JP6209388B2 - アンモニア性窒素含有廃水の亜硝酸型硝化方法 - Google Patents

アンモニア性窒素含有廃水の亜硝酸型硝化方法 Download PDF

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本発明は、アンモニア性窒素含有廃水の亜硝酸型硝化方法に関し、より詳しくは、流入水中のアンモニア性窒素を、所望する割合で亜硝酸性窒素へ安定して酸化することを実現し、これにより独立栄養性脱窒微生物(以下「アナモックス菌」と呼ぶ)による効率的な脱窒処理を可能にするアンモニア性窒素含有廃水の亜硝酸型硝化方法に関する。
従来より、窒素含有廃水の処理を、アナモックス菌を利用して浄化処理する技術が知られている。この技術では、亜硝酸型硝化工程で、窒素含有廃水中のアンモニア性窒素(NH4−N)の一部を亜硝酸性窒素(NO2−N)に酸化し、得られた硝化液を、アナモックス菌を利用する嫌気性アンモニア酸化反応工程(以下「アナモックス工程」と呼ぶ)に導入して浄化処理するものであり、従来の硝化脱窒と比較して、曝気量の低減、メタノール等の有機物添加量の削減、余剰汚泥の低減が実現できるとされている(特許文献1)。
上記アナモックス工程において効率的かつ安定的に脱窒するためには、下記のアナモックス反応式より、アナモックス工程へ導入される処理対象の廃水中のアンモニア性窒素(NH4−N)と亜硝酸性窒素(NO2−N)の比率を、1:1.32(0.43:0.57)とすることが望ましいことが知られている。
Figure 0006209388
これに対し、窒素含有廃水中のアンモニア性窒素(NH4−N)の一部を亜硝酸性窒素(NO2−N)に酸化する際に、その比率を制御する方法としては、処理する窒素含有廃水の約半量を取り出して、該廃水中のアンモニア性窒素(NH4−N)の全部を亜硝酸性窒素(NO2−N)に酸化する亜硝酸型硝化工程を設け、該工程からの硝化液を残りの窒素含有廃水と合わせてアナモックス工程に導入することが行われている。また、亜硝酸型硝化工程で、廃水中のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素の比率が所望するものになるようにして、該亜硝酸型硝化工程で得られた処理水をアナモックス工程に導入することについての提案もある。例えば、NH4−N濃度測定装置を用いて、亜硝酸化槽からの流出水を自動サンプリングして、その全窒素(T−N)濃度及びアンモニア性窒素(NH4−N)濃度を測定し、得られた測定値を用いて前記した比が最適な濃度比率となるように亜硝酸型硝化工程における酸化状態を制御する方法が提案されている(特許文献2)。
特開2003−33784号公報 特許5006849号公報
しかしながら、処理する窒素含有廃水を二分して一方を亜硝酸性窒素(NO2−N)に酸化処理し、処理後に残りの窒素含有廃水と合わせてアナモックス工程に導入する方法は、酸化処理された亜硝酸の状態で維持することは難しく、その一部が硝酸の状態に進んでしまうため、実用化を考えた場合、アナモックス工程に実際に導入される廃水中のアンモニア性窒素(NH4−N)と亜硝酸性窒素(NO2−N)の比率の正確な制御が難しい、という課題がある。また、上記の特許文献2に記載の技術では、測定対象水を自動サンプリングした後に、サンプリングした液をpH12の強アルカリ性に調整し、このpH調整した液を試料としてアンモニア性窒素(NH4−N)の測定装置で測定するものであり、測定値が出るまでのタイムラグがある。
本発明者らの検討によれば、アナモックス菌を利用して窒素含有廃水を浄化処理する場合、アナモックス工程における「アンモニア性窒素(NH4−N)と亜硝酸性窒素(NO2−N)の比率」を、先に述べた程度に安定に維持することが極めて重要であり、この点を達成できなければ、効率的かつ安定的に脱窒することができず、工業的に実用化できる技術となり得ない。すなわち、アナモックス菌を利用した技術においては、その性状が刻々と変化する実際の窒素含有廃水に、測定試料をサンプリングした時点と、曝気量の制御の基礎となる測定値が出る時点が明らかに異なる上記したような従来技術を適用したとしても、亜硝酸型硝化工程の制御が現状に即したものとなり得ず、効率的かつ安定的な脱窒を達成することができない。
本発明者らは、上記した実情から、アナモックス工程において効率的かつ安定的に脱窒するためには、その前工程である亜硝酸型硝化工程で処理された硝化液の、アンモニア性窒素(NH4−N)と亜硝酸性窒素(NO2−N)の比率を、より正確に求める技術を開発することが重要であるとの認識を持つに至った。
従って、本発明の目的は、流入水中のアンモニア性窒素を、所望する割合で亜硝酸性窒素へと安定して酸化することを実現し、これによって、アナモックス菌による効率的な脱窒処理を可能にすることができるアンモニア性窒素含有廃水の亜硝酸型硝化方法を提供することである。特に本発明の目的は、従来、その実用化が困難であったアナモックス菌を利用して窒素含有廃水を浄化処理する方法を、工業的に実用化できる効率のよい安定した処理技術に発展させることである。
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、亜硝酸化槽で曝気して、流入水中のアンモニア性窒素を所望する割合で亜硝酸性窒素へと酸化するアンモニア性窒素含有廃水の亜硝酸型硝化方法であって、遊離アンモニアガス選択性の隔膜式電極を用いたアンモニア測定装置で、並行して、亜硝酸化槽への流入水の遊離アンモニア(NH3)濃度aと、亜硝酸化槽内の硝化液の遊離アンモニア(NH3)濃度b或いは亜硝酸化槽からの流出水の遊離アンモニア(NH3)濃度bとを連続測定し、得られた遊離アンモニア(NH3)濃度の各測定値に基づいてアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度をそれぞれに算出し、上記遊離アンモニア(NH3)濃度aに基づいて算出したアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度をA、上記遊離アンモニア(NH3)濃度bに基づいて算出したアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度をBとした場合に、各時点におけるアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度比B/Aが、目標とする範囲内となるように、上記亜硝酸化槽における曝気量を制御装置によって制御することを特徴とするアンモニア性窒素含有廃水の亜硝酸型硝化方法を提供する。
本発明のアンモニア性窒素含有廃液の処理方法においては、さらに、下記のように構成することが好ましい。前記遊離アンモニア(NH3)濃度の各測定値に基づいて算出されたアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度A及びBのいずれもが、遊離アンモニア(NH3)濃度の測定値と、該遊離アンモニア濃度の測定の際に並行して連続して測定された、水温T(℃)とpHの測定値とを用いて、下記式により自動算出したものである亜硝酸型硝化方法が挙げられる。
Figure 0006209388
また、前記目標とするアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度比B/Aの範囲が、0.28〜0.58である亜硝酸型硝化方法が挙げられる。
本発明によれば、流入水中のアンモニア性窒素を、所望する割合で亜硝酸性窒素へと安定して酸化することが実現され、この結果、アナモックス菌による効率的な脱窒処理を可能にできるアンモニア性窒素含有廃水の亜硝酸型硝化方法が提供される。本発明の技術は、その性状が変動する実際の廃水に適応したものであり、従来、実用化が困難であったアナモックス菌を利用して窒素含有廃水を浄化処理する方法を、工業的に実用化できる効率のよい安定した処理技術に発展させた、工業上、極めて有用なものである。
本発明の亜硝酸型硝化方法の基本フローを模式的に示す図である。 本発明の亜硝酸型硝化方法の一例のフローを模式的に示す図である。 本発明の亜硝酸型硝化方法の別の一例のフローを模式的に示す図である。 曝気量の制御なしの比較例1の亜硝酸型硝化方法のフローを模式的に示す図である。 遊離アンモニア(NH3)濃度の測定を連続的に行わず、間欠的にサンプリングした試料中の濃度を用いて曝気量の制御を行った比較例2の亜硝酸型硝化方法のフローを模式的に示す図である。 実施例1における亜硝酸型硝化後の処理水のNH4−N比率と、原水槽中の原水のNH4−N濃度の経時変化を示す図である。 比較例1における亜硝酸型硝化後の処理水のNH4−N比率と、原水槽中の原水のNH4−N濃度の経時変化を示す図である。 比較例2における亜硝酸型硝化後の処理水のNH4−N比率と、原水槽中の原水のNH4−N濃度の経時変化を示す図である。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。前記したように、本発明者らは、アナモックス菌を利用しての脱窒処理を、工業上、実用化できる程度まで効率的で安定したものにするためには、窒素含有廃水中のアンモニア性窒素(NH4−N)の一部を亜硝酸性窒素(NO2−N)に酸化する際に、その比率を、アナモックス工程で行われる前記したアナモックス反応が良好に行われる範囲内に安定して維持することが極めて重要であるとの認識のもと、かかる観点から詳細な検討を行った。
本発明者らは、実用化のためには、アナモックス工程に実際に導入される廃水中のアンモニア性窒素(NH4−N)と亜硝酸性窒素(NO2−N)の比率を、より確実に所望のものにできる簡便な方法の開発が必要であると考え、アンモニア性窒素含有廃水の亜硝酸型硝化方法について、上記した比率を制御する簡便な方法について鋭意検討を行った結果、本発明に至ったものである。
アナモックス工程の前に行う、窒素含有廃水中のアンモニア性窒素(NH4−N)の一部を亜硝酸性窒素(NO2−N)に酸化する亜硝酸型硝化は、その処理槽内の曝気量を適宜に制御することで行うことができる。しかし、廃水中のアンモニア性窒素は、曝気によって酸化されて、亜硝酸、さらには硝酸となることから、その性状が刻々変化する実際の窒素含有廃水中のアンモニア性窒素(NH4−N)の一部を亜硝酸性窒素(NO2−N)に酸化し、しかも、アンモニア性窒素(NH4−N)と亜硝酸性窒素(NO2−N)の比率を確実に安定して所望する範囲内のものとなるように曝気量を制御することは、亜硝酸性窒素は変化しやすく、その正確な測定が難しいこともあって簡単なことではない。
本発明者らは、上記した現状に対し、連続的に測定することが可能な遊離アンモニア(NH3)濃度の測定値を巧みに利用することで、上記したアナモックス工程に先だって行う亜硝酸型硝化工程において、曝気量を適宜に調整してアンモニア性窒素(NH4−N)の一部を適宜に亜硝酸性窒素(NO2−N)に酸化し、その結果、アナモックス工程に導入する廃水のアンモニア性窒素(NH4−N)と亜硝酸性窒素(NO2−N)の比率を所望する範囲内に確実に安定して高精度に制御することが可能になることを見出して、本発明に至った。
具体的には、亜硝酸型硝化工程の、亜硝酸化槽への流入水と、亜硝酸化槽内の硝化液或いは亜硝酸化槽からの流出水の遊離アンモニア濃度を連続測定し、これらの測定値に基づいて算出した亜硝酸化槽内の硝化液或いは亜硝酸化槽からの流出水のアンモニア性窒素濃度と、亜硝酸化槽への流入水のアンモニア性窒素の濃度比が目標値となるように、亜硝酸化槽における曝気量を制御装置によって制御する。このようにすることで、アナモックス工程に導入する廃水のアンモニア性窒素(NH4−N)と亜硝酸性窒素(NO2−N)の比率を所望する範囲内となるように、確実に高精度で安定して制御することが可能になる。すなわち、本発明では、流入水中のアンモニア性窒素を所望する割合で亜硝酸性窒素へと酸化するアンモニア性窒素含有廃水の亜硝酸型硝化方法に、既存の遊離アンモニア測定装置を組み込み、該装置で遊離アンモニア(NH3)濃度を連続測定し、これらの値を利用して亜硝酸化槽における曝気量を制御することで、得られる硝化液のアンモニア性窒素(NH4−N)と亜硝酸性窒素(NO2−N)の比率を、アナモックス工程に最適な所望する範囲内に安定して高精度に維持できることを初めて実証した。
図1に、本発明の亜硝酸型硝化方法の基本フローを模式的に示したが、アンモニア性窒素測定装置1aを用い、図示した例では、流入水となる原水槽3中の遊離アンモニア(NH3)濃度aを連続測定し、その情報を制御装置2に送り、該装置でアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度Aを連続算出する。これと並行して、図示した例では、亜硝酸化槽(亜硝酸型硝化槽)4内の硝化液の遊離アンモニア(NH3)濃度bを、アンモニア性窒素測定装置1a’を用いて連続測定し、その情報を制御装置2に送り、該装置でアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度Bを連続算出する。そして、制御装置2で、各時点における上記で得たアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度Aと、アンモニア性窒素(NH4−N)の濃度Bとの比を算出し、該比が設定した目標値の範囲内となるように、制御装置2から、亜硝酸化槽4の曝気装置5へと信号を送り、その曝気量を制御する。
先に述べたように、下記のアナモックス反応式より、アナモックス工程へ導入される処理対象の廃水中のアンモニア性窒素(NH4−N)と亜硝酸性窒素(NO2−N)の比率は、1:1.32(0.43:0.57)とすることが望ましい。このため、本発明で目標として設定する、アンモニア性窒素(NH4−N)の濃度Aと、アンモニア性窒素(NH4−N)の濃度Bとの比B/Aとしては、0.28〜0.58の範囲とすることが好ましい。本発明者らの検討によれば、目標値をこのような範囲に設定すれば、実廃水(流入水)中のアンモニア性窒素を、所望する割合で亜硝酸性窒素へと安定して酸化することが実現されることが確認された。さらに、このように制御することで、その後に行うアナモックス菌による脱窒処理を、より効率的に安定して行うことができることを確認した。
Figure 0006209388
図2に、本発明の亜硝酸型硝化方法の好ましい形態のフローを模式的に示したが、この例では、遊離アンモニア(NH3)濃度a及びbの測定に並行して、pH計1b及び1b’と、温度計1c及び1c’を用いて、水温T(℃)とpHを測定する。そして、その情報を制御装置2に送り、該装置でアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度A及びBを算出する際に、水温T(℃)とpHの測定値を用いて下記式で算出することで、水温とpHによるアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度への影響を補正する。この点については、Anthonisenらの文献〔Inhibition of nitrification by ammonia and nitrous acid. J. Water Pollut. Control Fed. 48: 835−852 (1976)〕に詳しい。
Figure 0006209388
このように構成することで、上記算出値は、より正確な値になる。その結果、亜硝酸化槽からアナモックス工程に導入される硝化液は、アンモニア性窒素(NH4−N)と亜硝酸性窒素(NO2−N)の比率が、アナモックス工程における処理により最適な範囲内に制御されたものになるので、より好ましい。
図3に、本発明の亜硝酸型硝化方法の別の好ましい形態のフローを模式的に示したが、この例では、図2のフローでは亜硝酸化槽4内の硝化液の遊離アンモニア(NH3)濃度bを連続測定したが、これに代えて、亜硝酸化槽4で処理された、亜硝酸化槽4からアナモックス工程への流出水とするものを貯槽した処理水槽6内の遊離アンモニア(NH3)濃度bを連続測定した。その他は、図2に示したフローと同様に行う。
上記において使用するアンモニア性窒素測定装置は、遊離アンモニアガス選択性の隔膜式電極を用いた装置であることを必要とする。現在市販されているアンモニア性窒素を連続測定できる装置としては、本発明で規定する方式の装置の他には、アンモニウムイオン選択電極を用いた装置がある。しかしながら、本発明者らが、アンモニウムイオン選択電極を用いた装置を用いて詳細な検討を行った結果、下記に示す理由から、この方式の装置を用いた場合は、継続的に、安定して正確な測定をすることができなかった。すなわち、実際に、産業廃水を対象としてアンモニア性窒素の連続測定を試みたところ、数日経過すると正確な測定値が得られなくなり、頻繁な校正を余儀なくされ、実用化には不向きであるとの結論に至った。本発明者らは、この、アンモニウムイオン選択電極を用いた装置を使用した場合に、安定して正確な測定をすることができなかった理由を、廃水中にアンモニウムイオンの測定を妨害するイオンが共存していたためと考えている。これに対し、実際の廃水中に存在する多様なイオンの種類を制御することは、設計上、極めて難しいことから、本発明では、遊離アンモニアガス選択性の隔膜式電極を用いた装置を利用することとした。pH計や温度計については、特に限定されるものでなく、連続的に測定できる機能を有する従来公知のものを適宜に使用できる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
図2に示したフローで、アンモニア性窒素含有廃水の亜硝酸型硝化処理を行った。亜硝酸化槽4として、容積50Lの水槽に塩化ビニル製の固定床を充填率60%で設置し、これに下水汚泥由来の活性汚泥を投入したものを用意した。そして、原水として、表1に示した性状のアンモニア性窒素含有の産業廃水を用い、該原水を、原水槽3から上記亜硝酸化槽4へと供給して亜硝酸型硝化処理をした。処理条件は、HRT=2.5hrsで、pH8.0、水温℃30〜33℃に制御して行った。そして、2週間程度の馴養後に、水質データの取得を開始して、亜硝酸型硝化処理の制御試験をした。この時の窒素負荷は、0.6〜1.2kg−N/m3/dayである。
Figure 0006209388
亜硝酸型硝化処理の制御試験は、図2に示す装置構成で行った。本実施例では、遊離アンモニア(NH3)濃度の測定を、いずれも(株)堀場製作所製の、卓上型のpH・水質分析計と、アンモニア電極(測定範囲:0.1〜1000mg−NH3/L)を用いて行った。これらの測定装置で測定した、遊離アンモニア(NH3)濃度、水温及びpHの各情報は、制御装置(自社で製造)2に順次送られ、該制御装置2で、水温及びpHの影響を補正したアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度が算出される。制御装置2では、この算出したアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度を用いて、さらにアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度比B/Aを算出し、得られた比の値が、予め設定された所望の数値範囲内に入っているか否かを判断する。該制御装置2は、硝酸化槽4に設けた曝気装置5へと信号を送るように構成されており、上記の判断が、予め設定された所望の数値範囲内にない場合に、曝気装置5へと信号を送り、曝気量を適宜に変更し、上記比の値が所望する数値範囲内になるように曝気量を制御する。
本実施例では、アンモニア性窒素(NH4−N)の濃度比B/A(算出した原水槽3内のアンモニア性窒素の濃度/算出した亜硝酸化槽4内のアンモニア性窒素の濃度)が、0.38〜0.48の範囲内になるように硝酸化槽4に設けた曝気装置5の曝気量を調整するように自動制御しながら処理を行った。その結果、上記の亜硝酸型硝化方法によって得られた処理水中のアンモニア性窒素濃度の比率{=アンモニア性窒素濃度/(アンモニア性窒素濃度+亜硝酸性窒素濃度)}は0.37〜0.49の範囲で変動しており、安定した亜硝酸型硝化を行うことができたことを確認した。図6に、具体的に得られた上記アンモニア性窒素濃度の比率の経時変化を示した。
(比較例1)
図4に示した曝気量の制御なしのフローで、実施例1と同じ期間に同じ原水を用いて、本比較例のアンモニア性窒素含有廃水の亜硝酸型硝化処理を行った。具体的には、亜硝酸化槽4に設けた曝気装置5の曝気量を制御せずに、一定の曝気風量で処理を実施した。この間、亜硝酸性窒素はほぼ一定量が生成したが、原水の濃度変動に伴って、上記の亜硝酸型硝化方法によって得られた処理水中のアンモニア性窒素濃度の比率は0.20〜0.66の範囲で大きく変動した。図7に、この場合のアンモニア性窒素の比率の経時変化を示した。
(比較例2)
図5に示したフローで、原水槽3内と亜硝酸化槽4内から液を間欠的サンプリングして、実施例1で使用したと同様のアンモニア測定装置を用いて遊離アンモニア(NH3)濃度を測定し、得られた測定値に基づいてB/Aの濃度比を算出して、実施例1の場合と同様に0.38〜0.48の範囲内になるように、亜硝酸化槽4に設けた曝気装置5の曝気量を制御した。そして、実施例1と同じ期間に同じ原水を用いて、上記の制御をしつつ、本比較例のアンモニア性窒素含有廃水の亜硝酸型硝化処理を行った。具体的には、本比較例では、原水槽3中の処理水の一定量を自動サンプリングした後、サンプリングした測定サンプルのpHをNaOHで強アルカリ性とし、該測定サンプル中のアンモニア性窒素の全量を遊離アンモニアに変換して、遊離アンモニアガス選択性の隔膜式電極を用いてアンモニア性窒素濃度を測定した。アンモニア性窒素濃度の測定は30分に1回の頻度で実施して処理を行った。その結果、アンモニア性窒素の比率は0.27〜0.60の範囲で変動し、アナモックス工程において効率的かつ安定的に脱窒するために必要とされている、アンモニア性窒素(NH4−N)と亜硝酸性窒素(NO2−N)の比率から大きく外れることが確認された。図8に、この時のアンモニア性窒素の比率の経時変化を示した。
(評価)
図6〜8の比較から明らかなように、本発明の実施例のアンモニア性窒素含有廃水の亜硝酸型硝化方法によれば、比較例1、2の場合では実現できていなかった、流入水中のアンモニア性窒素を、所望する割合で亜硝酸性窒素へと安定して酸化することが実現可能になることを確認した。このことは、アナモックス菌による効率的な脱窒処理を可能にできることを意味しており、従来の硝化脱窒と比較して、曝気量の低減、メタノール等の有機物添加量の削減、余剰汚泥の低減の実現等の利点の多い、窒素含有廃水の処理を、アナモックス菌を利用して浄化処理する技術の実用化が期待される。本発明の技術は、その性状が変動する実際の廃水に適応したものであり、従来、実用化が困難であったアナモックス菌を利用して窒素含有廃水を浄化処理する方法を、工業的に実用化できる効率のよい安定した処理技術に発展させた、工業上、極めて有用なものである。
1a,1a’:アンモニア性窒素測定装置
1b,1b’:pH計
1c,1c’:温度計
2:制御装置
3:原水槽
4:亜硝酸化槽
5:曝気装置
6:処理水槽

Claims (3)

  1. 亜硝酸化槽で曝気して、流入水中のアンモニア性窒素を所望する割合で亜硝酸性窒素へと酸化するアンモニア性窒素含有廃水の亜硝酸型硝化方法であって、
    遊離アンモニアガス選択性の隔膜式電極を用いたアンモニア測定装置で、並行して、亜硝酸化槽への流入水を入れた原水槽中の遊離アンモニアガス(NH3)濃度aと、亜硝酸化槽内の硝化液からの遊離アンモニアガス(NH3)濃度b或いは亜硝酸化槽からの処理水を貯槽した処理水槽中の遊離アンモニアガス(NH3)濃度bとを連続測定し、得られた遊離アンモニアガス(NH3)濃度の各測定値に基づいて、アンモニア性窒素(NH4−N)の濃度をそれぞれに算出し、
    上記遊離アンモニアガス(NH3)濃度aに基づいて算出した亜硝酸化槽への流入水のアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度をA、上記遊離アンモニアガス(NH3)濃度bに基づいて算出した、亜硝酸化槽内の硝化液又は亜硝酸化槽からの処理水のアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度をBとした場合に、各時点におけるアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度比B/Aが、目標とする範囲内となるように、
    上記亜硝酸化槽における曝気量を制御装置によって制御することを特徴とするアンモニア性窒素含有廃水の亜硝酸型硝化方法。
  2. 前記遊離アンモニアガス(NH3)濃度の各測定値に基づいて算出されたアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度A及びBのいずれもが、遊離アンモニアガス(NH3)濃度の測定値と、該遊離アンモニアガス濃度の測定の際に並行して連続測定された、水温T(℃)とpHの測定値とを用いて、下記式により自動算出したものである請求項1に記載の亜硝酸型硝化方法。
    Figure 0006209388
  3. 前記目標とするアンモニア性窒素(NH4−N)の濃度比B/Aの範囲が、0.28〜0.58である請求項1又は2に記載の亜硝酸型硝化方法。
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