JP6210286B2 - 画像記録装置 - Google Patents

画像記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6210286B2
JP6210286B2 JP2013197466A JP2013197466A JP6210286B2 JP 6210286 B2 JP6210286 B2 JP 6210286B2 JP 2013197466 A JP2013197466 A JP 2013197466A JP 2013197466 A JP2013197466 A JP 2013197466A JP 6210286 B2 JP6210286 B2 JP 6210286B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
roller
sheet
transport
condition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013197466A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015063043A (ja
Inventor
覚 荒金
覚 荒金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2013197466A priority Critical patent/JP6210286B2/ja
Publication of JP2015063043A publication Critical patent/JP2015063043A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6210286B2 publication Critical patent/JP6210286B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、給送トレイ及び手差しトレイを備えた画像記録装置に関する。
従来より、複数枚のシートを支持可能な給送トレイの他に、ユーザが1枚のシートを手差し可能な手差しトレイを備えた画像記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような画像記録装置には、手差しトレイにセットされたシートに画像を記録するのに先立って、搬送ローラを逆転させることによって当該シートの斜行を矯正する斜行矯正処理を実行するものがある。
また、搬送モータの駆動力の伝達先を切り換えることによって、給送ローラ、搬送ローラ、及びメンテナンス機構を駆動させる画像記録装置が知られている。上記構成の画像記録装置は、例えば、搬送モータの正転駆動力によって搬送ローラを正転させ、搬送モータの逆転駆動力によって搬送ローラを逆転させ且つ給送ローラを回転させる駆動力伝達機構と、搬送モータの回転駆動力の伝達先を給送ローラ或いはメンテナンス機構に切り替える切替機構とを備える。
特開2011−51178号公報
上記構成の画像記録装置では、駆動力がメンテナンス機構に伝達される状態で搬送モータを正転駆動させることにより、斜行矯正処理を実現することができる。そして、斜行矯正処理の実行後に手差しトレイにセットされたシートへの画像記録を開始する際に、上記搬送モータの駆動力が給送ローラに伝達される状態に切替機構が切り替えられる。これにより、画像記録時にメンテナンス機構が動作してしまうことを防止することができる。
しかしながら、上記構成の画像記録装置は、手差しトレイにシートがセットされる度に斜行矯正処理を実行する必要がある。そのため、斜行矯正処理の度に駆動力の伝達先を切り替えると、記録処理のスループットが低下する。記録処理のスループットの低下を抑制するためには、搬送モータの駆動力が給送ローラに伝達される状態で斜行矯正処理を実行することが考えられる。この場合、斜行矯正処理の過程において、給送トレイに支持されているシートが徐々に給送される。そして、給送トレイから徐々に給送されたシートが搬送ローラに到達すると、手差しトレイから給送されたシートに対する記録処理に悪影響を及ぼす可能性がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録処理のスループットを低下させることなく、且つ斜行矯正処理の過程で徐々に給送されるシートを適切に除去可能な画像記録装置を提供することにある。
(1) 本発明に係る画像記録装置は、シートを搬送向きに搬送する正転及び正転と逆向きの逆転が可能な搬送ローラと、上記搬送ローラによって搬送されたシートに対して移動して画像を記録する記録部と、上記記録部によって画像が記録されたシートを排出する排出ローラと、第1シートを支持する第1トレイと、上記第1トレイが支持する上記第1シートを上記搬送ローラへ向けて給送する給送ローラと、上記搬送ローラに当接した状態の第2シートを支持する第2トレイと、上記搬送ローラより上記搬送向きの上流側の上流側検知位置にシートが存在することを条件として検知信号を出力するレジストセンサと、正転駆動時に上記搬送ローラを正転させ且つ上記排出ローラを回転させ、逆転駆動時に上記搬送ローラを逆転させ且つ上記給送ローラを回転させる搬送モータと、シートに対面し得る記録領域から外れた位置を移動する上記記録部によって、上記搬送モータの逆転駆動力を上記給送ローラに伝達する伝達状態及び伝達しない非伝達状態に切り替えられる切替機構と、上記搬送モータ及び上記記録部の動作を制御する制御部とを備える。そして、上記制御部は、上記搬送モータが停止した状態で上記レジストセンサから検知信号が出力されたことを条件として、上記搬送ローラを逆転させる斜行矯正処理と、上記切替機構を上記伝達状態にして実行された上記斜行矯正処理における上記搬送モータの逆転駆動量を特定する値を累積するカウント処理と、シートに画像を記録させる記録指示の入力を受け付ける受付処理と、上記斜行矯正処理が実行され且つ上記受付処理で上記記録指示が受け付けられたことを条件として、上記第2シートに画像を記録する手差し記録処理と、上記カウント処理で累積された値が閾値を上回ったことを条件として、上記斜行矯正処理の過程で上記第1トレイから給送された上記第1シートを上記排出ローラを通過する位置まで排出する強制排出処理とを実行する。
上記構成によれば、切替機構を伝達状態(換言すれば、給送ローラが回転する状態)にして実行された斜行矯正処理における搬送モータの逆転駆動量が累積され、当該累積値が閾値を超えたタイミングで給送された第1シートが強制的に排出される。その結果、斜行矯正処理の過程で徐々に給送された第1シートが、第2シートの記録処理に悪影響を及ぼすことが防止される。
(2) 好ましくは、上記閾値は、上記第1シートの先端を少なくとも上記上流側検知位置に到達させる上記給送ローラの回転量に相当する値である。そして、上記制御部は、上記カウント処理で累積された値が上記閾値を上回ることを条件として、上記手差し記録処理に先立って上記強制排出処理を実行し、上記強制排出処理の実行後に、上記第2トレイに上記第2シートを載置することをユーザに報知する報知処理を実行し、上記報知処理の実行後に上記第2トレイに載置された上記第2シートに対して、上記斜行矯正処理及び上記手差し記録処理を実行する。
斜行矯正処理の過程で徐々に給送された第1シートの先端が上流側検知位置に到達すると、レジストセンサから出力される検知信号によって第2シートの位置を特定することができない。また、当該第1シートの先端が搬送ローラに到達すると、手差し記録処理において、第1シートと第2シートとが重送される可能性がある。そこで、このような場合には、手差し記録処理に先立って強制排出処理を実行するのが望ましい。
(3) 一例として、上記制御部は、上記斜行矯正処理の過程で上記第1シートの先端が上記搬送ローラに到達したことを条件として、上記強制排出処理において、当該第1シートの後端が上記排出ローラを通過するのに必要な予め定められた回転量だけ上記搬送ローラを正転させ且つ上記排出ローラを回転させる。
(4) 他の例として、上記制御部は、上記斜行矯正処理の過程で上記第1シートの先端が上記上流側検知位置に到達し且つ上記搬送ローラに到達していないことを条件として、上記強制排出処理において、上記上流側検知位置から上記搬送ローラまでの距離に相当する以上の回転量だけ上記給送ローラを回転させ、当該第1シートの後端が上記排出ローラを通過するのに必要な予め定められた回転量だけ上記搬送ローラを正転させ且つ上記排出ローラを回転させる。
上記の各タイミングで実行される強制排出処理では、第2シートが上流側検知位置に存在する可能性があるので、レジストセンサから出力される検知信号によって第1シートの位置を特定することができない。そこで、このような場合には、第1シートの最大サイズを考慮した予め定められた回転量だけ搬送ローラ及び排出ローラを正転させることにより、当該第1シートを強制排出するのが望ましい。
(5) 好ましくは、上記閾値は、上記第1トレイと上記搬送ローラとの間で円弧状に湾曲された搬送路において上記第1シートの先端が反転する領域まで当該第1シートを給送させる上記給送ローラの回転量に相当する値である。そして、上記制御部は、上記カウント処理で累積された値が上記閾値を上回ることを条件として、上記手差し記録処理の実行後に上記強制排出処理を実行する。
上記の位置まで給送された第1シートは、手差し記録処理に直接的な悪影響を及ぼさない。しかしながら、湾曲した搬送路に長期間に亘って保持されていた第1シートは、強制排出された後もカールした状態となって再使用できない可能性がある。そこで、このような場合には、手差し記録処理が実行された後に強制排出処理を実行するのが望ましい。
(6) 例えば、上記制御部は、上記強制排出処理において、上記レジストセンサから検知信号が出力されるまで上記給送ローラを回転させ、上記上流側検知位置から上記搬送ローラまでの距離に相当する以上の回転量だけ上記給送ローラを回転させ、当該第2シートの後端が上記排出ローラを通過するまで上記搬送ローラを正転させ且つ上記排出ローラを回転させる。
上記のタイミングで実行される強制排出処理では、第2シートが上流側検知位置に存在していないので、レジストセンサから出力される検知信号に基づいて、搬送モータの駆動を制御すればよい。
(7) 一例として、該画像記録装置は、上記記録部に搭載されており、上記記録部に対面する下流側検知位置にシートが存在することを条件として検知信号を出力するメディアセンサをさらに備える。上記切替機構は、上記記録部が上記記録領域内に位置していることを条件として上記伝達状態となり、上記記録部が上記記録領域外に位置していることを条件として上記非伝達状態となる。上記制御部は、上記手差し記録処理において、上記記録領域内に上記記録部を移動させ且つ上記搬送ローラから上記下流側検知位置までの距離に相当する以上の回転量だけ上記搬送ローラを正転させる頭出しステップと、上記頭出しステップの実行後に上記メディアセンサから検知信号が出力されたことを条件として、上記第2シートに画像を記録する記録ステップと、上記頭出しステップの実行後に上記メディアセンサから検知信号が出力されなかったことを条件として、上記第2トレイに上記第2シートを載置することをユーザに報知する報知ステップとを実行する。そして、上記制御部は、上記手差し記録処理の実行前に実行される上記斜行矯正処理において、上記記録部を上記記録領域外に位置させた状態で上記搬送ローラを逆転させ、上記報知ステップの実行後に実行される上記斜行矯正処理において、上記記録部を上記記録領域内に位置させた状態で上記搬送ローラを逆転させる。
(8) 他の例として、上記切替機構は、上記記録部が上記記録領域内に位置していることを条件として上記伝達状態となり、上記記録部が上記記録領域外に位置していることを条件として上記非伝達状態となる。そして、上記制御部は、複数の上記第2シートに対して上記手差し記録処理を繰り返し実行する場合において、最初の上記第2シートに対する上記斜行矯正処理において、上記記録部を上記記録領域外に位置させた状態で上記搬送ローラを逆転させ、2枚目以降の上記第2シートに対する上記斜行矯正処理において、上記記録部を上記記録領域内に位置させた状態で上記搬送ローラを逆転させる。
上記の各構成によれば、斜行矯正処理の度に記録部を記録領域外に移動させる必要がなくなるので、手差し記録処理のスループットの低下を抑制することができる。
(9) 好ましくは、上記制御部は、上記斜行矯正処理が実行されていない状態で上記受付処理で上記記録指示が受け付けられたことを条件として、上記第1シートに対して画像を記録する給送記録処理を実行し、上記給送記録処理を実行したことを条件として、上記カウント処理で累積された値を初期化する。
給送記録処理が実行された直後は、搬送路内に第1シートが存在していない。そこで、カウント処理における累積値を初期化することにより、無駄な強制排出処理の実行を抑制することができる。
(10) 好ましくは、上記制御部は、上記給送記録処理において、上記給送ローラに上記第1シートを上記搬送ローラへ向けて給送させる給送ステップと、上記搬送ローラに到達された上記第1シートを上記搬送ローラ及び上記排出ローラの少なくとも一方に上記搬送向きに搬送させ、且つ当該第1シートに対して上記記録部に画像を記録させる記録ステップと、上記給送ステップにおいて上記給送ローラの回転量が閾値回転量未満であるタイミングで上記レジストセンサから検知信号が出力されたことを条件として、上記給送ステップの異常をユーザに報知する報知ステップとを実行する。そして、上記閾値回転量は、上記第1トレイから上記上流側検知位置までの距離に相当する上記給送ローラの回転量から、上記カウント処理で累積された値によって特定される上記給送ローラの回転量を減算した値である。
上記構成における給送ステップの異常とは、例えば、給送ステップの実行中に第2トレイに載置された第2シートがレジストセンサに検知された場合が考えられる。そこで、上記構成を採用することにより、搬送路の途中まで給送されていた第1シートと、給送ステップの実行中に第2トレイに載置された第2シートとを判別して、適切な処理を実行することができる。
(11) 好ましくは、上記制御部は、上記斜行矯正処理において、上記第2シートが光沢紙である場合の上記搬送ローラの回転量を、上記第2シートが普通紙である場合より少なくする。
逆転する搬送ローラに光沢紙を当接させると、当該光沢紙の先端の一部が搬送ローラによって削り取られることがある。そこで、上記構成のように、光沢紙に対する斜行矯正処理では、普通紙に対する斜行矯正処理より、搬送ローラの回転量を少なくするのが望ましい。
(12) 好ましくは、該画像記録装置は、上記第1トレイが上記第1シートを支持していることを条件として検知信号を出力するシートセンサをさらに備える。そして、上記制御部は、上記シートセンサから検知信号が出力されていることを条件として、上記カウント処理において、上記斜行矯正処理における上記搬送モータの逆転駆動量を特定する値を累積する。
第1トレイに第1シートが支持されていない状態では、斜行矯正処理の過程で第1シートが徐々に給送される心配はない。そこで、上記構成のように、第1トレイに第1シートが支持されている場合にのみカウント処理を実行すればよい。
(13) 例えば、該画像記録装置は、上記記録部が上記記録領域外のメンテナンス位置において、上記記録部のメンテナンスを行うメンテナンス機構をさらに備える。そして、上記切替機構は、上記記録部を上記メンテナンス位置に位置させたことによって上記非伝達状態となり且つ上記搬送モータの回転駆動力を上記メンテナンス機構に伝達し、上記記録部を上記メンテナンス位置と異なる位置に位置させたことによって上記伝達状態となり且つ上記搬送モータの回転駆動力を上記メンテナンス機構に伝達しない。
(14) 例えば、上記制御部は、上記カウント処理において、上記斜行矯正処理の実行回数或いは上記搬送ローラの逆転量を、上記搬送モータの逆転駆動量を特定する値として累積する。
本発明によれば、斜行矯正処理における搬送モータの逆転駆動量の累積値が閾値を超えたタイミングで給送された第1シートが強制的に排出される。その結果、手差し記録処理のスループットを低下させることなく、且つ斜行矯正処理の過程で徐々に給送されるシートを適切に除去可能な画像記録装置を得ることができる。
図1は、複合機10の外観斜視図であって、(A)は正面側から見た図、(B)は背面側から見た図である。 図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。 図3は、キャリッジ23及びガイドレール43、44の平面図である。 図4は、メンテナンス機構70の断面図であって、(A)はキャリッジ23がメンテナンス位置に位置しない場合を示し、(B)はキャリッジ23がメンテナンス位置に位置する場合を示す。 図5は、切替機構170の斜視図であって、(A)は非伝達状態を示し、(B)は伝達状態を示す。 図6は、プリンタ部11のブロック図である。 図7は、手差し準備処理のフローチャートである。 図8は、画像記録処理のフローチャートである。 図9は、プリンタ部11の縦断面図であって、(A)は手差し準備処理を実行する前の状態を示し、(B)は切替機構170を伝達状態として手差し準備処理を実行した後の状態を示す。 図10は、プリンタ部11の縦断面図であって、(A)は搬送モータ102の逆転駆動量の累積値が第2閾値を上回った状態を示し、(B)搬送モータ102の逆転駆動量の累積値が第1閾値を上回った状態を示す。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明においては、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口13が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9が定義される。
[複合機10の全体構成]
複合機10は、図1に示されるように、概ね直方体に形成されている。複合機10は、下部にインクジェット記録方式で用紙12(図2参照)に画像を記録するプリンタ部11と、表示部14と、操作部17とを有している。プリンタ部11は、図2に示されるように、給送部15と、給送トレイ20と、排出トレイ21と、手差しトレイ22と、搬送ローラ部54と、記録部24と、排出ローラ部55と、プラテン42とを備えている。また、複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能をさらに有していてもよい。複合機10は、画像記録装置の一例である。
[給送トレイ20、排出トレイ21、手差しトレイ22]
給送トレイ20は、図1(A)に示されるように、プリンタ部11の正面に形成された開口13(図1参照)を通じて前後方向8に挿抜される。給送トレイ20には、給送部15によって第1搬送路65に給送される複数の用紙12を支持可能である。排出トレイ21は、給送トレイ20の上側に配置されている。排出トレイ21は、排出ローラ部55によって排出された用紙12を支持する。手差しトレイ22は、図1(B)に示されるように、プリンタ部11の背面側に配置されている。手差しトレイ22は、プリンタ部11の背面側から後方へ向かって斜め上方に傾斜して延びている。また、手差しトレイ22は、その上面において用紙12を1枚支持する。ユーザは、手差しトレイ22に用紙12を載置することによって、当該用紙12を第2搬送路66を通じて搬送ローラ部54に直接到達させることができる。すなわち、手差しトレイ22は、搬送ローラ部54に当接された状態の用紙12を支持する。
なお、給送トレイ20は、第1トレイの一例である。また、手差しトレイ22は、第2トレイの一例である。さらに、給送トレイ20に支持される用紙を「用紙12A」と表記し、手差しトレイ22に支持される用紙を「用紙12B」と表記し、用紙12A、12Bを総称して「用紙12」と表記する。
[給送部15]
給送部15は、図2に示されるように、給送ローラ25と、給送アーム26と、軸27とを備えている。給送ローラ25は、給送アーム26の先端側に回転可能に設けられている。給送ローラ25は、搬送モータ102の逆転駆動によって、用紙12を搬送向き16に搬送する向き(すなわち、正転)に回転する。給送アーム26は、プリンタ部11のフレームに支持された軸27に回動可能に設けられている。給送アーム26は、自重或いはバネ等による弾性力によって給送トレイ20側へ回動付勢されている。
[第1搬送路65、第2搬送路66]
第1搬送路65は、図2に示されるように、その一部がプリンタ部11の内部において、所定間隔で対向する外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19によって形成される空間を指す。第1搬送路65は、給送トレイ20の後端部からプリンタ部11の後方側に延びる経路である。また、第1搬送路65は更に、プリンタ部11の後方側において下方から上方に延びつつUターンし、記録部24を経て排出トレイ21に至る経路である。なお、用紙12の搬送向き16は、図2において一点鎖線の矢印で示されている。第2搬送路66は、手差しトレイ22の上面から搬送ローラ部54に至る経路である。第2搬送路66は、合流位置67において第1搬送路65に合流する。合流位置67は、後述するレジストセンサ120より搬送向き16の上流側に位置している。
[搬送ローラ部54]
搬送ローラ部54は、図2に示されるように、搬送向き16において合流位置67及び記録部24の間に配置されている。搬送ローラ部54は、搬送ローラ60と、ピンチローラ61とを有する。搬送ローラ60は、搬送モータ102によって駆動される。ピンチローラ61は、搬送ローラ60の回転に伴って連れ回る。搬送ローラ60は、用紙12を搬送向き16に搬送する正転(図2の例では、反時計回り)と、正転と逆向きの逆転(図2の例では、時計回り)とに回転可能である。具体的には、搬送ローラ60は、搬送モータ102の正転駆動によって正転し、搬送モータ102の逆転駆動によって逆転する。用紙12は、正転する搬送ローラ60及びピンチローラ61に挟持されて搬送向き16に搬送される。
[排出ローラ部55]
排出ローラ部55は、図2に示されるように、搬送向き16において記録部24よりも下流側に配置されている。排出ローラ部55は、排出ローラ62と、拍車63とを有する。排出ローラ62は、搬送モータ102によって駆動される。拍車63、排出ローラ62の回転に伴って連れ回る。排出ローラ62は、用紙12を搬送向き16に搬送する正転(図2の例では、時計回り)と、正転と逆向きの逆転(図2の例では、反時計回り)とに回転可能である。具体的には、排出ローラ62は、搬送モータ102の正転駆動によって正転し、搬送モータ102の逆転駆動によって逆転する。用紙12は、正転する排出ローラ62及び拍車63に挟持されて搬送向き16に搬送される。
[レジストセンサ120]
図2に示されるように、プリンタ部11は、搬送向き16における合流位置67及び搬送ローラ部54の間に、公知のレジストセンサ120を備える。レジストセンサ120は、用紙12が当該レジストセンサ120の設置位置(以下、「上流側検知位置」と表記する。)に存在するか否かを検出するためのセンサである。レジストセンサ120は、用紙12が上流側検知位置に存在していることを条件として、検知信号であるローレベル信号(つまり、「信号レベルが閾値未満の信号」)を後述する制御部130に出力する。一方、レジストセンサ120は、用紙12が上流側検知位置に存在していないことを条件として、検知信号であるハイレベル信号(つまり、「信号レベルが閾値以上の信号」)を制御部130に出力する。
[ロータリエンコーダ121]
また、図6に示されるように、プリンタ部11は、搬送ローラ60の回転(換言すれば,搬送モータ102の回転駆動)に応じてパルス信号を発生させる公知のロータリエンコーダ121を備える。ロータリエンコーダ121は、エンコーダディスクと、光学センサとを備える。エンコーダディスクは、搬送ローラ60の回転と共に回転する。光学センサは、回転するエンコーダディスクを読み取ってパルス信号を生成し、生成したパルス信号を制御部130に出力する。
[記録部24]
記録部24は、図2に示されるように、搬送向き16における搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に配置されている。また、記録部24は、上下方向7においてプラテン42に対向するようにして配置されている。記録部24は、キャリッジ23と、記録ヘッド39と、エンコーダセンサ38Aとを備えている。また、キャリッジ23からは、図3に示されるように、インクチューブ32及びフレキシブルフラットケーブル33が延出されている。インクチューブ32は、カートリッジ装着部に装着されたインクカートリッジのインクを記録ヘッド39に供給する。フレキシブルフラットケーブル33は、制御部130が実装された制御基板と記録ヘッド39とを接続する。
キャリッジ23は、図3に示されるように、前後方向8に離間する位置において各々が左右方向9に延設されたガイドレール43、44に支持されている。キャリッジ23は、ガイドレール44に設けられた公知のベルト機構に連結されている。ベルト機構は、左右方向9におけるガイドレール44の右端に設けられた駆動プーリ47と、左端に設けられた従動プーリ48と、駆動プーリ47及び従動プーリ48に巻回された無端環状のベルト49とを有する。キャリッジ23は、その底面側においてベルト49に連結されている。キャリッジモータ103の駆動力によって回転する駆動プーリ47がベルト49を周運動させることにより、キャリッジ23は左右方向9に往復移動する。
記録ヘッド39は、図2に示されるように、キャリッジ23に搭載されている。記録ヘッド39の下面には、複数のノズル40が形成されている。記録ヘッド39は、ノズル40からインクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ23が移動する過程において、プラテン42に支持されている用紙12に向けて記録ヘッド39がインク滴を吐出する。これにより、用紙12に画像が記録される。
また、ガイドレール44には、左右方向9に延びる帯状のエンコーダストリップ38Bが設けられている。エンコーダセンサ38Aは、キャリッジ23の下面に搭載されている。また、エンコーダセンサ38Aとエンコーダストリップ38Bとは、上下方向7において対向する位置に配置されている。キャリッジ23が移動する過程において、エンコーダセンサ38Aは、エンコーダストリップ38Bを読み取ってパルス信号を生成し、生成したパルス信号を制御部130に出力する。エンコーダセンサ38A及びエンコーダストリップ38Bは、図6に示されるキャリッジセンサ38を構成する。
[プラテン42]
プラテン42は、図2に示されるように、搬送向き16における搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の間に設けられている。プラテン42は、上下方向7において記録部24に対向するようにして配置されており、搬送ローラ部54によって搬送される用紙12を下側から支持する。また、本実施形態におけるプラテン42の表面(すなわち、記録部24に対面する面)は、用紙12より光の反射率が低い色(例えば、黒色)である。
[メディアセンサ122]
メディアセンサ122は、図2に示されるように、キャリッジ23の下面(プラテン42に対向する面)においてキャリッジ23に搭載されている。メディアセンサ122は、上下方向7においてキャリッジ23に対面する下流側検知位置に用紙12が存在するか否かを検知するために用いられる。メディアセンサ122は、発光ダイオード等からなる発光部と、光学式センサなどからなる受光部とを備えている。発光部は、制御部130によって指示された光量の光をプラテン42へ向けて照射する。プラテン42へ照射された光は、プラテン42またはプラテン42上の用紙12において反射され、反射された光が受光部で受光される。
メディアセンサ122は、受光部の受光量に応じた検知信号を制御部130へ出力する。例えば、メディアセンサ122は、受光量が大きい程、レベルの高い検知信号を制御部130へ出力する。本実施形態におけるプラテン42の光反射率は用紙12より低いので、制御部130は、メディアセンサ122から出力される検知信号の信号レベルが閾値レベルより高いことを条件として、下流側検知位置に用紙12が存在する。一方、制御部130は、検知信号の信号レベルが閾値レベル以下であることを条件として、下流側検知位置に用紙12が存在しないと判断する。
[メンテナンス機構70]
複合機10は、更に図4に示されるメンテナンス機構70を備えている。メンテナンス機構70は、図3に示されるように、用紙12に対面し得るキャリッジ23の移動範囲(以下、「記録領域」と表記する。)から右方に外れた位置に配置されている。メンテナンス機構70は、キャリッジ23が記録領域より右側の位置(以下、「メンテナンス位置」と表記する。)に移動したときに、記録ヘッド39に形成されたノズル40からインクと共に気泡や異物を吸引除去するパージ処理を実行する。メンテナンス機構70は、記録ヘッド39のノズル40が形成された面(以下、「ノズル面」と表記する。)を覆うキャップ71と、キャップ71をノズル面に接離させるためのリフトアップ機構73と、キャップ71に連通されて吸引を行うポンプ76(図6参照)とを備えている。
キャップ71は、ゴムにより構成されている。キャップ71は、リフトアップ機構73によりノズル面に密着して、当該ノズル面との間に密閉空間を形成する。ポンプ76は、例えば、ロータリ式のチューブポンプである。ポンプ76が搬送モータ102に駆動されることによって、キャップ71とノズル面との間に形成された密閉空間が負圧状態になる。メンテナンス機構70は、当該密閉空間を負圧状態にすることによって、ノズル40からインクと共に気泡や異物が吸引除去する。
リフトアップ機構73は、図4に示されるように、左右一対の等長リンク74を備える。この等長リンク74が回動することで、図4(A)の位置と図4(B)の位置との間でホルダ75が移動する。ホルダ75は、鉛直上方へ突出された当接レバー176を保持している。キャリッジ23がメンテナンス位置へ向かって右方に移動する際に当接レバー176を右向きへ押圧することで、図4(B)の位置にホルダ75が移動する。キャップ71は、ホルダ75が図4(B)の位置に移動することで、ノズル面に密着する。また、キャリッジ23がメンテナンス位置から左方に移動すると、図4(A)の位置にホルダ75が移動し、キャップ71が記録ヘッド39から離間する。
[駆動伝達機構104]
図6に示される駆動伝達機構104は、搬送モータ102の駆動力を、給送ローラ25、搬送ローラ60、排出ローラ62、及びメンテナンス機構70へ伝達する。駆動伝達機構104は、歯車、プーリ、無端環状のベルト、遊星歯車機構(振子ギヤ機構)、及びワンウェイクラッチ等の全部又は一部を組み合わせて構成される。駆動伝達機構104は、搬送モータ102の駆動力の伝達先を切り替える切替機構170を備えている。
[切替機構170]
切替機構170は、搬送モータ102の駆動力を、給送ローラ25に伝達し且つメンテナンス機構70に伝達しない伝達状態と、給送ローラ25に伝達せず且つメンテナンス機構70に伝達する非伝達状態とに状態変化が可能に構成されている。切替機構170は、図3に示されるように、プラテン42よりも右側(メンテナンス位置を含む領域)に設けられている。切替機構170は、図5に示されるように、切替ギヤ171と、2つの受けギヤ172A、172Dと、押圧部材175と、保持部173とを備える。
切替ギヤ171は、支軸174を中心として回転可能で且つ支軸174の軸方向(すなわち、左右方向9)に沿って移動可能である。なお、支軸174は、メンテナンス機構70に保持されている。切替ギヤ171には、搬送モータ102の駆動力が搬送ローラ60を通じて伝達される。受けギヤ172A、172Dは、支軸174の下側において左右方向9に沿った同軸上に回転可能であり、切替ギヤ171に噛合可能に構成されている。すなわち、切替ギヤ171は、左右方向9に移動することによって、受けギヤ172A、172Dのいずれかと噛合する。受けギヤ172Aは、搬送モータ102の駆動力を給送ローラ25に伝達するギヤである。一方、受けギヤ172Dは、搬送モータ102の駆動力をメンテナンス機構70に伝達するギヤである。
押圧部材175は、切替ギヤ171の右側に位置しており、左右方向9にスライド自在に支軸174に挿通されている。当接レバー176は、押圧部材175から上方に突出し、保持部173を通ってキャリッジ23の移動経路にまで延びている。切替ギヤ171は第1バネによって右向きに付勢され、押圧部材175は第2バネによって左向きに付勢されている。また、第2バネの付勢力は、第1バネの付勢力より大きい。その結果、図5(B)に示される切替ギヤ171及び押圧部材175は、左向きに付勢されている。
右方に移動するキャリッジ23に当接された当接レバー176は、押圧部材175を右方に移動させ、当該押圧部材175を切替ギヤ171から離間させる。これにより、切替ギヤ171は、第1バネの付勢力によって右方に移動し、図5(A)に示されるように受けギヤ172Dと噛合する。一方、キャリッジ23が左方に移動して当接レバー176から離間すると、押圧部材175は第2バネの付勢力によって左方に移動し、切替ギヤ171を左方に移動させる。これにより、切替ギヤ171は、図5(B)に示されるように、受けギヤ172Aと噛合する。
切替ギヤ171と受けギヤ172Aとが噛合されている状態(すなわち、図5(B)に示される伝達状態)において、駆動伝達機構104は、搬送モータ102の駆動力を給送ローラ25に伝達し且つメンテナンス機構70に伝達しない。一方、切替ギヤ171と受けギヤ172Dとが噛合されている状態(すなわち、図5(A)に示される非伝達状態)において、駆動伝達機構104は、搬送モータ102の駆動力をメンテナンス機構70に伝達し且つ給送ローラ25に伝達しない。換言すれば、切替機構170は、キャリッジ23が記録領域内に位置していることを条件として伝達状態となり、キャリッジ23が記録領域外のメンテナンス位置に位置していることを条件として非伝達状態となる。
また、切替機構170が伝達状態である駆動伝達機構104は、搬送モータ102の正転駆動力を給送ローラ25へ伝達せず、搬送モータ102の逆転駆動によって給送ローラ25を正転させる。この給送ローラ25の動作は、具体的には、搬送モータ102と給送ローラ25との間の駆動力の伝達経路に設けられたワンウェイクラッチによって実現できる。また、上記の構成は、ワンウェイクラッチに代えて振子ギヤ機構や電磁クラッチ機構を配置することによっても実現できる。
また、排出ローラ62は、ベルト等を介して搬送ローラ60と連結されている。これらベルト等は、上記切替機構の170の作用を受けない様に構成されている。例えば、ベルト等は、プラテン42よりも左側に設けられている。すなわち、本実施形態における搬送ローラ60及び排出ローラ62は、切替機構170の状態にかかわらず、搬送モータ102の正転駆動によって正転し、搬送モータ102の逆転駆動によって逆転する。
[表示部14]
表示部14は、ユーザに報知すべき情報をメッセージ或いはアニメーションとして表示する表示画面を備える。表示部14の具体的な構成は特に限定されないが、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Displayの略)、有機ELディスプレイ(Organic Electro−Luminescence Displayの略)等を採用することができる。
[操作部17]
操作部17は、複合機10に対する指示の入力をユーザから受け付ける入力インタフェースである。操作部17の具体的な構成は特に限定されないが、例えば図1に示されるように、複数の押しボタンを有していてもよいし、表示部14の表示画面に重畳されたタッチセンサを有していてもよい。
[制御部130]
制御部130は、図6に示されるように、CPU131、ROM132、RAM133、EEPROM134、及びASIC135を備えており、これらは内部バス137によって接続されている。ROM132には、CPU131が各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。EEPROM134には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。
ASIC135には、搬送モータ102及びキャリッジモータ103が接続されている。ASIC135は、各モータを回転させるための駆動信号をCPU131から取得し、駆動信号に応じた駆動電流を各モータに出力する。各モータは、ASIC135からの駆動電流によって正転駆動又は逆転駆動される。例えば、制御部130は、搬送モータ102の駆動を制御することによって、各ローラを回転させ又はメンテナンス機構70を駆動させる。また、制御部130は、キャリッジモータ103の駆動を制御することによって、キャリッジ23を往復移動させる。さらに、制御部130は、記録ヘッド39を制御してノズル40からインクを吐出させる。
また、ASIC135には、キャリッジセンサ38と、レジストセンサ120と、ロータリエンコーダ121と、メディアセンサ122とが接続されている。制御部130は、キャリッジセンサ38から出力されるパルス信号に基づいて、キャリッジ23の位置を検出する。また、制御部130は、レジストセンサ120から出力される検知信号に基づいて、上流側検知位置における用紙12の有無を検出する。また、制御部130は、レジストセンサ120から出力される検知信号と、ロータリエンコーダ121から出力されるパルス信号とに基づいて、用紙12の位置を検出する。さらに、制御部130は、メディアセンサ122から出力される検知信号に基づいて、下流側検知位置における用紙12の有無を検出する。
[手差し準備処理]
図7を参照して、複合機10による手差し準備処理を説明する。この手差し準備処理は、制御部130のCPU131によって実行される。なお、以下の各処理は、ROM132に記憶されているプログラムをCPU131が読み出して実行してもよいし、制御部130に搭載されたハードウェア回路によって実現されてもよい。
なお、手差し準備処理及び後述する画像記録処理は、給送ローラ25、搬送ローラ60、及び排出ローラ62の回転、或いはキャリッジ23の移動に着目して説明する。これらの動作は、上述したように、搬送モータ102及びキャリッジモータ103を駆動させることによって実現される。また、駆動伝達機構104及び切替機構170によって複数の構成要素が連動して動作することも上述の通りである。例えば、「給送ローラ25を正転させる」と記述したときは、切替機構170を伝達状態として搬送モータ102を逆転駆動することによって実現され、これに伴って搬送ローラ60及び排出ローラ62が逆転することを指すものとする。
制御部130は、搬送モータ102が停止した状態でレジストセンサ120からローレベル信号が出力されたことを条件として、図7に示される手差し準備処理を実行する。この手差し準備処理は、図9(A)に示されるように、手差しトレイ22に支持された用紙12Bの斜行を矯正するとともに、搬送ローラ部54に用紙12Bを挟持させる処理である。斜行の矯正は、ユーザが手差しトレイ22に載置した用紙12Bの先端(「搬送向き16の下流側の端部」を指す。以下同じ。)が搬送ローラ部54に当接した状態で実行される。なお、搬送モータ102が停止している状態とは、給送トレイ20に支持された用紙12Aが給送部15によって給送されていないことを指す。
まず、制御部130は、予め定められた回転量だけ搬送ローラ60を逆転させる(S11)。これにより、ユーザによって手差しトレイ22に載置され且つレジストセンサ120を経由して搬送ローラ部54に当接した用紙12Bの斜行が矯正される。ステップS11の処理は、斜行矯正処理の一例である。ユーザは、用紙12Bを手差しトレイ22に載置した後で、後述する記録指示を複合機10に入力する。一方、キャリッジ23は、複合機10の待機状態(「記録指示の入力待ち状態」を指す。)において、メンテナンス位置に位置している。すなわち、記録指示が入力される前(換言すれば、画像記録処理の実行前)に実行される手差し準備処理は、切替機構170を非伝達状態として実行される。一方、後述する図8の画像記録処理のステップS35で実行される手差し準備処理は、切替機構170を伝達状態として実行される。
次に、制御部130は、ステップS11の実行時に切替機構170が伝達状態であったことを条件として(S12:Yes)、ステップS11における搬送モータ102の逆転駆動量を累積する(S13)。一方、制御部130は、ステップS11の実行時に切替機構170が非伝達状態であったことを条件として(S12:No)、ステップS13をスキップする。なお、本実施形態では、累積値の初期値を0とし、ステップS13において搬送モータ102の逆転駆動量が累積加算される例を説明する。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、累積値の初期値を後述する第1閾値或いは第2閾値とし、また、ステップS13において搬送モータ102の逆転駆動量が累積減算されてもよい。
搬送モータ102の逆転駆動量の累積値は、繰り返し実行される手差し準備処理のステップS13において累積され、後述する図8のステップS30、S32、S37において初期化される。切替機構170を伝達状態としてステップS11が実行されると、図9(B)に示されるように、給送ローラ25が正転することによって用紙12Aが第1搬送路65に給送される。すなわち、ステップS13において累積される搬送モータ102の逆転駆動量は、手差し準備処理の過程で第1搬送路65に給送される用紙12Aの先端位置を特定する情報として用いることができる。ステップS13の処理は、カウント処理の一例である。
なお、ステップS12における切替機構170の状態は、例えば、キャリッジセンサ38から出力されるパルス信号に基づいて特定されるキャリッジ23の位置によって判断することができる。制御部130は、例えば、キャリッジ23が記録領域内に位置していることを条件として切替機構170が伝達状態であると判断する。一方、制御部130は、例えば、キャリッジ23がメンテナンス位置に位置していることを条件として、切替機構170が非伝達状態であると判断する。
次に、制御部130は、搬送ローラ60を僅かに正転させることによって。用紙12Bの先端を搬送ローラ部54に挟持させる(S14)。そして、制御部130は、手差しセットフラグに”ON”を設定し(S15)、手差し準備処理を終了する。手差しセットフラグは、手差しトレイ22に支持された用紙12Bへの画像記録の準備が完了しているか否かを示すフラグであって、準備が完了している場合に”ON”が、完了していない場合に”OFF”が設定される。換言すれば、手差しセットフラグには、手差し準備処理が実行されたことを条件として”ON”が設定され、後述する手差し記録処理(図8のステップS22〜S28)が実行されたことを条件として”OFF”が設定される。この手差しセットフラグは、例えば、RAM133或いはEEPROM134に記憶される。
[画像記録処理]
次に、図8を参照して、複合機10による画像記録処理を説明する。この画像記録処理は、制御部130のCPU131によって実行される。なお、以下の各処理は、ROM132に記憶されているプログラムをCPU131が読み出して実行してもよいし、制御部130に搭載されたハードウェア回路によって実現されてもよい。
制御部130は、ユーザから記録指示を取得したことを条件として、図8に示される画像記録処理を実行する。記録指示の取得先は特に限定されないが、例えば、複合機10に設けられた操作部17を通じて取得してもよいし、外部機器から通信ネットワークを通じて取得してもよい。記録指示は、各ローラ、キャリッジ23、及び記録ヘッド39の動作を制御部130に制御させることで、用紙12に画像記録を行わせる指示である。また、記録指示には、画像記録を行うページ数、及び各ページに記録される画像データ、画像記録を行う用紙12を支持するトレイを特定するトレイ情報等が含まれる。記録指示を取得する処理は、受付処理の一例である。
まず、制御部130は、手差しセットフラグに”ON”が設定されていることを条件として(S21:Yes)、手差しトレイ22に支持された用紙12Bに対する手差し記録処理を実行する(S22〜S28)。一方、制御部130は、手差しセットフラグに”OFF”が設定されていることを条件として(S21:No)、給送トレイ20に支持された用紙12Aに対する給送記録処理を実行する(S36〜S40)。
手差し記録処理において、制御部130は、搬送モータ102の逆転駆動量の累積値が第1閾値以下であることを条件として(S22:No)、キャリッジ23を記録領域に移動させる(S23)。また、制御部130は、キャリッジ23に対面する位置まで用紙12Bを搬送ローラ部54に搬送させる(S24)。すなわち、ステップS24において、制御部130は、搬送ローラ部54から下流側検知位置までの距離に相当する以上の回転量だけ搬送ローラ60及び排出ローラ62を正転させる。ステップS23、S24の処理は、頭出しステップの一例である。
第1閾値は、給送ローラ25によって用紙12Aの先端を少なくとも上流側検知位置に到達させるための、搬送モータ102の逆転駆動量に相当する値である。より具体的には、第1閾値は、給送ローラ25が用紙12Aの先端を搬送ローラ部54に到達させるための搬送モータ102の逆転駆動量に相当する値であってもよい。また、第1閾値は、給送ローラ25が用紙12Aの先端を上流側検知位置と搬送ローラ部54との間の位置に到達させるための搬送モータ102の逆転駆動量に相当する値であってもよい。累積値が第1閾値を上回った場合(S22:Yes)の処理は、後述する。
次に、制御部130は、閾値レベルを上回る検知信号がメディアセンサ122から出力されていることを条件として(S25:Yes)、用紙12Bに画像を記録する記録処理を実行する(S26)。具体的には、制御部130は、搬送ローラ部54及び排出ローラ部55に搬送向き16の所定の改行幅だけ用紙12Bを搬送させ、且つ当該用紙12Bに対して記録ヘッド39にインクを吐出させる動作を繰り返し実行する。ステップS26の処理は、記録ステップの一例である。
次に、制御部130は、搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の少なくとも一方に、記録処理において画像が記録された用紙12Bを排出トレイ21に排出させる排出処理を実行する(S27)。具体的には、制御部130は、用紙12Bの後端(「搬送向き16の上流側の端部」を指す。以下同じ。)が排出ローラ部55を通過するまで、搬送ローラ部54及び排出ローラ部55を正転させる。
次に、制御部130は、手差しセットフラグに”OFF”を設定する(S28)。また、制御部130は、搬送モータ102の逆転駆動量の累積値が第2閾値を上回ることを条件として(S29:Yes)、強制排出処理を実行する(S30)。一方、制御部130は、搬送モータ102の逆転駆動量の累積値が第2閾値以下であることを条件として(S29:No)、ステップS30をスキップする。ステップS30の処理は、強制排出処理の一例である。
第2閾値は、給送ローラ25によって、用紙12Aの先端を第1搬送路65のうち給送トレイ20と搬送ローラ部54との間に位置する円弧状部分の反転領域に到達させるための、搬送モータ102の逆転駆動量に相当する値である。用紙12Aの先端は、後方斜め上方を向いた状態で給送トレイ20から第1搬送路65に送り出された後、上方、前方斜め上方に向きを変えながら搬送ローラ部54に到達する。つまり、反転領域を通過した用紙12Aは、例えば図10(A)に示されるように、先端の前後方向8における向きが後方向きから前方向きへと変化する。すなわち、第2閾値は、第1閾値より小さい値である。
強制排出処理は、手差し準備処理の過程で給送トレイ20から給送された用紙12Aを排出ローラ部55を通過する位置まで排出する処理である。また、ステップS30の実行時点において、用紙12Aの先端は、反転領域に位置しており且つ上流側検知位置より搬送向き16の上流側に位置している。また、ステップS30の実行時点において、用紙12Bは手差し記録処理(S22〜S28)によって排出トレイ21に排出されている。すなわち、制御部130は、ステップS30の強制排出処理において、レジストセンサ120から出力される検知信号に基づいて、用紙12Aの位置を特定することができる。
そこで、制御部130は、強制排出処理において、まず、レジストセンサ120からローレベル信号が出力されるまで給送ローラ25を正転させる。次に、ローレベル信号を取得した制御部130は、上流側検知位置から搬送ローラ部54までの距離に相当する以上の回転量だけ給送ローラ25を正転させる。さらに、制御部130は、用紙12Aの後端が排出ローラ部55を通過するまで搬送ローラ60及び排出ローラ62を正転させる。さらに、制御部130は、ステップS30において累積値を初期化する。
次に、制御部130は、次の用紙12Bに記録すべき画像データが記録指示に含まれていることを条件として(S31:Yes)、手差しトレイ22に用紙12Bを載置することをユーザに報知する(S33)。すなわち、記録指示に含まれるページ数が複数ページであり且つトレイ情報が手差しトレイ22を示す場合に、ステップS31からステップS33に進む。ここで、ステップS33における報知の具体的な方法は特に限定されないが、例えば、表示部14にメッセージを表示してもよいし、不図示のスピーカからガイド音声を出力してもよい。また、通信ネットワークを介して接続された外部機器の表示部等を通じて報知してもよい。ステップS33の処理は、報知処理或いは報知ステップの一例である。
そして、制御部130は、レジストセンサ120からローレベル信号が出力されたことを条件として(S34:Yes)、手差し準備処理を実行し(S35)、ステップS21の処理を再び実行する。一方、制御部130は、レジストセンサ120からローレベル信号が出力されない場合に(S34:No)、手差しトレイ22に対する用紙12Bのセット報知の報知(S33)を継続する。以降、制御部130は、記録指示に含まれる全ての画像記録を終了するまで(S31:No)、ステップS21〜S35の処理を繰り返し実行する。
すなわち、本実施形態では、複数の用紙12Bに対して手差し記録処理(S22〜S28)を繰り返し実行する場合において、制御部130は、最初の用紙12Bに対する手差し準備処理(すなわち、記録指示が入力される前の手差し準備処理)を切替機構170を非伝達状態として実行し、2枚目以降の用紙12Bに対する手差し準備処理(S35)を切替機構170を伝達状態として実行する。但し、ステップS33を実行してから所定の時間(例えば、30秒)を経過しても手差しトレイ22に用紙12Bがセットされない場合、キャリッジ23をメンテナンス位置に移動させてもよい。この場合、ステップS35の手差し準備処理は、切替機構170を非伝達状態として実行される。
また、制御部130は、ステップS25において、閾値レベル以下の検知信号がメディアセンサ122から出力されていることを条件として(S25:No)、ステップS33以降の処理を実行する。ステップS25におけるメディアセンサ122の検知信号が閾値レベル以下である場合とは、以下の場合である。例えば、手差しトレイ22に支持された用紙12Bの先端が搬送ローラ部54に到達していなかった場合が考えられる。この場合、図7のステップS14において当該用紙12Bが搬送ローラ部54に適切に挟持されない。そこで、ユーザに用紙12Bを手差しトレイ22に再セットさせることにより、手差し記録処理を実行することが可能となる。
さらに、制御部130は、ステップS22において、搬送モータ102の逆転駆動量の累積値が第1閾値を上回ったことを条件として(S22:Yes)、強制排出処理(S32)を実行し、さらにステップS33以降の処理を実行する。S32の処理は、強制排出処理の他の例である。ステップS32の強制排出処理は、手差し準備処理の過程で給送トレイ20から給送された用紙12Aを排出ローラ部55を通過する位置まで排出する点において、ステップS30の強制排出処理と共通する。一方、ステップS32の強制排出処理は、手差し記録処理(S22〜S28)の実行に先立って実行される点において、手差し記録処理の実行後に実行されるステップS30の強制排出処理と相違する。
また、ステップS32の実行時点では、図10(B)に示されるように、用紙12Aの先端は上流側検知位置より搬送向き16の下流側に位置しており、用紙12Bは上流側検知位置に存在している。そのため、制御部130は、ステップS32の強制排出処理において、レジストセンサ120から出力される検知信号に基づいて、用紙12Aの位置を特定することができない。そこで、制御部130は、ステップS32の実行時点における用紙12Aの先端位置に応じて、予め定められた回転量だけ給送ローラ25、搬送ローラ60、及び排出ローラ62を回転させる。なお、各ローラの回転量は、給送トレイ20が支持可能な用紙12Aの最大サイズを考慮して定めればよい。また、制御部130は、ステップS32において累積値を初期化する。
例えば、制御部130は、ステップS32の実行時点における累積値が、給送ローラ25によって給送される用紙12Aの先端を、搬送ローラ部54に到達させるための搬送モータ102の逆転駆動量に相当することを条件として、用紙12Aの後端が排出ローラ部55を通過するのに必要な予め定められた回転量だけ搬送ローラ60及び排出ローラ62を正転させる。また、制御部130は、ステップS32の実行時点における累積値が、給送ローラ25によって給送される用紙12Aの先端を、上流側検知位置と搬送ローラ部54との間に到達させるための搬送モータ102の逆転駆動量に相当することを条件として、上流側検知位置から搬送ローラ部54までの距離に相当する以上の回転量だけ給送ローラ25を正転させる。さらに、制御部130は、用紙12Aの後端が排出ローラ部55を通過するのに必要な予め定められた回転量だけ搬送ローラ60及び排出ローラ62を正転させる。
一方、制御部130は、給送記録処理において(S36〜S40)、まず、給送ローラ25を正転させることによって用紙12Aを搬送ローラ部54に到達させる給送処理(S36)を実行する。具体的には、制御部130は、レジストセンサ120からローレベル信号が出力されるまで給送ローラ25を正転させ、ローレベル信号をした後で上流側検知位置から搬送ローラ部54までの距離に相当する以上の回転量だけ給送ローラ25を正転させる。また、制御部130は、累積値を初期化する(S37)。ステップS36の処理は、給送ステップの一例である。
次に、制御部130は、搬送ローラ部54に到達された用紙12Aを搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の少なくとも一方に搬送向き16に搬送させ、搬送された用紙12Aに対して記録部24に画像を記録させる記録処理を実行する(S38)。ステップS38の処理は、記録ステップの一例である。さらに、制御部130は、搬送ローラ60及び排出ローラ62を正転させることによって、記録処理において画像が記録された用紙12Aを排出トレイ21に排出させる排出処理を実行する(S39)。以降、制御部130は、記録指示に含まれる全ての画像記録を終了するまで(S40:No)、ステップS21〜S40の処理を繰り返し実行する。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、切替機構170を伝達状態(換言すれば、給送ローラが正転し得る状態)にして実行された手差し準備処理における搬送モータ102の逆転駆動量が累積加算され、当該累積値が第1閾値或いは第2閾値を超えたタイミングで用紙12Aが強制的に排出される。その結果、手差し準備処理の過程で徐々に給送された用紙12Aが、用紙12Bの記録処理に悪影響を及ぼすことが防止される。なお、本実施形態では、ステップS30、S32の両方で強制排出処理を実行した例を説明したが、本発明はこれに限定されず、ステップS30、S32の一方のみを実行し、他方を省略してもよい。
なお、手差し準備処理の過程で徐々に給送された用紙12Aの先端が上流側検知位置に到達すると、レジストセンサ120から出力される検知信号によって用紙12Bの位置を特定することができない。また、手差し準備処理の過程で徐々に給送された用紙12Aの先端が搬送ローラ部54に到達すると、手差し記録処理において、用紙12A、12Bが重送される可能性がある。そこで、このような場合には、手差し記録処理に先立って強制排出処理を実行するのが望ましい。
一方、手差し準備処理の過程で徐々に給送された用紙12Aの先端が上流側検知位置より搬送向き16の上流側に位置している段階では、手差し記録処理に直接的な悪影響を及ぼさない。しかしながら、湾曲した第1搬送路65に長期間に亘って保持されていた用紙12Aは、強制排出された後もカールした状態となって再使用できない可能性がある。そこで、このような場合には、手差し記録処理が実行された後に強制排出処理を実行するのが望ましい。
また、本実施形態のように適切なタイミングで強制排出処理を実行することにより、ステップS35において、キャリッジ23をメンテナンス位置に移動させることなく手差し準備処理を実行することができる。その結果、特に手差し記録処理を繰り返し実行する場合に、当該手差し記録処理のスループットの低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、切替機構170を伝達状態として実行された全ての手差し準備処理において、搬送モータ102の逆転駆動量を累積する例を説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、複合機10は、給送トレイ20に用紙12Aが支持されていることを条件として、検知信号を出力するシートセンサをさらに備えてもよい。そして、制御部130は、切替機構170を伝達状態として実行された手差し準備処理のうち、シートセンサから検知信号が出力された状態で実行された手差し準備処理において、搬送モータ102の逆転駆動量を累積してもよい。
なお、本実施形態の給送記録処理(S36〜S40)において、用紙12Aの給送異常を報知してもよい。具体的には、給送処理(S36)において、給送ローラ25の回転量が閾値回転量未満であるタイミングでレジストセンサ120からローレベル信号が出力されたことを条件として、給送異常をユーザに報知してもよい。なお、この場合の閾値回転量とは、給送トレイ20から上流側検知位置までの距離に相当する給送ローラ25の回転量から、搬送モータ102の逆転駆動量の累積値によって特定される給送ローラ25の回転量を減算した値である。上記構成によれば、例えば、給送処理の実行中に用紙12Bが手差しトレイ22に載置されたことがレジストセンサ120で検知された場合等に、給送異常をユーザに報知することができる。
なお、ステップS11における搬送モータ102の逆転駆動量(換言すれば、搬送ローラ60の回転量)は、常に同一であってもよいし、用紙種等によって変更してもよい。例えば、逆転する搬送ローラ60に光沢紙を当接させると、当該光沢紙の先端の一部が搬送ローラ60によって削り取られることがある。そこで、制御部130は、手差しトレイ22に光沢紙が支持されている場合の搬送モータ102の逆転駆動量を、手差しトレイ22に普通紙が支持されている場合より少なくしてもよい。なお、手差しトレイ22に支持されている用紙12Bの種類を特定する方法は特に限定されないが、例えば、手差しトレイ22或いは第2搬送路66上に用紙種を判別するセンサを設けてもよいし、手差しトレイ22に載置する用紙12Bの種類を操作部17を通じてユーザに入力させてもよい。
また、ステップS11において累積される値は搬送モータ102の逆転駆動量に限定されず、手差し準備処理の過程で徐々に給送される用紙12Aの位置を特定できる値であれば、どのような値であってもよい。例えば、切替機構170を伝達状態として実行された手差し準備処理の回数を累積してもよいし、給送ローラ25の正転数或いは搬送ローラ60の逆転数を累積してもよい。
[その他の実施形態]
なお、上記の実施形態では、給送ローラ25、搬送ローラ60、排出ローラ62、及びメンテナンス機構70を共通の搬送モータ102で駆動する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、給送ローラ25、搬送ローラ60、及び排出ローラ62、及びメンテナンス機構70をそれぞれ別のモータで駆動してもよい。
また、本実施形態では、画像記録装置の一例としてインクジェット記録方式のプリンタ部11を備える複合機10の例を説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、画像記録装置の他の例として、例えば、レーザー記録方式のプリンタに本発明を適用してもよい。
10・・・複合機
20・・・給送トレイ
22・・・手差しトレイ
23・・・キャリッジ
24・・・記録部
25・・・給送ローラ
39・・・記録ヘッド
60・・・搬送ローラ
62・・・排出ローラ
70・・・メンテナンス機構
102・・・搬送モータ
120・・・レジストセンサ
122・・・メディアセンサ
130・・・制御部
170・・・切替機構

Claims (14)

  1. シートを搬送向きに搬送する正転及び正転と逆向きの逆転が可能な搬送ローラと、
    上記搬送ローラによって搬送されたシートに対して移動して画像を記録する記録部と、
    上記記録部によって画像が記録されたシートを排出する排出ローラと、
    第1シートを支持する第1トレイと、
    上記第1トレイが支持する上記第1シートを上記搬送ローラへ向けて給送する給送ローラと、
    上記搬送ローラに当接した状態の第2シートを支持する第2トレイと、
    上記搬送ローラより上記搬送向きの上流側の上流側検知位置にシートが存在することを条件として検知信号を出力するレジストセンサと、
    正転駆動時に上記搬送ローラを正転させ且つ上記排出ローラを回転させ、逆転駆動時に上記搬送ローラを逆転させ且つ上記給送ローラを回転させる搬送モータと、
    シートに対面し得る記録領域から外れた位置を移動する上記記録部によって、上記搬送モータの逆転駆動力を上記給送ローラに伝達する伝達状態及び伝達しない非伝達状態に切り替えられる切替機構と、
    上記搬送モータ及び上記記録部の動作を制御する制御部と、を備え、
    上記制御部は、
    上記搬送モータが停止した状態で上記レジストセンサから検知信号が出力されたことを条件として、上記搬送ローラを逆転させる斜行矯正処理と、
    上記切替機構を上記伝達状態にして実行された上記斜行矯正処理における上記搬送モータの逆転駆動量を特定する値を累積するカウント処理と、
    シートに画像を記録させる記録指示の入力を受け付ける受付処理と、
    上記斜行矯正処理が実行され且つ上記受付処理で上記記録指示が受け付けられたことを条件として、上記第2シートに画像を記録する手差し記録処理と、
    上記カウント処理で累積された値が閾値を上回ったことを条件として、上記斜行矯正処理の過程で上記第1トレイから給送された上記第1シートを上記排出ローラを通過する位置まで排出する強制排出処理と、を実行する画像記録装置。
  2. 上記閾値は、上記第1シートの先端を少なくとも上記上流側検知位置に到達させる上記給送ローラの回転量に相当する値であり、
    上記制御部は、
    上記カウント処理で累積された値が上記閾値を上回ることを条件として、上記手差し記録処理に先立って上記強制排出処理を実行し、
    上記強制排出処理の実行後に、上記第2トレイに上記第2シートを載置することをユーザに報知する報知処理を実行し、
    上記報知処理の実行後に上記第2トレイに載置された上記第2シートに対して、上記斜行矯正処理及び上記手差し記録処理を実行する請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 上記制御部は、上記斜行矯正処理の過程で上記第1シートの先端が上記搬送ローラに到達したことを条件として、上記強制排出処理において、当該第1シートの後端が上記排出ローラを通過するのに必要な予め定められた回転量だけ上記搬送ローラを正転させ且つ上記排出ローラを回転させる請求項2に記載の画像記録装置。
  4. 上記制御部は、上記斜行矯正処理の過程で上記第1シートの先端が上記上流側検知位置に到達し且つ上記搬送ローラに到達していないことを条件として、上記強制排出処理において、上記上流側検知位置から上記搬送ローラまでの距離に相当する以上の回転量だけ上記給送ローラを回転させ、当該第1シートの後端が上記排出ローラを通過するのに必要な予め定められた回転量だけ上記搬送ローラを正転させ且つ上記排出ローラを回転させる請求項2に記載の画像記録装置。
  5. 上記閾値は、上記第1トレイと上記搬送ローラとの間で円弧状に湾曲された搬送路において上記第1シートの先端が反転する領域まで当該第1シートを給送させる上記給送ローラの回転量に相当する値であり、
    上記制御部は、上記カウント処理で累積された値が上記閾値を上回ることを条件として、上記手差し記録処理の実行後に上記強制排出処理を実行する請求項1から4のいずれかに記載の画像記録装置。
  6. 上記制御部は、上記強制排出処理において、上記レジストセンサから検知信号が出力されるまで上記給送ローラを回転させ、上記上流側検知位置から上記搬送ローラまでの距離に相当する以上の回転量だけ上記給送ローラを回転させ、当該第1シートの後端が上記排出ローラを通過するまで上記搬送ローラを正転させ且つ上記排出ローラを回転させる請求項5に記載の画像記録装置。
  7. 該画像記録装置は、上記記録部に搭載されており、上記記録部に対面する下流側検知位置にシートが存在することを条件として検知信号を出力するメディアセンサをさらに備え、
    上記切替機構は、上記記録部が上記記録領域内に位置していることを条件として上記伝達状態となり、上記記録部が上記記録領域外に位置していることを条件として上記非伝達状態となり、
    上記制御部は、
    上記手差し記録処理において、
    上記記録領域内に上記記録部を移動させ且つ上記搬送ローラから上記下流側検知位置までの距離に相当する以上の回転量だけ上記搬送ローラを正転させる頭出しステップと、
    上記頭出しステップの実行後に上記メディアセンサから検知信号が出力されたことを条件として、上記第2シートに画像を記録する記録ステップと、
    上記頭出しステップの実行後に上記メディアセンサから検知信号が出力されなかったことを条件として、上記第2トレイに上記第2シートを載置することをユーザに報知する報知ステップと、を実行し、
    上記手差し記録処理の実行前に実行される上記斜行矯正処理において、上記記録部を上記記録領域外に位置させた状態で上記搬送ローラを逆転させ、
    上記報知ステップの実行後に実行される上記斜行矯正処理において、上記記録部を上記記録領域内に位置させた状態で上記搬送ローラを逆転させる請求項1から6のいずれかに記載の画像記録装置。
  8. 上記切替機構は、上記記録部が上記記録領域内に位置していることを条件として上記伝達状態となり、上記記録部が上記記録領域外に位置していることを条件として上記非伝達状態となり、
    上記制御部は、複数の上記第2シートに対して上記手差し記録処理を繰り返し実行する場合において、
    最初の上記第2シートに対する上記斜行矯正処理において、上記記録部を上記記録領域外に位置させた状態で上記搬送ローラを逆転させ、
    2枚目以降の上記第2シートに対する上記斜行矯正処理において、上記記録部を上記記録領域内に位置させた状態で上記搬送ローラを逆転させる請求項1から7のいずれかに記載の画像記録装置。
  9. 上記制御部は、
    上記斜行矯正処理が実行されていない状態で上記受付処理で上記記録指示が受け付けられたことを条件として、上記第1シートに対して画像を記録する給送記録処理を実行し、
    上記給送記録処理を実行したことを条件として、上記カウント処理で累積された値を初期化する請求項1から8のいずれかに記載の画像記録装置。
  10. 上記制御部は、上記給送記録処理において、
    上記給送ローラに上記第1シートを上記搬送ローラへ向けて給送させる給送ステップと、
    上記搬送ローラに到達された上記第1シートを上記搬送ローラ及び上記排出ローラの少なくとも一方に上記搬送向きに搬送させ、且つ当該第1シートに対して上記記録部に画像を記録させる記録ステップと、
    上記給送ステップにおいて上記給送ローラの回転量が閾値回転量未満であるタイミングで上記レジストセンサから検知信号が出力されたことを条件として、上記給送ステップの異常をユーザに報知する報知ステップと、を実行し、
    上記閾値回転量は、上記第1トレイから上記上流側検知位置までの距離に相当する上記給送ローラの回転量から、上記カウント処理で累積された値によって特定される上記給送ローラの回転量を減算した値である請求項9に記載の画像記録装置。
  11. 上記制御部は、上記斜行矯正処理において、上記第2シートが光沢紙である場合の上記搬送ローラの回転量を、上記第2シートが普通紙である場合より少なくする請求項1から10のいずれかに記載の画像記録装置。
  12. 該画像記録装置は、上記第1トレイが上記第1シートを支持していることを条件として検知信号を出力するシートセンサをさらに備え、
    上記制御部は、上記シートセンサから検知信号が出力されていることを条件として、上記カウント処理において、上記斜行矯正処理における上記搬送モータの逆転駆動量を特定する値を累積する請求項1から11のいずれかに記載の画像記録装置。
  13. 該画像記録装置は、上記記録部が上記記録領域外のメンテナンス位置において、上記記録部のメンテナンスを行うメンテナンス機構をさらに備え、
    上記切替機構は、上記記録部を上記メンテナンス位置に位置させたことによって上記非伝達状態となり且つ上記搬送モータの回転駆動力を上記メンテナンス機構に伝達し、上記記録部を上記メンテナンス位置と異なる位置に位置させたことによって上記伝達状態となり且つ上記搬送モータの回転駆動力を上記メンテナンス機構に伝達しない請求項1から12のいずれかに記載の画像記録装置。
  14. 上記制御部は、上記カウント処理において、上記斜行矯正処理の実行回数或いは上記搬送ローラの逆転量を、上記搬送モータの逆転駆動量を特定する値として累積する請求項1から13のいずれかに記載の画像記録装置。
JP2013197466A 2013-09-24 2013-09-24 画像記録装置 Active JP6210286B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013197466A JP6210286B2 (ja) 2013-09-24 2013-09-24 画像記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013197466A JP6210286B2 (ja) 2013-09-24 2013-09-24 画像記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015063043A JP2015063043A (ja) 2015-04-09
JP6210286B2 true JP6210286B2 (ja) 2017-10-11

Family

ID=52831377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013197466A Active JP6210286B2 (ja) 2013-09-24 2013-09-24 画像記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6210286B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7279359B2 (ja) * 2018-12-26 2023-05-23 ブラザー工業株式会社 画像記録装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4318048B2 (ja) * 2005-09-30 2009-08-19 ブラザー工業株式会社 画像記録装置
JP5375451B2 (ja) * 2009-08-31 2013-12-25 ブラザー工業株式会社 画像記録装置
JP5407844B2 (ja) * 2009-12-24 2014-02-05 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015063043A (ja) 2015-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4582183B2 (ja) 画像記録装置
JP2013075763A (ja) 画像記録装置
JP2014047053A (ja) インクジェット記録装置
JP4670954B2 (ja) 画像記録装置
JP6210286B2 (ja) 画像記録装置
JP6672788B2 (ja) インクジェット記録装置
JP6705260B2 (ja) インクジェット記録装置
JP6075316B2 (ja) 搬送装置及び画像記録装置
JP6164338B2 (ja) 画像記録装置
JP6083366B2 (ja) キャリッジ移動装置
US10183507B2 (en) Image recording apparatus and image recording method
JP2015066789A (ja) 画像記録装置
JP6136815B2 (ja) 画像記録装置
JP6079428B2 (ja) インクジェット記録装置
JP6107566B2 (ja) 画像記録装置
JP6421677B2 (ja) 画像記録装置
JP6365014B2 (ja) インクジェット記録装置及び方法
JP5966964B2 (ja) インクジェット記録装置
JP6455053B2 (ja) インクジェット記録装置及びプログラム
JP6303524B2 (ja) インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法
JP6003769B2 (ja) キャリッジ移動装置
JP5949630B2 (ja) 画像記録装置
JP5904058B2 (ja) シート搬送装置及び画像記録装置
JP6135576B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2020104267A (ja) 画像記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160926

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170817

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170830

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6210286

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150