JP2012148231A - 水処理設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】水処理プロセスでの処理水質を悪化させることなく、N2Oガスの生成量を抑制できる水処理設備を提供する。
【解決手段】複数の好気槽10,20,30と、複数の好気槽10,20,30のそれぞれに酸素を供給する散気管11,21,31と、複数の好気槽10,20,30において亜硝酸性窒素濃度が最大となる好気槽を推定する推定手段と、亜硝酸性窒素濃度が最大となると推定される好気槽の配分比が、それ以外の好気槽の配分比より大きくなるように、酸素供給手段により複数の好気槽のそれぞれに供給する酸素の配分比を制御する配分比制御手段42を備えた。推定手段が、複数の好気槽に設置されたそれぞれの亜硝酸性窒素濃度の検出手段により検出された亜硝酸性窒素濃度に基づいて亜硝酸性窒素濃度が最大となる好気槽を推定するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の好気槽10,20,30と、複数の好気槽10,20,30のそれぞれに酸素を供給する散気管11,21,31と、複数の好気槽10,20,30において亜硝酸性窒素濃度が最大となる好気槽を推定する推定手段と、亜硝酸性窒素濃度が最大となると推定される好気槽の配分比が、それ以外の好気槽の配分比より大きくなるように、酸素供給手段により複数の好気槽のそれぞれに供給する酸素の配分比を制御する配分比制御手段42を備えた。推定手段が、複数の好気槽に設置されたそれぞれの亜硝酸性窒素濃度の検出手段により検出された亜硝酸性窒素濃度に基づいて亜硝酸性窒素濃度が最大となる好気槽を推定するものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、水処理において生物反応槽より生成する一酸化二窒素を抑制するのに好適な水処理設備に関する。
温暖化問題が顕在化しており、下水処理プロセスにおいても、下水処理場全体の温室効果ガスの10%に相当する一酸化二窒素(N2O)ガスの生成が問題視されており、その対策が急務でとなっている。
N2Oは、生物反応槽において好気条件下で進行する硝化反応,無酸素条件で進行する脱窒反応の両過程で生成する。このうち硝化反応は、酸素存在下で進行する酸化反応で、まずアンモニア性窒素(以下、NH4−N)が主にアンモニア酸化菌による働きで亜硝酸性窒素(以下、NO2−N)に酸化され、さらに、亜硝酸酸化菌の働きにより硝酸性窒素(以下、NO3−N)にまで酸化される。その反応過程で、NO2−Nの一部がアンモニア酸化菌の働きにより還元される際に、副生成物としてN2Oが生成するというメカニズムが考えられている(〔非特許文献1〕)。このN2Oは溶存態として生成するが、好気槽では曝気気泡のパージにより大気中に放出される。
硝化工程におけるN2Oガス抑制制御技術に、〔特許文献1〕に記載の生物反応槽から発生するN2Oガスの濃度を直接測定して、供給する酸素の量を制御する方法がある。この方法では、N2Oガス濃度の上昇に基づき、供給する酸素の量を減少させることで、硝化反応の進行を抑制する。その結果、硝化反応の副生成物として生成する溶存N2OおよびN2Oガスの生成が抑制される。
糸川ほか2名:間欠曝気をおこなうし尿処理施設における硝化・脱窒過程からの亜酸化窒素の発生と制御、環境工学研究論文集、第32巻、pp.311−319(1995)
〔特許文献1〕の方法では、硝化反応を抑制することでN2Oガスの生成を低減する。すなわち、N2Oガスが増加した際に硝化反応が抑制されるため、処理水の水質の悪化が懸念される。処理水の水質を維持しつつN2Oガスの生成量を抑制するためには、好気槽全体に供給する酸素の量を変動させずに、N2Oガスの生成量を抑制する制御を実施する必要がある。
本発明の目的は、水処理プロセスでの処理水質を悪化させることなく、N2Oガスの生成量を抑制できる水処理設備を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の水処理設備は、複数の好気槽と、複数の好気槽のそれぞれに酸素を供給する酸素供給手段と、複数の好気槽において亜硝酸性窒素濃度が最大となる好気槽を推定する推定手段と、亜硝酸性窒素濃度が最大となると推定される好気槽の配分比が、それ以外の好気槽の配分比より大きくなるように、酸素供給手段により複数の好気槽のそれぞれに供給する酸素の配分比を制御する配分比制御手段を備えたことを特徴とする。
又、推定手段が、複数の好気槽に設置されたそれぞれの亜硝酸性窒素濃度の検出手段により検出された亜硝酸性窒素濃度に基づいて亜硝酸性窒素濃度が最大となる好気槽を推定することを特徴とする。
又、推定手段が、複数の好気槽から大気中に放出されるそれぞれの一酸化二窒素ガスの濃度の検出手段と、検出手段で検出された一酸化二窒素ガスの濃度が最大となる好気槽を亜硝酸性窒素濃度が最大となる好気槽と推定する演算手段とで、構成されることを特徴とする。
又、推定手段が、複数の好気槽のうち少なくとも一つの好気槽に設置されたアンモニア性窒素濃度の検出手段と、検出手段で検出されたアンモニア性窒素濃度が大きくなるほど、より下流側の好気槽を、亜硝酸性窒素濃度が最大となる好気槽と推定する演算手段とで、構成されることを特徴とする。
又、推定手段が、複数の好気槽のうち少なくとも一つの好気槽に設置された硝酸性窒素濃度の検出手段と、検出手段で検出された硝酸性窒素濃度が大きくなるほど、より上流側の好気槽を、亜硝酸性窒素濃度が最大となる好気槽と推定する演算手段とで、構成されることを特徴とする。
又、推定手段が、複数の好気槽のうち少なくとも一つの好気槽に設置された酸化還元電位の検出手段と、検出手段で検出された酸化還元電位が大きくなるほど、より上流側の好気槽を、亜硝酸性窒素濃度が最大となる好気槽と推定する演算手段とで、構成されることを特徴とする。
又、推定手段が、季節,時刻,水温,流入流量,酸素供給手段による酸素の供給量の少なくとも一つと、亜硝酸性窒素濃度が最大となる好気槽の関係を表すデータベースを含むことを特徴とする。
本発明によれば、水処理プロセスでの処理水質を悪化させることなく、N2Oガスの生成量を抑制できる。
本発明の各実施例を図面により説明する。
図1は、本発明の実施例1の水処理設備の構成図である。本実施例の水処理設備は、活性汚泥により好気的に生物処理する生物反応槽として、上流側より、第一好気槽10と、第二好気槽20と、第三好気槽30が設置され、それぞれの好気槽は連通されている。流入下水100は、第一好気槽10へ流入し、第三好気槽30より処理水101として流出する。
それぞれの好気槽の底部には散気管が設置されている。第一好気槽10の底部に設置した第一散気管11は、第一弁12を経て酸素供給手段であるブロワ40に連通する。第二好気槽20の底部に設置される第二散気管21は、第二弁22を経てブロワ40に連通する。第三好気槽30の底部に設置される第三散気管31は、第三弁32を経てブロワに連通する。
それぞれの好気槽には亜硝酸性窒素濃度の検出手段として亜硝酸性窒素濃度計測器が設置される。第一好気槽10には第一亜硝酸性窒素濃度計測器13が、第二好気槽20には第二亜硝酸性窒素濃度計測器23が、第三好気槽30には第三亜硝酸性窒素濃度計測器33が設置される。これらの亜硝酸性窒素濃度計測器13,23,33の計測値に基づき、演算手段41で第一弁12,第二弁22,第三弁32のそれぞれの弁の開度を演算し、配分比制御手段42でそれぞれの弁の開度を制御する。
好気槽における硝化プロセスについて説明する。図2は、好気槽に流入する汚泥をビーカー中で曝気した回分実験時の基質の変化を示している。横軸の時間は、流入下水を連続処理する下水処理の流下方向の位置と対応付けることができる。この例では、時間Aを第一好気槽10に、時間Bを第二好気槽20に、時間Cを第三好気槽30に対応付けている。
時間の経過とともに、流入下水が、第一好気槽10から第二好気槽20,第三好気槽30へと流下して硝化が進行し、NH4−NがNO3−Nに酸化される。その中間生成物のNO2−Nが硝化の進行にともない蓄積し、時間B(第二好気槽20に対応)で最大となり、残存するNH4−Nがなくなる時間C(第三好気槽30に対応)で減少する。NO2−Nの一部は、N2Oガスに転換して大気中に放出されるため、N2Oガスの濃度はNO2−Nの蓄積量と相関する。
硝化反応の進行度は供給する酸素量と相関する。硝化反応を抑制することなく、N2Oガスの放出を抑制するためには、NO2−NからN2Oガスへの転換率を低減させる必要がある。
図3は、図2と同様に、回分実験時の溶存酸素濃度(DO)とN2Oガス転換率の関係を示す図である。ここで、N2Oガス転換率はNO2−N濃度に対するN2Oガス濃度の比と定義すると、DOが大きくなるとN2Oガス転換率を低減できることがわかる。NO2−NからN2Oへの反応は還元反応であり、DOが大きい酸化雰囲気では生じにくい反応のためである。
硝化プロセスの全てのDOを増加するとN2Oガスの生成は抑制されるが、必要となる酸素の供給量、すなわちブロワ風量が大きくなる。効率よくN2Oガスの生成を抑制するためには、NO2−Nの蓄積時にブロワ風量を増加し、DOを増加すればよい。
実施例1では、全体のブロワ風量は変えずに、亜硝酸性窒素濃度が最大の好気槽、すなわちNO2−N濃度が最大となる好気槽へのブロワ風量を大きくする。
NO2−Nの濃度が最大となる好気槽は常に同一ではなく、流入下水のNH4−N濃度とブロワ風量および季節,水温,汚泥性状などの環境因子によって変化する。同じブロワ風量でもNH4−N濃度が大きくなると、蓄積NO2−N濃度が減少するので、残存NH4−Nが減少する好気槽が下流側になるため、NO2−N濃度が最大となる好気槽は下流側になる。実施例1では、それぞれの好気槽のNO2−N濃度を亜硝酸性窒素計測器であるNO2−N濃度計により計測し、NO2−N濃度が最大となる好気槽を特定する。
好気槽へのブロワ風量の制御について述べる。全ブロワ風量に対する各好気槽へのブロワ風量との比を、酸素の配分比である酸素配分比とすると、実施例1ではNO2−N濃度が最大となる好気槽への酸素配分比を、弁開度を制御することで大きくする。表1にNO2−N濃度が最大となる好気槽と、各好気槽の弁開度の関係を示す。
第一弁12は、第一好気槽10でNO2−N濃度が最大となる場合に酸素配分比が最大となる。また、第二弁22は、第二好気槽20でNO2−N濃度が最大となる場合に酸素配分比が最大となる。第三弁32は、第三好気槽30でNO2−Nが最大となる場合に風量配分比が最大となる。各好気槽の酸素配分比は、流入下水の水質に応じて変化させてもよく、季節や水温や汚泥性状などの環境要因やその結果としての硝化速度に応じて変化させても良い。また、表ではなく、NO2−N濃度に応じた関数形でもよい。
実施例1では、NO2−N濃度が最大となる好気槽を特定するため各好気槽のNO2−N濃度を直接計測したが、一酸化二窒素ガスの濃度の検出手段であるN2Oガス濃度計で計測したN2Oガス濃度とNO2−N濃度の相関関係を利用して、N2Oガス濃度が最大となる好気槽をNO2−N濃度が最大となる好気槽としてもよい。
また、必ずしも全ての好気槽でNO2−N濃度やN2Oガス濃度を計測する必要はなく、計測した好気槽における計測値から外挿,内挿あるいは補間曲線を用いてNO2−N濃度が最大となる好気槽を推定してもよい。
また、実施例1ではブロワの全風量を変化させずに、弁の開度のみを変化させたが、DO一定制御や流入流量比例制御や硝化量制御などブロワの全風量を変動させる制御と組み合わせても良い。
また、実施例1ではNO2−N濃度を亜硝酸性窒素計測器であるNO2−N濃度計により計測したが、手分析や他の代替手段で計測してもよい。
図4は本発明の実施例2の水処理設備の構成図である。本実施例の水処理設備は、実施例1の第一亜硝酸性窒素濃度計測器13と亜硝酸性窒素濃度計測器23と第三亜硝酸性窒素濃度計測器33の代わりに、第一好気槽10にアンモニア性窒素濃度の検出手段であるアンモニア性窒素計測器14が設置されている。
実施例1で述べたように、同じブロワ風量でもNH4−N濃度が大きくなると、NO2−N濃度が最大となる好気槽は下流側になる。そこで、実施例2では、第一好気槽10のNH4−N濃度を計測することで、NO2−N濃度が最大となる好気槽を推定する。
図5にNH4−N濃度とNO2−N濃度が最大となる好気槽の関係を示す。第一好気槽10のNH4−N濃度が大きくなると、NO2−N濃度が最大となる好気槽が下流側になることがわかる。NO2−N濃度が最大となる好気槽の推定は、図5に示すグラフに基づいて作成した、第一好気槽10のNH4−N濃度とNO2−N濃度が最大となる好気槽の関係を表す表を用いて行う。この表の一例を表2に示す。
表2に示した関係式は、時刻や季節などの環境条件や、ブロワ風量やMLSSといった運転条件によって変化するため、これらで場合分けした表を用いてもよい。
第一好気槽10よりも上流の流入水において計測したNH4−N濃度が大きくなると、NO2−N濃度が最大となる好気槽が下流側になるという傾向が得られる。また、第一好気槽10よりも下流の好気槽において計測したNH4−N濃度が大きくなると、NO2−N濃度が最大となる好気槽が下流側になるという同様の傾向が得られる。
実施例2では、第一好気槽10でNH4−N濃度を計測したが、第一好気槽10よりも上流側の流入水、あるいは第一好気槽10よりも下流側の好気槽でNH4−N濃度を計測し、NO2−N濃度が最大となる好気槽を推定しても良い。
好気槽へのブロワ風量の制御については実施例1と同様である。また、実施例1ではブロワの全風量を変化させずに、弁の開度を変化させたが、 DO一定制御や流入流量比例制御や硝化量制御などブロワの全風量を変動させる制御と組み合わせても良い。
図6は本発明の実施例3の水処理設備の構成図である。本実施例の水処理設備は、実施例2のアンモニア性窒素計測器14の代わりに、第三好気槽30に硝酸性窒素濃度の検出手段である硝酸性窒素計測器35が設置されている。
硝化工程においてNH4−Nは最終的にはNO3−Nに酸化する。そのため、NH4−Nの減少分はNO3−Nの増加分に概ね相当する。図7に、第三好気槽30のNO3−N濃度とNO2濃度が最大となる好気槽の関係を示す。第三好気槽30のNO3−N濃度が小さくなると、NO2−N濃度が最大となる好気槽が下流側になることが分かる。NO2−N濃度が最大となる好気槽の推定には、図7のグラフに基づいて作成したNO3−N濃度とNO2濃度が最大となる好気槽の関係を表す表を用いる。この表の一例を表3に示す。
表3に示す関係式は、時刻や季節などの環境条件や、ブロワ風量やMLSSといった運転条件によって変化するため、これらで場合分けした表を用いてもよい。
第三好気槽30よりも上流の生物反応槽(好気槽のほか嫌気槽,無酸素槽も含む)において計測したNO3−N濃度が小さくなると、NO2−N濃度が最大となる好気槽が下流側になるという傾向が得られる。実施例3では、好気槽のうち最も下流側に位置する第三好気槽30でNO3−N濃度を計測したが、上流側の生物反応槽でNO3−N濃度を計測し、NO2−N濃度が最大となる好気槽を推定しても良い。
好気槽へのブロワ風量の制御については実施例1と同様である。また、実施例1ではブロワの全風量を変化させずに、弁の開度を変化させたが、DO一定制御や流入流量比例制御や硝化量制御などブロワの全風量を変動させる制御と組み合わせても良い。
図8は本発明の実施例4の水処理設備の構成図である。本実施例の水処理設備は、実施例2のアンモニア性窒素計測器14のかわりに、第二好気槽20に酸化還元電位の検出手段である酸化還元電位計測器26が設置されている。
酸化還元電位は、ある酸化還元反応系における電子のやり取りの際に発生する電位のことで、有機物,DO,NH4−N,NO3−Nなどの濃度に影響を受ける。特にNH4−NとNO3−Nの濃度の影響は大きく、NH4−N濃度はORPと負の相関があり、NO3−N濃度とは正の相関がある。
この結果、実施例2のアンモニア性窒素計測器あるいは実施例3の硝酸性窒素計測器と同様に酸化還元電位計測器により、NO2−N濃度が最大となる好気槽を推定できる。
図9に第二好気槽20のORPとNO2濃度が最大となる好気槽の関係を示す。第二好気槽20のORPが小さくなると、NO2−N濃度が最大となる好気槽が下流側になることがわかる。NO2−N濃度が最大となる好気槽の推定には、図9のグラフに基づいて作成した、ORPとNO2濃度が最大となる好気槽の関係を表す表を用いる。この表の一例を表4に示す。
表4の関係式は、時刻や季節などの環境条件や、ブロワ風量やMLSSといった運転条件によって変化するため、これらを考慮した表を用いてもよい。
第二好気槽20よりも上流あるいは下流の好気槽において計測したORPが小さくなると、NO2−Nが最大となる好気槽が下流側になるという傾向が得られる。実施例4では、第二好気槽20でORPを計測したが、上流側の好気槽あるいは下流側の好気槽でORPを計測し、NO2−N濃度が最大となる好気槽を推定しても良い。
好気槽へのブロワ風量の制御については実施例1と同様である。また、実施例1ではブロワの全風量を変化させずに、弁の開度を変化させたが、DO一定制御や流入流量比例制御や硝化量制御などブロワの全風量を変動させる制御と組み合わせても良い。
図10は本発明の実施例5の水処理設備の構成図である。本実施例の水処理設備は、好気槽に計測器を設置していない。代わりに、NO2−N濃度最大槽条件入力手段43を備えており、NO2−N濃度最大槽条件入力手段43で入力された情報は演算手段41に送られる。
NO2−N濃度が最大となる好気槽は、時刻や季節や、流入下水100の水温や流入流量、ブロワ40で供給される全ブロワ風量や好気槽内のMLSSなどの下水処理場の環境条件や運転条件などと、NO2−Nが最大となる好気槽の関係を表すデータベースである表を用いることで推定できる。これらの表は過去の計測値から構築することができる。この表の一例を表5から表7に示す。
表5は、季節と時刻からNO2−N濃度が最大となる好気槽を推定する表である。この表の例では、流入するNH4−N濃度が小さい夜間にNO2−Nが最大となる好気槽は上流側になる。また、水温が上昇して硝化反応が促進される季節(7〜10月)にNO2−Nが最大となる好気槽は上流側になる。
表6は、水温と時刻からNO2−N濃度が最大となる好気槽を推定する表である。この表の例では、流入するNH4−N濃度が小さい夜間にNO2−Nが最大となる好気槽は上流側になる。また、硝化反応が促進される水温上昇時にNO2−Nが最大となる好気槽は上流側になる。
表7は、流入流量と全ブロワ風量からNO2−N濃度が最大となる好気槽を推定する表である。この表の例では、流入するNH4−Nの量が多くなる流入流量の増加時にNO2−Nが最大となる好気槽は下流側になる。また、硝化反応が促進する全ブロワ風量増加時にNO2−Nが最大となる好気槽は上流側になる。
実施例5では季節と時刻など二つの項目から表を作成し、NO2−N濃度が最大となる好気槽を推定したが、一つあるいは三つ以上の項目を組み合わせても良い。また、実施例1から実施例4で示した検出手段を組み合わせても良い。
好気槽へのブロワ風量の制御については実施例1と同様である。また、実施例1ではブロワの全風量を変化させずに、弁の開度のみを変化させたが、DO一定制御や流入流量比例制御や硝化量制御などブロワの全風量を変動させる制御と組み合わせても良い。
10 第一好気槽
11 第一散気管
12 第一弁
13 第一亜硝酸性窒素濃度計測器
14 アンモニア性窒素計測器
20 第二好気槽
21 第二散気管
22 第二弁
23 第二亜硝酸性窒素濃度計測器
26 酸化還元電位計測器
30 第三好気槽
31 第三散気管
32 第三弁
33 第三亜硝酸性窒素濃度計測器
35 硝酸性窒素計測器
40 ブロワ
41 演算手段
42 配分比制御手段
11 第一散気管
12 第一弁
13 第一亜硝酸性窒素濃度計測器
14 アンモニア性窒素計測器
20 第二好気槽
21 第二散気管
22 第二弁
23 第二亜硝酸性窒素濃度計測器
26 酸化還元電位計測器
30 第三好気槽
31 第三散気管
32 第三弁
33 第三亜硝酸性窒素濃度計測器
35 硝酸性窒素計測器
40 ブロワ
41 演算手段
42 配分比制御手段
Claims (7)
- 複数の好気槽と、該複数の好気槽のそれぞれに酸素を供給する酸素供給手段と、前記複数の好気槽において亜硝酸性窒素濃度が最大となる好気槽を推定する推定手段と、前記亜硝酸性窒素濃度が最大となると推定される好気槽の配分比が、それ以外の好気槽の配分比より大きくなるように、前記酸素供給手段により前記複数の好気槽のそれぞれに供給する酸素の配分比を制御する配分比制御手段を備えたことを特徴とする水処理設備。
- 前記推定手段が、前記複数の好気槽に設置されたそれぞれの亜硝酸性窒素濃度の検出手段により検出された亜硝酸性窒素濃度に基づいて前記亜硝酸性窒素濃度が最大となる好気槽を推定することを特徴とする請求項1に記載の水処理設備。
- 前記推定手段が、前記複数の好気槽から大気中に放出されるそれぞれの一酸化二窒素ガスの濃度の検出手段と、該検出手段で検出された一酸化二窒素ガスの濃度が最大となる好気槽を前記亜硝酸性窒素濃度が最大となる好気槽と推定する演算手段とで、構成されることを特徴とする請求項1に記載の水処理設備。
- 前記推定手段が、前記複数の好気槽のうち少なくとも一つの好気槽に設置されたアンモニア性窒素濃度の検出手段と、該検出手段で検出されたアンモニア性窒素濃度が大きくなるほど、より下流側の好気槽を、前記亜硝酸性窒素濃度が最大となる好気槽と推定する演算手段とで、構成されることを特徴とする請求項1に記載の水処理設備。
- 前記推定手段が、前記複数の好気槽のうち少なくとも一つの好気槽に設置された硝酸性窒素濃度の検出手段と、該検出手段で検出された硝酸性窒素濃度が大きくなるほど、より上流側の好気槽を、前記亜硝酸性窒素濃度が最大となる好気槽と推定する演算手段とで、構成されることを特徴とする請求項1に記載の水処理設備。
- 前記推定手段が、前記複数の好気槽のうち少なくとも一つの好気槽に設置された酸化還元電位の検出手段と、該検出手段で検出された酸化還元電位が大きくなるほど、より上流側の好気槽を、前記亜硝酸性窒素濃度が最大となる好気槽と推定する演算手段とで、構成されることを特徴とする請求項1に記載の水処理設備。
- 前記推定手段が、季節,時刻,水温,流入流量,該酸素供給手段による酸素の供給量の少なくとも一つと、亜硝酸性窒素濃度が最大となる好気槽の関係を表すデータベースを含むことを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の水処理設備。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016203077A (ja) * | 2015-04-21 | 2016-12-08 | 帝人株式会社 | 多段型生物処理装置 |
EP3067330B1 (de) * | 2015-03-11 | 2019-07-24 | Grundfos Holding A/S | Wasseraufbereitungsanlage und verfahren zur aufbereitung von harnstoffhaltigen abwässern |
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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