JP6209986B2 - Cu−Fe合金 - Google Patents

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電気・電子機器から発生する電磁波や電気・電子機器の内部へ侵入する電磁波を遮蔽する電磁波シールドとして使用されるCu−Fe合金に関するものである。
電磁波シールドとして使用される電磁遮蔽効果の高い素材として、Cu−Fe合金が知られている。このCu−Fe合金は、例えば、鋳造−熱間加工−冷間加工−時効処理を経て製造される。Cu−Fe合金は、Cu母相中にFe相が晶出又は析出して分散することによって、導電率を損なうことなく透磁率が上昇し、電磁遮蔽効果が向上している。また、このCu−Fe合金の具体的な製品形状としては、例えば板、箔、棒、線およびこれらを加工した網などが挙げられる。
上述のCu−Fe合金として、例えば特許文献1には、Feを10.0mass%以上50.0mass%以下、Ni、Coを1種又は2種の合計で0.001mass%以上5.0mass%以下、Cを10ppm以上含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなり、Cuを主体とするCu相とFeを主体とするFe相からなる金属組織を有するCu−Fe合金が開示されている。このCu−Fe合金においては、溶融状態においてCu相とFe相とが二相分離(いわゆる、二液相分離)する現象を活用し、Fe相を晶出させている。
ところで、Cu−Fe合金において、上述したように、Fe相を二液相分離によって晶出させる場合、Fe相が粗大化してしまうことがある。このようにFe相が粗大化すると、Cu母相中にFe相が偏在することになり、電磁遮蔽効果が十分に発揮されない。また、Cu−Fe合金の加工性が低下し、薄板化や細線化が困難となる。
そこで、特許文献2には、上述の二液相分離を抑制したCu−Fe合金として、Feを5〜95重量%、Oを50重量ppm以下含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなるCu−Fe合金が開示されている。
特開2012−207275号公報 特開平05−331572号公報
ところで、特許文献2に記載されたCu−Fe合金においては、Oを50重量ppm以下含有する構成にすることによって、Cu相とFe相との二液相分離の抑制を図っている。しかしながら、このCu−Fe合金について、本発明者らが検討した結果、Oの含有量を50重量ppm以下に制御してもCu相とFe相との二液相分離を抑制することができないことを確認した。このため、特許文献2に記載されたCu−Fe合金においても、Fe相が粗大化する問題があった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、電磁遮蔽性に優れ、かつ加工性が良好なCu−Fe合金を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決すべく検討した結果、Cu−Fe合金において、Cの含有量を所定の範囲以下に制御することによって、Cu相とFe相との二液相分離を抑制し、晶出するFe相を微細に分散させることができるとの知見を得た。
本発明は、上記の知見に基づき完成させたものであって、その要旨は以下の通りである。
すなわち、本発明のCu−Fe合金は、Feを2.0mass%以上10.0mass%以下、Cを15massppm以下含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなり、Cu相とFe相の2相からなる金属組織を有し、前記Fe相はデンドライト状に晶出しており、このデンドライト状に晶出したFe相の短軸径が50μm以下とされていることを特徴としている。
本発明のCu−Fe合金によれば、Feを2.0mass%以上含有する構成とされているので、Fe相が十分に晶出又は析出して透磁率が上昇し、十分な電磁遮蔽効果を確保することができる。また、Feを10.0mass%以下含有する構成とされているので、最終加工後の導電率を高く保つことができる。加えて、鋳造時においてFe相の晶出量が過剰に多くなることを抑制し、鋳造後の加工性を損なうこともない。
さらに、本発明のCu−Fe合金は、Cの含有量が15massppm以下とされているので、溶融状態におけるCu相とFe相との二液相分離を抑制し、晶出したFe相を微細に分散させることができる。したがって、Fe相が偏在しておらず、十分な電磁遮蔽効果を確保することができる。また、鋳造後のCu−Fe合金の加工性をより向上させることができ、例えばCu−Fe合金を細線化する際に、伸線加工時に断線の発生を抑制可能となる。
また、本発明のCu−Fe合金は、Cu相とFe相の2相からなる金属組織を有し、前記Fe相はデンドライト状に晶出しており、このデンドライト状に晶出したFe相の短軸径が50μm以下とされているので、Fe相が十分に微細に分散されていることになり、十分な電磁遮蔽効果を確保することができる。また、Cu−Fe合金の加工性をより良好にすることができる。
本発明によれば、電磁遮蔽性に優れ、かつ加工性が良好なCu−Fe合金を提供することができる。
本発明の実施形態に係るCu−Fe合金を製造するための連続鋳造装置の概略説明図である。 本発明の実施形態に係るCu−Fe合金の製造方法のフロー図である。 実施例において、ミクロ組織観察を行う際のサンプリング箇所を説明するための概略図である。 実施例において、Fe相の短軸径を説明するための概略図である。 実施例において、デンドライト状に晶出したFe相の一例を示す図である。 実施例において、二液相分離によって粗大に晶出したFe相の一例を示す図である。 実施例において、伸線加工時に断線が生じた線材の破断面を示す図である。
以下に、本発明の実施形態に係るCu−Fe合金について説明する。
本実施形態に係るCu−Fe合金は、Feを2.0mass%以上10.0mass%以下、Cを15massppm以下含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有している。
そして、本実施形態において、Cu−Fe合金は、Cu相とFe相の2相からなる金属組織を有し、前述のFe相はデンドライト状に晶出しており、このデンドライト状に晶出したFe相の短軸径が50μm以下とされている。ここで、Cu相とは、Cuを主体とする相を意味し、Fe相とは、Feを主体とする相を意味している。また、デンドライト状に晶出したFe相の短軸径Dとは、断面観察において観察されるデンドライトを円又は楕円の集合体とした時に、この円又は楕円内において最も長い線分である長軸径Lに対して直交する最長の線分の長さを意味している(図4参照)。
以下に、上述のようにCu−Fe合金の組成を規定している理由、及び金属組織を規定している理由を説明する。
(Fe:2.0mass%以上10.0mass%以下)
Feは、Cu母相中に、Fe相として晶出又は析出し、これにより透磁率が上昇し、電磁遮蔽効果が向上する作用効果を有する元素である。また、Cu−Fe合金において、鋳造後にCu母相中に固溶しているFeを、時効処理で析出させることにより、母相の純度があがり、導電率が上昇する。導電率の上昇は、電磁遮蔽効果の向上につながる。
Feが2.0mass%未満の場合、Fe相が十分に晶出又は析出しないため、透磁率が上昇せず、電磁遮蔽効果が不足してしまう。また、Feが10.0mass%超の場合、Fe相の晶出量が過剰に多くなり、鋳造後の加工性が低下するおそれがある。
このような理由により、Feの含有量は、2.0mass%以上10.0mass%以下の範囲内とされている。
(C:15massppm以下)
Cは、溶融状態におけるCu相とFe相の二液相分離現象に影響を及ぼす元素であり、Cの含有量が少ないほど、二液相分離を抑制することができる。
Cの含有量が15massppm超の場合、Cu相とFe相の二液相分離が促進され、Fe相が粗大化し、偏在することになり、十分な電磁遮蔽効果が確保されない。また、鋳造後の加工性が低下してしまう。したがって、Cの含有量は、15massppm以下とされている。ここで、Cの含有量の好ましい範囲は、10massppm以下とされている。
なお、不可避的不純物としては、例えば、Ag、Al、As、Bi、Cd、Cr、H、Mn、Mo、Ni、O、P、Pb、S、Sb、Si、Sn、Te、V、W、Znが挙げられる。これらの不可避的不純物は、総量で0.1mass%以下とすることが好ましい。
(Fe相:短軸径が50μm以下)
鋳造時に晶出することによって形成されるFe相は、本実施形態において、デンドライト状に形成されている。すなわち、本実施形態においては、晶出するFe相は、溶融状態におけるCu相とFe相との二液相分離によって形成されているのではなく、デンドライトとして形成されているのである。
このデンドライト状に晶出したFe相の短軸径が50μm以下の場合、Fe相が十分に微細に分散しており、十分な電磁遮蔽効果を確保することができる。また、鋳造後の加工性を良好にすることができる。したがって、本実施形態において、デンドライト状に晶出したFe相の短軸径は、50μm以下とされている。
次に、本実施形態に係るCu−Fe合金の製造方法について説明する。ここでは、Cu−Fe合金からなるビレットBを鋳造し、熱間加工(熱間押出、熱間圧延など)を行った後に伸線加工することにより、Cu−Fe合金からなる線材を得る場合について説明する。
まず、本実施形態であるCu−Fe合金の製造方法に用いられる連続鋳造装置10について説明する。
連続鋳造装置10は、図1に示すように、溶解炉11と、移送樋12と、タンディッシュ13と、鋳型14と、この鋳型14から製出されるビレットBを引き抜くピンチロール15とを備えている。
溶解炉11は、銅原料を加熱溶解して銅溶湯を生成するものである。この銅溶湯に添加元素としてFeが投入され、所定の組成に調製される。この溶解炉11は、坩堝がC(炭素)フリーの材質で構成されている。坩堝の具体的な材質としては、例えばアルミナ、シリカ、マグネシア、ジルコニアおよびこれらの混合物などが挙げられる。
溶解炉11は、誘導加熱式とされており、溶解炉11内は、Cu、Feの酸化を防止するために、不活性ガス雰囲気とされている。
移送樋12は、成分調整された銅合金溶湯を、タンディッシュ13へと移送するためのものである。本実施形態では、移送樋12の内部が不活性雰囲気とされている。
タンディッシュ13は、溶解炉11から移送された銅合金溶湯を貯留するものである。タンディッシュ13には溶湯温度制御のために、加熱手段(ヒータなど)を有してもよい。このタンディッシュ13には、蓋が設置されており、その内部には不活性ガスが流されて不活性雰囲気とされている。
鋳型14の材質は、特に限定されるものではないが、本実施形態においては、Cuによって構成されている。
次に、前述した連続鋳造装置10を用いた本実施形態に係るCu−Fe合金の製造方法について、図2のフロー図を参照して説明する。
このCu−Fe合金の製造方法は、銅原料を溶解して得られた銅溶湯にFe元素を添加して、所定の組成の銅合金溶湯を生成する銅合金溶湯生成工程S01と、溶解炉11からタンディッシュ13へ銅合金溶湯を移送する溶湯移送工程S02と、銅合金溶湯をタンディッシュ13内に保持する溶湯保持工程S03と、このタンディッシュ13に接続された鋳型14によってビレットBを連続的に製出する鋳造工程S04と、得られたビレットBに対して熱間加工(熱間押出、熱間圧延など)を行う熱間加工工程S05と、熱間加工材に対して伸線加工を行う伸線加工工程S06を有している。
(銅合金溶湯生成工程S01)
まず、銅原料として、純度が99.99mass%以上の純銅を準備する。この純銅を、溶解炉11内に投入し、溶解炉11で加熱溶解して銅溶湯を製出する。次いで、この銅溶湯中に、Fe元素を添加し、銅溶湯の成分を調製し、銅合金溶湯を生成する。なお、Fe元素は、Cu−Fe合金を投入することによって添加されても良い。このとき、溶解炉11内は不活性ガス雰囲気とされており、Cu、Feの元素の酸化が抑制されている。
(溶湯移送工程S02)
溶解炉11において生成された銅合金溶湯は、移送樋12を介してタンディッシュ13へと供給される。この移送樋12の内部は、前述のように、不活性ガス雰囲気とされており、銅合金溶湯及びCu、Fe元素の酸化が防止されている。
(溶湯保持工程S03)
タンディッシュ13では、銅合金溶湯を保持し、加熱手段によって、銅合金溶湯の温度を1100〜1400℃、好ましくは1200〜1300℃に制御する。なお、このタンディッシュ13に貯留された銅合金溶湯の湯面位置が一定となるように、溶解炉11からの銅合金溶湯の移送量が調整される。なお、タンディッシュ13には蓋が設置されており、その内部は不活性ガス雰囲気とされている。
(鋳造工程S04)
そして、タンディッシュ13内に貯留された銅合金溶湯は、注湯孔を介して鋳型14の鋳造孔内へと供給される。鋳型14内に供給された銅合金溶湯は、鋳型14内で冷却されて凝固し、鋳造孔の下端側からビレットBとして製出されることになる。なお、ビレットBの引抜速度は、ピンチロール15によって制御されている。
ここで、鋳造工程S04において得られるビレットBは、断面円形とされており、その直径dが30mm以上450mm以下とされ、本実施形態では、ビレットBの直径dが100mmとされている。
(熱間加工工程S05)
そして、常温まで冷却されたビレットBは、熱間加工(熱間押出、熱間圧延など)によって、直径8mm以上15mm以下の線材に加工される。
(冷間加工工程S06)
そして、常温まで冷却された線材は、伸線加工と熱処理を繰り返しながら、0.05mm以上3mm以下まで細線化される。
このようにして、本実施形態に係るCu−Fe合金の線材が製造される。
以上のような構成とされた本実施形態に係るCu−Fe合金によれば、Feを2.0mass%以上含有する構成とされているので、Fe相が十分に晶出又は析出するため、最終加工後の透磁率が上昇し、十分な電磁遮蔽効果を確保することができる。また、Feを10.0mass%以下含有する構成とされているので、最終加工後の導電率を高く保つことができる。加えて、鋳造時においてFe相の晶出量が過剰に多くなることを抑制し、加工性を損なうことはない。
さらに、本実施形態に係るCu−Fe合金は、Cの含有量が15massppm以下とされているので、Fe相とCu相との二液相分離を抑制し、Fe相を微細に分散させることができる。したがって、Fe相が偏在しておらず、十分な電磁遮蔽効果を確保することができる。また、鋳造後のCu−Fe合金の加工性を良好にすることができ、上述のようにCu−Fe合金を細線化する場合、伸線加工時に断線の発生を抑制可能となる。
また、本実施形態に係るCu−Fe合金は、Cu相とFe相の2相からなる金属組織を有し、Fe相は、短軸径が50μm以下のデンドライト状に晶出していることから、Fe相が十分に微細化されていることになり、Cu−Fe合金の加工性をより良好にすることができる。
また、本実施形態に係るCu−Fe合金の製造方法によれば、溶解炉11の坩堝がCフリーとされているので、銅合金溶湯中に含有されるCの量を低減することが可能となる。
また、従来のCu−Fe合金の製造方法では、タンディッシュ13にはCを主成分とする溶湯被覆材が使用されていたが、本実施形態に係るCu−Fe合金の製造方法においては、前述の溶湯被覆材を使用せず、タンディッシュ13に蓋を設置して内部に不活性ガスを流通させる構成とされているので、銅合金溶湯に含まれるCの含有量を低減することが可能である。
このようにして、銅合金溶湯に含まれるC量を低減することによって、Cu−Fe合金に含有されるC量を15massppm以下に低減することができる。
さらに、本実施形態においては、連続鋳造装置10の鋳型14がCuで構成されており、Cuは熱伝導性が良好であるため、鋳造時のビレットBの冷却速度を速くすることができる。そして、本実施形態においては、鋳造時のビレットBの冷却速度が、1℃/s以上10℃/s以下とされているので、冷却速度が十分に速く、鋳造時において晶出するFe相を微細に分散させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
なお、上記実施の形態では、Cu−Fe合金において、Fe相は、短軸径が50μm以下のデンドライト状に晶出している場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施の形態では、Cu−Fe合金からなるビレットを鋳造し、熱間加工を経て、伸線加工により線材を製造する場合について説明したが、断面形状が四角形のケークを鋳造し、熱間加工しても良い。また、加工される形状は、線材に限定されるものではなく、板、箔、棒などの形状に加工しても良い。
なお、上記実施の形態では、連続鋳造装置10を用いてCu−Fe合金を連続鋳造する場合について説明したが、バッチ式の鋳造法により鋳造を行っても良い。
以下に、本発明の有効性を確認するために行った確認実験の結果について説明する。本発明例1〜13、及び、比較例1〜8のCu−Fe合金の製造方法について以下に説明する。
(本発明例1〜13)
まず、銅原料として、純度が99.99mass%以上の純銅を準備する。この純銅を、溶解炉のアルミナ製の坩堝内に投入し、アルミナ製の坩堝内で加熱溶解して銅溶湯を製出した。次いで、この銅溶湯中に、Feを添加し、所定の銅溶湯の成分に調製し、銅合金溶湯を生成した。このとき、溶解炉内は不活性ガス雰囲気とされている。
次いで、溶解炉において生成された銅合金溶湯を、鋳型内へと供給し、冷却速度1℃/sで冷却し、表1に示す成分を有する本発明例1〜13のビレット(直径100mm)を製出した。なお、鋳型はCu製とした。
(比較例1〜7)
まず、銅原料として、純度が99.99mass%以上の純銅を準備する。この純銅を、溶解炉のカーボン製の坩堝内に投入し、カーボン製の坩堝内で加熱溶解して銅溶湯を製出した。次いで、この銅溶湯中に、Feを添加し、所定の銅溶湯の成分に調製し、銅合金溶湯を生成した。このとき、溶解炉内は不活性ガス雰囲気とされている。
次いで、溶解炉において生成された銅合金溶湯を、鋳型内へと供給し、冷却速度1℃/sで冷却し、表1に示す成分を有する比較例1〜7のビレット(直径100mm)を製出した。なお、鋳型はCu製とした。
(比較例8)
まず、銅原料として、純度が99.99mass%以上の純銅を準備する。この純銅を、溶解炉のアルミナ製の坩堝内に投入し、アルミナ製の坩堝内で加熱溶解して銅溶湯を製出した。次いで、この銅溶湯中に、Feを添加し、所定の銅溶湯の成分に調製し、銅合金溶湯を生成した。このとき、溶解炉内は不活性ガス雰囲気とされている。
次いで、溶解炉において生成された銅合金溶湯を、鋳型内へと供給し、冷却速度0.01℃/sで冷却し、表1に示す成分を有する比較例8のビレット(直径100mm)を製出した。なお、鋳型は冷却速度制御のためのヒータを有するカーボン製とした。
上述のようにして製造されたCu−Fe合金のビレットに対して、ミクロ組織観察及び加工性の評価を行った。
以下に、ミクロ組織観察方法と加工性の評価方法について説明する。
(ミクロ組織観察)
図3に示すように、ビレットの表層21、中心22、表層と中心との中間23の、三箇所から10mm×10mmのサンプリングを行い、光学顕微鏡を用いてFe相のミクロ組織観察を行った。図4(a)に示すようにデンドライト状に晶出した場合、Fe相30の形状を円又は楕円の集合体とした時に、この円又は楕円内において最も長い線分である長軸径Lに対して直交する最長の線分の長さ(短軸径D)、及び図4(b),(c)に示すように粒状若しくは塊状に晶出した場合には最も長い線分である長軸径Lに対して直交する最長の線分の長さ(短軸径D)が、観察されたすべてのFe相30において、50μm以下の場合、Fe相30が十分に微細であるとして「A」とした。一方、Fe相30の長軸径Lに対して直交する最長の線分の長さ(短軸径D)が50μm超の場合、Fe相30が粗大であるとして「B」とした。
(加工性の評価)
得られたビレットに対して、適宜焼鈍を施しながら直径0.26mmまで伸線加工を行い、伸線量(kg)を断線回数で除した値が10以上の場合、加工性が良好として「○」とした。また、上述の伸線量(kg)を断線回数で除した値が10未満、7以上の場合、加工性評価を「△」、7未満の場合、加工性が悪いとして「×」とした。
以上の評価の結果を表1に示す。
表1に示すように、本発明例1〜13においては、Fe相が微細であり、加工性が良好であることが確認された。一例として、図5に、本発明例11のCu−Fe合金における鋳造後の金属組織を示す。図5に示されるように、本発明例11のCu−Fe合金においては、Fe相30がデンドライト状に晶出し、このFe相30の短軸径は50μm以下であり、微細であった。
一方、比較例1〜7は、Cの含有量が本発明の範囲外であり、Fe相が粗大化したため、加工性が本発明例1〜13と比較して劣った。一例として、図6に、比較例2のCu−Fe合金における鋳造後の金属組織を示す。図6に示されるように、比較例2のCu−Fe合金においては、Fe相130が二液相分離によって粗大に晶出し、このFe相130の短軸径は50μm超であり、粗大であった。また、図7に、粗大なFe相130に起因して伸線加工時に断線が生じたCu−Fe合金の線材の破断面の写真を示す。Fe相130が粗大なCu−Fe合金においては、図7に示されるように、伸線加工時にFe相130に沿って断線が多発した。
また、比較例8はCの含有量が本発明の範囲内であるものの、冷却速度制御のためのヒータを有する鋳型を用いて冷却速度0.01℃/sでゆっくりと凝固させたことによりFe相が粗大化したため、加工性が本発明例1〜13と比較して劣った。
D 短軸径
30 Fe相

Claims (1)

  1. Feを2.0mass%以上10.0mass%以下、Cを15massppm以下含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなり、
    Cu相とFe相の2相からなる金属組織を有し、前記Fe相はデンドライト状に晶出しており、このデンドライト状に晶出したFe相の短軸径が50μm以下とされていることを特徴とするCu−Fe合金。
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