JP6210217B2 - 炭素繊維強化ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、高融点かつ低吸水の特定ポリアミドに、さらに特定の炭素繊維を添加することによって得られる、軽くて強い高融点ポリアミド樹脂組成物に関する。特に非常に低い吸水率によって成形品が吸水しても強度低下せず、成形品外観も優れるポリアミド樹脂組成物に関する。本発明のポリアミド樹脂組成物は、電子電機部品の筐体や、自動車内装および外装に使用される車両用部品の成形品として好適に使用できるものである。
ポリアミドは、炭素繊維を押出機で混練し強化することによって、高い強度、剛性だけでなく高い荷重たわみ性を発現することができる。そのため、炭素繊維強化ポリアミド樹脂組成物は、電子電機機器や自動車分野において内部部材および外部部材として広く用いられている。近年、特に電子電機部材における製品肉厚の薄肉化や、車輌用部品の小サイズ化からより軽く、より強いものへの要求が高まっており、強度/比重で示される比強度のより高い熱可塑性樹脂組成物が求められている。しかし、ポリアミド樹脂組成物は、一般的に吸水が大きく、吸水すると強度、弾性率の低下を引き起こすため、例えばポリアミド6、ポリアミド66成分をベースとしたガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物は、吸水時に強度が低下するという欠点がある。また、ベースポリアミド種によっては吸水が少ないが炭素繊維の充填量が多くなると、溶融混練時に繊維の破壊、短繊維化がはげしく、比重(密度)が高くなる割に強度が不十分である。加えて成形品外観も炭素繊維添加量に比して悪くなってくるため、品質としては悪くなる。従って、レジャー部品、電気電子部品筐体、車両内装、外装部品としての使用が制限される。
また、近年、特に電気電子部品の実装においては、製品サイズの小型化に伴う部品の小型化、実装の高密度化、工程の簡略化や低コスト化により表面実装方式(フロー方式、リフロー方式)が急速に浸透している。表面実装方式では、工程雰囲気温度が半田溶融温度以上(240〜260℃)になることから、使用される樹脂にも必然的に上記雰囲気温度での耐熱性が求められる。また、表面実装工程においては、樹脂の吸水に由来する実装部品のふくれ、変形が問題となることもあり、使用される樹脂には低吸水性が求められる。これらの特性を満足する樹脂としては、6T系ポリアミドや9Tポリアミドがあり、例えば特許文献1や特許文献2などで、これらの芳香族系ポリアミドが表面実装型電気電子部品に使用できることが示されている。
特許文献3では、軽量化、高剛性化を行う目的でポリアミド6に特定の炭素繊維を添加する手法が提案されている。しかし比重(密度)に対して弾性率と衝撃強度で検討されているため、軽くて強い成形品を提案できていない。またポリアミド6は吸水による弾性率、強度低下が大きい問題点がある。
特許文献4では、特定のポリアミドと特定の炭素繊維を使うことによって機械特性と外観に優れた炭素繊維強化ポリアミドが提案されている。しかしながら炭素繊維の添加量のわりに発現強度が低く、充分に軽くて強い炭素繊維強化ポリアミドを提案できているとはいえない。
特許文献5では、限定されたポリアミド種に特定の炭素繊維を配合して機械強度と外観に優れた炭素繊維強化ポリアミドを提案している。しかしながら開示された範囲で、比重1.25(密度1.25g/cm)以下のものはなく、充分に軽くて強いものを提案できていない。また特許文献5中に記載されているTm−Tc<50℃という範囲は市場に流通する一般的なポリアミドの特性範囲であり、明細中に具体的な開示のあったポリアミド種以外は有効でない。
特開平3−88846号公報 特許第3474246号公報 特開2006−1964号公報 特開2012−255063号公報 特開2013−64106号公報
本発明は、上記従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は、軽くて強くて成形品外観の良好な高融点ポリアミド樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、かかる目的を達成するために鋭意検討した結果、高い融点とガラス転移温度を持つ種々のポリアミドの中でも特定構造のポリアミドを用いて、特定の炭素繊維を一定範囲量添加してコンパウンドすることで、密度1.25g/cm以下の強くて軽い炭素繊維強化ポリアミド樹脂組成物を得た。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(5)の構成を採用するものである。
(1)ポリアミド(A)と、繊維径4〜6μmでかつ引張強度が5.2GPa以上の炭素繊維(B)を含有するポリアミド樹脂組成物であって、ポリアミド(A)と炭素繊維(B)の質量比(A):(B)が97:3〜75:25であり、ポリアミド(A)が(a)ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸からなる構成単位55〜75モル%と、(b)11−アミノウンデカン酸又はウンデカンラクタムからなる構成単位45〜25モル%とからなる共重合ポリアミドであることを特徴とする炭素繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
(2)ポリアミド(A)が、(c)前記(a)の構成単位以外のジアミンとジカルボン酸ならなる構成単位、または前記(b)の構成単位以外のアミノカルボン酸もしくはラクタムからなる構成単位を最大20モル%まで含有することを特徴とする(1)に記載の炭素繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
(3)ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸、及びイソフタル酸をモノマー成分に含むガラス転移点100℃以上の共重合ポリアミド(C)を1〜20質量%含むことを特徴とする(1)または(2)に記載の炭素繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
(4)銅化合物(D)を最大0.5質量%の量で含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の炭素繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の炭素繊維強化ポリアミド樹脂組成物からなる成形品であって、成形品の密度ρ(g/cm)と曲げ強度S(MPa)、ポリアミド(A)、炭素繊維(B)及び共重合ポリアミド(C)の合計を100質量部としたときの炭素繊維(B)の質量部W(質量部)が、15<S/(ρ×W)で、かつρ<1.25であることを特徴とする成形品。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂と炭素繊維の種類と量を特定の種・量に規定することによって、今までにない強くて軽い炭素繊維強化ポリアミド樹脂組成物となっている。炭素繊維の添加質量あたりの発現比強度は非常に大きい。炭素繊維の添加量が少なくても、高い強度を発現することから外観も良好で成形もし易い。吸水も極めて低いため、吸水による強度低下は極めて少なく、電気電子機器の筐体や自動車内装および外装用の部品、レジャー用具、遊具の部品として極めて有用である。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、特定の高融点ポリアミド(A)と、特定の炭素繊維(B)を含有するものである。
本発明で使用するポリアミド(A)は、(a)ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸からなる構成単位55〜75モル%と、(b)11−アミノウンデカン酸又はウンデカンラクタムからなる構成単位45〜25モル%とからなる共重合ポリアミドである。かかるポリアミド(A)は、融点(Tm)が290℃〜350℃であり、昇温結晶化温度(Tc1)が80〜150℃であることが好ましい。
ポリアミド(A)は、高い耐熱性、流動性、低い吸水性に加えて優れた成形性を実現するために配合されるものであり、ポリアミド6Tに相当する(a)成分とポリアミド11に相当する(b)成分を特定の割合で含有するものであり、従来の6Tポリアミド(例えば、テレフタル酸/イソフタル酸/ヘキサメチレンジアミンからなるポリアミド6T6I、テレフタル酸/アジピン酸/テレフタル酸からなるポリアミド6T66、テレフタル酸/イソフタル酸/アジピン酸/ヘキサメチレンジアミンからなるポリアミド6T6I66、テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミン/2−メチル―1、5−ペンタメチレンジアミンからなるポリアミド6T/M−5T、テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミン/ε―カプロラクタムからなるポリアミド6T6)の欠点である高吸水性が大幅に改良されているという特徴を有する。さらには、ポリアミド11成分に由来するフレキシブルな長鎖脂肪骨格を有することから、流動性を確保しやすいという特徴も有する。
(a)成分は、ヘキサメチレンジアミン(6)とテレフタル酸(T)を等量モルで共縮重合させることにより得られる6Tポリアミドに相当するものであり、具体的には、下記式(I)で表されるものである。
(a)成分は、高融点のポリアミド(A)の主成分であり、高融点のポリアミド(A)に優れた耐熱性、機械的特性、摺動性などを付与する役割を有する。共重合ポリアミド(A)中の(a)成分の配合割合は、55〜75モル%であり、好ましくは60〜70モル%、さらに好ましくは62〜68モル%である。(a)成分の配合割合が上記下限未満の場合、結晶成分である6Tポリアミドが、共重合成分により結晶阻害を受け、成形性や高温特性の低下を招くおそれがあり、一方、上記上限を超える場合、融点が高くなりすぎ、加工時に分解するおそれがある。
(b)成分は、11−アミノウンデカン酸又はウンデカンラクタムを重縮合させることにより得られる11ポリアミドに相当するものであり、具体的には、下記式(II)で表されるものである。
(b)成分は、(a)成分の欠点である、吸水性、流動性を改良するためのものであり、ポリアミド(A)の融点及び昇温結晶化温度を調整し成形性を向上させる役割、吸水率を低減させて吸水時の物性変化や寸法変化によるトラブルを改善させる役割、およびフレキシブルな骨格を導入することにより溶融時の流動性を改善する役割を有する。ポリアミド(A)中の(b)成分の配合割合は、45〜25モル%であり、好ましくは40〜30モル%、更に好ましくは38〜32モル%である。(b)成分の配合割合が上記下限未満の場合、ポリアミド(A)の融点が十分に低下せず、成形性が不足するおそれがあると共に、得られた樹脂の吸水率を低減させる効果が不十分であり、吸水時に機械的特性が低下するなど物性の不安定さを招くおそれがある。上記上限を超える場合、ポリアミド(A)の融点が低下しすぎて結晶化速度が遅くなり、成形性が逆に悪くなるおそれがあると共に、6Tポリアミドに相当する(a)成分の量が少なくなり、機械的特性や耐熱性が不足するおそれがある。
ポリアミド(A)は、上記(a)成分及び(b)成分以外に、(c)上記(a)の構成単位以外のジアミンとジカルボン酸からなる構成単位、または上記(b)の構成単位以外のアミノカルボン酸もしくはラクタムからなる構成単位を最大20モル%共重合しても良い。(c)成分は、ポリアミド(A)に、6Tポリアミドや11ポリアミドによっては得られない他の特性を付与したり、6Tポリアミドや11ポリアミドによって得られる特性をさらに改良する役割を有するものであり、具体的には以下のような共重合成分が挙げられる。ジアミン成分としては、1,2−エチレンジアミン、1,3−トリメチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、5−ベンタメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、2−メチル−1,8−オクタメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン、1,11−ウンデカメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、1,13−トリデカメチレンジアミン、1,16−ヘキサデカメチレンジアミン、1,18−オクタデカメチレンジアミン、2,2,4(または2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジアミンのような脂肪族ジアミン、ピペラジン、シクロヘキサンジアミン、ビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタン、ビス−(4,4′−アミノシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミンのような脂環式ジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミンなどの芳香族ジアミンおよびこれらの水添物等が挙げられる。ジカルボン酸成分としては、以下に示すジカルボン酸、もしくは酸無水物を使用できる。ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボンル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−スルホン酸ナトリウムイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,11−ウンデカン二酸、1,12−ドデカン二酸、1,14−テトラデカン二酸、1,18−オクタデカン二酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂肪族や脂環族ジカルボン酸等が挙げられる。また、ε−カプロラクタム、12−ラウリルラクタムなどのラクタムおよびこれらが開環した構造であるアミノカルボン酸などが挙げられる。
具体的な(c)成分としては、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ポリアミド116)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリパラキシリレンアジパミド(ポリアミドPXD6)、ポリテトラメチレンセバカミド(ポリアミド410)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリデカメチレンアジパミド(ポリアミド106)、ポリデカメチレンセバカミド(ポリアミド1010)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリデカメチレンドデカミド(ポリアミド1012)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリテトラメチレンテレフタルアミド(ポリアミド4T)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド(ポリアミド5T)、ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド(ポリアミドM−5T)、ポリヘキサメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ポリアミド6T(H))、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド11T)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド12T)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンテレフタルアミド(ポリアミドPACMT)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンイソフタルアミド(ポリアミドPACMI)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドPACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンテトラデカミド(ポリアミドPACM14)などが挙げられる。これらは、1成分単独もしくは多成分を組み合わせて共重合しても良い。また、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等のいずれの共重合法を用いても良い。
前記構成単位の中でも、好ましい(c)成分の例としては、ポリアミド(A)に高結晶性を付与するためのポリヘキサメチレンアジパミドや、さらなる低吸水性を付与するためのポリデカメチレンテレフタルアミド、ポリドデカンアミドなどが挙げられる。ポリアミド(A)中の(c)成分の配合割合は、最大20モル%までであることが好ましく、さらに好ましくは10〜20モル%である。(c)成分の割合が少ないと、(c)成分による効果が十分発揮されないおそれがあり、上記上限を超える場合、必須成分である(a)成分や(b)成分の量が少なくなり、ポリアミド(A)の本来意図される効果が十分発揮されないおそれがある。
ポリアミド(A)を製造するに際に使用する触媒としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸もしくはその金属塩やアンモニウム塩、エステルが挙げられる。金属塩の金属種としては、具体的には、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモンなどが挙げられる。エステルとしては、エチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエステル、フェニルエステルなどを添加することができる。また、溶融滞留安定性向上の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ化合物を添加することが好ましい。
ポリアミド(A)の96%硫酸溶液において20℃で測定した相対粘度(RV)は0.4〜4.0であることが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0、さらに好ましくは1.5〜2.5である。ポリアミドの相対粘度を一定範囲とする方法としては、分子量を調整する手段が挙げられる。
ポリアミド(A)は、アミノ基量とカルボキシル基とのモル比を調整して重縮合する方法や末端封止剤を添加する方法によって、ポリアミドの末端基量および分子量を調整することができる。アミノ基量とカルボキシル基とのモル比を一定比率で重縮合する場合には、使用する全ジアミンと全ジカルボン酸のモル比をジアミン/ジカルボン酸=1.00/1.05から1.10/1.00の範囲に調整することが好ましい。
末端封止剤を添加する時期としては、原料仕込み時、重合開始時、重合後期、または重合終了時が挙げられる。末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基との反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限されないが、モノカルボン酸またはモノアミン、無水フタル酸等の酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類などを使用することができる。末端封止剤としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソ酪酸等の脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン等が挙げられる。
ポリアミド(A)の酸価およびアミン価としては、それぞれ0〜200eq/トン、0〜100eq/tonであることが好ましい。末端官能基が200eq/tonを超えると、溶融滞留時にゲル化や劣化が促進されるだけでなく、使用環境下においても、着色や加水分解等の問題を引き起こしうる。一方、ガラス繊維やマレイン酸変性ポリオレフィンなどの反応性化合物をコンパウンドする際は、反応性および反応基に合わせ、酸価および/又はアミン価を5〜100eq/tonとすることが好ましい。
ポリアミド(A)は、従来公知の方法で製造することができるが、例えば、(a)成分の原料モノマーであるヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸、及び(b)成分の原料モノマーである11−アミノウンデカン酸又はウンデカンラクタム、並びに必要により(c)成分の構成モノマーを共縮合反応させることによって容易に合成することができる。共縮重合反応の順序は特に限定されず、全ての原料モノマーを一度に反応させてもよいし、一部の原料モノマーを先に反応させ、続いて残りの原料モノマーを反応させてもよい。また、重合方法は、特に限定されないが、原料仕込からポリマー作製までを連続的な工程で進めても良いし、一度オリゴマーを作製した後、別工程で押出し機などにより重合を進める、もしくはオリゴマーを固相重合により高分子量化するなどの方法を用いても良い。原料モノマーの仕込み比率を調整することにより、合成される共重合ポリアミド中の各構成単位の割合を制御することができる。
本発明で使用する炭素繊維(B)は、繊維径が4〜6μmで、かつ引張強度5.2GPa以上のものであれば特に制限はない。製造方法に関しても一般的に開示されている手法であれば制限はないが、機械特性を向上させるためにはPAN系炭素繊維が好ましい。炭素繊維の強度として5.4GPa以上、繊維径が4.5〜5.8μmのものがより好ましい。炭素繊維の強度の上限は特に制限はないが、6.0GPa以下のものが好ましく使用できる。本特許において、より重要なのは、ポリアミド樹脂の種類と炭素繊維の添加量である。軽くて強い炭素繊維強化ポリアミドを実現する上で、密度1.25g/cm以上であれば軽いとは言いがたく、これは炭素繊維の添加量が25質量%超に相当する。本発明においては、ポリアミド(A)と炭素繊維(B)の質量比(A):(B)が90:10〜75:25であることが好ましく、(A):(B)が90:10〜80:20であることがより好ましい。
本発明で使用するヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸、及びイソフタル酸をモノマー成分に含むガラス転移点100℃以上の共重合ポリアミド(C)は、ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸、及びイソフタル酸をモノマー成分に含み、ガラス転移温度100℃以上である。ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸、及びイソフタル酸をモノマー成分に含むガラス転移点100℃以上の共重合ポリアミド(C)としては、例えばガラス転移点が120〜130℃である非結晶性ポリアミド6T6Iが挙げられる。ポリアミド(A)に対して、共重合ポリアミド(C)が併用される理由は、相溶性、強度発現、靭性保持、剛性発現を考慮した外観改良にある。共重合ポリアミド(C)は、96%硫酸溶液における20℃の相対粘度(RV)が、1.4〜3.0であることが好ましい。
共重合ポリアミド(C)は、ポリアミド樹脂組成物中、1〜20質量%含むことが好ましいが、2〜15質量部含むことがより好ましく、3〜10質量部含むことがさらに好ましい。
炭素繊維(B)の表面に、樹脂の濡れ性改善、取り扱い性の向上としてカップリング剤や収束剤を付着させたものを用いてもよい。カップリング剤はアミノ系、エポキシ系、メルカプト系など様々あるが、ポリアミドに対してはアミノシラン系カップリング剤が好ましい。収束剤についてはウレタン系が好ましい。付加量に関しては、炭素繊維100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましいが、特に制限されない。ポリアミドとの混練り加工する上で、炭素繊維は上記カップリング剤、集束剤で処理された繊維束を3〜8mmにカットしたチョップドストランドであることが最も好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、銅化合物(D)を最大0.5質量%の量含むことが好ましく、さらには少なくとも0.01質量%、多くとも0.4質量%の量で含むことにより、耐熱性を向上することができ、より好ましい。銅化合物(D)が0.01質量%未満の場合、耐熱老化性に効果を与えない可能性がある。一方、0.5質量%を超えて添加しても、それ以上の耐熱老化性の向上は見られず、物性が低下する可能性がある。銅化合物としては、具体的に、塩化銅、臭化銅、沃化銅、酢酸銅、銅アセチルアセトナート、炭酸銅、ホウフッ化銅、クエン酸銅、水酸化銅、硝酸銅、硫酸銅、蓚酸銅などが挙げられる。本発明では、銅化合物と併用する形で、他の添加成分(E)として安定剤、例えばハロゲン化アルカリ化合物を配合することも可能である。このハロゲン化アルカリ化合物の例としては、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウムおよびヨウ化ナトリウムを挙げることができ、特に好ましくはヨウ化カリウムである。
また、本発明のポリアミド樹脂組成物は、本発明の特性を阻害しない範囲で、他の添加成分(E)、例えば上記のハロゲン化アルカリ化合物を含む安定剤、無機充填材、カーボンブラックを含む耐候性改良剤、酸化防止剤、フェノール系化合物やリン系化合物を含む光または熱安定剤、離型剤、結晶核剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、染料等から選ばれる添加剤を合計で、ポリアミド樹脂組成物中、最大5質量%の量で配合することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、必須成分の前記ポリアミド(A)及び前記炭素繊維(B)と、任意成分の前記共重合ポリアミド(C)、前記銅化合物(D)及び前記添加成分(E)からなるが、前記ポリアミド(A)及び前記炭素繊維(B)の合計、もしくは前記ポリアミド(A)、前記炭素繊維(B)及び前記共重合ポリアミド(C)の合計で、ポリアミド樹脂組成物中、95質量%以上を占めることが好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法としては、特に制限は無く、各成分を従来公知の混練方法により溶融混練して得ることができる。具体的な混練装置にも制限はなく、例えば単軸または二軸の押出機、混練機、ニーダーなどが挙げられるが、特に二軸押出機が生産性の面で好ましい。スクリューアレンジにも特に制限は無いが、各成分をより均一に分散させるために、ニーディングゾーンを設けることが好ましい。具体的な方法としては、ポリアミド(A)共重合ポリアミド(C)、銅化合物(D)、その他の添加成分(E)をブレンダーでプリブレンドし、ホッパーから単軸や二軸の押出機に投入した後、(A)及び(C)の少なくとも一部が溶融した状態で、溶融混合物中に炭素繊維(B)をフィーダーで単軸や二軸の押出機に投入し、溶融混練後ストランド状に吐出し、冷却、カットする方法が挙げられる。
上述のようにして作られた本発明のポリアミド樹脂組成物は、特定のポリアミド(A)、ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸、及びイソフタル酸をモノマー成分に含むガラス転移点100℃以上の共重合ポリアミド(C)、及び特定繊維径と引張強度を持つ炭素繊維(B)を用いることにより、該ポリアミド樹脂組成物から得られる成形品は、成形品の密度ρ(g/cm)、曲げ強度S(MPa)、ポリアミド(A)、炭素繊維(B)及び共重合ポリアミド(C)の合計を100質量部としたときの炭素繊維(B)の質量部W(質量部)が、
ρ<1.25 かつ 15<S/(ρ×W)
の関係を満たす、炭素繊維添加量あたりの比強度発現の高い成形品が得られる。
15≧S/(ρ×W)となれば、炭素繊維の破損による比強度低下がおこっているため好ましくない。曲げ強度Sの絶対強度としては、300MPa以上が好ましく、より好ましくは350MPa以上である。
以下、本発明の効果を実施例により具体的に示すが、本発明は規定した構成要件を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、この実施例の物性値の測定方法は、以下の方法に従った。
<相対粘度>
ポリアミド樹脂0.25gを96%硫酸25mlに溶解し、オストワルド粘度計を用いて20℃で測定した。
<末端アミノ基量>
ポリアミド樹脂0.2gをm−クレゾール20mlに溶解させ、0.1mol/l塩酸エタノール溶液で滴定した。指示薬はクレゾールレッドを用いた。樹脂1ton中の当量(eq/ton)として表した。
<融点(Tm)及び昇温結晶化温度(Tc1)>
東芝機械製射出成形機EC−100を用い、シリンダー温度は樹脂の融点+20℃、金型温度は35℃に設定し、長さ127mm、幅12.6mm、厚み0.8mmtのUL燃焼試験用テストピースを射出成形し、試験片を作製した。得られた成型品の融点(Tm)及び昇温結晶化温度(Tc1)を測定するために、成型品の一部をアルミニウム製パンに5mg計量し、アルミニウム製蓋で密封状態にして、測定試料を調製した後、示差走査熱量計(SEIKO INSTRUMENTS製 SSC/5200)を用いて、窒素雰囲気で室温から20℃/分で昇温し、350℃まで測定を実施した。その際、得られる発熱ピークの内、最も高温のピークのピークトップ温度を昇温結晶化温度(Tc1)とし、融解による吸熱のピークトップ温度を融点(Tm)とした。
<成形品外観評価>
東芝機械製射出成形機EC−100を用い、シリンダー温度は樹脂の融点+20℃、金型温度は140℃に設定し、長さ100mm、幅100mm、厚み2mmtの試験用テストピースを射出成形により作製した。この試験用テストピースを目視で外観を評価して繊維浮きのあるものを×、繊維浮きがなく表面が平滑なものを○とした。
<密度>
ISO−1183に準じて測定した。
<曲げ強度>
東芝機械製射出成形機EC−100を用い、シリンダー温度は樹脂の融点+20℃、金型温度は140℃に設定し、ISO−178に準拠し、評価用試験片を作成し、物性評価を実施した。
各実施例および比較例においては、以下の原料を用いた。
<ポリアミド(A1)>
1,6−ヘキサメチレンジアミン7.54kg、テレフタル酸10.79kg、11−アミノウンデカン酸7.04kg、触媒としてジ亜リン酸ナトリウム9g、末端調整剤として酢酸40gおよびイオン交換水17.52kgを50リットルのオートクレーブに仕込み、常圧から0.05MPaまでNで加圧し、放圧させ、常圧に戻した。この操作を3回行い、N置換を行った後、攪拌下135℃、0.3MPaにて均一溶解させた。その後、溶解液を送液ポンプにより、連続的に供給し、加熱配管で240℃まで昇温させ、1時間、熱を加えた。その後、加圧反応缶に反応混合物が供給され、290℃に加熱され、缶内圧を3MPaで維持するように、水の一部を留出させ、低次縮合物を得た。その後、この低次縮合物を、溶融状態を維持したまま直接二軸押出し機(スクリュー径37mm、L/D=60)に供給し、樹脂温度を335℃、3箇所のベントから水を抜きながら溶融下で重縮合を進め、ポリアミド(A1)を得た。得られたポリアミド(A1)は、相対粘度2.1、末端アミノ基量16eq/ton、融点314℃であった。ポリアミド(A1)の原料モノマーの仕込み比率を表1に示す。
<ポリアミド(A2)>
1,6−ヘキサメチレンジアミンの量を8.12kgに変更し、テレフタル酸の量を11.62kgに変更し、11−アミノウンデカン酸の量を6.03kgに変更した以外は、ポリアミド(A1)と同様にして、ポリアミド(A2)を合成した。得られたポリアミド(A2)は、相対粘度2.1、末端アミノ基量28eq/ton、融点328℃であった。ポリアミド(A2)の原料モノマーの仕込み比率を表1に示す。
<ポリアミド(A3)>
1,6−ヘキサメチレンジアミンの量を8.12kgに変更し、テレフタル酸の量を9.96kgに変更し、11−アミノウンデカン酸の量を6.03kgに変更し、アジピン酸(テレフタル酸以外のジカルボン酸)1.46kgを仕込んだ以外は、ポリアミド(A1)と同様にして、ポリアミド(A3)を合成した。得られたポリアミド(A3)は、相対粘度2.1、末端アミノ基量35eq/ton、融点310℃であった。ポリアミド(A3)の原料モノマーの仕込み比率を表1に示す。
<ポリアミド(A4)>
11−アミノウンデカン酸7.04kgをウンデカンラクタム6.41kgに変更した以外は、ポリアミド(A1)と同様にして、ポリアミド(A4)を合成した。得られたポリアミド(A4)は、相対粘度2.1、末端アミノ基量13eq/ton、融点315℃であった。ポリアミド(A4)の原料モノマーの仕込み比率を表1に示す。
<共重合ポリアミド(C)>
ポリアミド6T6I(6T/6I=33/67(モル%)):EMS社製グリボリーG21、Tg125℃、数平均分子量15100、非晶性、相対粘度:2.05dl/g。TgはDSCの昇温法にて測定した。
<その他ポリアミド樹脂>
ポリアミドMXD6:相対粘度RV=2.1のポリアミドMXD6、東洋紡社製「ナイロンT600」、末端カルボキシル基濃度(CEG:単位meq/kg)=65、結晶性ポリアミド、Tm=237℃ Tc1=127℃
ポリアミド6:相対粘度RV=1.9のポリアミド6、東洋紡社製「ナイロンT−860」、CEG=80、Tm=225℃、Tc1は金型温度35℃でも結晶化するため、前述のDSC測定では得られない。
ポリアミド66:相対粘度RV=2.4のポリアミド66、ローディア社製「スタバミド23AE」、CEG=91 結晶性ポリアミド、Tm=265℃、Tc1は金型温度35℃でも結晶化するため、前述のDSC測定では得られない。
<炭素繊維(B)>
B−1:繊維径7μ、カット長6mm 引張強度4.9GPaの炭素繊維束のチョップドストランド、日本ポリマー産業製 AXE−4MC
B−2:繊維径5.5μ、カット長6mm 引張強度5.5GPaの炭素繊維束のチョップドストランド、日本ポリマー産業製 AXE−4MC HS
<銅化合物(D)>
臭化銅(II)
<他の添加成分(E)>
離型剤:クラリアント社製、モンタン酸エステルワックス「WE40」
安定剤:ヨウ化カリウム
黒顔料:カーボンブラックマスターバッチとしてレジノカラー社製 ABF−T−9801(マスターベース=AS樹脂、カーボンブラック含有量45質量%)、ファーネスブラック使用
(実施例1〜5、比較例1〜5)
表2に示す配合割合で、炭素繊維(B)以外の成分をドライブレンドし、コペリオン社製ベント式2軸押出機「STS35mm」(バレル12ブロック構成)を用いてシリンダー温度はベース樹脂の融点プラス15℃に設定し、スクリュウ回転数250rpmの押出条件で溶融混合し、次いで炭素繊維(B)をサイドフィード方式で供給し溶融混練を行った。押出機から押出されたストランドは急冷してストランドカッターでペレット化した。得られたペレットを100℃で12時間乾燥した後、射出成形機(東芝機械株式会社製、IS80)で、シリンダー温度はベース樹脂の融点プラス20℃、金型温度140℃にて各種試験用試験片を成形して評価に供した。評価結果も表2に記した。
表2から明らかなように、実施例1〜5の試験片は、密度1.25g/cm未満で曲げ強度350MPa以上ある、いずれも軽くて強い成形品であり、15<S/(ρ×W)を満たしている。成形品の外観も良好である。一方、比較例1〜5の試験片は、実施例1〜5のものに比べて、密度が大きく、弾性率は高いが密度(比重)に対する強度は高くない。強度を得るために、炭素繊維を増やすと外観が悪くなり、いずれも実施例に劣る。
本発明のポリアミド樹脂組成物による成形品は軽くて強く、かつ外観が良好で、吸水による物性低下もない。それゆえ、携帯電話、パソコンなどの電子電機機器筐体、自動車部品、レジャー用品に適しており、特にレジャー用品には最適である。

Claims (5)

  1. ポリアミド(A)と、繊維径4〜6μmでかつ引張強度が5.2GPa以上の炭素繊維(B)を含有するポリアミド樹脂組成物であって、ポリアミド(A)と炭素繊維(B)の質量比(A):(B)が97:3〜75:25であり、ポリアミド(A)が(a)ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸からなる構成単位55〜75モル%と、(b)11−アミノウンデカン酸又はウンデカンラクタムからなる構成単位45〜25モル%とからなる共重合ポリアミドであることを特徴とする炭素繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
  2. ポリアミド(A)が、(c)前記(a)の構成単位以外のジアミンとジカルボン酸ならなる構成単位、または前記(b)の構成単位以外のアミノカルボン酸もしくはラクタムからなる構成単位を最大20モル%まで含有することを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
  3. ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸、及びイソフタル酸をモノマー成分に含むガラス転移点100℃以上の共重合ポリアミド(C)を1〜20質量%含むことを特徴とする請求項1または2に記載の炭素繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
  4. 銅化合物(D)を最大0.5質量%の量で含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維強化ポリアミド樹脂組成物からなる成形品であって、成形品の密度ρ(g/cm)と曲げ強度S(MPa)、ポリアミド(A)、炭素繊維(B)及び共重合ポリアミド(C)の合計を100質量部としたときの炭素繊維(B)の質量部W(質量部)が、15<S/(ρ×W)で、かつρ<1.25であることを特徴とする成形品。
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