以下、本実施形態の紙製造装置100について、解繊部20、混合部30、及び加熱部40を中心として説明する。
1.1.解繊部
解繊部20は、被解繊物を解繊処理する。解繊部20は、被解繊物を解繊処理することにより、繊維状に解きほぐされた解繊物を生成する。また解繊部20は、被解繊物に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の粒子状の物質を、繊維から分離させる機
能をも有する。
ここで、「解繊処理」とは、複数の繊維が結着されてなる被解繊物を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20を通過したものを「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂(複数の繊維同士を結着させるための樹脂)粒や、インク、トナー、にじみ防止材等のインク粒を含んでいる場合もある。解きほぐされた解繊物の形状は、ひも(string)状や平ひも(ribbon)状である。解きほぐされた解繊物は、他の解きほぐされた繊維と絡み合っていない状態(独立した状態)で存在してもよいし、他の解きほぐされた解繊物と絡み合って塊状となった状態(いわゆる「ダマ」を形成している状態)で存在してもよい。
さらに本明細書では、紙製造装置において、製造される紙の材料(原料、被解繊物、解繊物、ウェブ等)の流れ(概念的な流れを含む)に対して、「上流」、「下流」等の表現を用いる。また、「上流側(下流側)」という表現は、構成の位置を相対的に特定する場合に用い、例えば、「AがBの上流側(下流側)にある」などという場合には、Aの位置がBの位置に対して、紙の材料の流通方向に照らして上流(下流)にあることを指す。
解繊部20は、後述する混合部30よりも上流側に設けられる。解繊部20と混合部30との間に他の構成が設けられてもよい。また、解繊部20よりも上流側にも他の構成が設けられてもよい。
解繊部20は、被解繊物を解繊処理する機能を有する限り任意である。解繊部20は、大気中(空気中)において乾式で解繊を行う。図示の例では、導入口21から導入された被解繊物が、解繊部20によって解繊され、解繊物(繊維)となり、排出口22から排出される解繊物が、管82、分級部50、管86を介して混合部30に供給される態様となっている。
また、本明細書において、乾式とは、液体中ではなく大気中(空気中)でという意味である。乾式の範疇には、乾燥状態、及び不純物として存在する液体又は意図的に添加される液体が存在する状態、が含まれる。
解繊部20の構成は特に限定されないが、例えば、回転部(回転子)とこれを覆う固定部とを含み、回転部と固定部との間に隙間(ギャップ)が形成されたものを挙げることができる。解繊部20がこのように構成される場合には、回転部が回転した状態で被解繊物がギャップに導入されることにより、解繊処理が行われる。また、この場合には、回転部の回転数、形状、固定部の形状等は、製造される紙の性質や全体の装置構成等の要請に合わせて適宜に設計されることができる。また、この場合、回転部の回転速度(1分あたりの回転数(rpm))は、解繊処理のスループット、被解繊物の滞留時間、解繊の程度、ギャップの大きさ、回転部、固定部、その他の各部材の形状や大きさ等の条件を考慮して、適宜に設定することができる。
なお、解繊部20は、被解繊物を吸引し、及び/又は、解繊物を排出するような気流を発生させる機能を有することがより好ましい。この場合、解繊部20は、自ら発生する気流によって、導入口21から、被解繊物を気流と共に吸引し、解繊処理して、排出口22へと搬送することができる。排出口22から排出された解繊物は、図1に示す例では、管82に移送される。なお、気流発生機構を有していない解繊部20を用いる場合には、被解繊物を導入口21に導く気流や、排出口22から解繊物を吸出す気流を発生する機構を外付けで設けても差支えない。
1.1.1.被解繊物
本明細書において、被解繊物とは、紙製造装置100の原材料を含む物品のことを指し、例えば、パルプシート、紙、古紙、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マット、段ボールなどの、繊維が絡み合い又は結着されたものを指す。また、被解繊物には、レーヨン、リヨセル、キュプラ、ビニロン、アクリル、ナイロン、アラミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリイミド、炭素、ガラス、金属からなる繊維等(有機繊維、無機繊維、有機無機複合繊維)が含まれていてもよい。また、本実施形態の紙製造装置100において、後述する分級部50が備えられる場合には、被解繊物として特に古紙を有効に利用することができる。
1.1.2.解繊物
本実施形態の紙製造装置100において、製造される紙の材料の一部として使用される解繊物は、特に限定されず、紙を形成しうる限り広範な解繊物を用いることができる。解繊物は、上述の被解繊物を解繊処理して得られる繊維を含み、係る繊維として、天然繊維(動物繊維、植物繊維)、化学繊維(有機繊維、無機繊維、有機無機複合繊維)などが挙げられる。解繊物に含まれる繊維としては、更に詳しくは、セルロース、絹、羊毛、綿、大麻、ケナフ、亜麻、ラミー、黄麻、マニラ麻、サイザル麻、針葉樹、広葉樹等からなる繊維が挙げられ、これらを単独で用いてもよいし、適宜混合して用いてもよいし、精製などを行った再生繊維として用いてもよい。解繊物は、製造される紙の材料となるが、これらの繊維の少なくとも1種を含んでいればよい。また、解繊物(繊維)は、乾燥されていてもよいし、水、有機溶剤等の液体が含有又は含浸されていてもよい。さらに解繊物(繊維)は、各種の表面処理が施されていてもよい。
本実施形態で使用される解繊物に含まれる繊維は、独立した1本の繊維としたときに、その平均的な直径(断面が円でない場合には長手方向に垂直な方向の長さのうち、最大のもの、又は、断面の面積と等しい面積を有する円を仮定したときの当該円の直径(円相当径))が、平均で、1μm以上1000μm以下、好ましくは、2μm以上500μm以下、より好ましくは3μm以上200μm以下である。
本実施形態で使用される解繊物に含まれる繊維の長さは、特に限定されないが、独立した1本の繊維として、その繊維の長手方向に沿った長さは、1μm以上5mm以下、好ましくは、2μm以上3mm以下、より好ましくは3μm以上2mm以下である。繊維の長さが短い場合は、添加物(複合体)と結着しにくいため、紙の強度が不足する場合があるが、上記範囲であれば十分な強度の紙を得ることができる。繊維の長手方向に沿った長さとは、独立した1本の繊維の両端を必要に応じて破断しないように引張り、その状態でほぼ直線状の状態に置いたときの両端間の距離(繊維の長さ)であってもよい。また、繊維の平均の長さは、長さ−長さ加重平均繊維長として、20μm以上3600μm以下、好ましくは200μm以上2700μm以下、より好ましくは300μm以上2300μm以下である。さらに、繊維の長さは、ばらつき(分布)を有してもよい。
本明細書では、繊維というときには、繊維1本のことを指す場合と、複数の繊維の集合体(例えば綿のような状態)のことを指す場合とがあり、また、解繊物というときには、複数の繊維が含まれる材料のことを指し、繊維の集合という意味及び紙の原料となる材料(粉体又は綿状の物体)という意味を含むものとする。
1.2.混合部
本実施形態の紙製造装置100に備えられる混合部30は、解繊物と、樹脂を含む添加物と、を大気中で混合する(混ぜ合せる)機能を有する。混合部30では、少なくとも解繊物及び添加物が混ぜ合される。混合部30においては、解繊物及び添加物以外の成分が混ぜ合されてもよい。本明細書において「解繊物と添加物とを混ぜ合せる」とは、一定容
積の空間(系)内で、解繊物に含まれる繊維と繊維との間に添加物を位置させることを意味する。
混合部30は、解繊物(繊維)と添加物とを混ぜ合せることができれば、その構成、構造及び機構等は特に限定されない。また、混合部30における混ぜ合せの処理の態様は、回分処理(バッチ処理)であっても、逐次処理、連続処理のいずれであってもよい。また、混合部30は、手動で動作されても自動で動作されてもよい。さらに、混合部30は、少なくとも解繊物及び添加物を混ぜ合せるが、その他の成分を混ぜ合せることのできる態様であってもよい。
混合部30は、上述の解繊部20よりも下流側に設けられる。また、混合部30は、後述する加熱部40の上流側に設けられる。混合部30と加熱部40との間には、他の構成が含まれてもよい。そのような他の構成としては、混合された解繊物及び添加物の混合物をほぐすほぐし部70、混合物をウェブ状に成形するシート成形部75、ウェブ状に堆積された混合物に圧力を印可する加圧部60(いずれも後述する。)などが挙げられるがこれらに限定されない。なお、混合部30によって混ぜ合された混合物は、ほぐし部70等の他の構成によってさらに混ぜ合されてもよいため、ほぐし部70も混合部とみなせる。
混合部30における混ぜ合せの処理としては、機械的な混合、流体力学的な混合を例示することができる。機械的な混合としては、繊維(解繊物)及び添加物を、例えば、ヘンシェルミキサー等に導入して撹拌する方法や、袋に繊維(解繊物)及び添加物を封入して該袋を振とうする方法などが挙げられる。また、流体力学的な混ぜ合せの処理としては、例えば、大気等の気流中に繊維(解繊物)及び添加物を導入して気流中で相互に拡散させる方法が挙げられる。係る大気等の気流中に繊維(解繊物)及び添加物を導入する方法では、解繊物の繊維が気流によって流動(移送)されている管等に添加物を投入してもよいし、添加物の粒子が気流によって流動(移送)されている管等に繊維(解繊物)を投入してもよい。なお、係る方法の場合には、管等の中の気流は、乱流であるほうが混ぜ合せの効率がよくなることがあるためより好ましい。
混合部30は、添加物を解繊物の流通経路に導入するフィーダーを含んで構成されてもよい。例えば、図1に示すように、混合部30として、解繊物の移送のために管86を採用する場合、大気等の気流により解繊物を流動させた状態で添加物を添加物供給部88によって導入する方法がある。混合部30に管86を採用する場合における気流の発生手段としては、図示せぬブロワーなどが挙げられ、上記の機能が得られる限り、適宜に使用することができる。
混合部30に管86を採用する場合における添加物(複合体である場合も含む。)の導入は、弁の開閉操作や作業者の手で行うこともできるが、添加物供給部88としての図1に示すようなスクリューフィーダーや図示せぬディスクフィーダーなどを用いて行うことができる。これらのフィーダーを用いると、気流の流れ方向における添加物の含有量(添加量)の変動を小さくすることができるためより好ましい。また、添加物を気流によって移送して、当該気流に解繊物を導入する場合でも同様である。図示の例では、添加物は、添加物供給部88から管86に設けられた供給口87を通じて管86に供給される。したがって、図示の例では、混合部30は、管86の一部、添加物供給部88及び供給口87によって構成されている。
本実施形態の紙製造装置100では、混合部30は、乾式の態様である。ここで、混合における「乾式」とは、液体中ではなく大気中(空気中)で混合させる状態をいう。すなわち、混合部30は、乾燥状態で動作してもよいし、不純物として存在する液体又は意図的に添加される液体が存在する状態で動作してもよい。液体を意図的に添加する場合には
、後の工程において、係る液体を加熱等により除去するためのエネルギーや時間が大きくなりすぎない程度に添加することが好ましい。
混合部30の処理能力は、解繊物及び添加物を混ぜ合せることができる限り、特に限定されず、紙製造装置100の製造能力(スループット)に応じて適宜設計、調節することができる。混合部30の処理能力の調節は、バッチ処理の態様であれば、その処理容器の大きさや仕込み量などを変化させて行うことができ、また、混合部30として上述したような管86、添加物供給部88を採用する場合には、管86内の解繊物及び添加物を移送するための気体の流量や、材料の導入量、移送量等を変化させることにより行うことができる。なお、混合部30として、図示のような管86及び添加物供給部88を採用する場合においても、解繊物及び添加物を十分に混ぜ合せることができる。
添加物供給部88から供給される添加物は、複数の繊維を結着させるための樹脂を含む。添加物が管86に供給された時点では、解繊物に含まれる複数の繊維は、解繊が不十分である場合を除き、意図的には互いに結着されていない。添加物に含まれる樹脂は、後述する加熱部40を通過する際に溶融又は軟化して、その後硬化することにより複数の繊維を結着させることとなる。
1.2.1.添加物
添加物供給部88から供給される添加物は、樹脂を含む。係る樹脂の種類としては、天然樹脂、合成樹脂のいずれでもよく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。本実施形態の紙製造装置100においては、樹脂は、常温で固体である方が好ましく、加熱部40における熱によって繊維を結着することに鑑みれば熱可塑性樹脂がより好ましい。
天然樹脂としては、ロジン、ダンマル、マスチック、コーパル、琥珀、シェラック、麒麟血、サンダラック、コロホニウムなどが挙げられ、これらを単独又は適宜混合したものが挙げられ、また、これらは適宜変性されていてもよい。
合成樹脂のうち熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。
また、合成樹脂のうち熱可塑性樹脂としては、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などが挙げられる。
これらの樹脂は、単独又は適宜混合して用いてもよい。また、共重合体化や変性を行ってもよく、このような樹脂の系統としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等が挙げられる。
添加物は、繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。添加物が繊維状である場合、添加物の繊維長は、解繊物の繊維長以下であることが好ましい。具体的には、添加物の繊維長は、3mm以下、より好ましくは2mm以下である。添加物の繊維長が3mmより大きいと、解繊物と均一性よく混合することが困難となる場合がある。添加物が粉末状である場合、添加物の粒径(直径)は、1μm以上50μm以下、より好ましくは2μm以上20μm以下である。添加物の粒径が1μmより小さいと、解繊物中の繊維同士を結着
させる結着力が低下する場合がある。添加物の粒径が20μmより大きいと、解繊物と均一性よく混合することが困難な場合があり、また解繊物への付着力が低下して解繊物から離脱してしまい、製造される紙にムラ等を生じる場合がある。
添加物供給部88から供給される添加物の量は、製造される紙の種類に応じて、適切に設定される。図示の例では、供給された添加物は、混合部30を構成する管86内で解繊物と混合される。
なお、添加物は、樹脂以外に、その他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、凝集抑制剤、着色材、有機溶剤、界面活性剤、防黴剤・防腐剤、酸化防止剤・紫外線吸収剤、酸素吸収剤等が挙げられる。以下、凝集抑制剤、着色材について詳述する。
1.2.1.1.凝集抑制剤
添加物は、解繊物を結着させる樹脂の他、解繊物中の繊維同士の凝集や添加物中の樹脂同士の凝集を抑制するための凝集抑制剤を含んでもよい。また、添加物に凝集抑制剤を含ませる場合には、樹脂と凝集抑制剤とは一体化させることが好ましい。すなわち、添加物に凝集抑制剤を含ませる場合には、添加物は、樹脂と凝集抑制剤とを一体に有する複合体であることが好ましい。
本明細書では、複合体というときには、樹脂を成分の一つとして他のものと一体に形成された粒子をいう。他のものとは、凝集抑制剤や着色材などをいうが、主成分となる樹脂と異なる形状、大きさ、材質、機能を有するものも含まれる。
添加物に、凝集抑制剤が配合された場合には、配合されない場合に比較して、樹脂及び凝集抑制剤を一体に有する複合体を、互いに凝集させにくくすることができる。凝集抑制剤としては、各種使用しうるが、本実施形態の紙製造装置100では、水を使用しない又はほとんど使用しないため、複合体の表面に配置される(コーティング(被覆)等でもよい。)種のものを使用することが好ましい。
このような凝集抑制剤としては、無機物からなる微粒子が挙げられ、これを複合体の表面に配置することで、非常に優れた凝集抑制効果を得ることができる。なお、凝集とは、同種又は異種の物体が、静電気力やファンデルワールス力によって物理的に接して存在する状態を指す。また、複数の物体の集合体(例えば粉体)において、凝集していない状態という場合には、必ずしも当該集合体を構成する物体のすべてが離散して配置されることを指すものではない。すなわち、凝集していない状態には、集合体を構成する物体の一部が凝集している状態も含まれ、そのような凝集した物体の量が、集合体全体の10質量%以下、好ましくは5質量%以下程度となっていても、この状態を、複数の物体の集合体において「凝集していない状態」に含めるものとする。さらに、粉体等を袋詰め等した場合には、粉体の粒子同士は接触して存在する状態となるが、柔和な撹拌、気流による分散、自由落下など、粒子を破壊しない程度の外力を加えることにより、粒子を離散した状態にすることができる場合は、凝集していない状態に含めるものとする。
凝集抑制剤の材質の具体例としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、炭酸カルシウムを挙げることができる。なお、凝集抑制剤の材質の一部(例えば酸化チタンなど)は、着色材の材質と同じとなるが、凝集抑制剤の粒子径は着色材の粒子径よりも小さい点で相違する。そのため、凝集抑制剤は、製造される紙の色調に対して大きく影響せず、着色材とは区別可能である。ただし、紙の色調を調節する際には、凝集抑制剤の粒子径が小さくても、若干の光の散乱等の効果が生じる場合があるため、そのような効果を考慮することがより好ましい。
凝集抑制剤の粒子の平均粒子径(数平均粒子直径)は、特に限定されないが、好ましくは、0.001〜1μmであり、より好ましくは、0.008〜0.6μmである。凝集抑制剤の粒子は、いわゆるナノパーティクルの範疇に近く、粒子径が小さいことから、一次粒子となっていることが一般的である。しかし、凝集抑制剤の粒子は、一次粒子の複数が結合して高次の粒子となっていてもよい。凝集抑制剤の一次粒子の粒子径が上記範囲内であれば、樹脂の表面に良好にコーティングを行うことができ、複合体の十分な凝集抑制効果を付与することができる。樹脂粒子の表面に凝集抑制剤が配置された複合体の粉体は、ある複合体と他の複合体の間に凝集抑制剤が存在することになり、互いの凝集が抑制される。なお、樹脂と凝集抑制剤とを一体でなく別体とする場合には、ある樹脂粒子と他の樹脂粒子の間に凝集抑制剤が常に存在するとは限らないため、樹脂粒子同士の凝集抑制効果は一体とした場合に比較して小さくなる場合がある。
樹脂と凝集抑制剤とを一体にした複合体における凝集抑制剤の含有量は、複合体100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下が好ましい。このような含有量であれば、上記効果を得ることができる。また、上記効果を高め及び/又は製造される紙から凝集抑制剤が脱落することを抑制する、などの観点からすると、含有量は複合体100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上4質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上3質量部以下である。
凝集抑制剤を樹脂の表面へ配置する場合、複合体表面における凝集抑制剤が被覆する割合(面積比:本明細書ではこれを被覆率と称する場合がある。)は、20%以上100%以下とすれば、十分な凝集抑制効果を得ることができる。被覆率は、FMミキサー等の装置への仕込みによって調節することができる。さらに凝集抑制剤、樹脂の比表面積が既知であれば、仕込み時の各成分の質量(重量)によって調節することもできる。また、被覆率は、各種の電子顕微鏡により測定することもできる。なお、凝集抑制剤が、樹脂から脱落しにくい態様で配置された複合体では、凝集抑制剤と樹脂とが一体であるということができる。
複合体に凝集抑制剤が配合されると、複合体の凝集を非常に生じにくくすることができるため、混合部30において添加物(複合体)と解繊物とをさらに容易に混ぜ合せることができる。すなわち、添加物に樹脂との複合体として凝集抑制剤が配合されると、複合体が速やかに空間に拡散し、凝集抑制剤が配合されない場合に比較して、より均一な解繊物と添加物との混合物を形成することができる。
1.2.1.2.着色材
添加物は、解繊物の繊維を結着させる樹脂の他、着色材を含んでもよい。また、添加物に着色材を含ませる場合には、樹脂と着色材とは一体化されることが好ましい。すなわち、添加物は、樹脂と着色材とを一体に有する複合体であることが好ましい。また、複合体が上述の凝集抑制剤を含む場合においても、樹脂と着色材と凝集抑制剤とを一体に有する複合体とすることができる。すなわち、添加物は、樹脂と凝集抑制剤と着色材とを一体に有する複合体を含むことができる。
樹脂及び着色材を一体に有する複合体とは、着色材が紙製造装置100内において、及び/又は、製造される紙において、バラバラになり難い(脱落し難い)状態のことをいう。すなわち、樹脂及び着色材を一体に有する複合体とは、樹脂によって着色材が互いに接着されている状態、樹脂に着色材が構造的(機械的)に固定されている状態、樹脂と着色材とが静電気力、ファンデルワールス力等により凝集している状態、及び樹脂と着色材とが化学結合されている状態にあることを指す。また、複合体が樹脂及び着色材を一体に有する状態とは、着色材が樹脂に内包されている状態でも着色材が樹脂に付着している状態
でもよく、その2つの状態が同時に存在する状態を含む。
図2は、樹脂と着色材又を一体に有した複合体の断面について、幾つかの態様を模式的に示している。樹脂及び着色材を一体に有した複合体の具体的な態様の一例としては、図2(a)〜(c)に示すような、樹脂1の内部に単数又は複数の着色材2を分散して内包した構造を有する複合体3や、図2(d)に示すように樹脂1の表面に単数又は複数の着色材2が付着した複合体3が挙げられる。本実施形態の紙製造装置100では、複合体として、このような複合体3の集合(粉体)を使用することができる。
図2(a)は、複合体3を構成する樹脂1の中に、複数の着色材2(粒子として描写されている。)が分散された構造を有する複合体3の一例を示している。このような複合体3は、樹脂1をマトリックスとして、着色材2がドメインとして分散した、いわゆる海島構造となっている。この例では、着色材2が樹脂1に囲まれた状態であるため、樹脂部分(マトリックス)を通り抜けて着色材2が樹脂1の外へ離脱しにくい。そのため、紙製造装置100内で各種の処理を受ける際や紙に成形された際に、着色材2が樹脂部分から脱落しにくい状態となっている。この場合の複合体3内における着色材2の分散状態は、着色材2が互いに接触していてもよいし着色材2間に樹脂1が存在してもよい。また、図2(a)では着色材2が全体的に分散しているが、一方側に偏っていてもよい。例えば、同図において、右側や左側だけに着色材2があってもよい。一方側に偏っているものとして、図2(b)のように樹脂1の中央部分に着色材2が配置されていてもよいし、図2(c)のように樹脂1の表面に近い部分に着色材2が配置されてもよい。なお、樹脂1は、中央付近の母粒子4とその周囲の殻5を有していてもよい。ここで、母粒子4と殻5は、互いに同種の樹脂でもよいし、異なる種の樹脂であってもよい。
図2(d)に示す例は、樹脂1からなる粒子の表面付近に着色材2が埋込まれるような態様の複合体3である。この例では、着色材2が複合体3表面に露出しているが、樹脂1との接着(化学的、物理的結合)又は樹脂1による機械的な固定によって、複合体3から脱落しにくい状態となっており、このような複合体3も、樹脂1及び着色材2を一体に有した複合体3として本実施形態の紙製造装置100に好適に使用することができる。なおこの例では、着色材2が樹脂1の表面だけでなく内部に存在してもよい。
樹脂及び着色材を一体に有した複合体の幾つかの態様を例示したが、紙製造装置100内で各種の処理を受ける際や紙に成形された際に着色材が樹脂から脱落しにくい態様であれば、これらの態様に限定されず、着色材が樹脂の粒子の表面に静電気力や、ファンデルワールス力によって付着している状態であっても、着色材が樹脂粒子から脱落しにくければよい。また、上記例示した複数の態様を互いに組み合わせた態様であっても、着色材が複合体から脱落しにくい態様であればいずれも採用することができる。
なお、「1.2.1.1.凝集抑制剤」の項で述べた凝集抑制剤の複合体における好ましい配置は、図2(d)に示す態様と概念的に同様である。ただし、凝集抑制剤は、着色材2よりも粒子径が小さいことに注意する。また、図2(a)〜(d)のいずれの態様であっても凝集抑制剤を表面に配置したものを形成することができる。
着色材は、本実施形態の紙製造装置100によって製造される紙の色を所定のものとする機能を有する。着色材としては、染料又は顔料を用いることができ、複合体において樹脂と一体とした場合に、より良好な隠ぺい力や発色性が得られる観点からは顔料を用いることが好ましい。
顔料としては、その色、種類ともに、特に限定されず、例えば、一般的なインクに使用される各種の色(白、青、赤、黄、シアン、マゼンダ、イエロー、黒、特色(パール、金
属光沢)等)の顔料を使用することができる。顔料は無機顔料でもよいし、有機顔料でもよい。顔料としては、特開2012−87309号公報や特開2004−250559号公報に記載された周知の顔料を用いることができる。また、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等の白色顔料等を用いてもよい。これら顔料は、単独で用いてもよいし、適宜混合して用いてもよい。なお、白色の顔料を使用する場合には、前記例示したもののうち、酸化チタンを主成分とする粒子(顔料粒子)を含む粉体からなる顔料を使用することが、酸化チタンの屈折率の高さから、少ない配合量で、製造される紙における白色度を高めることが容易な点でより好ましい。
混合部30において、上述の解繊物と添加物とが混ぜ合されるが、それらの混合比率は、製造される紙の強度、性質、用途等により適宜調節されることができる。製造される紙がコピー用紙等の事務用途であれば、解繊物に対する添加物の割合は、5質量%以上70質量%以下であり、混合部30において良好な混合物を得る観点、及び混合物をウェブ状に成形した場合の重力による添加物の落下を受けにくくする観点からは、5質量%以上50質量%以下が好ましい。
1.3.加熱部
本実施形態の紙製造装置100は、加熱部40を備える。加熱部40は、上述の混合部30よりも下流側に設けられる。
加熱部40は、上述の混合部30において混ぜ合された混合物を加熱し、複数の繊維を互いに添加物を介して結着させた状態を形成する。混合物は、例えば、ウェブ状の成形されたものであってもよい。また、加熱部40が、混合物を所定の形状に成形する機能を有してもよい。
本明細書において、「解繊物と添加物とを結着する」とは、解繊物中の繊維と添加物とが離れにくい状態や、繊維と繊維との間に添加物の樹脂が配置され、繊維と繊維とが添加物を介して離れ難くなっている状態をいう。また、結着とは、接着を含む概念であって2種以上の物体が接触して離れにくくなった状態を含む。また、繊維と繊維とが複合体を介して結着した際に、繊維と繊維とが平行に又は交差してもよいし、1本の繊維に複数の繊維が結着してもよい。
加熱部40では、混合部30において混ぜ合された解繊物及び添加物の混合物に、熱を加えることにより、混合物中の複数の繊維を互いに添加物を介して結着する。添加物の構成成分の1つである樹脂が、熱可塑性樹脂である場合には、そのガラス転移温度(軟化点)又は融点(結晶性ポリマーの場合)付近以上の温度に加熱すると、樹脂が軟化したり溶けたりし、温度が低下して固化する。樹脂が軟化して繊維に絡み合うように接触し、樹脂が固化することで繊維と添加物とを互いに結着することができる。また、固化する際に他の繊維が結着することで、繊維と繊維を結着する。添加物の樹脂が、熱硬化性樹脂である場合には、軟化点以上の温度に加熱してもよいし、硬化温度(硬化反応を生じる温度)以上に加熱しても繊維と樹脂とを結着することができる。なお、樹脂の融点、軟化点、硬化温度等は、繊維の融点、分解温度、炭化温度よりも低いことが好ましく、そのような関係となるように両者の種類を組み合わせて選択することが好ましい。
また加熱部40においては、混合物に熱を与えることの他に、圧力を加えてもよく、その場合には、加熱部40は、混合物を所定の形状に成形する機能を有することになる。加えられる圧力の大きさは、成形される紙の種類により適宜調節されるが、50kPa以上30MPa以下とすることができる。加えられる圧力が小さければ、空隙率の大きい紙が得られ、大きければ空隙率の小さい(密度の高い)紙が得られることになる。
加熱部40の具体的な構成としては、加熱ローラー(ヒーターローラー)、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロワー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器などが挙げられる。図1に示す本実施形態の紙製造装置100では、加熱部40は、加熱ローラー41によって構成されている。図示の例では、加熱部40は、加圧部60(後述)によって加圧されたウェブWを加熱するものである。また、加熱部40は、ウェブWを加圧する機能を担ってもよい。そして、ウェブWを加熱することにより、ウェブWに含まれる繊維同士を添加物を介して結着させることができる。
図示の例では、加熱部40は、ローラーによりウェブWを挟み込んで加熱及び加圧するように構成されており、一対の加熱ローラー41を有している。一対の加熱ローラー41は、それぞれの中心軸は平行である。また、加熱部40はローラー等によって構成できる他、平板状のプレス部によっても構成することができる。この場合には、プレスをしている間、搬送されるウェブを一時的にたるませておくようなバッファー部(図示せず)を必要に応じて設ける。一方、加熱部40を加熱ローラー41として構成したことにより、加熱部40を平板状のプレス部として構成した場合に比べてウェブWを連続的に搬送しながら紙Pを成形することができる。
図3は紙製造装置100の加熱部40付近の構成を模式的に示す図である。本実施形態の紙製造装置100の加熱部40は、ウェブWの搬送方向において上流側に配置された第1加熱部40aとその下流側に配置された第2加熱部40bとを備えており、第1加熱部40a及び第2加熱部40bがそれぞれ一対の加熱ローラー41を備えている。また、第1加熱部40aと第2加熱部40bとの間には、ウェブWの搬送を補助するガイドGが配置されている。
加熱ローラー41は、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス等の中空の芯金42で構成されている。加熱ローラー41の表面には、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素を含むチューブやPTFE等のフッ素コーティングの離型層43が設けられている。なお、芯金42と離型層43との間にシリコンゴム、ウレタンゴムやコットン等による弾性層を設けてもよい。当該弾性層を設けることにより、一対の加熱ローラー41を高荷重で圧接する場合に、加熱ローラー41対が加熱ローラー41の軸方向において均一に接触させることができる。
また、芯金42の中心部には、加熱手段として、例えばハロゲンヒーター等の加熱材44が設けられている。加熱ローラー41及び加熱材44は図示しない温度検知部によって各温度が取得され、取得された温度に基づいて加熱材44の駆動が制御される。これにより、加熱ローラー41の表面温度が所定の温度に維持することが可能となる。そして、加熱ローラー41間にウェブWを通過させることにより、搬送されるウェブWに対して加熱加圧することができる。なお、加熱手段として、ハロゲンヒーター等に限定されず、例えば、非接触ヒーターによる加熱手段や温風による加熱手段を用いてもよい。
なお図示した加熱部40は、一対の加熱ローラー41が2組ある例であるが、加熱部40に加熱ローラー41を採用する場合には、加熱ローラー41の数や配置は限定されず、上記作用を達成できる範囲で任意に構成することができる。また、各加熱部40の加熱ローラー41の構成(離型層・弾性層・芯金の厚みや材質、ローラーの外径)や加熱ローラー41を圧接する荷重は、各加熱部40によって異なっていてもよい。
上記したように、加熱部40(加熱工程)を経ることにより、添加物に含まれる樹脂が溶融し、解繊物中の繊維と絡みやすくなるとともに繊維間が結着される。解繊物及び添加
物の混合物は、加熱部40を経ることにより紙Pが形成される。
1.4.作用効果
本実施形態の紙製造装置100によれば、解繊部20によって被解繊物を解繊して解繊部とし、混合部30によって樹脂を含む添加物と解繊物とを大気中で混合することができる。また、加熱部40によって解繊物中の繊維を添加物中の樹脂を溶融させることによって結着できる。すなわち、樹脂により解繊物の繊維間の結着力を付与することができる。したがって、このような紙製造装置100によれば、乾式法によって、機械的強度の高い紙を製造することができる。また、このような紙製造装置100によって製造される紙は、例えば高湿度環境に置かれたり水に濡れたりして、解繊物間の水素結合の結合力が低下したとしても、樹脂によって解繊物間の結着が維持されるため、機械的強度が保たれるとともに形状の変化を生じにくい。したがって、このような紙製造装置100によれば、耐水性の良好な紙を製造することができる。
1.4.その他の構成
本実施形態の紙製造装置100は、上述の解繊部、混合部、加熱部の他に、粗砕部、分級部、加圧部、選別部、ほぐし部、シート成形部、切断部等の各種の構成を有することができる。また、解繊部、混合部、加熱部、粗砕部、分級部、加圧部、選別部、ほぐし部、シート成形部、切断部等の構成は、必要に応じて複数設けられてもよい。
1.4.1.加圧部
本実施形態の紙製造装置100は、加圧部60を有してもよい。図1に示す紙製造装置100では、混合部30の下流側であって、加熱部40の上流側に加圧部60が配置されている。加圧部60は、後述するほぐし部70、シート成形部75を経て、シート状に形成されたウェブWを加熱せずに加圧するものである。従って、加圧部60は、ヒーター等の加熱手段を有していない。すなわち、加圧部60は、カレンダー処理を行う構成である。
加圧部60では、ウェブWを加圧(圧縮)することにより、ウェブW中の繊維同士の間隔(距離)が縮められ、ウェブWの密度を高める。加圧部60は、図1、3に示すように、ローラーによりウェブWを挟み込んで加圧するように構成されており、一対の加圧ローラー61を有している。一対の加圧ローラー61は、それぞれの中心軸は平行である。なお、本実施形態の紙製造装置100の加圧部60は、ウェブWの搬送方向において上流側に配置された第1加圧部60aとその下流側に配置された第2加圧部60bとを備え、第1加圧部60a及び第2加圧部60bがそれぞれ一対の加圧ローラー61を備えている。また、第1加圧部60aと第2加圧部60bとの間には、ウェブWの搬送を補助するガイドGが配置されている。
加圧ローラー61は、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス等の中空又は中実(無垢)の芯金62で構成されている。なお、加圧ローラー61の表面には無電解ニッケルメッキや四三酸化鉄被膜等の防錆処理、若しくはPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素を含むチューブやPTFE等のフッ素コーティングの離型層を形成してもよい。また、芯金62と上記表層との間にシリコンゴム、ウレタンゴムやコットン等による弾性層を設けてもよい。当該弾性層を設けることにより高荷重で圧接する加圧ローラー61対が加圧ローラー61の軸方向において均一に接触させることができる。
加圧部60では、加熱されず加圧のみ行われるので、添加物中の樹脂は溶融しない。加圧部60では、ウェブWが圧縮され、ウェブW中の繊維同士の間隔(距離)が縮められる。すなわち、高密度化されたウェブWが形成される。
本実施形態の紙製造装置100では、加圧部60(第1加圧部60a,第2加圧部60b)と加熱部40(第1加熱部40a,第2加熱部40b)とが備えられている。なお、この例では加熱部40は、ウェブWに対して加圧を行うが、加圧部60の加圧力は、加熱部40による加圧力より大きくなるように設定されることが好ましい。例えば、加圧部60の加圧力は、500〜3000kgf、加熱部40の加圧力は、30〜200kgfに設定することが好ましい。このように、加熱部40よりも加圧部60の加圧力の方を大きくすることにより、加圧部60によってウェブWに含まれる繊維間の距離を十分短くでき、その状態で加熱加圧することにより薄くて高密度で高強度の紙を形成することができる。
また、本実施形態の紙製造装置100では、図1、3に示すように、加熱ローラー41の径より加圧ローラー61の径の方が大きくなるように設定されている。換言すれば、ウェブWの搬送方向において、上流側に配置された加圧ローラー61の径が、下流側に配置された加熱ローラー41の径よりも大きくなっている。加圧ローラー61は径が大きいので、未だ圧縮されていない状態のウェブWを噛み込ませて効率よく搬送することが可能となる。一方、加圧ローラー61を通過したウェブWは圧縮された状態にあり、搬送しやすいため、加圧ローラー61よりも下流側に配置された加熱ローラー41の径は小さくてよい。これにより、装置構成を小型化することができる。なお、加熱ローラー41及び加圧ローラー61の径は、製造されるウェブWの厚み等に応じて適宜設定される。
なお図示した加圧部60は、一対の加圧ローラー61が2組ある例であるが、加圧部60を採用し、加圧部60に加圧ローラー61を採用する場合には、加圧ローラー61の数や配置は限定されず、上記作用を達成できる範囲で任意に構成することができる。
さらに、加圧部60の加圧ローラー61と加熱部40の加熱ローラー41との間においてウェブWが接触可能な部材は、ウェブWを下方から支えることが可能なウェブ受け部材としてのガイドGのみである。従って、加圧ローラー61と加熱ローラー41との距離を短くすることができる。また、加圧されたウェブWが速やかに加熱加圧されるため、ウェブWのスプリングバックが抑制され高強度の紙を形成することができる。またなお、加熱の後に加圧してもよい。しかし、加圧する際にすでに樹脂が硬化し始めていると、加圧をして繊維同士の間隔が縮められた状態としても、繊維同士が樹脂により結着することがなく、薄い紙を製造できない。そのため、加熱後に加圧をする場合は、樹脂が溶融した状態で加圧できるくらい、加熱ローラー41と加圧ローラー61の距離を近くにするほうが好ましい。
1.4.2.分級部
図1に示す紙製造装置100では、混合部30の上流側であって、解繊部20の下流側に分級部50が配置されている。分級部50は、解繊物から、樹脂粒、インク粒を分離して除去する。これにより解繊物中の繊維の占める割合を高めることができる。分級部50としては、気流式分級機を用いることが好ましい。気流式分級機は、旋回気流を発生させ、遠心力と分級されるもののサイズと密度によって分離するものであり、気流の速度および遠心力の調整によって、分級点を調整することができる。具体的には、分級部50としては、サイクロン、エルボージェット、エディクラシファイヤーなどを用いる。特にサイクロンは、構造が簡便であるため、分級部50として好適に用いることができる。以下では、分級部50として、サイクロンを用いた場合について説明する。
分級部50は、導入口51と、導入口51が接続された円筒部52と、円筒部52の下方に位置し円筒部52と連続している逆円錐部53と、逆円錐部53の下部中央に設けられている下部排出口54と、円筒部52上部中央に設けられている上部排出口55と、を
有している。
分級部50において、導入口51から導入された解繊物をのせた気流は、外径100mm以上300mm以下程度の円筒部52で円周運動に変わる。これにより、導入された解繊物には、遠心力がかかって、解繊物のうちの繊維と、解繊物のうちの樹脂粒やインク粒などの微細な粉体と、に分離することができる。繊維が多い成分は、下部排出口54から排出され、管86を通って混合部30に導入される。一方微細な粉体は、上部排出口55から管84を通って分級部50の外部に排出される。図示の例では管84は、受け部56に接続されており、微細な粉体は受け部56に回収される。このように、樹脂粒やインク粒などの微細な粉体は、分級部50によって外部に排出されるため、後述する添加物供給部88によって樹脂が供給されても、解繊物に対して樹脂が過剰になることを防ぐことができる。
なお、分級部50により繊維と微粉とに分離すると記載したが、完全に分離できる訳ではない。例えば繊維のうち比較的小さいものや密度の低いものは微粉とともに外部に排出される場合がある。また微粉のうち比較的密度の高いものや繊維に絡まってしまったものは繊維とともに下流側へ排出される場合もある。
また、原料が古紙でなくパルプシートのような場合は樹脂粒やインク粒などの微細な粉体が含まれていないため、紙製造装置100には分級部50が無くてもよい。逆に、原料が古紙である場合には、製造される紙の色調を良好なものとするために、紙製造装置100は、分級部50を含んで構成することが好ましい。
1.4.3.粗砕部
紙製造装置100は粗砕部10を含んでもよい。図1に示す紙製造装置100では、解繊部20の上流側に粗砕部10が配置されている。粗砕部10は、パルプシートや投入されたシート(例えばA4サイズの古紙)などの原料を、空気中で裁断して被解繊物にする。被解繊物の形状や大きさは、特に限定されないが、例えば、数cm角の被解繊物である。図示の例では、粗砕部10は、粗砕刃11を有し、粗砕刃11によって、投入された原料を裁断することができる。粗砕部10には、原料を連続的に投入するための自動投入部(図示せず)が設けられていてもよい。
粗砕部10の具体的な例としては、シュレッダーが挙げられる。図示の例では、粗砕部10によって裁断された被解繊物は、ホッパー15で受けてから管81を介して、解繊部20へ搬送される。管81は、解繊部20の導入口21と連通している。
1.4.4.ほぐし部
紙製造装置100は、ほぐし部70を有してもよい。図1に示す紙製造装置100では、混合部30の下流にほぐし部70及びシート成形部75が配置されている。ほぐし部70は、管86(混合部30)を通過した混合物を導入口71から導入し、空気中で分散させながら降らせることができる。またこの例では、紙製造装置100は、シート成形部75を有しており、シート成形部75にて、ほぐし部70から降ってきた混合物を空気中で堆積してウェブWの形状に成形する態様となっている。
ほぐし部70は、絡み合った解繊物(繊維)をほぐす。さらに、ほぐし部70は、添加物供給部88から供給される添加物の樹脂が繊維状である場合、絡み合った樹脂をほぐす。また、ほぐし部70は、後述するシート成形部75に、混合物を均一に堆積させる作用を有する。つまり、「ほぐす」という言葉は、絡み合ったものをバラバラにする作用や均一に堆積させる作用を含むものである。なお、ほぐし部70は、絡み合ったものが無ければ均一に堆積させる効果を奏する。
ほぐし部70としては、篩(ふるい)を用いる。ほぐし部70の例としては、モーターによって回転することができる回転式の篩である。ここでほぐし部70の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、ほぐし部70として用いられる「篩」とは、網(フィルター、スクリーン)を備えたもの、という意味であり、ほぐし部70は、ほぐし部70に導入された解繊物および添加物の全てを降らしてもよい。
1.4.5.シート成形部
紙製造装置100は、シート成形部75を有してもよい。ほぐし部70を通過した解繊物および添加物は、シート成形部75に堆積される。図1に示すように、シート成形部75は、メッシュベルト76、張架ローラー77、サクション機構78を有する。シート成形部75は、図示せぬテンションローラー、巻き取りローラー等を含んで構成されてもよい。
シート成形部75は、ほぐし部70から降ってくる混合物を空気中で堆積させたウェブWを形成するものである(ほぐし部70と合わせてウェブ形成工程に相当)。シート成形部75は、ほぐし部70によって空気中に均一に分散された混合物を、メッシュベルト76上に堆積する機構を有している。
ほぐし部70の下方には、張架ローラー77(本実施形態では、4つの張架ローラー77)によって張架されるメッシュが形成されているエンドレスのメッシュベルト76が配されている。そして、張架ローラー77のうちの少なくとも1つが自転することで、このメッシュベルト76が一方向に移動するようになっている。
また、ほぐし部70の鉛直下方には、メッシュベルト76を介して、鉛直下方に向けた気流を発生させる吸引部としてのサクション機構78が設けられている。サクション機構78によって、ほぐし部70によって空気中に分散された混合物をメッシュベルト76上に吸引することができる。これにより、空気中に分散させた混合物を吸引することができ、ほぐし部70からの排出速度を大きくすることができる。その結果、紙製造装置100の生産性を高くすることができる。また、サクション機構78によって、混合物の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に解繊物や添加物が絡み合うことを防ぐことができる。
そして、メッシュベルト76を移動させながら、ほぐし部70から混合物を降らせることにより、混合物を均一に堆積させた長尺状のウェブWを形成することができる。ここで「均一に堆積」とは、堆積された堆積物が略同じ厚み、略同じ密度で堆積されている状態を言う。ただし、堆積物全てが紙として製造される訳ではないため、紙になる部分が均一であればよい。「不均一に堆積」は均一に堆積していない状態をいう。
メッシュベルト76は、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等であることができ、混合物が堆積でき、気流を通過させることができれば、どのようなものでもあってもよい。メッシュベルト76の穴径(直径)は、例えば、60μm以上250μm以下である。メッシュベルト76の穴径が60μmより小さいと、サクション機構78によって安定した気流を形成することが困難な場合がある。メッシュベルトの穴径が250μmより大きいと、メッシュの間に例えば混合物の繊維が入り込んで、製造される紙の表面の凹凸が大きくなる場合がある。またサクション機構78はメッシュベルト76の下に所望のサイズの窓を開けた密閉箱を形成し、窓以外から空気を吸引し箱内を外気より負圧にすることで構成できる。
以上のように、ほぐし部70及びシート成形部75(ウェブ形成工程)を経ることによ
り、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態のウェブWが形成される。次いで、図1に示すように、メッシュベルト76上に形成されたウェブWは、メッシュベルト76の回転移動により搬送される。そして、メッシュベルト76上に形成されたウェブWは、図示の例では、加圧部60、加熱部40へと搬送される。
1.4.7.選別部
図示は省略するが、本実施形態の紙製造装置100は、選別部を有してもよい。選別部は、解繊部20において解繊処理された解繊物を、繊維の長さによって選別することができる。したがって、選別部は、解繊部20の下流で、ほぐし部70よりも上流に設けられる。
選別部としては、篩(ふるい)を用いることができる。ここで、選別部は、網(フィルター、スクリーン)を有し、網を通過可能な大きさのものと、通過できない大きさのものとを選別する。選別部は、上述のほぐし部70と同様に構成することができるが、ほぐし部70のように導入された材料の全てを通過させるのではなく、一部の成分を除去する機能を有する。選別部の例としては、モーターによって回転することができる回転式の篩である。選別部の網は、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いることができる。
選別部を設けることにより、解繊物又は混合物に含まれる、網の目開きの大きさより小さい繊維又は粒子と、網の目開きの大きさより大きい繊維や未解繊片やダマとを分けることができる。そして、選別された物質は、製造される紙に応じて選択して用いることがでる。また、選別部によって取除かれた物質は、解繊部20に戻してもよい。
本実施形態の紙製造装置100は、上記例示した構成以外の構成を有することもでき、上記例示した構成を含めて目的に応じて複数の構成を適宜有することができる。各構成の数や順序は特に限定されず、目的に応じて適宜に設計することができる。
1.4.8.その他
本実施形態の紙製造装置100では、加熱部40よりも下流側には、ウェブW(加熱部40を経たウェブWは紙Pとなっている。)の搬送方向と交差する方向に紙を切断する切断部90としての第1切断部90a及び第2切断部90bが配置されている。切断部90は、必要に応じて設けられることができる。第1切断部90aは、カッターを備え、連続状の紙Pを所定の長さに設定された切断位置に従って枚葉状に裁断する。また、第1切断部90aより紙Pの搬送方向の下流側には、紙Pの搬送方向に沿って紙Pを切断する第2切断部90bが配置されている。第2切断部90bは、カッターを備え、紙Pの搬送方向における所定の切断位置に従って裁断(切断)する。これにより、所望するサイズの紙が形成される。そして、切断された紙Pはスタッカー95等に積載される。
2.紙製造方法
本実施形態の紙製造方法は、上述の紙製造装置100を用い、解繊物と、樹脂と凝集抑制剤とを一体に有する複合体と、を混ぜ合せる工程と、解繊物と、複合体と、を結着させる工程と、を含む。解繊物、繊維、樹脂、凝集抑制剤、複合体、及び結着等は、上述の紙製造装置の項で述べたと同様であるため、詳細な説明を省略する。
本実施形態の紙製造方法は、原料としてのパルプシートや古紙などを空気中で切断する工程、原料を空気中で繊維状に解きほぐす解繊工程、解繊された解繊物から不純物(トナーや紙力増強剤)や解繊によって短くなった繊維(短繊維)を空気中で分級する分級工程、解繊物から長い繊維(長繊維)や十分に解繊されなかった未解繊片を空気中で選別する選別工程、混合材を空気中で分散させながら降らせる分散工程、降ってきた混合材を空気
中で堆積してウェブの形状に成形するシート成形工程、ウェブを加熱する加熱工程、ウェブに圧力を印可する加圧工程、及び形成された紙を裁断する裁断工程からなる群より選択される少なくとも1つの工程を適宜の順序で含んでもよい。これらの工程の詳細は上述の紙製造装置の項で述べたと同様であるため、詳細な説明を省略する。
このような紙製造方法によれば、樹脂を含む添加物と解繊物とを大気中で混合し、加熱により解繊物中の繊維を添加物中の樹脂によって結着できるため、解繊物中の繊維間に樹脂による結着力を生じさせることができる。したがって、このような紙製造方法によれば、乾式法によって、機械的強度の高い紙を製造することができる。また、このような紙製造方法によって製造される紙は、例えば高湿度環境に置かれたり水に濡れたりして、解繊物間の水素結合の結合力が低下したとしても、樹脂によって解繊物間の結着が維持されるため、機械的強度が保たれるとともに形状の変化を生じにくい。したがって、このような紙製造方法によれば、耐水性の良好な紙を製造することができる。
3.紙
本実施形態の紙製造装置100又は紙製造方法によって製造される紙の一例は、古紙を大気中で解繊して得られた解繊物と、樹脂と凝集抑制剤とを一体に有する複合体と、を含み、解繊物と、複合体とが、結着されている。
なお、本明細書では、紙という場合には、複数の繊維が二次元又は三次元的に互いに樹脂を介して結着している構造をいう。本明細書における紙は、例えば、パルプや古紙に含まれる繊維をシート状に成形したものである。本明細書における紙の例としては、筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、画用紙、ケント紙などが挙げられる。本明細書における紙は、いわゆる不織布よりも薄く、密度が大きく、強度の高いものである。
このような紙は、樹脂を含む複合体によって解繊物が結着されるため、機械的強度が高い。またこのような紙は、例えば高湿度環境に置かれたり水に濡れたりして、解繊物間の水素結合の結合力が低下したとしても、複合体に一体となった樹脂によって解繊物間の結着が維持されるため、機械的強度が保たれるとともに形状の変化を生じにくく耐水性が良好である。
4.その他の事項
本明細書において、「均一」との文言は、均一な分散や混合という場合には、2種以上又は2相以上の成分を定義できる物体において、1つの成分の他の成分に対する相対的な存在位置が、系全体において一様、又は系の各部分において互いに同一若しくは実質的に等しいことを指す。また、着色の均一性や色調の均一性は、紙を平面視したときに色の濃淡がなく、一様な濃度であることを指す。しかし、本明細書において、凝集抑制剤と樹脂とを一体にすることで、均一に分散させたり、着色均一性がよくなるが、必ずしも一様とは限らない。凝集抑制剤と樹脂とを一体に製造する過程で一体にならない樹脂も出てくる。また、凝集はしないが、樹脂同士がやや離れた状態になることもある。そのため、一様と言っても、全ての樹脂の距離が同じではないし、濃度も完全に同じ濃度ではない。紙として製造されたときに、引張強度が満足され、見た目での着色均一性が満足される範囲であれば、本明細書では均一であるとみなす。なお、本明細書においては、着色の均一性と色調の均一性と色ムラは同じような意味で使用される。
本明細書において、「均一」「同じ」「等間隔」など、密度、距離、寸法などが等しいことを意味する言葉を用いている。これらは、等しいことが望ましいが、完全に等しくすることは難しいため、誤差やばらつきなどの累積で値が等しくならずにずれるのも含むものとする。
なお、解繊物と添加物とを混合する場合には、従来のように、系内に水が存在する状態(湿式)であれば、水の作用によって添加物の凝集が抑制されるため、均一性の良好な混合物を得ることや良好な紙を得ることは、比較的容易であった。しかし、現在のところ再生紙を製造するにあたっては、古紙から再生紙まで一貫して乾式で製造する技術は必ずしも十分には確立されていない。発明者の検討によれば、その理由の一つとして、繊維と紙力増強剤(例えば樹脂粒子)とを混合する工程を乾式とすることの困難性にあることが分ってきている。すなわち、乾式で単に何らの工夫なく、繊維と樹脂の粉体とを混合すると、繊維と樹脂の粉体とが十分に混ざり合わず、その状態でシート状に成形(堆積)して紙を得た場合、その紙面内における樹脂の分散が不均一となって機械的強度の不十分な紙となることが分ってきている。また、乾式においては繊維と樹脂粒子とが混合された際に、ファンデルワールス力等の凝集力によって樹脂粒子の凝集が生じやすく、不均一な分散となりやすいことが分ってきている。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。例えば、上記実施形態ではウェブWを単層としたが、複層としてもよいし、別に作成された不織布や紙を積層してもよい。
1…樹脂、2…着色材、3…複合体、4…母粒子、5…殻、10…粗砕部、11…粗砕刃、15…ホッパー、20…解繊部、21…導入口、22…排出口、30…混合部、40…加熱部、40a…第1加熱部、40b…第2加熱部、41…加熱ローラー、42…芯金、43…離型層、44…加熱材、50…分級部、51…導入口、52…円筒部、53…逆円錐部、54…下部排出口、55…上部排出口、60…加圧部、60a…第1加圧部、60b…第2加圧部、61…加圧ローラー、62…芯金、70…ほぐし部、71…導入口、75…シート成形部、76…メッシュベルト、77…張架ローラー、78…サクション機構、81,82,84,86…管、87…供給口、88…添加物供給部、90…切断部、90a…第1切断部、90b…第2切断部、95…スタッカー、100…紙製造装置、G…ガイド、W…ウェブ、P…紙

Claims (7)

  1. 被解繊物を大気中で解繊する解繊部と、
    解繊された解繊物に樹脂を含む添加物を大気中で混合する混合部と、
    前記解繊物と前記添加物とを混合した混合物を加熱する加熱部と、
    を備える、紙製造装置。
  2. 前記加熱部よりも前又は後に、加熱せずに前記混合物を加圧する加圧部を有する、請求項1に記載の紙製造装置。
  3. 前記被解繊物は、古紙であり、
    前記解繊部と前記混合部との間に、前記解繊物を分級する分級部を有する、請求項1又は請求項2に記載の紙製造装置。
  4. 前記添加物は、少なくとも前記樹脂と凝集抑制剤とを一体に有する複合体を含む、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の紙製造装置。
  5. 前記複合体は、着色材を一体に有する、請求項4に記載の紙製造装置。
  6. 古紙を大気中で解繊して得られた解繊物と、樹脂と凝集抑制剤とを一体に有する複合体と、を含み、
    前記解繊物と、前記複合体とが、結着されている、紙。
  7. 請求項1ないし請求項5に記載の紙製造装置を用い、
    前記解繊物と、樹脂と凝集抑制剤とを一体に有する複合体と、を混ぜ合せる工程と、
    前記解繊物と、前記複合体と、を結着させる工程と、
    を含む、紙製造方法。
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