JP5876902B2 - 生物阻害判定法 - Google Patents

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Description

本発明は、汚水等の判定対象液の硝化阻害性を簡便に特定することができる活性汚泥を用いた生物阻害判定法に関するものである。
活性汚泥処理を行う際に曝気量や曝気時間(曝気槽内への滞留時間)を決定することが必要となってくる。この場合には、処理される汚水について、どの程度の酸化されるべき有機物が含まれているかを予め検査する方法として、COD(化学的酸素要求量)及びBOD(生物化学的酸素要求量)がある。
CODは汚水中の被酸化性物質量を所定の条件下で、酸化剤により酸化させ、使用された酸化剤の量から汚水自体の酸化に必要な酸素量を求めて換算したものである。BODは汚水中の有機物などの量を、その酸化分解のために微生物が必要とする酸素の量で表したものである。何れも酸化に必要な酸素量を換算したものであるため、単位はppmまたはmg/Lを用いる。
何れも値が高いほど有機物量が多く、汚濁されていると判断され、生物処理施設に送水される汚水の事前の評価に用いられている。但し、CODは有機物と無機物、両方の要求酸素量であるのに対し、BODは生物分解性有機物のみの酸素要求量であるという点で相違する。このため、硝化阻害物質を高い濃度で含んだ汚水のようにCOD値は高いがBOD値が低いという汚水もある。また、CODは1〜2時間程度の比較的短時間で求められるのに対し、BODは一日以上の長時間を要するため、CODのみで送水される汚水の評価を行う場合には、生物処理施設の管理が不十分となることも少なからずあった。
また、硝化阻害物質を用いないで測定した好気処理工程における反応液の呼吸速度と硝化阻害物質を用いて測定した前記反応液の呼吸速度との差から硝化による呼吸速度を求め、次いで、予め調べておいた硝化速度と硝化による呼吸速度との関係式から硝化速度を推定し、この硝化速度をもとに活性汚泥の活性を評価する排水処理方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−104979号公報
前述の評価法は、嫌気−無酸素−好気活性汚泥法(A2O法)や循環式硝化脱窒法のような生物学的窒素除去方法における活性汚泥の活性を評価する方法であり、予め、硝化速度(前記反応液のアンモニウムイオン除去速度)の測定値と、硝化による呼吸速度の測定値との関係を調べておけば、測定された呼吸速度から硝化速度を推定することができるものである。しかしながら、前述の評価法は、処理する活性汚泥の評価であり、生物処理施設に送水される汚水自体の硝化阻害性を簡便に特定するものではない。
本発明は、酸素消費速度を求めるという簡便な操作で、生物処理施設において汚水の生物処理の可否(硝化阻害性)を短時間で判定することができる生物阻害判定法を得ることを目的とする。
請求項1に記載された発明に係る生物阻害判定法は、判定対象液中の生物阻害の程度を判断する生物阻害判定法において、
予め定められた濃度に調整された活性汚泥を含む活性汚泥液を2つ以上用意し、各々を曝気して溶存酸素量を飽和状態とする曝気工程と、
曝気処理された2つ以上の活性汚泥液中にアンモニウムイオン(NH )と判定対象液又はブランク水とを同時に添加した後の溶存酸素量を経時的に計測する計測工程と、
計測工程での計測結果に基づく酸素消費曲線から酸素消費速度を判定対象液及びブランク水の各々で算出する酸素消費速度算出工程と、
得られた判定対象液及びブランク水の各々の酸素消費速度から呼吸阻害率を決定する阻害率決定工程とを備え
前記計測工程が、曝気処理された活性汚泥液のpHを7.0に調整しつつアンモニウムイオン(NH )と判定対象液又はブランク水とを添加した後の各々の溶存酸素量を経時的に計測するものであることを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明に係る生物阻害判定法は、請求項1に記載の呼吸阻害率に応じて、硝化阻害レベルを次の3つに区分することを特徴とするものである。
・呼吸阻害率が10%未満をレベル1とし、硝化阻害性は極めて低いため、生物処理可と判断。
・呼吸阻害率が10〜30%未満をレベル2とし、硝化阻害性は低いため、生物処理可と判断。
・呼吸阻害率が30%以上をレベル3とし、硝化阻害性は高いため、生物処理不可と判断。
本発明は、酸素消費速度を求めるという簡便な操作で、生物処理施設において汚水の生物処理の可否(硝化阻害性)を短時間で判定する生物阻害判定法を得ることができるという効果がある。
本発明の生物阻害判定法の概要を示す説明図である。 本発明の生物阻害判定法の各工程を示す説明図であり、a図は曝気工程、b図は計測工程の状態を示す。 酸素消費曲線の阻害の有無を示す線図である。 酸素消費曲線から酸素消費速度を算出する方法を示す説明図である。 硝化阻害性物質濃度に対する硝化阻害率と呼吸阻害率との関係を示す線図である。 ある水処理施設処理水の窒素化合物濃度及びCOD推移を示す線図であり、a図は窒素化合物濃度、b図はCOD推移を各々示す。
本発明においては、予め定められた濃度に調整された活性汚泥を含む活性汚泥液を曝気して溶存酸素量を飽和状態とする曝気工程と、曝気処理された活性汚泥液中にアンモニウムイオン(NH )と判定対象液とを添加した後の溶存酸素量を経時的に計測する計測工程と、計測工程での計測結果に基づく酸素消費曲線から酸素消費速度を算出する酸素消費速度算出工程と、得られた酸素消費速度と阻害のない酸素消費基準速度とから呼吸阻害率を決定する阻害率決定工程とを備えることにより、活性汚泥液の酸素消費速度を求めるという簡便な操作で、生物処理施設において判定対象液の生物処理可否(硝化阻害性)を短時間で判定することができる。
図1は本発明の生物阻害判定法の概要を示す説明図である。図に示す通り、本発明の生物阻害判定法は、活性汚泥液中に存在するアンモニア酸化細菌によるアンモニウムイオン(NH )を酸化して亜硝酸イオン(NO )にする硝化反応と、同じく活性汚泥液中に存在する亜硝酸酸化細菌による亜硝酸イオン(NO )を酸化して硝酸イオン(NO )にする硝化反応を利用するものであり、これらの硝化反応では酸素を消費する。そのため、酸素の消費量が大きい場合は硝化反応は阻害されず、逆に酸素の消費量が少ない場合は硝化反応が阻害されていることとなり、この酸素消費量に応じて、即ち呼吸阻害に基づいて硝化阻害としての生物阻害判定を行うものである。
本発明の生物阻害判定法で用いる活性汚泥液の事前の調整として、生物処理施設の好気槽の曝気処理水を用いることができる。事前の汚泥調整工程としては、活性汚泥を予め定められた濃度に調整する工程であればよい。一般的な好気槽中には活性汚泥が含まれた曝気処理水のMLSS(Mixed Liquor Suspended Solids)値が1500〜2000mg/Lであるため、このMLSS値を目安として、所定濃度の活性汚泥液を調整する。具体的には、曝気処理水を遠心分離し、遠心分離された浮遊物質を生理食塩水(0.85%NaCl)で懸濁して、MLSS値が2000mg/L前後となるように調整する。尚、後述する実施例では、実験条件を統一するために生理食塩水を使用したが、ブランク測定と同一の液であれば、排水(例:生物処理施設の流量調整水)を使用しても良い。
図2は本発明の生物阻害判定法の各工程を示す説明図であり、a図は曝気工程、b図は計測工程の状態を示す。本発明の曝気工程は、予め定められた濃度に調整された活性汚泥液に曝気するものであればよい。a図に示す通り、この曝気処理により、活性汚泥液中の溶存酸素量を飽和状態とすることを意図している。具体的には、活性汚泥液90mLに対して供給空気量を0.25L/(分・100mL)以上、35℃の条件で20分以上曝気することで達成することができる。
尚、活性汚泥液の呼吸速度は、液温が下がるに従って低下し、それに伴い硝化速度も低下する。硝化阻害性はどの温度帯においても変わらないため、呼吸速度を求める際は、微生物が活性化する30℃以上で判定した方が阻害を見極めやすい。但し、40℃以上ではNH が揮発する可能性があり正確な硝化阻害判定ができないため、曝気温度はNH が揮発せず、活性汚泥の活性に障害が出ない温度、より具体的には35±3℃程度とする。
本発明の計測工程は、曝気処理された活性汚泥液中にアンモニウムイオン(NH )と判定対象液とを添加した後の溶存酸素量を経時的に計測するものであればよい。この計測工程では、図2のb図に示す通り、溶存酸素量が飽和状態となった活性汚泥に対して、アンモニウムイオン(NH )を添加すると、硝化反応により酸素を消費するが、その際にアンモニウムイオン(NH )と同時に添加された判定対象液について、生物阻害がないものであった場合には、その酸素消費が急速に行われる。これに対して、判定対象液について、生物阻害があるものであった場合には、その酸素消費が緩やかに行われる。これらの相違について検証することにより、生物阻害判定を行うものである。尚、基準データとして判定対象液をブランク水(生理食塩水)としたデータも用意しておく。
具体的には、曝気処理された活性汚泥液を2つ以上用意し、各々の中に25%NHCl 0.4mL、判定対象液又はブランク水(生理食塩水) 10mLを添加する。この場合、曝気処理された活性汚泥液のpHについては、1N硫酸又は1N苛性ソーダによりpH7に調整すると判定対象液毎の差が生じ難くなり好ましい。即ち、より好ましくは、曝気処理された活性汚泥液のpHを7.0に調整しつつ25%NHCl 0.4mL、判定対象液 10mLを添加する。調整(添加)後、DOメーターにより検水中の溶存酸素濃度を5分間以上測定すればよい。
図3は酸素消費曲線の阻害の有無を示す線図である。本発明の酸素消費速度算出工程は、計測工程で計測された酸素消費曲線から酸素消費速度を算出するものであればよい。この酸素消費速度としては、最大の酸素消費速度を検出して生物阻害判定を行うべきである。そのため、得られた酸素消費曲線において、好ましくは、図4に示す通り、3点以上から構成される最も急な直線の傾きを求め、酸素消費速度(mg/L/min)とする。
本発明の阻害率決定工程は、得られた酸素消費速度から阻害率を決定するものであればよい。尚、阻害率としては、判定対象液とブランク水(生理食塩水)とで酸素消費量を比較検討すればよい。例えば、本実施例で用いた呼吸阻害率は次の式で定義される。
(呼吸阻害率%)={(ブランク水の酸素消費速度)−(判定対象液の酸素消費速度)}/(ブランク水の酸素消費速度) ×100
尚、式中のブランク水の酸素消費速度は、計測工程における判定対象液をブランク水(生理食塩水)に置き換えて実施し、ブランク水の酸素消費速度(酸素消費基準速度)を求めたものである。
例えば、本実施例では、求められた呼吸阻害率(%)から、硝化阻害レベルを次の3段階に分けて判断した。
・レベル1:呼吸阻害率0〜10%未満。阻害物質の濃度が1000mg/L以上で硝化阻害を示す物質を含むか又は阻害物質を全く含まず、硝化阻害性は極めて低いため、生物処理可と判断。
・レベル2:呼吸阻害率10〜30%未満。阻害物質の濃度が100mg/L以上で硝化阻害を示す物質を含む可能性があるが、硝化阻害性は低いため、生物処理可と判断。
・レベル3:呼吸阻害率30%以上。阻害物質の濃度が100mg/L未満で硝化阻害を示す物質を含む可能性があり、硝化阻害性が高いため、生物処理不可と判断。
以上のように、硝化阻害性を示す汚水を簡便に特定すること(1検体当り約30分)を目的に、汚泥の酸素消費速度を求めることによる生物阻害判定方法を開発することができた。
1.生物阻害判定法の工程
本実施例では、硝化細菌(アンモニア酸化細菌、亜硝酸酸化細菌)は、アンモニウムイオンを酸化する際に酸素(0 )を消費する。逆に、酸素の消費が阻害されれば、硝化反応が阻害されることとなる。この原理を利用して、硝化細菌を含む活性汚泥の呼吸阻害率を求めることにより、対象汚水の硝化阻害レベルを判定することができる。その手順は、次の通りである。
1)汚泥調整
使用した活性汚泥液は、生物処理施設好気槽の活性汚泥液を用いた。汚泥の調整は、遠心分離機により汚泥をMLSS値を約2000mg/Lとなるように調整し、生理食塩水に懸濁した。尚、本実施例では、実験条件を統一するために生理食塩水を使用したが、ブランク測定と同一の液であれば、排水(例:生物処理施設の流量調整水)を使用しても良いことは言うまでもない。
2)曝気処理
前記活性汚泥液90mLに対して供給空気量約0.25L/(分・100mL)以上、35℃の条件で20分以上曝気した。尚、活性汚泥の呼吸速度は、液温が下がるに従って低下し、それに伴い硝化速度も低下する。硝化阻害性はどの温度帯においても変わらないため、呼吸速度を求める際は、微生物が活性化する30℃以上で判定した方が阻害を見極めやすい。但し、40℃以上ではNH が揮発する可能性があり正確な硝化阻害判定ができないため、曝気温度は35℃とした。
3)DO測定
曝気後、25%NHCl0.4mLと、判定対象液10mLを添加し、1N硫酸または1N苛性ソーダにより検水をpH7.0に調整した後、DOメーターにより検水中の溶存酸素濃度を5分間以上測定した。図4は得られた酸素消費曲線である。
4)酸素消費速度の算出
図4は酸素消費曲線から酸素消費速度を算出を示す説明図である。図4に示す通り、得られた酸素消費曲線において、3点以上から構成される最も急な直線の傾きを求め、酸素消費速度(mg/L/min)とした。
5)呼吸阻害率の算出
前記操作の判定対象液をブランク水(生理食塩水)に置き換えて実施し、ブランク水の酸素消費速度を求めた。その値を用いて、以下の式によって呼吸阻害率を求めた。
(呼吸阻害率%)={(ブランク水の酸素消費速度)−(判定対象液の酸素消費速度)}/(ブランク水の酸素消費速度) ×100
2.硝化阻害レベル
前記判定法により得られた呼吸阻害率(%)と硝化阻害率(%)の一致率を確認するため、種々硝化阻害物質に対して、呼吸阻害率と硝化阻害率を求めた。ここで、硝化阻害率は、以下の方法により算出した。
(硝化阻害判定手順)
(1) 汚泥調整
呼吸阻害判定と同様に、汚泥をMLSS約2000mg/Lに調製した。
(2) 検液、及び資材の添加
上記活性汚泥液に対して判定対象液(予めpH7.0に調整)を10mL添加し、25%NHCl 0.4mLを適量添加(検液中のNH 濃度が200mg/L程度となるように添加)、リン酸を0.08mLを添加して検水を100mLとし、1N硫酸または1N苛性ソーダによりpH7.0に調整した。
(3) 曝気処理
上記検水100mLに対して供給空気量0.5L/(分・100mL)、35℃の条件で24時間曝気した。
(4) アンモニウムイオン(NH )濃度の測定
曝気0、6、24時間後の検水中のアンモニウムイオン(NH )濃度を測定した(イオンクロマトグラフ法により測定)。そのNH 濃度から、以下の値を求めた。
(NH 除去率%)=(NH 初濃度−処理後濃度)/初濃度 × 100
(硝化速度mg・NH4/hr) =(NH 初濃度−処理後濃度)×検水容量0.1 L/曝気時間
(5) 硝化阻害率の算出
前記操作の判定対象液をブランク水(生理食塩水)に置き換えて実施し、ブランク水の硝化速度及びNH 除去率を求めた。その値より、以下の式に従って、硝化阻害率を求めた。
(硝化阻害率%)={(ブランク水の硝化速度(又はNH 除去率)−(判定対象液の硝化速度(又はNH 除去率)}/{ブランク水の硝化速度(又はNH 除去率)} × 100
次の表1は、個々の硝化阻害物質に対する呼吸阻害率及び硝化阻害率を示す。図5は硝化阻害性物質濃度と硝化阻害率との関係を示す線図である。
Figure 0005876902
表1より、呼吸阻害率と硝化阻害率の一致率は高く、呼吸阻害率を求めることにより硝化阻害を判定できることが確認された。ここで、本実施例の阻害判定法により得られた呼吸阻害率(%)から、以下の硝化阻害レベルに分類した。
・レベル1:呼吸阻害率0〜10%未満。阻害物質の濃度が1000mg/L以上で硝化阻害を示す物質を含むか又は阻害物質を全く含まず、硝化阻害性は極めて低いため、生物処理可と判断。
・レベル2:呼吸阻害率10〜30%未満。阻害物質の濃度が100mg/L以上で硝化阻害を示す物質を含む可能性があるが、硝化阻害性は低いため、生物処理可と判断。
・レベル3:呼吸阻害率30%以上。阻害物質の濃度が100mg/L未満で硝化阻害を示す物質を含む可能性があり、硝化阻害性が高いため、生物処理不可と判断。
「硝化阻害レベルが2以下」であり、かつ、「放流時の液性が法基準(例えば、下水道排除基準)を満たす」汚水は、生物処理を“可”とした。
3.実汚水の判定結果
(3-1) 生物阻害判定の結果
種々の実験水に対して生物阻害判定を行った結果、[阻害レベルが2以下]と判定した実験水として、以下を抽出した。
・実験水A(pH11.6、比重1.0、COD9200mg/L)
・実験水B(pH11.8、比重1.0、COD4200mg/L、酢酸含有)
・実験水C(pH10.5、比重1.0、COD2600mg/L、NH 含有)
(3-2) 生物処理施設での実機テスト
1月13日から1月30日にかけて、実験水A、B、Cを生物処理施設に送水した。図6はある生物処理施設処理水の窒素化合物濃度及びCOD推移を示す線図であり、a図は窒素化合物濃度、b図はCOD推移を各々示す。各汚水の結果は、以下の通りである。
(a) 実験水Aについて
生物処理施設に送水後、処理水中の窒素化合物濃度及びCODに顕著な影響は見られず、図6に示す通り、処理水中のCOD(BODは10mg/L未満)は問題なく処理されていた。
(b) 実験水Bについて
生物処理施設に送水後、処理水中の窒素含有量は低下傾向を示し、窒素除去率も上昇した。これより、酢酸を添加することにより窒素処理能力が向上したことが確認された。また、処理水中のCODは問題なく処理されていた(BODは10mg/L未満)。
(c) 実験水Cについて
生物処理施設に送水後、処理水中のNH 濃度が僅かに増加したが、下水基準(T-N380mg/L)未満に処理されていた。また、処理水中のCODは問題なく処理されていた(BODは10mg/L未満)。
これより、生物阻害判定法により抽出した低阻害汚水は、生物処理施設に送水しても処理性に悪影響は無く、処理水は下水道排水基準を満たした。また、設備トラブル等も見られなかった。本テスト期間は冬季の気温が低い期間であり、微生物の活動が弱くなる時期である。その期間において処理性に悪化が見られないことから、通年においてこれら低阻害汚水を生物処理しても問題ないと考えられた。

Claims (2)

  1. 判定対象液中の生物阻害の程度を判断する生物阻害判定法において、
    予め定められた濃度に調整された活性汚泥を含む活性汚泥液を2つ以上用意し、各々を曝気して溶存酸素量を飽和状態とする曝気工程と、
    曝気処理された2つ以上の活性汚泥液中にアンモニウムイオン(NH )と判定対象液又はブランク水とを同時に添加した後の溶存酸素量を経時的に計測する計測工程と、
    計測工程での計測結果に基づく酸素消費曲線から酸素消費速度を判定対象液及びブランク水の各々で算出する酸素消費速度算出工程と、
    得られた判定対象液及びブランク水の各々の酸素消費速度から呼吸阻害率を決定する阻害率決定工程とを備え
    前記計測工程が、曝気処理された活性汚泥液のpHを7.0に調整しつつアンモニウムイオン(NH )と判定対象液又はブランク水とを添加した後の各々の溶存酸素量を経時的に計測するものであることを特徴とする生物阻害判定法。
  2. 前記呼吸阻害率に応じて、硝化阻害レベルを次の3つに区分することを特徴とする請求項1に記載の生物阻害判定法。
    ・呼吸阻害率が10%未満をレベル1とし、硝化阻害性は極めて低いため、生物処理可と判断。
    ・呼吸阻害率が10〜30%未満をレベル2とし、硝化阻害性は低いため、生物処理可と判断。
    ・呼吸阻害率が30%以上をレベル3とし、硝化阻害性は高いため、生物処理不可と判断。
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