JP2020116578A - 廃水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶解性蒸発残留物および/またはカリウムイオン濃度が高い廃水に対しても、アンモニア濃度を正確に測定でき、硝化槽のDO値を過度に高めることなく、安定した硝化反応の進行と、硝化脱窒同時進行が生じ、窒素除去・濃度低減効果を高めること。【解決手段】溶解性蒸発残留物500〜30,000mg/Lおよび/またはカリウムイオン濃度40〜600mg/Lの廃水を、少なくとも、脱窒素槽から、硝化槽、二次脱窒素槽、再曝気槽に導入することで生物学的硝化脱窒素処理を行う廃水処理方法である。液体分析計により測定した硝化槽のアンモニア性窒素濃度が1~20mg/Lとなるように硝化槽220への酸素含有気体供給量を制御し、かつ、硝化槽220のDO値が1mg/L以下になるように制御することによって、硝化槽220において硝化反応と脱窒素反応を同時に進行させる。【選択図】図6

Description

本発明は、最終処分場浸出水処理施設、し尿処理施設、産業廃水処理施設等の溶解性蒸発残留物および/またはカリウムイオン濃度が高い廃水を対象に生物学的硝化脱窒処理する方法に係わり、硝化槽のアンモニア濃度をアンモニウムイオン電極で測定し、硝化槽への酸素含有気体供給量の制御を行う廃水処理方法に関するものである。
従来より、生物学的硝化脱窒素法の硝化反応の制御としては、硝化反応を行う生物反応槽(以下、硝化槽とも記す)のDO(溶存酸素)制御およびpH制御が使用されていた。そして近年、下水処理では、硝化反応の制御としてアンモニウムイオン電極(アンモニアセンサー、NH4センサー、NH4計、アンモニア計ともいう)の導入が進みつつある。
特許文献1や特許文献2では下水処理場での硝化脱窒素処理を対象とし、アンモニアセンサー等を用い、気体供給量等を制御する方法が記載されている。また特許文献3では、微生物フロックに紫外線を照射することで微生物が発生する生物蛍光体の蛍光量を測定する蛍光測定センサーにより送風量を制御する方法が記載されており、補助センサーとしてアンモニア濃度を測定するアンモニアセンサーを用いている。
また非特許文献1では、下水処理での空気量制御にNOX-N計とNH4-N計を使用する方法であり、深槽曝気槽好気部での硝化脱窒同時処理についての記載がある。また非特許文献2では、下水処理における空気量制御にNH4-N計を使用し、好気槽での硝化脱窒同時処理、硝化内生脱窒法でのNH4-N最適値の存在、空気量制御手法としての、DO制御に対するNH4-N制御の優位性についての記載がある。また非特許文献3では、し尿の脱水ろ液を7倍希釈後に下水と混合して受け入れているOD法の処理場において、自動測定器としてアンモニア性窒素、硝酸性窒素、カリウムのイオンセンサーを設置し、運転データを可視化することでの処理状況が改善された事例について報告されている。
特開2012−135717号公報 特開2015−16410号公報 特許第4381473号公報
葛西孝司,曽根啓一,鈴木重浩,高橋宏幸,黒住光浩,坂根良平:好気タンク内の脱窒を利用した新たな高度処理技術(同時硝化脱窒処理)の開発,下水道協会誌,Vol.52,No.635,pp.114‐121,(2015) 蒲池一将,本間康弘,鈴村悟:アンモニアセンサーを使用した空気量制御運転の活性汚泥モデルによる最適化,学会誌「EICA」,第20巻、第2・3合併号,pp.3‐10,(2015) 松井稔,本多淳二,木内誠治:OD法における窒素除去の運転条件について,第50回下水道研究発表会講演集,pp.811‐813,(2013)
上述のように、生物学的硝化脱窒素法の硝化反応の制御としては、硝化槽DO制御およびpH制御が使用されていた。しかし、DO制御やpH制御ではアンモニア性窒素濃度を把握できないため、硝化槽に十分な空気を供給し、DO濃度を2mg/L程度の高めに設定することで、硝化菌の作用によりほぼ全てのアンモニア性窒素を硝酸性窒素へと転換していた。そのため、硝化槽では多大な空気量が必要となっていた。
下水処理では、この問題点を改善するために、NH4センサーの採用が進みつつあるが、最終処分場浸出水処理施設、し尿処理施設、産業廃水処理施設等で処理対象となる溶解性蒸発残留物および/またはカリウムイオン濃度が高い廃水の場合では、共存イオンおよび/またはカリウムイオンの影響でNH4センサーの適用は困難であり、また、溶解性蒸発残留物および/またはカリウムイオン濃度が高い廃水に適用できるNH4センサーの報告例は無い。
本発明は、溶解性蒸発残留物および/またはカリウムイオン濃度が高い廃水に対しても、アンモニア濃度を正確に測定でき、硝化槽のDO値を過度に高めることなく、安定した硝化反応の進行と、硝化脱窒同時進行が生じ、窒素除去・濃度低減効果を高めることができる廃水処理方法の提供を目的とする。
本発明にかかる廃水処理方法は、溶解性蒸発残留物500〜30,000mg/Lおよび/またはカリウムイオン濃度40〜600mg/Lの廃水を、少なくとも、脱窒素槽から、硝化槽、二次脱窒素槽、再曝気槽に導入することで生物学的硝化脱窒素処理を行う廃水処理方法において、硝化槽のアンモニア濃度を測定する液体分析計として、液絡部を介して外部と連通する空間内に内部液である塩化カリウム飽和液と当該内部液に接触する内部極であるAg/AgCl電極とを備えた比較電極と、応答膜によって外部から仕切られた空間内に内部液として塩化アンモニウム水溶液と当該内部液に接触する内部極としてAg/AgCl電極とを備えたアンモニウムイオン電極と、アンモニウムイオンに対するカリウムイオンの干渉を補正するために用いられるカリウムイオンによる電位を測定するカリウムイオン電極と、を具備する構成の液体分析計を用い、前記液体分析計により測定した硝化槽のアンモニア性窒素濃度が1~20mg/Lとなるように硝化槽への酸素含有気体供給量を制御し、かつ、硝化槽のDO値が1mg/L以下になるように制御することによって、硝化槽において硝化反応と脱窒素反応を同時に進行させることを特徴としている。
なお、測定対象のアンモニウムイオンの測定可能な濃度範囲は、前記比較電極の内部液中の塩化物イオン濃度よりも低いことが好ましい。また、前記アンモニウムイオン電極の内部液は、アンモニウムイオンと塩化物イオンとを含有しており、前記アンモニウムイオン電極の内部液は、前記アンモニウムイオン電極の内部液の浸透圧と等温交点とが所望の値になり、かつ、当該等温交点が前記測定可能な濃度範囲内に含まれているように、前記アンモニウムイオン電極の内部液中のアンモニウムイオンの濃度と塩素イオンの濃度が調整されたものであり、当該塩素イオンの濃度が、前記比較電極の内部液中の塩素イオンの濃度とは異なっていることが好ましい。
上記本発明にかかる液体分析計によれば、溶解性蒸発残留物および/またはカリウムイオン濃度が高い廃水に対しても、共存イオンおよび/またはカリウムイオンの影響を受けずにアンモニア濃度を正確に測定することができることを実験によって確認した。このため、硝化槽に対する酸素含有気体の供給量を硝化槽のNH4濃度に応じて正確に制御することが可能になる。
そして、硝化槽のNH4濃度に応じて酸素含有気体の供給量を制御することで、従来のように硝化槽のDO値を高める必要が無くなる。即ち、硝化槽のDO値を1mg/L以下と、従来よりも低く保つことが可能となり、硝化槽において安定した硝化反応の進行が図れ、また硝化槽での硝化脱窒同時進行が生じ、窒素除去濃度低減効果を高めることが可能となる。
また硝化槽のNH4濃度に応じて酸素含有気体の供給量を制御することで、従来のように硝化槽のDO値を高める必要が無くなる。即ち、硝化槽のDO値を従来よりも低く保つことが可能となり、硝化槽において安定した硝化反応の進行が図れ、また硝化槽での硝化脱窒同時進行が生じ、窒素除去濃度低減効果を高めることが可能となる。
また本発明は、前記硝化槽を機能的に複数に分割し、分割した硝化槽前半部分でのアンモニア性窒素濃度が1〜20mg/Lとなるように硝化槽への酸素含有気体供給量を制御し、かつ、硝化槽前半部分のDO値を1mg/L以下とすることによって、硝化槽前半部分おいて硝化反応と脱窒素反応を同時に進行させ、一方、分割した硝化槽後半部分で、DO値が1〜3mg/Lになるように酸素含有気体供給量を制御して硝化槽前半部分に残留したNH4-NをNOX-Nに硝化することを特徴としている。これによって、放流水のNH4-N+NOX-N値を小さくでき、さらに良好な窒素除去を達成することができる。
本発明によれば、溶解性蒸発残留物および/またはカリウムイオン濃度が高い廃水に対しても、共存イオンおよび/またはカリウムイオンの影響を受けずにアンモニア濃度を正確に測定でき、従来のように硝化槽のDO値を過度に高めることが無く、硝化槽における安定した硝化反応の進行と、硝化槽での硝化脱窒同時進行が生じ、窒素除去・濃度低減効果を高めることができる。
液体分析計(NH4センサー)100の斜視図である。 NH4センサー100の使用状態を示す図である。 NH4センサー100の先端面を示す図(但し、センサーS2を取り外した状態)である。 図3のA−A断面図である。 図1のB−B断面図(又はC−C断面図)である。 標準脱窒素処理方式による処理フローの一例を示す図である。 膜分離高負荷脱窒素処理方式による処理フローの一例を示す図である。 前脱水+標準脱窒素処理方式による処理フローの一例を示す図である。 散気式曝気装置400の一例を示す概略構成図である。 ポンプ循環式曝気装置430の一例を示す概略構成図である。 空気注入式曝気装置460の一例を示す概略構成図である。 NH4センサー測定値と水質分析結果の比較を示す図である。 NH4センサー100の性能測定結果を示す図である。 NH4センサー100を使用したNH4-N濃度による空気量制御運転の結果を示す図である。 硝化槽NH4-N濃度による空気量制御と、硝化槽DO濃度による空気量制御の結果を比較して示す図である。 硝化槽NH4-N濃度による空気量制御と、硝化槽DO濃度による空気量制御の結果を比較して示す図である。 生物反応槽に流入するし尿等の流量を下げて、硝化槽270のDO値を1mg/L以下に設定した場合の各測定値を示す図である。 硝化槽270のNH4-N設定値を上げて、硝化槽270のDO値を1mg/L以下に設定した場合の各測定値を示す図である。 NH4センサー100に対して行われた試験の試験結果を示す図である。 硝化槽の機能を分割した標準脱窒素処理方式による処理フローの一例を示す図である。 硝化槽の機能を分割した前脱水+標準脱窒素処理方式による処理フローの一例を示す図である。 標準脱窒素処理方式での、硝化槽DO濃度による空気量制御と、硝化槽NH4-N濃度による空気量制御と、硝化槽をDO濃度により2つのゾーンに分割する空気量制御の結果を比較して示す図である。 前脱水+標準脱窒素処理方式での、硝化槽DO濃度による空気量制御と、硝化槽NH4-N濃度による空気量制御と、硝化槽をDO濃度により2つのゾーンに分割する空気量制御の結果を比較して示す図である。
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されない。
本発明において処理の対象となる被処理水(分析対象液)は、溶解性蒸発残留物および/またはカリウムイオン濃度が高い被処理水であり、具体的には、最終処分場浸出水処理施設、し尿処理施設、産業廃水処理施設等に排出される廃水が挙げられる。本発明においては、し尿や浄化槽汚泥を含む汚水を処理することを「し尿処理」と称し、従来からのし尿処理場や汚泥再生処理センター(し尿・浄化槽汚泥の他に生ごみ等有機性廃棄物を対象)での処理を意味する。また、し尿処理場や汚泥再生処理センターで処理対象となるし尿や浄化槽汚泥を含む汚水を「し尿等」とも称する。
近年、本発明に係るNH4センサーを導入しようとする下水処理場の反応槽内の溶解性蒸発残留物はおおよそ100〜400mg/L、カリウムイオン濃度はおおよそ10〜30mg/Lである。また、最終処分場浸出水では溶解性蒸発残留物が60,000mg/Lに達する場合もあるが、生物学的硝化脱窒処理を行う場合には、反応槽内の溶解性蒸発残留物が30,000mg/L以下になるように希釈を行う。最終処分場浸出水の反応槽内のカリウムイオン濃度はおおよそ10〜60mg/Lである。また、し尿処理では反応槽内の溶解性蒸発残留物はおおよそ500〜10,000mg/L、 カリウムイオン濃度はおおよそ40〜600mg/Lである。つまり、本発明で、溶解性蒸発残留物が高いとは、溶解性蒸発残留物がおおよそ500mg/L以上の場合をいい、カリウムイオン濃度が高いとは、カリウムイオン濃度がおおよそ40mg/L以上の場合をいうこととする。
図1は本発明に用いる液体分析計(以下「NH4センサー」という)100の斜視図、図2はNH4センサー100の使用状態を示す図、図3はNH4センサー100の先端面を示す図(但し、センサーS2を取り外した状態)、図4は図3のA−A断面図、図5は図1のB−B断面図(又はC−C断面図)である。これらの図に示すように、NH4センサー100は、3つのセンサーS1、S2、S3が一体となったものであって、センサーS1、S2、S3として、基準電位を測定するための基準電極(比較電極)S3と、アンモニウムイオンによる電位を測定するためのアンモニウムイオン電極S1と、アンモニウムイオンに対するカリウムイオンの干渉を補正するために用いられるカリウムイオンによる電位を測定するためのカリウムイオン電極S2とを備えている。測定対象溶液のカリウムイオン濃度が高い場合には、アンモニウムイオン濃度測定に対するカリウムイオンの干渉の影響が大きくなり、アンモニウムイオン測定の妨げとなる恐れが生じる。
NH4センサー100は、概略細円筒状の筐体を有し、その基端側(図1では下側)に持ち運び用の鎖が設けてあり、その反対側の先端面に3つのセンサーS1、S2、S3のセンサー面SP1、SP2、SP3が外側へ露出するように設置してある。なお、本実施形態においてセンサー面SP1、SP2、SP3とは、各電極の応答膜S11、S21や液絡部S31が形成されている面のことを指す。
そして図2に示すようにNH4センサー100の先端面が分析対象液(被処理液)L中において鉛直下向きとなるように浸され、各センサーS1、S2、S3のセンサー面SP1、SP2、SP3が分析対象液L中に浸された状態で各電位の測定を行い、分析対象液L中のアンモニウムイオン濃度を測定する。図1及び図2からも分かるように、3つのセンサーS1、S2、S3のうち2つについては分析中にセンサー面SP1、SP2に気泡が溜まるのを防ぐためにセンサー面SP1、SP2を筐体の軸方向に対して傾斜して設けてある。さらに、傾斜している2つのセンサー面SP1、SP2についてはその向きが同じ所定方向を向くように構成してある。
NH4センサー100の先端面は円形状に形成され、その中心線上に基準電極S3のセンサー面SP3と、後述する温度計保護管Pとが並んで配置してある。また、前記中心線に直交する中心線よりもややずれた位置に一列に並んでアンモニウムイオン電極S1の先端部と、カリウムイオン電極S2の先端部とが並んで配置してある。
図4,図5に示すように、NH4センサー100は、基端側に中空部を有し、先端側に中実部が形成された概略円筒形状をしたボディ1と、前記ボディ1に差し込まれた3つのセンサーS1、S2、S3と、前記ボディ1の先端側を覆うように設けられているキャップ状の押圧機構2とを具備して構成されている。押圧機構2は、前記3つのセンサーS1、S2、S3を前記ボディ1に対して押圧して固定する。
前記ボディ1には軸方向に延びる4つの差し込み穴PH1、PH2、PH3、PH4が形成されており、概略円筒状をなす3つのセンサーS1、S2、S3と前記温度計保護管Pがそれぞれ対応する差し込み穴PH1、PH2、PH3、PH4に差し込んである。また、この差し込み穴PH1、PH2、PH3にはめねじは形成されておらず、各センサーS1、S2、S3が単に差し込まれるだけである。なお、温度計保護管Pについては外れないように差し込み穴PH4に対して固定してある。また、温度計保護管Pの内部には、前記各センサーS1、S2、S3の測定値に対して温度補償をする際に用いられる温度を測定する温度センサーTSが収容してある。
3つのセンサーS1、S2、S3について共通している部分について説明すると、各図からも分かるように各センサーS1、S2、S3は概略円筒形状に形成された樹脂製の支持管S12、S22、S32を有し、当該支持管S12、S22、S32の内部には内部液S13、S23、S33と、当該内部液S13、S23、S33に浸漬された内部電極S1E、S2E、S3Eとが収容されている。前記支持管S12、S22、S32の先端には開口部が形成されており、この開口部を塞ぐように応答膜S11、S21又は液絡部S31が設けてある。また、支持管S12、S22、S32の外周面にOリングが設けてあり、前記差し込み穴PH1、PH2、PH3との間で軸シールをなすように構成してある。さらに、各センサーS1、S2、S3の基端は前記差し込み穴PH1、PH2、PH3の最奥において電極端子Dと接触し、取得された各電位がその電極端子Dから外部の演算装置へと伝達されるようにしてある。また、支持管S12、S22、S32の外観形状について共通している部分についてさらに詳述すると、各センサーS1、S2、S3の支持管S12、S22、S32は、先端部が基端部側よりも直径の大きい太円筒部S14、S24、S34を有し、この太円筒部S14、S24、S34の基端側端面が前記差し込み穴PH1、PH2、PH3に形成された段部に係合して前記ボディ1と接触するボディ接触面S17、S27、S37としての機能を果たす。また太円筒部S14、S24、S34の外周面中央部には半径方向に突出したリング状の突出部S15、S25、S35が形成してあり、この突出部S15、S25、S35の先端側平面が前記押圧機構2と係合する係合部S16、S26、S36として構成してある。すなわち、この係合部S16、S26、S36が前記押圧機構2により前記ボディ1側へと押されることにより、前記ボディ接触面S17、S27、S37がボディ1へと押しつけられ、各センサーS1、S2、S3がボディ1に対して所定の力で固定されることになる。
3つのセンサーS1、S2、S3の内、前記基準電極S3は、その中心線(延伸軸線)に対して垂直な方向にセンサー面SP3が形成されており、図4に示すように液絡部S31が支持管S32の先端から着脱可能に構成してあり、連続使用による汚れ等により液絡部S31としての機能が低下してきた場合には交換できるようにしてある。
アンモニウムイオン電極S1及びカリウムイオン電極S2は、図5に示すように、応答膜S11、S21が設けられており、そのセンサー面SP1、SP2はセンサーS1、S2の中心軸(延伸軸線)に対して傾斜して設けてある。両センサーS1,S2の形状は略同じ形状をしている。
押圧機構2は、全てのセンサーS1、S2、S3を一括して前記ボディ1に対して押圧するものである。断面図においては、アンモニア計100の先端面において概略コの字状の部材として示されるものであり、前記ボディ1の先端部を略覆うものである。また、前記ボディ1の先端部を覆った状態において各センサーS1、S2、S3のセンサー面SP1、SP2、SP3と前記温度計保護管Pの先端とを外部へと露出させるための貫通孔TH1、TH2、TH3、TH4を4つ備えている。
本実施形態のアンモニウムイオン電極S1の内部液S13には、塩化アンモニウムが含まれており、内部電極S1EとしてはAg/AgCl電極が用いられている。また、応答膜S11は、選択的にアンモニウムイオンに応答する膜であり、半透膜としての性質を有する。このような各イオンに対応する膜としては、具体的には、例えば有機溶媒とそれらを担持するポリ塩化ビニル樹脂やシリコーンゴム等からなるものが挙げられる。一方、基準電極S3の内部液S33としては過飽和の塩化カリウム溶液が用いられ、内部電極S3EとしてはAg/AgCl電極が用いられている。
当該アンモニウムイオン電極S1の応答膜S11の膜電位(mV)は下記式(1)で表すことができる。
Figure 2020116578
ここで、式(1)中の各パラメータはそれぞれ以下のとおりである。
E:アンモニウムイオン電極S1の応答膜S11の膜電位(mV)
OIon:アンモニウムイオン電極S1の標準電極電位(mV)
R:気体定数
F:ファラデー定数
T:絶対温度(K)
N, Sample:分析対象液L中のNH4 +のイオン活量(moL/L)
N, Ion:アンモニウムイオン電極S1の内部液S13中のNH4 +のイオン活量(moL/L)
Cl, Ref:基準電極S3の内部液S33中のClのイオン活量(moL/L)
Cl, Ion:アンモニウムイオン電極S1の内部液S13中のClのイオン活量(moL/L)
本実施形態においては、式(1)中の実線で囲まれたB項全体が1になる点が測定可能な濃度範囲内に入るように各イオンのイオン活量(イオン濃度)が調整されていることにより、分析対象液L中のアンモニウムイオンの濃度範囲内、すなわち測定レンジ内で、等温交点を得ることができる。更に、本実施形態では、内部液S13の浸透圧が分析対象液Lの浸透圧と同程度になるように、内部液S13中のアンモニウムイオンの濃度と塩化物イオンの濃度とが調整されている。なお、式(1)に基づいてシミュレーションを行い、等温交点が測定レンジ内に入るように内部液を調製してもよい。
このように構成した本実施形態のアンモニウム計100によれば、アンモニウムイオン電極S1の内部液S13中のアンモニウムイオンの濃度と塩化物イオンの濃度とを変動させることにより、内部液S13の浸透圧を分析対象液Lの浸透圧と同程度になるように調製しながら、分析対象液L中のアンモニウムイオンの濃度範囲内で等温交点が得られるので、溶解性蒸発残留物および/またはカリウムイオン濃度が高い廃水を対象とした場合でも共存イオンおよび/またはカリウムイオンの影響を受けずにアンモニア濃度を正確に測定できることを本願発明者は見出した。
上記NH4センサー100においては、以下のような試験が行われている。即ち、基準電極(比較電極)S3として、内部液S33が3.33Mの塩化カリウム溶液であるものが使用された。一方、アンモニウムイオン電極S1の内部液S13は、等温交点が0.0000714M(1ppm・N)で、浸透圧が塩濃度0.03Mの水溶液と同一になるように調製された。上記の構成を有する基準電極S3とアンモニウムイオン電極S1とを用いて、温度を変化させながら電極の応答が計算式(1)に従っているかどうかが確認された。その結果は、図19に示すように、アンモニウムイオン濃度0.0000714M(1ppm・N)に等温交点を持つことが確認されている。なお、等温交点が測定可能な濃度範囲からずれると、測定可能な濃度範囲内の測定値Eが式(1)に完全に従わない場合には、式(1)から予想されるEと、実際の測定値Eとの間にずれが大きくなるので測定誤差が大きくなる。
即ち、NH4センサー100において、測定対象のアンモニウムイオンの測定可能な濃度範囲は、基準電極(比較電極)S3の内部液S33中の塩化物イオン濃度よりも低いことが好ましい。また、アンモニウムイオン電極S1の内部液S13は、アンモニウムイオンと塩化物イオンとを含有しており、アンモニウムイオン電極S1の内部液S13は、アンモニウムイオン電極S1の内部液S13の浸透圧と等温交点とが所望の値になり、かつ、当該等温交点が前記測定可能な濃度範囲内に含まれているように、前記アンモニウムイオン電極S1の内部液S13中のアンモニウムイオンの濃度と塩素イオンの濃度が調整されたものであり、当該塩素イオンの濃度が、前記基準電極S3の内部液S33中の塩素イオンの濃度とは異なっていることが好ましい。
ところで従来、生物学的窒素除去の処理方式としては、浮遊生物を利用した活性汚泥法、浮遊生物と流動型生物膜を利用した担体利用処理法、生物膜を利用した接触酸化法が用いられる。本願発明の溶解性蒸発残留物および/またはカリウムイオン濃度が高い廃水を対象とした前述のNH4センサー100を使用する硝化槽の空気量制御方法はどの処理方式にも適用可能である。
前述のように、測定対象溶液のカリウムイオン濃度が高い場合には、アンモニウムイオン濃度測定に対するカリウムイオンの干渉の影響が大きく、アンモニウムイオン測定の妨げとなるため、カリウムイオン濃度が高いし尿処理では、NH4センサー100でのアンモニア濃度測定がより困難になると思われる。そのため、し尿処理に関し、詳細な説明を行う。
し尿等の主な性状は一例として、pH:7〜8、SS:5,000mg/L〜15,000mg/L、BOD:2,000〜15,000mg/L、アンモニア性窒素:500〜5,000mg/Lである。
し尿処理の生物学的脱窒素処理方式としては、活性汚泥法である循環式硝化脱窒素法を適用し、標準脱窒素処理方式、高負荷脱窒素処理方式、膜分離高負荷脱窒素処理方式、浄化槽汚泥の混入比率の高い脱窒素処理方式、前脱水+標準脱窒素処理方式などが適用されている。
〔標準脱窒素処理方式〕
図6は標準脱窒素処理方式による処理フローの一例を示す図である。同図に示すように、この標準脱窒素処理方式による処理フローは、脱窒素槽210と、硝化槽220と、二次脱窒素槽230と、再曝気槽240と、沈殿池250とを設置して、この順番に処理を行う構成となっている。
即ち、スクリーン等でし渣等を除去した前処理後のし尿及び浄化槽汚泥(以下「し尿等」ともいう)を希釈水とともに脱窒素槽210に供給する。脱窒素槽210に流入するし尿等の量の1〜10倍の希釈水を供給する。希釈水としては井戸水等が用いられるが、この他に雑排水(脱水ろ液、機器洗浄水など場内で発生する排水)も希釈水と一緒に供給される。以下、雑排水を含めて希釈水と呼ぶこととする。脱窒素槽210には沈殿池250から返送される返送汚泥及び硝化槽220の末端から循環される硝化液(硝化循環液)も流入する。脱窒素槽210は無酸素状態下で撹拌され、脱窒素菌がし尿および浄化槽汚泥中のBOD成分を利用しながら循環された硝化液中の硝酸性窒素および亜硝酸性窒素(以下、NOX-N)を窒素ガスに転換する脱窒素処理を行う。
次に、脱窒素槽210から流出した混合液は硝化槽220に導入され、曝気される。ここでは、脱窒素槽210で除去しきれなかったBODが除去されるとともに、硝化菌の作用によりアンモニア性窒素(以下、「NH4-N」という)がNOX-Nに酸化される。なお、硝化槽220には、DO計223と、pH計225と、前記NH4センサー100が設置され、また下記する曝気装置によって空気が供給される。
硝化槽220で硝化が進行した混合液の大部分は、硝化液循環配管221によって、前記脱窒素槽210に循環され、残りは二次脱窒素槽230に流入する。脱窒素槽210と同様に無酸素状態である二次脱窒素槽230では、硝化槽220から流入したNOX-Nが脱窒素される。ここでの脱窒素では内生呼吸型脱窒素も行われるが、メタノール等の水素供与体を添加することで、脱窒素反応の効率化を図ることが好適である。
次に、二次脱窒素槽230で残留したメタノール等の有機物は、再曝気槽240で曝気処理することで除去される。
次に、再曝気槽240からの流出水は沈澱池250に導かれ、ここで汚泥と処理水に分離される。沈殿池250で濃縮された汚泥の一部は、汚泥返送管251によって、返送汚泥として脱窒素槽210に送られ、残りは余剰汚泥として汚泥処理される。沈殿池250から越流した処理水は、凝集沈殿処理等の高度処理を経た後、放流される。
標準脱窒素処理方式のMLSS(Mixed Liquor Suspended Solids)は、6000mg/L程度で運転されることが多い。
生物学的硝化脱窒素法での各反応槽の液温は、投入するし尿等や希釈水よりも高くなる。これは、硝化反応および脱窒素反応は発熱反応であり、各反応槽での生物反応により生じる発生熱、および、曝気装置で発生する吹き込み空気の熱量などの反応槽への流入熱が、曝気による排気ガスの持ち出す熱量などの反応槽からの流出熱よりも大きくなるためである。亜硝酸菌の活性は38℃まで高くなるが、38℃を超えると低下するため、硝化槽220の処理の安定化のため、生物学的硝化脱窒処理の液温の上限は38℃とするのが好適である。
〔高負荷脱窒素処理方式、膜分離高負荷脱窒素処理方式〕
高負荷脱窒素処理方式や膜分離高負荷脱窒素処理方式の高負荷処理方式では、前処理したし尿等を無希釈のまま高容積負荷の硝化脱窒素設備で処理し、固液分離後の分離水を凝集沈殿処理等の高度処理を経た後、放流する方式である。高負荷処理方式では、高容積負荷運転を可能とするため、MLSSを8,000〜20,000mg/Lに維持する必要がある。この高MLSSの活性汚泥の固液分離方式としては、高負荷脱窒素処理方式では、遠心濃縮機等の機械分離方式の採用が一般的であり、膜分離高負荷脱窒素処理方式では、精密ろ過膜(MF膜)や限外ろ過膜(UF膜)による膜分離方式が採用される。
図7は膜分離高負荷脱窒素処理方式による処理フローの一例を示す図である。同図に示すように、この膜分離高負荷脱窒素処理方式による処理フローは、脱窒素槽260と、硝化槽270と、膜分離原水槽280と、二次硝化槽290と、二次脱窒素槽300と、再曝気槽310と、沈殿池320とを設置して、この順番に処理を行う構成となっている。処理の基本原理は前記標準脱窒素処理方式に準じている。
即ち、前処理したし尿等を脱窒素槽260に流入させる。脱窒素槽260ではし尿等のBODを利用して、嫌気的条件下で硝化槽270からの循環液中のNOX-Nを脱窒素する。脱窒素槽260の流出液は硝化槽270に流入し、好気的条件下でNH4-NがNOX-Nに硝化される。NOX-Nを含む混合液は、硝化液循環配管271によって、脱窒素槽260へ循環される。この処理フローでは、膜分離原水槽280から脱窒素槽260へ循環するフローとなっているが、硝化槽270から脱窒素槽260に循環する方式としてもよい。
硝化槽270からの流出液は膜分離原水槽280を経て膜分離装置281で固液分離される。膜分離装置281で分離された透過水は後段の二次硝化槽290に流入し、膜で濃縮された汚泥の一部は返送汚泥として脱窒素槽260に戻され、残りは余剰汚泥として汚泥処理される。脱窒素槽260および硝化槽270のMLSSは8,000〜12,000mg/Lで運転されることが多い。高負荷脱窒素処理方式では、反応液温よりも水温の低い希釈水を用いないため、反応槽液温を38℃以下に保つために冷却装置を備えている。
膜分離装置281で分離された透過水は、雑排水とともに二次硝化槽290へ流入する。二次硝化槽290では好気的条件下でNH4-NがNOX-Nに硝化される。二次脱窒素槽300、再曝気槽310、沈殿池320、汚泥返送管321の機能は、上記標準脱窒素処理方式と同様である。二次硝化槽290、二次脱窒素槽300、再曝気槽310のMLSSは、4,000〜6,000mg/Lで運転される。
〔浄化槽汚泥の混入比率の高い脱窒素処理方式、前脱水+標準脱窒素処理方式〕
浄化槽汚泥の混入比率の高い脱窒素処理方式や前脱水+標準脱窒素処理方式では、生物学的硝化脱窒素処理の前に前処理後のし尿等の濃縮や脱水の固液分離処理を行い、固形物の除去を行う。これにより、生物処理への流入水の性状が安定し、生物学的硝化脱窒処理の負荷が軽減できる。また、余剰汚泥を前処理後のし尿等とともに脱水する方式の場合、汚泥脱水設備を一元化できる。
図8は前脱水+標準脱窒素処理方式による処理フローの一例を示す図である。同図に示すように、この前脱水+標準脱窒素処理方式による処理フローは、脱水機330と、脱窒素槽340と、硝化槽350と、二次脱窒素槽360と、再曝気槽370と、沈殿池380とを設置して、この順番に処理を行う構成となっている。処理の基本原理は前記標準脱窒素処理方式に準じている。
この処理フローの場合、前処理後のし尿等を脱水機330で脱水(以下、前脱水)し、脱水後の分離液を脱窒素槽340に流入させる。脱水時の汚泥の調質には無機凝集剤と高分子凝集剤を併用させることが好ましい。
前脱水処理では生物学的硝化脱窒処理での負荷量が軽減するため、井戸水等の希釈水を使用せずに、機器洗浄水など場内で発生する排水を雑排水として供給する場合が多い。脱窒素槽340以降の機能は、図6に示す前記標準脱窒素処理方式での処理フローと同様なので、その説明は省略する。
前記硝化槽や再曝気槽で用いる曝気装置としては、散気式曝気装置やポンプ循環式曝気装置、空気注入式曝気装置などがある。曝気装置は、し尿等中のBOD除去及び窒素化合物の硝化を生物学的に行うための酸素を槽内液に溶解する装置で、硝化槽で必要とする酸素をできるだけ均一に十分供給でき、また、汚泥、砂等が沈殿することなく、槽内汚泥濃度が実用上十分な均一性を保つような攪拌能力を有するものとする。硝化槽では、し尿等中のBOD除去以外にアンモニア性窒素の硝化を行うため、一般の活性汚泥法の曝気槽に比べ同一のし尿処理量に対して格段に多量の酸素を必要とする。また、総窒素−MLSS負荷や好気性汚泥日令を必要な範囲に保つためには、MLSS濃度を高く維持することが求められる。従って、曝気装置は、高いMLSS濃度の槽内液に対して必要な酸素の供給が十分に可能なものでなくてはならず、また、上述のように多量の酸素を必要とするので、省エネルギーの観点からも酸素溶解効率のよいものが要求される。
散気式曝気装置は、ブロワから送気管を経て送られた空気を、散気装置で槽内液中に放出し、槽内を攪拌すると同時に酸素溶解を行う。散気装置は、ブロワから送られてくる空気を細かい気泡にして硝化槽に吹き込み、水面に向かって上昇する気泡のエアーリフト効果により槽内に旋回流を形成して槽内液の攪拌混合を行い、且つ液と気泡の接触によって酸素を溶解させる。空気注入式曝気装置も、ブロワにより曝気槽への空気の供給を行う。ポンプ循環方式ではポンプ循環流路でエジェクタ等により空気を吸引することで曝気槽への空気の供給を行う。空気量の制御は配管中のバルブ開度の調整やブロワやポンプのインバータによる出力制御により行うが、インバータによる出力制御での電力削減効果が大きい。
図9は散気式曝気装置400の一例を示す概略構成図、図10はポンプ循環式曝気装置430の一例を示す概略構成図、図11は空気注入式曝気装置460の一例を示す概略構成図である。図9に示す散気式曝気装置400は、ブロワ405から送気管407を経て槽(硝化槽等)401内に送られた空気を、散気装置403で槽内液中に放出する構成となっている。図10に示すポンプ循環式曝気装置430は、槽(硝化槽等)431内の液体を循環ポンプ配管435に取り出して循環ポンプ433によって循環すると共に、循環ポンプ433の下流側の循環ポンプ配管435に設置したエジェクタ437によって循環する液体内に空気を取り込み、この空気の気泡を槽431内に供給する構成となっている。図11に示す空気注入式曝気装置460は、ブロワ463から送気管465を経て槽(硝化槽等)461内に送られた空気を、回転空気分離機467で回転する気泡として槽内液中に放出する構成となっている。空気注入式曝気装置には、この回転空気分散式の他に、ドラフトチューブ式や加圧曝気式や、ディープシャフト式等もある。
上記したNH4センサー100は、硝化槽のNH4-N濃度を把握する目的で設置され、その設置箇所は、硝化槽内のNH4-N濃度を把握できる位置が好ましく、硝化槽内(末端部が好適)、又は硝化液循環配管中、又は硝化液循環配管を分岐した位置に設置した図示しない水質計測器設置槽内、又は前記ポンプ循環式曝気装置430の循環ポンプ配管435中、又は循環ポンプ配管435を分岐した図示しない水質計測器設置水槽内、又は別途設けた図示しない水質計測用配管内、又はこの水質計測配管を分岐した図示しない水質計測器設置槽内がよい(このいずれかにNH4センサーを設置した状態を「硝化槽のNH4センサー」とも称す)。
NH4センサー以外のpH計やDO計も、上記NH4センサーと同じ位置に設置できる。ちなみに、DO計は隔膜ポーラロ式DO計や光学式DO計が用いられ、本願発明の対象となる溶解性蒸発残留物および/またはカリウムイオン濃度が高い廃水に対しても良好なDO測定が可能である。
上記図7に示す高負荷脱窒素処理方式では、二次硝化槽290にもNH4センサーを設置することができる。しかし、二次硝化槽290に比べ硝化槽270での空気量が圧倒的に多いため、NH4センサー設置による空気量削減効果は、硝化槽270に設置したNH4センサーの寄与が圧倒的に大きい。
本発明に係る廃水処理方法は、硝化槽のNH4センサーによるNH4-N測定値に応じて空気量を制御する方法である。具体的には、所定の値に設定した硝化槽NH4-N設定値よりもNH4センサーによる測定値が大きい場合には、前記曝気装置によるブロワ等のインバータ出力制御等により、硝化槽に供給する空気量を増やし、一方、硝化槽NH4-N所定値よりもNH4センサーによる測定値が小さい場合には、前記曝気装置によるブロワ等のインバータ出力制御等により、硝化槽に供給する空気量を減らす制御を行う。これによって、硝化槽内の被処理液のNH4-N濃度が、硝化槽のNH4-N設定濃度となるようにする。
また、硝化槽に供給する空気量に応じて、硝化槽のDO値も変化し、硝化槽に供給する空気量を増やす場合には硝化槽のDO値は高くなる傾向にあり、硝化槽に供給する空気量を減らす場合には硝化槽のDO値は低くなる傾向にある。
NH4センサーでの硝化槽NH4-N測定時には、硝化槽NH4-N設定値の他に、硝化槽NH4-N設定値よりも高い値である硝化槽NH4-N警報値を設定するのが好ましい。何故なら、硝化槽のNH4-Nの測定値が硝化槽NH4-N設定値を超えて硝化槽に供給する空気量が高まり、硝化槽に十分量の空気が供給されているにもかかわらず、硝化槽のNH4-Nが次第に高くなり、硝化槽NH4-N警報値に達する場合は、生物反応槽に流入するし尿等の窒素濃度が高い、あるいは生物反応槽に流入するし尿等の流量が多いため、生物反応槽の窒素負荷が高くなっていると考えられる。この様な場合は、反応槽に流入するし尿等の流入量を下げることで、生物反応槽の窒素負荷を低減し、適正な窒素負荷とすることで硝化槽NH4-Nは硝化槽NH4-N警報値を下回ることができ、安定した生物学的硝化脱窒処理の継続が可能となるからである。これに対して、従来のDO制御で同様の運転を行う場合には、反応槽に流入する窒素負荷が高くなると、硝化槽内のDOが所定値以下に下がるので、硝化槽の空気量を増やし硝化槽のDOを回復させる。しかし、反応槽への流入窒素負荷が硝化菌の能力を上回る場合には、硝化槽に流入するNH4-NをNOX-Nに硝化しきれずにNH4-Nが残留しているにもかかわらず、硝化に必要な空気量は供給されているため、硝化槽のDOは2mg/L以上に保たれる状況が生じることもある。そのため、DO制御では、反応槽への流入窒素負荷への対応が難しく、処理水水質の悪化を招くこともある。この様な観点からも、本発明のように、硝化槽のNH4-NをNH4センサーで監視し、反応槽に流入する窒素負荷を適宜調整することで、生物学的硝化脱窒処理の安定化を図ることは、運転管理上好ましい。
従来のDO制御では、硝化槽のDO値を2〜3mg/Lに維持し、ほぼ全てのアンモニア性窒素を硝酸性窒素に酸化していた。これに対して本願発明によれば、アンモニア性窒素濃度により空気量を制御できるため、硝化槽のDO値は1mg/L以下でも安定した硝化反応が達成できる。し尿処理では硝化槽DO値が1mg/L以下になると、硝化槽では硝化反応と同時に脱窒素反応も生じ、従来法に比べ硝化槽のNOX-Nが明らかに低減することを確認した。し尿処理においては、反応槽の液温が25〜38℃と高く、MLSS濃度が6,000〜20,000mg/Lと高いため、硝化反応が起こっている条件でも同時に脱窒反応が進みやすいと考えられる。そして硝化槽で硝化反応と脱窒反応が進行すると、硝化槽から流出するNH4-N+NOX-N濃度が低減する。その結果、硝化槽後段の二次脱窒素槽で必要となるメタノールを削減することが可能となる。
硝化槽での硝化脱窒同時進行は、本願発明のように、硝化槽にNH4センサーを設置し、硝化槽のアンモニア性窒素濃度を管理することで達成できるものであり、従来法のDO制御により硝化槽での硝化脱窒同時進行を行う場合には、硝化槽でのアンモニア性窒素残留の危険性があり、処理水水質悪化を招く可能性が大きい。また、二次脱窒素槽への流入水のNOX-N濃度を硝酸センサーで測定し、二次脱窒素槽へのメタノール注入量を制御することで、二次脱窒素槽でのメタノール注入量の適正化を図れるため、更なるメタノール使用量の削減が見込まれる。
本願発明の硝化槽にNH4センサーを設置し、硝化槽のアンモニア性窒素濃度により空気量を制御する方法を、図7に示す高負荷脱窒素処理方式のようなNH4センサー100を設置した硝化槽270の後段に二次硝化槽290および二次脱窒素槽300を備えたフローに適用する場合、硝化槽270のNH4-N設定値を高めても、硝化槽出口で残留しているNH4-Nが後段の二次硝化槽290および二次脱窒素槽300で除去されるため放流水水質に与える影響が小さい。
一方、標準脱窒素処理方式や前脱水+標準脱窒素処理方式では、硝化槽出口に残留するNH4-Nが放流水の窒素濃度を高める原因になり得る。つまり、処理フローが脱窒素槽と、硝化槽と、二次脱窒素槽と、再曝気槽で構成されているため、硝化槽でのアンモニア濃度設定値により、硝化槽出口に残留するNH4-Nは二次脱窒素槽で除去されず、再曝気槽でNH4-Nの一部あるいは全部がNOX-Nに硝化された状態で放流水に残留するため、このNH4-N+NOX-N濃度の分だけ、放流水窒素濃度を高める可能性がある。
標準脱窒素処理方式や前脱水+標準脱窒素処理方式に本願発明の硝化槽にNH4センサーを設置し、硝化槽のアンモニア性窒素濃度により空気量を制御し、硝化槽のDO値を1mg/L以下とし、硝化槽で硝化反応と脱窒反応が進行し、硝化槽から流出するNH4-N+NOX-N濃度が低減する方法を適用する場合は、硝化槽の機能を分割するとよい。すなわち、図20(a),図21(a)に示すように、硝化槽を硝化槽(1)と硝化槽(2)に機能上の分割を行い、硝化槽(1)を硝化槽のアンモニア性窒素濃度により空気量を制御し、硝化槽のDO値を1mg/L以下とし、硝化槽で硝化反応と脱窒反応が進行することにより硝化槽から流出するNH4-N+NOX-N濃度を低減させる「硝化脱窒同時進行ゾーン」とし、硝化槽(2)をDO値1〜3mg/Lに維持し、ほぼ全てのアンモニア性窒素を硝酸性窒素に酸化させる「硝化ゾーン」とする。硝化槽(2)出口に残留する硝酸性窒素は二次脱窒素槽で脱窒素により除去されるため、放流水の窒素濃度に与える影響は小さくなる。
硝化槽(1)と硝化槽(2)の分割は、槽が槽壁により区画されている場合および槽の構造上の強度を持たせるための仕切りにより構造上分割されている場合の他、図20(b),図21(b)に示すように、槽壁や仕切りにより構造上分割されていなくても、空気量の調整や散気装置の型式を替えることで、DO濃度の異なるゾーンを形成させることによる機能上の分割でもよい。要は、少なくとも硝化槽を機能上分割する構成であればよい。
硝化槽(1)と硝化槽(2)の槽容量は、硝化槽(1)<硝化槽(2)でも本願発明の効果を発揮できるが、硝化槽(1)>硝化槽(2)とすることで、本願発明の硝化槽(1)で硝化反応と脱窒反応が同時に進行することによる硝化槽(1)流出のNH4-N+NOX-N濃度を低減させる効果が大きくなるために好ましく、硝化槽(2)は硝化槽(1)の3分の1以下であることがより好ましい。
NH4センサーは硝化槽(1)の末端に設置することが好ましく、DO計は硝化槽(2)に設置することが好ましい。さらに硝化槽(1)にもDO計を設置することがより好ましい。
硝化液循環を行う場合には、硝化液を硝化槽(2)から取水することが好ましい。
浄化槽汚泥の混入比率の高い脱窒素処理方式や前脱水+標準脱窒素処理方式では、生物学的硝化脱窒素処理の前に前処理後のし尿等の濃縮や脱水の固液分離処理を行い、固形物の除去を行う。この固液分離、特に脱水処理では固形物の除去と同時に有機物も除去されるため、固液分離後の分離液では、窒素濃度に対し、脱窒素処理時の水素供与体として使用される有機物が不足し、通常はメタノールなどの水素供与体を脱窒素槽あるいは二次脱窒素槽に過剰に添加することが必要となる。
窒素濃度に対する脱窒素処理時の水素供与体必要量はBOD/N比で示されることが多く、一般的に、BOD/N比が3以上で外部からの水素供与体を供給することなく、生物学的硝化脱窒素処理が行われる。
し尿等の脱水後の分離液あるいは、余剰汚泥をし尿等とともに脱水する場合の分離液(以下、両者を合わせて、し尿等の脱水分離液とも記す)では、窒素濃度に対し、脱窒素処理時の水素供与体BOD/N比が3以下、多くの場合は2以下となるため、メタノールなどの水素供与体を過剰に添加することが必要となる。
前脱水+標準脱窒素処理方式に本発明を適用する場合においては、硝化槽で硝化反応と内生脱窒素による脱窒素反応が同時に進行するため、し尿等の脱水分離液のBOD/N比が低い場合でも、硝化槽出口でのNH4-N+NOX-N濃度の低減効果が発揮できるため、従来の前脱水+標準脱窒素処理方式での硝化槽出口のNH4-N+NOX-N窒素濃度低減が可能となり、脱窒素槽あるいは二次脱窒素槽へのメタノールなどの水素供与体添加量を削減することが可能となる。
空気量制御の基準となる硝化槽NH4-N設定値で運転を行っている場合でも、硝化槽のDOが1mg/L以上となることもある。この場合でも、安定した生物学的硝化脱窒処理は行えていて問題はないが、この条件で生物反応槽に流入するし尿等流量を下げることで、生物反応槽の窒素負荷が低減するため、所定の硝化槽NH4-N値で運転するための硝化槽の空気量は低減でき、硝化槽のDOを1mg/L以下に保つことが可能となる。すなわち、生物反応槽に流入するし尿等流量を下げることで、硝化槽NH4-Nを硝化槽NH4-N設定値に保ちながら、硝化槽のDOを1mg/L以下にすることができ、硝化槽で硝化反応と脱窒反応を進行させることができ、硝化槽から流出するNH4-N+NOX-N濃度を低減することが可能となる。
また、空気量制御の基準となる硝化槽NH4-N設定値(1)よりも高い硝化槽NH4-N設定値(2)を設定し、硝化槽NH4-N設定値(1)で運転している状況で硝化槽DOが1mg/L以上の場合、硝化槽NH4-N設定値を硝化槽NH4-N設定値(2)に変更することで、所定の硝化槽NH4-N値で運転するための硝化槽の空気量は低減でき、硝化槽のDOを1mg/L以下に保つことが可能となる。そのため、硝化槽NH4-Nを硝化槽NH4-N設定値に保ちながら、硝化槽のDOを1mg/L以下にすることができ、硝化槽で硝化反応と脱窒反応が進行するため、硝化槽から流出するNH4-N+NOX-N濃度を低減することが可能となる。ここでは、硝化槽NH4-N設定を二段階として説明したが、硝化槽NH4-N設定値を三段階以上の複数段階設定することも可能である。
本願発明全般において、硝化槽のNH4-N設定値は、放流水水質、空気量削減効果、硝化槽内の撹拌状況、硝化槽DO値、メタノール使用量削減効果等を考慮した上で適宜設定することが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
<事前検討1:NH4センサーの性能測定>
前処理後のし尿等を前記図7に示す膜分離高負荷脱窒素処理方式で処理した際のNH4センサー測定値について検討した。
被処理水の主な水質(平均値)は、NH4-N:1,000mg/L、BOD:4,000mg/Lであった。また流入水量は30m3/d、硝化液循環量は600m3/dとした。また硝化槽270のMLSSは12,000mg/L、硝化槽水温は35℃とした。硝化槽270のNH4センサー100により、NH4-Nを測定し、別途実施した水質分析結果と比較した。この時の硝化槽270内の溶解性蒸発残留物濃度は2,000〜4,000mg/L、カリウムイオン濃度は150〜350mg/Lであった。図12は前記NH4センサー測定値と水質分析結果の比較を示す図である。同図に示すように、NH4センサー測定値と水質分析結果はほぼ一致していることから、前記図1〜図5に示すNH4センサー100が、溶解性蒸発残留物濃度およびK+濃度の高い廃水に適用可能であることを確認した。
<事前検討2:NH4センサーの性能測定>
事前検討1と同様に、前処理後のし尿等を前記図7に示す膜分離高負荷脱窒素処理方式で処理した際の、溶解性残留物濃度およびK+濃度の高い廃水でのNH4センサー100の適用について検討した。即ち、下記するA処理場、B処理場、C処理場において、硝化槽270のNH4センサー100により、NH4-Nを測定し、別途実施した水質分析結果と比較した。
A処理場:事前検討1と同じし尿処理施設、硝化槽270の溶解性蒸発残留物濃度は2,000〜4,000mg/L、カリウムイオン濃度は150〜350mg/L
B処理場:し尿処理施設、硝化槽の溶解性蒸発残留物濃度は3,000〜6,000mg/L、カリウムイオン濃度は300〜450mg/L
C処理場:最終処分場浸出水処理施設、硝化槽の溶解性蒸発残留物濃度は10,000〜20,000mg/L、カリウムイオン濃度は10〜40mg/L
その結果を図13に示す。同図に示すように、A処理場、B処理場、C処理場共にNH4センサー測定値と水質分析結果はほぼ一致していた。カリウムイオン濃度の高いB処理場ではNH4-Nが5mg/L以下で、NH4-Nセンサー測定値が高い値を示す傾向にあったが、運転管理上は支障のない範囲であった。これによって、前記図1〜図5に示すNH4センサー100が、溶解性蒸発残留物濃度およびK+濃度の高い廃水に適用可能であることを確認した。
<実施例1:硝化槽NH4-N濃度による空気量制御の一例>
前処理後のし尿および浄化槽汚泥を、前記図6に示す標準脱窒素処理方式で処理した。NH4-N濃度の測定は、前記図1〜図5に示すNH4センサー100を用いた。被処理水(対象水)の主な水質(平均値)はNH4-N:500mg/L、BOD:2,000mg/Lであった。また流入水量は60m3/d、希釈水量は140m3/d、硝化液循環量は300m3/d、返送汚泥量は200m3/dとした。硝化槽220のMLSSを6,000mg/L、硝化槽水温を29〜31℃に設定した。そして、硝化槽220のNH4センサー100で硝化槽220のNH4-Nを1mg/Lとなるように硝化槽220への空気量を制御した。
図14は、NH4センサー100を使用したNH4-N濃度による空気量制御運転の結果を示す図である。同図に示すように、NH4センサー100を使用したNH4-N濃度による空気量制御運転の結果は、硝化槽NH4-N:0.6〜1.3mg/L(平均1.0mg/L)、硝化槽DO:0.7〜1.8(平均0.9mg/L)であった。このことから、NH4センサー100を使用したNH4-N濃度による空気量制御運転を行うことで、従来法よりも低いDO値、すなわち少ない空気量で硝化槽220での良好な硝化反応の進行が達成できることを確認した。
<実施例2:硝化槽NH4-N濃度と硝化槽DO濃度による空気量制御の比較>
硝化槽NH4-N濃度による空気量制御(本願発明)と硝化槽DO濃度による空気量制御(従来法)での比較を行った。
前処理後のし尿および浄化槽汚泥を、前記図6に示す標準脱窒素処理方式で処理した。被処理液(対象水)の主な水質(平均値)は、NH4-N:500mg/L、BOD:2,000mg/Lであった。また流入水量は60m3/d、希釈水量は140m3/d、硝化液循環量は300m3/d、返送汚泥量は200m3/dとした。硝化槽220のMLSSを6,000mg/L、硝化槽水温を29〜31℃とした。
図15は、硝化槽NH4-N濃度による空気量制御と、硝化槽DO濃度による空気量制御の結果を比較して示す図である。同図に示す条件(1)は前記実施例1の結果であり、硝化槽220のNH4センサー100で硝化槽220のNH4-N濃度が1mg/Lとなるように硝化槽220への空気量を制御した際の各種数値の測定結果を示している。同様に本願発明による条件(2)では、硝化槽220のNH4-N濃度が2mg/Lとなるように硝化槽220への空気量を制御した際の各種数値の測定結果を示している。一方、従来法による条件(3)では、硝化槽220のDO値を2mg/Lに設定し、空気量を制御した際の各種数値の測定結果を示している。また、比較条件となる条件(4)は、硝化槽220のDO値を0.9mg/Lに設定し、空気量を制御した際の各種数値の測定結果を示している。なお、NH4センサー100、DO計223は各条件において同一箇所に設置した。
図15に示すように、条件(1)、条件(3)の硝化槽NH4-N濃度は概ね1mg/L以下であり、良好な硝化の進行が確認できた。条件(3)では空気量不足のため、NH4-Nが残留する場合があった。条件(4)では平均値で6mg/Lであるが、最大30mg/Lにも達し、処理水質の悪化を招いた。条件(2)では硝化槽NH4-N濃度は設定値通りの2mg/Lであった。硝化槽NH4-Nが2mg/Lで安定していたため、放流水水質基準値は十分に満足できる。硝化槽220の空気量は条件(1)では条件(3)に比べ、約1割少なくなっていた。硝化槽NOX-Nは条件(1)および条件(2)では条件(3)よりも低い値であった。これはDO値が平均で0.8〜0.9mg/Lと低めであったことから、硝化槽220での硝化脱窒素同時進行の効果であると考えられる。また、条件(1)に比べ硝化槽220のNH4-N設定値を高めた条件(2)では、硝化槽空気量が少なく、硝化槽DOが低くなっていた。条件(1)に比べ硝化槽DOが低くなった条件(2)では、より脱窒素反応が進みやすくなったため、硝化槽NOX-Nの値が低くなった。また、条件(1)では硝化槽DO値が0.7〜1.8mg/Lであり、硝化槽220のDO値が常時1mg/L以下でなくても、期間中の平均値として硝化槽220での硝化脱窒素同時進行を確認できた。硝化槽220のNOX-Nが低い条件(1)および条件(2)では二次脱窒素槽230でのメタノール使用量が少なくなるため、薬品コスト低減が可能となる。
<実施例3:硝化槽NH4-N濃度と硝化槽DO濃度による空気量制御の比較>
図7に示す方式(膜分離高負荷脱窒素処理方式・高負荷脱窒素処理方式)のように、NH4センサー100を設置した硝化槽270の後段に二次硝化槽290および二次脱窒素槽300を備えたフローでは、硝化槽270のNH4-N設定値を高めても、硝化槽出口で残留しているNH4-Nが後段の二次硝化槽290および二次脱窒素槽300で除去されるため放流水水質に与える影響が小さい。
そしてこの実施例3では、図7に示す処理フローにおいて、硝化槽270のNH4-N設定値による硝化槽水質および硝化槽空気量について比較した。前記事前検討1と同じ運転条件で、図16に示す条件(5)〜(7)はNH4-N濃度による空気量制御(本願発明)での測定結果を、条件(8)はDO濃度による空気量制御(従来法)での測定結果を示している。同図に示すように、条件(5)〜(7)では、条件(8)に比べ硝化槽NH4-N+NOX-N濃度が低くなっていた。DO値が低めであったことから、硝化槽270での硝化脱窒素同時進行の効果であると考えられる。硝化槽NH4-N+NOX-N濃度を低減する最適硝化槽NH4-Nが存在することが示唆された。硝化槽のNH4-N+NOX-Nを低減することで二次脱窒素槽300でのメタノール使用量を少なくすることができる。
<実施例4>
前処理後のし尿等を、図7に示す膜分離高負荷脱窒素処理方式で処理するA処理場で、下記するケース1,2の条件で運転した。対象水の主な水質(平均値)はNH4-N:1,000mg/L、BOD:4,000mg/Lであった。流入水量は36m3/d、硝化液循環量は720m3/dとした。硝化槽270のMLSSは12,000mg/L、硝化槽水温は35℃とした。硝化槽270のNH4センサー100で硝化槽270のNH4-Nが1mg/Lとなるように硝化槽270への空気量を制御したところ、硝化槽270のDO値は約1.5mg/Lであった。
ケース1:生物反応槽に流入するし尿等の流量を下げて、硝化槽270のDO値を1mg/L以下に設定した場合
図17に示すように、硝化槽270のNH4-N設定値は1mg/Lで変更せず、生物反応槽に流入するし尿等の流量を期間(1):36m3/d、期間(2)33m3/d、期間(3)32m3/dで段階的に下げることで、硝化槽270のDO値を1mg/L以下に維持する運転を行った。硝化液循環量は生物反応槽に流入するし尿等の流量の20倍とした。硝化槽270のDO値は期間(1)で約1.5mg/L、期間(2)で1.1〜1.3mg/L、期間(3)で0.7〜1.0mg/Lであり、期間(3)で硝化槽のDO値を1mg/L以下に維持することができた。期間(3)では硝化槽270での硝化と脱窒素の同時進行によるNH4-N+NOX-Nの低減効果が期待できる。
ケース2:硝化槽270のNH4-N設定値を上げて、硝化槽270のDO値を1mg/L以下に設定した場合
図18に示すように、生物反応槽に流入するし尿等の流量は変更せず、硝化槽270のNH4-N設定値を、期間(4):1mg/L、期間(5)1.5mg/L、期間(6)2mg/Lで段階的に上げることで、硝化槽270のDO値を1mg/L以下に維持する運転を行った。硝化槽270のDO値は期間(4)で約1.5mg/L、期間(5)で1.1〜1.4mg/L、期間(6)で0.7〜1.0mg/Lであり、期間(6)で硝化槽のDO値を1mg/L以下に維持することができた。期間(6)では硝化槽270での硝化と脱窒素の同時進行によるNH4-N+NOX-Nの低減効果が期待できる。
<実施例5>
標準脱窒素処理方式での、硝化槽DO濃度による空気量制御(従来法)、硝化槽NH4-N濃度による空気量制御(本願発明、図6参照)、および硝化槽をDO濃度により機能上、「硝化脱窒同時進行ゾーン」と「硝化ゾーン」とに分割する空気量制御手法(本願発明、図20参照)とでの比較を行った。
前処理後のし尿および浄化槽汚泥を、前記図6に示す標準脱窒素処理方式で処理した。被処理水(対象水)の主な水質(平均値)はNH4-N:500mg/L、BOD:2,000mg/Lであった。また流入水量は50m3/d、希釈水量は140m3/d、硝化液循環量は300m3/d、返送汚泥量は200m3/dとした。硝化槽220のMLSSを6,000mg/L、硝化槽水温を29〜31℃に設定した。NH4-N濃度の測定は、前記図1〜図5に示すNH4センサー100を用いた。
従来法の条件(9)では硝化槽のDOが3mg/Lになるように硝化槽の空気量を設定した。
条件(10)では硝化槽のNH4-N濃度が5mg/Lになるように空気量を調整した。
条件(11)では、硝化槽の前半約3分の2を「硝化脱窒同時進行ゾーン」(以下、硝化槽(1)とも記す)として、硝化槽(1)末端部のNH4-N濃度が5mg/Lになるように空気量を調整し、硝化槽の後半約3分の1を「硝化ゾーン」(以下、硝化槽(2)とも記す)として、硝化槽(2)のDOが2mg/Lになるように調整した。硝化槽(1)と硝化槽(2)は、図20(b)に示すように、構造上の区切りや仕切りは無く、空気量の違いによる機能上の分割とした。
条件(9)では硝化槽にDO計を設置した。条件(10)では、図6に示すように、硝化槽にNH4センサーを設置した。条件(11)では、図20(b)に示すように、硝化槽(1)にNH4センサーを、硝化槽(2)にDO計を設置した。条件(10)と条件(11)ではNH4センサーの設置個所にDO計も設置してDOを監視した。
硝化槽出口NOX-Nはその大部分がNO3-Nであったため、二次脱窒素槽へのメタノール注入量は硝化槽出口NO3-N濃度に応じて設定した。
硝化槽出口に設置した硝酸センサーの測定値から、NO3-Nの3倍量となるようにメタノールを二次脱窒素槽に注入した。
運転結果を図22に示す。硝化槽の空気量をNH4センサーの設定値により実施した本願発明の条件(10)および条件(11)では、硝化槽での硝化脱窒素同時進行の効果により、硝化槽出口のNH4-N+NOX-N濃度が従来法の条件(9)の約6割に低減した。条件(10)の硝化槽のDOは平均で0.7mg/Lであり、概ね1mg/L以下であった。条件(11)の硝化槽(1)のDOは平均で0.8mg/Lであり、概ね1mg/L以下であった。硝化槽出口のNOX-N濃度低減が可能となった条件(10)および条件(11)では、従来法の条件(9)に比べ、二次脱窒素槽のメタノール注入量を50〜60%に削減可能であった。
なお、硝化槽のNH4-N濃度を5mg/Lに設定した条件(10)では硝化槽出口に残留するNH4-Nが二次脱窒素槽で除去されず、再曝気槽でNH4-Nの一部あるいは全部がNOX-Nに硝化された状態で沈殿池出口に残留するため、このNH4-N+NOX-N濃度の分だけ、放流水窒素濃度を高める可能性がある。
一方、硝化槽の後半約3分の1を硝化ゾーンに設定した条件(11)では、硝化槽出口でのNH4-Nの残留が極めて少なく、沈殿池出口でのNH4-N+NOX-Nは1mg/L以下であり、良好な窒素除去が達成できた。
<実施例6>
前脱水+標準脱窒素処理方式での、硝化槽DO濃度による空気量制御(従来法)、硝化槽NH4-N濃度による空気量制御(本願発明、図8参照)、および硝化槽をDO濃度により機能上、「硝化脱窒同時進行ゾーン」と「硝化ゾーン」とに分割する空気量制御手法(本願発明、図21参照)とでの比較を行った。
前処理後のし尿および浄化槽汚泥を、前記図8に示す前脱水+標準脱窒素処理方式で処理した。し尿等に生物処理で発生した余剰汚泥を加えた混合汚泥を高分子凝集剤で凝集した後、スクリュープレス脱水機で脱水した脱水分離液を対象に従来法と本願発明の比較を行った。被処理水であるし尿等の脱水分離液の主な水質(平均値)はNH4-N:400mg/L、BOD:700mg/Lであった。今回の処理対象であるし尿等の脱水分離液のBOD/NH4-N比は1.75であり、窒素濃度に対し、脱窒素処理時の水素供与体として使用される有機物が不足しているため、メタノールを二次脱窒素槽に過剰に添加することが必要となる。また流入水量は50m3/d、雑排水は10m3/d、硝化液循環量は600m3/d、返送汚泥量は200m3/dとした。硝化槽350のMLSSを6,000mg/L、硝化槽水温を31〜33℃に設定した。NH4-N濃度の測定は、前記図1〜図5に示すNH4センサー100を用いた。
従来法の条件(12)では硝化槽のDOが3mg/Lになるように硝化槽の空気量を設定した。
条件(13)では硝化槽のNH4-N濃度が5mg/Lになるように空気量を調整した。
条件(14)では、硝化槽の前半約3分の2を「硝化脱窒同時進行ゾーン」の硝化槽(1)とし、硝化槽(1)のNH4-N濃度が5mg/Lになるように空気量を調整し、硝化槽の後半約3分の1を「硝化ゾーン」の硝化槽(2)とし、硝化槽(2)のDOが2mg/Lになるように調整した。硝化槽(1)と硝化槽(2)は、図21(b)に示すように、構造上の区切りや仕切りは無く、空気量の違いによる機能上の分割とした。
条件(12)では硝化槽にDO計を設置した。条件(13)では、図8に示すように、硝化槽にNH4センサーを設置した。条件(14)では、図21(b)に示すように、硝化槽(1)にNH4センサーを、硝化槽(2)にDO計を設置した。条件(13)と条件(14)ではNH4センサーの設置個所にDO計も設置してDOを監視した。
硝化槽出口NOX-Nはその大部分がNO3-Nであったため、二次脱窒素槽へのメタノール注入量は硝化槽出口NO3-N濃度に応じて設定した。
硝化槽出口に設置した硝酸センサーの測定値から、NO3-Nの3倍量となるようにメタノールを二次脱窒素槽に注入した。
運転結果を図23に示す。硝化槽の空気量をNH4センサーの設定値により実施した本願発明の条件(13)および条件(14)では、硝化槽での硝化脱窒素同時進行の効果により、硝化槽出口のNH4-N+NOX-N濃度が従来法の条件(12)の約5割に低減した。条件(13)の硝化槽のDOは平均で0.7mg/Lであり、概ね1mg/L以下であった。条件(14)の硝化槽(1)のDOは平均で0.8mg/Lであり、概ね1mg/L以下であった。硝化槽出口のNOX-N濃度低減が可能となった条件(13)および条件(14)では、従来法の条件(12)に比べ、二次脱窒素槽のメタノール注入量を30〜50%に削減可能であった。
なお、硝化槽のNH4-N濃度を5mg/Lに設定した条件(13)では硝化槽出口に残留するNH4-Nが二次脱窒素槽で除去されず、再曝気槽でNH4-Nの一部あるいは全部がNOX-Nに硝化された状態で沈殿池出口に残留するため、このNH4-N+NOX-N濃度の分だけ、放流水窒素濃度を高める可能性がある。
一方、硝化槽の後半約3分の1を硝化ゾーンに設定した条件(14)では、硝化槽出口でのNH4-Nの残留が極めて少なく、沈殿池出口でのNH4-N+NOX-Nは1mg/L以下であり、良好な窒素除去が達成できた。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの構成であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
1 ボディ
2 押圧機構
100 NH4センサー(液体分析計)
S1,S2,S3 センサー
S1 アンモニウムイオン電極
S11 応答膜
S2 カリウムイオン電極
S21 応答膜
S3 基準電極(比較電極)
S31 液絡部
L 分析対象液(被処理水)
SP1、SP2、SP3 センサー面
TS 温度センサー
S12、S22、S32 支持管
S13、S23、S33 内部液
S1E、S2E、S3E 内部電極(内部極)
210 脱窒素槽
220 硝化槽
221 硝化液循環配管
230 二次脱窒素槽
240 再曝気槽
250 沈殿池
251 汚泥返送管
260 脱窒素槽
270 硝化槽
271 硝化液循環配管
280 膜分離原水槽
281 膜分離装置
290 二次硝化槽
300 二次脱窒素槽
310 再曝気槽
320 沈殿池
321 汚泥返送管
330 脱水機
340 脱窒素槽
350 硝化槽
360 二次脱窒素槽
370 再曝気槽
380 沈殿池
400 散気式曝気装置
401 槽(硝化槽等)
403 散気装置
405 ブロワ
407 送気管
430 ポンプ循環式曝気装置
431 槽(硝化槽等)
433 循環ポンプ
435 循環ポンプ配管
437 エジェクタ
460 空気注入式曝気装置
461 槽(硝化槽等)
463 ブロワ
465 送気管
467 回転空気分離機
本発明にかかる廃水処理方法は、溶解性蒸発残留物500〜30,000mg/Lおよび/またはカリウムイオン濃度40〜600mg/Lの廃水を、少なくとも、脱窒素槽から、硝化槽、二次脱窒素槽、再曝気槽に導入することで生物学的硝化脱窒素処理を行う廃水処理方法において、硝化槽のアンモニア濃度を測定する液体分析計として、液絡部を介して外部と連通する空間内に内部液である塩化カリウム飽和液と当該内部液に接触する内部極であるAg/AgCl電極とを備えた比較電極と、応答膜によって外部から仕切られた空間内に内部液として塩化アンモニウム水溶液と当該内部液に接触する内部極としてAg/AgCl電極とを備えたアンモニウムイオン電極と、アンモニウムイオンに対するカリウムイオンの干渉を補正するために用いられるカリウムイオンによる電位を測定するカリウムイオン電極と、を具備する構成の液体分析計を用い、前記液体分析計により測定した硝化槽のアンモニア性窒素濃度が120mg/Lとなるように硝化槽への酸素含有気体供給量を制御し、かつ、硝化槽のDO値が1mg/L以下になるように制御することによって、硝化槽において硝化反応と脱窒素反応を同時に進行させることを特徴としている。
なお、測定対象のアンモニウムイオンの測定可能な濃度範囲は、前記比較電極の内部液中の塩化物イオン濃度よりも低いことが好ましい。また、前記アンモニウムイオン電極の内部液は、アンモニウムイオンと塩化物イオンとを含有しており、前記アンモニウムイオン電極の内部液は、前記アンモニウムイオン電極の内部液の浸透圧と等温交点とが所望の値になり、かつ、当該等温交点が前記測定可能な濃度範囲内に含まれているように、前記アンモニウムイオン電極の内部液中のアンモニウムイオンの濃度と塩素イオンの濃度が調整されたものであり、当該塩素イオンの濃度が、前記比較電極の内部液中の塩素イオンの濃度とは異なっていることが好ましい。
上記本発明にかかる液体分析計によれば、溶解性蒸発残留物および/またはカリウムイオン濃度が高い廃水に対しても、共存イオンおよび/またはカリウムイオンの影響を受けずにアンモニア濃度を正確に測定することができることを実験によって確認した。このため、硝化槽に対する酸素含有気体の供給量を硝化槽のNH4濃度に応じて正確に制御することが可能になる。
そして、硝化槽のNH4濃度に応じて酸素含有気体の供給量を制御することで、従来のように硝化槽のDO値を高める必要が無くなる。即ち、硝化槽のDO値を1mg/L以下と、従来よりも低く保つことが可能となり、硝化槽において安定した硝化反応の進行が図れ、また硝化槽での硝化脱窒同時進行が生じ、窒素除去濃度低減効果を高めることが可能となる。

Claims (2)

  1. 溶解性蒸発残留物500〜30,000mg/Lおよび/またはカリウムイオン濃度40〜600mg/Lの廃水を、少なくとも、脱窒素槽から、硝化槽、二次脱窒素槽、再曝気槽に導入することで生物学的硝化脱窒素処理を行う廃水処理方法において、
    硝化槽のアンモニア濃度を測定する液体分析計として、液絡部を介して外部と連通する空間内に内部液である塩化カリウム飽和液と当該内部液に接触する内部極であるAg/AgCl電極とを備えた比較電極と、応答膜によって外部から仕切られた空間内に内部液として塩化アンモニウム水溶液と当該内部液に接触する内部極としてAg/AgCl電極とを備えたアンモニウムイオン電極と、アンモニウムイオンに対するカリウムイオンの干渉を補正するために用いられるカリウムイオンによる電位を測定するカリウムイオン電極と、を具備する構成の液体分析計を用い、
    前記液体分析計により測定した硝化槽のアンモニア性窒素濃度が1~20mg/Lとなるように硝化槽への酸素含有気体供給量を制御し、かつ、硝化槽のDO値が1mg/L以下になるように制御することによって、硝化槽において硝化反応と脱窒素反応を同時に進行させることを特徴とする廃水処理方法。
  2. 請求項1に記載の廃水処理方法において、
    前記硝化槽を機能的に複数に分割し、
    分割した硝化槽前半部分でのアンモニア性窒素濃度が1〜20mg/Lとなるように硝化槽への酸素含有気体供給量を制御し、かつ、硝化槽前半部分のDO値を1mg/L以下とすることによって、硝化槽前半部分おいて硝化反応と脱窒素反応を同時に進行させ、
    一方、分割した硝化槽後半部分で、DO値が1〜3mg/Lになるように酸素含有気体供給量を制御して硝化槽前半部分に残留したNH4-NをNOX-Nに硝化することを特徴とする廃水処理方法。
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